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パイン粕の飼料利用に関する研究 3.パイン粕による醗酵飼料: University of the Ryukyus Repository

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Academic year: 2021

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(1)

Title

パイン粕の飼料利用に関する研究 3.パイン粕による醗

酵飼料

Author(s)

宮城, 常夫

Citation

琉球大学農家政工学部学術報告 = The science bulletin of

the Division of Agriculture, Home Economics & Engineering,

University of the Ryukyus(8): 282-286

Issue Date

1961-06

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/23288

(2)

パ イ ン粕 の飼料利用 に関す る研究

.

パ イ ン粕 に よる醗酵飼群ト

宮 城 常 夫*

TsuncoM IYAGl:Studiesontheutilizationofpine-applebran asfeedingstuFl. ⅠⅠⅠ.Fermentingfeedsbypine-applebran・ Ⅰ ま え が

前報7)でパ イン粕 は サ イレー ジに して 利 用するのは よい 方法 であることを報告 した。 しか し,パ イ ンサ イレージは運搬が困難 なため,商品的飼料にするには,一般 には パ インア ップルブランにする 方 法が行 なわれてい る。 しか し, パ インブ ラ ンは養豚飼料 と しては 繊維が多 く,蛋白質含量が少ない 欠 点があ る。 この欠点を是正 す る方法 と して,パ イン粕 を醸酵飼料 に して利 用す る方法が考 えられ るo 醸酵飼料 については多 くの研究があるが1)2)3)8)10), 多 くは 酸醇 に よる炭水化物の損失をもた ら しサ イレ⊥ ジ以外の簡醇 は効果的 でない とされているo 井 口3)は Saccharomyces cd7・eVis・iaeとToru・la utilisを澱粉粕の糖化液 に培養 し,殺菌通過 した 空気 を吹 き込 む ことに よって , 蛋 白含畳 の高い飼料 を作 りうることを確 めてお り,窒素源 と して塩化 ア ンモニウム と脱脂糠 を使用 している。

沖縄で も醗酵飼料 の名称で 数程 の ものが発売 されているが, その飼料効果 について過大 に宣伝 され ている。筆者 は生パ イン粕が家畜の噂好 に乏 しく, 蛋白含量が少な く, 繊維含量 の多い欠点を是正す る目的 で Rh,isopus,Aspe1-gillusoryR:ae,Asp.awamoiな どを用いて 硬酵試験 を行な った。 その結 果の概要 を報告する。 ⅠⅠ 実験方法お よび結果 1. Rh,iR:OPzESとAsI,ergillusawamo7・iに よ る 階 酵 試 験 (1) 原 料 (a) 生 パ イン粕 生 パ イン粕 は パ イン曜詰用の果 肉を除いた 果皮,芯 か ら ジ.1'-スを搾 った 粕 か らなる。用いたパ イン粕 は1961年2月-3月の工場副産物の残伍 を細切 して試験に供 した。供試 サ ン プルの水分含量 は 77.287乳 pHは3.8,その風乾物 の一般成分 は第 1表 の通 りである。 第1表 パ イン粕の一般成分

(

r

o

)

水 分 10.639

3

租 蛋 白質 8.1254 *琉球大 学戯家政 工学部畜産学科 租 脂 肪 3.0054 物 莱 窒 爪山..S.I 浴 可 粗 繊 維 58.1

0

7

8

I

15.8185 粗 灰 分 4.303

6

(3)

パ イ ン粕の飼 料利 用 に関 す る研 究 283 (b) 消石灰 生石灰 に加水 して粉末状 に した もので,重豊 に して生 パ イ ン粕の 0.50Aを用いた. (C) 教 生 パ イン粕 の 1070を用いたO (d)種 麹 市販 の RhiEOPflsの菌体 飼料 を生 パ イン粕の 2%)削 、,Asp.a・wa"t・oriは 純粋培養 した もの を添加量 に よって4区に区分 した。 (2) 製 造 方 法 生 パ イ ン粕 に対 して数 1070,糖 蜜570, 消石灰

0

.

570,RhiRWI'u.Sを含 む菌体飼料 270,それ に 泡 盛麹 菌 は無添加 区,0.570添加 区,1% 添加 区,270添加 区 と し,原料 は 充分 に撹揮 したのち, パ ッ トに丘状 に堆積 し,空蓋 で覆 い,30℃ の恒温器 中で輿麹 を行 な った。 (3) 試 験 結 果 試験結 果 を一括表 示 すれ ば第2表 の通 りであ る。 なお,pHは K.K.K.水素 イオ ン比色計 に よ り, ア ンモニアの検 出方法6)は 塩化 ア ンモ ニウムの発生 の有 無に よって 行 な った。 家畜 の噂好 は 成 年 と山 羊各 々2頭 につ いて採食状況 を調査 し,2頭 とも採食 した時 だけ,噂好 に適 す る もの と したO

2衷 RhJiRWPusとAsp.awamo7・,/.'に よ る醗 酵 試 験 試験 区分 醒 酵 時 間 波 液 の色 pH 臭 気 家 畜 の噂 好 額酵温度 ア ンモニアの検 出 泡盛麹菌 調 製 時17時間 淡 緑 色淡 黄 色 4.5.66 糖雪 崇ル臭牛, 3418OC 無 添加 区添加 区0.570 24 淡 黄 色 4.6 わ ず か にカカ ビビ 臭臭 . 山な 羊し 35 41 淡 黄 色 7.4 40.185

+

-llll.. -調 製 時 険 緑 色 5.6 糖 蜜 臭 な し 17 淡 黄 色 4.8 禦 言 _ル臭 年, 山羊 34 24 淡 黄 色 4.6 響 : コ_ル奥 隼,山羊 36 41 淡 黄 色 6.6 軽 いアル コール臭 午, 山羊 41 48 茶 褐 色 7.0 わ ず か にカ ビ 臭 午,山羊 36

+

170 添加 区 調 製時 淡 緑 色 5.6

蜜 臭 な し 18 17 淡 黄 色 4.8 軽いアル コール臭 午, 山羊 35 24 淡 黄 色 4.8 警 L'コ_ル臭 一 年, LLr羊 38 41 淡 黄 色 5.8 禦 言 _ル奥 年,L...fr= 41.5 48 緑 褐 色 7.0 わ ず か にカ ビ 臭 午,山羊 37

+

270 添加 区 調 製時 淡 緑 色 5.6 18 糖 蜜 臭 な し 17 淡 緑 色 4.8 わ ず か にアル コール臭 午, 山羊 34 24 淡 黄 色 4.8 アル コール臭 午,山羊 38 41 淡 朱 色 5.6 アル コール奥 午,山羊

I

41 なお,酸酵 40時 間後 に アル コール醗酵 をお こ した もの を標本瓶 に密栓 して 放 置 してお くと,酷健 醸醇 に よって酸 敗臭 を呈 し家畜 の噂好が低下 するの を認 めた。

(4)

284 宮 城 常 夫

2. A坤.o'・ygaeと Lact.arabinosusお よび Sacch.cel・eVisl(,eに よ る 職 酵 試 験 (1) 頗 料 お よ び 製 造 方 法 原料 お よび 製造方法は 前 述の方法で行 なったが, 桜麹菌は 市販の慨野楯を生パ イン粕の2% 添加 した。 (2) 実 験 結 果 英験の結果は第3喪 の通 りである。 'm3衣 混合菌 に よる醗酵糾験成統

時間

調製時 21時間

_

e

Jp

i

I

_

_

-淡緑色 兼緑色

長己

1

家畜の噂好

糖 蜜 臭 . な し 4.8i聖 聖ア ル コー ル臭に..由一 牛l ■,山羊 ' ■⊥一■

憾酵温度アン

30oC

-41 3. Asp.orygaeに よ る 醗 酵 試 験 (1) 原 料 (a) パ インア ップルブラン パ インア ップルブランは,生 パ イン粕 を糾切器で約 1cm 以下に鮒 切 し,風乾状態に した ものである。 (b) 炭願石灰 飼料用炭酸石灰 をパ インブランの 1.5% 用いた。 (C) 硫安 肥料用硫安で窒素弁慶 2170の ものをパ インブ ランの570用いた。 (d) 種麹 Asp.orygaeを純粋培発 したものをパ インブ ランの 0.170用いた。 (e) 廃糖蜜 甘庶廃糖 密をパ インプランの5070使用 した。 (2) 製 造 方 法 (a) パ インブ ランを1kg秤量 しておいた。 (b) 水 500ccに石灰 15g,硫安 50g,糖 ま 500g を溶解 し, さらに パ インブランを加えなが ら 擬排 して均一一に吸収 させた。 (C) 種麹 1gを少 しづつ加 え,全体に均一に混 ざるように した。 (d) 十分挺排 した後 バ ッ ト1枚に丘状 に堆積 し,空蓋で校い,30oC の恒温器中で製麹を行なった。 製麹中に毎 日適時に手人を行 ない,温度が過界 しないよ うに注意 した。製麹中の温度は2EIEIに31oC, 3Et目は44oC,4日ETは31oC にな り菌練は充分に発育 し背緑色の胞子ができた。 第5日日に出麹 し て,乾燥器内で40℃ の温度 で舵燥 し風乾状態に した。製麹の比率は原料の約 8070であった。 (3) 就 験 結 果 製麹の噂好性について,午,山羊,豚について行 なった

年,山羊はいずれ も好食 した。 豚は麹の ままでは好食せず, これに3倍鼠の釆煮 した 甘藷に水 を加えて練状 に して与えると食するようになっ た 。 鮎麹 を水分合壁約 1070に し,密栓 して 1ケ月貯械 したが 製.I.Wこは異常 を認 めなか った。 原料のパ 第4寮 分 析 費 (Yo)

*

比率- 麹飼料の成分 パ インブランの成JJ)×I()∩

(5)

パ イン粕の飼料利用に関する研究 285 インブランと麹飼料の一般分析4)とア ンモニア態窒素4'および純蟹白質の定盤4)を行なった結果は 第4

表の通 りであった。

考 察

本実験で微生物 (RhiRmPus,Aslpel・gillus awamori,Aslp.01つ,Eae,L云cl・.arabZl710SlfS,Sacch・.

ce7・eVi.daeなど) を用 いて生パ イン粕を醸酵 させることによって, パ イン粕に対する家畜の晴好が高

まることを認めた。 これは蛋 白質分解酵素ブロメ リン11)などのような 家畜の噂好に適 しない物質が麹

菌の有 する軽々の 強力 な酵素によ り消化 されるために 風味をよくするもの と考 えられる。 しか し, RhiR:OPus菌のみの醸醇では 41時間後にア ンモニアの発生 を認め,RhiEOPusと Aslp.awam・oriの

併用では 48時間後に ア ンモニアの発生 を認めた。 微生物による職酵処理 では 24-41時間内に飼料 と して利用するのが適 当と考 える。 パ インブランにAsp.orygaeを接穂 して培養 した麹は純蛋白質含量 9.035970で,その他多 くの非 蛋白態窒素が 含 まれていると考え られる。 アンモニア懇望素含量は原料のパ インブランと麹 と此戦 し て差がないか ら麹菌によって硫安の窒素が充分に利用 された もの と考 え られ る。 パ インプランと製麹 の成分の比率を くらべると,粗蛋 白質 22770,純蛋白質 15470,粗繊維130/oQこして,製麹は蛋白質が 多 く,繊維の少ない飼料であ り,養豚飼料に適 した飼料 と思われる。

要 約

パ イン粕に軽々の微生物 (Rh・i3WPu・S,Asp.atua・mO7-i,LactTa・ra抽20.m,S,SaccJl.CereVisiaeなど) を用いて醗酵飼料 を調製 した。その結果は次の通 りである。

1.RhigoPusのみの醗酵では 41時間後にア ンモニアの発生があった0

2. RhiEOPusと Asp.awamoriによる醗酵では 48時間後にア ンモニアの発生があった。 3. パ インア ップルブランに硫安を 570,炭酸石灰 1.570,廃糖蜜 5070,Aslp.oryR:ae0.170使用 して麹化 したものは粗蛋白質 18.475670,純蛋白質 9.035970,NHB-N 0.06470であった。 原料のパ インブランと製麹の成分の比率を くらべると, 粗蛋白質 22770,純蛋 白質 15470,粗繊維 1370で製麹は蛋 白質が多 く,繊維の少い飼料であ り, これは養豚飼料に適 した飼料 と思われる。 参 考 文 献 D の 幻 直 の の 刀 の 幻 の D l 1 岩 田久敬 1947 畜産の研究.1(15):10. 井 口賢二1956 畜産飼料学.80,614. 菊地,柿,三井1957 飼料生産学.72. 京大農芸化学教主縮 1957 農芸化学_CR・'験暫 第 1巷,515,131,521. 加藤正信 1958 金原松次 1951 宮城 常夫 1960 Morrison1954 西 田孝太 郎 1955 海塩義男 1947 山本 亮 1956 畜産学実験 と実習.278. 食品衛生 簡易検査法.70. 琉球大学戯家政工学部学術報告,7:398-408. FeedsandFeeding.68

,

1124. 農産製造講義.10-87. 畜産の研究.343. 熱帯鹿産物 の加工法.205.

(6)

286

Summary

The author studied on the production of fermented feed adding avarious microorganisms (Rhizopus, A~p. awanz,ori, Asp. oryzae, Lact. arabinosus, Sacch. cereviae) to pineapple bran. The results were as follows.

1. In the bran vlhich was fermented only with Rhizopus, ammonium occured 48 hours after the addition of it.

2. In the bran which was fermented with Rhizopus and Asp. atvalnori, ammonium occured 48 hours after the addition of them.

3. Koji which was made by adding to pineapple bran, alnmonium sulphate 5%, calcium carbonate1.5%, molasses 50%, and Asp. oryzal O. 1

%,

of the weight of the bran, contained crude protein 18.4756%, pure protein 9.0359%, and NI-Ia-N 0.064%. Nutritional value of Koji in comparition to that of pineapple bran was as follows: Koji contained crude protein 227%, pure protein 154%, crude fiber 13% of those of the bran. Therefore, Koji is high in the amount of protein and low in fiber, and it is considered that it is suitable as a feed for hog.

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