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2 材等の処遇改善や給付型奨学金の創設などの主要な政策を確実に行っていく また, 科学技術振興費を伸ばすとともに, 公共事業関係費の成長分野への重点化など経済再生に直結する取組を推進している 同時に, 社会保障制度の持続可能性を高めるための諸改革等を通じ, 社会保障関係費及び一般歳出の 目安 を2

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シェア "2 材等の処遇改善や給付型奨学金の創設などの主要な政策を確実に行っていく また, 科学技術振興費を伸ばすとともに, 公共事業関係費の成長分野への重点化など経済再生に直結する取組を推進している 同時に, 社会保障制度の持続可能性を高めるための諸改革等を通じ, 社会保障関係費及び一般歳出の 目安 を2"

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Ⅰ 平成29年度予算

1 予算編成の前提となる経済情勢及び財政事情 (資料1) ⑴ 経済情勢  28年度の我が国経済をみると,アベノミクスの取組の下, 雇用・所得環境が改善し,緩やかな回復基調が続いている。 ただし,年度前半には海外経済で弱さがみられたほか,国内 経済についても,個人消費及び民間設備投資は,所得,収益 の伸びと比べ力強さを欠いた状況となっている。政府は,デ フレから完全に脱却し,しっかりと成長していく道筋をつけ るため,28年8月2日に「未来への投資を実現する経済対 策」(以下「経済対策」という。)を取りまとめた。雇用・所 得環境の改善が続く中,経済対策等の効果もあって,景気は 緩やかに回復していくことが見込まれる。物価の動向をみる と,これまでの原油価格の下落の影響等により前年比で伸び が低下している。この結果,28年度の実質国内総生産(実質 GDP)成長率は1.3%程度,名目国内総生産(名目GDP)成 長率は1.5%程度と見込まれる。また,消費者物価(総合) は0.0%程度になると見込まれる。  29年度の我が国経済は,経済対策など,既定の諸施策の推 進等により,雇用・所得環境が引き続き改善し,経済の好循 環が進展する中で,民需を中心とした景気回復が見込まれ る。物価については,景気回復により,需給が引き締まって いく中で上昇し,デフレ脱却に向け前進が見込まれる。この 結果,29年度の実質GDP成長率は1.5%程度,名目GDP成長 率は2.5%程度と見込まれる。また,消費者物価(総合)は 1.1%程度の上昇と見込まれる。なお,先行きのリスクとし ては,海外経済の不確実性,金融資本市場の変動の影響等に 留意する必要がある。 ⑵ 財政事情  我が国財政は,28年度当初予算では公債依存度が35.6%に も及び,足元では同年度末の国・地方合わせた長期債務残高 が主要先進国中最悪の水準である対GDP比199%程度となる 見込みであるなど極めて深刻な状況にある。こうした厳しい 財政事情の下,政府としては,32年度までの国・地方を合わ せた基礎的財政収支の黒字化目標の達成に向けて,「経済財 政運営と改革の基本方針2015」(27年6月30日閣議決定)に おいて「経済・財政再生計画」を策定している。さらに28年

平成29年度予算と財政の現状

末において,27年末に策定した改革工程表を改定し,計画期 間(28~32年度)における各歳出分野の改革の具体的内容や 実施検討時期を明らかにした。また計画の中間時点である30 年度において,歳出改革の進捗状況を評価することとしてお り,必要な場合は,デフレ脱却・経済再生を堅持する中で, 歳出・歳入の追加措置等を検討し,32年度の財政健全化目標 を達成することとしている。 2 平成29年度予算成立の経緯  29年度予算の編成作業については,「経済財政運営と改革 の基本方針2016」(28年6月2日閣議決定)を基に進められ た。まず,「平成29年度予算の概算要求に当たっての基本的 な方針について」が8月2日に閣議了解され,これを踏まえ 8月末までに各省庁から概算要求書が提出された。そして, 11月29日に閣議決定された「平成29年度予算編成の基本方 針」の中では,29年度予算の編成に向けては,これまでにも 増して,構造改革は無論として、金融政策に成長指向の財政 政策をうまく組み合わせることに留意したうえで,財政健全 化への着実な取組を進める一方,一億総活躍社会の実現のた めの子育て・介護や成長戦略の鍵となる研究開発など重要な 政策課題について,必要な予算措置を講じるなど,メリハリ の効いた予算編成を目指すこと,東日本大震災,熊本地震を はじめ,各地の災害からの復興や防災対応の強化を着実に進 めること,29年度予算は,「経済・財政再生計画」の2年目 に当たり,同計画に掲げる歳出改革等を着実に実行するた め,改革工程表を十分踏まえて歳出改革を着実に推進すると の基本的考え方に立ち,その取組を的確に予算に反映するこ と等が確認された。その後,各省予算の主要項目に係る大臣 折衝を経て,12月22日に29年度予算政府案が閣議に提出さ れ,概算の閣議決定が行われた。  概算決定後,予算書の作成等が進められ,1月20日の閣議 決定を経て29年度予算は第193回国会(常会)に提出された。 2月27日に衆議院で可決された後,3月27日に参議院で可決 され,同日成立した。 3 平成29年度予算の概要(資料2) ⑴ 平成29年度予算のポイント  29年度予算は,上記1のような経済状況・財政状況を踏ま え,「経済・再生財政計画」の2年目に当たる予算として, 経済再生と財政健全化の両立を実現するものとしている。具 体的には,一億総活躍社会の実現に向け,保育士及び介護人

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 その結果,一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計 に繰り入れる地方交付税交付金は,28年度当初予算額に対し て2,765億円(1.8%)増の15兆4,343億円,地方交付税交付金 と地方特例交付金を合わせた地方交付税交付金等は,28年度 当初予算額に対して2,860億円(1.9%)増の15兆5,671億円と なっている。  また,同特別会計から地方団体に交付される地方交付税交 付金は,28年度当初予算額に対して3,705億円(2.2%)減の 16兆3,298億円となっている。  (防衛関係費)  防衛関係費については,25年12月17日の国家安全保障会議 及び閣議において決定された「平成26年度以降に係る防衛計 画の大綱について」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度 ~平成30年度)について」等を踏まえ,警戒監視能力の強化 や島嶼部における防衛態勢の強化等を図るため,調達改革等 を通じ,一層の効率化・合理化を徹底しつつ,28年度当初予 算額に対して710億円(1.4%)増の5兆1,251億円を計上して いる。  なお,沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告に 盛り込まれた措置を実施するために必要な経費は28億円, 「在日米軍の兵力構成見直し等に関する政府の取組につい て」(18年5月30日閣議決定)及び「平成22年5月28日に日 米安全保障協議委員会において承認された事項に関する当面 の政府の取組について」(22年5月28日閣議決定)に基づく 再編関連措置のうち地元の負担軽減に資する措置を実施する ために必要な経費は2,011億円,政府専用機の取得経費は216 億円であり,これらを総額から除いて見た場合,28年度当初 予算額に対して389億円(0.8%)増の4兆8,996億円となる。  (公共事業関係費)  公共事業関係費については,豪雨・台風災害等を踏まえた 防災・減災対策や既存インフラの老朽化対策の計画的な推 進,民間投資を誘発し,日本の成長力を高める事業などへの 重点化・効率化を図りつつ,真に必要な社会資本整備等に取 り組むこととしている。  この結果,29年度の公共事業関係費は,28年度当初予算額 に対して26億円(0.0%)増の5兆9,763億円を計上している。  (経済協力費)  一般会計ODA予算については,ODA事業量の確保に配慮 しつつ,経費の見直しを行い,予算の重点化等のメリハリ付 けを図ることとし,5,527億円(28年度当初予算比8億円, 0.1%増)を計上している。  (中小企業対策費)  中小企業対策費については,中小企業・小規模事業者への 経営支援の強化に資金の重点的な配分を図るとともに,資金 繰り対策に万全を期している。一方,景気回復を反映して信 用保証制度に関連した日本政策金融公庫への出資金が減少し 材等の処遇改善や給付型奨学金の創設などの主要な政策を確 実に行っていく。また,科学技術振興費を伸ばすとともに, 公共事業関係費の成長分野への重点化など経済再生に直結す る取組を推進している。同時に,社会保障制度の持続可能性 を高めるための諸改革等を通じ,社会保障関係費及び一般歳 出の「目安」を2年連続で達成している。一般歳出は58兆 3,591億円,また地方交付税交付金等は15兆5,671億円であり, これらに国債費23兆5,285億円を加えた一般会計歳出の総額 は,97兆4,547億円となっている。  一方,歳入については,租税等の収入は,57兆7,120億円, その他収入は,5兆3,729億円を見込んでいる。また公債金 は34兆3,698億円となっている。 ⑵ 一般会計の概要 〔歳出〕  (社会保障関係費)  社会保障関係予算については,持続可能な社会保障制度を 構築する観点等から,「改革工程表」において28年末までに 結論を得ることとされていた改革項目を中心に,負担能力に 応じた公平な負担,給付の適正化などの観点から,医療・介 護制度改革を着実に実行したほか,協会けんぽ国庫補助特例 減額措置等を実施した。また,「一億総活躍社会」の実現に 向けて,「希望出生率1.8」・「介護離職ゼロ」の目標実現のた め,保育士等,介護人材・障害福祉人材の処遇改善を実施し たほか,保育・介護の受け皿整備等を着実に推進した。さら に,「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推 進に関する法律」(平25法112)に基づく重点化・効率化策等 により財源を確保し,保育の受け皿拡大,年金受給資格期間 の短縮,国民健康保険への財政支援の拡充等の社会保障の充 実を推進しており,「経済・財政再生計画」の目安に沿って 社会保障関係費の伸びを抑制しつつ,メリハリの効いた社会 保障関係予算としている。  これらの結果,29年度の社会保障関係費は,28年度当初予 算額に対して4,997億円(1.6%)増の32兆4,735億円を計上し ている。  (文教及び科学振興費)  文教及び科学技術の振興については,教育環境整備や科学 技術基盤の強化等に取り組むこととしている。  その結果,文教及び科学振興費については,5兆3,567億 円(28年度当初予算比13億円,0.0%減)を計上しており, うち,科学技術振興費は,1兆3,045億円(28年度当初予算 比116億円,0.9%増)となっている。  (地方交付税交付金等)  29年度の地方財政については,「経済財政運営と改革の基 本方針2015」(27年6月30日閣議決定)を踏まえ,国の一般 歳出の取組と基調を合わせつつ,地方の安定的な財政運営に 必要となる一般財源は,30年度までにおいて,27年度の水準 を下回らないよう実質同水準を確保することとしている。

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後,公債発行額は急増し,昭和54年度には公債依存度が 34.7%にも達した。  このような状況に鑑み,昭和59年度,次いで昭和65年度を 特例公債脱却の目標年次として掲げつつ,概算要求基準にお いていわゆるゼロ・シーリングやマイナス・シーリングを設 定すること等により財政再建路線がとられた。こうした財政 再建努力とバブル期における好調な税収増により,「65年度 脱却目標」は達成された。しかし,バブル経済崩壊後,景気 低迷による税収減や景気対策としての減税等により歳入が減 少した一方,歳出については,公共事業をはじめとした景気 対策や高齢化等に伴う社会保障費の増大により伸び続けた結 果,歳出と歳入の乖離幅は拡大し,我が国の財政は急速に悪 化した。  急激に悪化する財政事情に対する危機感から,平成9年11 月には財政構造改革法が成立し,平成10年度当初予算におけ る公共投資関係費を前年度比7%以上減額する等,予算の歳 出分野毎に量的縮減目標(キャップ)が設定された。また, 平成15年度までに特例公債への依存から脱却し,同年度まで に国・地方を合わせた財政赤字の対GDP比を3%以下とする 等の財政構造改革の目標などが定められた。平成10年度当初 予算はこの法律にしたがって編成されたが,その後,経済活 動の著しい停滞等の場合に特例公債の減額規定の例外を認め る弾力条項が設けられたのを受けて,平成10年度第1次補正 予算が編成され,さらに財政構造改革法の凍結を前提に11月 の緊急経済対策に基づく第3次補正予算,平成11年度当初予 算が編成された。この結果,平成10年度当初予算で15兆5,570 億円であった公債発行額は第3次補正後予算で34兆円,平成 11年度当初予算で31兆500億円となり,公債依存度も37.9%と なった。  その後,平成11年度,平成12年度と大量の公債発行が続い たが,平成13年度予算においては,厳しさを増している財政 状況に鑑み,公債発行額を可能な限り縮減することとし,公 債発行額は第2次補正後予算で30兆円となった。平成14年度 当初予算においては,「公債発行額30兆円以下」との目標の 下,歳出の徹底した見直しを行い,公債発行額は30兆円(補 正後予算34兆9,680億円),公債依存度は36.9%(補正後予算 41.8%)となった。  平成15年度以降,歳出改革路線を堅持することにより,公 債発行額の抑制に努め,平成18年度当初予算において平成13 年度当初予算以来5年ぶりに新規国債発行額が30兆円を下回 る水準となった。公債依存度は37.6%に低下し,当初予算で は平成14年度当初予算以来4年ぶりに30%台となった。平成 19 年 度 か ら 平 成 20 年 度 当 初 予 算 に お い て は ,「 基 本 方 針 2006」に定められた歳出改革を確実に実施し,歳出・歳入に わたる努力を行った結果,新規国債発行額は減額を続けた。 しかし,平成20年秋の世界金融経済危機の影響で税収が大幅 減になるとともに経済対策を行った結果,歳出・歳入の差額 が拡大し,平成22年度当初予算では,公債発行額は44兆3,030 兆円,公債依存度48.0%という異常な事態となった。  こうした厳しい財政事情の下,政府としては,国・地方を た結果,28年度当初予算額に対して14億円(0.8%)減の1,810 億円を計上している。  (エネルギー対策費)  エネルギー対策については,「長期エネルギー需給見通し (エネルギーミックス)」(27年7月16日経済産業省)の実現 に向けて,徹底した省エネルギーの推進や再生可能エネル ギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立に向けた取組を はじめ,エネルギーの安定供給の確保や安全かつ安定的な電 力供給の確保等についても取り組むこととし,一般会計のエ ネルギー対策費として,28年度当初予算額に対して327億円 (3.5%)増の9,635億円を計上している。  (農林水産関係予算)  農林水産関係予算については,農林水産業の成長産業化等 を図るため,28年11月29日に農林水産業・地域の活力創造本 部において改訂された「農林水産業・地域の活力創造プラ ン」に沿って,輸出力の強化や農業基盤整備の充実等に取り 組むこととし,28年度当初予算額に対して20億円(0.1%) 減の2兆3,071億円を計上している。 〔歳入〕  歳入項目について概要を説明すると以下のとおりである。  租税及印紙収入は,現行法による場合,28年度当初予算額 に対して1,100億円増の57兆7,140億円になると見込まれるが, 個人所得課税,法人課税等の税制改正を行うこととしている 結果,28年度当初予算額に対して1,080億円(0.2%)増の57 兆7,120億円になると見込まれる。  また,その他収入は,28年度当初予算額に対して6,871億 円(14.7%)増の5兆3,729億円になると見込まれる。  29年度における公債金は28年度当初予算額を622億円下回 り,前年度に続いて30兆円台となる34兆3,698億円である。公 債金のうち6兆970億円については,「財政法」(昭22法34) 第4条第1項ただし書の規定により発行する公債によること とし,28兆2,728億円については,「財政運営に必要な財源の 確保を図るための公債の発行の特例に関する法律」(平24法 101)の規定により発行する公債によることとしている。こ の結果,29年度予算の公債依存度は35.3%(28年度当初予算 35.6%)となっている。

Ⅱ 我が国の財政の現状

1 我が国の財政事情の推移等(資料3)  我が国の財政事情の推移を,公債の発行状況から見てみる と,昭和30年度から続いていた財政均衡原則が,昭和40年度 補正予算における歳入補てん公債発行で破られた後,昭和50 年度補正予算において初めて,特例公債が発行された。その

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ぼすと考えられ,財政の健全化は緊急の課題となっている。 ⑴ 公的サービスの水準の低下  国債の支払いが増加し,政策経費が圧迫された場合,社会 保障・文教・防衛・インフラ整備など国民生活に必要不可欠 な公的サービスの水準が低下する。また,災害や経済危機等 に対して,政府が本来果たすべき財政機能を発揮できなくな るおそれもある。 ⑵ 世代間の不公平  現役世代が受益(高齢者の年金,医療,介護等)した結果 残された債務は,将来世代に付け回されることになる。さら に,将来世代においては,膨大な債務を償還するために給付 が減り,負担の増加につながるおそれがある。受益と負担の 不均衡を現状のまま維持すれば,世界に冠たる国民皆保険・ 皆年金の維持,次世代への引渡しが困難となる。 ⑶ 民間部門の経済活力の低下  政府財政への信認が低下し,国債が格下げされた場合に は,銀行等の社債が格下げとなり,社債発行による資金調達 コストの上昇が懸念される。また,政府が赤字国債の発行を 通じて民間資金を吸収し続けることにより,成長のための資 金が民間にまわらず,民間部門の経済活力の低下がもたらさ れるおそれがある。 ⑷ 財政への信認低下による金利上昇  債務残高の増大により政府財政への信認が損なわれること となれば,金利の急騰がもたらされる。その場合,国債を大 量に保有する金融機関に含み損が生じる。また,信用力が落 ちることにより,貸し渋り,貸し剥がし等の萎縮が起きると 共に,金融システムが不安定化するおそれがある。その場合 には,企業や家計の資金調達及び世界経済に悪影響が及ぶこ ととなる。政府財政への信認低下がさらに進めば,金利上昇 に留まらず,政府の資金調達が困難となる。 合わせた基礎的財政収支(PB)について,平成27(2015) 年度までに平成22(2010)年度に比べ赤字の対GDP比を半 減,平成32(2020)年度までに黒字化,その後の債務残高対 GDP比の安定的な引下げを目指すとの財政健全化目標を掲 げている。平成27(2015)年度におけるPB赤字半減目標に ついては,平成27年度予算において達成見込みである。平成 32(2020)年度のPB黒字化目標の達成に向けては,「経済財 政運営と改革の基本方針2015」において「経済・財政再生計 画」を策定し,一般歳出の水準等の「目安」を設定するとと もに,さらには,改革工程表を策定し,各歳出分野における 歳出改革の具体的内容や実施・検討時期を明らかにした。 2 財政事情の国際比較(資料4~6)  我が国の財政事情は,主要先進国の中で極めて厳しい状況 にある。  1990年代後半に主要先進国がそろって財政収支を改善する 中,我が国の財政収支は大幅な赤字が続いた。2000年代に入 り,我が国の財政収支は改善傾向にあったが,2008年秋の世 界金融危機の影響により,他の主要国と同様に悪化。足元で 財政収支は再び改善しているものの,他の主要国と比較する と大幅な赤字が続いている。  また,債務残高対GDP比についても,90年代後半に財政健 全化を着実に進めた主要先進国と比較して,我が国は急速に 悪化しており,最悪の水準となっている。  諸外国においては,世界金融危機への対応により悪化した 財政を健全化すべく,各々が定める目標の下,財政健全化に 向けて取組を進めている。 3 財政健全化の必要性・重要性(資料7)  公債発行の増加や債務残高の増大により,財政赤字が拡大 した場合の影響について,最近の欧州の政府債務問題の動向 も踏まえると,以下のように,自国内の経済・財政・国民生 活に重大な影響を与えると同時に,世界経済にも悪影響を及

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(資料1)平成29年度経済見通し・主要経済指標 平成27年度 (実績) (実績見込み)平成28年度 平成29年度(見通し) 対前年度比増減率 平成27年度 平成28年度 平成29年度 兆円 (名目) 兆円程度(名目) 兆円程度(名目) (名目)% (実質)% (名目)%程度 (実質)%程度 (名目)%程度 (実質)%程度 国内総生産 532.2 540.2 553.5 2.8 1.3 1.5 1.3 2.5 1.5  民間最終消費支出 299.9 301.0 305.8 0.5 0.5 0.4 0.7 1.6 0.8  民間住宅 15.9 16.7 17.0 2.7 2.7 5.1 5.4 1.7 0.1  民間企業設備 81.2 82.3 86.3 1.1 0.6 1.3 2.1 4.8 3.4  民間在庫品増加()内は寄与度 2.4 1.6 1.8 (0.3) (0.4) (▲0.2) (▲0.2) (0.1) (0.0)  政府支出 132.8 134.0 137.2 1.0 1.2 1.0 1.1 2.4 1.6   政府最終消費支出 106.0 107.1 108.8 1.7 2.0 1.0 1.1 1.6 1.0   公的固定資本形成 26.7 26.9 28.4 ▲1.4 ▲2.0 0.7 1.1 5.4 4.2  財貨・サービスの輸出 91.7 85.9 91.0 ▲0.7 0.8 ▲6.3 0.8 5.9 3.2  (控除)財貨・サービスの輸入 91.6 81.3 85.7 ▲9.2 ▲0.2 ▲11.3 ▲1.2 5.3 2.6  内需寄与度 1.1 1.1 0.7 1.0 2.3 1.4   民需寄与度 0.8 0.8 0.4 0.7 1.7 1.0   公需寄与度 0.3 0.3 0.2 0.3 0.6 0.4  外需寄与度 1.7 0.2 0.9 0.3 0.1 0.1 国民所得 388.5 393.4 404.2 2.7 1.3 2.7  雇用者報酬 263.4 268.3 273.8 1.5 1.8 2.1  財産所得 25.7 25.1 26.5 4.7 ▲2.1 5.2  企業所得 99.3 100.0 103.9 5.4 0.6 3.9 国民総所得 552.1 558.8 573.6 2.8 2.7 1.2 1.5 2.7 1.7 労働・雇用 万人 万人程度 万人程度 % %程度 %程度  労働力人口 6,605 6,654 6,669 0.2 0.7 0.2  就業者数 6,388 6,449 6,477 0.4 1.0 0.4  雇用者数 5,662 5,732 5,777 1.0 1.2 0.8  完全失業率 3.3% %程度3.1 %程度2.9 生産 % %程度 %程度  鉱工業生産指数・増減率 ▲1.0 1.0 2.7 物価 % %程度 %程度  国内企業物価指数・変化率 ▲3.2 ▲2.0 2.0  消費者物価指数・変化率 0.2 0.0 1.1  GDPデフレーター・変化率 1.4 0.2 0.9 国際収支 兆円 兆円程度 兆円程度 % %程度 %程度  貿易・サービス収支 ▲0.6 4.2 5.1   貿易収支 0.5 5.6 6.1    輸出 73.1 68.2 72.4 ▲3.3 ▲6.7 6.1    輸入 72.6 62.7 66.4 ▲11.7 ▲13.7 5.9  経常収支 18.0 20.2 23.6  経常収支対名目GDP比 3.4% %程度3.7 %程度4.3 (注1) 消費者物価指数は総合である。 (注2) 世界GDP(日本を除く),円相場,原油輸入価格については,以下の前提を置いている。なお,これらは,作業のための想定であって,政府としての 予測あるいは見通しを示すものではない。 平成27年度 (実績) 平成28年度 平成29年度 世界GDP(日本を除く)の 実質成長率(%) 2.8 2.9 3.2 円相場(円/ドル) 120.1 107.5 111.5 原油輸入価格(ドル/バレル) 49.4 45.9 48.2 (備考) 1.世界GDP(日本を除く)の実質成長率は,国際機関等の経済見通しを基に算出。 2.円相場は,平成28年11月10日~12月9日の期間の平均値(111.5円/ドル)で同年12月12日以後一定と想定。 3.原油輸入価格は,平成28年11月10日~12月9日の期間のスポット価格の平均値に運賃,保険料を付加した値(48.2ドル/バレル)で同年12月12日以後一定 と想定。

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(資料2)平成29年度予算のポイント

平成29年度予算のポイント

 誰もが活躍できる一億総活躍社会を実現し、成長と分配の好循環を強化。 保育士・介護人材等の処遇改善、待機児童解消加速化プランに沿った保育の受け皿拡大、 年金の受給資格期間の短縮、育児休業制度の拡充、雇用保険料の軽減、給付型奨学金の創設等  経済再生に直結する取組を推進。 官民一体となっての日本経済の成長力を高めるような施策への重点配分、科学技術振興費の伸長、 第4次産業革命の推進、公共事業関係費の成長分野への重点化等  働き方改革を推進。 賃金アップを図る企業への助成、勤務間インターバルを導入する中小企業への支援、非正規労働者の 正社員転換や待遇改善に取り組む企業の支援等  一般歳出の伸びについて、2年連続して「経済・財政再生計画」の「目安」を達成(+5,300億円)。  社会保障の持続可能性を確保するために、社会保障関係費の伸びも「目安」に沿って抑制(+5,000億 円)。 負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化などの観点から、高額療養費/高額介護サービス費の見直し、 後期高齢者医療の保険料軽減特例の見直し、介護納付金の総報酬割の導入などの改革を推進。  国債発行額(34.4兆円)を引き続き縮減(前年度から▲622億円)。

経済再生

「経済・財政再生計画」2年目の予算として、経済再生と財政健全化の両立を実現する予算

財政健全化

平成29年度予算のポイント

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(単位:億円) 28年度予算 (当初) 29年度予算 28'→29' 備 考 (歳 入) 税 収 576,040 577,120 1,080 そ の 他 収 入 46,858 53,729 6,871 公 債 金 344,320 343,698 △622 ○ 公債依存度 35.3%程度(28年度当初 35.6%) うち4条公債(建設公債) うち特例公債(赤字公債) 60,500 283,820 60,970 282,728 470 △1,092 計 967,218 974,547 7,329 (歳 出) 国 債 費 236,121 235,285 △836 一 般 歳 出 578,286 583,591 5,305 地 方 交 付 税 交 付 金 等 152,811 155,671 2,860 計 967,218 974,547 7,329

平成29年度予算フレーム

(注1) 平成23年基準(2008SNA)による。 (注2) 平成28年度及び平成29年度は、「平成29年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(平成28年12月20日 閣議了解)による。 (注3) 平成26年度の名目GDP成長率及び消費者物価上昇率のカッコ内の計数は、消費税率引上げによる影響を機械的に除いた計数。 (注1) 計数は当初予算ベース。公債依存度は公債発行額を一般会計歳出総額で除して算出。 (注2) 平成24年度の一般歳出、基礎的財政収支及び公債依存度は、基礎年金国庫負担2分の1ベース。 (注3) 一般歳出とは、一般会計歳出総額から国債費及び地方交付税交付金等を除いたもの。 <経済指標> <財政指標(一般会計)> 平成24年度 (実績) 平成25年度 (実績) 平成26年度 (実績) 平成27年度 (実績) 平成28年度 (実績見込み) 平成29年度 (見通し) 名目GDP成長率 0.2% 2.6% 2.1%(0.7%) 2.8% 1.5% 2.5% 名目GDP 494.7兆円 507.4兆円 517.9兆円 532.2兆円 540.2兆円 553.5兆円 実質GDP成長率 0.9% 2.6% ▲0.4% 1.3% 1.3% 1.5% 消費者物価上昇率 ▲0.3% 0.9% 2.9%(0.9%) 0.2% 0.0% 1.1% 完全失業率 4.3% 3.9% 3.5% 3.3% 3.1% 2.9% 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度(政府案) 一 般 歳 出 54.4兆円 54.0兆円 56.5兆円 57.4兆円 57.8兆円 58.4兆円 税 収 ※( )は消費税率引上げ(5%→8%) に伴う増収分(国税部分) 42.3兆円 43.1兆円 50.0兆円 (4.5兆円) 54.5兆円 (6.2兆円) 57.6兆円 (6.3兆円) 57.7兆円 (6.3兆円) 公 債 金 収 入 ※別途、基礎年金国庫負担2分の1へ の引上げに伴う年金特例債あり 44.2兆円 ※年金特例債2.6兆円 42.9兆円 ※年金特例債2.6兆円 41.3兆円 36.9兆円 34.4兆円 34.4兆円 基 礎 的 財 政 収 支 ▲24.9兆円 ▲23.2兆円 ▲18.0兆円 ▲13.4兆円 ▲10.8兆円 ▲10.8兆円 公 債 依 存 度 47.6% 46.3% 43.0% 38.3% 35.6% 35.3%

(8)

(注1) 計数は当初予算ベース。公債依存度は公債発行額を一般会計歳出総額で除して算出。 (注2) 平成24年度の公債依存度は、基礎年金国庫負担2分の1ベース。 平成元

公債発行額、公債依存度(当初予算ベース)の推移

(注1) 計数については、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。 (注2) 一般歳出※における社会保障関係費の割合は55.6%。 ※「一般歳出」(=「基礎的財政収支対 象経費」から「地方交付税交付金等」を除 いたもの)は、583,591(59.9%) 食料安定供給 エネルギー対策 経済協力 恩給 中小企業対策 その他の事項経費 予備費 10,174 (1.0) 9,635 (1.0) 5,110 (0.5) 2,947 (0.3) 1,810 (0.2) 61,098 (6.3) 3,500 (0.4) (単位:億円)

平成29年度一般会計歳出・歳入の構成

一般会計歳出 一般会計歳入 (単位:億円)

(9)

平成29年度予算においては、施策の優先順位を洗い直し、一億総活躍社会の実現や経済再生を始め、成長と分配の 好循環の確立に向けた重要政策課題に重点化。 <社会保障> <教育> 一億総活躍社会の実現 ○ 保育士等の処遇改善︓全ての職員を対象に2%の処遇改善(平成25年度以降、人勧分も含めて合計10%の改善)を 行うとともに、①副主任保育士等については月+40,000円、②職務分野別リーダーについては月+5,000円、の処 遇改善を実現(544億円) ○ 介護人材・障害福祉人材の処遇改善︓月額平均+10,000円相当(平成29年度に臨時の報酬改定を行い、「キャ リアアップの仕組み」として、「経験」、「資格」又は「評価」に応じた昇給の仕組みを設ける事業者に対して、 報酬を上乗せ)(408億円) ○ 保育の受け皿拡大等︓待機児童解消加速化プランに沿って受け皿拡大を着実に実施(公費+953億円) ○ 平成29年8月から年金の受給資格期間を25年から10年に短縮するための所要額(平成29年9月~30年1月の計5 か月分256億円(公費ベース))を措置。 ○ 育児休業制度︓保育所に入れない等の場合の最大期間を1歳6か月から2歳までに延長。 ○ 雇用保険料の軽減︓時限的に3年間▲0.2%引下げ(労使折半) ⇒平均的なサラリーマンの年収(420万円)の場合、年額4,200円の負担軽減(▲3,500億円) ○ 月3万円を軸に給付する「給付型奨学金」を30年度から創設(「私立・自宅外」については29年度から)(70億 円)。 ○ 無利子奨学金について、低所得世帯の子供に係る成績基準を実質的に撤廃・残存適格者を解消(885億円)。

平成29年度予算の特徴①(メリハリの効いた予算)

(単位:億円) 主要経費 28年度予算(当初) 29年度予算 増減額 増減率 備 考 国債費 236,121 235,285 ▲836 ▲0.4% 一 般 歳 出 578,286 583,591 +5,305 +0.9% 社会保障関係費 319,738 324,735 +4,997 +1.6% 文教及び科学振興費 53,580 53,567 ▲13 ▲0.0% うち科学技術振興費 12,930 13,045 +116 +0.9% 恩給関係費 3,421 2,947 ▲474 ▲13.9% 防衛関係費 50,541 51,251 +710 +1.4% 公共事業関係費 59,737 59,763 +26 +0.0% 経済協力費 5,161 5,110 ▲51 ▲1.0% (参考)ODA 5,519 5,527 +8 +0.1% 中小企業対策費 1,825 1,810 ▲14 ▲0.8% エネルギー対策費 9,308 9,635 +327 +3.5% 食料安定供給関係費 10,282 10,174 ▲108 ▲1.0% その他の事項経費 61,193 61,098 ▲95 ▲0.2% 予備費 3,500 3,500 - -地方交付税交付金等 152,811 155,671 +2,860 +1.9% 義務教育費国庫負担金の自然減等 ▲18億円 中期防対象経費 +389億円(+0.8%)、SACO・米軍再編経費等 +321億円 対名目GDP比:防衛関係費0.926%(中期防対象経費0.885%) 一般会計全体のODA予算は2年連続の増。 景気回復を反映した信用保証制度関連予算(日本政策金融公庫出資金)の 減▲32億円 原子力損害賠償支援勘定への繰入れ 400億円(皆増) 米・畑作物の収入減少影響緩和対策に係る一般会計所要額の減 ▲97億円 地方税・地方交付税等の地方の一般財源総額について28年度と実質的に 同水準を確保。 合計 967,218 974,547 +7,329 +0.8% (注1) 28年度予算は、29年度予算との比較対照のため、組替え をしてある。 (注2) 計数は、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは 一致しないものがある。 (注3) 一般歳出とは、一般会計歳出総額から国債費及び地方交付税交付金等を除いたもの。

主要経費別内訳

(10)

(注1) 「一億総活躍社会の実現」関連予算は、国費ベースで対前年度+0.5兆円(平成28年度:2.4兆円→平成29年度:2.9兆円)、公費ベースで 対前年度+0.8兆円(平成28年度:4.4兆円→平成29年度:5.2兆円)。 (注2) 計数については精査中であり、今後異動が生じる可能性がある。 働き方改革 経済再生 ○ 民間投資を引き出し、官民一体となって日本経済の成長力を高めるような研究開発へ重点配分しつつ、科学技術振 興費全体として+0.9%の伸び率(27年度+0.2%→28年度+0.6%→29年度+0.9%)。 ○ 観光先進国に向け、観光庁予算を増額(210億円)するほか、文化財(220億円)、 国立公園等(100億円)の活 用を推進。 ○ 人工知能、ロボット、IoT、自動走行、サイバーセキュリティ等の分野において、研究開発や実証等を行い、第4次 産業革命を推進。 ○ 賃上げに向けた環境整備を支援するため、年功序列によらない能力評価制度を整え、賃金アップを図る企業への助 成を創設(39億円)。 ○ 長時間労働の是正に資するよう、勤務間インターバルを自発的に導入する中小企業への支援を実施(4億円)。 ○ 同一労働・同一賃金をはじめとした非正規雇用労働者の待遇改善のため、正社員転換や処遇改善などに取り組む企 業を支援(670億円)。 行政事業レビュー ○ 秋の年次公開検証の指摘事項を適切に反映(ベンチャー支援の重点化、基金への積み増し抑制等)。

平成29年度予算の特徴①(メリハリの効いた予算)

〇 社会保障関係費の伸びを、「経済・財政再生計画」の「目安」に沿って抑制(+5,000億円)。 〇 「改革工程表」等に沿って、負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化などの観点から、医療・介護制度改革(高額療養費/高額介護サービ ス費の見直し、後期高齢者の保険料軽減特例の見直し、介護納付金の総報酬割の導入など)を実行。 〇 財源を確保し、保育の受け皿拡大、年金受給資格期間の短縮、国保・被用者保険に対する財政支援の拡充等の社会保障の充実を実施。 〇 公共事業関係費については安定的な確保(5兆9,763億円)を行い、その中で、①豪雨・台風災害等を踏まえた防災・減災対策、②民間投資を 誘発し、日本の成長力を高める事業などへの重点化を推進。 〇 国庫債務負担行為の活用により、公共工事の施工時期を平準化し、建設現場の生産性を向上(2か年国債を倍増、ゼロ国債の設定)。 〇 農林水産業の輸出力強化、農業の経営力・人材力の強化(農業経営塾の開講、経済界の人材活用)等により、農林水産業の成長産業化を推進。 〇 農地の大区画化や高収益作物への営農転換を促進するため、土地改良関係事業(農業農村整備事業関係予算)を拡充。 〇 農地中間管理機構による担い手への農地集積・集約化を一層加速化。 〇 発達障害を持つ児童生徒や外国人児童生徒の急増といった学校現場で起きている課題に安定的に対応するため、「通級指導」や「日本語指導」 に係る教員を児童生徒数に応じて措置される「基礎定数」に移行。 〇 国立大学法人運営費交付金等について、教育研究基盤の安定のために前年度同水準を確保。授業料免除枠を拡充。 〇 「地球儀を俯瞰する外交」を推進する観点から、一般会計全体のODA予算について2年連続となる増額を確保(+0.1%の5,527億円)。 〇 難民対策などグローバルな課題に貢献するほか、テロ等を踏まえた邦人の安全対策や戦略的対外発信の取組みを強化。 〇 南西方面等の海空域の安全確保等に重点化。中期防対象経費について+0.8%を確保。防衛関係費全体としては+1.4%の5兆1,251億円。 〇 中期防衛力整備計画の「5年間で調達効率化7,000億円」に向け、原価の精査などを通じて装備品単価低減等を実現(▲2,000億円程度)。 〇 復興のステージに応じ、原子力災害被災地域の復興・再生や、福島の農業再生、人材確保策など産業・生業(なりわい)の再生を推進。 〇 歳出特別枠を削減・合理化(地域経済基盤強化・雇用等対策費︓0.45兆円→0.2兆円)する一方、地方の一般財源総額を適切に確保するため、 地方交付税交付金等を増額(15.3兆円→15.6兆円)。 臨時財政対策債の増加幅は+0.3兆円に抑制(3.8兆円→4.0兆円)。 〇 地方の自主的かつ先駆的な取組みを支援する「地方創生推進交付金」について引き続き措置。 社会保障 公共事業 地方財政 復興 外交・・防衛 教育 農林水産 地方創生

平成29年度予算の特徴②(各歳出分野の特徴)

(11)

歳出分野 主な事項 社会保障  2016年末までに結論が得られた医療・介護制度改革(高額療養費・高額介護サービス 費の見直し、介護納付金の総報酬割導入等)を着実に実施。  引き続き検討が必要な項目(かかりつけ医普及の観点からの外来時の定額負担、市販品 類似薬に係る保険給付の見直し、生活援助サービス等の見直し等)について、できるだけ 早期に検討・実施が図られるよう、関係審議会等における議論も踏まえ、改革工程を改定。  高額薬剤が登場する中、国民負担の軽減等を実現する観点から、「薬価制度の抜本改革 に向けた基本方針」(2016年12月)に基づき、薬価制度の抜本改革を進める。 社会資本整備等  コンパクト・プラス・ネットワークの形成を図るため、立地適正化計画に基づき実施す るまちづくりに関連する事業への支援施策の重点化等を推進。  PPP/PFI手法の開発・普及等を図る地域プラットフォーム形成支援等を推進。 地方行財政改革  地方交付税におけるトップランナー方式について、新たに2業務について基準財政需要 額の算定に反映を開始(2017年度)。  自治体クラウド導入による歳出効率化の成果を測定。自治体に対する助言や地方交付税 措置による重点的な支援を通じ、全国展開を推進。 文教・科学技術  少子化の進展や学校の諸課題に関する実証研究等を踏まえた教職員定数の中期見通しの 策定に向け、教育政策に関する実証研究を推進。  産学官の連携の深化など、オープンイノベーションの促進に向けた取組等を推進。 「改革工程表」において、「経済・財政再生計画」期間(2016~2020年度)の改革の方向性や検討・実施時期等を明確化。

歳出各分野における効率化等①(「改革工程表」(2016改定版)の概要)

注1)年間上限14.4万円を新設 注2)1割負担者のみの世帯については、年間上限44.6万円(3.7万円×12)を設定(3年間の時限措置) *1 高額医療・高額介護合算療養費制度の現役並みの上限も70歳未満と統合(30年8月施行) *2 ≪≫は年4回以上利用する場合の4回目以降の上限(多数回該当)

歳出各分野における効率化等②(医療・介護制度改革1/2)

①:29年8月施行 ②:30年8月施行 高額療養費 (70歳未満) 高額療養費(70歳以上) 高額介護 サービス費 外来 入院 年収1,160万円~ 25.3+1% 《14.0》 現役 並み 4.4 → 5.8 → → 4.4 770万円~ 16.7+1% 《9.3》 370万円~ 8.0+1% 《4.4》 ~370万円 5.8 《4.4》 一般 1.2 → 1.4注11.8注1 4.4 → 5.8 《4.4》 3.7 → 4.4注2 住民税非課税 3.5 《2.5》 0.8 2.5 2.5 一定所得以下 1.5 1.5 入院と 統合 【高額療養費・高額介護サービス費の見直し】 29年度:高額療養費▲224億円、高額介護サービス費▲13億円  70歳以上の高額療養費について、現役世代の水準を勘案して見直し(低所得者に配慮し、住民税非課税者は見直しの対象外)  高額介護サービス費について、高額療養費の多数回該当と同水準に見直し(現役並みは、負担割合3割への引上げを勘案して据置き) 8.0+1% 《4.4》 25.3 +1% ≪14.0≫ 16.7 +1% ≪9.3 ≫ 8.0 +1% ≪4.4 ≫ 【後期高齢者の保険料軽減特例の見直し】 29年度:▲ 187 億円  〔所得割〕29年度から5割→2割軽減、 30年度から軽減なし(本則どおり)  〔元被扶養者〕資格取得時期にかか わらず、29年度は7割軽減、30年度は 5割軽減、31年度からは資格取得後2 年間のみ5割軽減(本則どおり)  〔均等割〕低所得者に対する介護保険 料軽減措置の拡充や年金生活者支 援給付金の支給とあわせて見直し 夫婦世帯における夫の例 (妻の年金収入80万円以下の場合) 元被扶養者に対する軽減措置 (均等割) ① ① ② ① ② ① ②

(12)

0.73% 1.63% 2.28% 0% 1% 2% 上位10健保組合 協会けんぽ 下位10健保組合 【 介護納付金の総報酬割の導入】 29年度:▲ 443 億円(保険者支援+ 94億円を勘案後)  29年度から段階的に総報酬割を導入*(29年度・30年度1/2導入、31年度3/4導入、32年度全面導入) * 29年8月分の介護納付金から適用(29年度分については介護納付金のうちの8/12について導入)  負担増が特に大きい保険者には、31年度末までの時限的な支援を実施 1.54% 1.54% 1.54% 0% 1% 2% 上位10健保組合 協会けんぽ 下位10健保組合 <加入者割> (1.95%) 1.55%pt <総報酬割> 上位10 健保組合 下位10 健保組合 協会 けんぽ 上位10 健保組合 下位10 健保組合 協会 けんぽ 国庫負担 【入院時の光熱水費負担の見直し】29年度:▲17億円 現状 29年10月~ 30年4月~ 医療区分Ⅰ 320円/日 370円/日 370円/日 医療区分Ⅱ・Ⅲ 0円/日 200円/日 【高額薬剤の薬価引下げ】 29年度:▲196億円  医療療養病床(65歳以上)の光熱水費負担について、介護保険施設* と同水準の負担(370円/日)に見直し(難病患者は除く)  オプジーボについて、市場が大幅に拡大した状況を踏まえ、 緊急薬価改定を行い、29年2月から薬価を▲50%引下げ 現行薬価 29年2月~ 20㎎ 約15万円 約7.5万円 100㎎ 約73万円 約36万円 【その他30年度から施行予定の主な見直し】  所得水準が現役世代並みと認められる個人について、介護保険の利用者負担割合を3割に引上げ(30年8月施行)  福祉用具貸与価格について、商品ごとに「全国平均貸与価格+1標準偏差(≒上位16%ライン)」を上限として設定(30年10月施行) * 老人保健施設及び介護療養病床の多床室における光熱水費に係る補足給付の 基準費用額は、370円/日 総報酬割導入による所要保険料率の変化のイメージ ※26年度実績に基づく試算 負担増 約1,300万人 負担減 約1,700万人 うち協会けんぽ 約1,400万人 総報酬割導入による被保険者の負担の増減 ※26年度実績に基づく試算

歳出各分野における効率化等②(医療・介護制度改革2/2)

(13)

(資料3)戦後における我が国財政の変遷(名目額) 公債不発行 4 条公債発行 4 条公債発行 特例公債発行 4条公債発行 特例公債発行 4条公債発行 ( 兆円) ( 兆円) 消 費 税 率 5 % → 8 % リ マ ン ・ シ ョ ッ ク 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 導 入 介 護 保 険 制 度 導 入 消 費 税 導 入 3 % 基 礎 年 金 制 度 導 入 マ イ ナ ス ・ シ リ ン グ 年 度 特 例 公 債 脱 却 目 標 設 定 6 5 ゼ ロ ・ シ リ ン グ 第 二 次 石 油 危 機 年 度 特 例 公 債 脱 却 目 標 設 定 機 関 車 論 5 9 第 一 次 石 油 危 機 変 動 為 替 相 場 制 移 行 福 祉 元 年 当 初 予 算 で 建 設 公 債 発 行 補 正 予 算 で 歳 入 補 填 債 発 行 国 民 皆 保 険 ・ 皆 年 金 制 度 確 立 バ ブ ル 経 済 崩 壊 財 政 再 建 計 画 大 綱 第 二 次 世 界 大 戦 終 戦 財 政 法 成 立 朝 鮮 戦 争 財 政 制 度 審 議 会 設 置 ド ッ ジ ラ イ ン ・ シ ャ ウ プ 勧 告 日 本 国 憲 法 成 立 金 融 危 機 措 置 令 預 金 封 鎖 ・ 新 円 切 替 神武景気 30 ’ 「 も はや戦後 で は な い 」 岩戸景気 国 民 所 得 倍 増 計 画 東 京 オ リ ン ピ ッ ク い ざ なぎ 景気 現 在 の 減 債 制 度 確 立 年 償 還ル ル 日 本 国 有 鉄 道 民 営 化 年 度 国 債 発 行 額 30 兆 円 以 下 目 標 所 得 税 減 税 税 率構 造 の 累進 緩 和等 → 補 正 予 算 6年 度 で 特 例 公 債 発 行 阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 年 度 P B 黒 字 化 目 標 設 定 23 年 度 P B 黒 字 化 目 標 設 定 32 土 光 臨 調 発 足 3K 米 国 鉄 健 康保 険 問 題 増 税 な き 財 政 再 建 五輪景気 P B 中 間 目 標 達 成 40 年不況 郵 政 民 営 化 い ざ な み景気 サ ン フ ラ ン シ ス コ 条 約 対 日講 和 条約 締 結 社 会 福 祉 事 業 法 成 立 バ ブ ル経済 年 度 特 例 公 債 脱 却 目 標 設 定 55 補 正 予 算 で 特 例 公 債 発 行 財 政 危 機 宣 言 6 0 財 政 構 造 改 革 法 停 止 ア ジ ア 通 貨 危 機 ・ 国 内 金 融 シ ス テ ム 問 題 財 政 構 造 改 革 法 成 立 消 費 税 率 3 % → 5 % プ ラ ザ 合 意 日 本 電 電 公 社 ・ 日 本 専 売 公 社 民 営 化 ス ミ ソ ニ ア ン 協 定 ニ ク ソ ン ・ シ ョ ッ ク 大 阪 万 国 博 覧 会 新 国 民 健 康 保 険 法 成 立 国 民 年 金 法 成 立 P B 黒 字 化 目 標 年 度 32 ・・・・・ 15 年 15 年 特例公債発行 な べ底不況 均 衡 財 政 不 均 衡 財 政 バ ブ ル経済崩壊 臨 時 特 別 公 債 発 行 湾岸 戦 争 への 対 応 特 例 公 債 発 行 脱 却 減 税 特 例 公 債 発 行 8年 度 年 金 特 例 公 債 発 行 25 年度 → 補 正 予 算 で 復 興 債 発 行 東 日 本 大 震 災 14 法 人 税 減 税 税 率引 下 げ 所 得 税 減 税 最 高税 率 の 引下 げ 所 得 税 か ら 住 民 税 へ の 税 源 移 譲 ( 年度) (注 1 ) 一般会計税収及び歳出総額 は 、 平成 27 年度 ま で は 決算 、 平 成 28 年度 は 第 3 次補正後予算 、 平成 29 年 度 は 予算に よ る。 (注 2 ) 政府債務残高 は 、 「国債及び借入金現在高」 の 年度末 の 値 (財務省「国債統計年報」 等 に よ る )。 平 成 28 、 29 年度 は 年度末 の 見込 み 。 (注 3 ) G D P は 、 昭和 29 年度 ま で は 名目 G N P 、 昭和 30 年度以降 は 名 目 G D P の 値 (昭和 29 年度 ま で は 日本統計協会「日本 長 期統計総覧」 、 昭和 30 年度以降 は 内 閣府「国民経済計算 」に よ る )。 た だ し 、 平成 28 、 29 年 度 は 内閣府「政府経済見通 し 」(平成 29 年 1 月 20 日閣 議 決定)に よ る 。 1 ,2 2 3 .5 34 .4

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20 昭 2 1 2 2 2 3 2 4 2 5 2 6 2 7 2 8 2 9 3 0 3 1 3 2 3 3 3 4 3 5 3 6 3 7 3 8 3 9 4 0 4 1 4 2 4 3 4 4 4 5 4 6 4 7 4 8 4 9 5 0 5 1 5 2 5 3 5 4 5 5 5 6 5 7 5 8 5 9 6 0 6 1 6 2 63 元 平 23 4 5 6 78 9 1 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 2 0 2 1 2 2 2 3 2 4 2 5 2 6 2 7 2 8 29 政府債務残高(右軸) 一般会計歳出(左軸) 一般会計税収(左軸) 新規国債発行額(左軸)

(14)

(資料4)財政収支の国際比較(対GDP比) (%) 暦 年 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 日 本 ▲ 8.0 ▲ 7.6 ▲ 6.1 ▲ 5.3 ▲ 3.3 ▲ 2.8 ▲ 3.4 ▲ 9.5 米 国 ▲ 6.3 ▲ 7.5 ▲ 6.8 ▲ 5.5 ▲ 4.4 ▲ 5.1 ▲ 8.5 ▲ 14.1 英 国 ▲ 2.0 ▲ 3.3 ▲ 3.5 ▲ 3.4 ▲ 2.8 ▲ 2.9 ▲ 4.9 ▲ 10.6 ド イ ツ ▲ 3.9 ▲ 4.2 ▲ 3.8 ▲ 3.4 ▲ 1.7 0.2 ▲ 0.2 ▲ 3.2 フ ラ ン ス ▲ 3.1 ▲ 3.9 ▲ 3.5 ▲ 3.2 ▲ 2.3 ▲ 2.5 ▲ 3.2 ▲ 7.2 イ タ リ ア ▲ 3.1 ▲ 3.4 ▲ 3.6 ▲ 4.2 ▲ 3.6 ▲ 1.5 ▲ 2.7 ▲ 5.3 カ ナ ダ ▲ 0.2 ▲ 0.1 0.8 1.6 1.8 1.8 0.2 ▲ 3.9 暦 年 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 日 本 ▲ 8.3 ▲ 8.3 ▲ 8.1 ▲ 7.8 ▲ 5.5 ▲ 4.8 ▲ 4.5 ▲ 4.5 米 国 ▲ 13.0 ▲ 11.2 ▲ 9.4 ▲ 5.9 ▲ 5.2 ▲ 4.5 ▲ 5.0 ▲ 5.2 英 国 ▲ 9.6 ▲ 7.7 ▲ 8.3 ▲ 5.7 ▲ 5.6 ▲ 4.3 ▲ 3.3 ▲ 3.1 ド イ ツ ▲ 4.2 ▲ 1.0 ▲ 0.0 ▲ 0.2 0.3 0.7 0.5 0.5 フ ラ ン ス ▲ 6.8 ▲ 5.1 ▲ 4.8 ▲ 4.0 ▲ 4.0 ▲ 3.5 ▲ 3.3 ▲ 3.0 イ タ リ ア ▲ 4.2 ▲ 3.7 ▲ 2.9 ▲ 2.7 ▲ 3.0 ▲ 2.6 ▲ 2.4 ▲ 2.4 カ ナ ダ ▲ 4.7 ▲ 3.3 ▲ 2.5 ▲ 1.9 ▲ 0.5 ▲ 1.3 ▲ 2.2 ▲ 2.3

(出典)OECD "Economic Outlook 100"(2016年11月)

※ 数値は一般政府ベース、ただし、日本及び米国は社会保障基金を除いた値。 仮にこれを含めれば、以下のとおり。 (%) 暦 年 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 日 本 ▲ 7.7 ▲ 7.8 ▲ 7.3 ▲ 5.7 ▲ 3.3 ▲ 2.8 ▲ 3.6 ▲ 10.1 米 国 ▲ 4.8 ▲ 6.0 ▲ 5.5 ▲ 4.2 ▲ 3.1 ▲ 3.7 ▲ 7.2 ▲ 12.8 暦 年 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 日 本 ▲ 9.5 ▲ 9.5 ▲ 9.0 ▲ 8.5 ▲ 6.2 ▲ 5.4 ▲ 5.2 ▲ 5.2 米 国 ▲ 12.2 ▲ 10.8 ▲ 9.0 ▲ 5.5 ▲ 5.0 ▲ 4.4 ▲ 5.0 ▲ 4.9 (注1)日本及びドイツは2015年以降、それ以外の国々は2016年以降が推計値。 (注2)日本の財政収支については、単年度限りの特殊要因を除いた数値。 (暦年) ▲ 16.0 ▲ 12.0 ▲ 8.0 ▲ 4.0 0.0 4.0 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (%) 日本 米国 英国 フランス イタリア カナダ ドイツ (資料5)債務残高の国際比較(対GDP比) (%) 暦 年 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 日 本 164.0 169.6 180.7 186.4 186.0 183.0 191.8 210.2 米 国 55.4 58.5 65.5 64.9 63.6 64.0 72.8 86.0 英 国 34.2 35.8 38.7 40.0 41.0 42.2 50.3 64.2 ド イ ツ ド イ ツ 59.2 62.9 64.7 66.9 66.3 63.5 64.9 72.4 60.1 64.2 65.7 67.2 64.4 64.4 68.1 79.0 101.9 100.5 100.1 101.9 102.6 99.8 102.4 112.5 フ ラ ン ス イ タ リ ア カ ナ ダ フ ラ ン ス イ タ リ ア カ ナ ダ 79.9 76.2 72.1 70.9 70.1 66.8 67.8 79.3 暦 年 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 日 本 215.8 231.6 238.0 244.5 249.1 248.0 250.4 253.0 米 国 94.7 99.0 102.5 104.6 104.6 105.2 108.2 108.4 英 国 75.7 81.3 84.8 86.0 87.9 89.0 89.0 88.8 81.0 78.3 79.5 77.1 74.5 71.0 68.2 65.9 81.7 85.2 89.6 92.4 95.3 96.1 97.2 97.8 115.4 116.5 123.3 129.0 132.5 132.7 133.2 133.4 81.1 81.5 84.8 86.1 86.2 91.5 92.1 90.5

(出典)IMF "World Economic Outlook Database"(2016年10月)

(注1) 数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。 (注2) 日本は2015年以降、それ以外の国々は2016年以降が推計値。 (暦年) 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (%) 日本 イタリア フランス 英国 米国 カナダ ドイツ

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(資料6)主要国の財政再建計画ならびに財政健全化目標 財政運営の原則等 具体的な目標等(計画等) 日本 財政法( 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなけれ1947年) ばならない。 中期財政計画(2013年) PB(国・地方)⇒ ①2015年度までに赤字対GDP比半減(2010年度比) ②2020年度までに黒字化  債務残高(国・地方)対GDP比 ⇒ 2021年度以降、安定的に引下げ 米国 大統領予算教書(2017年) 10年以内に財政収支(連邦政府)を均衡させ、債務残高(連邦政府)対GDP比を60%に削減する。 英国 予算責任・会計検査法( 財務省において、財政政策の策定・実施等に関する文章として、予算責2011年) 任憲章を策定し、その中において、財政の目標を定めなければならない。  予算責任憲章は、下院の決議による承認が必要。 予算責任憲章  構造的財政収支(公的部門)対GDP比 ⇒ 2020年度までに▲2%以下に削減  純債務残高(公的部門)対GDP比 ⇒ 2020年度には減少 ドイツ 連邦基本法(2009年)  連邦及び州の予算は、原則、借入れなしに、均衡させなければならない。 予算原則法(2013年)  構造的財政収支(一般政府)対GDP比を▲0.5%以下とする。 (参考)安定化プログラム2017(2017年)  財政収支(連邦政府) ⇒2018年から2021年まで均衡を維持  債務残高(一般政府)対GDP比 ⇒ 2020年までに60%以下 フランス 憲法(2008年)  公共財政の複数年にわたる方針を計画化法において定め、その方針は 会計均衡の目標の中に位置づけられる。 複数年財政計画法2014~2019(2014年)  構造的財政収支(一般政府)対GDP比を2019年までに▲0.4%以下とする。 (参考)安定化プログラム2017(2017年)  財政収支(一般政府)対GDP比 ⇒ 2017年までに▲3%以下  債務残高(一般政府)対GDP比 ⇒ 2020年より60%超の部分を直近3ヵ年 平均1/20以上削減 イタリア 憲法(2012年)  行政は、欧州連合の法規と一致するよう、予算の均衡及び公的債務の 持続可能性を保障する。  国は、景気循環の後退期及び拡大期を考慮して、その予算の歳入と歳 出の均衡を保障する。 均衡財政原則の適用に関する法律(2012年)  均衡予算の判定には構造的財政収支を用いる。 (参考)安定化プログラム2017(2017年)  構造的財政収支(一般政府)対GDP比 ⇒ 2019年までに均衡化  債務残高(一般政府)対GDP比 ⇒ 60%超の部分を直近3ヵ年平均1/20 以上削減 <参考1>EUにおける財政関連ルール  域内の財政健全化目標(マーストリヒト基準)(①財政収支(一般政府)対GDP比▲3%、②債務残高対GDP比60%)(欧州連合機能条約)(1993年)  毎年、中期財政目標を定めた「安定化プログラム」を欧州委員会に提出することを義務付け(安定成長協定)(1997年)  財政収支均衡又は黒字化(構造的財政収支対GDP比▲0.5%以内でも可)を国内法(拘束力があり永続的な性格を有する規定(望ましくは憲法)又は予算編成過程で十分に尊重・遵守されることが保証されるもの)で定める(財政協定)(2012年) (資料7)財政赤字の問題点

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円であり,前年度当初予算に対し,約六百億円の減額を行っ ております。  次に,主要な経費について申し述べます。  社会保障関係費につきましては,一億総活躍社会の実現に 向けて,保育士及び介護人材等の処遇改善を行うこととして いるほか,保育の受け皿拡大,年金受給資格期間の短縮など 社会保障の充実を図ることとしております。一方で,持続可 能な社会保障制度を構築する観点から,社会保障に係る改革 工程表等に沿った医療・介護制度改革の着実な実行等に取り 組むこととしております。  文教及び科学振興費につきましては,給付型奨学金の創設 や無利子奨学金の拡充など,一億総活躍社会の実現に向けた 取組の充実を図るほか,大学改革,教育環境の整備等を推進 することとしております。また,民間投資を引き出し,日本 経済の成長力を高めるような研究開発を重点的に推進するこ ととしております。  地方財政につきましては,歳出特別枠を減額するなど地方 歳出を見直す一方,地方の一般財源総額を適切に確保するた め,地方交付税交付金等を増額し,地方に最大限配慮してお ります。  防衛関係費につきましては,中期防衛力整備計画に基づき 所要の取組を講じるとともに,沖縄の基地負担軽減等のため の在日米軍再編事業を着実に推進することとしております。  公共事業関係費につきましては,豪雨・台風災害等を踏ま えた防災・減災対策や,民間投資を誘発し,日本の成長力を 高める事業などへの重点化・効率化を推進することとしてお ります。  経済協力費につきましては,難民対策等のグローバルな課 題への対応に重点化しつつ,ODAは予算・事業量ともに必 要な額を確保しております。  中小企業対策費につきましては,事業承継支援及び下請取 引対策を充実するほか,生産性の向上や資金繰り対策等にも 万全を期すこととしております。  エネルギー対策費につきましては,省エネルギーの推進支 援に重点を置きつつ,国内資源の開発や海外資源の権益確保 等を推進するほか,原子力防災対策等に取り組むこととして おります。  農林水産関係予算につきましては,農林水産業の成長産業 化等を図るため,輸出力の強化や農業基盤整備の充実等に取 り組むこととしております。  国家公務員の人件費につきましては,給与改定や給与制度 の総合的見直し,定員純減等を的確に予算に反映しておりま す。  平成二十九年度予算及び平成二十八年度第三次補正予算の 御審議に当たり,財政政策等の基本的な考え方について所信 を申し述べますとともに,予算の大要を御説明申し上げます。 (日本経済の現状と財政政策等の基本的な考え方)  日本経済につきましては,安倍内閣のこれまでの取組に よって,雇用・所得環境が着実に改善するなど,経済の好循 環が生まれてきております。この好循環を確かなものとする ため,今後とも,金融政策,財政政策,構造改革を総動員し てアベノミクスを一層加速してまいります。  一億総活躍社会の実現に向けては,未来への投資の拡大に 向けた成長戦略を推進するとともに,子育て・介護の環境整 備等の取組を進め,少子高齢化社会を乗り越えるための潜在 成長率を向上させてまいります。  また,厳しい状況にある財政についても,その持続可能性 を維持するため,二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化目 標の達成に向け,「経済・財政再生計画」及び「改革工程表」 に沿って,これまでの歳出・歳入改革の取組を強化してまい ります。 (平成二十九年度予算及び税制改正の大要)  次に,平成二十九年度予算及び税制改正の大要を御説明申 し上げます。  平成二十九年度予算は,「経済・財政再生計画」の二年目 に当たる予算であり,現下の重要な課題に的確に対応しつ つ,「経済再生」と「財政健全化」の両立を実現するものと しています。  具体的には,一億総活躍社会の実現に向け,保育士及び介 護人材等の処遇改善や給付型奨学金の創設などの主要な取組 を確実に行ってまいります。科学技術振興費を伸ばすととも に,公共事業関係費の成長分野への重点化など経済再生に直 結する取組を推進しています。また,国民生活の安全・安心 を確保する観点から,海上保安体制の強化やテロに備えた情 報収集・対処能力の強化などを行ってまいります。  一般歳出につきましては,約五十八兆三千六百億円であ り,これに地方交付税交付金等約十五兆五千七百億円及び国 債費約二十三兆五千三百億円を加えた一般会計総額は,約 九十七兆四千五百億円となっております。   一 方 , 歳 入 に つ き ま し て は , 租 税 等 の 収 入 は , 約 五十七兆七千百億円,その他収入は,約五兆三千七百億円を 見込んでおります。また,公債金は,約三十四兆三千七百億

第193回国会における麻生財務大臣の財政演説

平成29年1月20日

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の歳出の追加を行うこととしております。これらについて は,既定経費を約四千二百億円減額するとともに,税外収入 で約千億円の増収を見込むほか,建設公債を約千億円発行す ることで対応することとしています。  他方,税収は,最近までの収入実績等を勘案して,約 一兆七千四百億円の減収を見込んでおります。また,地方法 人税の税収減に伴う地方交付税原資の減額の補填のため,地 方交付税交付金を計上しております。これらについては,特 例公債を約一兆七千五百億円発行することで対応することと しています。  この結果,平成二十八年度一般会計第三次補正後予算の総 額は,一般会計第二次補正後予算に対して歳入歳出ともに約 二千百億円増加し,約百兆二千二百億円となります。  また,特別会計予算につきましても,所要の補正を行って おります。 (むすび)  以上,財政政策等の基本的な考え方と,平成二十九年度予 算及び税制改正並びに平成二十八年度第三次補正予算の大要 について御説明申し上げました。  「経済再生」と「財政健全化」を両立する中で,成長と分 配の好循環を確立し,日本経済全体の持続的拡大均衡を目指 すためには,本予算及び関連法案の一刻も早い成立が必要で あり,それが最大の経済対策であると考えております。  何とぞ御審議の上,速やかに御賛同いただくとともに,財 政政策等について,国民の皆様及び与野党の議員各位の御理 解と御協力を切にお願い申し上げます。  東日本大震災からの復興につきましては,復興のステージ に応じた課題に対応するため,平成二十九年度東日本大震災 復興特別会計の総額を約二兆六千九百億円としております。  平成二十九年度財政投融資計画につきましては,現下の超 低金利環境を活かし,リニア中央新幹線の全線開業前倒しを 図るほか,成長戦略の実行や地域活性化に向け,長期のリス クマネーを積極的に供給するなど,真に必要な資金需要に適 切に対応し,総額約十五兆千三百億円としております。  借換債等を含む国債発行総額につきましては,約百五十四 兆円と,依然として極めて高い水準にあり,市場との緊密な 対話に基づき国債管理政策を適切に運営してまいります。  平成二十九年度税制改正におきましては,日本経済の成長 力の底上げのため,就業調整を意識しなくて済むよう配偶者 控除等の見直しを行うとともに,経済の好循環を促す観点か ら研究開発税制や所得拡大促進税制の見直し等を行うことと しております。  あわせて,酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点か ら酒税改革を行います。また,日本企業の海外展開を阻害す ることなく,国際的な租税回避に効果的に対応するため,外 国子会社合算税制を見直すこととしております。  このほか,災害に関する特例の整備等を行うこととしてお ります。 (平成二十八年度第三次補正予算の大要)  続いて,平成二十八年度第三次補正予算の大要について御 説明申し上げます。  一般会計において,災害対策費,国際分担金及び拠出金, 自衛隊の安定的な運用態勢の確保など,総額約六千二百億円

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1 基本的考え方  ⑴ 安倍内閣は,長く続いたデフレからの脱却を目指し, 経済の再生を最優先課題と位置付け,アベノミクス「三 本の矢」を推進してきた。平成27年10月からはアベノミ クスの第2ステージに移り,一億総活躍社会の実現を目 指し,「三本の矢」を強化して「新・三本の矢」(戦後最 大の名目GDP600兆円,希望出生率1.8,介護離職ゼロ) を放ち,少子高齢化という構造問題に正面から立ち向か い,成長と分配の好循環の実現に向け取り組んでいる。  ⑵ これまでのアベノミクスによる施策の実施により,政 権発足前に比べ,GDPは名目,実質ともに増加してお り,就業者数の増加,賃上げなど,雇用・所得環境は着 実に改善し,経済の好循環が生まれている。  ⑶ 他方,経済の先行きについては,海外経済の不確実性 や,金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があ る。あわせて,アベノミクスの成果を十分に実感できて いない地域の隅々までその効果を波及させ,生まれはじ めた好循環を腰折れさせることのないように,施策を実 施していく必要がある。  ⑷ 政府は,引き続き,「経済再生なくして財政健全化な し」を基本とし,600兆円経済の実現と平成32年度(2020 年度)の財政健全化目標の達成の双方の実現を目指す。  ⑸ 誰もが生きがいを持って充実した生活を送ることがで きる一億総活躍社会の実現に向け,アベノミクス「新・ 三本の矢」に沿った施策を推進する。    第一の矢である「戦後最大の名目GDP600兆円」に 向けては,地方創生,国土強靱化,女性の活躍も含め, あらゆる政策を総動員することにより,デフレ脱却を確 実なものとしつつ,経済の好循環をより確かなものとす る。第二の矢である「希望出生率1.8」,第三の矢である 「介護離職ゼロ」に向けては,子育て・介護の環境整備 等の取組を進め,国民一人ひとりの希望の実現を支え, 将来不安を払拭し,少子高齢化社会を乗り越えるための 潜在成長率を向上させる。  ⑹ 「新・三本の矢」はそれぞれ相互に密接に関連してお り,それらを一体的に推進することで,成長と分配の好 循環を確立し,日本経済全体の持続的拡大均衡を目指す。  ⑺ 我が国財政は,国・地方の債務残高がGDPの2倍程 度に膨らみ,なおも更なる累増が見込まれ,また,国債 費が毎年度の一般会計歳出総額の2割以上を占めるな ど,引き続き,厳しい状況にある。政府は,「経済財政 運営と改革の基本方針2015」(平成27年6月30日閣議決 定)に盛り込まれた「経済・財政再生計画」及び「経 済・財政再生計画改革工程表」(平成27年12月24日経済 財政諮問会議。以下「改革工程表」という。)に則って, これまでの歳出改革の取組を強化していく。 2 予算編成についての考え方  ⑴ 平成29年度予算編成に向けては,これまでにも増し て,構造改革は無論として,金融政策に成長指向の財政 政策をうまく組み合わせることに留意する必要がある。    財政健全化への着実な取組を進める一方,上記の基本 的考え方に沿って,一億総活躍社会の実現のための子育 て・介護や成長戦略の鍵となる研究開発など重要な政策 課題について,必要な予算措置を講じるなど,メリハリ の効いた予算編成を目指す。  ⑵ 一億総活躍社会は,実現段階に入る。誰もが自分の夢 を追求できる,誰もが自分の能力を伸ばしていく,誰に も居場所があって頑張っていける,そういう気持ちにな れる日本を創りあげるため,アベノミクス「新・三本の 矢」に沿って,その取組を加速する。    また,東日本大震災,熊本地震をはじめ,各地の災害 からの復興や防災対応の強化を着実に進める。  ⑶ 平成29年度予算は,「経済・財政再生計画」の2年目 に当たり,同計画に掲げる歳出改革等を着実に実行す る。改革工程表を十分踏まえて歳出改革を着実に推進す るとの基本的考え方に立ち,その取組を的確に予算に反 映する。    また,予算編成に当たっては,我が国財政の厳しい状 況を踏まえ,引き続き歳出全般にわたり,聖域なき徹底 した見直しを推進する。地方においても,国の取組と基 調を合わせ徹底した見直しを進める。  ⑷ 歳出改革は,経済再生と財政健全化に資するよう,ワ イズスペンディングの考え方に立って,「公的サービス の産業化」,「インセンティブ改革」,IT化などの「公 共サービスのイノベーション」という3つの取組を中心 に着実に推進する。引き続き,行政事業レビュー等を通 じて各府省の取組を後押しするとともに,「見える化」 の徹底・拡大に取り組む。また,PDCAサイクルの実 効性を高めるため,点検,評価自体の質を高める取組が 重要であり,指標や分析のオープンデータ化を積極的に 進めるとともに,政策効果の測定につながる統計等の充 実や早期公表に努める。経済・財政一体改革推進委員会

平成29年度予算編成の基本方針

平成28年11月29日閣   議   決   定

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においては,改革工程表に沿った諸改革の進捗状況を検 証する。

参照

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