三並大盤物資源紀腰 第14号:143〜149 平成7年3月25日
各種食品廃棄物に含まれる糖類の分析
久松 展・福本 敦子・野田 高弘*・寺西 克倫・山田 哲也
三盛大学生物資東学郎食品化学研究乳●戯林水産省九州億兆試験場
Sug乱rCompositionsofpolysaeeba.rideFra.etions fromVario11SIndustrialFoodWa$teS
MakoもOHISÅMATSU,TakakoFuKUMOTO,TakahiroNoDA・,
KatsunoriTERANISH工andでetsuyaYAMADA
LaboratoryofFoodChemistry,Facult)・OfBioresourees.
Mi8University.でsu514,Japan
●KyusyhuNationalAgrieulturalExperim¢ntS七色tion,
Min如ryoどAgrieu加r8yOreStryandyisheries,Ⅹum邑mOtO86ト11,Japan
Summary
Polysaeeharま由fractions rrom variousindustrialrood wasもes were obtained by Sequentialextraction with hot waもer and24%KOH.でhe sugar eomposiもions of alkalineextracts,Which thought tobecomposed of hemicellulose,\VCre detel■mined.
Th8hemまcellulosefromcornpeel,S¢Samlpeelandbagasseappearedtoconsi8もmainly Ofarabinoxylan・でhe鉦息etionfromyeasthadhighかucoseandmannose,SuggeSting
thepresenceofglucanandmannan・Arabinogalaetan払oughttobemaincomponentinh¢mまcellulosiefracもionsrromokaraandsweetpotato離息rCbresidue.Thealkaline extraetfraetiousrromsak紘a餌,SOy組uCekasuandcellofAc雨0わαe紬rshowedhi如
glucosecontents.
Keyword$‥pOlysaccbaride,foodwaste,SugarCOmpOSition,hemicellulose
ストラリアでは,380万トンの原糖を砂糖きびから生産 しており,排出されるバガスは,砂糖生産盟の3〜4倍 の駿にもなる。これらは,一郎家畜の飼料として利用さ れる他は,焼却または投棄されているのが現状である。
一方,肉の自由化と人件費の高騰から畜産経営の合理化 が進み,家畜の飼料ほ自動化で与える傾向にある。水分 含魔の多いこれらの食品廃棄物は,自動化された飼料供 給のラインをつまらせ,飼料の腐敗につながる原因とな るので敬遠され出した。しかし,地球環境の問題から今 後も投発を続けられると考えることは難しく,焼却しか 選択が残されていない。このことば,製品コストを上げ 緒 嘗
豆鳳 胡麻,淑粉,酒,食酢,砂糖等を生産している 食品廃尭では,毎日多数の廃棄物が生じる。例えば,豆 腐を製造する祭に,大豆1Ⅹgにつき,1.4Kgのおから が生産されるという。従って大規模の豆腐工場では,一
日当たり数トンのおからが生産される㌔又,鹿児島県 を中心とした南九州地方において,サツマイモ澱粉が製 造され,その際に,副産物として澱粉栂が生じる。その 選ば,年間,1万5千トン〜1万8チトンに適するとい われている。さらに,世界有数の砂糖原産国であるオー
久松 底・福本 政子・野田 商弘・寺西 克倫・山田 哲也 144
回洗浄した。この洗浄液ほ上澄みに加えた。得られた残 浩に1NHClを適意加え,中和後,メタノール,アセ
トンの腰で洗浄し,鵬晩真空乾燥した(E)。山方,上 滴は6NHClで中和後,濃縮し,これに3倍魔のエタ ノールを加え,ヘミセルロースと考えられる物質を沈殿 させた。この沈殿物を遠心分離により回収したが,この 沈殿物中には櫨の析出物も含まれていたので,これを除 去する冒的で,沈殿物に適盛の蒸留水を加え溶解し,3 倍盤のエタノールを加える操作を3回線り返し脱櫨処理 を行った後,少数の薙留水に溶かし凍結乾燥した(D)。
3.試料申のタンパク質含有盤測定法ら)
各試料申のタンパク繋含有盈はケルグール怯(NX 6.25)により測定した。
4.各画分の糠含有盈測定法
各紙料申の全糖應ほフェノールー硫教法6),ウロン教 含意はカルバゾール硫酸法6)により測定した。
5.各画分の中性糠組成分析
各画分の中性柏組成は,アルジトールアセテート誘導 体にしてガスクロマトグラフィーで分析を行った‖。ま ず,ねじ付き試験管に,紙料5mg・をとり,2Nトリプ ルオロ酢酸(1.Oml)を加え,1200cで1時間加水分解 を行った。次いで,イソプロピルアルコール(1.Oml)
を加えてスプレー紀聞を2匝l行った。この分解液に水酸 化ホウ紫ナトリウム溶液(NaBHjlOmg/1MNHjOH lml)0.5mlおよぴガスクロマトグラフィーの内部標 準物質としてイノシトール溶液(1mg・/ml)0.1mlを 加え室温で1時間放置し,分解液中の機を糖アルコール に遼元させた。反応後,水冷しながら,5N酢酸0.1ml を加え,過剰の水紫化ホウ素ナトリウムを分解した。そ の後,ホウ一晩∴れ∴酢酸を除去する目的で,酢酸−メタ ノール溶液(酢酸:メタノールニ1:9)1.Omlを加 えスプレー乾固した。この操作を3回行い,更に過当魔 のメタノールを加えてスプレー乾固を3同行って,一夜 炎空乾燥した。ビリジン0.25mlと無水酢酸0.25mlを 加え,ねじ付蓉試験管のキャップをしっかり止め,120 0cで20分間反応させ,楷アルコールのアセテル誘導体 を調製した。反応後,水冷し,栄留水0.25ml,メタノー ル1ml,トルエン0.25mlを加え,400cにてスプレー るばかりではなく,化石燃料の浪牽と,地球の温暖化に
結びつ轟極めて深亥Ijな問題である。
そこで,食品廃薬物と考えられていたものから付加価 値のあるヘミセルロース,β−グルカン等の有効成分を 取り出せば,廃乗物の盈が軽減される。このことば,廃 棄物の焼却盈が減少することを恵味し,相当魔のエネル ギ岬の節約となる。また,細胞壁に由来するオリゴ糖が 植物の伸長や分化器官形成,生体防御などを制御する慶 姿な因子であることが判明して添ており2),得られた多 糖や部分加水分解して得られるオリゴ糖にほ,食品添加 軌 微生物や植物細胞の生長促進物風 土域改良凱 細 胞安定剤等の未知なる利用法が考えられる。したがって,
新規の産米分野を開拓で轟る可能性がある。
本研究では,食品廃盤物を未利用資源と認識し,有効 利用法の開発を呂的として,各種食品廃棄物から多糖を アルカリ抽出しa)一4),楯組成の特徴から含まれている多 糖の穫麟を推察することを試みた。
実 験 方 法 1.実験試料
オカラ,バガス,胡麻外皮,トウモロコシ外皮,サツ マイモ澱粉粕,乾燥酵乳 歯油テ乳酒粕,食酢菌体を試 料とした。含水試料は,凍結乾燥し,植物の種皮はミル で粉砕した。オカラ,酒粕は三窓凝工莱技術センターよ り,バガス,サツマイそ澱粉柏は慮林水産省九州戯米紙 験域より,胡麻外皮は九鬼産米(株)より,トウモロコ シ外皮はサンエイ糖化(株)より,醤油樺はサンジルシ
(株)より,食酢菌体は中埜酢店(株)より入手した。
乾燥酵母ほ和光縄張より購入した。
2.多糖画分の分画
各試料(A)を1晦坪数し,発願水を150ml加え,
120℃,30分オートクレープした。これらを遠心分離し,
上澄みと残遭に分けた。残癒を蒸留水,メタノール,ア セトンの順に洗浄し,叫夜露空乾燥した(C)。上澄み は洩縮し,凍結乾燥した。(B)。
オートクレープによる熱水不溶性残漆Cの2.5gを,
24タ石水酸化カリウム溶液100mlに懸淘し,餐紫置換し ながら,山夜40cで撹絆し,アルかj可溶両分の抽出を 行った。次いで,遠心分離を行い,残液は少蟄の水で3
食品廉廉物に含まれる糖類 145
乾固した。その後,メタノールを適旗加えてスプレー乾 固を2同行った。次に塩化メチレン2mlと水1mlを 加えて振劾し,アルジトールアセテート体の抽出を行っ た。遠心分離をして水層と塩化メテレン層に分机 水屑 を除去した。更に,水を適当恩加えて,墟化メチレン層 を2珂洗浄した後,墟化メチレン層を乾燥した別のスク
リューパイアルに移し,スプレー乾固した。最後にアセ トン0.2岬0.5mlを加えてアルジトールアセテート体を 溶解し,これをガスクロマトグラフィーの試料とした。
ガスクロマトグラフティーは下記の灸件で行った。
注入温度:250℃
カラム温度:140〜2100C(5℃min−1)
カラム:SUPELCO SP−2330 0.25mmx3OmlD
注入燈:1〟1
なお,スタンダード(既知試料)として,(1)ラムノー ス,(2)フコース.(3)リボース,(4)アラピノース,
(5)キシロース,(6)マンノース,(7)ガラクトース,
(8)グルコース,(9)イノシントールを使用した。上述 の操作でスタンダードを調整したときのガスクロマトグ ラムをぎig.1に示す。
Fig.1Gaschl・OmatOgl・amOfauthenticalditiol acetates.
1.Rhnmnose,2.Fucose,3.Ribose.
4.År8.binose,5.Xylo5e,6.Mnnose,
7.GalELCLose.8.Glucose,9.Inositol
(internalstandard)
結 果 1.熱水及びアルカリ抽出による収魚
上述の抽出法により得られた試料の収盈及び収率を Tablelに示した。サツマイモ澱粉柏,酒粕は熱水に 半分以上溶解することが判明した。他の試料については 原材料の60%〜80%が水不溶画分となった。オカラ,
TablcIVieldsofeachfractionfromval■iousindustrialrood\\・aSteS(10g)
Hot\\・ater Residue afterhot Allくaline nosidue after
Foodwasもes extract allくalineextraction
(D)(g) (E)(g)
extraeも water extraction
(B)(g) (C)(g)
Okara Cornpe¢1 Sesami peel Bagasse S\\−eetpOtatO Celloダムce£0あαC£er Soysaueekasu Yeast Sakekasu 50 Sakekasu70
2 1 2 3 6 7 3 9 8 7 6 7 nU 9 6 8 5 9 nV 盃U 1 0 0 2 ごU 2 0 2 7 4 2 5 3 EU 4 8 7 7 6 6 7 ︵‖0 5 6 ウリ 5 ∩∂ 2 5 1 6 7 7 7 ∧くU 6 7 6 2 4 0 9 0 1 1 6 仁U n■U 5 0 ハU 1 3 4 1 6 9 9 4 9 2 5 1 3 4 5 7 7 8 1 0 5 0 3 0 4 2 2 1 1 1 0 A.1 ∩
2.8⊥1 0.9▲1
0.42 Enehindustrualfood\\・aSte(A)\\▼aSSuSPendedin150mlofdistilled\用ter、EulLocla\redfor30min,
andcentriruged.Thesupernatant(B)waslyophilized,andtheprecipまはte(C)was rinsed wiもh distま11edwaterandthendrまedⅥ7i払methanolandacetone.でhefiber−1ikematerials(C)wastreated with249・6Ⅰ(OHin order to extract hemicellulosic materials(D).】nsoluble materials(E)in
【he allくalinesolution、、Tere COlleeted b)−Centrifugation.neutralized\VithlN HCland dried\\rit、h methanolandaeetone.
−:nOt determined.
久松 巌・福本 教子・野田 嵩弘・寺西 克倫・山田 哲也 146
とうもろこし外皮,バガス,酵母,酒粕のアルカリ可蘭 画分の収盈が高かった。胡麻外皮,バガスはアルカリ不 溶画分の割合も大きいことが判った。
2.タンパク質
各試料(A)のタンパク質含有應はでable2 に示す ように,食酢菌体が約60%,酵母が約40%と商い植を 示した。植物起源の試料の申では,オカラが約20%と 若干高かった。サツマイを澱粉柏,バガスはともに低く,
2%に満たなかった。アルカリ可溶画分(D)のタンパ ク質含有飽は,食酢菌体が25%であったが,他の試料 については,6%未満であった。
3.糖類
各多糖画分に含まれる全糖盈,ウロン駿含有蕊を Table3に示した。アルカリ可溶画分(D)の多糖含有 盤についてはトウモロコシ外皮,バガスが約90%と高
く,ウロン駿含有盈は,サツマイモ澱粉柏,オカラ,ト ウモロコシ外皮,バガス,醤油繚の植物起源の試料につ いて,比較的高い値を示した。
中性糖組成分析の結果(でable4)をみると,アルカ リ可溶画分(D)の中性糖は,トウモロコシ外皮,バガ スはキシロース,オカラ,サツマイモ澱粉粕はガラクトー ス,その他の紙料はグルコースが蔑も多く含んでいるこ とがわかった。この蘭分を占める中性糖組性比のパター TELble2 Protein content ofeach fraction
Total food Residueafterhot、
Food\\一aSteS \VaSte WatereXtraCtion
(A)(%) (D)(%)
4 9 2 9 1 3 4 7 1 1
9 9 7 1 1 7 0 9 7 7
1 5 2 3 1 3
Okara Cornpe¢1 Sesami peel Bagasse S\VeetpOtatO CellorAce£0むαごまer SoysaucelくaSu Yeast
SakelくaSu50 Sakekasu70
D2︑92 3 2
一N O.4.4.5.一4. 2ND:Not deteeted. −:Notdetermined.
Table3 Totalsugaranduronicacidcontentsofeachfraction
Residueafterhot water extraction
(D)(%)
Residue after alkalin()eXもracもまon
(E)(%)
Hot water extract
(迅)(%)
Food\\・aSteS
Total Uronic
SugaI・ aCid でotal Uronic
8ug・ar aCid
Total Uronic Sugar aCid
0 2 3 0 1
8 7 1 6 1
4 2 4 2 9
5 0 3 8 〇一5 3一3
7 4 1 3 1 丘U 4 4 1 10 2 QU O 2 8 3 4 4 3 7 8 4 ▲一lXU 5 1 7 1 2 0
つU
1 0 8 3 3 3 8 5 8 00
5 4 3 5 QU 3 3 2 3 4
1 1 5 4 1 7 7 nO 6 nO 2 5 3 9 2 2 4 7 8 9 7 2 3 8 1 9 6 1 5 1エ l nム
Okara Corn peel Sesa:11ipeel Bagasse Sweetpoもato CellorAee孟0むαごねr Soysaucel沌Su Yeast Sakekasu 50 Sakekasu 70
4 7 0 史U O ハ‖︶ 1 7 つU O
4 0 9 9 9 2 8 7 3 0 4 9 5 5 7 良U 2 4 00 7
−:Not determined.
食品廃乗物に含まれる糖類 1117
Table4 NeutralsugarcompositionsofalkalineextraCtion(I))fronlVariousindustrialfoodl\一aSteS osition(%,W/w)
Neutral su ar COm
Food\VaSteS
Rha Fuc Rib Ara X 1 Man Gal Okara
CorllPeel Sesami peel Bagasse Sweet potato Ce1lorAceよ0むαごねr Soysaucekasu Yeast Sakekasu 50 Sakekssu 70
D D D D D D D D D D N N N N N N N N N N
4D D D D D nD D D
NNNNNNNNN
3ND N N
DDDDD42謂ND3 NN
NNN85529朗8ND31ND4ND
6 1 qU ハリ 6 9 5 5 ウリ 5 2 2 3 1 1 1
52
8
ND ND
34 11
3
ND ND
4
7 6 の0 8 0 0 8 7 3 負U 1 3 3 5 4 5 9 白U
ND:Not detected.
Table5 Neutralsugarcompositionsofhotwaterextract(B)fromvariousindustl・ialfood≠▼aSteS arcomposition(%,W/w)
Neuもraisu Food wastes
Rha Fuc Rib Gal GIc
Okara CorIlpeel Sesami peei Bagasse Sweet potato
CellorAce∠ob凸C亡er Soysaucekasu Yeast Sakekasu 50 Sakekasu70
3 D4 D D19101 1 4 N NN
3963ND ND1
1634112D l l1211 N
D D D D D D D4D D N N N N N N N N N
2 D D D D D6D D D N N N N N N N N
3D8D D157D D D N N N N N N 43817D3417D D l
29 ハリ 3 4 7 9 6 ▲4 7 5
2 RU 9 9 7 3 5 9 9
N N N
ND:Not detected.
Table6 Neutralsugarcompositionsofresidueafteralkalineextraetion(E)from
variousindustrialrood\VaSteS
Neutraisugar composition(軋\V/w)
Food\\raSteS
Rha Fue Rib Ara X 1 Man Gal Okara
Corn peel Sesarnipeel Bagasse Sweet potato Soysaucekasu Yeast Sakekasu j0 Sakekasu70
781840ND柑mlND
22 N N
D D D D D D D D D N N N N N N N N N
3 D D D D D D D D N N N N N N N N
3 D D D D D D D D N N N N N N N N 3 14 D D D 5 2 D 2
36 ND ND ND
王
6
ND ND
4
4 7 ウリ 9 9 2 7 7 8
2 7 6.4 9 5 9 9 9
N N N
NeutralsugarcompositionoffractionErromcellofAcetobacterwasnotanalyzed.
ND:Not detected.
商弘・寺西 克倫・助詞 哲也 久松 巌・福本 蟄子・野田
148
分であり,やはり,残存澱粉で構成されていると考えら れた。酒柏もグルコースが断然多く,これも原料の米淑 粉かその分解物に由来するものと考察できた。また,バ ガスも同様にグルコースが大半を占め,これは,残存す るショ糖などに由来するものと考えられた。…■方トウモ ロコシ外皮はアラピノース,キシロースの割合が高く,
オカラはガラクトースが最も高かったことより,これら の試料では熱水抽出でも,ペクチンまたはヘミセルロー スがかなり溶解することが示唆できた。アルカリ摘出蘭 分の結果をみると,トウモロコシ外皮,胡麻外皮ではア
ラピノースとキシロースがともに多く,アラピノヰシラ ンが主体となっていることが示唆された。バガスはキシ ロースの占める割合が特に高く,以前の報告8〉通り,麗 鎖状のアラピノキシランが主成分であると推定で重た。
バガス申に含まれる直鎖状のアラピノキシランは,キシ ラナーゼで分解し,優性改酋効果などの機能性を有する 直鎖のキシロオリゴ糖の原料として利用していくことが 有望と考えられた。傍油樺はグルコース,キシロースの 順に高かった。キシロースは原料小変のアラピノキシラ ンに由来するものと推定できたが,グルコースがどこか ら由来するものか断定するには,さらに検討が必要であっ た。酵母はグルコースとマンノースが大部分で,グルカ
ン,マンナンが多いと考えられた。食酢菌体はグルコー スを最も多く含んでいたが,ラムノースもAce£0むαC£er の細胞壁構成成分として,かなりの割合を占めるものと 考えられた。山方,酒粕ほこの画分においてもグルコー スが断然高く,除去しきれなかった廠紛,またはその分 解物の混入が考えられた。なお,本研究では,アルカリ 抽出に先だって,シュウ敢アンモエウムのようなペクチ
ンを特異的に可溶化させる溶媒での抽出を行わなかった。
そのため,オカラ,サツマイモ澱粉柏のアルカリ可溶両 分には,ペクチン性多糖であるアラピノガラクタンが多 く溶出したことが示唆される結果となった。サツマイモ 澱粉柏のアルカリ可溶両分にほラムノースも認められ,
また,ウロン酸含有應も多かったことより,アラピノガ ラクタンのみならずラムノガラグチェロナンも存在する ことが推察でき,以前の報告9)を指示する結果となった。
アルカリ不溶画分の成分は,ほとんどの試料において,
グルコースがかなりを占め,たいていは,セルロースに 由来するものと考えられた。しかしながら,バガスでは キシロース,オカラではガラクトースの占める割合がこ ンは,試料により,かなり異なった。山方,熱水摘出両
分(Table5),アルカリ不溶蘭分(Table6)の中性糖 は,たいていの試料において,グルコースの割合が高かっ たが,オカラの熱水抽ぬ アルカリ不溶画分はガラクトー ス,トウモロコシ外皮の熱水抽出画分はキシロースが最 も高かった。また,バガスのアルカリ不溶両分にはグル コースにほぼ匹敵するくらいのキシロースが含まれてい た。
考 察
アルカリ抽出に兜だち,熱水抽出を行い,サツマイモ 澱粉粕,酒髄の熱水可溶性画分(B)の割合が断然商い 幡となった。この理由として,後にも述べるが,これら の紙料にほ澱粉が多く含まれるためと考えられた。熱水 不溶蘭分(C)のアルカリ抽出について分離操作でろ過
も試みたが,非常に粘性が高く,長時間かかったため,
速心さこよる分離が望ましいと考えられた。アルカリ溶液 を中和した際に自沈を生じる紙料もあったが,分離はせ ずにそのまま次の操作を行った。また.脱塩のためアル カ1j可溶画分の透析を試みたが,収率が非常に低かった ため,低分子他物質が多く,膜を通過して水中に溶出し たと考えられた。このため透析は行わず,2倍應のアセ
トンで沈殿させることを試みた。しかし,KClの墟も 同時に析出したため,アセトンでほなく,3倍数のエタ
ノールを用いた。このようにして,アルカリ可溶物質を 得た結果,収魔の比較的多かったものとして,オカラ,
トウモロコシ外皮,静軌 酒粕をあげることができた。
これらはヘミセルロース性の多糖の供給源として有望と 考えられた。タンパク質含段は菌体起源の試料やオカラ では高い億となり,これらの食品廃棄物の利月引こあたっ ては,タンパク質の有効利用についても考慮する必要が あると思われた。ウロン駿含有厳を礪べた結果,オカラ,
サツマイモ澱粉粕,トウモロコシ外皮,胡麻外皮,バガ ス,替地樺のような植物起源の試料については高い檎を 示し,ペクチン性多楓 または粘質他の多糖を多く含む
と考えられた。
水溶性蘭分,アルカリ可溶両分,アルカリ不溶画分に つき,ガスクロマトグラフィーで糖組成を分析した結果,
両分の追いにより,繊細成もかなり異なることが判明し た。サツマイモ澱粉柏の水溶性両分はグルコースが大部
食品廃嚢物に含まれる糖類 149
の両分においても比較的高く,強アルカリ条件下でも,
セルロースのミクロフィプリルになおも結合している多 糖の存在が示唆される結果となった。なお,サツマイモ 澱粉柏のグルコースの占める割合がほぼ100%を示した
ことは,純粋なセルロースを縛る材料としてサツマイモ 澱粉柏は適していると考えられた。これまでの研究で得 られた各種食品廃車物由来の多魔の構造的特憾は明確で はなく今後検討が必饗である。
欝 約
各種食品廃棄物を熱水,アルカリの服で抽出し,ヘミ セルロースが多いと考えられるアルカリ可溶蘭分の構成 糖を調べ,新たな用途開発のための基礎資料とすること を目的で行った。トウモロコシ外皮,胡麻外皮,バガス はアラピノキシランが多く,特に,バガスでは直鎖のア ラピノキシランの存在が示唆される結果となった。酵母 ほグルカン,マンナンが主体であると考えられた。オカ ラ,サツマイモ澱粉柏はアラビノガラクタンが多く含ま れると考えられた。食酢菌体,酒粕,醤油樺はグルコー スを多く含むことが特徴であった。
文 献
1)下問 尚,小林 聡子,篠原 康弧線 均,
寄附 弘.おからより抽出したリン脂質の生化学 実験材料としての有用性の検紺.米食雑誌 50(2)
:97…104(1992).
2)鹿島 哲夫.セルロース資源.学会出版センター,
p.42剛48(1991).
3)松田 和雄.多糖の分離・精製汲学会出版センター,
p.25叩28(1987).
4)桜井 直樹,山本 良一,加藤 陽治.植物細胞壁 と多糖頬.培風賂 p.174…180(1991).
5)裾島 正英,菅原 潔.生物化学実験法 蛋白質 の定数法.学会出版センター,p.13脚14(1971).
6)隔井 作蔵.生物化学実験法 選元楯の定盤漆.学 会出版センター,p.45−59(1969).
7)ALBERSlⅧ111.P.,D.一.Nm・1ドS,P.D.ENGLISJl and A.ⅨARR.A methodrorthe analysIS Of Sug・arSin plantcelトwallp01ysaccharides by gas−1iquid chromatography,Cαrわ0んッか.
属e乱,5:340−345(1967).
8)SAAVE】〕RA,F‥S.KARAC$ONYユandJ.ALFOLDL Studiesofthep01さ・SaCCharidesofsugarcane
(ぶαeCゐαr㍑mq椚c£花αr㍑m):Strueturalfeatu−
resofthe water−insolublel〕一Xyla】lS,CarL)0・
わ励.属錯.,180:61・71(1988).
9)NoDA,で‥Y.TAXA†王ATA,で.NAGÅTAand N.
SH柑UYA.Chemicalcomposition ofcellwall materialfrom sweeもpotatostarch residue,
5£arね 46:232−236(19朗).
欧文要約の和訳
各種食品産米廉廉物から,種々の多糖が,熱水抽軋 次いで24%KOH抽出で調製された。ヘミセルロース 画分と思われるアルカリ抽出物の糖組成を明らかにした。
トウモロコシ外皮,胡麻外皮,バガスから得られたヘミ セルロースは,アラピノキシランが多かった。酵母から はグルコースとマンノースが多く検出され,グルカンと マンナンの存在が推察された。オカラとサツマイモ激粉 柏からのヘミセルロース画分にはアラピノガラクタンが 多く含まれていると推察した。酒粕 額油樺,食酢菌体 のアルカリ抽出蘭分は,グルコースを多く含んでいた。