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プレストレス木床版のたわみ特性における実験的研究麓

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(1)

プレストレス木床版のたわみ特性における実験的研究

貴行* ・堀江 保・米谷

ExperimentalStudyonBendingCharacteriSticsof

PrestressedLaminatedTimberDeck TakayukiFuMoTo*,YasushiHoRIEandHiroshiYoNEYA

(2000年11月30日受理)

Inrecentyears,therearevariuousenvironmentalproblemsinJapan. Itisimportantfor ustocontributetoanenvironmentalsafeguardsinindustrialactivitiesandconsumption.

Timberisthematerialwhichcontributestotheenvironmentalsafeguards. Itisnotwidely usedinthefieldofcivilengineering,soresearchingontimberbridgeswillcontributetouseof it.Moderndesigncodesarenotyetestablishedfortimberbridges,thepurposeofthisstudy istogetbasicdatafortheirdesign・ Inthisreseachwemademodelofprestressedlaminated timberdeck,whicharemostadoptedasthetimberbridges. Thebendingtestofthemodel werecarryedoutforvariouslevelandloadonthemodels. Thisresearchevalatedonthe following:differenceofprestressingmethodofinsertsteelrodsoverandunderthelumber laminationsand insertsteel rodsinmiddlethelaminations,differenceofintervalofsteel rods,differenceofwidthofdeck

に配慮して,適正に伐採されている場合を混同して

議論するには大きな疑問が残る。

また,人工造林地では間伐がされていなかったり,

遅れたところでは,健康な人工林造成が阻害される。

しかし,適切な間伐をすることで,適度な光を入れ,

下草の発生を促すことで,表土の流出防止や保水能 力の増大など,森林の機能を高める上でも重要な作 業で,環境保全ともつながっている。そして間伐材 は,本研究で用いられる形式のプレストレス木床版 の材料としても利用されている。

次に木材は再利用しやすいという特徴を持ってい る。建築材は処理がよければそのまま再利用できる。

また廃材や端材は細かく砕いてボードやパルプに利 用でき,最終的には炭や薪などエネルギー源として 利用される。このように,適切な利用を行えば廃棄 材になり得ない。このような循環型材料である木材 は,環境保全に大きく貢献する材料だと言える。

木材の最大の短所である可燃性についても確かに 薄い木材だとすぐに燃えてしまうが,ある程度の厚 さを持つと,表面が焦げるだけで内部には変化がみ られない。反りやゆがみなどの問題も含水率を下げ て使用することにより狂いが少なくなるなど工夫も

1 .

1 . 1 はじめに

近年,地球的な規模での環境問題が人類共通の重 大関心事となっている。その流れを受け産業活動や 消費の面で,環境保全に貢献する行動をとることが,

社会的に要請されている。

木材はその利用を通じて環境保全に様々な形で貢 献しうる材料である。木材の優位性を示すと以下の 通りである。

まず第一に言えることは木材は再生産可能な唯一 の資源である。鋼の材料の鉄鉱石, コンクリートの 原料である石灰石は埋蔵量が全てである。木材は原 料供給を行う森林施行技術に誤りがなければ持続的 な資源利用が永久的に可能であると言える。よく言 われることは,木を伐採すると環境破壊の原因にな ると言うことである。それは過剰な伐採や自然保護 の観点からの意見である。確かに熱帯雨林の無計画 な乱伐等は,生態系に大きな影響を及ぼす。しかし,

杉などの人工造林地や,天然林であっても環境保全

*秋田高専専攻科学生

(2)

されている。また強度のばらつき,寸法の制限など の問題も集成材にすることにより強度の均一化や任 意の寸法を得ることが可能になる。

上記の事柄を通しても分かるように木材は現在で も構造用材料として立派に使用できる材料であると 考えられる。

からみて, ここ数年,公園や娯楽施設内の歩道橋を 中心にその数は急速に増大している。 *の項目を改 善していき,設計基準が確立されればより一層架設 数は増えていくはずである。そこで今回の研究では 設計基準を確立していくために,木橋架設で数多く 採用されている形式のプレストレス木床版の模型を 作成し実験を行い,プレストレス木床版の特性を検 1 . 2 研究目的 討した。

我が国では橋梁の構造材料としてコンクリートと 鋼が大部分を占めている。我が国における木橋のた めの設計書は昭和15年に内務省の作成した「木道路 橋設計示方書案」しかないため昔の木橋のほとんど が,丸太や角材を並べた単純桁橋であった。アメリ カやカナダでは木橋は相当数の事例があり,数多く 架設されている。その理由は以下に示す。

(1)集成材の技術の進歩。

(2)設計基準の進歩。 *

(3) 防腐処理の発達(クレオソート, PCP, CCAの 加圧注入等)によって50年以上の寿命が期待でき

る。

(4)架設に当たって大型機械は不要であり,かつ大 工,鉄筋工,型枠工などの熟練労働者を必要とし ない。

(5) はりやアーチを大断面とし,床版をパネル化す ることにより,耐火性能が向上した。

(6)優れた質感と美観。

(7)架設はコンクリートと違って天候(雨,雪,寒 冷等)に左右されない。

(8)鋼およびコンクリート橋とは異なって,凍結融 解および融雪剤に強い。 (木材の熱伝導率は小さ い。)

(9)衝撃力に対しエネルギー吸収能力が高いので,

短時間のオーバーロードに耐え得る。

⑩軽くて柔らかいので補修,補強,架け替えが容 易である。

(11)鋼およびコンクリート橋より基本的には安価で ある。

⑰材料供給体制が確立されている。 *

*がついている項目は我が国では実現していない 項目である。 しかし我が国でもゆとりある豊かな生 活の実現や自然とのふれあいを求める傾向が強まっ ている中で,橋梁設計においても,単に強度,耐久 性,価格などの利便性で勝っているのみではなくア メニティの面で優れていることが求められてきてい る。この流れを受け木橋の建設は,天然材料として の良さや, 自然環境との調和に優れていると言う面

1 . 3 プレストレス木床版の特徴

プレストレス木床版は比較的短いスパンで, ラミ ナ(製材したひき板) を幅員方向,軸方向ともに接 着剤を用いないで積層し,床版厚さの中心の幅員方 向に貫通する孔にプレストレス鋼棒を挿入し, これ にプレストレスを与えることにより一体化した構造 である。この木床版は,元々1970年代にカナダのオ ンタリオ州で,木ハウトラス橋の釘打ち積層床版を 補修するために考案された工法で, オンタリオ州の 道路橋示方書(OHBDC)にとり入れられている。

現在ではアメリカでも試験的に架設されるように なり,AASHTOで標準化されている。

我が国でも最近単径間の木床版橋として架設されて おり, 中には25t対応の道路橋も数橋架設されてい る。

う°レストレス木床版の特徴を以下に述べる。')

1. ラミナはう°レストレスの摩擦により保持するた め,幅員方向,軸方向の両面とも接着剤を使用

しないため製作費用が安価ですむ。

2.原料丸太に大径材を必要とせず,細い材も有効 に使用できる。

3. ラミナの断面が比較的小さいため,加圧注入に よって防腐薬剤を十分に浸透することが出来る ので,高度の耐久性が期待できる。

4.プレストレス木床版にすることによって高い剛 性が期待できる。 しかも,プレストレスカは長 期にわたってほぼ一定に保持することが実証さ

れている。

5.乾燥させた板を使うため力学的にも丈夫な性質 が得られる。

2.実験概要

2. 1 実験の目的

従来のプレストレス導入法は,積層板に孔を開け その孔に鋼棒を通し,床版を締め付ける方法である

(以下type‑A図2‑1)。この方法は木材に直接孔

(3)

鋼棒 積層板 ひずみケージ ナット 敢荷点

I ■q■■ー

図2‑1 type‑A断面図

■i■■■■■■

ナットねじ積層板 鋼棒 ナット

k一"‑,k一望Q』−,桐ユールd■■■■■■■■■■■■

u

卜辿上一+̲幽一圭妾未到鮒刺

図2−3 試験体およびプレストレス導入箇所 type‑B断面図

図2−2

表2−1 使用した木材の平均弾性係数 を開けるため,間隔を自由に変えることが出来ず多

くのデータを取ることが出来ない。そして鋼棒を通 す孔の大きさの精度により,鋼棒にかかる負担の度 合いが違ってくる。これらの問題を解決する方法と

して床版の上下に鋼棒を通しプレストレスを導入す る方法を用いた(以下type‑B図2‑2)。この方法を 用いれば, う。レストレス木床版を作成したとき,孔 を開けないでいいため任意の間隔でデータを採取す ることが出来る。

今回の研究では,木材の力学特性において重要で あるたわみについて注目した。過度のたわみは構造 物細部の損傷の原因となったり,振動を激しくした り,高速車両の乗り心地や安全に影響を及ぼす可能 性がある。設計強度の規制の法律が厳しく, たわみ の規制値が影響しない場合には影響はないが,抵触 する場合にはその制限が真に必要でない限り,不経 済な構造物を造る結果となる。よって必要に応じて 的確なたわみ許容値を定めるのが理想である。そこ でプレストレス木床版の模型を作成し, 中央一点載 荷で初期プレストレスにより生じるたわみを比較,

検討することにした。

させて得られた値である。今回測定した軸方向の平 均弾性係数を表2−1に示す。

2. 3 実験方法

type‑Aの場合はラミナに鋼棒を挿入するための 孔を開け,プレストレスカをチェックするためのひ ずみケージを張った鋼棒を挿入した。鋼棒の径は15 rnnl,そして鋼棒に高さ20cm,厚さ1.5cm,長さ11 cmの鋼製の定着板を木材の両側からはきみ付け,

鋼棒にナットを取り付け, そのナットによる締め付 けでプレストレスカを発生きせ調節した。たわみを 測定するダイヤルケージは幅員方向,軸方向に計17 個セットし,載荷重やプレストレスカの変化による たわみを測定した。 (図2−4参照)。荷重の上限は床 版中央のたわみが10mmを越えない程度とした。

2. 2 実験のモデル

試験体は, 2辺単純支持とし,使用した木材の材 質は杉,寸法は高さ約10cm,厚さ約2.5cm,長さ約 200cmのものを35枚,これを弾性係数の高いものか ら順に中央から配置していった。プレストレス導入 箇所は2箇所と4箇所であり,載荷点は幅員方向,

軸方向中央の1点載荷で行った。 (図2−3参照)

弾性係数の測定は長さ2mのラミナを単純支持 し,支間を1.8mとして支間中央に集中荷重を作用

●:ダイヤルゲージ設置因所

衝立叶卦雪鞆3

栖貝方陶 帖方阿

図2−4

中心より10甑隔 (単位:画)

中心より15銅隔

ダイヤルケージ設置箇所

I

︒■

#︒

'

︒■D p

鴎 I

恢叙 平均弾性係数

(kgf/cm2)

■J▽ララミラ 35 78800

■jタ 一J一一一一フ

■■■

25 85200

一J

一一ヘーフ

■■■

19 89300

(4)

(アメリカのプレストレス木床板の設計基準におい て,活荷重たわみはL/360(L:支間)に制限すべき とある。今回の実験においてはより多くの荷重変化 によるデータを得るため設計基準値の2倍程度とし た。)

type‑Bの場合,床版上下に径15mmの鋼棒を通 し,プレストレスカを測定するのには,ひずみケー ジは用いず,定着板をつけた後にロードセルを取り 付け,圧縮力によってプレストレスカを測定し,ね

じの締め付けでプレストレスカを調節した。測定方 法等はtype‑Aと同様の方法で行った。

(囮

図3‑1 type‑Aとtype‑Bの比較(杉‑2点)

R詞皿脳.α鰄司

3.実験結果

MmO

釦釦 0

3. 1 データの整理

今回の実験ではラミナを並べた方向を軸方向,幅 の方向を幅員方向とし,実験で得られたデータを横 軸に軸(幅員)方向の距離(cm),縦軸にたわみ(mm) を取り,幅員方向,軸方向のたわみ曲線として表し た。この得られたデータから様々な場合のタイプを 比較して実験結果として表した。

罰俸⁝⁝⁝・⁝⁝●⁝⁝⁝︐⁝..⁝⁝﹄

︵EE︶電暑担

1 2

456789褐

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‐.。.‐.T涯B

●ィ●●●…ー

図3‑2 type‑Aとtype‑Bの比較(杉‑4点)

3. 2 データの補正

実験で得られたデータをそのまま用いる場合,強 いプレストレスカをかけると,支点付近のラミナが 浮き上がったり,弱いプレストレスカのケースは,

床版が一体化していないため,初期荷重を載荷した ときに床版のたわみ量にばらつきが出るおそれがあ る。そこで初期荷重載荷時のたわみ量を各荷重のた わみ量から差し引いたものを補正値として使用する ことにより影響が出ないようにした。記載する図は 全て補正後のものとする。

3. 3 type‑Aとtype‑Bの比較

type‑Bでデータを取っていく際にtype‑Aと値 がほぼ一致していないとプレストレス導入方法とし て使用できない。そこでtype‑Aとtype‑Bを比較 してほぼ同様の値になればtype‑Bはプレストレス 導入方法として使用できると言える。

type‑Aは鋼棒径15mmで実験し,type‑Bと比較 をした。その一例を次の図3−1,図3−2に示す。

図に用いられているpreというのは発生させたプ レストレスカのことである。この図3−1はプレスト レス導入箇所2点,荷重1.0t,pre=2.0tの場合の 軸方向のたわみ曲線である。図3−2はプレストレ ス導入箇所4点,荷重1.0t,pre=1.0tの場合で比

図3‑3 type‑Aとtype‑Bの比較(杉‑2点)

砿‑A

…o・・・砿B

図3‑4 type‑Aとtype‑Bの比較(杉‑4点)

(5)

較したものである。両者の図を見て分かるように中 央1点載荷であるから,床版中央部のたわみ量が大 きくなり, そして端部にいくほど小さくなるという ことが言える。type‑Aとtype‑Bは酷似した値とな り同じような曲線を描いている。次に同じケースの 幅員方向の比較を図3−3,図3−4に示す。ここで 注目したいのはtype‑Aとtype‑Bのたわみ曲線 は,どの点でもほぼ酷似している。この結果により,

プレストレス木床版が鋼棒を床版の厚さの中心に挿 入して鋼棒自体で床版を支えるのが目的ではなく,

鋼棒を引っ張ることによって発生させているプレス トレスカで積層間に摩擦力を発生させ,高い剛性を 得ることで床版を一体化させているということが確 認できる。この他のケースでも同様の結果が得られ た。この実験結果によりtype‑Bはプレストレス導 入法として有効であることが言える。そして以後の データ採取にも利用できることが実証された。

pre=3.0t荷重1.5t幅員方向 距離(cm)

−20 0 20 40

−40

8

1

9 '…・…‑……・1.0.−

︵EE︶倦暑型

9F

555句●巳727356

一一一一一一ccc

一一

250246一一一一一一ccc

●●●●●●︒︒●●■●■●

−−−‐一一‐‐。■‐‐ー

図3−5 鋼棒間隔の比較幅員方向

pre=3.Ot荷重1.5t軸方向 距離(cm)

−30 0

−90 −60 30 60 90

1 2 1

2 aa

直、

直、

毒きご#

毒きご#

︵EE︶篭暑型

旨釦 辰刀劣 旨釦 3. 4 鋼棒間隔の違いによる検討

89

250246

﹃一一一一一ccc

G■口●︾一回○

一ロロ● 555727356一一一一一一◎cc

床版の機能を充分に発揮させるためには適切な鋼 棒間隔を知る必要がある。鋼棒間隔は狭いほどたわ み量は少なくなるが,実際に床版を架設するとき,

多くの材料が必要となり,不経済である。さらに自 重が重くなり木床版としての良さが失われるおそれ がある。 しかしある程度の間隔あたりからたわみ量 があまり変わらなくなる点があるはずである。それ が適切な鋼棒間隔であると考え, その点を推測する ため鋼棒間隔を変えて実験を行った。実験にはtype

‑Bを用いプレストレスカ作用位置は2点で,センタ ーから軸方向へ22.5cm, 37.5cm, 45.0cm, 52.5 cm,60.0cm,67.5cmの計6ケースの場合について 実験を行った。 45.0cmと60.0cmのケースははプ レストレスカを導入する際,軸方向で鋼棒とダイヤ ルケージが重なる箇所があるのでその場合はダイヤ ルケージを2cm内側にずらして測定した。

図3−5,図3−6は幅員方向と軸方向間隔ごとの たわみを比較した図である。この図中のcは,軸方 向におけるセンターからプレストレス導入箇所まで の距離である。幅員方向の図3−5を見ると,鋼棒間 隔が広い場所では,床版の中央部にプレストレスカ がうまく伝わっておらず, ラミナ間の摩擦力が弱い ため, 中央のたわみが大きくなっている。 また幅員 方向端部ではたわみ量が少ない。このことは床版が 一体化して効率よく荷重を受け持っていないと言う

ことである。軸方向では,鋼棒間隔が広いものは全

図3−6 鋼棒間隔の比較軸方向

pre=3.Ot荷重=1.5t幅員方向 距離(cm)

20

q000090000●■0■080o0OO0000DO00000●●●09●00000

︵EE︶篭暑製 Da9000099Q00900006当りq999q0065046牽牽

555●●●727356

一一一一一一ccc

一一

図3‑7 c=22.5cmとの差幅員方向

pre=3.Ot荷重=1.5t軸方向

距離(cm)

‑ 0 −60 −30 30 60

99●言一一一一三弓口一 一司 寺Qq9Q6000Q9Q09Q0O6600009990090qQ090Q0009Q0 きき

︵EE︶電鼻裡

2

34

5046一一一一cc

555●■●727356

一一一一一一cCC

一一

図3‑8 c=22.5cmとの差軸方向

(6)

体的にたわみ量が大きい。そして鋼棒の間隔を狭く していくごとに,中央部のたわみ量が減少している。

これは中央一点載荷のため,プレストレスカ作用位 置が載荷点に近づくほど床版が安定しているといえ る。しかし, c=45cmをより狭くしたあたりから,

たわみ量があまり減少しないことが確認できた。こ れによりc=45cmが適切な間隔であると考えら れるので,次にc=22.5cmのたわみ量を基準にし て, それを他のケースの場合から差し引いて図を作 成した。それが図3−7と図3−8である。この2つ の図をみるとc=52.5cmとc=45cmの間でた わみ量の開きがあるのが分かる。そしてc=45cm はc=22.5cmともあまり差がないことが確認で きる。よってこのケースの適切な鋼棒間隔はc=45 cmという結論に達した。

版全体へ効率よく伝わらないと考えられる。一方,

枚数が少ないものはプレストレスカが小さくてもプ レストレスカが効率よく働き床版が一体化すると言 える。

図3−10ではプレストレスカが床版全体に伝わり,

枚数の多いケースのたわみ量が減少していることが 分かる。

この特性をもっと明らかにするためプレストレス 木床版を1枚のはりとして考えて,はり理論による 理論式を用いてたわみ量を算出して実験で得られた 実測値を比較してみた。はり理論による軸方向たわ み式は次式である。

γ=fr{3el‑415。}

y:たわみ(Cm) p:荷重(kgf) l :支間(cm) E:弾性係数(kgf/cm2) I:断面2次モーメント

(Cm4) X:求める点までの距離(cm)

図3−11,図3−12,図3−13はb=87.5cm, b=

62.5cm,b=47.5cmの荷重=1.5tの実験値をは り理論と比較したものである。

b=87.5cmではpre=0.5tの時では理論値と 2倍以上の差が見られるが,pre=3.0tではたわみ 量の差が2mmぐらいしか見られなくなった。b=

47.5cmではpre=0.5tとpre=3.0tでもたわ み量の差はわずかである。この3ケースの図を見て 言えることは,プレストレス木床版の幅の違いによ り効率のよい初期プレストレスカがあると考えられ る。この理想のプレストレスカを求めるために理論 値を各プレストレスカの実験値で割り,割合を求め て図を作成し幅に対する初期プレストレスカの傾向 を検討した。

図3−14を見ると分かるとおり,b=87.5cmでは プレストレスカを大きくすればするほど割合が大き くなっていることが分かる。b=47.5cmでは幅が 3. 5 ラミナの枚数の違いによる検討

ラミナの枚数の違いによりたわみ量の影響につい て実験を行った。枚数は35枚(b=87.5cm), 25枚 (b=62.5cm), 19枚(b=47.5cm), bは幅員方 向の幅の厚さのことである。プレストレス作用位置 は軸方向のセンターから45cmのところに左右2点 を取り, type‑Bを用いて実験を行った。軸方向の45 cInの位置は鋼棒とダイヤルケージが重なるので2 crn内側にずらしてたわみ量の測定を行った。

図3−9は荷重1.5t, pre=0.5t,図3‑10は荷重 1.5t, pre=3.0tのケースで枚数の違いによるた わみ量を比較した図である。ここで注目したいのは 図3−9である。

この図ではたわみ量が3つのケースともさほど変 わらない。本来ならば床版の枚数が多いほど断面二 次モーメントが大きくなるのでたわみ量が減少する はずである。この理由としてはプレストレスカが弱 いと枚数が多いものではうまくプレストレスカが床

pre=0.5t荷重=1.5t軸方向

pre=3.Ot荷重=1.5t軸方向 距離(cm)

−30 0 30 60 90 距離(cm)

‑30 0 30 60 90

‑90 −60

‑90 ‑60

246246

︵EE︶竜暑担 ︵EE︶奄異型 24

"

一b=87.5‑b=62.5

‑b=47.5

図3−9 幅の違いによる比較pre=0.5t 図3−10幅の違いによる比較pre=3.Ot

(7)

小さいので最初から割合が大きいが, その後プレス トレスカを多くかけていってもあまり影響力が大き くないことが分かる。この割合のあまり変わらない 点力罰最初に与えるプレストレスカとして最適な初期 プレストレスカではないかと考えられる。今回のケ ースでは87.5cmではpre=3.0t, 62.5cmでは pre=2.0t, 47.5cmではpre=1.5tが初期プレ

ストレスカとして適当な値と言える。

.釦碓刺

揃剛0

︵EE︶電鼻裡 P . . . .

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.②●。。●■

一一一

図3−11 はり理論との比較b=87.5cm 4.結

1.プレストレス木床版は中央に挿入した鋼棒自体 で床版を支えるのではなく,鋼棒を引っ張るこ

とによってプレストレスカを発生させ,高い剛 性を得ることで床版を一体化させる構造である

ことが確認できた。

2.type‑Aとtype‑Bの検討によりtype‑Bはプレ ストレス導入方法として実験に使用できること が実証された。この方法により木材に孔を開け ずに様々な実験が可能になった。

3.プレストレス木床版では床版が一体化するため には,載荷位置を考慮して適切な間隔を知る必 要がある。今回の実験のケース(支間180cm, 幅87.5cm,プレストレス導入箇所2点,中央一 点載荷)ではセンターから45cmが最適な鋼棒 間隔だと言える。

4.プレストレス木床版は板の枚数が多いほど床版 としてのたわみ量は減少する。 しかしプレスト レスカが弱いと床版が一体化しない。構造のケ ースによって与える初期プレストレスカが決定 される。今回の実験ケース(b=87.5cm, b=

62.5cm, b=47.5cm)では最適な初期プレス トレスカは, b=87.5cmではpre=3.0t, b=62.5cmではpre=2.0t,b=47.5cmで

はpre=1.5tとなった。

今回のテーマでの解明点はまだプレストレス木床 版の初期の段階であり, まだまだ明らかにしていく べき点が多い。一例を挙げると木材は鋼やコンクリ ートのようにクリープが生じる材料であり,長期載 荷をし続けた場合でのクリープ変形や湿度の影響等 の検討をしなければならないであろう。今後より多 くの実験や研究を行いプレストレス木床版の構造特 性を明らかにしプレストレス木床版を用いた木橋が 架設されることを願う。

b=625軸方向御霊=1.5t 距離(qTO

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図3−12 はり理論との比較b=62.5cm

b:Z5車燗句宿運=1.5t 匪難(qTj

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○0コ99︒︒

︵EE︶竜暑裡

ミミ塁ミp・・oご・・。 .。●の0?易夢

二自室

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一一一

図3−13 はり理論との比較b=47.5cm

preによる幅への影響荷重=1.5t

100 80 60 40 20 0

︵ま︶姐扇

pre=0.5t p、=1.Ot pre=1.5t pre=2.Ot pm=2.5t pre=3.0t ー犀雨百一−5三面了一5言万引

図3‑14 preによる割合の変化 一一=F÷三

161

二一一一

Q

(8)

参考文献 3)薄木征三,清水功雄,長谷部薫

プレストレス木床版の弾性及びクリープ挙動に 関する実験的研究,構造工学論文集Vol.40A, pp.1301〜1312, 1994年

4)Ritter.ed:TimberBridges‑design,Construc‑

tion, Insepection,and,MaintenaceEngineer‑

ingmanagementseries,FORESTSERVICE, 1)財団法人日本住宅・木材技術センター編著:

木橋作り新時代, ぎようせい(1994年)

2)長谷部薫,薄木征三,緑川哲夫

プレストレス木床版の構造特性における実験的 研究,構造工学論文集Vol.43A, pp、1097 2)

〜1102, 1997年 USDA,Washinton.D.C.

参照

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