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内集団成員への印象管理動機が外集団援助行動に及ぼす影響 [ PDF

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内集団成員への印象管理動機が外集団援助行動に及ぼす影響

キーワード : 集団間関係、外集団援助行動、印象管理動機、内集団観衆 行動システム専攻心理学コース 野下 文理 問題と目的 近年の日本国内での外国人観光客に対する「おもてなし」 ブームから,他国での大規模な災害に対する支援に至るま で,我々の身の回りにはほかの集団に属する人々に対する 好意的な行動が溢れている。このような,他集団との良好 な関係性の構築を可能とする集団間での行動は,我々の社 会が,国家や企業など多様な集団構造を包含しつつ発展す ることを可能にした人間の社会性の重要な側面であるとい えるだろう。したがって,外集団成員に対する好意的な行 動を生じさせる心理過程の解明は,我々の集団間の文脈に おける社会性の理解という社会心理学の使命に大きく貢献 すると考えられる。本研究では,特に外集団に所属する成 員へ向けられた援助行動に焦点を当て,その心理メカニズ ムについて検討する事を目的とする。 外集団への印象管理動機と外集団援助行動 我々は,自分自身の印象だけでなく,自分が所属する集 団の印象についても好ましいものに保とうと動機づけられ ている (e.g. 大石・吉田, 2001)。内集団の印象を管理する為 の一つの手段が援助行動である。近年のステレオタイプ研 究からは,他者を評価する上での能力と暖かさの重要性が 指摘されている(Fiske et al., 2007)。援助行動は,助けを必要 とする相手に対して手を差し伸べる慈悲深い行動であると 認知されると同時に,他の集団に援助を与えるだけの資源 を持つ優れた集団であるとの印象を形成することの出来る 行動である(e.g. van Leeuwen & Tauber, 2010)。こうした外集 団援助行動の持つ効果は,援助者側によっても認識されて おり,自分の集団の印象管理動機が高まると,外集団に対 する援助が増えることが明らかになっている (e.g. van Leeuwen et al., 2014)。例えば Hopkins et al.(2007)の研究では, イングランド人からネガティブなステレオタイプを抱かれ ていると感じたスコットランド人は,外集団援助行動を当 該のネガティブステレオタイプの否定に有効な行動である と認知し(実験 1),外集団の成員に対してより多くの援助を 行っていた(実験 2)。また,van Leeuwen & Tauber(2012)では, 外集団から抱かれる自分の集団の印象に関する懸念が強く なったときには,外集団援助行動は多くなっていた一方で, 自分自身の印象に関する懸念は外集団援助行動を予測して いなかった。 内集団成員への印象管理動機と外集団援助行動 外集団援助行動が内集団の印象管理に有効な行動である と人々によって認知されているならば,外集団援助行動を 行った人々は“集団への奉仕者”として内集団成員による 好意的な評価を獲得することができるのではないだろうか。 他者からの承認の獲得や拒絶の回避は,我々人間が持つ基 本的な欲求である(Baumeister & Leary, 1995)。その為,周囲 の他者からの好ましい印象を維持する為に,他者の期待に 合致した行動を取ろうという動機は,時にその個人の私的 な態度や願望を超えて我々の行動に影響を及ぼす (e.g. Jetten & Hornsey, 2014; Rimal & Real, 2003, 2005;)。特に,外集 団成員と比べて自分の利益とのかかわりの強い内集団成員 (Yamagishi et al., 1999)からの期待は,我々の行動により一層 の影響力を持つことが予想される。援助行動は報復などの 行動と同様に,他者の存在によって大きく影響を受ける行 動である(e.g. Campbell & Slack, 2006; Gabriel et al., 2007)。そ のため,内集団成員の観衆が存在する状況においては,外 集団成員に対して自分の集団を好ましく見せようという動 機づけのみならず,内集団成員に対して自分自身を好まし く見せようという動機づけも,外集団援助行動に影響を及 ぼしている可能性がある。本研究では外集団成員に対して 内集団の印象を管理しようという動機づけを外集団への集 団印象管理動機づけ(以下 OGIM 動機づけ : Out-group Group Impression Management),内集団成員に対して自分自 身の印象を管理しようという動機づけを内集団への個人印 象管理動機づけ(以下 ISIM 動機づけ : In-group Self Impression Management)と呼び,これらの動機づけ,特に ISIM 動機づけが外集団援助行動に与える影響について検討 する。 実験 1 実験 1 では,自分が支援者となった際に,自分がどの集 団に所属しているか(集団所属性)が外集団の成員に伝わる かどうかを操作する事によりISIM動機づけと外集団援助行 動の関連性について検討する。外集団援助行動の集団奉仕 的な側面が内集団成員からの好ましい印象の期待をもたら しているとすれば,援助者の集団所属性が外集団の成員に 伝達される状況においては,ISIM 動機づけが高まり,外集

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団成員への援助行動は増加するだろう。 方法 実験参加者 福岡県内の大学生 36 名(うち女性:23 名,平 均年齢 21.14 才(SD = 1.02))であった。実験参加者のリクルー トの際には,0~1000 円の実験報酬が示された。 手続き. 実験参加者は 3 人 1 組で入室し,パーティショ ンで仕切られた個室内の PC 画面の前に着席した後,実験の 説明を受けた。実験は「運の知覚がチーム課題でのパフォ ーマンスに及ぼす影響」というカバーストーリーの下行わ れ,ゲームの成績に応じて 0~1000 円の謝金が支払われるこ とが告げられた。その際,他の 2 つの部屋に 3 人ずつおり, 合計 9 人で実験が進められることが伝えられた。その後実 験参加者はPC画面上で(1)ゲームのルールの説明を受け,(2) 練習および理解度を確かめる問題に取り組んだ後,(3)ゲー ム本番に臨んだ。 このゲームで実験参加者は,A 国・B 国・C 国の 3 つの国 の中にそれぞれ存在する,北部地域・西部地域・東部地域 のうち,いずれかの地域の領主となると教示された。各プ レイヤーには初めにこの世界での仮想通貨 2000M(マネー) が配られ,所持金が 0M の状態で「翌年」を迎えるとゲー ムから退場となることが伝えられた。このゲームでは,春・ 夏・秋・冬の 4 期と大規模災害フェーズを合わせて 1 年と し、春・夏・秋・冬の各期には各国内でランダムに送り主 と受け手が一人ずつ選ばれ,交易をおこなった。交易で送 り主に選ばれたプレイヤーは,任意で 0~1000M 分の特産品 を受け手の地域に送ることができ,受け手の地域は,受け 取った交易品の 1.5 倍の額の M を獲得することができると 教示された。また、毎年冬が終わった後の大規模災害フェ ーズでは、大規模災害に見舞われた地域のプレイヤーが所 持金を全額失うことが伝えられた。したがって、大規模災 害に見舞われた地域は別の地域からの援助を受けられない 場合、翌年に消滅してしまう状況が作り出された。いずれ かの地域で大規模災害が発生すると,大規模災害が起こっ た地域を除いた 8 つの地域の中から 1 つの地域が支援者と して選ばれ、任意で 0~1000M 分の救援物資を大規模災害に 見舞われた地域のプレイヤーに送ることができた。このゲ ームでの目的は,実験終了時まで退場を免れつつ,できる 限り手持ちの仮想通貨を増やしていくことであった。 ゲーム本番において,C 国の北部地域が大規模災害に見 舞われ,所持金を全額失った際に,実験参加者(B 国東部地 域)は援助者として選ばれ,0~1000M までの金額を C 国北部 地域に対して送るよう指示するメッセージが表示され,援 助を行った。この際に実験参加者が送った金額を外集団援 助行動の指標とした。 結果と考察 内集団成員への印象管理動機づけ及び外集団援助額の検 討. まず初めに,集団所属性の伝達が ISIM 動機づけを高め るという仮説 1 を検討するため,集団所属性の伝達を独立 変数,ISIM 動機づけを従属変数とした t 検定を行ったが,2 つの条件間に有意な差は見られなかった(t(33) =-1.22, d = -398, p = .230)。続いて集団所属性の伝達が外集団援助行動を 増加させるという仮説 2 を検討する為に,集団所属性の伝 達を独立変数,C 国北部地域への援助額を従属変数とした t 検定を行った。その結果,条件間の差は有意ではなかった ため(t(33) = -1.11, d = -.363, p = .273),仮説 2 は支持されなか った。これらの結果は本研究における,集団所属性の伝達 の操作と,ISIM 動機づけとの因果関係の誤った推測の可能 性を示唆している。仮に外集団に対して援助を行うことが, 内集団の印象を高める集団奉仕的な行動であり内集団成員 からの好印象を獲得できる行動であると認知しているから といって,実際に内集団成員から好意的な印象を持たれた いと思うかどうかは,全くもって別の話である。それ故に, 集団所属性の伝達の操作が,そもそも ISIM 動機づけを高め る効果を持たなかった事で,条件間での ISIM 動機づけの差 が生まれず,援助額に条件間の差がみられなかった事が考 えられる。 仮説 3 は,援助者の集団所属性が伝達される状況におい ては,外集団援助行動が内集団全体の印象を高める集団奉 仕的効果がある為,ISIM 動機づけに基づいた外集団援助行 動が生じるが,援助者の集団所属性が伝達されない状況に おいては,外集団援助行動をとっても,それは他の内集団 成員に利益をもたらす行動とはならないため,ISIM 動機づ けは外集団援助行動を予測しないというものであった。こ の仮説を検討するために,条件ごとに ISIM 動機づけと援助 額の相関を検討した。その結果,上記の予測の通り,集団 所属性伝達条件においては,有意傾向ではあったものの, ISIM 動機づけと援助額の間に関連がみられたが (r = 46, p = .053),集団所属性非伝達条件においては,有意な相関はみ られなかった(r = .12, p =.625)。このことから,実験 1 におい ては仮説 3 を支持する傾向が見られたといえる。 実験 2 実験 1 では、集団所属性の伝達の操作が, ISIM 動機づけ を十分に高めておらず,その結果外集団援助行動に条件間 の差が見られなかった可能性が示唆された。そこで実験 2 では,ISIM 動機づけを直接的に高める要因として,内集団

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成員との将来的な関係継続性を操作し,集団所属性の伝達 は調整要因として扱うモデルを検討する。 方法 実験参加者. Web 上でのアンケートサイト(Yahoo!クラ ウドソーシング)に登録する18歳以上の回答者400名のうち, シナリオの理解度チェック問題 1 問,回答の正確さのチェ ック問題 2 問(“「3.あまりあてはまらない」にチェックを入 れてください。”など)に正答しなかった 54 名を除いた 346 名のデータを分析に用いた(男性 194 名,女性:149 名,その 他:2 名, 平均年齢 39.67 才(SD = 9.86))。回答に際しては,10 円相当にあたる電子ポイント(T ポイント)が報酬として支 払われることが明示されていた。 要因計画. 2(支援者の集団所属性の伝達) × 2(内集団成員 との関係継続性)の被験者間計画であった。 手続き. 初めに回答者は,条件によって異なるシナリオ を読み,その後質問項目に回答した。シナリオでは、回答 者が職場の同僚(関係継続性長期条件)あるいは見知らぬ他 の日本人ツアー客と共にアメリカ合衆国への旅行へ行った 様子が描かれていた。ホテルへ向かう途中に声をかけてき た地元の小学校の野球チームの人たちから、全国大会へ出 場するための旅費のカンパをお願いされた際に、何ドルカ ンパするかを外集団援助行動の指標とした。なお、野球チ ームの人たちはカンパのお願いをする前に、回答者たちが どこから来たのか(集団所属性伝達条件)あるいは回答者た ちがいつ来たのか(集団所属性非伝達条件)と尋ねてきてい た。 結果と考察 ISIM 動機づけ及び外集団援助額の検討. 内集団成員と の将来的な関係性継続の認知がISIM動機づけを高めるとい う仮説 4 を検討するために,関係継続性を独立変数,ISIM 動機づけを従属変数とした対応のない t 検定を行った。その 結果,内集団成員との関係性長期条件において,ISIM 動機 づけが有意に高くなっていた(t(344) = -2.24, d = -.24, p = .026)。 次に,集団所属性の伝達及び,内集団成員との関係継続 性を独立変数,カンパの額を従属変数とした 2 要因被験者 間分散分析を行った(図 1)。その結果,グラフの形は仮説通 り集団所属性伝達条件かつ内集団成員との関係継続性高条 件において他の条件よりも外集団援助行動が増加している ように見えるものの,集団所属性の伝達の主効果(F(1, 342) = 0.54, ηp2 = .002, p = .462),内集団成員との関係性継続の主効 果(F(1, 342) = 0.81, ηp2 = .002, p = .368),及び交互作用(F(1, 342) = 0.81, ηp2 = .002, p = .370)は有意でなかった。 さらに,支援者の集団所属性が外集団成員にも伝わる状 況においては,内集団成員との関係性継続が ISIM 動機づけ を高め,その結果外集団援助行動が促進されるという仮説 を検討するために,集団所属性の伝達を調整変数,内集団 成員との関係性継続を独立変数,ISIM 動機づけを媒介変数, カンパの額を従属変数とした調整媒介分析を行った。その 結果,支援者の集団所属性が伝達されている条件において は,内集団成員との関係継続性と ISIM 動機づけの間のパス (β = .18, SE = 0.20, p = .020)および,ISIM 動機づけとカンパの 額の間のパス(β = .19, SE = 0.38, p = .008)が有意であり,Sobel 検定による間接効果が有意傾向であった(Z = 1.76, SE = 0.26, p = .078)。一方,支援者の集団所属性非伝達条件においては 各変数間のパスはすべて非有意であった。ただし,集団所 属性伝達条件において,内集団成員との関係性継続がカン パの額に及ぼす直接的な影響は有意ではなかった(β = .05, SE = 0.74, p = .355)ことから,仮説で想定されていた媒介効 果がみられたとは言えない事には留意すべきである。 また、,実験 2 において,ISIM 動機づけは,OGIM 動機づ けと非常に高い相関があった(r = .74)。その為,ISIM 動機づ け単独での外集団援助行動に対する影響を検討する為には, 両変数を同時に投入したモデルにおける検討が必要である。 従って,ISIM 動機づけと OGIM 動機づけを独立変数,外集 団援助行動を従属変数とした重回帰分析を行った。その結 果,OGIM 動機づけの効果をコントロールした際には,集 団所属性伝達条件(β = -0.41, SE = 0.62, p = .511),非伝達条 件(β = 0.38, SE = 0.53, p = .469)ともに,ISIM 動機づけの外 集団援助行動に及ぼす影響は有意でなかった。一方で, OGIM 動機づけは ISIM 動機づけをコントロールしても,集 団所属性伝達条件においては外集団援助行動を有意に予測 していた(β = 1.86, SE = 0.62, p = .003)。これらの結果は,集 団所属性伝達条件においては ISIM 動機づけが,OGIM 動機 づけとは別に外集団援助行動を予測するという本研究の最

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も大きな主張に対して,真っ向から疑問を投げかけるもの であったといえるだろう。 総合考察 実験 1,実験 2 を通して本研究での条件操作は,外集団援 助行動に有意な差をもたらさなかった。一方で,集団所属 性の伝達条件ごとにISIM動機づけと外集団援助行動の間の 関連性を検討すると,実験 1,実験 2 ともに集団所属性伝達 条件においてのみISIM動機づけと外集団援助行動の間に有 意傾向ながら関連性が見られたが、これらの結果はあくま で有意傾向であり統計的に十分信頼できる結果とはいいが たいこと,加えて他の動機づけ(実験 1)や OGIM 動機づけ(実 験 2)を考慮した場合,ISIM 動機づけの効果は消滅すること から,本研究においては内集団成員への印象管理を目的と した外集団援助行動は生起しなかったと結論付けるほうが 妥当であると考えられる。 この結果の説明としてまず初めに考えられる原因は,本 研究で仮定していた心理プロセスが非常に高次のものであ るということであろう。そのため,本研究で採用した実験 室における課題や,質問紙上での場面想定法といった課題 では十分に再現することができなかった可能性が考えられ る。 加えて,仮に参加者が意識的に細かい背景を想像する必 要のない現実場面を用いても,ISIM 動機づけにもとづいた 外集団援助行動は生起するとは限らない。援助行動やその 他の向社会的行動は高度のセルフ・コントロールを要する 行動である。セルフ・コントロールを可能にする自己制御 資源には限りがある事が指摘されてきており,自己制御資 源が枯渇した状況においては人はルールに従った行動を取 ったり(DeBono et al., 2011),衝動を抑えたり(Baumeister et al., 2005)することが難しくなる。van Leeuwen et al.(2014)におい ても,外集団成員の観衆からみられることが外集団への援 助行動を低減させた原因として,自己制御資源の枯渇が指 摘されており,印象管理を目的とした戦略的な行動もその 例外ではないと言えるだろう。本研究で仮定したような高 次の戦略的な印象管理を行おうとすることは,それ自体が 膨大な認知資源を必要とするため,結果として自己制御資 源の枯渇が起こり,外集団への援助行動が抑制されてしま った可能性がある。 別の可能性として考えられるのは,本実験における操作 が十分でなかったことによる影響である。実験 1(3.83~4.56), 実験 2(3.17~3.62)を通して,ISIM 動機づけの平均値は条件に かかわらず,中点(4. どちらとも言えない)に非常に近く,決 して高いとは言えなかった。本研究では,ISIM 動機づけが 外集団援助行動に及ぼす影響を検討していたため,条件操 作によってそもそもの ISIM 動機づけが変動しなければ,結 果として外集団援助行動も変動しない。では,どのような 操作であれば ISIM 動機づけを適切に高め,本研究での仮説 をより正確に検討できたのであろうか。その一つとして考 えられるのがネガティブなメタステレオタイプの活性化で ある。メタステレオタイプとは,外集団成員が内集団に対 して持っているステレオタイプに関する認知である。例え ば,ある日本人 J がアメリカ人の A から「日本人は非友好 的である」というネガティブなステレオタイプを抱かれて いると感じたとき,J の中でネガティブなメタステレオタイ プが活性化したといえる。van Leeuwen & Tauber(2012)の研 究(実験 3)からは内集団の印象に関する懸念が高まっても, 活性化したメタステレオタイプがネガティブなときのみ外 集団援助行動は促進され,ポジティブなメタステレオタイ プが活性化している時にはむしろ外集団援助行動は抑制さ れていた。本研究においては,実験 1,実験 2 ともに外集団 が支援者の所属する集団に対してどのようなステレオタイ プを持っているかの情報は伝達されなかった。本研究にお ける実験参加者たちの中でネガティブなメタステレオタイ プの活性化が起きていなかった,あるいはメタステレオタ イプ自体が活性化していなかった可能性は十分にある。し たがって,今後の研究ではメタステレオタイプの活性化を 条件として操作する,あるいは統制することで ISIM 動機づ けと外集団援助行動との関連性を再検討する必要がある。 主要引用文献

Hopkins, N., Reicher, S., Harrison, K., Cassidy, C., Bull, R., & Levine, M. (2007). Helping to improve the group stereotype: On the strategic dimension of prosocial behavior. Personality and Social Psychology Bulletin, 33, 776-788.

van Leeuwen, E., & Täuber, S. (2010). The Strategic Side of Out-Group Helping. In Sturmer,, & Snyder, Mark. (Eds.) The Psychology of Prosocial Behavior: Group Processes, Intergroup Relations, and Helping, Blackwell Publishing Ltd, 81-99.

van Leeuwen, E., & Täuber, S. (2012). Outgroup Helping as a Tool to Communicate Ingroup Warmth. Personality and Social Psychology Bulletin, 38(6), 772-783.

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