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1緒言

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Academic year: 2021

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(1)

長崎大学教育学部自然科学研究報告 第23号 133‑142 (1972)

湿った砂鉄の乾燥特性 第1報 乾燥特性及び伝熱特性

野澤 勝廣

長崎大学教育学部産業技術科教室 (昭和46年10月30日受理)

Drying Properties of the Moisture Iron Sands 1 Drying and Heat Transfer Properties

Katuhiro NOZAWA

Technological Laboratory, Faculty of Education, Nagasaki University, Nagasaki

(Received October 30, 1971)

133

Abstract

This paper is written about drying properties of the cylindrical moisture iron sands. Range of distribution of granular diameter of iron sand is layed from one hundred fifty to twenty Tayler's mesh.

The experimental sample is chosen to use size rauge of iron sands from sixty to eighty Tayler's mesh.

Cylindrical brossy nets of diameter size is used 15, 25, and 40φmm.

Atomosphere temperature in the dryer is set up 40,60,80,130,160 and 200℃

Experimental results may be summarized as follows: the charactristic of experimental heat transfer coefficent is shown very much theorytical furmular, there are made clear for design of dryer important term's.

1緒言

乾燥操作は物質移動と熱移動の同時に起こる現象である。その現象は複雑であり,一つの原 理で全部の物質の乾燥特性を説明することは不可能である。本報においては乾燥の基礎的研究 を目的とし,円柱状砂鉄の乾燥特性を恒温乾燥器によって実験的に求めた。そして検討した結

(2)

果乾燥器の設計資料として十分に寄与出来る結果にまとまったので,ここに報告する。

2 実験装置と実験方法 2.1実験装置

実験装置は図1に示した通りである。記号に従って各部の名称を記する。

}①

④②③ ㊦ ㊦

1

璽3黍

耀 ①○

1! ⑩ 丁

図1 実 験 装 置

  1 恒温乾燥器本体   2 重量変化測定試料   3 温度分布測定試料

  4荷重変換器   5 抵抗電圧変換器   6 直流電圧計増巾器

  7 2ペン記録計   8 オリフィス   9 マノメータ   10送風機   11電磁開閉器   12温度調節器   15冷接点

  14 電圧計増巾器

  15記録計

次に装置について説明する。最初に恒温乾燥器の雰囲気を設定温度になる様に,温度調節器

(3)

湿った砂鉄の乾燥特性 155

⑫と電磁弁@を用いて温度の調節を行いその経過記録を温度記録計⑮に記録させた。そして一 定温度に保たれると,乾燥器前方のドアを開いて,試料②③を設定した。②④⑤⑥⑦は重量変 化を指示増巾して経過時間と同時に記録計⑮に記録した。送風機⑩オリフィス,⑧マノメータ によって少量の一定量空気を乾燥器内に送ることによって内部空気の湿度が一定に保たれる様 に工夫した。

2.2実験方法

湿った砂鉄円柱を恒温乾燥器に入れて自然対流の状態の中で乾燥操作を行ない,その乾燥特 性を調べる方法として,次の試料と条件によって実験を行った。

2.2.1試   料

砂鉄試験料は,北海道登別市鷲別町の沼岸に露出する砂鉄を用いた。

 i)砂鉄の物性

   真比重 ρ  4.48gr/oが    見掛比重ρB。1k2.66gr/㎝2    空隙率 ε.=1一ρBuik  O.406

      ρ

  ii)粒径分布      表1  粒  経  分  布  粒径分布の測定はTaylar meshを用いた。

砂鉄50grを採集し,ふるい分けした結果は表 1の通りである。今回の実験では,粒子をそろ えるため,粒径分布の最も多い60〜80meshの 砂鉄を用いた。

 iii)筒径および寸法

砂鉄容器は図2に示した通りである。これに あらかじめ調湿した砂鉄を入れて,っき棒で全 体が一様になるまで軽くつき固めて試料を作っ た。円筒内にうめ込んだ熱電対は0.5φmm C

・A線で,表面と中心に最初から固定して取り 付けた。 また使用した金網は真鎮製100mesh のものである。これを同じ針金にて,ぬい合せ て円筒を作った。筒径は,15,25,40φmmの 三種類とした。筒底部はガラスウール板にて作 り,下部からの蒸気移動をしゃ断した。筒の有 効長さ250mmに統一した。

 iv)砂鉄の含水率の調整

砂鉄は非吸着性物質であり,一般的に考えて 恒率乾燥領域の長い物質である。そこで含水率 120%から含水率を下げて行きその状態を予備 実験によって観察した。 120%では完全に水の 下に砂鉄が沈んだ状態である。空隙率から考え

ると水と砂鉄が完全に混合し合うのは(0.406/

4.48)×100=9。06%が水分の飽和状態と考え られる。予備実験の結果は12%より低い含水率

Taylar Mesh

48以 下

48《  60 60一  65 65 一 80 80 一 100 100^  150 150 } 170 170 〜 200 200一 250

250以 上

量9

1.6

2.8 ワ.0

15.7

2.2 8.5 4.ワ 2.6 1.8 5.0

49.7

百分率%

5.5 5.ワ 14.1 51.5

4.4 16.6

9.4 5.5 5.7 6.1

100.0

熱電対

9 ●●●

o θ 9

9

o●.

9 ooつuつqcq

. . o ●

o

■o 9●

 ρ

●●

9

●●

砂鉄

中心温度 表面温度

金網

θ.●

ρ

・・、●

 0●θρ

●  θ9  9  一〇

図2砂鉄容器

(4)

であれば金網からの水分の浸出が無かった。本実験においてはこの含水率を厳密に調べる必要 がないので省略した。以上の結果を考えに入れて初期含水率を9%前後に調整した。次に恒率 乾燥期間については,予備実験を行ない含水率5%前後までは恒率乾燥期間である事を確認し た。予熱期間も含めて, 恒率乾燥の特性を求めるには十分な初期含水率であることを確認し

た。

  v)実験温度範囲

 温度設定の範囲は一般的に考える応用の範囲とすると箱型乾燥器およびその他の乾燥器にお いても20〜200。C位が適当であろうと考えて,また1500Cを超えると壁面からの輻射伝熱の効 果も大きくなるので,今回は40〜200。Cの範囲にわたり40,60,80,150,170,200。Cの六種 類とした。

 vi)実験回数

 実験回数は各雰囲気温度各径について各々5回測定を行ない。不均一なデーターについては 再実験を行ない,平均値を求める段で考慮した。

 vii)実測記録

 実測値の例は図5に示した。これは重量変化と温度を同時記録したものであり,AB間は予 熱期間である。C D間は減率一段の乾燥である。

o A B C D

6  輯 、\

薗 一  一  葡  一   一  一  一  一  _ 一ヤ¥、ぐ¥

¥、噛へ    ¥

\ ¥ ≧__  水分重量変化

中心温度 表面温度

経過時間hr

図3 実験データ線図

3.実験結果と考慮

 3.1含水率変化と経過時間

 これについての実験結果を図4図5に示した。図4図5における含水率は・重量変化の測定 データから計算によって求めたものである。

 本報は恒率乾燥および減率一段の状態を観察することが主目的であるので・この観点から考 察すると,図4図5に示されるごとく,恒温乾燥器内での予熱時間は・乾燥器内が定常状態で あれば40。Cでは50分,200。Cでは5分程度である。それ以後は,含水率の変化速度はいずれ の場合も例外なく一定となり,恒率乾燥期に入り,含水率1〜3%まで乾燥はそのまま続き・

(5)

湿った砂鉄の乾燥特性 157

蔓9

3

7

6

5

4

3

2 、o℃

 \

170℃

13Q℃

80℃

6¢℃

直径15φ観

』げc

u nあ        1       0.5       2

図4 含水率変化と経過時間の関係

鍾lo

9

2000C

170℃

Q

13)℃

81レ℃

直径25φ繊

又一

O  I

図5

  2       3       塾

含水率変化と経過時間の関係

5 6

それ以後は減率乾燥に移行していることを示している。図4,図5において,実測値が各温度 各径において各々が平行であれば,いずれの実測値も同じ傾向を示すことを意味している。実 験始めの含水率の調整と予熱時間の不確定の要素から全部のデータが完全な一致はしないので

ある。

(6)

3.2乾燥特性曲線

 乾燥の特性を一般化するために縦軸に乾燥速度,横軸に含水率を取って,実測値を整理した ものが図6である。図6によると筒径40のについては温度が低い程実測値が良い再現性を示し ている。炉温が高くなる程,バラツキが大きくなるが本実験においてはその誤差の精度は最大

±5%以内である。これは初期湿度の若干の違い。雰囲気温度の温調の精度等が主な原因と考 えられる。しかし工学的見知から設計資料として十分耐えうる精度である。

o

bOl

5

4

3

2

1

0

2()0℃ 直径40φmm

170℃

130℃

Sl)℃

60℃

40℃

1 1 1 f t

1 2 3 4 5 6 8 9      R)

含水率%

図6乾燥特性曲線

(7)

湿った砂鉄の乾燥特性 159

5

9

o

bO α   4

3

2

1

0

200℃

0  恒率乾燥速度実験値

△  W=LO%減率一段   乾燥速度 実験値

170℃

\2・・

  \\

    \△

る録。\\

   \、

    \へ  弍 迅  \《o

 \      \   \き30    \△、

    \

\     \

 の      

  璽。  \、

 、△、

60 \80

・望ミ≧k一

電響_、冬〜一一念

  40、△一__

15 25 40

筒径Dmm

図7 乾燥速度と筒径

 3.3 乾燥速度におよぽす筒径の効果

 乾燥速度と筒径の関係については図7に示した。縦軸に乾燥速度,横軸に筒径を取り,恒率 乾燥速度および,含水率w=1.0%における減率乾燥速度の実測値を考察すると乾燥器内温度 が,170。C以下においては,筒径が大きくなる程乾燥速度は低下する傾向を示している。,所で 2000Cでは反対に増加の傾向を示している。このことは,この種の箱型乾燥器においては170。

C附近で輻射伝熱量の効果が顕著になるためと考えられる。雰囲気温度が低い場合については 自然対流熱伝達の影響を受けるので,これに左右される。即ち自然対流熱伝達の垂直壁面への 伝熱は(Gr)ラ左に比例する。筒径の一%乗に比例することが考えられる。実測値の蔚求めて みると40〜1500C位まではほぼ直線的に増加するが1500Cを超えると急激に輻射熱伝達率は増 加する。従って今回の実験値の特性も輻射熱の特性の効果が表われたと考察される。

(8)

5.0   4.O

㌔3・o δ

頃 2.0

嚢i1.0 癬\

0.5 O.4

0.3

0.2

015φ

 25φ  40φ

 a

/口

10 20 50       100 130170200

  乾燥器温度℃

図8 恒率乾燥速度と乾燥器内温度

 3.4 恒率乾燥速度と乾燥器内温度

 恒率乾燥速度を縦軸に取り乾燥器内温度を横軸に取り,筒径をパラメータに取って整理した ものが図8である。これによると筒径の影響は若干現われているが,筒径を15〜40φmmの範 囲に限定すればほとんど直線的に増加する傾向がある。

 3.5 恒率乾燥時における伝熱特性

 恒率乾燥時において,円柱砂鉄の表面での伝熱機構は,自然対流熱伝達と輻射熱伝達の共存 する状態である。今総括の熱伝達率α,自然対流熱伝達率α,,輻射熱伝達率α.とすると次式 で示される。

    α=α。十α7      (1)

 実験値はこのαのみしか求まらない。そこでα。については次式から求めた。

    Nu=0.56 (Gr)殖 (Pr)匁       (2〕(一)

α.は砂鉄の表面の輻射率ε=0.9として現論値を求め図9の△印で示した。これによると筒径 15,25,40φmmについて各々のαの実験値を求めて整理したものが図9,図10,図11である。

また(2)式を変形すると次式となる。

(9)

湿った砂鉄の乾燥特性 141

Q

oト1

戯 30

iヨ

o

o 20

姻15

凝10湿 鯉  10

△e=0.9 D=15φmm O実験値

O

1

20       50       100   150 200

       温度差△t℃

図9 熱伝達率と温度差

9主30

邸 20

静15

蒸10   10

D=:25φmm

O

20 30 50  100  150 温度差△t℃

図10 熱伝達率と温度差

oト司Q

> 20・

8

題10

D=40φmm

δ

!ξ

10 20 50   100  150 温度差△t℃

図11 熱伝達率と温度差

(10)

   ασ=f・(△t)死       (3)

 実験値の整理において,¢,が△tの%乗に比例する状態で直線を引いたのが図9図10図11の 中の実線である。これによると乾燥器内温度が低い方と高い方について若干のバラツキがある が,傾向として(3)式と良く一致することが明らかとなった。

 ここではさらに自然対流のみによる熱伝達を実測する必要があるが,相当に困難な実験であ るので今回は省略した。しかし,表面熱伝達率が従来の理論式を適用した場合に実験値と良い 一致を示すことが明らかとなったので乾燥器の設計に十分利用出来る。

4.結

 恒温箱型乾燥器内に円柱状砂鉄を釣るして砂鉄表面の乾燥特性曲線,乾燥速度,表面熱伝達 率等の実験値と理論値とを検討した結果次の結論が得られた。

 1.乾燥特性曲線から60〜80meshの砂鉄は箱型乾燥器によって乾燥する之含水率2%前後 まで恒率乾燥期聞である。

 2.乾燥速度におよぼす筒径の効果は径が大きくなる程低い値を示す傾向がある。

 3.恒率乾燥時における伝熱特性は,垂直平板の自然対流の(2)式と,輻射熱伝達率を求める 場合のε=0.9とした場合の計算値とを加えたものが実測値と良い一致を示した。またαにつ いて(3〉式のα。=f・(△t)兄の型と同様に表現され40・》200。Cまでであれば(3)式の表現が出来る 事が実験的に明らかとなった。

本論文は室蘭工業大学第二部昭和45年卒の荒谷,堀田(2)両君の卒論の一部としての努力に よる所大である記して感謝の意を表す。また水野先生ご指導のもとで本実験を推行させていた だき榎氏の協力を得た。ここに記して敬意を表す。

参考文献

1)伝熱資料 日本機械学会

2)室蘭工業大学昭和45年卒業論文 荒谷・堀田

記号

ρ:真比重量 gr!cm3 ρB皿1k=見掛比重 gr/cm2 εV=空障率  1一ρBulk

       ρD:円筒径mm L:筒長さmm

Gr:グラスホク数

α;総括熱伝達率 Kca1/m2hr。C α・:自然対流熱伝達率 Kcal/m2hr。C

αr:輻射熱伝達率   Kcal/m2hr。C αヂヌッセルト数

Nu:プラントル数 f:定数

△t:表面と雰囲気温度の差。C

参照

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