平 成 2 7 年 1 1 月 1 1 日
関税・外国為替等審議会
関
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務
省
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税
局
資料1-3
「申告官署の自由化・通関業制度のあり方に関する研究会」
とりまとめに関する意見募集について
【27年10月5日 関税分科会資料】
申告官署の自由化について
1 意見募集に寄せられた意見に対し、以下のような考え方としてはどうか。 意見の概要 考え方(案) 申告官署の自由化の基本的な考え方に関する意見 AEO輸出者の認定を受けていない者は、 AEO通関業者へ委託することで、本制度の 対象となるのか。 AEO輸出入者の認定を受けていない輸 出入者がAEO通関業者に通関業務を委託 する場合には自由化の対象となる。 一般の事業者についても申告官署の自由 化を認めるべきではないか。 輸出入申告は、関税法上、原則として蔵置 官署に行わなければならないこととされて おり、その趣旨は、通関の適正性や効果的・ 効率的な審査・検査の確保にある。 AEO輸出者、AEO輸入者及びAEO通 関業者は、貨物の現況の的確な把握など輸出 入に関する業務を適正かつ確実に遂行する 能力を有すること等を要件として税関長の 承認、認定を受けた者であることから、申告 官署の自由化に当たっては、蔵置官署に対し て申告を行う原則を維持しつつ、AEO輸出 者、AEO輸入者及びAEO通関業者に係る 輸出入申告について、非蔵置官署への申告を 認めることとするもの。 「申告官署の自由化」は、AEO事業者向 けの内容となっており、一般の事業者への対 策が見受けられない。 申告官署の自由化はAEO事業者と一般 の事業者の差別化を図るものか。 特定の税関官署に輸出入申告が集中する ことによって円滑な物流の支障になるので はないか。 申告官署の自由化の導入にあたっては、事 業者との間で十分に意思疎通を行うこと等 により、業務量を適切に把握し、税関業務の 処理に支障をきたすことがないよう対応し ていく。 また、輸出入申告官署の自由化の導入後に おける税関による必要な貨物検査について は、これまで同様、国際物流の円滑化を阻害 しないよう効率的な対応を検討していく。 税関は的確に人員配置ができるのか。一部 では業務過多又は人員過多の可能性、地方で は人員削減の可能性があり、貿易円滑化にな るのか。 非蔵置官署に申告を行い検査となった場 合、現行の手続き以上に時間がかかるのでは ないか。 「審確(審検)分離」、により通関業者も事 務が複雑化し、「貿易の円滑化」には繋がり にくいのではないか。2 非蔵置官署に申告を行うことは、貨物のす り替えのリスクがあることから、特定保税承 認者が管理を行う蔵置場にある貨物のみを 対象とするべきではないか。 AEO輸出者、AEO輸入者及びAEO通 関業者は、貨物の現況の的確な把握など輸出 入に関する業務を適正かつ確実に遂行する 能力を有すること等を要件として税関長の 承認、認定を受けた者であり、通関の適正性 及び業務処理の効率性を損なわない範囲内 で非蔵置官署への輸出入申告を行うことを 可能とする今回の自由化の趣旨に鑑みれば、 特定保税承認者が管理を行う蔵置場にある 貨物に対象を限定する必要はないものと考 えられる。 AEO輸出入者であったとしても、通常輸 出入申告を行う部門ではない部門が、AEO 通関業者以外の通関業者に通関を依頼する 場合、適正な申告が期待できるのか。何らか の対応策が必要ではないのか。 全社としてAEO輸出入者の承認を受け た者は、通常輸出入申告を行っていない部門 も含め、貨物の現況の的確な把握など輸出入 に関する業務を適正かつ確実に遂行する能 力を有すること等を要件として税関長の承 認を受けた者であり、適正な申告が期待でき る。非蔵置官署への輸出入申告を認めても通 関の適正性及び業務処理の効率性に与える 影響は小さいと考えられる。 一般の輸出入者であっても、AEO通関業 者に委託することによって申告官署の自由 化のメリットを享受できることは、ありがた い。 一方、申告官署の自由化のメリットが、A EO輸出入者の申告とAEO通関業者への 委託による申告とで差異がなければ、輸出入 者自身がAEO事業者になるというインセ ンティブが生じがたく、国際貿易に関与して いるすべての事業者がAEO事業者となる 理想的な形態の実現が難しくなるが、AEO 輸出入者としての申告官署の自由化とAE O通関業者への委託による申告官署の自由 化において、何らかの差異はあるのか。また、 申告官署の自由化の面において、仮に差異が ないとした場合、その他の面での差異はある AEO輸出入者による申告とAEO通関 業者への委託による申告の間で申告官署の 自由化についての取扱いに差異を設けるこ とは考えていない。 しかしながら、AEO輸出入者には、保税 地域に搬入する前に輸出入の許可を受ける ことができる等、AEO通関業者にはないメ リットがあり、申告官署の自由化によって、 輸出入者がAEOを取得するインセンティ ブが失われるということはないと考えられ る。
3 か。 「申告官署の自由化」は、貿易関係事業者 の集約や非蔵置官署に対する輸出入申告の 集約を目的に実施するのではないか。 申告官署の自由化は、あくまでも輸出入申 告に関する選択肢を拡大するものであり、貿 易関係事業者の事業の集約や非蔵置官署に 対する輸出入申告の比率を高めることを目 的として実施するものではない。 地方における輸出入通関は、関東や関西か らの荷主や通関業者からの依頼が多く、申告 官署の自由化が実施されれば地方の通関業 者の申告件数が減少する可能性がある。 申告官署の自由化は、AEO事業者の輸出 入申告に関する選択肢を拡大するもの。ま た、営業区域制限を廃止すれば、地方の通関 業者を含めすべての通関業者は税関の管轄 地域の制限を受けることなく、より広く通関 業務を行うことが可能となる。 申告官署の自由化により地方の通関業者 への依頼が減少する等の声もあるが、一方 で、以下のような理由から、必ずしも地方の 通関業者への委託が直ちに減少することに はならないとの意見もある。 ①手続きを行う申告先は変わっても貨物 の蔵置場所や貨物の流れが変わるもの ではない ②通関業務は港湾手続(保管、運送)と一 体として委託されることが一般的であ り、通関業務のみを切り離して委託され るケースは稀である ③仮に一連の手続きを元受の通関業者が 自ら行おうとした場合には、コストが膨 大になる可能性があり、また、提供する サービスの質を維持できなくなるおそ れがある 大手荷主の通関業務が、東京・大阪などの AEO通関業者にて一括して行われるよう になると、地方の通関業者は業務が減り衰退 する。 また、全国規模の通関業者であったとして も、地方の通関営業所は業務が減り衰退す る。 申告官署の自由化やそれに伴う営業区域 制限の廃止などは、大手企業に対しては大き なメリットがあり、地方の中小零細企業に対 してはマイナスの効果しかないと考える。 再委託の多い地方の通関業者は経営環境 に影響を及ぼすことになり、取扱量の減少に 伴い、通関士及び通関業務従業者の数を減ら す業者が出てくるとともに、そうなると地方 での通関士の働く場がなくなるのではない か。
4 対象官署に関する意見 申告官署の自由化の導入により、税関官署 はAEO事業者から選ばれる立場になると 考える。税関からAEO事業者に対して輸出 入申告を特定の税関官署に行うような指導 は避けてもらいたい。 申告官署の自由化は、AEO事業者に対し て輸出入申告に関する選択肢を拡大するも のであり、税関が事業者に対して特定の税関 官署に申告を行うよう指導することはない。 「税関官署の業務量に対する影響から事 前に十分な意思疎通が必要」とあるが、AE O輸出入者の申告をAEO通関業者が行う 場合において、申告官署を選択する権限は、 AEO輸出入者とAEO通関業者のどちら にあるのか。 どこの税関官署を申告官署として選択す るかについては、民間事業者の自主的な判断 に委ねられるべき問題であり、輸出入者と通 関業者との間で決定すべきことと考える。 対象手続きに関する意見 対象手続に修正申告や更正の請求が含ま れるとのことであるが、関係書類の提出や説 明等が必要な場合、遠隔地の当初申告官署へ 出向くことが求められないようにしていた だきたい。 または、当初申告の申告官署に拘らず、最 寄りの税関官署等に修正申告等を行えるよ うにしていただきたい。 既に行われた納税申告に係る修正申告及 び更正の請求の手続は、当該申告に係る貨物 及び申告の情報を最もよく把握する当初の 納税申告を行った税関官署に行うことが適 当。同様に、特例申告についても、引取申告 に係る許可を行った税関官署に行うことが 適当。 なお、その際、申告官署への来訪が必要と なる場合もある。 特例申告については、引取申告と特例申告 を別々の官署に申告できるようにしていた だきたい。 マニュアル申告についても自由化の対象 としていただきたい。 貿易関係事業者の輸出入申告に関連する 業務の集約、事務の効率化及びコストの削減 を通じて貿易円滑化を促進させるといった 申告官署の自由化を導入する目的や、税関に おける業務処理体制(審確分離)を踏まえれ ば、原則として輸出入申告はNACCSを使 用して行われることが必要。
5 関税定率法第 17 条(再輸出免税)に係る 手続を当初申告官署の担当部門に限らず、い ずれかの税関官署に行えるようにしてほし い。 関税定率法第 17 条(再輸出免税)に係る 手続(輸出した旨の届出)については、免税 の要件である輸出の事実を当初の輸入申告 を行った税関官署において確認をする必要 があることから、他の官署で行うことは適当 でない。 複数官署に係る担保の手続きについて、延 納の担保積み増し、解除、担保金額回復等に 係る手続をいずれか一の税関官署で行うこ とができるようにしていただきたい。 担保の適切な管理を行うため、担保を提供 した税関申告官署にそれぞれ行っていただ くことが適当。 全ての事業部門についてAEOの認定を 受けている者が、自主的にAEOの申告を一 部の品目に限定している場合であっても、全 ての品目について、本制度の対象となるの か。 全社としてAEOの認定を受けているの であれば、全ての品目について自由化の対象 となる。 申告官署の選択制との関係に関する意見 現状の「申告官署の選択制」の下では、予 め申告官署について税関に申し出ることと しているが、申告官署の自由化ではどのよう にするのか。 事前の選択を必要とせず全国いずれの税 関官署に対しても輸出入申告を行うことを 可能とするため、申告官署に関する税関への 事前の届出は不要。 検査になった場合において、申告官署に貨 物を持ち込むのか、蔵置官署で検査を受ける のかは、その都度選択できるようにしていた だきたい。 申告官署の自由化の下、非蔵置官署に対し て行われる輸出入申告については、書類の審 査を行う申告官署と貨物確認・検査を行う蔵 置官署とが異なることとなる。基本的には貨 物確認・検査は蔵置官署において行うが、通 関業者の希望により貨物を申告官署へ持ち 込んで貨物確認を受ける取扱いも可能とす る方向で検討する。
6 検査立会いに関する意見 検査に立会う事業者については、輸出入者 からの許諾が必要になることから、申告以外 の業務が増大する可能性がある。 また、輸出入者からの検査立会いの許諾が 得られない場合については、申告を行った通 関業者自らが立会いを行わなければならな いので、かえってコスト増につながる。 申告官署の自由化は、あくまでも輸出入 申告に関する選択肢を拡大するものであ り、各事業者の選択により、従来どおり蔵 置官署に対して輸出入申告を行うことを妨 げるものではない。 輸出入者からの許諾については、例えば、 予め輸出入者と通関業者の契約において定 めておくことも考えられる。 他の通関業者に検査の立会いを委託する ことに関する輸出入者からの許諾について は、検査に立会う通関業者が輸出入者から直 接委任状を取得し、保管をする義務が生じる か。輸出入者からの許諾については、口頭を 含む確認とし、許諾の書面の保管義務等は避 けていただきたい。 輸出入者から許諾を受けなければならな いのは、当該検査の立会いの委託をしよう とする通関業者であって、委託を受けよう とする通関業者ではない。 また、輸出入者からの許諾は、書面によ るなど明確な形で得ておくことが望ましい と考えるが、どのような方法で許諾を得る かについては、当事者間で決定すべきもの と考える。 非蔵置官署で行われた申告において検査 になった場合、検査に立ち会えるのはAEO 通関業者だけか。 検査の立会いを代行する通関業者は、必 ずしもAEO通関業者である必要はない。 自社の通関業に従事していない、例えば倉 庫従業者が検査に立ち会うことは可能か。 税関検査の立会いについては、自社の通 関業務に従事していない倉庫の貨物管理担 当者等が行うことも可能であるが、税関検 査に対する主張・陳述が必要な場合には、 通関業者の立会いが必要となり、現行の取 扱いと同様、当該者は通関業者の通関営業 所における通関業務従業者として、税関へ 届け出ることが必要となる。 関税法等に関する知識を有していない者 が検査に立ち会い、外国貨物に触れる機会が できることは、社会悪物品の流入の観点から 望ましくない。 非蔵置官署での税関検査への立会いは通 関業者が行うことが望ましい。
7 書類の提出先に関する意見 原本提出が必要な書類については、申告官 署のみならず、蔵置官署にも提出できるよう にしていただきたい。 税関に原本を提出する必要がある通関関 係書類は、輸出入申告の許可を行う官署が 書類の真正性等を検証する必要があること から、原則として申告官署に提出すること が適当。 また、申告官署に対して通関関係書類を 郵送で提出することは、各事業者が返却も 含めその費用を負担することを前提とし て、認める方向で今後検討。 通関関係書類の提出については、身近な税 関官署に提出すること又は郵送による提出を 認めていただきたい。 また、郵送で通関関係書類を提出した場合 において、税関において確認後返却が行われ るような書類について、返却に係る費用負担 はどのようになるのか。 税関の運用体制整備に関する意見 申告官署の事前選択は不要とあるが、税関 職員から通関業者への質問等がある場合、ど この通関営業所へ連絡するか判別できるの か。 申告を行った通関業者や、その営業所に ついては、現行の NACCS コードから判別す ることが可能。 申告官署の自由化の導入にあたっては、通 関業務からの観点だけでなく、保税業務や監 視業務など税関全体の業務を見て運用を図っ ていただきたい。 税関における業務の適切な執行に引き続 き努めていく。 その他申告官署の自由化に関する意見 申告官署の自由化の導入にあたっては、税 関手続のみならず、他法令手続(食品衛生法、 植物検疫法など)についても全国から選択で きるようにしていただきたい。 他法令手続に係る取扱や港湾・道路等の 通関手続以外の制度については、それぞれ の法令・制度の所管省庁において検討すべ きものと考える。 税関手続に係る時間はこれまで既に短縮さ れ円滑化が図られており、更なる円滑化を図 るためには、税関手続以外の港湾や道路事情 を見直す必要がある。
通関業法改正について
8 意見募集に寄せられた意見に対し、以下のような考え方としてはどうか。 意見の概要 考え方(案) 通関業の許可に関する意見 複数の税関長から受けた通関業の許可は、 いずれかの1つの税関からの許可に纏まる のか。 また、通関業法改正後は、複数の税関から 許可を受けている通関業者が、現状それぞれ の税関に対し行っている報告や届出を一の 税関長への報告・届出で完結するようにして もらいたい。 通関業の許可については、財務大臣による 許可により全国で通関業務を行うことがで きることとした上で、各税関長に権限を委任 することとし、既に受けている許可について は改めて許可を取得する必要はないように する方向で法令上の手当てを検討する。 なお、その場合における報告・届出先の取 扱いをどのようにするかについては、今後検 討する。 営業所の新設に関する意見 AEO通関業者が届出により営業所を新 設する場合には、事前に税関から監査等を受 ける必要があるか。 AEO通関業者は、適切に通関業務を行え る者として税関長の認定を受けた者である ことから、営業所を新設する場合、事前に税 関の監査等を受ける必要はないものと考え る。 通関士の設置に関する意見 地域限定及び貨物限定の場合であっても、 むしろ通関士と同様の専門的知識を有する 者が申告書類の審査を行っている現状から すれば、猶予期間を考慮すべきである。もし くは、地域限定及び貨物限定の場合について 継続しても支障はないと考える。 近年の貿易量の増大に伴う地方港での貨 物の取扱量の増大・種類の多様化、加算税の 導入やEPAの進展等に伴う申告手続の複 雑化等を踏まえれば、現在通関士の設置が免 除されている場合であっても、通関業務に関 する専門的知識を有する通関士が申告書類 の審査を行うことが望ましい。 しかしながら、現在通関士の設置が免除さ れている営業所において通関士の確保に要 する期間等を考慮し、特例の廃止について3 -5年程度の猶予期間の設定を検討するこ ととする。 ただし、貨物限定の特例については、一定 の種類の貨物を恒常的に扱うなど、通関業務 が定型的である場合に、通関士の審査が必要 であるか否かをさらに検討し、特例を維持す 単一貨物を恒常的に扱う通関業者には専 門的な知識を有する者がおり、適正な通関が なされている現状において、貨物限定を廃止 する理由はないと考える。 地域限定を撤廃した場合、中小通関業者の 経営危機につながる。 通関士の募集を行っているが申し込みが 皆無であること、現在雇用している通関業従 業者による通関士資格取得が困難であると いうことを踏まえると、申告官署の自由化が9 施行されるまでに通関士の設置は厳しい状 況にあり、通関士を配属ができなければ、通 関業を営むことができなくなり、営業収入に おいて多大な損失を被る。 ることも含め、検討することとする。 通関士の常勤性と専従性の緩和を検討さ れているが、専任通関士の設置に係る規定は 廃止してはどうか。 通関士の設置について、通関の適正性を確 保しつつ、専任の通関士を設置する旨の規定 を改正し、常勤性及び専従性に係る要件をと もに廃止する方向で検討する。 常勤性と専従性の要件を緩和することは 適当と考えるが、常勤性と専従性は双方とも 通関業務を適正に行うことは一致している ため、一本化を検討してもらいたい。 通関士の常勤性および専従性の緩和に伴 い、一人の通関士が複数の営業所を兼任する ことが予想される。現在、営業所毎のNAC CSのIDでのログインが義務付けられて いるが、申告する営業所に関わらず、複数の 営業所に係るログインIDを自由に選択が できるようにしてほしい。 常勤性及び専従性に係る要件の緩和に伴 う実務的な取扱いについては、今後検討す る。 在宅での通関業務については、通関業者の 守秘義務や社内のコンプライアンスに反す る可能性があるところ、その部分も考慮のう え方法について検討していただきたい。 通関士の設置について、常勤性及び専従性 の要件が緩和されれば、通関士の勤務形態を これまで以上に工夫することが可能になる。 在宅での通関業務については、通関業者の 守秘義務や社内コンプライアンス、情報セキ ュリティの確保のための方策等と併せて総 合的に検討する。 在宅での通関業務について、女性通関士が 仕事と育児や介護との両立を図るため在宅 での輸出入申告を可能とするか、もしくは、 事項登録業務まで可能にするなど段階的な 対応でも構わないので、前向きに検討をして いただきたい。 通関業の地位の承継に関する意見 申告官署の自由化に伴い、一般の通関業者 間の合併又はAEO通関業者との合併等も ありうることから、地位の継承においては不 具合が生じないように対応すべきである。 事業の継続性の観点から、合併等の後にお いても通関業の許可等の要件に合致してい るかどうかを税関長が審査し、合致する場合 には、地位の承継を認める方向で検討する。 営業報告書に関する意見 通関業務料金の最高額の定めが廃止とな 最高料金の定めを廃止することに伴う報
10 るのであれば、営業報告書の簡素化は可能で はないか。 告の見直しをはじめとした、営業報告書に係 る簡素化の具体的な内容については、今後検 討する。 兼業の通関業者が大半であることを踏ま えた簡素化を行うべきである。 従業員の異動届や、貸借対照表及び損益計 算書で把握できる内容は簡素化が可能では ないか。 通関士に係る常勤性及び専従性の緩和に 伴う簡素化は可能と思われる。 営業報告書自体が不要と考えられ、企業規 模やAEO事業者であるか等を考慮し、報告 が必要な場合と不要な場合などに選別して 廃止・簡素化をお願いしたい。 営業報告書は、通関業者の監督のため、引 き続き必要なものと考える。また、その記載 すべき内容に企業規模等で違いがあるもの ではないことから、そうした差異を設けるこ とは適当ではない。 通関業務料金の最高額の定めに関する意見 通関業者は通関業務料金の最高額の定め を目安としており、廃止することで混乱が生 じるのではないか。 公正取引委員会は平成 21 年4月、「通関業 に係る料金の上限規制は、通関業者に料金設 定の際の基準や目安となる価格を示すもの として機能しており、利用者の利益を害して いるおそれがある。」との指摘を行っている。 また、他の類似する業法や士法をみても、 料金の最高額を定めている例はほとんどな い。 さらに、最高料金の定めを廃止すれば、通 関業者は提供するサービスの内容やコスト に応じた料金徴収を自由に行うことが可能 となる。 このようなことから、最高額の定めについ ては廃止することが適当。 なお、仮に、採算を度外視した低価格等に よって他の通関業者の事業活動を困難にさ せるような行為があった場合には、独占禁止 法に基づき、公正取引委員会による調査・措 置等の対象となる可能性があるものと考え 通関手続は、一連の輸出入業務の中の手続 の一つとして捉えられることが多く、最高額 の定めの廃止により輸出入取扱手数料の中 に組み込まれる可能性があり、通関業務料金 の減収が見込まれる。 このような状況は、中小の通関業者にとっ て死活問題になりかねないため、最高額の定 めを維持すべきと考える。 通関業務料金の最高額の定めの廃止によ り、通関業者間の価格競争が激化した結果、 通関業者内の通関部門が不採算部門として 淘汰されていく懸念がある。 通関業務料金の最高額の定めは、当初依頼 者を保護する目的であったが、現在は通関業 者を保護している実態を考慮のうえ検討し ていただきたい。
11 通関業務料金の収受率は低下傾向にある ため、最高額の定めは必要がないが、定めが あることによるデメリットも存在しないと 思われる。 られる。 「採算を度外視した低価格等によって、他 の通関業者の事業活動を困難にさせること により、公正かつ自由な競争を維持・促進で きなくなることがないよう留意する必要が ある」とあるが、どのような監視体制をとる 予定なのか。 通関業務料金の最高額はある程度通関業 者及び顧客に浸透している金額であること を考慮し、「一般額」や「標準額」という表 現に変更のうえ残すべきではないか。 「一般額」「標準額」「最低料金」等の料金 を示すことは、独占禁止法との関係で適当で はない。 通関業務料金については、最低限の人件費 が保証される最低料金額を導入すべきでは ないか。 通関業務料金の最高額の定めが廃止とな るのであれば、通関業務料金は通関業者と顧 客との間の交渉で決定されることから、通関 業務料金の掲示義務も廃止すべきではない か。 通関業務料金の掲示義務は、利用者が不当 な料金の請求がなされることのないよう、料 金の透明性や予測可能性を確保する観点か ら定められているものであり、維持すること が適当と考えるが、具体的な方法について は、例えば「料金が契約の種類及び内容に応 じて定められ、依頼者にとって明確であるこ と」等一定の考え方の下で、各社が掲示内容 を定めることが適当。 通関業務料金が自由に設定できるのであ れば、同業他社に見せられない内容であり、 掲示することは適当ではない。 顧客・業務ごとに通関業務料金を自由に設 定した場合、それぞれの料金を掲示すること は現実的ではないが、どのように掲示するの か。 通関業者各社が独自に様式を定め掲示す ると依頼者の誤解や混乱を招くおそれがあ るため、掲示の様式を定めていただきたい。 通関業務は運送業務や倉庫業務と一括し て依頼を受けることが通例となっているこ とから、わざわざ通関業務料金のみを掲示す
12 る必要はないのではないか。 現在通関依頼を窓口で行う輸出入者は稀 であり、かつ最初の段階で見積もりの形で通 関業務料金を提示している現状を踏まえれ ば、依頼者保護の観点で通関業務料金掲示を 義務とする必要性は乏しい。 税関の通関業者に対する監査は、料金関係 の精査に費やされているが、自由な通関業務 料金の設定が可能となることに伴い、通関業 者の資質向上のための指導・助言をお願いし たい。 通関業者の適正な業務運営を確保すると ともに、通関業者の創意工夫を促し、ひいて は健全な通関業の発展に資するよう留意し ていく。 業務改善命令及び罰則に関する意見 「業務停止」や「許可の取消」等の処分が あれば、「業務改善命令」や「罰則の強化」 は不要ではないか。 業務の停止や許可の取消しの要件には至 らないが通関業者の業務が適正に行われて いない場合は、業務改善命令により適正な業 務運営を確保することが必要。 また、他の業法及び士法における罰則規定 と比較して罰金の最高額の水準が著しく低 く据え置かれている現状を見直し、適切な水 準とすることが必要。 通関非違により業務改善命令が出される ようになるのであれば、通関非違との関連に ついても併せて検討すべきである。 業務改善命令は、通関業者の業務が適正に 行われていないと認められる場合に、税関長 が当該通関業者に対してこれを改善するた めに必要な措置を講ずることを求めるもの であり、個々の通関非違がただちに業務改善 命令につながるものではない。 業務改善命令についての全体的な方向性 を出してほしい。 輸出入者への書類提出の求めに関する意見 「輸出入者と通関業者間の信頼関係に基 づき解決すべき問題」とあるが、信頼関係で 解決できる者はコンプライアンス意識の高 い限られた輸出入者のみであり、通関業者は 立場が弱いのが実情である。 輸出入者に対し、強制力をもって要請や意 見ができる規定が必要である。 通関業者から輸出入者への書類提出の求 めについては、あくまで民民間の問題であ り、強制力を持った規定の導入は困難。 なお、税関から輸出入者に対し、「通関業 者から、適正な通関手続を行うために必要な 資料の提出が求められた場合には、これに協 力して欲しい」旨、種々の機会を捉えて周知 することを考えている。 通関業者が通関関係書類の提出を求める ことを規定できないのであれば、輸出入者側
13 にも非違カウントを取り入れ、非違が多い場 合は指導を行うなどの非違を抑止する制度 の検討が必要である。 また、種々の機会において輸出入者へ通関 業者への必要書類の提出要請を継続してほ しい。 その他通関業制度に関する意見 AEO通関業者の認定要件として、通関業 の許可を得てから3年を経過していること が掲げられているが、条件等を設けて支障が なければ3年未満であってもAEO通関業 者として認定してほしい。 AEO通関業者として適正かつ確実に輸 出及び輸入に関する業務を遂行できるため には、通関業者として一定程度の業務実績が 必要と考えられることから、通関業の許可の 日から3年を経過していることを認定要件 としており、この要件は維持することが適 当。 中小の通関業者がAEOの認定を受ける ことができない最大の要因が人材不足であ り、AEO通関業者と一般の通関業者間の格 差は加速していくことが危惧される。全国の 小規模の非AEO通関業者が、遠隔地への申 告をより活発に行えるよう、規制緩和をして いただきたい。 AEO通関業者の認定は、法令遵守体制の 整備、セキュリティ対策などの要件が整え ば、事業規模に関わらず受けることが可能で あり、また、我が国のAEO制度の承認要件 は、国際標準に沿って策定していることか ら、その認定基準をただちに緩和することは 適当ではないと考える。 なお、営業区域制限を廃止することによ り、AEO通関業者以外の通関業者であって も全国どこからでも蔵置官署への輸出入申 告が可能となる予定。 輸出入申告官署の自由化はAEO事業者 だけがその対象であり、AEOを取得できな い零細企業は淘汰されるのではないか。 今はAEO通関業者の認定のハードルが 高いが、認定基準の緩和を検討いただきた い。