• 検索結果がありません。

Lyapunov の方法 第 13 回 システム工学 I

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Lyapunov の方法 第 13 回 システム工学 I"

Copied!
64
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

システム工学 I 第 13 回

Lyapunov の方法

(2)

Small Gain Theorem (1)

• まず, 前回の講義で説明できなかった, 非線 形システムへの BIBO 安定性の拡張につい て述べる. これを与えるのが Small Gain Theorem であり, この定理は線形系および 非線形系の双方に適用可能である.

• 次ページの図のようなフィードバックシステ

ムを考える.

(3)

+

+

− u

1

u

2

e

2

e

1

y

1

G

1

G

2

y

2

G

i

は線形とは限らない因果的な作用素, u

i

(t), e

i

(t),

y

i

(t) は信号で, dim y

1+ mod (i,2)

= dim u

i

= dim e

i

(i = 1, 2; mod は剰余) とする.

(4)

Small Gain Theorem (3)

• y = G[u] により, 作用素 G の出力 y が入力 u から決まることをあらわす.

• 信号 w(t) の時刻 T における打ち切りを, w

T

(t) :=

( w(t), 0 ≤ t ≤ T,

0, T < t と定義する.

(5)

Small Gain Theorem (4)

• 以前の定義と若干異なるが, k k を有限次元 のベクトルのノルムとし (どんなノルムでも よい), 信号 w の L

p

ノルムを,

kwk

Lp

=

Z

0

kw(τ )k

p

1/p

と定義する

(1 ≤ p < ∞). 積分は Lebesuge 積分である.

(6)

Small Gain Theorem (5)

• w の L

ノルムを, kwk

L

= ess.sup kw(t)k により定義する. ess.sup は零集合を除いた 上限.

• Lebesgue 可測で, L

p

ノルムが有限な関数全

体からなる集合 (の同値類) を L

p

と書く (1 ≤

p ≤ ∞).

(7)

Small Gain Theorem (6)

• L

p

は数学的には取り扱いやすいが, w(t) = t などといった極めて簡単な関数を含まないた め, 応用上は不都合である. そこで, これを拡 張し, どの正の時刻 T で打ち切っても L

p

に属

す Lebesgue 可測な信号の集合を考える. これ

を L

pe

という. L

pe

= {w : ∀T, kw

T

k

Lp

< ∞}

である.

(8)

Small Gain Theorem (7)

• 1 ≤ p ≤ ∞ とする.

• G が L

p

安定であるとは, ∀u ∈ L

p

, G[u] ∈ L

p

となることをいう.

• G が L

p

安定でゲイン γ を持つとは, ∃γ, β ≥

0, ∀u ∈ L

p

, G[u] ∈ L

p

かつ kG[u]k

Lp

γkuk

Lp

+ β となることをいう.

(9)

Small Gain Theorem (8)

• 先に述べたフィードバックシステムにおいて,

G

1

, G

2

がともに L

p

安定で, それぞれ有限ゲイ

ン γ

1

, γ

2

を持ち, γ

1

γ

2

< 1 であれば, フィード

バックシステムは L

p

安定である. この事実

を, Small Gain Theorem という.

(10)

以下,記法の簡単のため,kwkLpkwkと略記する. 仮定より,kyik ≤ γikeik+βiであり(i= 1,2),さらにe1=u1−y2,e2=u2−y1だか ら,ke1k ≤ ku1k+γ2ke2k+β2,ke2k ≤ ku2k+γ1ke1k+β1である. れらの不等式を相互に代入すると,

ke1k ≤ ku1k+γ2(ku2k+γ1ke1k+β1) +β2, ke2k ≤ ku2k+γ1(ku1k+γ2ke2k+β2) +β1

となる. これを整理すると

(1−γ1γ2)ke1k ≤ ku1k+γ2(ku2k+β1) +β2

(1−γ1γ2)ke2k ≤ ku2k+γ1(ku1k+β2) +β1

となる. よって,γ1γ2<1なら先に述べたフィードバックシステムはLp

(11)

状態方程式と安定性 (1)

• 状態方程式の安定性に関する議論では, 当面, 入力 u を零に固定する.

• 応用上重要なのは入力として状態フィードバ

ックや出力フィードバックを用いることによ

り制御システムを安定にすること (安定化) で

あり, 状態方程式の安定性に関する議論はそ

のための基礎である.

(12)

状態方程式と安定性 (2)

• 安定性の正式な定義は後回しにするが・ ・ ・

• 制御システム x ˙ = f (x, u) に状態フィード

バック u = k(x) を施すと, 入力がないシス

テム x ˙ = f (x, k(x)) が得られる. この意味

で, 入力がないシステムの安定性に関する議

論はフィードバックシステムの安定性の基礎

となる.

(13)

状態方程式と安定性 (3)

• 制御システム x ˙ = Ax + Bu, y = Cx + Du において u = 0 とすると, 時刻 0 に初期値 x

0

を出発する解は, x(t) = e

At

x

0

となる.

• x

0

= 0 なら解は恒等的に零であり, このよう な場合は検討に値しない. そこで, x

0

6= 0 の とき, 解が t → ∞ としたときどう動くかを

考える (初期値に依存する).

(14)

状態方程式と安定性 (4)

• 平衡点 (後述; 今の状況では原点) の近傍をど のように選んでも, 初期値をうまく選べば解 がその近傍から出ないようにできるとき, こ の平衡点は Lyapunov 安定であるという.

• t → ∞ としたとき解が平衡点に収束すると

き, この平衡点は漸近安定であるという.

(15)

状態方程式と安定性 (5)

• 数式を使った (安定性の) 定義は後述.

• 定義から, 平衡点が漸近安定であれば Lya-

punov 安定である. 逆は必ずしも成立しない.

• A の固有値がひとつでも (複素) 右半平面に

あれば, e

At

x

0

は発散する初期値があるので,

平衡点 (原点) は Lyapunov 安定でない.

(16)

状態方程式と安定性 (6)

• A の固有値がすべて (開) 左半平面にあれば, e

At

x

0

→ 0, よって平衡点 (原点) は漸近安定.

• A の固有値がすべて閉左半平面にあり, 虚軸

上に重複度 1 の固有値があれば e

At

x

0

は初期

値によって零に収束あるいは停留なので, 平

衡点 (原点) は Lyapunov 安定だが漸近安定

ではない.

(17)

状態方程式と安定性 (7)

• A の固有値がすべて閉左半平面にあり, 虚軸 上に重複度 2 以上の固有値があれば e

At

x

0

は 初期値によって零に収束あるいは発散. よっ て平衡点 (原点) は Lyapunov 安定でない.

• 以上のように, A の固有値をすべて求めれば,

˙

x = Ax の安定性を判定できる.

(18)

状態方程式と安定性 (8)

• 「線形システムは非線形システムの線形近似 したもの」という立場に立つと,

⊲ 線形/非線形にかかわらず, 統一的に使 える「安定性」の定義は何か

⊲ 非線形システムの安定性判定は可能か

ということが問題になる.

(19)

状態方程式と安定性 (9)

• 上述の問題に肯定的な解答を与えるのが Lya- punov の方法. これには, 線形近似による方

法 (Lyapunov の第一の方法) と, 状態変数の

「エネルギー」に相当する関数 (Lyapunov 関 数) を使って安定性を判別する Lyapunov の

直接法 (あるいは Lyapunov の第二の方法)

の 2 種類がある.

(20)

平衡点 (1)

• 非線形時不変微分方程式 x ˙ = f (x) を考える.

x ∈ R

n

, f : R

n

→ R

n

で, この微分方程式は 解の存在と一意性の条件を満たすものとする.

• 集合 {x : f (x) = 0} の要素を, このシステム

の平衡点という.

(21)

平衡点 (2)

• 線形時不変システム x ˙ = Ax の平衡点は, {x : Ax = 0} であり, これは原点のみ (A が正則なとき) か, R

n

の部分空間である. x

0

が Ax

0

= 0 を満たすとき, z = x − x

0

とお

くと, ˙ z = ˙ x = Ax = Ax − Ax

0

= Az であ

るから, システムの原点を x

0

だけ平行移動し

ても, 状態方程式は変わらない.

(22)

平衡点 (3)

• したがって, 線形時不変システムでは, 原点に おけるシステムの安定性を議論すれば, すべ ての平衡点について同一の結論が得られる.

• 非線形時不変システムでは, その安定性を平

衡点ごとに分けて論じなければならない.

(23)

平衡点 (4)

• 非線形時変システム x ˙ = f (x, t) では, 平衡点

を素直に定義すると {(x, t) : f (x, t) = 0} と

なるが, この集合は時間とともに変わる. 時

間とともに変わる平衡点の取り扱いは繁雑な

ので, {x : ∀t, f (x, t) = 0} を平衡点と定義す

ることも多い.

(24)

平衡点 (5)

• 線形時変系 x ˙ = A(t)x では, 少なくとも原点

はつねに平衡点である. また, すべての t に

おいて, A(t) において t を固定した定数行列

のすべての固有値の実部が負であっても, こ

の微分方程式の解が零に漸近することは保証

されない.

(25)

平衡点 (6)

• 以上で見てきたように, 安定性という観点か ら言うと, 時変系の取り扱いは繁雑である.

• この講義では, 今後は, 時変系を検討の対象

外とし, 時不変系に限定して議論を進める.

(26)

安定性の定義 (1)

• 以下の議論では, ϕ(t, 0, x

0

) によって, 時刻 0 において初期値 x

0

を出発した微分方程式

˙

x = f (x) の解をあらわす. なお, 解の存在と

一意性を仮定する.

(27)

安定性の定義 (2)

• x ˙ = f (x) の平衡点 x

が Lyapunov 安定で あるとは, ∀ε > 0, ∃δ(ε) > 0, ∀x

0

, kx

0

−x

k <

δ(ε) ⇒ kϕ(t, 0, x

0

) − x

k < ε となることを

いう.

(28)

安定性の定義 (3)

• x ˙ = f (x) の平衡点 x

が (局所的に) 漸近安 定であるとは, ∃δ > 0, ∀x

0

, kx

0

− x

k < δ ⇒ lim

t→∞

ϕ(t, 0, x

0

) = x

となることをいう.

ただし, 暗黙のうちに極限の存在を仮定する.

(29)

安定性の定義 (4)

• x ˙ = f (x) の平衡点 x

が (局所的に) 指数安 定であるとは, ∃α, β, δ > 0, ∀x

0

, kx

0

− x

k <

δ ⇒ ∀t, kϕ(t, 0, x

0

) − x

k ≤ αkx

0

k exp[−βt]

となることをいう.

• 上記において, kx

0

− x

k < δ などのような

条件が外せるときには, このシステムは大域

的に安定, 漸近安定, 指数安定であるという.

(30)

Lyapunov の直接法 (1)

• 非線形システムの安定性を調べるための方法 の代表格が Lyapunov の方法

• Lyapunov の方法には, Lyapunov の直接法 (Lyapunov の第二の方法) と Lyapunov の線

形化法 (Lyapunov の第一の方法) がある.

(31)

Lyapunov の直接法 (2)

• 話の順番が逆のようであるが, Lyapunov の 直接法から議論を始める.

• 状態空間において座標系を並行移動すれば,

平衡点 x

を原点に移動することができる. そ

こで, 以下の議論では, はじめから平衡点は

原点であると仮定する. また, 集合 D を, 状

態空間の原点を含む開集合とする.

(32)

Lyapunov の直接法 (3)

• D で定義された関数 V (x) が ( ˙ x = f (x) の) Lyapunov 関数であるとは, V が 1 階連続 微分可能で, V (0) = 0 かつ ∀x ∈ D \ {0}, V (x) > 0 で, さらに ∀x ∈ D, ∂V

∂x f (x) ≤ 0

となることをいう.

(33)

Lyapunov の直接法 (4)

• V (0) = 0 かつ ∀x ∈ D \ {0}, V (x) > 0 とい う条件のみを満たす関数を Lyapunov 関数 候補と呼ぶことがある.

• d

dt V (ϕ(t, 0, x

0

)) = ∂V

∂x

x

=

ϕ

(t,0,

x

0)

f (ϕ(t, 0, x

0

))

である (微分方程式の解に沿った微分).

(34)

Lyapunov の直接法 (5)

• Lyapunov 関数が存在すれば, ˙ x = f (x) は平 衡点 x

= 0 において (局所的に)Lyapunov 安 定である.

• 上記に加えて, 原点以外の点で ∂V

∂ x f (x) < 0 となれば, ˙ x = f (x) は平衡点 x

= 0 におい

て (局所的に) 漸近安定である.

(35)

Lyapunov の直接法 (6)

• 上記に加えて, ∃a, b > 0, ∃p ≥ 1, ∀x, akxk

p

≤ V (x) ≤ bkxk

p

かつ ∃c > 0, ∀x, ∂V

∂x f (x) ≤

−cV (x) であれば, ˙ x = f (x) は平衡点 x

= 0

において (局所的に) 指数安定である.

(36)

Lyapunov の直接法 (7)

• このように V (x) によってシステムの安定性 を調べる方法を Lyapunov の直接法という.

• 続いて, 先に述べた定理の証明を述べる.

• 以下では, 記号 dV /dt により, V (t) の, 微分

方程式 x ˙ = f (x) の解 ϕ(t, 0, x

0

) に沿った微

分をあらわす.

(37)

dV dt = d

dt V (ϕ(t, 0, x

0

))

= ∂V

∂x

ϕ

(t,0,

x

0)

d

dt ϕ(t, 0, x

0

)

= ∂V

∂x

ϕ

(t,0,

x

0)

f (ϕ(t, 0, x

0

))

(38)

Lyapunov

関数が存在すれば

, x ˙ = f (x)

は平衡点

x

= 0

において局所的に

Lyapunov

安定

:

平衡点がすでに原点に移されていることに注意す る

. B(r) = {x : kxk < r}, B(r) = {x : kxk ≤ r}

とおく

. ∀ε > 0, ∃δ > 0, ∀x

0

, kx

0

k < δ ⇒ kϕ(t, 0, x

0

)k < ε

を示したい

.

必要なら

, B(ε)

D

に含まれるように

ε

を小さ く取り直し

, α = max

{x:kxk=ε}

V (x)

とする

.

(39)

• 0 < β < α

とし

, C(β)

{x ∈ D : V (x) ≤ β}

の 原点を含む極大連結集合とする

.

• dV /dt ≤ 0

であったから

, C(β)

の点を初期値と する

x ˙ = f (x)

の解は

t ≥ 0

において

C(β)

から 出ない

.

• β < α

であったから

, C(β) ⊂ B(ε)

である

.

• C(β)

は原点を内点として含むから

, B (δ) ⊂ C(β)

となるよう

δ

を取れば主張が示される

.

(40)

さらに平衡点以外で

dV /dt < 0

であれば

x ˙ = f (x)

は 平衡点

x

= 0

において局所的に漸近安定

:

• Lyapunov

安定の条件を満たす

ε

δ

がすでに取

られているものとする

.

原点以外で

dV /dt < 0

と なるとき

V (ϕ(t, 0, x

0

)) → 0 (t → ∞)

となるこ とを示したい

.

有限の時刻

T

ϕ(T, 0, x

0

) = 0

となった場合に

,

原点は平衡点なので

,

証明すべきことは何も ない

.

よって

, ∀t > 0, ϕ(t, 0, x

0

) 6= 0

の場合を考 える

.

(41)

• V (ϕ(t, 0, x

0

))

t

の関数として非負で

,

単調減少 だから

,

ある

L ≥ 0

に収束する

.

よって

, L = 0

で あることが示せればよい

.

背理法でこれを示す

.

• L > 0

と仮定する

. x

0

∈ B(δ/2)

とし

, R = {x ∈ B(0, ε/2) : L ≤ V (x)}

とする

. R

はコンパクト で

,

原点を含まない

.

∂V

x f (x)

R

において負の 連続関数だから

, R

において負の最大値

−µ

を取 る

.

よって

, dV /dt ≤ −µ

だから

, V (ϕ(t, 0, x

0

))−

V (x

0

) ≤ −µt

となり

,

有限時間で

V (ϕ(t, 0, x

0

))

が零になるので矛盾

.

(42)

指数安定性について

上述の仮定が満たされるとき

, dV /dt ≤ −cV

だか ら

,

V1 dVdt

≤ −c

,

これを積分すると

, ln V (ϕ(t, 0, x

0

)) ln V (x

0

) ≤ −ct.

よって

V (ϕ(t, 0, x

0

)) ≤ e

−ct

V (x

0

).

• akϕ(t, 0, x

0

)k

p

≤ V (ϕ(t, 0, x

0

)) ≤ e

−ct

V (x

0

) ≤ e

−ct

bkx

0

k

pだから

, kϕ(t, 0, x

0

)k ≤

ba

1/p

e

−cpt

kx

0

k.

よって指数安定

.

(43)

線形時不変システムでは (1)

• 線形時不変システム x ˙ = Ax が漸近安定であ るということは, A のすべての固有値の実部 が負であるということであった. (Lyapunov 安定ではないので注意).

• 線形時不変システムの場合は, この条件は, 状

態の 2 次形式の形の Lyapunov 関数が存在す

ることと等価であることが示せる.

(44)

線形時不変システムでは (2)

• 正確に述べると: 線形時不変システム x ˙ = Ax が漸近安定であるための必要十分条件 は, 任意の正定対称行列 Q に対し, ある正定 対称行列 P が存在し, P A + A

T

P = −Q と なることである.

• 上記の条件が満たされるとき, x

T

P x が Lya-

punov 関数となる.

(45)

∀Q > 0, ∃P > 0, P A + A

T

P = −Q

のとき

• P > 0

,

行列

P

が正定対称行列という意味

• V (x) = x

T

P x

とおくと

, dV /dt = x

T

(P A + A

T

P )x = −x

T

Qx.

• P > 0, Q > 0

より

,

これらの固有値は正の実数

• P

の最大固有値を

λ

P

, Q

の最小固有値を

λ

Qと する

(46)

dV

dt = −x

T

Qx ≤ −λ

Q

|x|

2

≤ − λ

Q

λ

P

x

T

P x = − λ

Q

λ

P

V (x)

よって

,

初期値

x

0をどのように取っても

, V (ϕ(t, 0, x

0

))

は零に収束する

.

したがって

, A

のすべての固有値の実部は負でな ければならない

.

(47)

A

のすべての固有値の実部が負であるとき

• Q > 0

をひとつ定める

.

• P = R

0

e

ATt

Qe

At

dt

と定義する

.

• P A + A

T

P

= R

0

e

ATt

Qe

At

Adt + R

0

A

T

e

ATt

Qe

At

Adt

= R

∞ 0 d

dt

e

ATt

Qe

At

dt = e

ATt

Qe

At

0

= −Q

(A

のすべての固有値の実部が負だから

)

(48)

線形時不変システムでは (6)

• 次に, A の固有値の実部がすべて正である場 合を考える. τ = −t とすると,

d

x

=

d

x

dt dt dτ

=

−Ax である.

• A の固有値の実部がすべて正であるための必

要十分条件は, −Ax の固有値の実部がすべて

負であること.

(49)

線形時不変システムでは (7)

• −Ax の固有値の実部がすべて負であるため の必要十分条件は, ∀Q > 0, ∃P > 0, P (−A)+

(−A)

T

P = −Q.

• まとめると, A の固有値の実部がすべて正で

あるための必要十分条件は, ∀Q > 0, ∃P > 0,

P A + A

T

P = Q.

(50)

Chetaev の不安定性判定法 (1)

• Lyapunov 関数の存在は非線形システムが安

定であるための十分条件なのだが, これを変 形して, 非線形システムが不安定であるため の十分条件を導くことができる (Chetaev).

• 先と同様に, 平衡点はすでに座標系の並行移

動によって原点に移されているものと仮定す

る.

(51)

Chetaev の不安定性判定法 (2)

• D を原点を含む開集合, V (x) : D → R を V (0) = 0 を満たす C

1

級関数とし, U (r) = B(r) ∩ D ∩ {x : V (x) > 0} とおく.

• ある r に対し, U(r) 6= ∅ で, U(r) 上で

∂V

x f (x) >

0 で, ∀ε > 0, ∃x ∈ B (ε) \ {0}, V (x) > 0 で

あれば, 原点は Lyapunov 安定な平衡点では

ない (Chetaev).

(52)

先の事実の証明は次の通り

.

先の仮定から

Lyapunov

安定の否定

: ∃ε > 0,

∀δ > 0, ∃x

0

∈ B (δ), {ϕ(t, 0, x

0

) : t ≥ 0} 6⊂ B(ǫ)

を導けばよい

.

• ε ≤ r

, B(ε) ⊂ D

であるように取る

.

所与 の

δ

に対し

, δ

0

= min{δ, ε}

とし

, x

0

∈ B(δ

0

) ∩ U (ε)

とする

. x

0

U (ε)

の内点で

, U (ε)

内では

d

dt

V (ϕ(t, 0, x

0

)) > 0

だから

, V (ϕ(t, 0, x

0

))

t

に関して単調増加で

, V (ϕ(0, 0, x

0

)) > 0

である

.

(53)

• ϕ(t, 0, x

0

) ⊂ U (ε)

と仮定して矛盾を導く

. W (ε) =

U (ε) ∩ {x : V (x) ≥ V (x

0

)}

とおくと

, W (ε)

はコンパクトで

,

dtd

V (ϕ(t, 0, x

0

)) > 0

だから

,

ϕ(t, 0, x

0

)) ⊂ W (ε)

である

. W (ε)

,

∂V

x f (x)

は連続で

,

その値は正だから

,

正の最小値

µ

を取 る

.

したがって

,

dtd

V (ϕ(t, 0, x

0

)) ≥ µ

であり

,

よって

V (ϕ(t, 0, x

0

))

は無限大に発散する

.

一方 で

, W (ε)

はコンパクトだから

, V (x)

W (ε)

に おいて有限の最大値を取る

.

これは矛盾である

.

よって

ϕ(t, 0, x

0

) 6⊂ U (ε).

(54)

次に

, ϕ(t, 0, x

0

) 6⊂ B(ε)

であることを背理法に より示す

. ϕ(t, 0, x

0

) ⊂ B(ε)

と仮定し

, T = sup{t ≥ 0 : ∀τ ≤ t, ϕ(t, 0, x

0

) ⊂ U (ε)}

とお く

. x

0

U (ε)

の内点だから

, T > 0

であり

, ϕ(t, 0, x

0

) 6⊂ U (ε)

だから

, T < ∞

である

.

さて

, 0 ≤ t < T

なら

ϕ(t, 0, x

0

) ⊂ U (ε)

, V (ϕ(t, 0, x

0

)) ≥ V (x

0

), ϕ

は連続関数だから

, V (ϕ(T, 0, x

0

)) ≥ V (x

0

).

一方

, ν > T

なら

, ∃τ ≤ ν, ϕ(t, 0, x

0

) 6⊂

U (ε)}

だから

, V (ϕ(ν, 0, x

0

)) ≤ 0,

よって

,

再び

ϕ

の連続性から

, V (ϕ(T, 0, x

0

)) ≤ 0 (

矛盾

)

(55)

Lyapunov の線形化法 (1)

• Lyapunov の線形化法は, システムの平衡点

における線形近似を使ってその安定性を判定 する方法.

• 議論の簡単のために, 平衡点を原点に移す座

標変換がすでに施され, これから原点におけ

るシステムの安定性を判定したい, という状

況を考える.

(56)

Lyapunov の線形化法 (2)

• 微分方程式 x ˙ = f (x) の安定性を判定したい.

原点が平衡点であると仮定したから, f (0) = 0 である.

• f (x) が原点において線形近似可能であると 仮定し, A =

f

x

x

=

0 とする.

(57)

Lyapunov の線形化法 (3)

• 線形近似可能であることと原点が平衡点であ ることを組み合わせると, ある g(x) に対し, f (x) = Ax + g(x) で, lim

kxk→0 k

g

(

x

)k

k

x

k

= 0

となる.

(58)

Lyapunov の線形化法 (4)

• 以下の事実が成り立つ.

⊲ A のすべての固有値の実部が負なら, 原

点は Lyapunov 安定な平衡点である.

⊲ A がひとつでも実部が正の固有値を持

てば, 原点は Lyapunov 安定な平衡点で

ない.

(59)

Lyapunov の線形化法 (5)

• 非線形システムの安定性を線形近似の固有

値から判定する方法を, Lyapunov の線形化

法という.

(60)

A

のすべての固有値の実部が負のとき

P A + A

T

P =

−I

を満たす

P > 0

を取り

, V (x) = x

T

P x

とおくと

,

∂V

x f (x) = x

T

P (Ax+g(x))

であるが

, x

T

P Ax

はスカ ラーゆえ転置しても不変だから

, x

T

P Ax = x

T

A

T

P x

でもあり

,

よって

x

T

P Ax =

12

x

T

P Ax +

12

x

T

P Ax =

1

2

x

T

P Ax+

12

x

T

A

T

P x = −

12

kxk

2

.

ゆえに

,

∂V

x f (x) ≤

12

kxk

2

+ kP kkxkkg(x)k.

よって

, kxk

が十分小さけ れば∂V

x f (x) ≤ 0

となるから

, Lyapunov

の直接法より

,

平衡点は安定

.

(61)

Aが実部が正の固有値を持つとき

まず, Lyapunovの方法は,転置を共役転置に,対称行列をHermite 行列に置き換えれば,複素ベクトル空間で定義された線形システ ムにも適用できることに注意する. そこで,はじめから複素ベク トル空間を前提にして議論を進める.

• Aの固有値のうち実部が正でその値が最小のものをλmとし,ε=

1

2Reλmとすると,A−εIは虚軸上に零点を持たない.

• T−1(A−εI)T= diag(Λ12)A−εIJordan標準形で,Λ1

Λ2はそれぞれ実部が正および負の固有値に対応するJordan ロックを集めたものとする. このとき, T−1AT = diag(Λ1+ εI,Λ2+εI)である.

(62)

• P1およびP2を,P11+εI) + (Λ1+εI)P1 =I,P22+ εI) + (Λ2+εI)P2=−Iを満たすHermite行列とする.

• z = T−1xとし, これをdiag(Λ12)に適合する形で(z1,z2) のように分割する. この座標系では, もとの微分方程式はz˙ = T−1f(T z)に変わるが,この右辺をλ(z)と書き,さらに(z1,z2) に適合する形で1(z),λ2(z))と書き直す.

• h(z) = T−1g(T x)とすると, ˙z = T−1AT z + h(z)で, limkzk→0kh(z)k

kzk = 0である.

• V(z) =z1P1z1−z2P2z2とおき,U(r) =B(r)∩D∩{z:V(z)>

0}とする. z∈U(r)ならz1P1z1>z2P2z2である.

• P= diag(P1,P2)とおく.

(63)

∂V

∂zλ(z) =kzk21+ 2εz1P1z1+kzk22−2εz2P2z2 + 2z1P1h1(z)−2z2P2h2(z)

≥ kzk21+kzk22+ 2z1P1h1(z)−2z2P2h2(z) よって

∂V

∂zh(z)≥ kzk2− kPkkzkkh(z)k=kzk2

1− kPkkh(z)k kzk

• limkzk→0kh(z)k

kzk = 0だったから,rが十分小さいとき,U(r)にお いて∂Vz λ(z)>0となる. よって, Chetaevの不安定性判別法によ り,このシステムは不安定.

(64)

参考文献

• W. M. Haddad and V. Chellaboina, Nonliner Dynamical Systems and Control, Princeton University Press, 2008

前田,線形システム,朝倉書店, 2001

参照

関連したドキュメント

 そこで、本研究では断面的にも考慮された空間づくりに

行列の標準形に関する研究は、既に多数発表されているが、行列の標準形と標準形への変 換行列の構成的算法に関しては、 Jordan

の変化は空間的に滑らかである」という仮定に基づいて おり,任意の画素と隣接する画素のフローの差分が小さ くなるまで推定を何回も繰り返す必要がある

ロボットは「心」を持つことができるのか 、 という問いに対する柴 しば 田 た 先生の考え方を

究機関で関係者の予想を遙かに上回るスピー ドで各大学で評価が行われ,それなりの成果

に関して言 えば, は つのリー群の組 によって等質空間として表すこと はできないが, つのリー群の組 を用いればクリフォード・クラ イン形

回転に対応したアプリを表示中に本機の向きを変えると、 が表 示されます。 をタップすると、縦画面/横画面に切り替わりま

本装置は OS のブート方法として、Secure Boot をサポートしています。 Secure Boot とは、UEFI Boot