巻 頭 口
院長 岸 不蓋彌
今年2005年は第二次世界大戦での日本の敗戦から60周年にあたり、戦後の発展が論じられると同時 に、あの戦争が我々にとって何だったのか、その経験が今に生かされているのか、小泉首相の靖国神 社に参拝問題を含め、近隣諸国やアメリカとの関係など戦争に対する熱い議論がされたように思いま す。もう少し広く歴史を振り返る動きを期待したのですが、郵政民営化を問うという小泉首相による 総選挙が突如行われ、自民党の大勝に終わってしまい、戦後60年の整理もどこに向かっていくのか不 安な状況になっています。私たちが最も気にかけている国民の医療福祉の方向は、医療費の自己負担 も保険料も値上げされ、年金は減額されていくことで貧富の差が大きくなっているといわれます。世 界に冠たる国民皆保険による平等な医療の提供と自由な受診体制が崩れていく不安が大きくなってい ます。2006年春には医療法の改正、診療報酬の改正など大きな課題が準備され、病院のあり方も改め て考えなければならないと思っています。
社会保険病院は2002年の健康保険法の改正が契機となり、2003年より3年間の経営改善計画実施に 取り組んでいます。この2年間当院も全職員挙げて地域の基幹病院として、理念である「患者様を中 心とした質の高い医療サービス、保健予防活動及び福祉の向上を目指し」てきました。この紀要がカ バーする2004年度1年だけを見ても、腎臓内科の新設や、透析室の開始、入院診療におけるDPCの 導入などを行い、皆で協力してきた結果、2年続いて診療収益の改善を達成することができました。
職員一同の努力をともに喜びたいと思います。最後のユ年も良い結果が出るよう、残りの日々を良質 で安全な安心できる医療の提供をしていきましょう。
経営改善という大きな課題を抱えながら、この1年の姿を紀要第4巻にまとめて頂いた編集委員の 皆様に感謝いたします。
2005年9月
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