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は じ め に

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Academic year: 2021

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は じ め に

有機化学を学習するには,大別して2つの手法がある.1つは有機化合物 を官能基別に学習する方法であり,もう 1つは有機反応を反応機構別に学習 する方法である.官能基別の学習は,有機化学を初めて学ぶ者にとっては取 り組みやすく,反応機構別の学習は 官能基別に学習したあとで有機化学を 系統的に整理し直しさらに深く理解するのに役立つ.本書では,有機化学

を反応機構別に理解する学問を「有機反応論

J

と呼ぶことにする.

本書は,この有機反応論を通して有機化学をより深く理解してもらうため に書かれたものである 有機反応論の理解は 新規な有機化合物の分子設計 と合成経路設計には必要不可欠であり 将来の化学を担う若者にとっては極 めて重要で、ある.

有機反応論については,今まで多くの教科書が出版されてきた.これらの 教科書では主に原子価理論によって反応機構を説明しており,本書での反応 機構の説明も基本的に原子価理論に基づいている.本書は,従前の多くの教 科書に見られる反応機構別の章立てをとらず,反応試剤別に分類・章立て し その反応機構を解説した点を特徴としている.その結果として第2章,第 3 章が一般の教科書に比べやや長くなっているが,共通な中間体,選移状態を 経る反応を相互に関連付けて解説することによって,より有機的に反応機構 を理解できるように配慮した 一方,近年では分子軌道理論が有機反応機構 の理解には欠かせないものとなっている.そこで,最も簡単な分子軌道法で ある単純ヒュッケル (HuckeJ)法とその反応機構理解への応用について,第 4章で解説した.

有機反応論を理解する上で必要な基礎知識が第1章にまとめられている ので,これを十分に理解した上で第2章以降の学習に取り組んでほしい し

『化学の指針シリーズ有機反応機構~ (加納航治・西郷和彦共著/裳華房)

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VI  は じ め に

かし,本書を学習する前に官能基別有機化学を学習していれば,第1章を省 略して第2章から始めても構わない.

反応機構を式で示すことは極めて有効であることから,本書では式を多用 している.反応機構を式で示す際,反応中間体はカギカッコ([

J ;

直角カッ コ)でくくり,遷移状態はカギカツコでくくってダブルダガー(土)を付ける ことになっている. しかし本書では,見やすきを優先して,反応中間体の表 示に必要なカギカッコは敢えて省略しである.読者が各自で中間体を描くと

きには,カギカッコでくくることを忘れないで、ほしい.

本書の執筆は,第1章と第3章は西郷和彦が,第2章と第4章は加納航治 が担当した 内容的に,著者らの専門外のことまで含まれている. したがっ て,記述等に不十分な箇所があるのではないかと危慎される.読者のご指摘,

ご教示を歓迎したい.

第3章の分子軌道計算では,東京大学大学院工学系研究科・小林由佳助教 (現早稲田大学)の力をお借りした また,本書を出版するにあたり裳華房 の小島敏照氏と山口由夏氏にお世話になった.ここに謝意を表したい.

なお,本書に掲載した立体画像などのカラー表示は,ホームページ(http:// www.shokabo.co.jp/author 13221/)を参照されたい

2008年5月

加 納 航 治 西 郷 和 彦

参照

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