• 検索結果がありません。

博 士 学 位 論 文

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博 士 学 位 論 文"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 学 位 論 文

127

2015

(2)

本号は学位規則(昭和28年4月1日文部省令第9号)第8条の規程による公表を目的として、

平成27年9月12日に本学において博士の学位を授与した者の論文内容の要旨および論文審 査の結果の要旨を収録したものである。

学位番号に付した甲は、学位規則第4条1項(いわゆる課程博士)によるものである。

創価大学

(3)

ペレス デブランド フアン マヌエル 経済学

127

平成 27年 9月 12日

学位規則第4条第1項該当

創価大学大学院学則第31条第2項該当 創価大学学位規則第3条の3第1項該当

The Sustainable Development of Industries:

The Case of the Auto Industry in Mexico

(産業の持続的発展:メキシコの自動車産業の事例)

経済学研究科委員会

主査 Philippe Debroux 経済学研究科教授 委員 栗山 直樹 経済学研究科教授 委員 Jorge Carrillo フロンテラ ノルテ大学教授

(4)

論文題目

The sustainable development of industries:

the case of the auto industry in Mexico

(産業の持続的発展:メキシコの自動車産業の事例)

[論文内容の要旨]

本論文の目的は、持続可能なメキシコの自動車産業の発展の見通しと、短期、中期、そし て長期の変化の分析である。

まず、本研究の問題意識や推論、課題を形成。設定するまでの課程や背景を説明し、その 妥当性を示すことを主な目的としている。本論文は3つの部分に大きく分けられている、

1)自動車産業の発展:a) 自動車産業の発展過程や現在の状況を把握し、今後の業界の発 展の可能性を探求するために、第一に先行研究の文献レビユーを中心とする当該産業発展 形態の段階について検討する。

100年間の歴史でメキシコ自動車産業は時代によっていくつかの発展の段階を踏んでき た。1950年代の import-substitution の概念にもとづいている保護主義的、内発的な 発展志向から1970年代からの自由市場主義的な発展の形態への推移を概観し。メキシ コの現地企業は供給連鎖の中にいるものの、現地の全ての自動車最終組み立ては外資系企 業によるものである。Ford, GM, Volkswagen などの企業はすでに 50 年間製造拠点を有して いる。一方で、直接投資に関してのメキシコ政府の open policy の結果として、日本車メ ーカーを含めた他の企業は比較的最近メキシコに生産拠点をつくった。

b)先行研究の第二は、持続可能な発展の概念をめぐっての議論を検討する。環境、社会、

経済、企業統治 - Economic-Society-Environment-Governance-related (ESEG) の分析と 指標が、企業戦略のパフォーマンスと行政の政策を理解するための重要概念として説明さ れる。この概念は今後、市場で影響力がますます大きくなるといわれているから、新たに 多角的広い視野から産業発展の形態をみなければならないとの問題意識を強調している。

2)自動車産業のグローバルトレンド:a) 自動車産業の中の特徴と鍵となる新しい科学技 術とプレイヤー、そして新興市場の出現などの新しいトレンドが説明される: b) 次に、

3つの成熟した市場と3つの新興自動車産業の市場の発展の形態と進化が比較される。自 動車産業は大きな変化の前夜であり、メキシコの特定のケースを分析するためにそれらの 変化をグローバルな観点からどう位置付けるかについての理解を中心に検討を試みている。

3)メキシコの自動車産業:メキシコの自動車産業の発展は優れており、更に直接投資や 国の有利な地理的条件という強みのおかげでメキシコの国際的な競争力が高まった。これ を可能にした要因には、環境、社会、経済、企業統治が関連しており、メキシコの自動車

(5)

業界の発展を支えるのにさらに重要であるということについて説明する。

Michael Porter のダイヤモンドの概念を使って、この論文はメキシコのダイヤモンド型構 造、現地の労働市場、発展への道について研究し、そして業界の持続可能性についての主 要な投資者の視点を分析している。

過去数十年、メキシコの自動車産業は発展し続けた。メキシコの SWOT 分析はたくさんの強 みを見せる。メキシコ政府は FDI を奨励するビジネスフレンドリーな環境をつくって、メ キシコの自動車産業は NAFTA の協定の利点を最大限に活用できた。しかも、メキシコは若 い人口が多く、従属人口指数が低い。ゆえに、市場と労働アクセスの開発可能性があると 考えられる。その結果、自動車産業と自動車の輸出は、以上の業界成長の仮説を支えつつ、

多国籍企業が現地産業の活動を発展させる過程を通じて、メキシコの国際競争力を高める ことにつながる。

以上の点にもかかわらず、いまだに弱点は存在している。NAFTA の協定を利用してアメリカ に対しての輸出戦略を取っている。確かに、今までその戦略は成功の要因につながったが、

アメリカ市場への依存度は非常に大きく、重大な弱点になる可能性がある。Michael Porter の Double diamond 概念が使われていればメキシコとアメリカの diamonds は強く結びつい ているということがわかる。アメリカはメキシコ車の最大の輸入国であり、部品の主なサ プライヤーである。今のところ、国内市場は相対的に規模が小さいままでのこっている。

メキシコのジニ係数は相対的に高い。つまり中間層向けの高水準の車のための市場がある が、人口の大部分はメキシコ製の車を買う余裕が無い。メキシコは low cost の車をつくっ てない。低所得層のメキシコ人は相対的に環境に優しくないアメリカから流れてくる中古 車を買う。

供給連鎖の一次サプライヤーにはごくわずかな数の国内企業しかない。高い付加価値の部 品を作っているサプライヤーは外国の進出企業である。技術のある労働者の不足と、その 需要に答える教育システムの困難さもまた大きな弱点である。売り手市場では労働コスト は上がる。そして異常に高い転職率は企業に人的資本への投資や開発をためらわせる。

加えて、メキシコの自動車産業が発展していくための総合的な計画が不足している。メキ シコ政府は放任主義的な政策を維持し、地元のサプライヤーと外国のアクターに価値連鎖 の中のメキシコの立場を上げるために動機づけをほとんど提供していない。メーカーと官 界、学界の間の制度的な関係の準欠如が国際市場で競争できるメキシコ産の車 (新しい科 学技術、環境関連の) の開発の可能性を制限している。結果として、当分の間、地元の付 加価値は低いまま残る。しかも、中国とインドのように発展途上国向けの low cost 車の開 発に乗り遅れてくる恐れがある。

ただし、発展へ導く機会は存在しており、今の弱点は今後のメキシコの将来的な持続的な 発展の可能性を高めていくと思われる。脅威があるが可能性も多い。ただし可能性を拡大 するためには弱点と強みのバランスを取らざるを得ない。自動車産業の変化はメキシコに とって自動車産業の持続可能な発展過程にプラスになり、更なる発展要因に変わる。

以上の考察を基礎に、ESEG 指標がますます重要になると指摘する。ESEG 指標を使用してメ

(6)

キシコ自動車産業観察してみれば、経済的側面で、メキシコはたくさんの強みを持つ可能 性を持っている。例えば、大量生産の能力と低い生産コストが持続的な競争優位性であり、

地元のサプライヤーを発展させる機会がある。従属人口指数が低いから、国内市場が拡大 する可能性が大きい。

社会的には、メキシコは開かれた労働市場があるが、技能のある労働者が不足している。

その結果、知識移転に関連するチャレンジがたくさんあり、それが産業の水準向上を阻害 している。環境の面では、メキシコはリサイクルの方針を始めているが、都市計画の設計 には進展していない。燃料効率を上げる包括的な政策に従事する動機づけもほとんどない。

統治に関しては、生産のクラスターをつくって、イノベーションを育む訓練計画を支える ために連邦レベル、州レベルでイニシアティブが取られている。しかし、研究クラスター についてはほとんど無い。そういう面でも中国とインドにくらべれば、メキシコは遅れて きたといえる。

ESEG 指標から見た以上の遅れが、今後の自動車産業の発展の可能性を示唆していると結 論づける。

[最終試験の結果]

Jorge Carrillo 教授は論文について以下のコメントと質問を述べた。この論文の包括的な アプローチはメキシコの自動車産業の広い観点を提供している。多様な観点から鍵となる 問題を理解することだけでなく、その問題を簡単だが正確な方法で理解する機会を提供し ている。

しかし、方法論はより明確で具体的であるべきだ。Carrillo 教授は利用された文献は相当 であると考えているが、ペレス デブランド フアン マヌエル氏が研究者達の自動車産業の国際的な拠 点である GERPISA の研究の結果をより良く使わなかったことを残念だと考えている。

6 つの他の国々と比較することは啓発的だが、メキシコの場合とのつながりをもっと明確に するべきだ。この論文はマルチステイクホルダーのアプローチを採用するが、産業の中で 重要な役割を果たしているのに、市民社会や消費者、労働組合などの鍵となるステイクホ ルダーが出てこない。

論文で書かれたように研究開発活動に外資系企業が投資していないのは事実ではないかも しれない。実際、その企業のうち新しいタイプの車両を開発するためにリサーチセンター をつくっているケースが多くなってきた。より深く多国籍企業の研究開発活動に関して実 態調査が望まれる。

栗山直樹教授はクラスターの創造の問題を考慮するべきだったと考えている。なぜなら、

自動車産業の発展の中でそれらは重要な役割を果たしているから。現地調査は短すぎて、

全体の供給連鎖の機能の実態を把握するためには不十分であるとの指摘があった。論文の 中で ESEG の指標が強調されているが、Michael Porter の概念である shared values につい て語られていない。それが持続的な発展の問題に直接つながるにも関わらずその考察がな

(7)

かったことは疑問である。栗山教授はまた、日本での研究を活かすために、メキシコの自 動車産業の発展と日本の自動車産業の発展の比較をすれば良かったと考えている。特に、

メキシコの自動車産業の労使関係と日本のそれについて言及がないことは、残念であった。

最終試験後、ペレス デブランド フアン マヌエルはコメントと質問に答え、そのコメントと質問に従 って、論文のテクストを変更した。

以上の質疑と論文の変更後論文の評価が行われ、3名の審査員は以下の理由から、ペレス デ ブランド フアン マヌエルが今後研究者として専門的研究を継続する能力を有していると判断した。

1 メキシコの自動車産業の発展に関しては、日本では、ほとんど先行研究かない。この論 文はそのテーマについて独自に資料を収集、分析しているため科学的な貢献が大きい。

2 特に ESEG 指標の視点から自動車産業を検討していることは評価に値する。これから明ら かなように、本論文には十分な独創性か認められること。

3 大学院博士課程在学中の 3年間で3 回の学会発表、3本の論文執筆を行っており、 論 文のうち 1本か査読付論文として学会誌に掲載されるなと、論文の学術的水準が学会レヘ ルで評価されていること。

3 論文の変更は最終試験の時のコメントと質問に適切に回答していると思われる。

以上により、ブランド フアン マヌエル氏の論文は博士論文として十分な内容と水準を有しているも のと判定する。

参照

関連したドキュメント

さらに、第 5 章では、第 4 章で明らかとなった課題を踏まえ、ICT

第二部は実験経済学研究であり、自分自身の所得と他者の所得を再分配できるときに、どのよ

TribV2は過去の報告で、その過剰発現によりマウス移植実験でAMLを発症することが示され

5.2.1 表面磁石型 表面磁石型 表面磁石型 表面磁石型磁気歯車の構造 磁気歯車の構造 磁気歯車の構造 磁気歯車の構造.

特に、米国では 1986 年の内国歳入法 482 条改正を契機として、無形資産取引へ独立企業原 則を適用する利益法の議論が発展しており、OECD においても、2010

第三章では、ロバート・ハートが中国の郵便事業の発展において、とりわけ客郵の存続に果たし

第 3 章から第 5

「中国は世界の工場」と言われているが、中国の製造業