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ESMO 2017 Congress より 前立腺がん LBA31 PR 長期アンドロゲン除去療法を開始する高リスク前立腺がん患者に対する アビラテロンまたはドセタキセル + プレドニゾロンの追加 : STAMPEDE 試験の直接比較データ Adding abiraterone acetate pl

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(1)

ESMO 2017

Congress

去勢抵抗性前立腺がん

(CRPC)

尿路上皮がん

(UC)

、腎細胞がん

(RCC)

去勢抵抗性前立腺がん

(CRPC)

尿路上皮がん

(UC)

、腎細胞がん

(RCC)

去勢抵抗性前立腺がん

(CRPC)

尿路上皮がん

(UC)

、腎細胞がん

(RCC)

Contents

【監修】

大家 基嗣

先生 慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室 教授

Madrid Spain 07-11 Sep 2017

ESMO 2017

Congress

LBA31 PR 長期アンドロゲン除去療法を開始する高リスク前立腺がん患者に対する、アビラテロン またはドセタキセル+プレドニゾロンの追加:STAMPEDE試験の直接比較データ LBA33 転移性ホルモン感受性前立腺がん患者において最適な全身療法はどれか? STOPCAP系統的レビューとネットワークメタ解析 LBA34 高リスク前立腺がん患者の長期アンドロゲン除去療法(ADT)にアビラテロン追加: STAMPEDE試験(NCT00268476)から、非転移(M0)症例における転帰 LBA4 PR RANGE試験:プラチナ系製剤抵抗性の進行性または転移性尿路上皮がんにおける、ドセタキセル+ ラムシルマブ併用とドセタキセル単独を検討した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験 LBA37 再発性、進行性尿路上皮がんにおけるペムブロリズマブとパクリタキセル、ドセタキセル、 またはビンフルニンとの比較:第III相KEYNOTE-045試験から最終解析結果 LBA5 CheckMate 214試験: 未治療の進行性または転移性腎細胞がんに対する ニボルマブ+イピリムマブ併用の有効性と安全性 LBA35 スニチニブを投与する転移性腎細胞がん患者において、 腫瘍縮小腎摘除術の先行とスニチニブ先行とを比較 LBA38 転移性腎細胞がんでカボザンチニブとスニチニブを検討したCABOSUN試験: 独立画像効果判定評価による無増悪生存と最新の全生存データ

(2)

FFS/PFSはアビラテロンが有意に延長。 OSはアビラテロン、ドセタキセルとも同等。 高リスクの局所進行性または転移性の前立腺がん患 者に対し、標準治療(SOC)の長期アンドロゲン除去療法 (ADT)開始時にアビラテロン(1,000mg/日)+プレドニ ゾロン(5mg/日)を追加する治療群(SOC+AAP)と、ド セタキセル(75mg/m2 3週毎 6サイクル)+プレドニゾロン (5mg/日)を追加する治療群(SOC+DocP)とを比較した 結果、全生存(OS)は同等で、早期の転帰指標である治 療成功生存(FFS)と無増悪生存(PFS)は、SOC+AAP が有意に延長することが分かった。 STAMPEDE 試験は標準治療に対する新たな治療法 を複数検討するため、多群多段階のデザインで構成され ている。対象は2年以上のADTを開始する進行性また は転移性の高リスク前立腺がん患者で、ドセタキセルの 追加とアビラテロンの追加はそれぞれ、ADTのみと比べ て生存期間を延長させることが同試験から報告されてい る。今回は、2011年11月から2013年3月までに無作為 化されたSOC+AAP 群(37例)とSOC+DocP 群(189 例)の計566例の前向きデータを、直接比較する解析を 行った。 主要評価項目はOSで、副次評価項目はFFS、PFS、 無転移生存(MPFS)、症候性骨関連事象(SRE)、毒性で あった。追跡期間中央値は4年間だった。 被 験 者 の 年 齢 中 央 値は66歳、転 移 症 例 は60%、 WHO PS 0が79%を占めた。 SOC+AAP 群 では105例、SOC+DocP 群 では44 例が死亡し、OS のハザード比(HR)は 1.16(95% CI: 0.82 ~1.65、p=0.40)で2群に有意差はなかった。遠 隔転移の有無で分類したHRは、M0が1.51(95%CI:0.58 ~3.93、p=0.40)、M1は1.13(95%CI:0.77~1.66、p FFSとPFSのHRは、それぞれ 0.51(95%CI:0.39 ~0.67、p<0.001)、0.65(95%CI:0.48~0.88、p=0.005) で、どちらもSOC+AAP 群が有意に延長していた。 MPFSはHR0.77(95%CI:0.57~1.03、p=0.08)で、 SOC+AAP 群が延長する傾向があったが、有意差はな かった。 SREのHRは0.83(95%CI:0.55~1.25、p=0.38)で 有意な群間差はなかった。 グレード3以上の有害事象(AE)の発生率は、SOC+ AAP 群が 48%、SOC+DocP 群は 50%だった。SOC +DocP 群で高頻度だったグレード3以上のAEは、発 熱性好中球減少17%、好中球減少13%、倦怠感や浮腫 などの症状 10%だったが、SOC+AAP 群ではそれぞ れ1%、1%、6%だった。同群で多かったのは、ほてりな どの内分泌障害 13%、筋骨格障害 9%、心血管疾患 9% だった。SOC+DocP 群ではそれぞれ 9%、5%、3%だっ た。グレード3以上のAEは、2 群とも1年後、2年後とも に11%だった。 Sydes 氏は、前向きに集めたデータを直接比較したこ とが同試験の強みであるとする一方、検出力が不足してお り追跡期間が4年と短いことが弱点であると指摘した。

ディスカッサントの Cora Sternberg 氏(イタリアSan Camillo and Forlanini Hospitals)は、初めて治療を開始 する症例において、AAPの追加はDocの代わりとなる有 効な治療オプションであろうとコメントした。毒性プロファ イルは異なっており、どちらも治療選択に影響を与えると 考察した。またAAPでは心血管に関する追跡が今後重 要になると指摘した。

University College London, Matthew Sydes

長期アンドロゲン除去療法を開始する高リスク前立腺がん患者に対する、

アビラテロンまたはドセタキセル+プレドニゾロンの追加:

STAMPEDE試験の直接比較データ

Adding abiraterone acetate plus prednisolone (AAP) or docetaxel for patients (pts) with high-risk prostate cancer (PCa) starting long-term androgen deprivation therapy (ADT): directly randomised data from STAMPEDE (NCT00268476)

LBA31 PR

(3)

OSにおいて、ADTへの追加はアビラテロンが有力。 6試験のネットワークメタ解析で明らかに。 転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)において、 アンドロゲン除去療法(ADT)に追加する全身療法として 最適な治療法を、6試験のネットワークメタ解析で検討し た結果、アビラテロンの追加が全生存(OS)と治療成功生 存(FFS)において最も有力であることが明らかになった。 ADTにセレコキシブ(Cel)またはゾレドロン酸(ZA)、 ドセタキセル(Doc)、アビラテロン+プレドニゾン(AAP) を単剤または併用で追加する治療法と、ADT単独とを 比較検討した6つの無作為化臨床試験(STAMPEDE、 CALGB 90202、ZAPCA、GETUG 15、CHAARTED、 LATITUDE)がベースとなった。主要評価項目はOS、副 次評価項目はFFSに設定した。FFSの定義が試験間で 異なっており、LATITUDE試験以外ではPSA再発が含 まれ、CHAARTED試験以外では死亡が含まれていた。 解析の結果、OSおいては、ADT単独と比べて、ADT +AAP(ハザード比[HR]0.61、95%CI:0.53~ 0.71)、 ADT+Doc(HR 0.77、95%CI:0.68~0.87)、ADT+ZA +Doc(HR 0.79、95%CI:0.66~ 0.94)、ADT+ZA+ Cel(HR 0.78、95%CI:0.62~ 0.97)が、有意に延長して いた。これらをランク付けすると、94.2%の確率でADT +AAPがOSにおいて最適な治療法であった。2番目に 適しているのはADT+Docだった(34.9%の確率)。 FFSお いては ADT単 剤 と 比 べ、ADT+AAP(HR 0.38、95 %CI:0.31~ 0.46)とADT+Doc(HR 0.64、 95%CI:0.54~0.75)、ADT+ZA+Doc(HR 0.63、95% CI:0.49 ~ 0.80)が、有 意に延 長した。ランク付けは 100.0%の 確 率でADT+AAPが最 適とされ、ADT+ Docが2番目で52.0%の確率だった。しかしFFSの定義 は試験間で異なるため、研究グループは解釈には注意が 必要であると警告している。 研究グループは、本解析の強みとして、多群多段階の 試験データ(STAMPEDE 試験)も含めた初のネットワー ク解析であると強調した上で、解析結果はmHSPC 症例 においてAAPまたはDocをADTに追加することを支持 しており、またFFSでの結果は、STAMPEDE試験の直 接比較で得られた結果と一致していると結論付けた。本 解析は各試験の発表データが基となっているが、次のス テップとして現在、個々の患者データを使いさらに詳しい 解析を進めているとことも明かした。 ディスカッサントの Stephane Oudard 氏(フランス Georges Pompidou Hospital)は、ADT+AAPとADT +Docは両方ともmHSPCの標準治療であるとし、作用 機序がそれぞれ異なることから、こ れらの併用も期待でき、PEACE 1 試験の結果が待たれるとコメントし た。

University College London, Claire Vale

転移性ホルモン感受性前立腺がん患者において最適な全身療法はどれか?

STOPCAP系統的レビューとネットワークメタ解析

What are the optimal systemic treatments for men with metastatic, hormone-sensitive prostate cancer?        A STOPCAP systematic review and network meta-analysis

LBA33

図:OSにおける治療ランキング (% probability)

AAP Doc Doc+Cel ZA+Cel ZA Cel ADT Best 94.2 0.7 1.3 3.8 0.0 0.0 0.0 2nd best 5.3 34.9 25.5 33.0 0.3 1.0 0.0 3rd best 0.4 36.8 30.3 27.0 2.4 3.1 0.0 4th best 0.1 23.6 30.8 23.9 12.2 9.3 0.1 5th best 0.0 3.8 9.3 9.3 48.7 26.0 2.9 6th best 0.0 0.2 2.6 2.5 31.3 33.6 29.8 Worst 0.0 0.0 0.2 0.5 5.1 27.0 67.2

(4)

ドセタキセルにラムシルマブ追加でPFSが有意に延長。 新たな治療オプションの可能性。 プラチナ系製剤に抵抗性の進行性または転移性尿路 上皮がん(UC)患者に対し、ドセタキセルにラムシルマブ を加えることにより、無増悪生存(PFS)がドセタキセル単 独と比べて有意に延長することが、プラセボ対照二重盲 試験は、プラチナ系製剤の治療後14カ月以内に進行し た局所進行、切除不能または転移性UCで、ECOG PS が0または1の患者を対象とした。前治療で免疫チェック ポイント阻害薬を投与した症例も含まれた。530 例をドセ タキセル75mg/m2(東アジアは60mg/m2)にラムシルマブ 10mg/kgを追加する群(263例)、またはプラセボを追加

Yale University School of Medicine, Daniel Petrylak

RANGE試験:プラチナ系製剤抵抗性の進行性または転移性尿路上皮がんにおける、

ドセタキセル+ラムシルマブ併用とドセタキセル単独を検討した

無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験

RANGE: a randomized, double-blind, placebo-controlled phase 3 study of docetaxel (DOC)

with or without ramucirumab (RAM) in platinum-refractory advanced or metastatic urothelial carcinoma

LBA4 PR

尿路上皮がん

M0症例のみでの解析においても アビラテロン+プレドニゾロン追加が良好。 STAMPEDE 試験の既報では、局所進行または転移 性の高リスク前立腺がん患者において、標準治療(SOC) のアンドロゲン除去療法(ADT)開始時にアビラテロン (1,000mg/日)+プレドニゾロン(5mg/日)を追加する治療 法(SOC+AAP)が、ADTのみの標準治療(SOC)と比べ、 全生存(OS)を有意に延長させる(ハザード比[HR]0.63)こ とが報告されたが、これはM1症例での死亡が大部分を 占めていた。そこでM0症例だけに注目し、MO 症例にお けるN0とN+とで解析した結果、これらの症例において も早期の転帰は良好なことが分かった。 SOCは2年以上のADTとした。M0症例におけるSOC 群はN0 252例、N+ 192例、またSOC+AAP 群はN0 255例、N+ 192例だった。N0M0には禁忌でない限り放 射線療法(RT)を必須とし、N+M0には推奨とした。 治療成功生存(FFS)では、SOC 群に対するSOC+ AAP群のHRが、N0症例は0.14(95%CI:0.07~0.30)、 N+ 症例では0.26(95%CI:0.17~ 0.40)で、どちらの症 例もSOC+AAP 群で有意に改善した。36カ月のFFS 率は、N0症例ではSOC 群が82%、SOC+AAP 群が 98%、N+ 症例ではそれぞれ 57%、85%だった。 OSは、N0症 例 のHRが1.03(95%CI:0.46 ~2.30) と同等だった。N+ 症例においても有意差はなかったもの の、HRは0.67(95%CI:0.39 ~1.17)とSOC+AAP 群 に延長の傾向がみられた。またN+ 症例をRTの有無で 解析した結果、RTの症例はSOC+AAP 群が有意に良 好だった(HR 0.41、 95%CI:0.18~ 0.94)。 また無転移生存(MFS)は、N+ 症例ではSOC+AAP 群が有意に改善したものの(HR 0.47、 95%CI:0.29 ~ 0.78)、N0症例には有意な群間差はなかった(HR 0.63、 95%CI:0.33~1.19)。

University Hospital Birmingham NHS Foundation Trust, Nicholas James

高リスク前立腺がん患者の長期アンドロゲン除去療法(ADT)にアビラテロン追加:

STAMPEDE試験(NCT00268476)から、非転移(M0)症例における転帰

Adding abiraterone for patients (pts) with high-risk prostate cancer (PCa) starting long-term androgen deprivation therapy (ADT): Outcomes in non-metastatic (M0) patients from STAMPEDE (NCT00268476)

(5)

プラチナ系製剤抵抗性、進行性UCにおいて、 より長期間の追跡でも、ペムブロリズマブはOSを延長。 進行性切除不能または転移性の尿路上皮がん(UC)患 者に対し、ペムブロリズマブと化学療法とを比較検討した KEYNOTE-045試験の最新の解析から、より長期間の 追跡でも、ペムブロリズマブは化学療法と比べ、統計的 に有意で臨床的に意義のある全生存(OS)の延長をもた らすことが明らかになった。 プラチナ系製剤投与後に進行または再発、全身療法歴 が2次治療以下、ECOG PSが0 ~2などが登録基準で あった。被験者542例をペムブロリズマブ(200mg 3週毎) を投与する群(270 例)か、試験医師の判断による化学療 法(パクリタキセル、ドセタキセル、またはビンフルニン)を 投与する群(272例)に無作為化して割りつけた。 主要評価項目はOSと無増悪生存(PFS ※独立中央判 定による)の2項目で、副次評価項目は主に奏効率(ORR)、 奏効期間、安全性であった。なお有効性評価項目はITT 症例とPD-L1の発現症例においても評価した。PD-L1 発現は、PD-L1陽性細胞(腫瘍細胞、リンパ球およびマク ロファージ)の数を全体の腫瘍細胞数で割り100を掛け導 いた統合陽性スコア(CPS)が、10以上と定義した。 既報の中間解析(追跡期間14.1カ月)において、OSが ペムブロリズマブ群で有意に延長していたため、試験は 早期に中止されていた1) として1日目に投与し、進行またはその他の中止基準を満 たすまで治療を継続した(ドセタキセルは最高 6サイクル を基本とした)。 主要評価項目は、無作為化した最初のITT 症例 437例 における試験医師判定でのPFS、副次評価項目は全生存 (OS)、客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率、奏効 期間、安全性、患者報告の転帰などに設定した。ITT 症 例全体の追跡期間中央値は5.0カ月だった。 その結果、主要評価項目の試験医師判定によるPFS 中央値は、ドセタキセル単独群が2.76カ月だったのに対し ドセタキセル+ラムシルマブ併用群は4.07カ月で、単独群 に対する併用群のハザード比(HR)は0.757(95%CI:0.607 ~ 0.943、p=0.0118)と、併用群が有意に長かった。独 立中央解析の判定でも、PFSは併用群が有意に延長し ており、併用群が4.04カ月、 単独群は2.46カ月だった(HR 0.672、95%CI:0.536~ 0.842、p=0.0005)。またサブ 群解析では、併用群がほとんどのサブ群で優位だった。 ORRは併用群が24.5%、単独群が14.0%で、併用群が 高かった。OSは未達だった。 治療下で発現した有害事象(TEAE)のうちグレード3 以上だったのは、併用群が60%、単独群は62%で同等 だった。予想外の毒性はなく、最も高頻度のグレード3 以上TEAEは、好中球減少で、併用群が15%、単独群は 14%だった。 また、患者報告によるQOLの平均スコアは試験期間 を通して変化はなく、2群間で差はなかった。 以上の結果からPetrylak 氏は、プラチナ製剤抵抗性の 進行性または転移性UC患者において、初めて化学療法 の単独療法よりも優れたPFSを示した第 III相試験であ ると強調し、ドセタキセル+ラムシルマブの併用は、これ らの症例に対する新たな治療オプションであると結論付 けた。

ディスカッサントのYohann Loriot氏(フランスUniversity of Paris Saclay)は、腫瘍学における新薬の目的が「より 良く長く生きること」だとすると、PFSでのベネフィットが 極めて小さく、QOLで何ら改善がなかったことやOSの中 間解析が報告されなかったことなどは、今回の発表の弱 点であろうと考察した。また登録基準が限定的であり(PS 良好、脳転移がないことや、心血管イベントおよび血栓症 イベントを直近で起こしていないことなど)、実臨床で治 療する患者においてもラムシルマブが活性し、忍容性が良 好かどうかは疑問だと指摘した。

Erasmus MC Cancer Institute, Ronald de Wit

再発性、進行性尿路上皮がんにおけるペムブロリズマブとパクリタキセル、

ドセタキセル、またはビンフルニンとの比較:

第III相KEYNOTE-045試験から最終解析結果

Pembrolizumab (pembro) versus paclitaxel, docetaxel, or vinflunine for recurrent, advanced urothelial cancer (UC): mature results from the phase 3 KEYNOTE-045 trial

(6)

本発表では、データカットオフを2017年5月19日とした (追跡期間中央値 22.5カ月)。 その結果、OSはペムブロリズマブ群が10.3カ月、化学 療法群が7.4カ月(ハザード比[HR]0.70、95%CI:0.57~ 0.86、p=0.0003)で、ペムブロリズマブ群が有意に延長 していた。CPS≧10症例においてもペムブロリズマブ群 が有意に長く(8.0カ月 vs. 5.2カ月。HR 0.58、95%CI:0.39 ~ 0.86、p=0.0029)、サブ解析でも、年齢、肝転移、ヘ モグロビン値、内臓転移の有無にかかわらず、ペムブロリ ズマブ群が優位であった。 一方、PFSはITTおよび CPS≧10症例のどちらも、 有意な群間差はなかった(ITT 症例:HR 0.96、95%CI: 0.79~1.16、p=0.32、CPS≧10症例:HR 0.93、95%CI: 0.65~1.33、p=0.32)。 ORRはペムブロリズマブ群が21.1%(うちCRは7.8%)、 化学療法群は11.0%(うちCRは2.9%)で、ペムブロリズ マブ群が大きく上回った。CPS≧10症例ではそれぞれ 20.3%、6.7%だった。奏効期間は化学療法群が4.4カ月 だったのに対し、ペムブロリズマブ群は未達だった。 グレード3以上の治療関連有害事象はペムブロリズマ ブ群の16.5%、化学療法群の50.2%に発現した。免疫関 連の事象はそれぞれ19.5%、7.5%だった。 以上の結果より研究グループは、プラチナ系製剤が成 功しなかった進行性UC患者において、ペムブロリズマブ は化学療法より優れたOS延長効果を示した初の免疫療 法であり、これらの症例の標準治療として検討されるべ きであると結論付けた。

1) Bellmunt J et al. N Engl J Med. 2017; 376: 1015-1026.

中および高リスク患者によるスニチニブ比較において、 ニボルマブ+イピリムマブの併用はORRとOSを 有意に延長。 中および高リスクの進行性または転移性の未治療腎細 胞がん(RCC)患者に対するニボルマブ+イピリムマブの 併用は、スニチニブと比べて奏効率(ORR)と全生存(OS) が有意に高くなることが、第 III相試験 CheckMate-214 の結果から明らかになった。 進行性または転移性の未治療淡明細胞型 RCC患者を 対象に、ニボルマブ+イピリムマブの併用群(ニボルマブ 3mg/kg+イピリムマブ1mg/kg 併用を3週毎4投与後、ニ ボルマブ3mg/kgを2週毎投与)と、スニチニブ群(50mg/ 日を4週投与2週休薬)に無作為化して割り付けた。 主要評価項目は、中および高リスク症例(併用群 425 例、スニチニブ群 422例)におけるORRと無増悪生存 らびにOSの3項目とし、副次評価項目は全 ITT 症例(併 用群550 例、スニチニブ群546例)におけるORRとPFS、 OSなどとした。 その結果、中および高リスク症例におけるORRは、併 用群が42%(うちCRが9%)、スニチニブ群は27%(う ちCRが1%)で、併用群が有意に高かった(p<0.0001)。 PFSはスニチニブ群 8.4カ月、併用群 11.6カ月で、有意 差はなかったが併用群に延長の傾向があった(ハザード比 [HR]0.82、99.1%CI:0.64~1.05、p= 0.0331)。OS は併用群が有意に長かった(併用群未達 vs. スニチニブ 群26.0カ月、HR 0.63、99.8%CI:0.44~ 0.89、p< 0.0001)。 ITT 症例では、OSが併用群で有意に延長したが(併 用群未達 vs. スニチニブ群 32.9カ月、HR 0.68、99.8% CI:0.49 ~ 0.95、p=0.0003)、ORRとPFSは2群間に

Institut Gustave Roussy, Bernard Escudier

CheckMate 214試験: 未治療の進行性または転移性腎細胞がんに対する

ニボルマブ+イピリムマブ併用の有効性と安全性

CheckMate 214: Efficacy and safety of nivolumab + ipilimumab (N+I) v sunitinib (S) for treatment-naïve advanced or metastatic renal cell carcinoma (mRCC), including IMDC risk and PD-L1 expression subgroups

LBA5

(7)

腎摘除術先行 vs. スニチニブ先行において PFRの有意差なし。 切除可能な原発巣を有する無症候性の転移性腎細胞 がん(mRCC)患者を対象に、原発巣の摘除前にスニチニ ブを投与する治療法と、先に摘除術を施行してからスニチ ニブを投与する治療法とを比較検討した結果、28週目の 無増悪率(PFR)は2群間に有意差がなかった。 オランダ、カナダなど4カ国19施設の99 例を、腎摘除 術施行後にスニチニブを4サイクル(1サイクル:4週投与2 週休薬)行う腎摘除術先行群(50 例)と、スニチニブ3サイ クル後に摘除し、その後スニチニブを2サイクル行うスニ チニブ先行群(49 例)に無作為化した。 主要評価項目は、登録症例が予定数を下回ったため、 途中で無増悪生存(PFS)から28週目のPFRに変更され た。追跡期間中央値は3.3年だった。 ITT解析での28週間目のPFRは、腎摘除術先行群 が42.0%(95%CI:28.2~56.8%)、スニチニブ先行群が 42.9%(95%CI:28.8 ~ 57.8%)で有意な群間差はな かった(p>0.99)。PFS中央値は腎摘除術先行群 6.5カ 月、スニチニブ先行群 6.8カ月だった(ハザード比 [HR] 0.88、95%CI:0.59 ~1.37、p=0.569)。 一方、ITT解析による全生存(OS)は、腎摘除先行群 が15.0カ月だったのに対し、スニチニブ先行群は32.4カ 月で有意に延長した(HR 0.57、95%CI:0.34~ 0.95、p =0.032)。 また、スニチニブ先行群では術後合併症が少ない傾向 にあった(腎摘除術先行群 46例中20 例、スニチニブ群 40 例中11例)。 Bex 氏は、スニチニブ先行群でOSが有意に延長したも のの、被験者数が少なかったため他の評価項目からは決 定的な結論は得られないと述べた。 治療関連のグレード3~5の有害事象(AE)は、併用群 の46%とスニチニブ群の63%に発生した。治療関連 AE による治療中止は併用群22%、スニチニブ群12%だった。

Netherlands Cancer Institute, Axel Bex

スニチニブを投与する転移性腎細胞がん患者において、

腫瘍縮小腎摘除術の先行とスニチニブ先行とを比較

Immediate versus deferred cytoreductive nephrectomy in patients with synchronous metastatic renal cell carcinoma (mRCC) receiving sunitinib LBA35 0 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 425 304 233 187 163 149 118 46 17 3 0 422 ニボルマブ+イピリムマブNo. at Risk スニチニブ 282 191 139 107 86 57 33 11 1 0 無 増 悪 生 存 期間(月) p=0.0331 ニボルマブ+イピリムマブ 11.6(8.7-15.5) スニチニブ 8.4(7.0-10.8) ハザード比(99.1% CI)、0.82(0.64-1.05) PFS中央値、月、(95% CI) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 0.1 0.3 0.5 0.7 0.9 1.0 図:中および高リスク患者のORRとPFS(独立画像判定委員による評価) n=847 結果 +イピリムマブニボルマブ n=425 スニチニブ n=422 確定ORR、%、(95% CI) 42(37-47) 27(22-31) p<0.0001 確定 最良総合効果、% 完全奏効 9 1 部分奏効 32 25 安定 31 45 病態進行 20 17 不明 8 12

(8)

ESMO 2017

Congress

去勢抵抗性前立腺がん

(CRPC)

尿路上皮がん

(UC)

、腎細胞がん

(RCC)

去勢抵抗性前立腺がん

(CRPC)

尿路上皮がん

(UC)

、腎細胞がん

(RCC)

去勢抵抗性前立腺がん

(CRPC)

尿路上皮がん

(UC)

、腎細胞がん

(RCC)

Contents

【監修】

大家 基嗣

先生 慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室 教授

Madrid Spain 07-11 Sep 2017

ESMO 2017

Congress

LBA31 PR 長期アンドロゲン除去療法を開始する高リスク前立腺がん患者に対する、アビラテロン またはドセタキセル+プレドニゾロンの追加:STAMPEDE試験の直接比較データ LBA33 転移性ホルモン感受性前立腺がん患者において最適な全身療法はどれか? STOPCAP系統的レビューとネットワークメタ解析 LBA34 高リスク前立腺がん患者の長期アンドロゲン除去療法(ADT)にアビラテロン追加: STAMPEDE試験(NCT00268476)から、非転移(M0)症例における転帰 LBA4 PR RANGE試験:プラチナ系製剤抵抗性の進行性または転移性尿路上皮がんにおける、ドセタキセル+ ラムシルマブ併用とドセタキセル単独を検討した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験 LBA37 再発性、進行性尿路上皮がんにおけるペムブロリズマブとパクリタキセル、ドセタキセル、 またはビンフルニンとの比較:第III相KEYNOTE-045試験から最終解析結果 LBA5 CheckMate 214試験: 未治療の進行性または転移性腎細胞がんに対する ニボルマブ+イピリムマブ併用の有効性と安全性 LBA35 スニチニブを投与する転移性腎細胞がん患者において、 腫瘍縮小腎摘除術の先行とスニチニブ先行とを比較 LBA38 転移性腎細胞がんでカボザンチニブとスニチニブを検討したCABOSUN試験: 独立画像効果判定評価による無増悪生存と最新の全生存データ

Integrating Science into Oncology for a Better Patient

カボザンチニブはスニチニブと比べ、PFSを有意に延長。 新たな初期治療としての有効性を裏付け。 中または高リスクの転移性腎細胞がん(mRCC)患者に 対する初回標的療法として、カボザンチニブはスニチニブ と比べ、独立画像効果判定委員会(IRC)の評価でも、無 増悪生存(PFS)を有意に延長したことが分かった。 第 II相 CABOSUN 試験では、全身療法が未治療の 中または高リスクの淡明細胞型 mRCC 症例157例を、カ ボザンチニブ(60mg 1日1回)またはスニチニブ(50mg 1 日1回、4週投与2週休薬)に1:1の割合で無作為に割り 付けた。主要評価項目は試験医師判定によるPFSだっ た。既報にて有意な延長がすでに報告されていた(カボ ザンチニブ群 8.2カ月 vs.スニチニブ群5.6カ月、ハザード 比[HR]0.66、95%CI:0.46~ 0.95、片側 p=0.012)が、 本報告では、IRCによるPFSと奏効率(ORR)、有害事象 (AE)、および最新の全生存(OS)を発表した。 その結果、IRCによるPFSは、カボザンチニブ群がス ニチニブ群に比して有意に延長していた(カボザンチニブ 群 8.6カ月 vs.スニチニブ群5.3カ月、HR 0.48、95%CI: 0.31~ 0.74、両側 p=0.0008)。 ORRはカボザンチニブ群が20%、スニチニブ群は9% で、カボサンチニブ群が約2倍高かった。病勢コントロー ル率はそれぞれ75%、47%だった。 一方OSは、カボザンチニブ群が26.6カ月、スニチニブ 群が21.2カ月で同等だった(HR 0.80、95%CI:0.53~ 1.21、両側 p=0.29)。 グレード3/4のAEは、カボザンチニブ群68%、スニチニ ブ群65%だった。主なグレード3/4のAEは、高血圧(カ ボザンチニブ群28% vs.スニチニブ群21%)、下痢(10% vs. 11%)、疲労(6% vs. 17%)、手足症候群(8% vs. 4%)な ど。また用量減量はカボザンチニブ群46%、スニチニブ群 35%、AEによる治療中止はそれぞれ21%、22%だった。

Dana-Farber/Partners CancerCare, Toni Choueiri

転移性腎細胞がんでカボザンチニブとスニチニブを検討したCABOSUN試験:

独立画像効果判定評価による無増悪生存と最新の全生存データ

Progression-free survival by independent review and overall survival update for the Alliance A031203 CABOSUN trial of cabozantinib vs sunitinib in metastatic renal cell carcinoma

LBA38 図:すべての有害事象 カホザンチニブ (n=78) (n=72)スニチニブ すべてのグレード グレード3/4 すべてのグレード グレード3/4 すべての有害事象 96 68 99 65 下痢 73 10 54 11 高血圧 67 28 44 21 疲労 64 6 68 17 AST上昇 60 3 31 3 ALT上昇 55 5 28 0 食欲減退 47 5 32 1 味覚障害 41 0 29 0 手足症候群 42 8 33 4 血小板減少 38 1 61 11 口内炎 37 5 29 6 貧血 33 1 46 3 吐き気 32 3 39 4 体重減少 32 4 17 0 好中球減少 15 0 35 4 白血球減少 12 0 35 3

参照

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