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1 ねらい
児童・生徒が、学校生活の中で自分や他の人の大切さに気づいていくために、教師は、人権感 覚を高め、日常生活において、一人ひとりが大切にされる環境づくりを進めるとともに、児童・
生徒側にたった視点をもって、言葉がけや指導に努めるべきである。このワークでは、教師が児 童・生徒への指導について、人権という視点で考えることで人権感覚を高めていく。
2 進め方
(1) ワーク 1 について
① ①~⑦を読み、児童・生徒の人権が大切にされていないのは何番のどんなところか自分の 考えを書く。
② ①で書いたことを、理由を添えてグループ内で発表する。
③ グループで話し合った感想を書く。
(2) ワーク 2 について
① A先生、B先生に不足していた人権的配慮と改善方法をそれぞれ書く。
② 各自が書いた不足していた人権的配慮と改善方法をグループ内で発表する。
(3) ワーク 3 について
児童・生徒の人権を尊重した聞き方・話し方について、5 つの観点から日ごろの自分の言 動をふりかえり、表のあてはまるところに○を書く。
(4) ワーク 4 について
人権が大切にされる環境づくりの 1 つとして、教室や廊下に「人権コーナー」を設置し た場合、どんな掲示が考えられるか表現する。
3 解説
(1) ワーク 1 について
児童・生徒の視点で児童・生徒の人権が大切にされているかを考えるワークです。グルー プでお互いの意見とその理由を交換する中で、自分の考えとは違った見方や考え方があるこ とに気づくことが重要です。
① 児童・生徒の呼名
…児童・生徒一人ひとりに対するイメージやとらえ方が、呼名の違いに現れることがあり ます。一人ひとりに不公平感などを感じさせない配慮が必要です。
② 座席がえやグループ決め
…座席やグループを決める際には、児童・生徒の個々の事情(視力・聴力などの身体的な 事情、心理面の状況を反映する友人関係など)にじゅうぶんに配慮する必要があります。
③ 授業中の指名
…指名は、常に児童・生徒の応答を予想して行うことが大切です。日付順、席順、名簿順 といった物理的条件によって指名するのではなく、求める内容に応じて、教師が指名の 方法を選択し、意図的・計画的に発言を求めるようにします。
④ 児童・生徒の言動などに対する改善点の指摘
1
人権的配慮が必要なもの
児童・生徒の気もちになって考えよう
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教 職 員 用
…児童・生徒の言動等への否定的な評価に基づく改善点の指摘をクラス内の他の児童・生 徒に求めていると、当該児童・生徒に対する負の評価観を、クラス内で固定化してしま うことにもつながっていきます。
⑤ 児童・生徒のテスト結果の掲示
…テスト結果を掲示することは、努力しても覚えることが苦手な児童・生徒にとっては苦 痛となり、また、そうした児童・生徒に対する負の評価観を、他の児童・生徒に植えつ けることにもなりかねないので、避けるようにします。
⑥ 忘れ物をした児童・生徒の名前の掲示
… 忘れ物をした児童・生徒に対する負の評価観を、他の児童・生徒に植えつけることにも なりかねません。忘れ物をした児童・生徒には個別に指導・対応するようにします。
⑦ 児童・生徒への接し方・表情
…どの児童・生徒にもあたたかい眼差しを注ぎ、同じようなかかわりをもつようにします。
(2) ワーク 2 について
A先生…保護者が懇談会に来られない児童・生徒にとって、1 年間の出席名簿を目にしたとき寂 しい気もちになったり、クラスメイトからそのことを指摘される材料になったりすることがあ ります。児童・生徒の気もちを考えて、年間の出席名簿ではなく、その都度名簿を作成するか、
担任が出席者を記録するようにしたいものです。
B先生…個人面談の日程を各家庭の事情を考えずに決めてしまっており、学校と家庭が連携を図 りながら教育を進めるという配慮が不足しています。事前に、希望調査を行うなど、保護者の 事情も勘案して計画したいものです。また、個人面談や家庭訪問の日程を一覧表にして配付す ると、それが希望調査によらない場合は担任の意向を、希望調査による場合は各家庭の事情を、
児童・生徒や保護者が憶測することもあるので、避けます。
(3) ワーク 3 について
教師の言葉や態度がきっかけとなって、児童・生徒があたたかい気もちになったり、児童・
生徒へのいじめにつながったりすることがあります。児童・生徒が安心して学校生活を過ごせ るよう、自己の言動を点検し、児童・生徒の気もちを考えたコミュニケーションや言葉遣いを 考える機会としたいものです。
(4) ワーク 4 について
人権教育は、日常の気配りや心がけが大切で、教室や廊下などに人権に関するポスターや呼 びかけのメッセージ、標語などがあることで、人権についての関心が高まり、人権を大切にし た行動につなげることができます。また、地域の方や保護者が来校した際に、掲示物をとおし て人権啓発にもつなげることができます。
<参考資料など>
・「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ ] ~実践編~」
人権教育の指導方法等に関する調査研究会議(平成 20 年)
・「人権学習ワークシート集―人権教育実践のために 第13 集(小・中学校編)―」神奈川県教育委員会(平成23年)
・人権ポスターや標語の紹介
・命の大切さを訴えるメッセージやパネル
・ユニセフ募金などのユニセフの取り組みの紹介
・言われてうれしい「わくわく言葉」の紹介
・人権週間の告知や子どもの権利条約についてのリーフレットの紹介
・児童虐待防止推進月間の告知とオレンジリボン運動の紹介
・人権作文の紹介
・人権課題に関する情報
・親切運動の紹介
・ボランティア活動の紹介 掲示物の例
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次のような教師の言動のうち、児童・生徒の人権が大切にされていないと思 うのは、何番のどんなところですか。あなたの考えを書きましょう。
① 児童・生徒の呼名
…児童・生徒によって、「○○さん」「○○くん」「○○ちゃん」「○○(呼び捨て)」など、呼 名のしかたが異なる。
② 座席がえやグループ決め
…くじびき、名簿順などで決めたり、児童・生徒同士で決めさせたりする。
③ 授業中の指名
…日付順、席順、名簿順などによって、児童・生徒を指名する。
④ 児童・生徒の言動などに対する改善点の指摘
…児童・生徒の小声の発言に対して「今の発言が聞こえましたか。」と問うなど、特定の児童・
生徒への改善点の指摘を他の児童・生徒に求める。
⑤ 児童・生徒のテスト結果の掲示
…個々の児童・生徒のテストの点数や合格回数などを掲示するなどして、児童・生徒に見える ようにする。
⑥ 忘れ物をした児童・生徒の名前の掲示
…忘れ物をした児童・生徒の名前などを掲示するなどして、児童・生徒に見えるようにする。
⑦ 児童・生徒への接し方・表情
…児童・生徒によって接し方や表情が異なる。
<わたしの考え>
<グループで話し合った感想>
ワーク 1
児童・生徒の気もちになって考えよう
2 -①
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教 職 員 用 A 先生は、懇談会の際、教室の入口に 1 年間の出席名簿をおいたところ、保
護者から「配慮が足りない。」といわれました。
また、B先生は、個人面談の日程を名前の順に決め、一覧表を配付したところ、
多くの保護者から変更希望の連絡がきました。
2 人の先生にはそれぞれ、どのような人権的配慮が不足していたのでしょうか。
また、2 人の先生はそれぞれ、どうすればよかったのでしょうか。
日常生活において、児童・生徒に対して、人権を尊重した聞き方・話し方を 心がけていますか。下の表の①~⑤について考え、あてはまるところにそれぞ れ○を書きましょう。
《いつも心がけている、時々心がけている、あまり心がけていない》
人権が大切にされる環境づくりとして、教室や廊下に「人権コーナー」をつ くろうと思います。あなたならどんな掲示を設計しますか。掲示するものを書 いてみましょう。
ワーク 2
ワーク 3
ワーク 4
A先生に不足していた点・改善方法 B 先生に不足していた点・改善方法
№ 人権を尊重した聞き方・話し方 いつも 時々 あまり
① 忙しくても、児童・生徒の目を見て話を聴くようにしている
② 児童・生徒の考えを受けとめたうえで、自分の考えを伝えるように している
③ だれに対しても、思いやりをもった話し方をするようにしている
④ 疲れていても、感情的にならず、落ち着いて話すようにしている
⑤ いじめや差別につながる言葉は使わないようにしている