グリーン経済を可 能にする企 業環境教育 の研究
(財団法人 昭和 シェル石油 環境研究助 成財団 H16 助成事 業)
<概要>
環境負荷の少ない持続可能 な社会を築くには 、学校、地域、職 場など全ての場面 で、環 境のみならず、経 済や人間・社会的側面も含め た総合的な視点か らの環境教育を進 めていく ことが重要である。しかし 、これまでの環境 教育は、多くの場 合「自然環境教育 」あるい は「環境 問題に ついて学 ぶ」こ とに特 化され て行わ れてき たため 、経済的 な視点 や人間・
社会的視点からどのような ことを学べばいい のか、その枠組み は未開発の状況に ある。持 続可能な社会を構築する上 で、事業者の役割 は非常に大きく、 環境教育により環 境経営の 考え方が企業に浸透すれば 、企業活動が変わ り、ひいては経済 活動自体が持続可 能なもの
(グリーン経済)に変化し ていくと考えられ る。本調査研究で は、持続可能な社 会への取 り組みが進んでいるスウェ ーデンで、どのよ うな企業環境教育 が行われているか 、環境教 育を受けた企業がどう変化 したかを調査する と共に、日本の企 業で今後どのよう な環境教 育が必要かについて提案し た。
スウェーデンには数多く のNGOが存在す るが、その中でも ナチュラル・ステ ップ(N S)は持続可能な社会の原 則を示し、環境教 育を実施している 。その原則とは「 4つのシ ステム条件」といわれ、① 地殻に由来する物 質の濃度が自然界 において充分低い レベルで 安定している、②自然の中 に人間社会で製造 された物質の濃度 が増え続けること がない、
③自然が乱獲や開発によっ て、その物質的な 基盤を損ない続け ることがない、④ 世界中の 人々のニーズを満たすため に資源を効率よく 公平に利用する、 というもの。研修 を受けた 企業の多くは、研修をベ ースに、「環境」を軸に すえた環境経営を 実践しており、そのこと が社会的信頼のみならず、 経営的な優位性を も獲得することに なっている。
日本の企業においても、 企業ひいては社会 の持続性に繋がる 本質的な環境教育 として取 り入れるべき内容として 、①持続可 能な企業経営 、そして社会を 視野に入れた幅広 い内容、
②持続可能な環境経営に結 びつく内容、③多 面的で、ステーク ホルダーも巻き込 む環境教 育等の提案を行った。 そ して実際に提案に 基づき、数社でモ デル的に環境教育 を実施時 の評価から、持続可能な社 会を目指す本質的 な環境教育を企業 内で実施すること の重要性 を確信できた。
温暖化は じめ様 々な環 境制約 が強まり 、また 企業の 社会的 責任を 問う声 が強ま る中で 、 企業が持続的に存続するた めには、「環境 」と「人材」は不可欠であり 、環境教育 の役割は ますます増すものと思われ る。
(報告書目次)
1. スウェーデン調査について 1−1 ナチュラル・ス テップの企業に向 けた環境教育の概 要
1−2 その後の企業の 変化
1−3 ヒアリング調査 結果の詳細
2.日本での企業内環境教 育に対する提案 2−1 内容として取り 入れるべきこと
2−2 企業内環境教育の 内容案 2−3 事例
2−4 まとめ