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多重連関構造分析 : 複数個の異なる領域間連関性 の分析法

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(1)

多重連関構造分析 : 複数個の異なる領域間連関性 の分析法

その他のタイトル Multiple Contingency Structure Analysis : A method for analyzing contingent relations among multiple different modalities .

著者 藤村 和久, 辻岡 美延

雑誌名 関西大学社会学部紀要

巻 9

号 1

ページ 99‑117

発行年 1978‑01‑31

URL http://hdl.handle.net/10112/00022925

(2)

多 重 連 関 構 造 分 析 Multiple Contingency Structure Analysis 

ー一複数個の異なる領域間連関性の分析法_

藤 村 和 久 ・ 辻 岡 美 延

は じ め に

われわれ心理学者が,いくつかの心理学的変量相互間の連関性を追求する場合に,それらの心 理学的変量群が,他方一連の社会学的変量群によってある種の影響を受けていると考えられる場 合がある。また一方,社会学においては,みずからの研究対象とする社会学的変量について,そ れらの基盤としての経済学的変量や,心理学的変量からの影響を配慮せざるを得ない場合がしば しばある。この場合,社会学者が, これらの隣接領域の影響から独立した純粋に社会学的変量な るものを理念型として樹立することも不可能ではない。しかし,それらの概念はあくまで理念型 に留まり,経験科学的には,一般的にそれらの概念は他の領域の変量とは非独立とならざるを得 ないであろう。したがって,本論文では,このように相互に連関しあう概念群を連関構造分析と 呼ぶ新しい方法論によって解明する手段を操作主義的かつ数理論的に展開しようと試みた。

この連関構造分析(contingencystructure analysis)と呼ぶ新しい方法は,数理論的には必ず しも筆者らの創案というわけではない。その一部は多変量解析法のうちの因子分析法,回帰分析 法の内部にすでに部分的に散見される下位理論を心理学や社会学などの実質科学の研究に便利な ように, しかもコンピュータのアルゴリズムとして利用可能なように総合したものである。した がって,部分的には,重相関,高次偏相関,因子得点などの理論を用いているが,実質科学上の 理論的発想としてはかなり独自なものであり,二重連関構造分析についての基礎理論は藤村によ り,また三重連関構造分析への展開は辻岡と藤村によるものである。そして,それらのいくつか の部分的展開を総合して「連関構造分析」という新しい名称を付したものである。

ここで,邦語の「連関」という語に "contingency"という英語訳を付したが,この訳語はわれわれに よる全く新しい用法であるため熟した英語としてわれわれの意を適切に表現したものになっているか否か については充分な自信がない。 しかし,本論文での contingencyという語は, 最も因果性の強い "cau sality"という語と, 最も因果性が弱く,偶然性の強い chanceやaccidentとの中間的な蓋然性をもっ

ものとして採用されており,筆者らのイメージとしては, contingencyという語は因果性と偶然性とのほ ぼ中間あるいはそれよりやや偶然性の方に傾いたものとしてとらえられている。この関連性の強弱大小に ついては後述の大接構造と中接・小接構造,大核,中核,小核,無核構造といった新しい概念や指標によ

(3)

って始めて明確に定義可能となったといえよう。

この新しい方法は非常に広汎な適用域をもっている。たとえば,心理学,社会学,経済学の::::

領域にわたる社会現象の連関構造が問題となる場合はいうまでもなく,心理•生理的,心理・社 会的,社会・経済的,政治・経済的な二領域にわたる変量間の連関構造を分析する場合や,一領 域の研究においても,状況 (situation), 操作(operation), 用具 (toolor instrument),  時点 (occasion), 段階 (stage), 下位領域 (modalityor subdomain)などを異にする複数群の多変 量デーク {X,Y}あるいは {Xi,X2, Xa}などが得られる場合にも適用可能なきわめて適用範 囲の広い方法論である。しかも,これらの手続きがコンビュータプログラムとして与えられてお り,計算結果の作表は勿論のこと,分析結果を研究者が視覚化しうるよう作図としてアウトプッ トされる。将来, これらの分析結果の多変量解析的な統計学的有意性検定が付与されれば,この 理論は,一応完結したものとなる予定である。

問 題

ある社会的集団に属する個々人に関する心理学的特性について調査測定された一群のいわゆる

「心理学的変量バッテリー」が,当該個人の属する下位文化 (subculture)についての「社会学 的変量バッテリー」や,あるいは「経済学的変蘊バッテリー」との間にいかなる相互連関構造を 示すかという問題を数理的に解明しようとする試みは必ずしもなくはない。しかし,従来の多く の研究法は,変量相互間の連関性の一変量解析的 (univariateanalysis)な統計的検定により,一 部の変量間のt検定やが検定,あるいは分散分析法などを利用する初歩的な段階に留まっている。

本研究の目的は,従来の調査方法自身のもつ方法論的な弱点を克服し,かつ局部的な検定を利 用する段階から脱皮して,いくつかの変量バッテリー間の内的連関構造を多変量解析的に解明す

るための「多重連関構造分析」と名付けられた新しい方法を考案創出するところにある。

ここで, 「変量バッテリー」と呼ぶのは,ある研究領域において,おおよそ定義付けられた一 定の(acertain)領域(domain)に対する測定可能な特性について行われたかなり多数個(n の一群の変量群のことである。例えば,心理学においては,個人の性格を測定するための所謂性 格検査によって,例えば十数種類の下位尺度 (subtests)に関してN人の被験者集団について得 られた尺度得点などがその一例である。 この場合,粗点行列あるいはデーク行列 X (Nxn) 次である。

一方,他の領域 (domainor modality)たとえば社会的態度の領域において得られたデーク 行列Yとか,先の同一の性格検査を施行状況を変えて再検査した場合のデーク行列や発達段階を 異にする同一集団のデーク行列X2なども連関領域のデークと考えられる。

しかし,最も典型的な適用例としては,一つは「心理学的変量バッテリー」 X1(NXn1次)で,

これに加えて, 「社会学的変量バッテリー」 X2(NXn2 あるいは「経済学的変量バッテリ

X3(NXna次)が調査されるという風に複数個の領域が定義され,これらの Xi,X2, エ の

‑100‑

(4)

多重連関構造分析傭§村・辻岡)

間の相互の連関性が問題とされる場合が考えられる。

これらの研究において, サプ・バッテリーが二個の場合の分析を二重連関構造分析 (double contingency  structure  analysis)と呼び, サプ・ハ ッテリーが三個の場合を三重連関構造分析 (triple  contingency  structure  analysis)と呼ぶ。 そして, 一般にこれらを多重連関構造分析 (multiple contingency structure analysis)と呼ぶことにする(藤村・辻岡1977a, 1977b)

domain 1 domain 2  この連関構造分析は数理論的には,元の観

察(測定)変量群そのものの間の,所謂粗点 domain 1 domain 2  デーク行列間の連関構造として展開すること

も不可能ではない。しかし,実質科学的な問 題としてこの連関構造を考えるときは,それ ぞれの領域 (domain)における基本的次元 (primary dimensions)間の連関構造として これを展開するのが思考の節約(parsimony) の原理からみて当を得ており,また便利でも

domain 3 

Fig. 二重連関構造と三重連関構造の 一般的概念図

ある。したがって,本研究では,この連関構造分析をそれぞれの変量バッテリーより得られた合 成変量の測度であるところの因子分析における因子得点 (factor score)に対してこれを適用す るものとする。しかもここでわれわれが因子得点と呼ぶものは,確認的因子分析 (confirmatory factor analysis) (清水・辻岡 1977)において確認された斜交因子について重回帰法によって最 小二乗法的に推定された因子推定値(辻岡ほか 1975a)を意味するものとする。もっとも,一般 論的には合成変量であればいかなる合成変量でも良く, したがって極端な場合としてバッテリー 中の一変量を合成変量と見立てても成立する理論であるが純数理論としてではなく実質科学上の 問題解明の観点からは確認的因子分析による因子である場合の方が後の理論展開としては興味深 い展開が計れることになる。

さて,因子推定値は (1) 式により求められる。

(1)*  F=ZR‑1

ここで, Fは一般に (Nxm)次の因子推定値行列, Z (NXn)次のn変量の標準得点行列 であり,このZ (2)式により粗点デーク行列Xから結絆サンプル(辻岡 1976)の平均値ペ

クトルm(n次),同標準偏差対角行列 S(nXn次)より求められるものである。

(2)  Z=(X‑lm')S1

また, R11まn個の変量間相関行列の逆行列, R,.

(3)式のように確認的因子分析によって,既に定義されている m個の共通因子の因子構造行列

*  上記(1)式のFは他の論文では『と表記したものであるが本論文に限り Fと省記した。また 凡.は他の論文では v;,と表記したものであるが,行列演算を便利にするよう本論文では R"と表記

した。

(5)

(factor structure matrix)で (nXm)次である。 この因子構造行列R1●とは真の因子得点斤と 観察変量との相関行列であり,

(3) 

凡 = 一

1  ‑Z'F  によって定義されるものである。

このようにして,ある複数領域全体から抽出確認された次元の内的組成をいくつかの下位連関 領域から抽出された次元との連関構造として分析解明することが本研究での主題となる。

方 法

〔二重連関構造分析の基礎〕

先述のとおり多重連関構造分析は三重以上の連関構造をも問題とするがその基本的理論はまず 二重連関構造の解明から始め,三重連関構造分析は二重連関構造分析の一般化としてこれを展開 することにしたい。

いま,下の (4)式のように二種の領域を合併した変量行列を X {Nx(nn2)}次とする。

(4)  X=[X1ふ Z=[Z1  Z2] 

Ru R12  R=[R21  R J  

したがって,全標準得点行列 Z{Nx(nIl2)次}は (NXn1)次 の 名 と (NXn2)次のZ2 らなり,また全相関行列 R {(nnX(n1+n2)次}は (4)式の超行列(supermatrix)の形 に表現しうる。ところで,全因子構造行列R1.は

RH  (5)

凡 = に ]

のごとく,第1変量群の因子構造行列 Rlf(n1Xm次)と第2変量群の因子構造行列R2iCn2Xm 次)とに分割できる。ここでの共通因子数はm個であり,この共通因子は全相関行列Rを斜交因 子分析して得られたものとする。

さて, (1)式に (4)式を代入すると,

Ru R12 ‑i RH  R21  R22  R2J  (6)  F=[Z1 Z2]  [  ] [ 

となるから,上式の超相関行列の逆行列を R‑1とおくと, R‑1は分割逆行列として,

Bu B12  R‑1=[ B J

となり, Bu,B12, B2i, B22の各要素は,

(6)

多重連関構造分析(藤村・辻岡)

(7) 

R21B12+ R22B22=I 

筐 : ::~:

4元連立方程式の解として求まることに注目し, (7)式を解くと R‑1は (8)  R‑i=lRu12‑1  ‑Rw2‑1R12R22‑1 

R221R21R11121 立 +R22 ‑l R21Ru12 ‑1 R12R22 ‑l] 

となる。ただし, ここで, Ru12=Ru‑R12R221R21である。 この Ru12とは, 後述 (13式)の 証明のとおり, Ruより第2領域 (R22)の影響を除去した第1領域の残差相関行列である。

R‑1のもう一つの解は,

Ru1+Ru‑1R12R2211‑1R21Ru‑1 ‑Ru1R12R2211 ‑i  (9)  R‑1=[ 

R22111 R R22111

となる。ここで, R2211=R22‑R21Ru i R12であり, R2211はやはり第1領域の影響を取り除いた 第 2領域の残差相関行列である。

先の (8)式または (9)式を (6)式に代入して整理すると,

(10)  F=(Z1 ‑Z2R22‑1R21)Rw2‑1(RH‑R12R22‑1R21)+Z2R22‑1R21  または,

(11)  F=Z1Ru‑1R11+(Z2‑Z1R111R12)R2211 ‑1(R21‑R21Ru1R11)

となる。ところで, (10)式の右辺第1項の左部 (Z1‑Z2R22‑1R21)は,第1領域の標準得点行 列より第 2領域の影響を取り除いた残差標準得点行列であり,これを Z112と表記する。 なんと なれば,

(12)  Z112=Z1 ‑Z2R22‑1R21 =Z1‑Z2 CZ:

 Z2/N)‑1CZ:  /N)=Z1 ‑ {Z2(ZlZ:  Z/}Z1 となり, Z2(ZlZ2ZlはZ2の張る空間への射影子 (projectionoperator) (竹内・柳井1972) であり, Z2(ZlZ2)‑1ZlZ1は 名 の Z2空間への射影であるからである。

また, (10)式右辺第1項の中央部の残差相関行列 Rw2は (13)  Rn12=‑(Z1‑Z2R22‑1R21YCZ1‑Z2R22‑1R21) 

=Zi'Zi/N‑Zi'Z2/NR22 ‑1R21‑R 22l,Z:Zi/N

R12R22 ‑i Zl Z2/NR22 i R21 

=Ru ‑R12R22‑1R21‑R12R22‑1R21 + R12R2R22R22‑1R21 

=Ru‑R12R22‑1R21  となり,先の (11)式の関係も証明される。

また,残差得点と真の因子得点との相関は,残差因子構造であり, これを R1112と表記すると,

(14)  Rw2=‑(Z1‑Z2R22‑1R21YF 

=Zi'F'/N‑R12R22‑1Z: 

F/N

(7)

=凡11‑R122‑1R21

となり, (10)式右辺第1項の右部に等しくなる。

同じ証明が (11)式についても適用できるので, (10)式 (11)式を省略形で表わすと,

(15)  ~ 丑 碑11,21 +z;221

=Z1凡11ー1R11十 ~11R2211ー1R2111 とかける。これを図示すると Fig.2のようになる。

または,

11 

11 

Fig. 2 二重連関構造における全因子得点の内的組成 いま,

(16) 

F=ZR-1凡fa …•••………① (二領域全因子得点)

=Z1111Ru………@(第1領域単一因子得点)

=Z:ぷ22-1R21 ………•………・・⑧ 第 2領域単一因子得点)

F112=Z112R1112111/2………④ (1領域偏因子得点)

F211=Z2112/11R2111………⑥ (第 2領域偏因子得点)

とおくと,

(17)  F12=Zi111瓦 ーZ112Rw21Rw2 ... … … … ⑥  (二領域重複因子得点)

F12=Z: 22‑1R21‑Z211R22111R2111… … … … ⑥ (二領域重複因子得点)

‑104‑

(8)

多重連関構造分析(藤村・辻岡)

となる。

したがって簡略な表現すれば,二重連関構造分析は, (16)式と (17)式のように,①全因子 得点そのものを, R第1領域のみによって規定される単一領域因子得点 Fi, ③第 2領域のみに よる単一領域因子得点F2,④第1領域より第 2領域の影響を除去した第1領域の残差(偏)因子 得点F112,⑥第2領域より第1領域の影響を除去した第2領域の残差(偏)因子得点F211,⑥第 2領域の重複領域因子得点F126種に分類し,それらの相互連関構造を調査する方法と いえよう。

ところで,全因子得点を除外したこれらの5個の部分因子得点は相互に必ずしも独立ではない。

独立関係がみられるのは,

(18)  f1l.f211'f2l.f112 

の場合に限られる。このように,連関構造分析において,全因子得点を必ずしも独立ではない偏 因子得点,重複領域因子得点,単一領域因子得点などの部分因子得点にあえて分割して考えて行

く理由は,これらの6種(全因子得点Fを含めて)の得点相互が,それぞれの領域のみの純粋因 手得点(偏因子得点 F112F211)自身を基準軸として,いかなる連関関係にあるかをさらにペ クトル分解して考えようとするからである。なんとなれば,われわれ実質科学者は,自らの研究 領域において種々の概念をきわめて便宜的に使用しているが,これらの概念には自らの研究領域 のみならず,他の研究領域と密接に連関する諸要素が混入しているため,研究者の意図とは別に きわめて複雑な内容を含んだ概念を使用せざるを得ない状況にあるからである。したがって,連 関構造分析によって,われわれは,ある一つの純粋概念ペクトルを基準として,他の種々な複合 概念がこの基準ベクトルに対して正負いかなる射影ペクトルを有しつつ相互に連関しあうかを現 実の構造そのものに忠実に対応しつつ検討しようとするのである。なんとなれば,ある概念が他 の概念と正の連関関係にあるのか負の関係にあるのかを現実の連関構造に従ってこれを吟味しな いで,これに理念的・演繹的なしかも因果律的三段論法的推論を適用することは誤判断をまねく 恐れが大きいからである。

上述のような目的から,連関構造分析では,まず第一に, (16) (17)式の6種の因子得 点間の分散共分散行列を各因子ごとに求める。 (Table 1参照)

Table 11 Variancecovariance matrix of COfactor score by YG. P. I.  f,  f1  fz  f112  f2,1  f,2 

,  0.642  0.469  0.475  0.168  0.137  0.301  f1  0.469  0.469  0.237  0.232  0.000  0.273  f2  0.475  0.237  0.474  0.000  0.238  0.237  f112  0.168  0.232  0.000  0.167  ‑0.064  0.065  f2,1  0.173  0.000  0.238  ‑0.064  0.173  0.065  f12  0.301  0.237  0.237  0.065  0.065  0.172  固有値I1.579  0.469  0.050  0.000  0.000  0.000 

conjunctor=0.268,  norm=0.415 

(9)

Table 12  Variancecovariance matrix of Rfactor score by YG. P. I.  f,  f1  f2  f112  f1 fu 

,  0.761  0.661  0.326  0.434  0.099  0.227  f1  0.661  0.661  0.207  0.455  0.000  0.207  fz  0.326  0.207  0.327  0.000  0.120  0.207  f1,2  0.434  0.455  0.000  0.435  0.021  0.020  f211  0.099  0.000  0.120  ‑0.021  0.099  0.021  f12  0.227  0.207  0.207  0.020  0.021  0.187  固有値I1.839  0.494  0.136  0.000  0.000  0.000 

conjunctor=0.245,  norm=0.432 

T.able 13  Variancecovariance matrix of SD‑I factor score by YG. P. I.  f,  f1  f2  f112  2,1  f12  f,  0.936  0.048  0.935  0.001  0.888  0.047  f1  0.048  0.048  0.045  0.003  0.000  0.045  fa  0.935  0.045  0.935  0.000  0.890  0.045  f112  0.001  0.003  0.000  0.001  ‑0.002  0.002  f211  0.888  0.000  0.890  0.002  0.888  0.002  f1s  0.047  0.045  0.045  0.002  0.002  0.043  固有値I2.730  0.118  0.002  0.000  0.000  0.000 

conjunctor=0.046,  norm=0.207 

そして, 各因子ごとのこの分散共分散行列の直交成分を大きい方から2 対角法 (diagonal method)により求め, f1f211あるいは f2f112を直交の基準軸として次元分解するのであ

る。この分散共分散行列の最大 rankは常に3である。なんとなれば Table1のようにこの分 散共分散行列のうち, f=f1 +2,1,  f1 =f112+f12,  f2=f211 +£12という三個の代数的従属条件が含ま れているからである。しかし,この空間の次元は近似的には Table1のように二次元であり,

したがって,この二次元の直交成分をf112.lf2,あるいは f211.lf1の条件下で作図し良この二次 元空間における各部分因子得点,全因子得点間の連関構造をコンピュークによって幾何学的にペ

クトル表示したグラフを作成する。 Fig.3はこの作図例である。

Fig. 3において,先の (18)式の直交関係が認められる。この場合,とくに伍が基準軸 f112 f211に対して正負いかなる射影をもつかが第一の注目点となる。この伍が基準概念ペクトル

に対し,共に正(あるいは負)の射影をもつ連関構造を「順接構造」と呼び,一方へは正,他ヘ 

は負の異符号の射影をもつ連関構造を「逆接構造」と呼ぶ。

第二の注目点は,紐のペクトルのノルムの絶対量である。 もし,このノルムが大きいと二領 注実際のアルゴリズムとしては主成分分析の結果を直交回転するよりも対角法 (diagonalmethod)

共分散行列を二次元分解する方が手っとり早い。

(10)

多重連関構造分析 0/i村・辻岡)

fi 

llllllll ー / ー ー

1/ ー /

III/I

ll 

̲

‑ l     / / / / /

½

I /  

2,  -✓/

-~---f  

Fig. 31  純粋気質因子ー不満性〔縦軸)と 価値判断(横軸)との連関構造

l 7 1

l

l

l

l

l

l

ITII̲11̲ 

1

 

l  

‑ ︱  

l  

‑ l

-—

 

‑ ︱ 

19̲111% 

一 一一 一 一 一

I

1 ]

( 1 1

f‑% 

  ‑ f

Fig. 32  純粋気質因子ー非内省性(縦軸)と 価値判断(横軸)との連関構造

(11)

f½,---"]

---£~-:

:2

Fig. 32 純粋 SD‑I因子(縦軸)と気質因子(横軸)

との連関構造 (SD‑I因子とは社会的内向・

外向に対する価値判断因子である(辻岡•藤 1975a,1975b, 1975c, 1975d,)) 

域間の重複部分が大きいことを示す。この値は, Table1の共分散行列の主対角要素の一番右下 に求められているものの乎方根にひとしい。

第 三 の 注 目 点 は 知 の 分 散 (d1名)の全因子得点の分散 (d記)に対する比率である。いま,こ の比率を二領域における接続子 (conjunctor)と呼び C12で表記することにすると,

(19)  C12=d1/au2

, もし, C12=0ならば,この連関構造は 無接構造"(noconjunctor structure)と呼ぶ。そ して, C12の値が大きい構造を largeconjunctor structure (たとえば l~C12~0.5), 中程度の ものをmiddleconjuntor structure (0.5>C12~0.25), 小さいものをsmallconjunctor structure 

(0.25>C12~0.0) と呼ぶことにする。日本語訳として適当なものが未決定であるが一応,大接構 造,中接構造,小接構造と呼ぶことにしておく。

ところで,二つの異なる領域が,ある因子の因子得点に連関する強度は変量バッテリーの性質 により必ずしも同等ではない。具体的には,例えば,心理学的特性には心理学的変量バッテリー が強い連関を示すが,社会学的変量バッテリーの規定力は弱いのが通常である。このため,同等 の規定力をもつ二つの領域がどの程度連関し合うかという連関強度(大接,中接,小接,独立構

‑108‑

Table 3 三 重 連 関 構 造 分 析 に お け る 29 種 の 部 分 因 子 f ,  f 1  f 2  f s  f c 1 2 >  £ ( 1 8 )  f c 2 s i   f 1 , c 2 s i   f 2 1 c 1 s i   f s , c 1 2 J  f 1 2  f 1 s  £ 2 3  f 1 c 2 a >  £ ,  877  783  379  741  814  867  771  106  010  063  348  656  349

参照

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