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ら の 提 言 韓 国 ・ 中 国 21 世 紀 の 歴 史 認 識 と 国

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Academic year: 2021

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● 図 書 紹 介 ●

ら の 提 言 韓 国 ・ 中 国 21 世 紀 の 歴 史 認 識 と 国

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わが国のここ数年の中国や韓国との外交関係の き しみや葛藤 を考 え合わせ ると,本書の意義深 さと重 厚 さがいっそ う明瞭になって くる

なぜ なら,本書 全体 を貫 く視点が次の とお りであ り, しか もその内 容が紛れ もな く充実 しているか らである 。 「 韓 ・中 ・

日 3 国の相互理解 と国際交流 をいかに平和共存の観 点か ら増進 してい くのか という,この ,2 1 世紀にお ける東アジア諸国民共通の課題に対 して,私たちは, いかなる歴史認識 を築 き,国際理解 を深めていけば よいのか」 (9 頁) という視点である。

本書の主要部分は, 6 部で構成 されてお り,その 概要は次の とお りである 。 「Ⅰ アジア認識 と世界 史学習」 ( 編者の二谷貞夫氏執筆 による 6 編収録),

「 Ⅱ 歴史教育の学び合い‑ 日韓の相互理解 をめ

ざ して」 ( 加藤章 ・二谷貞夫 ・梅野正信 の 3 氏 によ る座談会記録 とソウル大学校名誉教授李元淳氏の論 文 を収録), 「 Ⅲ アジアにおける日本認識 と歴史教 育」 ( 韓国 ・中国の研究者等 による論文 7 編収録), 以降編者か ら大学院で指導 を受けた り,研究上交流 のあった 日本 の方 々が寄稿 された 3 部か らなる

「 Ⅳ 国際理解 と歴 史認識 ・社 会 認識」 (7 編),

「 Ⅴ 日本 における歴史教育実践 とアジア認識」(7 編) ,「 Ⅵ 『 内なる国際化 』 とアジア交流 」 (7 編) である。

本書の中で,筆者が強い刺激 を受け, しか もひし

ひ しと日本の歴史認識や国際理解のゆがみや不十分

さを正すべ きことを痛感 させ られたのは,編者 自身

が執筆 された諸論稿である。 まさに,世界史教育の

新機軸 を継続的に追究 してこられた編者の真骨頂 を

みる,視野の広いそれでいて鋭利な論究が展開され

ている。たとえば,次の表現 にそれが象徴的である。

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図書紹介

「 世界史学習がお互いの民族の恨みを超 えて,全 ア ジアの未来 と平和 を築 くものでなければならない。

基本的には,基本的人権 を尊重 し民主的原則 に則っ た政治秩序 を維持す る社会 とい う観点 に立 って,

『 個人の尊厳 と人間の平等』に基づ く日本社会 を築 くことである 」 ( 1 8 頁)。 また,編者 自身の論稿の中 で とくに注 目したいのは,歴史教育の研究者 として ばか りか, 自ら実践者 としての豊かな経験 と知恵が に じみ出ている点である。 とくに,2 003 年 3 月に中 国上海市立中学校で自ら実施 された世界史の授業に ついての論稿 は,編者 ならではの含蓄がある

以上の他 にも,筆者が本書か ら多 くを学び取 る必 要性 を感 じたのは,本書に執筆 された韓国 と中国の 研究者の方々が大変厳 しい政治状況の中で,編者 ら とともに東アジアの歴史認識や歴史教育の過去 と未 来の問題に実に忍耐強い関心 と努力 を払われて きた ことである。 これ らの方々の冷静で深い配慮 に満ち たメッセージを,われわれ 日本の学術 ・教育関係者 はしっか りと, しか も謙虚に受け止めねばなるまい。

その他, 日本の執筆者による Ⅳ〜 Ⅵの各部に収録 された全21 編の諸論稿 は,多面的な角度か ら歴史認 識 ・社会認識 ・歴史教育実践 に関する鋭い問題分析 と課題が提起 されてお り,いずれ も日本の良識派の 学識や実践力 を改めて確認で きる内容であった。

以上のように,本書は編者二谷貞夫先生の上越教 育大学での1 7 年間の研究 ・教育活動を貫 く世界史認 識の深 さと重みを感得することがで きる高著である 。

歴史教育 ・社会科教育 を専門とする方々はもちろん, 広 くわが国教育関係者に推奨 したい貴重 な著書であ る。 ( 上越教育大学 西 穣司)

●明石書店,A 5 判,407 頁,5, 250 円 ( 税込)

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