数学入門 -論理,
極限
2015年前期, 西岡
1 論理問題
問題1. A子が風邪をひいている時, B男は風邪をひいていないとする. B男が風邪をひいてる時, A子は風邪をひいてないといえるか? ⋄
問題 2(国家II 種, 1999). 質問にたいして,出席者が各自の青ランプもしくは赤ランプで「はい」,「いい
え」を表明する会議がある.
(1) はい=青ランプ, いいえ=赤ランプ
という約束だったが,一部の会議参加者には
(2) はい=赤ランプ, いいえ=青ランプ
と知らせてしまった. 第一号議案への賛否について,出席者全員の意見を正しく確認できる質問は以下のう ちのどれか?
(a) あなたは第一号議案に反対ですか?
(b) あなたは第一号議案に賛成で, かつ「あなたは第一号議案に賛成か?」という質問に青ランプで回答しま すか?
(c)「あなたは第一号議案に賛成か?」という質問に青ランプで回答しますか? (d)「あなたは第一号議案に賛成か?」という質問に「はい」と回答しますか?
(e)「あなたは第一号議案に賛成か?」という質問に「いいえ」と回答しますか?
問題3. 大きな樽に酒が入っている. 3ℓと7ℓの二つの容器だけを使い,樽の酒を5ℓ計り分けたい. どうす ればよいか手順を述べよ. また1ℓ, ,2ℓ,4ℓを計り分けるにはどうすればよいか.
2 極限
問題4. n→ ∞とするとき,次の極限を求めよ. ただしa, bは定数. なお,青字は追加問題. (i) lim
n→∞(1− 1
n)n, (ii) ( 1− 1
n2 )n
, (iii) lim
n→∞(1−1
n)−n−3, (iv) lim
n→∞(1 + 1 2n)n, (v) lim
n→∞
{√n2+ 1−n}
. (vi) lim
n→∞
{√n+ 1−√ n}
, (vii) n (
1−
√( 1− a
n )(1− b
n ) ).
問題5 (教科書, p.9). 次の数列は有界で単調増加であることを示し,極限を求めよ. ヒント: 数学的帰納法.
(i)a1= 1, an+1=√
an+ 1, (ii)a1= 1, an+1= 3an+ 4 2an+ 3. 問題6. 次の極限を求めよ.
(i) lim
x→∞
1
x, (ii) lim
x→∞
x+ 2ex
x2+ex, (iii) lim
x→∞(1 + 1
x)x, (iv) lim
x→∞
√x+ 1−√
x, (v) lim
x→∞x e−x. 問題7 (難問). n≥2にたいし,次が成立することを証明せよ: (
1− 1 n2
)n
>1−1 n. ヒント: k≥2 のとき (1−1
k)−1= (k−1
k )−1= 1 + 1
k−1. (教科書 p.5). 以上.
1
3 解答
問題1 解答. 「B男が風邪をひいてる時, A子は風邪をひいてない」(対偶)は真. 問題2 解答. 各々の質問に(1)と(2)がどう回答するかを分類する.
(1)の賛成者 (2)の賛成者 (1) の反対者 (2)の反対者
(a) 赤 青 青 赤
(b) 青 青 赤 青
(c) 青 青 赤 赤
(d) 青 赤 赤 青
(e) 赤 青 青 赤
よって, (c) が正しく分類できる. 2
問題3 解答 1ℓ,4ℓ,5ℓ の計量:
1. 7ℓの容器に酒を満たし,そこから3ℓの容器に酒を移す. この状態で7ℓ容器には4ℓの酒, 3ℓ 容器は 満杯.
2. 3ℓ容器の酒を樽に戻し,さらに7ℓ容器から3ℓ容器に酒を移す. この状態で7ℓ容器には1ℓの酒, 3ℓ 容器は満杯.
3. 3ℓ容器の酒を樽に戻し,さらに7ℓ容器から3ℓ容器に酒を移す. この状態で, 7ℓ容器は空, 3ℓ容器は 1ℓの酒がある.
4. 7ℓ容器に酒を満たし,そこから3ℓ容器に酒を移す. この状態で, 3ℓ容器は満杯, 7ℓ容器には5ℓの酒 が残る.
5. 2ℓを計量するには, 4. に続けて,3ℓ容器の酒を樽に戻し, 7ℓ容器の酒を 3ℓ容器に移す. この状態で, 3ℓ容器は満杯, 7ℓ容器には2ℓの酒が残る.
問題4 解答. (i) 1/e. (ii) 1. (iii) e. (iv) √
e. (v) 0. (vi) 0. (vii) a+b 2 .
問題5解答 数学的帰納法を用いて,an+1−an≥0を証明すること. 収束が証明できたら, limnan=xと おき,
(i)x=√
x+ 1 ⇒ x= 1 +√ 5
2 , (ii)x=3x+ 4
2x+ 3 ⇒ x=√ 2.
問題6 解答. (i) 0, (ii) 2. (iii) 1/3. (iv) e. (v) 0. (vi) 0.
問題 7 解答 教科書 5 ページ, 例題 1.1.1 よりan ≡ ( 1 + 1
n )n
は単調増加 ⇒ ヒントの計算より (1 + 1
n−1 )n−1
=( 1−1
n
)−(n−1)
を使うと,
(3) an= (1 + 1 n
)n
> an−1=( 1 + 1
n−1 )n−1
=( 1−1
n
)−(n−1)
=( 1−1
n )−n
·( 1−1
n ). (1 + 1
n )·(
1− 1 n
)= 1− 1
n2 だから(3)の両辺に( 1−1
n )n
を乗じて証明すべき不等式を得る.
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