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数学教育の基礎としての数学観:数学=パターンの科学

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(1)

数学教育の基礎としての数学観:数学=パターンの科学

ドイツ・ノルドラインベストファーレン州における数学教育への具体化と可能性 山 本 信 也

OntheSignificanceofaViewofMathematics:Mathematicsasa

ScienceofPatternsinMathematicsEducation

ShinyaYAMAMoTo ( R e c e i v e d O c t o b e r 3 , 2 0 1 1

KeywOrdS:教育スタンダード,Fイツの数学教育,パターンの科学としての数学.

は じ め に

1.問題意識

数学教育史研究の先駆者である小倉金之助(1885-1962)は,大正13(1924)年,当時の数学教育の現状を批 判する中で以下のような問題提起を行った.

《此等の問題を解決する為には,数学の本質,教育上に於ける数学の価値,其他の問題について,モツト深く 根底からの研究を必要とすると信ずる‘》(小倉:1924,p73)

数学教育について議論するにあたって,学問としての「数学」と教科としての「数学」(数学教育)とを明確に区別し,

数学の本質とその教育的価値について考察することが数学教育の根本問題であるとしたのが小倉金之助であった.

また,日本における数学教育学の蕊明期(1970年代初め)において,数学教育の研究課題として提起されたのも,

数学の本質‘とりわけ数学に関する認識の問題であった.

竹内芳男(1970)が数学教育の課題として提起したのは,「学校数学において形成される数学的認識と経験的 認識とはどのように統一されるべきか?」という問題であった.また,平林一栄(1973)は《わたくしは,数 学教育学の固有の問題,そしてそれだけに重要だと思われる問題として,つぎの二つを設定している.第一は,

数学の本性についての反省.第二は,数学と人間性との関連についての考察である.》(p、84)と指摘した.

教科教育の一つである数学教育(算数・数学)研究の独自でかつ固有な問題は,数学の本質,その認識論的問 題にしか求めることはできないであろう.したがって,従来の数学教育学で提起された「数学」に関する本質及 びその認識に関する問題は,数学教育学研究の固有な問題であったし,これからも固有な問題であろう.しかし,

その問題についての考察範囲は,中等学校(中学校・高等学校)の数学教育だけに限られる必然性はない.岩崎 秀樹(2007)が指摘するように,産業構造の変換に伴って,発展・途上を問わず,世界的規模で初等・中等教 育の接続が制度的に図られている.その中で小学校の算数と中・高等学校の数学との関係を調整する視点や枠組 みの普遍化が待たれるのは当然である.就学前から,小・中・高等学校,ないしは教員養成課程における段階ま での数学教育までをも考察範囲としながら,その統一的な数学教育を構想し,各学校に則した数学教育実践を行っ ていくが必要である.その際,小倉が指摘したようにどのような数学観を前提として数学教育を実践すればよい か?これが重要な問題である.

2.本研究及び本稿の研究目的

イギリス生まれの数学者ソーヤー(WW、Sawyer:1978),アメリカの数学者K・デブリン(KDevlin:1996)には,

数学に対する共通する捉え方が存在する.それは「数学=パターンの科学」(thescienceofpattems;Wissenschafi

vonMuster)という数学観である.それは,学問としての数学を「パターン」(規則性)の研究ととらえる立場

である.

(

2 2 1 )

(2)

222 山 本 信 也

このような数学観を基礎として就学前から高等学校までの数学教育を構想し,研究開発しているのが,ドイツ の数学教育学者ヴイットマン(E・Ch、Wittmann)とミユラー(G、N,Miiller)である.(E、Ch,Wittmann:2005,G.

N、Miiller&E,Ch、Wittmann:2005).

本研究は,「数学=パターンの科学」という数学観はどのような数学教育をもたらしうるか?について考察す ることを目的とする.その際,数学を「パターンの科学」と捉えることの意味,その数学観を基礎とする数学教 育と現在の数学教育との関連.そしてその可能性について考察する必要がある.さらに,そこで得られた仮説的 言説を実証的に検証すること.これらが重要な研究課題である.

本稿では,上述の研究課題を考察するために,「数学=パターンの科学」という数学観が,実際に具体化され つつあるドイツ連邦共和国の数学教育の動向に注目する.ドイツで進行しつつある初等数学教育の改革の中で,

「数学=パターンの科学」という数学観は,初等数学教育の基礎となる数学観と見なされている.

そこで,「数学=パターンの科学」は,ドイツではいかに具体化されようとしているかを明らかにすることが 本稿の中心課題である.具体的に言えば,この中心課題についての考察を通して生じた課題について文献的にま た実証的に確認することが本稿の目的である.

3.本稿の研究方法

ドイツでは,国際的な学力比較調査での予想外の結果を契機として教科教育の質の保証とその向上をはかる ために2004年に常設文部大臣会議(DieStandigenKonferenzderKultusministerderLiinderinderBundesrepublik

Deutschland,以下KMKと略称)で「教育スタンダード(Bildungsstandards)」が決議された(原田:2006).こ

れは,ドイツ連邦共和国における国家的な学校教育の基準であり,ドイツの教育改革の象徴である.

そこで,まず「教育スタンダード」の1つである「初等領域の数学教育スタンダード」(2004)を取り上げる.

そこに示された学習内容の領域「パターンと構造」は,「数学=パターンの科学」という数学観の具体化と見な しうる領域である.これに関するヴイットマンの論文をもとにしながら,その具体的な学習内容について明らか にする(1).

これまでドイツ連邦では各州が独自に作成した「学習指導要領」(Lehrplan)に基づいて教科教育が行われ てきた.しかし2004年以降,各州は「教育スタンダード」を具体化する義務を負うことになった.本稿では 州レベルで,それがどのように具体化されたのかを把握するために,ノルドライン・ベストファーレン州(以 下NRW州と略記)の動向に注目する.それがどのように学習指導要領に反映されたのかについて,2008年に NRW州の文部省が公表した学習指導要領をもとに考察することが第2の課題である(Ⅱ).

NRW州の文部省の公式ホームページでは「学習指導要領を実施のための資料」が公開されている.その中の 1つは「教育スタンダード」で示された領域「パターンと構造」の具体化に関するものである.そこには,この 領域の趣旨を各教室で実施するためにいくつかの学習課題例が挙げられている.領域「パターンと構造」で示さ れた学習内容の具体的な意味について考察するために,その例の1つ

である「構造化された課題のフォーマット:計算三角形の列と数の石 垣の列」を取り上げる.そのうちの中の「数の石垣列」の学習課題に 対しては,ドイツの小学生の取り組みについて肯定的に評価されてい る.日本の小学生の場合も同じように積極的に取り組むのか?このこ とを確かめるために,小学校3年生を対象に実証的研究を行った.そ の調査の概要と結果について述べる(Ⅲ).

I.「教育スタンダード」における領域「パターンと構造」の内容

1.数学教育の「教育スタンダード」

常設文部大臣会議KMKは,2002年5月23,24日に,基礎学校修 了時(第4学年),基幹学校修了時(第9学年),中級学校修了時(第 10学年)の教育スタンダードを作成することを決議した.それにと

もなって,2003年12月4日に中級学校修了時の教育スタンダード(数

学・ドイツ語・第1外国語)が決議され,公表された.2004年10月 図1「初等領域の数学教育スタンダード」の表紙

(3)

15日には,基礎学校修了時の教育スタンダード(ドイツ語,数学)と基幹学校修了時(第9学年)の教育スタ ンダード(ドイツ語,数学,第1外国語)が,同年12月16日には,中級学校修了時の教育スタンダード(生物,

化学,物理)と教員養成のスタンダードが決議された.これにともなって,各州はこの教育スタンダードに基づ いて学習指導要領を作成することになった.数学教育に関係する教育スタンダードには,以下の3種類がある.

表l数学教育の「教育スタンダード」一覧 (1)「初等領域の数学教育スタンダード」(2004)

S e k r e t a r i a t d e r S t a d i n g e n K o n f e r e n z d e r K u l t u s m i n s t e r d e r L i i n d e r i n d e r B u n d e s r e p u b l i k

Deutschland(Hrsg.),B"d""9s"α"。b砿加励cルMZ1ノルe腕α"M7rdと〃Pr""αr6erejcル,

B“cルノ”SVC碗15.10.2004.,WOltersKluwen2005.

(2)「基幹学校修了の数学教育スタンダード」(2004)

S e k r e t a r i a t d e r S t i i d i n g e n K o n f e r e n z d e r K u l t u s m i n s t e r d e r L i i n d e r i n d e r B u n d e s r e p u b l i k

Deutschland(Hrsg.),B軸ィ"gssrα"”郷ホ"ぬc〃Mbノルemq"M7rdセ"脆叩なcルzイノb6scルノ"ss,

Bescルノz“vひ腕15.ノ0.200イ.,WOltersKluwer,2005.

(3)「中級学校修了の数学教育スタンダード」(2003)

S e k r e t a r i a t d e r S t i i d i n g e n K o n f b r e n z d e r K u l t u s m i n s t e r d e r L i i n d e r i n d e r B u n d e s r e p u b l i k

Deutschland(Hrsg.),8敗か"93s/α"db碓加”chMb的e耐α城〃rdセ"M賊eだ"S℃〃"わ6scルノ"s3,

Bescルノ"ssvo腕イ./2.2003.,WOltersKluwen2007.

2.「初等領域の数学教育のスタンダード」(2004)

「初等領域の数学教育のスタンダード」は,基礎学校4年修了時までに習得されるべき数学的能力を示した ものである.基礎学校4年修了時までに習得されるべき数学的な能力はどのような能力であるか?4年間の基 礎学校の数学教育で育成されるべき能力は大きく2つに分けられている.「一般的な数学的能力」(Allgemeine

mathematischeKompetenze、)と「学習内容に関わる数学的能力」(StandaIdsfiirinhaltsbezogenemathematische

Kompetenzen)である.さらに,それぞれは5つの下位項目に分けられている(表2).

表2:「初等領域の数学教育のスタンダード」における数学教育の目標

「一般的な数学的能力」

「問題解決」Probleml6sen

「コミュニケーション」KommunizierEn

「理由づけ」Argumentieren

「モデル化」Modellieren

「表現」Darstellen

「学習内容に関わる数学的能力」

「数と演算」ZahlenundOperationen

「空間と形」RaumundForm

「パターンと櫛造」MusterundStrukturen

「量と測定」Gr6BenundMessen

デ ー タ , 頻 度 e i k h i c l n , i h e t c s h r a W 確 n d u t i k e g i u f 率 i i , H n e t D a 」

(下線,引用者)

本稿の中心的課題を考察するためには,「学習内容に関わる数学的能力」の領域の1つである「パターンと構造」

に注目しなければならないこの領域を通して,どのような数学的な能力の習得が期待されているのか,が問題

である.

(4)

224 山 本 信 也

3.領域「パターンと構造」と「数学=パターン科学」

「初等領域の数学教育のスタンダード」で示されている5つの領域については下位の学習事項が示されている.

領域「パターンと構造」の下位の学習事項は「規則性を見つけ,それを書き,表現すること」と「関数的な関係 を見つけ,それを書き,表現すること」の2つのである(表3).さらに,それぞれ3つの下位の学習事項が示

されている.

表3:領域「パターンと柵造」の下位の学習事項

「規則性を見つけ,それを書き,表現すること」

○構造化された数の表現を理解し,活用すること

○図形や数のパターン(数列,構造化された課題列などで)を見つけ,書き表し,

さらにそれを続けること

○数や図形のパターンを自分で発展させ,体系的に変化させたり,それを書き表したりすること

「関数的な関係を見つけ,それを書き,表現すること」

○現実の状況の中に関数的関係を見つけ,言語的に表現し(たとえば数量と値段),

それに関連した問題を解くこと

○関数的関係を表に表現してそれを調べること

○比例に関する簡単な事実問題を解くこと

ここに示された「パターン」という用語は,広辞苑によれば,「型」,「型紙」,「様式」,「図案」などを意味す る言葉である.一方,イギリスの数学者ソーヤーは,「パターン」を「精神が認めることのできるほとんどあら ゆる種類の法則性」(ソーヤー:1978,plO)と規定し,「数学とは,ありとあらゆるパターンの分類と研究をす る学問である」と述べた.教育スタンダードに登場した領域「パターンと構造」で示された「パターン」は,ソー ヤーの意味で解釈することが妥当である.したがって,数や図形の中,または現実の状況の中に規則性(パター

ン)を発見したり,その規則性を変化・発展させたりする能力の育成がこの領域のねらいであるといえる.

数学者であるソーヤー(1978),デブリン(1996)以外に,「数学=パターンの科学」という数学観を提起した 人物として,イギリスの著名な数学者ハーデイー(GHHardy:1967),アメリカの物理学者ファインマン(Richard

PLFeynman:1968)などがいる.この数学観を基礎として就学前から高等学校までの数学教育を統一的に捉え,

その研究開発が展開しているのが,ヴイットマン,ミュラーである.その研究成果の1つが革新的な初等数学教 育の教科書「数の本」(DasZahlenbuch)である(ECh,Wittmann:2005,G.N,Miiller&EChWittmann:2005),

両氏は,教育スタンダードを解説した論文の中で,この領域「パターンと構造」について解説し,基礎学校にお ける実現のための具体的提言を行っている.その中で両氏は,この領域の背景には,「パターンの科学としての 数学」があることを指摘し,この教育スタンダードを実現するには,その背後にある数学観に配慮する必要があ

る,と提言した.

《教育スタンダードを確実に実行に移すには,教育スタンダードの根底にある数学観とともに教育スタンダー ドを具体化する必要がある.このようにしてはじめて,教育スタンダードに示された新しい課題形式や授業形態 は,表面的な教授学的技法と誤解されることはなく,本来の授業が実現され,そして「しかるべく理解された教 科教育」という観点に向けて授業は変化することが期待できる.》(E・Ch・Witmann/GNMijller2008:46-47)

要するに,教育スタンダードに示された内容をただ実行に移すだけでなく,その背景にある数学観を同時に意 識しながら,それをいかに具体化するかを考えるべきである,という提言である.

さて,次に問題となるのは,「数学=パターンの科学」という数学観との関連で領域「パターンと構造」は,

どのように具体化されようとしているのか,である.そこで,本稿ではドイツ連邦共和国の州であるNRW州の

文部省の動向を通してこれを考察したい.

(5)

ⅡNRW州に於ける「数学=パターンの科学」の具体化 1.NRW州の基礎学校の学習指導要領(数学)(LehrplanMathematik)

NRW州はドイツ連邦共和国の西部に位置し,16の連邦州の中で人口数は国内第1位,また人口密度も都市 州を除いて第1位の州である.ドイツ全体で12ある人口50万人以上の都市の内,デュッセルドルフ,ケルン,

ドルトムント,エッセン,デュイスブルクの5つの都市がNRW州にあり,ドイツ連邦共和国の中心的な役割を になう州である.

NRW州の基礎学校(4年制の初等学校)の学習指導要領(数学)(LehlplanMathematik)は,2008年6月16

日に新たに告示された.NRW州文部省ホームページによれば,それは2008年8月1日付けで実施された学習 指導要領である.これによれば,基礎学校の数学教育の目標は,「初等領域の数学教育スタンダード」に対応

して,「学習過程に関係する領域」(ProzessbezogeneBereiche)と「学習内容に関係する領域」(Inhaltsbezogene

Bereiche)の2つに分けられている(表4).

表4:「NRW州の学習指導要領(数学)」(2008)の数学教育の目標

「学習過程に関係する領域」ProzessbezogeneBereiche

「問題解決/創造性」Probleml6sen/Kreativitiit

「モデル化」Modellieren

「理由づけ」Argumentieren

「表現/コミュニケーション」Darstellen/Kommunizieren

「学習内容に関係する領域」InhaltsbezogeneBereiche

「数と演算」ZahlenundOpemtionen

「空間と形」RaumundForm

「量と測定」Gr6BenundMessen

「データ,頻度,確率」Daten,HiiufigkeitenundWahrscheinlichkeiten

「初等領域の数学教育のスタンダード」の大きな枠組みは,「一般的な数学的能力」と「学習内容に関わる数学 的能力」の2つであったNRW州の新しい学習指導要領では,それぞれ「学習過程に関係する領域」と「学習 内容に関係する領域」と名称が変更されている.しかし,それぞれの下位項目を見れば,それらの領域は基本的 にほぼ同じある(表5).

表5:「初等領域の数学教育のスタンダード」(2004)と「NRW州学習指導要領(数学)」(2008)の比較

「初等領域の数学教育のスタンダード」(2004)

一 般 的 な 数 学 的 能 力

「問題解決」

「コミュニケーション」

「理由づけ」

「モデル化」

「表現」

学習内容に関わる数学的能力

「数と演算」

「空間と形」

「パターンと構造」

「量と測定」

「データ,頻度,確率」

「NRW」州学習指導要領(数学)(2008)

学習過程に関係する領域

「問題解決/創造性」

「モデル化」

「理由づけ」

「表現/コミュニケーション」

学習内容に関係する領域

「数と演算」

「空間と形」

「量と測定」

「データ,頻度,確率」

(6)

226 山 本 信 也

両者の決定的違いは,「初等領域の数学教育のスタンダード」に示されていた「パターンと構造」という領域が,

NRW州の2008年の学習指導要領(数学)では削除されている点である.これは,どのような事‘情によるのか?

これについて考察するために,NRW州の文部省が学習指導要領実施のために提供している資料に注目してみたい.

2.領域「パターンと構造」の具体化の基本方針

NRW州文部省のホームページで提供されている学習指導要領実施のために提供している資料は,以下の8種 類の資料からなる(表6)(2010.12.8確認).

表6:NRW州の文部省による学習指導要領を実施のための資料 (1)基礎学校-新しい指導方針と学習指導要領(2008)DieGrundschuleinNRW-NeueRichtlinienund

L e h r p l t i n e 2 0 0 8

(2)学習指導要領数学についての情報InfbrmationenzumLehrplanMathematik

(3)データ,頻度,確率-学習指導要領数学の新しい領域Daten,Haufigkeiten,Wahrscheinlichkeiten‐

EinncuerBereichimLehrplanMathematik

(4)数学の学習課題LemaufgabenMathematik

(5)パターンと構造の課題の基本的考え方AufgabenideenzuMusterundStrukturen (

6 )

学 習 過 程 と 関 連 す る 課 題 設 定 の 例 e n s t e l l u n g e n e l e z u p r o z e s s b e z o g e l l e n A u f g a b B e i s p i

(7)10個の授業例による数学の学習指導要領の具体化例;ドルトムント大学ゼルター教授 I

l l u s t r a t i o n d e s M a t h e m a t i k - L e h r p l a n s d u r c h z e h n U n t e r l r i c h t s b e i s p i e I e , P r o f D m S e l t e E U n i D o r t m u n d

(8)数学教育における言語活動の促進SprachRjrderungimMathematikunterricht

「パターンと構造」という領域が削除されている事情ついて考察するために,さらに「パターンと構造の課題 の基本的考え方」(AufgabenideenzuMusterundStrukturen)という資料に注目したい.これは,3部構成,総ペー

ジ数27頁からなる資料である(資料7).

表7:資料「パターンと構造の課題の基本的考え方」の構成

(1)KMK教育スタンダードにおけるパターンと構造MusterundStrukturenindenKMK-Bildungsstandards (2)NRW州の学習指導要領におけるパターンと構造MusterundStrukturenimNRW-Lehrplan (3)パターンと構造のための課題AufgabenideenzuMusterundStrukturen

この資料では,「初等領域の数学教育スタンダード」で示された領域「パターンと構造」の重要性が次のよう

に述べられている.

《パターンと構造の認識と活用は,数学教育で本質的な役割を果たす.その活用とは,ある問題を解くために パターンや構造を引き合いにだすことだけでないパターンや構造を発見・活用することを通して,子どもたち に数学を行う可能性を与えること,そして全体としてその可能性を高くすることが重要である.》(Aufgabenideen

z u M u s t e r u n d S t r u k t u r e n , p 3

ここで,注目すべきことは,基礎学校の数学教育についての捉え方である.それは,特定の学習内容の習得で終 わるのではなく,数や図形に見られるパターンを発見し,活用する活動自体をも重視する教科と考えられている.

年少の子どもたちが「数学を行う」(Mathematikzubetreiben)可能性を与える数学観が,「数学=パターンの科学」

という数学観であるとされているのである.それは,資料の冒頭の文章からも確認することができる.

《しばしば,数学は「パターンの科学」とみなされている.このことから,教育スタンダードの主要な内容領域の 1つとして「パターンと構造」という領域が設定されたことは明らかである.》(「パターンと構造のための課題」,P、2)

このように,「数学=パターンの科学」を基礎とする数学教育の実現を意図して設定された領域「パターンと

(7)

構造」は,特定の学習内容の習得だけに関連したものではない.むしろ数学教育全体のあり方と関連する領域と 考えられている.その意味で,ヴィットマンやミュラーが主張するように,この領域は数学教育の本質と関わる 領域でなのである.《「パターンと構造」は,ただ単に数学教育の1つの側面として重要なのではなく,この側 面は本質的であるということを主張したい.「パターンと構造」は,少なくとも数学の本質に関わることであり,

また前節で示されたように新しい課題形式と授業形式は,本来の教科教育の実現の道を示してくれる.それと同 時に数学の学習を豊かなものにしてくれる.》(Wittmann/Mijller2008,p、42).

このような考え方によれば,NRW州の学習指導要領において独立した領域として,「パターンと構造」が設 定されなかった理由はもはや明らかであろう.この領域で示された学習内事項は,すべての学習内容を横断する

ものとされたがゆえに,独立した領域として設定されなかった.実際,以下のように述べられている.

《NRW州の基礎学校の数学の学習指導要領では,「パターンと構造」という内容領域は独立した領域として設定 することはしなかった.規則性や関係を見つけたり,書き表したり,表現することは,いろいろな内容の学習と 関連付けて行うことができる.また「パターンと構造」の領域と他の4つの領域を明確に区分することが困難で ある.

さらに,規則性や関係を見つけたり,書き表したり,表現することは,問題を解いたり,その解決方法につい て議論する際に,必要とされる能力である.

「パターンと構造」は,それゆえ特定の学習内容にだけ関連するものではなく,すべての学習内容の領域をい わば横断する領域である.》(「パターンと構造のための課題」,p、2-3)

それでは,どのような問題を通してこの領域の趣旨を実現しようとしたのだろうか?以下では,この点に焦 点を当てて考察したい.このことは,「数学=パターンの科学」の数学観を基礎とする数学教育がどう理解され,

構想されたのかを明らかにする上で重要な課題である.

3.領域「パターンと構造」具体化のための学習課題

NRW州の文部省は,「パターンと構造」という領域の趣旨を実現するための学習課題例として以下の7つの 課題が示されている(表8).

表8:「パターンと構造」の学習課題 A)魔法陣の数列(Zauberquadratfblgen)

B)構造化された課題のフォーマット:計算三角形の列と数の石垣の列

( k u r t S t u r i e t e A u f g a b e n f b r m a t e : R e c h e n d 1

℃ - k c e i K e t t e u n d Z a h l e n m a u e I K e t t e

C)特別な方法によるかけ算(MalnehmenaufbesondereArt)

D)格子上における配列(AnordnungsmusteraufeinemSpielfbld)

E)アナログ時計とデジタル時計(AnalogeunddigitaleUhren)

F

) 歩 い た 距 離 ( i i n g e ) h r i t t l S c G

) 偶 然 実 験 の 実 施 と 分 ) t e n e r s w 析 a u n d e n u h r i i h f r c e d u ( n t m e r i p e e x l l s f a Z u

これらの7つの学習課題例についての総合的な考察は別稿に期すことにして,本稿ではその一つ,「構造化さ れた課題のフォーマット:計算三角形の列と数の石垣の列」の学習課題例に注目して,「パターンと構造」とい

う領域の趣旨がどのように実現されようとしているか考察したい.

「数の石垣列」については,3つの問題が示されている.問題1と問題2は,前3つの数の石垣を計算して,

そこに組み込まれたパターン(規則性)を発見し,最後の数の石垣に当てはめて完成させる問題である(図2,

図3).問題3は,自分でパターンをつくって最終的に頂上が24の数の石垣をつくる問題である(図4,図5)

参照).

(8)

2.Mauer

山 本 信 也

図3:数の石垣の列,問題l,問題2(日本語訳)

ZahIenmauer-Kettel

1.Zahlenmauer BerechnediefehIendenZahIen、

1.Mauer

Wiegehtesweiter?

4.Mauer

2.Mauer 3.Mauer

228

5 2.ZahIenmauer Be幅chnediefehIendenZah1en.

1.Mauer

Wiegehtesweiter?

4.Mauer

3.Mauer

Warumver白ndertsichdieZieIzahlbeiderl・und2.Zah1enmauemichtumdieseIbeZahl?

【問題2】数のいしがきをかんせいしよう.

【問題1】数のいしがきをかんせいしよう.

④はどんな数のいしがきになりますか?

図2:数の石垣の列,問題lと問題2(原文)

④はどんな数のいしがきになりますか?

藍jq調

・・・Ilr‐‐課.宮

JJfJ㎡舞罰型・.伽11雪

購灘

灘識

7 # 識

# 1 1 螺

3 鞭:

7 灘撚

5 灘雛

(9)

ZahIenmauer-Kette2

TimhatsicheineZahIenmauer-Ketteausgedacht.

Ewe『患tdir,wieseineersteZahIenmaueraussieht・

SeinevierteZahlenmauerhatdieZielzahl24.

WelcheZahlenmaueFKettek6nnteersichausgedachthaben?

1 5

7 8

2 灘 蝋 鵜 識

図4:数の石垣の列,問題3(原文)

2 4

灘 灘

【問題3】よしおさんは,数のいしがきのもんだいをつくろうと思います.さいごの数の いしがきのちょうじようを,24にしたいそうです.よしおさんは,どんな数のいしがきが つくれるでしょう?

2 4

図5:数の石垣の列問題3(日本語訳)

問題1,問題2は,最初の3つの数の石垣を計算し,1段目の数の変化の規則性(パターン)を見抜き④の石 垣を作らなければならない問題である.それぞれ典型的な解答は次のようになるであろう(図6).なお,解答

例は太字斜体で示した.

図6:数の石垣の列問題lと問題2の典型的な解答

(10)

230 山 本 信 也

問題3は,①から④の石垣に,パターンがあるように頂上が24の石垣を最後につくらなければならない問題 である.その典型的な解答例は次のようになるであろう.

図7:数の石垣の列問題3の典型的な解答

「初等領域の数学教育のスタンダード」(2004)の領域「パターンと構造」には,学習内容の1つとして「規則 性を見つけ,それを書き,表現すること」の項目がある(表3参照).その下位の学習事項として「数や図形の パターンを自分で発展させ,体系的に変化さたり,それを書き表したりすること」が記述されている(表3参照).

このように数や図形のパターンを発見し,それをさらに発展させることを期待する学習課題例として例示された 1つが「数の石垣列」である.したがって,子どもたちは,数の石垣をただ完成して終わるのではなく,発見し たパターンを使って新しい数の石垣をつくったり,発展させたりすることが期待されているのである.

Ⅲ、数学的パターンと児童

NRW州文部省が提供している資料では,「数の石垣列」の【問題l】,【問題2】,【問題3】(図3,図5)に 対して子どもたちはそこにあるパターンを発見し,活用しながらこの問題に取り組むことができるであろう,と 肯定的に述べられている.

《数の石垣,計算三角形が授業に導入され,子どもたちがそのパターンを発見した経験があるならば,ここに 示した4つの問題(数の石垣の問題3題,計算三角形の問題3題)で,子どもたちは発見したパターンを活用し,

またはさらにいろいろなパターンを発見するであろう.》(「構造化された課題のフォーマット:計算三角形の列 と数の石垣の列」,p6)

はたして,日本の小学生もドイツの子どもたちのように,これらの問題に十分取り組むことができるのだろう か?このことを確かめるために,実際に調査を行った.調査の目的.方法,その結果は以下の通りである.

1.調査の目的

調査の目的:日本の小学生も数の石垣列に作意的に組み込まれたパターンを発見し,それらを活用できるか,

さらに数の石垣列に組み込めるパターンを自分で発展させることができるか?

前者のことを明らかにするために,【問題l】,【問題2】を1枚のシートにして子どもたちに取り組ませた.

また後者のことを明らかにするために【問題3】を使用したただし.問題3については,どのような数の石 垣列を子どもたちが作れるかを調べるために,数の石垣列の枠を1つ追加して,子どもたちに取り組ませた.

2.調査の方法と実際

(1)実施日:平成22年12月22日(水)11:45~12:30

(2)実施クラス:熊本大学教育学部附属小学校3年2組(38名)

(3)調査協力者:宮脇真一(主幹教諭)

子どもたちは,【問題l】,と【問題2】に.あわせて10分間取り組んだ.その後,意見交換をしながら,

答え合わせを行った.その後,【問題3】に10分間取り組み,再び意見交換をして答え合わせを行った.

(11)

3.調査の結果と考察

(1)【問題l】と【問題2】に対する反応 l)【問題l】に対する反応

反応A:一定の規則性にもとづいて最後の数の石垣の頂上を29とする反応

図8:一定の規則性にもとづいて最後の数の石垣の頂上を29とする反応

反応B:④の頂上は29であるが,規則性が確認できない反応 反応C:④の頂上が29以外の反応

反応D:④に何も書いていない反応

表9:問題lの各反応の度数

反応 度数

反応A 2

反応B

反応C

反応,

計 8 3

2)【問題2】に対する反応

反応A:一定の規則性にもとづいて最後の数の石垣の頂上を35とする反応

〃 2 1 2 8

, 同 ■ 函 、 ■ 面 、

3 5 1 5 6 4 7 7 7 琴鼎熱

図9:最後の数の石垣の頂上を35とする反応

反応B:④の頂上は35であるが,規則性が確認できない反応 反応C:④の頂上が35以外の反応

反応D:④に何も書いていない反応

表10:問題2の各反応の度数

反応 度数

反応A 4 2

反応B 0 1

反応C

反応, 2

計 8 3

(12)

232 山 本 信 也

(2)【問題3】に対する反応とタイプ

2つの数の石垣列の枠があるワークシートを子どもたちに配付し10分間取り組ませた.

体で7種類の「数の石垣列」を考え出した(図lO).

医 興 = i 単 i 無 r F 鼎 騨

医 臨

15 7 1 百 ~

2 5 3

: 芸 韓

苦 熱 差 換

図10:子どもたちが作り出した「数の石垣例」

その結果,クラス全

また,4つの数の石垣の頂上は15,18,21,24となっているが,1段目の3つの数が体系的に変化していな い反応も見られた(図11).

黛言Ft操「.t熱F蝋

図11:4つの数の石垣が体系的に変化していない例の例

(13)

また,頂上を+2,+3,+4と変化させ,15,17,20,24となっているが,1段目の数が体系的に変化して

いない反応も見られた.

図12:4つの数の石垣が体系的に変化していない例の例

(3)考察

【問題l】では,前の3つの数の石垣の1段目の中央の数は変化せず,両端がそれぞれ2ずつ,3ずつ変化する.

その結果,頂上が5ずつ変化している.38名中28名の児童がこのパターンを読み取り,それに合わせて4番目 の石垣をつくりだした.

【問題2】の前の3つの数の石垣では,1段目の3つの数の変化には一定のパターンがある.38名中24名の 児童が,そのパターンを読み取り,最後の石垣を完成させた

【問題l】,【問題2】は,日本の算数教科書には見られないタイプの問題である.それにも係らず,半数以上 の児童が,数の石垣に組み込まれたパターンを読み取り,それを活用することができており,柔軟に対応できる 児童も多い.ただ,気にかかることは,それぞれの問題でまったく手付けていない児童が2名いた点である.

【問題3】も,日本の算数教科書には見られないタイプの問題であり,しかもいろいろな視点から考察しなけ れば,解けない問題である.それにも係らず,このクラスの児童たちはこの問題に意欲的に取り組んだ.4つの 数の石垣の頂上は15,18,21,24となってはいるが,1段目の3つの数の間には何のパターンも認められない「数 の石垣の列」が多く見られた.一方で児童の中には,一人で2種類の列をつくった児童も見られた.クラス全体

として7種類の「数の石垣の列」を考え出したことは意外な結果であった.

3つの問題とも,今までにないタイプの問題であったにも係らず,子どもたちは,意欲的にパターンを見つけ,

活用しようとする態度が見られた.また最後の問題のように,自分でパターンをつくり発展させる活動も,日本 の子どもたちにも十分できる学習活動であると思われる.

お わ り に

1920年前後から始まる日本の数学教育改造運動の理論的指導者であった小倉金之助の問題提起,また数学教 育学が徐々に整備されてくる1970年代の竹内芳男,平林一栄に見られる数学教育研究の基本的課題,そこに共 通するのは,数学と数学教育という2つの概念の明確な区別である.数学観の教育的可能性を追究するという枠 組みは,数学教育に関する研究の基本的枠組みであると言えよう.

このような認識のもとで,近年のドイツの数学教育の動向は,我が国の数学教育及びその研究のあり方にとっ て,大いに参考となる部分を含んでいるように思われる.特に今回参照したNRW州文部省の資料のなかには,

堂々と「WissenschaftvonMuster」(パターンの科学)という用語が見られる.このように,数学観を堂々と問題し,

議論する数学教育界の姿勢は,我々にとって少々驚きである.「数学=パターンの科学」という数学観は,就学前,

小学校,中・高等学校の数学教育を統一的に把握し,実践を構想する上で十分考察に値する数学観であると改め て感じている.と同時に,今回の調査結果をもとに言えば,その数学観を基礎とする数学教育は現在の日本の小 学生の子どもたちにとっても,有望な数学教育であるように思う.

ヴイツトマンは,2004年,岡山で開催された第37回日本数学教育論文発表会全体講演で,《数学は,それぞ れの人々によって探究され,形成され,さらには(再)構成されうる(応用可能性をもつ)パターンの科学である.》

(Wittmann:2004.p、4),さらに,2005年の論文では,数学教育においては,「既成で静的なパターンの科学」(the scienceofready-madeandstaticpattems)としてではなく,「ダイナミックなパターンに関する活気あふれる科学」

(thevitalscienceofdynamicpattems)としてそれを理解すべきである,と述べた.これによれば,ヴイットマン

が強調する数学的なパターンは,決して既成の学習内容だけを意味するものではない.児童・生徒が探究活動を

通して発展させたり,部分的修正したり,新たな発見へと導く可能性をもつパターンである.数学教育における「数

(14)

234 山 本 信 也

学=パターンの科学」をヴイットマンの意味で理解するならば,算数・数学の授業において,意図的に準備され た問題を探究しながら数学的なパターンを発見し,それが成り立つ理由を考察(証明)し,考察した結果を表現 するという活動が重要な学習活動となるであろう.そのような授業の可能性を追究するためには,数学的なパター

ンの探究や発見の教育的意義についての理論的な考察,またそれに対する児童・生徒の取り組みに関する実証的 な研究が今後の研究課題とあるであろう.

謝 辞

数の石垣の問題に対する実態調査の実施に当たっては,熊本大学教育学部附属小学校3年2組の皆さん,主幹 教諭宮脇真一先生に協力していただいた.ご協力に感謝いたします.

参考文献及び註 (1)小倉金之助.「数学教育の根本問題」.イデア書院,1924(大正13年).

(2)竹内芳男,「学校数学と経験一学校数学の正当性について」.「数学教育学論究J’第19巻.1-13,1970.

(3)平林一栄,「数学教育学の課題1-抽象の問題と現代的教材の早期導入可能性の問題」,広島大学教育学部紀要,第19号,

83-91,1973.

(4)平林一栄.「数学教育学の課題Ⅱ一表記論的にみた数学教育の問題」,広島大学教育学部紀要.第22号,177-186,1976.

(5)岩崎秀樹,「数学教育学の成立と展望」.ミネルヴァ普房.2007.

《初等教育と中等教育の派離を前提とする限り.数学教育学を制度化していく理由はない.しかし,今日,産業櫛造の 変換に伴って,発展・途上を問わず,世界規模で初等・中等教育の接続が制度的に図られているといってよい.しかし,

そうした制度的改革は,教育内容の基本的な改載を伴わなければ実質化しないし,健全に機能しない.その意味で算数 と数学との関係を調整する視点や枠組みの普通化が待たれるのは当然であろう.この新たな問題に,飛離を前提にする 伝統的なアカデミズムが応えられるはずもなく,したがってそこに数学教育の新たな学的整備を図る必然性が生まれて

きたと考える.》(p,42)

(6)原田信之,「教育スタンダードによるカリキュラム政策の展開:ドイツにおけるPISAショックと教育改革」,九州情報大 学研究論集,8巻1号,51-68,2006.

(7)原田信之,「ドイツの教育改革と学力モデル」,原田信之編箸,「確かな学力と豊かな学力」,ミネルヴァ轡房,55-76,

2007.

(8)樋口裕介.「ポスト「教育スタンダード化」-その争点と可能性一」.広島大学大学院教育学研究科紀要.第三部,第58 号,81-87,2009.

(9)国本景亀,「PISA2003以降のドイツ数学教育の動向(1)-「実質陶冶」から「数学に固有な形式陶冶」へ-」,第32 回全国数学教育学会発表資料,2010(平成22)年6月26.27日於広島大学.

( 1 n K c n g d i i i S t 0 e r t d i a a r c t k r S e ) o n f E r e n z d e r K u I t u s m i n s t e r d e r L i i n d c r i n d e r B u n d e s r c p u b I i k D e u t s c h l a n d

( ) g . r s H

Bi仙啄sjq"‘jhmIF”Kjイ"“mjlmI;畔AC唯だ”,Erl3utcnmgenzurKonzcptionundEntwicklung,WOltersKluw“2005.

( 1 1

) t i a a r e t k r S e d e r S t i i d i n g e n K o n 化 t u u l r K d e z e n r s m i n s t e r d e r L i i n d e r i n d e r B u n d e s r e p u b l i k D e u t s c h l a n d

( ) . . s g H r

Bj雌"gMWp"。b雄伽FtJcAMtJノルema脈がr火"Prj"mr6e花jcAB"cノFノ“vひ、ノ,ノ'200イ.,WOlte応Kluw“2005.

( 1 2 ) S e k r e t a r i a t d e r S 圃 n f o n K g c n d i b r e n z d e r K u l t u s m i n s t e r d e r L i i n d c r i n d e r B u n d c s r e p u b l i k D e u t s c h l a n d

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( 1 3 ) S e k r e t a r i a l d e r S t a d i n g e n K o n 舵 l K u e r d n z e r t u s m i n s t e r d e r L i i n d e r i n d e r B u n d e s r c p u b l i k D e u t s c h l a n d

( , . ) g r s H

Bj伽"g甑s『α"。h'zZsj"'FbcルM"〃e耐α倣戯火"雌"e""S℃伽わめcルノI“B"chA鵬晒vom4ノ2.20“.,Wblte応KluweE2007.

( 1 4 ) M i n i s t c r i u m f n r S c h u l e u n d W e i t e r b i l d u n g N o r d r h e i n - W e s t f h l e n

L e h m l a n M a t h e m a t i k f i i r d i e G r u n d s c h u l e n d e s L a n d c s N o r d r h e i n - W b s t f h l e n E n t w u r f M S W

, 0 0 8 . 2 8 . 1 . 2 ( 1 5 ) M i n i s t e r i u m f U r S c h u l e u n d W C i t c r b i l d u n g N o r d r h e i n - W e s t f h l e n

L e h m l a n M a l h e m a t i k f i i r d i c G r u n d s c h u l e n d e s L a n d c s N o r d r h e i n - W e s t 値 . 0 0 8 . 2 6 . 6 e n 1 l

h t t p :

"

w n ・ i m g I m n u e h w h c c s i s d r w a d a n t s 、 i s t e r i u m

、 n r w .

。 c / l e h I p l a e n e / u p l o a d / k l p - g s / G S - L P - M . p d

NRW州の文部省ホームページによれば,この学習指導要領は,2008年8月1日付けで施行された学習指導要領である.

これは2004年のKMKの教育スタンダードに基づいて改訂されたものである.

h t t p : / / w w w b s t a n d a r d s i c h c n m g

、 s c h u I m i n i s t c r i u m

・ e d w r n / l e h r p l a c n c / l e h r p l a e n e - g s

(15)

また,ノルドライン・ベストファーレン州の文部省のホームページ htlp:"wwwschuIministerium・nrw.。e/BP/index,htmlには,新しい数学の学習指導要領を実施のための情報と.その学習指導要領

に沿った授業開発のための題材が提供されている.(2010.12.8確認)その資料は以下の8種類である.

① l e i h u d s c u n e G r D i n N R W - N e u c R i c h t l i n i e n u n d L e h r p l a n e 2 0 0 8

② a l b m f n I t i o n e n z u m L e h I p l a n M a t h e m a t i k

③ , n e t a D H i i u f i g k c i t e n , W a h r s c h e i n l i c h k e i t e n

‐ e n n i E u c r B e r e i c h i m L e h r p l a n M a t h e m a t i k

④ e n b g a u f a e m L M a t h e m a t i k

⑤ i e n b g a f A u d e e n z u M u s t e r u n d S t r u k t u r E n

⑥ c i p i s e B l c z u p m z e s s b e z o g e n e n A u f g a b e n s t e l l u n g c n

⑦ t s u 1 1 I r a t i o n d e s M a t h e m a t i k - L e h r p l a n s d u r C h z e h n U n t e I T i c h t s b e i s p i e l e , P r o f D 砿 m “ t t r l o e D S i n U u n d

③ R h c m p S j r d e n l n g i m M a t h e m a t i k u n t e r r i c h t

(16)W、Wソーヤー,宮本俊雄・田中勇共訳,「数学へのプレリュード」,みすず書房,1978.

(17)W,W・Sawy“恥ノ唾如雌イカe耐α/姉,DoverPublications,Inc.,NewYork,1955.

(18)遠山啓,「数学の世界」(国民文庫).大月書店,1976.

( 1 9 ) G H , ・ , 』 y r d , 1 a s H s r e 伽 p t y i 9 r s e h i v / n c U g 9 d r i b e a m C ) ' , 2 7 o 9 6 α ・ g l ' ノ i n " P C d M h e . " s C m ( l i j b / p u t s i r f

(20)G,H、ハーデイー/CRスノー,柳生孝昭訳,「ある数学者の生涯と弁明」,シュプリンガーファアラーク東京,1994.

( 2 1

) R r d a h i c R F c y n m a n , W h a t i s s c i e n c e

? 7 , 7 ' α 1 . Z b 7 V 7 c s r , j e s h ) l c h P i e i s s u e 6 , 3 1 3 - 3 2 0 , 1 9 6 8

(22)H、A・サイモン,稲葉元吉・吉原英樹共訳,「システムの科学」(Thescienceofthearti6cial),パーソナルメディア,2003(1987 第2版).HerbertA・Simon,乃escj”ceq/、/heα"城jαノ,TheM、1.TP肥ss,1969.

(23)キース・デブリン,山下純一訳,「数学:パターンの科学」,日経サイエンス社,1995.

( 2 4 ) W i t t m a n n , E e r t e n C e 、 C h r c a s e e l R h a c r i i m p E . : d A r o u n d S u b s t a n t i a l L e a m i n g E n v i r o n m e m s , P l e n a r y L e c t u r e d e l i v c r e d a t t h c

annualMeetingoftheJapaneseSocietyofMathematicsEducation,Okayama,November20-22,2004.

( 2 5 )

G 、 N ・ M U l l e 『 & E , C h , D 、 W i t t m a n n “ 雄 加 e ” ル ノ ど 6 " c ル B " a " d ノ ど S p j ん " " " d Z ヒ 7 " , K a l l m e y e 喝 ル ル 2 0 0 5 . (

2 6 ) E n g p i l o v e D e b r C e f i n e l i d G u - A h s e m t t P a o f c e e n ・ c i e S , t h n a s a n c s t m t i i t a W e m t h M a M a t h e m a t i c s E d u c a t i o n f i r o m E a r l y

ChilcdhoodtoAdulthood・PlenaryLecturepresentedattheInternationalCoIloquium,“MathemaicalLcamingfromEarly C h i l d h o o d t o A d u l t h o o d ' , o r g a n i z e d b y t h e C e n t r c d e R e c h c r c h c s u r l , E n s c i g n e m e n t d e s M a t h c m a t i q u e s

・ J u l y 5 . 0 0 , 2 - 9 7

「 e i c s e h t n c e o f r e a d y - m a d e a n d s t a t i c p a t t e m s w h i c h c a n b c d c v e l o p e d g l o b a l l y i n t h e c u r r i c u l u m a s w e

Ⅱ o r l p x e s a c d

, c o n t i n u e d , r e - s h a p e d , a n d i n v e n t e d l o c a l l y b y t h e l c a m e I s t h e m s e l v c s

・ r d s w o e r t h n o I s g l o n g - t e r m a n d s h o r t - t e r m m a t h e m a t i c a l

p r o c e s s e s c o u n t m u c h m o r e t h a n t h e f i n i s h e d p r o d u c t s .

. , 」 ) 2 、 p ( ( 2 7 ) E l n a e r C u 、 k t u r N t 、 S G “ n d h / I l u n n i r a i e m M t t 、 u s i M 、 W s 砲 s h c c i l c h G n m d k o n z e p t , 1 , G . “ s g t h r l H a ( W l . t a e ) β 仇 j α r 3 g s " 此 b 。 " *

〃r北G〃イ"姉cル"たfMbノルe胴α倣肋"陸I.Cornelsen,42-65,2008.

( 2 8 ) M i l l l

“ G N 、 , / , H n g b r i e i n S t / 、 n , E m a n t t W i 、 C h 2 ) 2 0 0 . ( : J b o " P s v e j l ' 1 s ノ E 』 . β 池 W " 9 b ” α 1 〔 s ル 術 " j c / e ノ h ' . E l 7 ' ツ b ' 伽 ” ' 1 二 / P 胴 g m タ U e - P A I " " 加 α ” . l m g d l y s 花 a n q c h h b u a g s r l e V e 加 c h r ' s y e m e a l l : K 心 b e r e l I . V c h S 7 h e r c

(29)MUIl“G、N,/Steinbring,H、/Wittmann,E、Ch.,国本景亀・山本信也(共訳),「算数・数学授業改善から教育改革へ一 PlSAを乗り越えて:生命論的観点からの改革プログラム」.束洋館.2004.

(30)山本信也.『生命論的デザイン科学としての数学教育学の課題と展望:ECh・Wittmannの数学教育学の基本的視点」,米

田印刷非売品.2009.

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