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小 坂 浩 嗣

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Academic year: 2021

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学級集団の形成に関する一考察

一中学校入学期における話し合い活動と仲間づくりを通して一

学 校 教 育 専 攻 教 育 臨 床 コ ー ス 久 保 田 員 生

1 問題の所在

近年の小・中学生の現状を見ると,社会性の 不足や倫理観の問題など,マイナス面の特徴が 多く挙げられるD また,学校現場では,依然と していじめや不登校などの問題が解消されてい ない。このように,小・中学生の問題行動は深 刻な状況にある。ただ,刑法犯少年の年齢別状 況を示したデータによれば, 1 2歳と 13歳に 大きな違いがあるo 以上から,中学1年生の入 学期に,教育上,大きなポイントがあるのでは なし1かと考えられる。

そこで,中学校新入生を対象に入学前の意識 調査を行った結果,多くの新入生が,対人関係 に不安を抱えていることが明らかとなった口こ のような生徒の心理状態を考慮に入れ,少しで も早く防衛的な心理状態を解きほぐした上で,

支持的・受容的な雰囲気のある学級集団へ成長 させていくことが,学級集団の形成上,重要で あると考えた。

2  研究の目的と方法 (1)  目的

次の3点を本研究の目的とした。

①  話し合い活動を重視した学級活動 学級ミ ーティング"に,心理的手法を用いた仲間づ

くりのための活動である ふれあいエクササ イズ"を組み入れたプログラムを開発するo

②  ①のフ。ログラムを実施し,学級集団形成に

指導教官 小 坂 浩 嗣

関わる入学期の指導への有効性を検証する。

③  実践した 学級ミーティング"の有効性を 質的に分析するo

(2)方法

< 対 象 >

実験群 A県 B中学校 1年 X組 3 6名 (男子 19名,女子 17名) 統制群 "  1年Y組 35名

(男子19名,女子 16名)

<プログラム実施期間>

平 成 14年 4月 10日'"'‑‑6月 13日

< プ ロ グ ラ ム >

学級ミーティング ふれあいエクササイ ズ"ともに7時間行った。なお, ふれあいエ クササイズ"は,実践校の 1年団各学級担任か らの要望で 1年生全学級で実施した口

学級ミーティング"においては,生活班を 単位とした話し合い活動を重視し,実践した。

その活性化を促すために, ふれあいエクササ イズ"におけるグループエクササイズは,生活 班を単位として行った。

< 分 析 方 法 >

プログラム全体については, ~中学・高校用

改訂版 SMT~ をもとに作成した尺度“学級凝

集モラールテスト"と, 学級ミーティング"

ふれあいエクササイズ"ごとに全体を通した 振り返りシートをもとに分析した。

各授業においては,授業ごとの振り返りシー

‑ 72‑

(2)

トにおける観点別自己評価と自由記述形式の感 ったことが,裏打ちされた。以上の結果から考 想文をもとに,それそれ分析した。 学級ミー 察し,話し合い活動の成果として,次のような ティング"においては,抽出班による比較も行 点が挙げられた。

った。

o

支持的・受容的な話し合い活動では,生徒

また,実験群の学級担任に対するインタピュ は安心して自己表現でき,満足感も得られた。

ーも行い,プログラムの効果や問題点を検討し O 話し合いの過程を重視することにより,生

た。 徒が真剣に話し合い活動に参加し,活性化に

つながった。

3  結果

学級凝集モラール"について,実験群と統 制群のポストテストを t検定により比較する と,実験群が有意に高かった [t(67) =‑3.943,  p.001]口実験群において,プレ・ポストテストを

t検定により比較すると,有意傾向ながら,得 点 が 上 昇 し た [t( 33) =‑1. 781 , Pく.10J。下位因 子ごとに,プレ・ポストテストを t検定により 比較すると, 級友との関係"因子のみ,有意 に得点が上昇した [t(33) =‑2.608, P.0sL

ふれあいエクササイズ"の全授業のうち,

後半の三つの授業において,振り返りシートの 観点別自己評価のすべての観点の平均点が上昇 した。この結果は,自由記述からも裏づけられ た。 学級ミーティング"では,振り返りシー トに,生活班を単位とした話し合い活動の効果 や, ふれあいエクササイズ"と組み合わせて 行ったことの効果を示す記述が多数あった。一 方で,振り返りシートや抽出班による比較の分 析結果から,今後の研究課題が明らかにされた。

4  考察

学級凝集モラールテスト"の結果から,本 プログラムが,学級集団の形成に関わる入学期 の指導に有効であることが実証された。また,

プログラム終了後の振り返りシートや抽出班に よる比較の分析結果から,学級の凝集性が高ま

O 生活班を単位として活動したことにより,

生徒は自分の意見を述べやすく,連帯感を生 じさせることにつながった口

一方,課題として,次のような点を挙げた。

O 話し合いが授業の目的とは異なった方向へ 進みそうになった時に,どのような手だてを 講じるか。

O 話し合いの技術を,どのように向上させて し、くか口

この他,話し合い活動におけるリーダーの育成 やメンバー相互の認識のずれなどの問題も,今 後の課題として考える。

5  研究のまとめと今後の課題

前述のような成果以外に,本プログラムを他 の活動と関連づけることにより,さらに凝集性 が高まることや,本プログラムが特別活動以外 の領域へも好影響を及ぼす可能性があることを 指摘した。

しかし,効果にばかり意識が向き過ぎると,

生徒一人一人への配慮、が不十分になったり,適 切な評価や支援が行われなかったりするので,

実践者は,十分な配慮が必要であることを指摘 した。

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参照

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