三笠 ・金築 ・久 本 :子ど もの あ そび 環 境 (2)
子 ど もの あそび環境 (2)
惠 子 子 紀 友 優 信 笠
築 本
三
金 久
1. 目的
子 ど もたちが戸 外で喜々 と し てあ そん でい る姿 を 見 るの は楽しい もの である。何か相 談 し て
い る か と思えば、急に喧嘩のよ うな状 況に なっ たり本 当に生き生き と し てい る。 こ の戸外であ そぶ こと が 発 育 ・発 達に欠 くこ と がで き ない こと は 周 知の 事 実で あ る
。 そこ で 、戸 外で あ そぶ
効用は とい うと、大き な集団で あ そべ る こ と、活発な あ そびが展開で き る等があげられる であ ろ う。 そこは、 必ずあ そび仲間が存在し、 社会的ル ール を 知らず知らずに学ぶ こと ができる場 と なっ て い る。また、活 発に動 くことに よっ て身 体の順 調 な 発 達 も促される。 あ そ びが成 長 期 に果たす 役 割は数 限 り な く あるが、本 研究では、こ の 戸 外 あ そ びにつ い て調 査 を実 施し た。そ
の内 容 は 戸 外 あ そ びに直 接 関 連があ る と思 わ れ る環 境 く あ そび場 所、あ そび仲 間、あ そ び 時 間 等〉、と間接的に関連が あ る と 思わ れる環境 くテレ ビ視聴 、習い ごと、身 体の問 題、家 族 構 成、 起 床 ・就 寝 時 間 等 〉、で あ る。これ ら を 「性 」 「年 齢 」 「地 域 」 「活 動 的な あ そ びの 好き嫌い の 度合い 」との有機的な関係 を分析 すること に よっ て、 環境と あ そびの関わ りを明らか に し た い 。
調 査 期 日 調 査 対象 調 査 方 法 調査 地域
調査内容
2. 調査 方法 1996年 7 月中旬
3歳〜6歳の幼 稚園児 1053名 (男一518名、女 一535名 )
質 問 紙 法 :幼 稚 園 を経 由 し て、園 児の保 護 者に回 答 を依 頼 (回 収 率82%)
A.都市 中心部地域一商業 、住 宅 混 在 地 域 407名 (男一187名、女一220名 ) B .住 宅 地 域 一大 都 市の通 勤 圏にあ る
中小都市の住宅地域 325名 (男一170名、 女一155名)
C ,中小 都 市 周 辺 部 地 域 一田 畑が残
っ て い る地 域321名 (男一161名、女一160名)
以下 A 地域.B 地域. C地域 .と記 述する 表一11)
一 127一
NII-Electronic Library Service 表一1 調 査 内容
質 問項 目 選 択 肢 質問項目 選 択 肢
生 年 月 日
性 別 戸外あそびの
仲間の数
1.1人 で あそぶことが多い
2,2〜3人であそぷことが多い 3,4−5人であそぶことが多い 4,6人以上であそぶことが多い
5.その他( 1
家 族 構 成 自由記述 起床時 間
戸外で の あそび 仲間の性別
1.同性 とあそぶ ことが多い
2.異性 とあそぶ こ とが多い
3.同性・異性混合であそぶことが多い
就 寝 時 間
戸外あそびの 伸間の状況
1,い つもあ そぶ仲間がだいたい決 まっている
2,い つもあそぶ仲間はあまり決まっていない 活動的なあそび に
ついて
1,活動的なあそびを好む
2,活動的なあそびをまあまあ好む
3,活動的な.
あそびの好みは普通 4,活動的なあそびはあまり好まない
5,活動的な あ そびは嫌い 戸外あそびからの 帰宅時間
1,4時3D分頃 2.5時頃
3,5時30分頃 4.6時頃
5.6時30分頃 6.その他( ) テレビ視聴制隈の
有無
1.制限 している
2.制限していない
地域のあそび環境 (複数回劉
1,近所に公圜など広いあそび場所が ある
2,近所に公園など広いあそび場所がない
3,近所に公園など広いあそび場所はあるが 年上の子どもや大人に占領されてあそべ ない
4,近所に池や川・材木置場など危険 と思われ る所があ る
5,近所は交通量が多い
6,近所は交通 量 が少ない
7,近所にあそび仲間がいる
9,近所にあそび仲間があまりいない 9.習い事で あそぶ時間が ない
10.その他
テ レビ視聴時間
(1日平均1
1,30分以内 2,1時間以内 3,1時間30分 以内 4.2時間 以内
5,2時間30分以内 6,3時間以内
7.3時間30分以内 8,4時聞 珱内
9.その他( )
テ レビ視聴時間帯
(複数回答)
1,起床か ら登園するまで 2.園から帰って夕食まで
3,食事中 4.室内であそびながら
5,午後3時一4時 6.午後4時〜5時 7,午後5時一6時 8.午後6時一7時 9,午後7時〜8時 10.午後8時〜9時 11,午後9時一10時 12,その他( ) 習い事の有無 1,習って いる 2.習って いない
よくあそぶ場所
1.公園 2.空き地
3.道路 4,駐車場
5.寺や神社 6.野原 7,池や川 8.自宅の庭
9,家の中 10,友達の家
ll.学校や幼稚園の運動場
12.その他( )
習い事の種類
1,運動系の習い事 2,非運動系の習い事
3,両方とも習っている
よくあそぶ相手
1,父・母 2,祖父母
3.兄または姉 4.弟または妹
5,ひ とり 6,同じク ラスの友達 7.同年齢の他の ク ラ ス の友達
8.習い事の友達 9,年上の友達
星0,年下の友達 11,その他
習い事の動機 および目的
1.健康のため 2,体 力づくり
3,学校に役立つ 4,集 中力をつける 5,技術を身につける 6,しつけ 7.集団生活になれさせる8,忍耐力をつ ける
9.礼儀を身につけ る 10,その他
戸外
・室内あそび
の多少
1,戸外あそびが多い 2.戸外あそびがや や多い
3,戸外・室内が半分つつぐらい 4,室内あそびがや や多い
5,室内あそびが多い
子どもの体の 調査
・異常の有無
・異常の内容
ア,異鴬を実感する イ.異常 を実感しない
1,アレルギー 2.すぐ腋れた1という
3.皮膚がカサ カサ
4.背中ぐにゃ
5,ぜんそく
6,つまついてよく転ぶ 7.朝からあくび
8.すぐ疲れて歩け ない 9,転んでも手が出ない 夏O.腹・頭痛 を訴え る
戸外あそびの時間
1,30分以内 2,1時間以内 3,1時間30分以内 4,2時間以内
5,.
2時間30分 以内 6.3時間以内
7,3時間以上 8.その他 ( )
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N工 工一Eleotronio Library
三 笠 ・金 築 ・久 本 :子ど もの あ そび 環 境 (2)
3.結果お よ び考 察
〔1.〕戸外あそ びにつ い て
戸 外でよ く あそ ん でい る者は、どの よ う な場 所であ そ んでい る のだろ う か。 戸外あ そびと室 内あ そびと で はあ そ び 仲 間に差異がある と 思 わ れ る が、どの よ う な状況に差異があ るの だ ろう
か。 また、 習い 事が忙しくてあ そぶ時 間が 圧迫されて い るので は ない だろ うか 。 等々 につ い て 、
こ こでは 戸 外 あ そ びの多少を中心に考察してい く。 (戸外あそ び一一as内 あ そ びの比率は図一12を参照)
図一1 地 域の あ そび環 境 「戸 外あそびの多 少 」 複 数 回答 (%)
甑
8叶
wa 戸外 遊 び が多い
7磯
6眺
躑
娜
誠
鵡
1鳴
ヨ
近醐 噺 び
鸚 総 ・あt・S所泉騨備 そべ
鴇。危 。な 所蕩 所 は交邇 蘆聖 。 慨 量 。 少騨にあそ欄 軅あそ 躙 飆 轡 ぶ脚 1 な・’
。 。 他
図一1よ り、地域の あ そび 環 境の 中で注 目 すべ き点はあそび場所の有無と あ そび仲間の有 無 お よび交通 量の 多 少で あ ろ う。戸外あそびが多い と回答した者に、近所に公園等の広い あ そ び 場所が あ り、 近所にあ そび仲 間がお り、近 所は交 通 量が少ない とい う結 果で、室 内であ そぶ に
し た がっ て こ の 逆になっ てい る。
図一2より、戸外あ そ びが多い と回 答 し た者の35%が 道 路 ・駐車場、 自宅の庭と身近な所を あ そび場 所 とし て い る。道路や駐車場 をあそび場 所と し て利 用した り、自宅の庭に あ そ ぶス ペ ースが あ る とい
うのは、都 市の 中 心 部ではほ と ん ど ない 。こ の こ と か ら戸外あ そび は居 住 地 域 と密 接に関 わっ て くると考え られる。
図一3 ・4 ・5よ り、あそび仲間につ い て は、 戸外で よ く あ そぶ に し たがっ て友 達 と よ く あ そび、家 族 (父母 ・祖父母、兄弟 ・姉 妹)とあ そぶ割 合 が 低 くなる、 また、あ そ び仲間の数は 平均 する と70%が 2− 3人であそんでい る と回答し て い るが、戸外で よ く あそぶ に し た がっ て この人数 も増え る傾 向にあ る。また、戸 外でよ くあ そ ぶ ほどあ そび仲間が だい たい決 まっ てい
一 129一
NII-Electronic Library Service 図一2 よ くあそぶ場 所 (全 体 ) 〈 戸 外 あそび〉 (%)
図一3 よ くあ そぶ相 手 (全 体 ) 〈戸 外あ そ び〉
P<0.Ol (% )
図一4 仲 間の数 (全体 ) 〈戸外あ そび 〉
P〈0.el (%)
戸 外 遊 び が 多い
戸外遊びがや や多い
戸外・室内半分 つつぐ らい
室 内 遊 び が や や 多 い
室 内遊 び が 多 い
6e
66
冊
器
7s
ual 人で遊ぶ事が多い □ 2〜3人で 遊ぶ 事が 多い pm 6人 以 上 で遊ぶ事 が多い 圍 そ の他
mSSI 4〜5人 で遊 ぶ事 が 多い
一 130一
P〈O.01
N工 工一Eleotronlo Llbrary
三 笠 ・金築 ・久 本 :子ど もの あ そ び環 境 (2)
図一5 仲 間の状 況 (全 体)〈戸外あ そび 〉 (%)
図一6 子 ど もの体の異 常の有 無 (全 体 ) 〈戸 外 あそび 〉
P〈G.05 (%)
P<0.Ol るよ うで ある。 伸間の性別につ いて は戸外あそ びの 多少と関連がみ られ なかっ た。
図一6 ・7 は、<子 ど もの体の調査 「最近ふ えて い る」とい う実感頻 度の ワース ト10>で あ る。 これは、 1995年発行の 「子 ど も白書」に “
子どもの体の調 査 ’
95”と し て掲 載 さ れた。 その 内 容は、1978年から5年ご とに 日本 体 育 大 学の体 育 研究所や学校体育研究室が、“子 ど もの か らだのおか しさ” とし て保育や教育の現場で実感されて い る事象 を定 時 観 測 的に継続 し て調 査
し て きたもので、その 中の幼 稚園の部の ワース ト (異常)10を引用し た もの で あ る。
異常を実感 (一つ 以上選択し てい る場合)してい る者は室 内 あ そ び が 多 くなる ほど 増 加し て
い く。 そ して、 こ の 内容に一つ の傾向が み られる。
‘す ぐ 「疲 れた」 とい う・つ ま ずい て よ く
転ぶ ・す ぐ疲 れて歩 け ない ・転 んでも手 が 出 ない’
な ど身 体 活 動 と 関 連 が ある項目に対し、室 内あそびが多くなる につ れて そ の割合が増加し てい る。
*戸外あ そびの 多少とテ レ ビ視聴 、習い 事などと は関連がみ られなかっ た。
一 131一
NII-Electronic Library Service 図一7 子 ど もの体の調 査 〈ワース ト10> 「戸 外 あそびの多 少 」 〈複 数 回答 〉 (% )
〔ll〕各々 の項目につ い て
(a )質問項目 ごとに次の 項目とクロ ス集計をして、それ を帯グラ フ で 表し、カイ自乗検定で 関連のある項目 につ い て考察をお こなっ た。クロ ス の項目は、「全 体 (平 均)」、「性」、「年齢」、
「地 域」、「活 動 的なあ そ びの好嫌度」である。
(h )複数 回 答の項目につ い て は棒グ ラフで表し、 (a )の クロ ス項目の 中で傾 向が見られる もの を と りあ げて考 察 をおこなっ た。
(c >◎印は直接関連環境、○印は間接 関連環境
◎活動的な あ そびの 好嫌度 (図一8)
性では、やは り男 子の方に好む傾向がある が、 年齢、 地域で は関連が み られな かっ た。 全体
で は ‘好む’ (50%)‘
ま あ ま あ 好 む’
(25%) とで75%が回答 し て お り、こ の ことか ら活 動 的 な あ そ び を好 む 者 が 多い。 活 動 的 な あ そ び を好 む と回 答 して い る者は当 然 戸 外でよ くあ そんで
い る と 思 われる が、必ずしもそ う で は ない 。 図一12の活 動的なあそびの 項よ り、半数は室内あ そ び を好 んでい る がこれ を戸 外 あ そ びの項 目 とクロ スす る と、活 動 的 な あ そびを好ん でよ く戸 外であ そんで い るのが33%である。 前述し た ように50% が活動的な あ そびを好ん でい るこ とを 考え あ わせ ると、活 動 的 な あ そ び は 好 き なのだ が 戸 外で あ そべ ない という現 状 が あ るのでは な
かろ うか。 こ の ように、質問項目と質問項目とをクロ ス し て分析すること に よっ て、好ん でい
るけ れ ど戸外で 『あ そばない ・あそべ ない』の はあそび環境がどの よう に関わっ てい る の かを 以 下の項 目 よ り考 察 し ていき たい。
◎地域の あそび環境 (図 一9)複数回答 ‘…広い あそび場所’
につ い て、A ・B地 域は70% が あると回 答し て い るがC地 域はあるが
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N工 工一Eleotronio Library
図一8 活動 的な あそびの好 き嫌い
三笠 ・金 築 ・久 本 子どもの あ そ び環 境 (2) (%)
図一9 地 域の あ そび環 境 (全 体 お よ び 居住地域 ) 〈複数 回答 〉
60%、ない が34% と回答率が低い。
‘…危 険 な 所 が ある’
につ い て、 C地域が50%で他の地 域に比べ て非 常に多い。
(%)
こ の よ うに
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