行動療法に基づく非対面生活習慣改善法の有効性に関する研究 [ PDF
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(2) から自動作成された個別助言を読み、体重、歩数と行動. 研究2では、研究1と同一システムで構築した健康達. 目標のSMを行った(図2) 。個別助言は、年齢、BMI 、関. 人高血圧予防編による介入を終了し、10 ヵ月後の追跡調. 連疾病や専門家からの減量の勧めなどを基準に減量か体. 査に回答した1回群 126 名と終了群 110 名の計 236 名を. 重維持かを判断し、生活習慣の現状から改善が望ましい. 分析対象とした。1回群とは、高血圧予防編の2回の個. 生活習慣やそれらを変容する工夫などを提案した。さら. 別助言のうち 1 回は個別助言を受けたが、終了時の質問. に、選択目標と生活習慣の項目ごとの改善への意向や自. 票には回答せず2回目の個別助言を受けなかった者であ. 己効力から、目標の適切さなどについても助言された。. り、終了群は 2 回の個別助言を受けプログラムを終了し. その 4 週後に、2 回目の質問表により目標行動の実践状. た者であった。1 回群と終了群の主要な相違点は、終了. 態を把握し、その状態に合わせた実践への励ましや工夫. 群は高血圧予防編の全教材(小冊子、1 ヵ月間に 2 回の. が個別に提供された。さらに行動群には 1 ヵ月の介入期. 個別助言)を受け血圧と行動目標の SMも実行したが、1. 間終了後も全員が前述のSMを 3 ヵ月後まで継続させた。. 回群は小冊子と初回の個別助言のみであった。すなわち. 読書群の対象者は小冊子と歩数計、体重計のみを提供さ. 両群ともに、 受診や治療継続など適正な受療行動の勧め、. れ、小冊子を読み減量の自助努力を行い、歩数と体重の. 個々の生活習慣の評価、目標行動としてふさわしい具体. 記録を介入前、終了時、および 3 ヵ月後の各 7 日間だけ. 的行動の例、知りたい情報の詳細に加え、目標行動設定. 行うよう指示された。質問票調査と身体測定(身長、体. と SMの具体的方法などを、A4 用紙 10 頁の冊子に自動出. 重) 、医学検査は、介入前、終了時、および 3 ヵ月後に全. 力して印刷された初回の個別助言を受けた。しかし、2. 員を同一会場に集めて実施した。なお、これらの測定会. 回目の個別助言、すなわち血圧や生活習慣変化の評価、. では減量に関する教育的情報は一切与えられなかった。. 目標行動修正の要点、実行の阻害要因克服の工夫、主治 医への報告や未受診者への受診勧奨用の紹介状などは終. 対象集団の無作為化. 了群のみに提供された。. 52名. 研究3では、研究2とほぼ同一システムで個別助言が 行動群 24名 読書群 28名 ①小冊子 ②習慣の自己評価と目標設定(質問表) ③個別アドバイス ④歩数計、体重計 ⑤毎日のセルフモニタリング(1ヵ月). ①小冊子による自己学習 ②歩数計、体重計. 1 回のみの健康達人高血圧改善編(高血圧 P)を用い、九 州内に拠点を置く大企業 A社と B社の2工場に勤務し、 検診血圧が正常高値以上で収縮期 170 mmHg かつ拡張期 110 mmHg 以上を除く 83 名を対象とした。83 名の対象の うち、A社の 38 名は高血圧 P の説明やその後の面接を保. 1ヵ月後) 介入終了( 24名(100%). 1ヵ月後 26名( 92.9%). 健師が行う群(指導者介入群)とし、B社の 50 名は高血 圧 P のみの介入を提供する群 (高血圧 P 介入群) とした。. 毎日のセルフモニタリング(2ヵ月間). 3ヵ月後の測定会に参加 22名. 3ヵ月後の測定会に参加 25名. 完全終了者 22名(91.7%). 完全終了者 25名(89.3%). 参加者には2週間前に家庭用自動血圧計を届け、高血圧 P による助言を参考に自分で目標を設定させ、血圧と一. 図1. 研究1の流れ. 緒に毎日記録するように指示した。個別助言が届くタイ ミングや血圧測定に関する説明も両群で同様であった。 本研究で設定した2群の相違点は、指導者介入群には企 業内健康管理センターの保健師がプログラムのガイダン スと介入前後に血圧と体重の測定を行い、高血圧 P 介入 群にはなかったことである。保健師が行ったことは、1) プログラム配布の際に、教育内容にはふれず、本プログ ラムの利用法のみを約 15 分説明した後に血圧と体重を 測定し、2)2週後に励ましの手紙を全員に送り、3) 1ヵ月後に、 個別に 15 分かけて実践状況を確認しながら 面接を行った後、血圧と体重を測定し、4)設定した目 標を続けるように助言する、ことであった。研究に参加 し、1 ヵ月の記録を完遂した者には、家庭用自動血圧計 (オムロン社製、HEM- 738)を進呈した。 研究4では、1994 年より 2003 年までの 10 年間に健康.
(3) 行動支援プログラムに参加し 1 年間継続できなかった. 12000. 121 名のうち、サポートプログラムに参加を希望した耐. 10000 歩数(歩/日). 糖能異常者 21 名を研究対象とした。 サポートプログラム では、健康行動支援プログラムの教育要素である、a)健 康行動やメンタルヘルスの自己チェック、b)身体組成や 持久的体力の測定、c)1回の対面指導(運動や食事療法. 6000. 3968. 介入前. 1ヵ月後. 3ヵ月後. 図4.歩数の変化 歩数は両群とも増えたが、行動群が有意に大きかった. (対象者1人当たり約5分)は面接から2週後に行った. 1ヵ月後. (図 3 の6と8) 。具体的には、行動目標の開始者には. 読書群. 者にはどうすれば始めることができるかを確認し、必要. -1.0. 体重減少率(%). 激励と目標を継続できそうかの確認を、開始していない. 0.0. や健康情報の提供などを行った。. 読書群. 0. よる接触と毎月 1 回の手紙を送付した。電話による接触. い変化を褒めること、実践の障害に対する対処法の提案. 5818. 行動群. その後の通信サポートとして、面接から2週後の電話に. されてくる SMに対し手紙(A4 用紙 1 枚)で励ましや良. 5491 4545. 4000. の SMを基本の介入要素として残し (図 3 の白抜き部分) 、. に応じて行動目標のレベルを調整した。1ヵ月毎に返送. 9421. 8000. 2000. の情報、健康心理士による行動目標の設定) 、d)6ヵ月. 8842. 3ヵ月後. 行動群. 読書群. 行動群. -0.4 -1.3 -1.8. -2.0. -2.8. P <.05 -3.0. 全体. -4.0. P= .07. -5.0 1. これまで健康行動支援プログラムに参加し、1年以上継続できなかった者を対象に募集を行った. 読書群 2. 研究参加希望者は病院を受診:糖負荷試験→糖尿病の診断に基づき医師が本介入の適応可能性を判断. 0.0. 行動群. 読書群. 行動群. -0.3. 4. 説明会: 検査結果の説明、健康についての講義および具体的行動目標の設定. 5. 運動指導:ウォーキング、簡単なレジスタンストレーニング、ストレッチ等 食事指導:食事調査をもとにした、個別プログラム 6. 2週間後:電話によるカウンセリング(5分) 7. 6ヵ月:各自で食事・運動療法および実践項目を実施 体重・歩行数・行動実践についてのセルフモニタリング(1ヵ月毎に返信) 8. 返送されてきたセルフモニタリングシートに対する手紙によるフィードバック. 9. 6ヵ月後:再検査とフォローアップ. 体重減少率(%). 3. 検査:肥満度、体力、生活習慣、心理的指標 食事調査 等. -1.0. -2.0. -2.2. -2.0. -3.0. -4.0. P <.05. -4.0. 肥満者 (BMI≧25). -5.0 P <.05. ※プログラム中も、医師の指示に従い、 数ヶ月毎に通院する。. 図5.読書群と行動群の体重減少率 図3. 健康行動支援プログラムとサポートプログラムの概要 健康行動支援プログラム(図中の2∼5、7と9)に6、8の要素を追加した. 3.結果. 行動群の体重減少率は肥満者(下段)では読書群より明らかに大きかった. 研究2では、完全非対面生活習慣改善プログラムの 1 回の個別助言でも-5.5/-4.2mmHg の有意な降圧と生活. 研究1の減量意欲のある男性 52 名(45.7 歳、BMI26.2. 習慣改善が得られた。2回の個別助言を受けプログラム. kg/m2)では、小冊子を配布し減量の自助努力を行わせ. を終了した者たちとの降圧は一部を除いて差はなかった. る読書療法(読書群)でも 3 ヵ月後わずかではあるが有. が、生活習慣改善は2回の個別助言を受けた群で大きか. 意な減量(-1.3kg、-0.5kg/m2、-1.8%)が得られるが、. った。. 個別助言を用いた完全非対面生活習慣改善法は、読書療. 研究3では、完全非対面生活習慣改善プログラムのみ. 法に比べて歩数の促進は約 3 倍ほど大きく(図4) 、減. を活用した自助努力でも血圧高値者の家庭血圧値の低下. 、3 量は図4のように 1 ヵ月(-1.3% vs -0.4%、P=0.01). (-2.0/-1.7mmHg)を導くが、それを指導者が活用する. ヵ月後(-2.8 vs -1.8%、P=0.07)も大きく、特に肥満男. ことで低下幅(-3.8/-4.1mmHg)が約2倍となり、行動. 性では明らかに優れていた(1ヵ月後:-2.0% vs -0.3%、. 目標に対するコンプライアンスも高かった。. P=0.05、3ヵ月後:-4.0% vs -2.2%、P=0.04)。. 研究4では、電話や手紙による非対面サポートは、健 康行動支援プログラムの非継続者のセルフモニタリング (SM)返送率を前回の 45.2%から 71.4%へと約 25 ポイ.
(4) ント改善させることに貢献し、身体活動量の促進、脂質 代謝やメタボリックシンドロームの改善を導いた。. 2. 熊谷秋三, 山津幸司(2004). 生活習慣改善のための 行動変容: 運動不足・過食行動を解消する健康行動支 援プログラムとケース別の対応法. Nurse Data 25:. 4.考察 本研究の成績から、行動療法に基づく非対面生活習慣 改善法について以下のように考察した。 研究1では、減量の生活習慣改善指導で有意な効果を. 14-21. 3. 熊谷秋三, 山津幸司(印刷中). 糖尿病の健康心理臨 床. 小林芳郎編, 健康のための心理学, 保育出版: 東 京.. 得るには指導者の関与は必須ではないこと、対象者の準. 4. 山津幸司, 足達淑子(2005). 男性に対する非対面の. 備性や心理行動特性を考慮し作成した個別助言を提供し. 行動的減量プログラムを用いた無作為介入試験. 肥満. SM などで自助努力を行わせる方法は読書療法の効果を. 研究 11: 311-316.. 高めると考えられた。また、行動療法に基づいて作成さ. 5. 山津幸司, 足達淑子, 羽山順子, 伊藤桜子(印刷中).. れた小冊子を提供する読書療法も、ほぼ確実な生活習慣. 行動変容に対する個別助言をコンピュータ化した高. 改善や減量効果を有すると考えられた。. 血圧予防プログラム(第二報): 1回の個別化介入に. 研究2では、生活習慣評価と今後の行動方針を提案す. よる降圧および生活習慣改善. 行動医学研究.. る1回目と1ヵ月間の実践による変化と継続のための指. 6. 山津幸司, 足達淑子, 大河内満, 足達教(2003). 高血. 導からなる2回目の個別助言のうち、初回の個別助言の. 圧者に対するコンピュータを用いた生活習慣改善(第. みの提供でも、2回提供した場合とほぼ同等の降圧効果. 二報): 非対面プログラムとの比較による指導者ガイ. が得られるが、9 ヵ月の追跡後の生活習慣は終了群が個. ダンスの効果の検討. 健康支援 5: 130-136.. 別助言の提供を 1 回だけ受けた 1 回群より良好であり、. 7. 山津幸司, 熊谷秋三, 佐々木悠(2005). 2型糖尿病. 今後の血圧変化には差が生じる可能性があると考えられ. 患者に対する健康行動支援プログラム適用後の継続. た。. サポートの適用と効果. 糖尿病 48: 751-756.. 研究3では、完全非対面の生活習慣改善プログラムは、 本来指導者の関与がなくても一定の効果が期待できるが、. 7.参考文献. 保健師の簡単な指導を加えることで、より大きな生活習. 1. 足達淑子, 山津幸司(2004). 肥満に対するコンピュ. 慣改善や降圧効果が期待できると考えられた。 研究4では、電話や手紙による通信サポートは、2型 糖尿病者に対する健康行動支援プログラムの継続率やコ ンプライアンスを高める可能性があることが示唆された。. ータを用いた健康行動変容プログラム: 9 ヵ月後の減 量と生活習慣の変化.肥満研究 10: 31-36. 2. 足達淑子, 山津幸司, 足達教, 山上敏子(2005). 減量 希望者の心理行動特性と習慣変容: コンピュータプロ グラム利用者における成績から. 日本病態栄養学雑誌. 5.結論. 8: 39-48.. 結論として、一次予防を主眼とした生活習慣改善の指. 3. 足達淑子, 山津幸司(印刷中). 行動変容に対する個. 導には指導者の関与は必ずしも必要ではなく、最小限の. 別助言をコンピュータ化した高血圧予防プログラム. 知識の提供のみでも、わずかではあるが介入効果が期待. (第 1 報) : プログラム終了者の 10 ヵ月後の追跡調査.. できると考えられた。より大きな介入効果を得るには、. 行動医学研究.. 双方向性の通信手法が不可欠であり、費用対効果の観点. 4. 足達淑子, 山津幸司, 大河内満, 足達教(2001). 高血. から最も効率的な生活習慣改善法の検討が今後の緊急課. 圧者に対するコンピュータを用いた生活習慣改善: 1. 題であると考えられた。また、二次予防の点からも、通. ヵ月の短期行動療法. 健康支援 3: 1-10.. 信サポートは患者のコンプライアンスや生活習慣の変容. 5. 足達淑子, 田中雅人, 山津幸司, 大河内満, 足達教. 効果を高める可能性があり、今後はより簡便な介入法の. (2004). 高血圧者に対するコンピュータを用いた生. 検討が必要であると考えられた。. 活習慣改善(第三報): 1 年後の長期効果について. 健 康支援 6: 117-122.. 6.公表文献. 6. 甲斐裕子, 熊谷秋三,佐々木悠ほか(2003). 医療機関. 1. 山津幸司, 足達淑子, 熊谷秋三(2005). 非対面によ. と医療外施設の連携モデルと軽症糖尿病患者への健. る行動的体重コントロールプログラムの開発・評価と. 康行動支援プログラムの適用と効果. 糖尿病 46:. その意義. 健康科学 27: 13-25.. 533-539..
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