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エレクトロニクス実装学会が主催する マイクロエレクトロニクス ショーにおける基調講演である 時代は PC 中心の時代からデジタル コンシューマ製品中心の時代への転換期にあり 実装技術の重要性が高まっていた その重要性は今後ますます高くなることを述べ 実装技術者に対しエールを贈った

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Academic year: 2021

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(1)

エレクトロニクス産業の構造転換と実装技術の役割

マイクロエレクトロニクス・ショー 2005年6月3日 東京

基調講演

解 説

マイクロエレクトロニクス・ショーはエレクトロニクス実装学会が主催して、例年6月初旬に開

催される展示会・講演会であり、同学会最大のメイン・イベントである。私は2003年から2年

間、この学会の会長を務めたので、講演テーマには親近感を持っていた。

この時期はエレクトロニクス産業の構造転換の時期に当たっていた。

PC中心の市場から、

デジタル・コンシューマ製品中心の市場に移行していたのである。主な製品はデジカメ、ゲー

ム機、携帯電話、デジタル

TV、DVD、携帯型音楽プレヤーなどである。それらの製品に対し

ては共通して、小型・軽量・低価格が求められ、併せてローパワー且つ高性能の特性も必要

であった。

そのような要求を満たすためにはチップの集積度向上と共に高度な実装技術が必要であ

る。実装技術はその重要性を増しており、また日本が強みを持つ分野でもあったので、

Jisso」という言葉を世界の共通語にしようという機運も盛り上がっていた。

半導体の将来のテクノロジー・ドライバーとなるのはロボットであることを論じた。当時この

論点は意外性を以って受け止められていた。しかし、当時から約10年を経た今日の時点に

おいては、内外共にロボットはこれからの有望分野とされており、開発活動が活発化してい

る。「半導体を通してみれば未来の姿がよく見える」ということの一つの事例である。

(2)

エレクトロニクス実装学会が主催する、マイクロエレクトロニクス・ショーにおける基調講演である。時代はPC 中心の時代からデジタル・コンシューマ製品中心の時代への転換期にあり、実装技術の重要性が高まってい た。その重要性は今後ますます高くなることを述べ、実装技術者に対しエールを贈った。

(3)

● 市場構造の転換

●技術動向

(4)

エレクトロニクス市場の融合が進んでいる。これまで、通信分野、コンピュータ分野、民生分野は画然と区別さ れた市場であった。機器の小型化、高性能化、多機能化の進展によって、市場は「デジタル・コンシューマ」分 野に融合しつつある。その背景にあるのは情報のデジタル化、半導体の高性能化、実装技術の進展である。

(5)

近年、DVD、デジカメ、デジタルTVなどが急速に伸びており、「新三種の神器」とも呼ばれている。逆にPC市 場は漸減しており、2003年には両者の市場がほぼクロスするまでになった(国内市場)。これがエレクトロニ クス市場転換の象徴である。PCの時代が終わり、デジタル・コンシューマの時代が始まったのだ。実装技術 への期待はますます大きくなる。

(6)

1980年からの世界のPC市場の推移を示している。売り上げ規模は2000年頃まで順調に拡大してきた。し かし、それ以降は殆どフラットである。出荷台数のベースでは未だに成長を続けているが、その分、売価ダウ ンが進んでおり、PCは成熟産業となった事を示している。IBMは2004年にPC事業を中国のレノボに売却し、 撤退した。

(7)

この写真は地上波デジタル放送の開始を記念する式典の模様である。中央には祝杯をあげる小泉首相の姿 がみえるが、これはビッグイベントであることの証である。国内では2011年までに1億台のテレビがデジタル 化される見込みであり、累計の経済効果は200兆円と試算されている。

(8)

この図は日本と世界における、TVのデジタル化率の推移を示している。国内においては2008年で金額・数 量ともに、95%程度がデジタル化される見込み。世界的には金額で50%超、数量では40%程度と見込ま れる。半導体コンテンツは左上の表に示すように、アナログTVの18$からデジタルでは113$となり、6倍 にもなる。

(9)

さて皆さん、なぜデジタルの方がいいのか、お分かりですか。これは私の友人が撮った写真です。彼は最近 アナログテレビをデジタルテレビに買い換えました。彼の家の猫はアナログテレビには見向きもしなかったの ですが、デジタルになりますと、画面に飛びついて、鳥などを追いかけるのです。つまり、デジタルの良さは猫 でも分かるのですね!

(10)

これから半導体市場の成長を支えるエンジンはPCからデジタルCE(コンシューマ・エレクトロニクス)に交代 する。PC向けの市場は微増であるが、デジタルCE向けは急増しており、2005年には逆転した。中でも携帯 電話向けが最大であり、デジタルTV、ゲーム、DVD、デジカメ向けがこれに続く。

(11)

この図は半導体市場構造の転換示す。青い線はコンピュータ市場、ピンクの線はコンシューマ・通信・自動車 市場を合計したものである。90年頃まで、ピンクの線が優勢であったが、PCに牽引された青い線が急速に 伸びて前 者を逆転 し、9 0年代 後半にはピーク に達 した。その後、両者の傾向は 反転し、03年頃には デジタルCEが牽引するピンクの線が再び優位になった。

(12)

この図は各種デジタル・コンシューマ製品についての企業国籍別のシェアを示す。2000年代初頭において、 いずれの機器についても日本のシェアは圧倒的であり、PC時代に完敗を喫した日本にとって、「日はまた昇 る」のシグナルとなっていた。しかしその後、米国はスマホで市場を支配し、生産のアジアシフトも重なって、 日本の存在感は次第に薄れていった。

(13)

あらゆる電子機器の中枢には半導体がある。機器の性能を高め、豊かな機能を持たせるための役割を果た すことができるのは半導体である。

(14)

この講演 の前の年 の1 2月に、ソ ニーからプレイステーション・ポータブルが鳴り物入りで発売された。 発売開始を待つ行列はビルの周りを取り囲むほどであった。発売当日に20万台が売れ、年末までには 51万台が売れた。その模様をニューズウィークは「ソニーの大勝負」として特集に組んだ。

(15)

この図は日本と米国の半導体市場の相対値の推移である。グラフが1.0より上の場合は日本市場が大きく、 下にある場合は米国市場が大きい。アナログCEが牽引した80年代から90年代にかけて、日本市場が大き くなり、PCの時代には米国市場が大きくなった。2000年頃からのデジタルCE時代には再度日本市場が大 きくなっている。日本にチャンスが来ているのだ。

(16)

1970年代からのエレクトロニクスの変遷を波状に表現したものである。前ページの日米市場のグラフと対比 しながら見ると興味深い。アナログの波は日本がリード、PC中心のデジタル第一波は米国がリードした。 デジタル・コンシューマ中心のデジタル第二波の緒戦は日本がリードしている。

(17)

前ページの三つの波を比較したものである。夫々の波について、中心となった主要デバイス、社会への インパクト、そしてその波のリーダー(勝者)が示されている。アナログの波は日本が圧勝し、デジタル第1波 は 米 国 が 圧 勝 した 。デ ジ タル 第 2 波 の緒 戦 は 日本 が 優 位 であるが 、勝 負 が 決まる の は これ から だ。 結果としてはスマホを制した米国の勝利となった。

(18)

● 市場構造の転換

技術動向

(19)

電子機器の小型化の推移を示す。電卓、ビデオカメラ、携帯電話、PCなどあらゆる電子機器は10年単位で 見ると桁違いのサイズに縮小している。これを可能にしているのは半導体デバイスと実装技術の進歩である。

(20)

この式は電子機器のフィギャー・オブ・メリット(良さの指数)として提唱したものである。「電子機器はこの値を 最大にする方向に進化する」という仮定である。いずれのファクターにも半導体デバイスと実装技術の進歩が 関与している。

(21)

フィギャー・オブ・メリットを最大化する大きな要因としてSoB(システムオンボー)からSoC(システオンチップ) へ の シ フ ト が あ る 。 こ の 図 の 例 で は 性 能 は 4 倍 と な り 、 消 費 電 力 は タ ス ク に よ っ て 1/3.5 または1/9 となっている。前ページの(Intelligence)と(Power)のファクターに効いてくる。

(22)

前ページに示した例では64MビットのDRAMが内蔵されていた。ここに示されているのは、ソニーにおける 内蔵DRAMの歴史である。1995年のカムコーダ向けLSIは0.5µmノードであり、512kビットが内蔵されて いた。その後さらに微細化が進み、2003年のPS2には90nmSoCが使われた。

(23)

微細化の進展と共に四つの大きな課題が浮上している。図にはその対策方向を示している。移動度低下に 対しては歪Siの採用、ゲートリークの増大に対してはHigh Kゲート膜の採用、配線容量の増大に対しては Low K/Cuの採用、寄生容量の増大に対してはSOIの採用である。

(24)

SoCによって電子機器のフィギャー・オブ。メリットは向上するが、SoCは果して経済的に儲かるのだろうか? 主な問題点としては、設計生産性の問題、プロセス装置の高騰、開発費の高騰、テスティングの問題などが あげられる。SoCは常に儲かるとは限らないのだ。対策としてはSiPでSoCの弱点を補完すること、プログラ マビリティを取り入れることである。

(25)

半導体ではほぼ10年ごとに「標準化指向」と「カスタム化指向」とが方向を変え、新デバイスの出現によって 新しい応用製品が生み出される。これから立ち上がるのはカスタム化指向のSoC/SiPであり、応用製品は モバイル情報端末である。それを支える技術はマスクレス技術、新実装技術、新設計技術である。今日の 視点で見ればマスクレス技術は時期尚早であった。

(26)

フィールド・プログラマブル・デバイスの事例として、日立のFZTATマイコンを紹介する。プログラムを格納す るROMの部分にフラッシュ・メモリを使うことによって、ユーザーはいつでも内容のアップデートが可能となる。 日 立 の F Z T A T マ イ コ ン の 出 荷 数 は 9 7 年 頃 か ら 急 増 し 、 「 標 準 化 指 向 の ト レ ン ド 」 を 象 徴 す る 。 F-1 レースカーにも使われている。

(27)

フィールド・プログラマブル・デバイスのもう一つの事例はソニーのVME(バーチャル・モバイル・エンジン)で ある。左図に示すように、論理機能がダイナミックに変化することができ、ローパワー特性とプログラマビリ テ ィ と を 併 せ 持 っ て い る 。 2 0 0 3 年 に ネ ッ ト ワ ー ク ・ ウ ォ ー ク マ ン に 使 わ れ て か ら 、 2 0 0 5 年 に は PSP(PSポータブル)にも使われている。

(28)

● 市場構造の転換

●技術動向

(29)

実装(Jisso)は日本発の英語にもなっている。枠内には「エレクトロニクス実装大辞典」から引用された定義 が 示 さ れ て いる 。 単 なる 接 続 技 術 では なく 、 広 い範 囲 を カ バ ー した ト ー タル ・ ソ リ ュ ー シ ョ ン である 。

(30)

実 装 技術 の四つ のレ ベルを 示す。レ ベル 1は チップ、 レ ベル 2は パッケ ージ、レベル 3はモ ジュール、 レ ベ ル 4 は ボ ー ド で あ る 。 チ ッ プ か ら ボ ー ド ま で の 広 範 囲 を カ バ ー す る の が 実 装 技 術 で あ る 。

(31)

SiPの各種の形態を示す。タイプごとに特徴があり、コスト、性能、容量、開発費、開発期間などが異なるので、 応用製品によって使い分けが必要である。

(32)

SoC、SiP、SoBについての特徴比較をレーダーチャートで示す。SoCは性能、パワー、容量の面で優れて いるが、開発費、タイム・ツー・マーケット、フレキシビリティでは劣る。SiPはその対極にあり、相互に補完しあ うことが可能である。

(33)

SiPの事例として、ソニーのデジカメの場合を紹介する。左下は実装された2個のチップ(センサー・チップと ロジック・チップ)の断面図である。右に示すようにそれぞれのチップはワイヤボンディング法で基板に接続さ れている。実装技術がカメラの小型化に大きく寄与している事例である。

(34)

この講演の前年にISSCCで発表されたソニーの新技術MCL(マルチチップ・ロジック)の紹介である。二つの チップはマイクロバンプを使い、至近距離で接続されており、SoC同等レベルの性能とパワーが実現される。 配線距離が短く、寄生容量も小さいからである。ソニーではスーパーコネクト技術と称していた。

(35)

前ページで紹介したMCLの写真を示す。左はメモリとCPUのチップ上に、マイクロバンプが置かれている位 置を示す写真である。右上はメモリ・チップのウエハであり、各チップの上にはCPUチップが搭載されている。 この方式によりメモリとCPU間のデータ転送速度は大幅に改善され、システムの性能向上につながった。

(36)

SiPモジュールの世界市場の成長予測を示す。携帯電話がSiP市場の中心であり、2006年以降は1兆円を 超える規模になると予想されている。

(37)

● 市場構造の転換

●技術動向

(38)

ITRSによれば1つのチップ内に集積されるトランジスタの数は今後とも驚異的に伸びていく。2005年には 2億4千万個であるが、2018年にはその20倍以上の49億個になると予想される。即ち、20倍の機能をも つチップが出てくることになる。これによって生み出される応用製品は現在とはかなり違ったものになるだろう。

(39)

1960年代以来、半導体分野においては次から次へと新しいテクノロジー・ドライバーが出現した。今日では デジタル・コンシューマ製品が中心であり、ゲーム機は高性能製品、モバイル端末はローパワー製品の ド ラ イ バ ー 役 を 果 た し て い る 。 将 来 的 な ド ラ イ バ ー は ロ ボ ッ ト と な り 、 超 高 性 能 プ ロ セ ッ サ ー 、 センサー・アクチュエーターの牽引役を果たすだろう。

(40)

1946年のENIAC以来のコンピュータ革新の歴史を示す。真空管の時代は国家に1台程度であったが、 トランジスタを使ったIBM機は会社に1台、ICを使ったミニコンはグループに1台、MPUを使ったPCは 1人1台となった。SoCを使ったモバイル機器は場所を問わず、どこにでもある。半導体の革新でコンピュータ の民主化が促進されたのである。

(41)

コンピュータの進化の方向:高性能化(MIPS)・低価格化($)・低消費電力化(W)・小型化(M3

Figure of Merit=MIPS/$・W・M3

図の赤い太線は上記のように定義されたFigure of Meritを示している。それは50年以上にわたってほぼ 直線的な進歩を遂げてきたことが分かる。それを支えたのは半導体革新である。

(42)

半導体にとって、ロボットはこれからのテクノロジー・ドライバーである。この図に示すのはソニーの人型ロボッ トに使われている、VLSIチップとセンサー類である。64ビットCPUが3個、16ビットMCUが29個も使われて おり、その情報処理能力はPCを上回る。また、センサー類は全部で76個使われており、将来的には半導体 の大きな市場になるだろう。

(43)

このスライドの後で、QRIOと名付けられたソニー・ドリーム・ロボットのビデオ画像が紹介された。 (その後、ビデオは中止となった)。

(44)

この図はカーネギーメロン大学のモラベック教授の資料をベースにしたロボット知能の進歩の予測である。 現在のレベルはトカゲと鼠の中間くらいであるが、今後の半導体の進歩によって、2030年頃には猿の レベル、40年頃には人間のレベルに達すると予想される。ロボカップのターゲットは2050年に、ロボットの サッカーチームが人間のチームに勝つことである。

(45)

ロ ボ ッ ト 市場 の 立 ち 上が り と共 に、 半 導 体開 発 の 方向 も多 様 化 す る。 これ ま での 微 細化 中心 の方 向 (Moore’s Law Driven)に加えて、センサーなど微細化に依存しない方向(Cleverness Driven)の方向が 重要性を増してくる。微細化には多大の資金が必要であるが、Cleverness Drivenデバイスの場合には、 技術者の知恵(Cleverness)が最も大事である。

(46)

実 装 技 術 者 を 対 象 にして、 エ レク ト ロ ニク ス市場 の 動 向 につ いて述 べた 。今 後主 流 となる デ ジ タル ・ コンシューマ製品分野においてはSoCとSiPが車の両輪であり、実装技術の重要性はますます高まる。 将来的にはロボットが新しいテクノロジー・ドライバーとなり、半導体の市場と技術を牽引していくだろう。

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