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「日本における投資信託の現状と課題」

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Academic year: 2022

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平成 27 年度証券ゼミナール大会

第 5 テー マ B ブロッ ク

「日本における投資信託 の現状と課題」

関西大学商学部

田村ゼミナール B(川野班)

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1

目 次

はじめに………..……….………..2

第 1 章 投 資 信 託 の 概 要………..……….………3

第 1 節 投 資 信 託 とは なにか………..………..3

第 2節 投 資 信 託 をめぐる法 制 度………....………4

5 第 3 節 投 資 信 託 の 重 要 性 の 高 まり………..……….5

第 2 章 投 資 信 託 の 現 状………..……… 8

第 1節 日 本 の投 資 信 託 の運 用 パフォーマン ス ………..…...… 8

第 2 節 諸 外 国 と日 本 の投 資 信 託 との 比 較……….………10

第 3章 日 本 の投 資 信 託 の問 題 点……… 18

10 第 1節 投 資 信 託 コストが高 い点……….……… 18

第 2節 投 資 家 目 線 から見 る販 売 会 社 の 問 題 点……….……… 20

第 3 節 金 融 リテラシ ーの欠 如……….……….21

第 4章 投 資 信 託 活 性 化 のための 方 策………...……… .22

第 1節 商 品 チャネル の集 約 化……….………22

15 第 2 節 付 帯 サービ スの充 実 化………..……… 24

第 3 節 給 与 制 度 の 改 革……….……….25

おわりに………29

参 考 文 献……… 30

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2

は じ め に

1980 年 代 の 我 が 国 は 9% も 金 利 が あ る 時 代 だ っ た が 、 現 在 の 我 が 国 は 「 ゼ ロ 金 利 」 と 呼 ば れ る 時 代 に 突 入 し 、 銀 行 や 郵 便 局 の 預 金 に 頼 っ た 資 産 構 成 で は 資 5

産 を 増 や す こ と が 難 し い と い え る 。 ま た 、 近 年 我 が 国 で は 少 子 高 齢 化 の 影 響 で 公 的 年 金 の 受 給 額 が 減 少 す る と 懸 念 さ れ て い る 。 こ う し た 家 計 の 危 機 に 備 え る べ く 、中 長 期 的 な 資 産 運 用 の 必 要 性 が 求 め ら れ て お り 、中 で も 投 資 信 託( 以 下 、 投 信 ) の 注 目 度 が 高 ま っ て い る 。 実 際 に 2 014 年 に 政 府 が NIS A ( 小 額 投 資 非 課 税 制 度 ) を 打 ち 出 し た こ と も あ り 、 投 信 の シ ェ ア 率 は 増 加 傾 向 を 辿 っ て い る 。 10

し か し 、 投 信 は 中 長 期 的 な 資 産 運 用 の 手 段 と し て 充 分 に 機 能 し て い る と は 言 え な い 。現 金・預 金 が 家 計 資 産 構 成 の 半 数 以 上 を 占 め て い る 一 方 、投 信 比 率 は 5%

前 後 で 推 移 し て い る の が 現 状 で あ る 。 こ の 数 字 は 投 信 大 国 の 米 国 に 比 べ る と 大 き な 差 が あ り 、 我 が 国 で は ま だ ま だ 投 信 利 用 者 が 少 な い と 言 わ ざ る を 得 な い 。 運 用 パ フ ォ ー マ ン ス に お い て も 良 い と は 言 え ず 、 投 資 家 リ タ ー ン が 少 な い 現 状 15

で あ る 。こ れ ら の 現 状 を 踏 ま え 、本 論 で は 投 信 を め ぐ る 現 状 と 問 題 点 を 考 察 し 、 我 が 国 の 投 信 を い か に 活 性 化 さ せ る の か に つ い て 論 じ る 。 第 1 章 で は 、 投 信 と は ど の よ う な も の か 説 明 し 、 家 計 と 証 券 市 場 の 双 方 の 観 点 か ら 投 信 の 重 要 性 に つ い て 述 べ る 。 第 2 章 で は 、 日 本 の 投 信 の 現 状 と し て 投 信 の 運 用 パ フ ォ ー マ ン ス 状 況 と 諸 外 国 と 日 本 の 投 信 に お け る 年 代 別 保 有 割 合 、 制 度 、 投 信 残 高 数 、 投 20

信 の 商 品 の 以 上 4 点 に 着 目 し 比 較 し な が ら 述 べ る 。 第 3 章 で は 、 日 本 の 投 信 の 問 題 点 と し て 金 融 商 品 の 短 命 化 、 投 信 コ ス ト が 高 い 、 投 資 家 側 か ら 見 る 販 売 会 社 の 問 題 点 、 金 融 リ テ ラ シ ー の 欠 如 、 以 上 4 点 を 取 り 上 げ て 述 べ る 。 第 4 章 で は 、 こ れ ら の 課 題 を 解 決 す る た め の 具 体 的 な 方 策 を 提 案 す る 。

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第 1 章 投 資 信 託 の 概 要 第 1 節 投 資 信 託 と は 何 か

投 信 と は 、専 門 家 が 投 資 家 か ら 多 額 の 資 金 を 集 め て 、株 式 や 債 券 な ど に 投 資 ・ 運 用 す る 商 品 で あ り 、 そ の 運 用 成 果 が 投 資 家 そ れ ぞ れ の 投 資 額 に 応 じ て 分 配 さ れ る 仕 組 み の 金 融 商 品 で あ る 。 こ の 運 用 成 績 は 市 場 環 境 に よ っ て 変 動 し 、 投 信 5

の 運 用 に よ っ て 生 じ た 損 益 は 、 そ れ ぞ れ の 投 資 額 に 応 じ て す べ て の 投 資 家 に 帰 属 し て い る 。 投 信 は 「 投 資 信 託 運 用 会 社 」 が 「 銀 行 等 登 録 金 融 機 関 」 を 通 じ 、 投 資 家 か ら 資 金 を 集 め る 。 そ し て 複 数 の 金 融 機 関 か ら 集 め た お 金 を 信 託 銀 行 と 信 託 契 約 す る こ と に よ り フ ァ ン ド の 管 理 ・ 保 管 を す る 。 信 託 銀 行 は 運 用 会 社 か ら 運 用 の 指 図 を 受 け て 、 フ ァ ン ド に 投 資 運 用 す る 。 投 資 家 は 信 託 の 受 益 者 と な 10

り 、 受 益 権 の 数 に 応 じ た 収 益 分 配 金 や 償 還 金 を 受 け 取 る こ と が で き る 。 以 上 が 投 信 の 仕 組 み で あ る1

図 表 1 投 資 信 託 と は

出 所 ) 投 資 信 託 協 会 ( 2 0 1 5 a ) よ り 引 用

15

1 投 資 信 託 協 会( 2015 a)を 参 照 し た 。

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第 2 節 投 資 信 託 を め ぐ る 法 制 度

世 界 初 の 投 信 は 1 86 8 年 ロ ン ド ン で 設 立 さ れ た「 フ ォ ー リ ン・ア ン ド・コ ロ ニ ア ル ・ ガ バ メ ン ト ・ ト ラ ス ト 」 で あ る 。 英 国 で 生 ま れ た 投 信 は 、 1 920 年 代 に 米 国 に 輸 入 さ れ 投 信 ブ ー ム を 生 み 出 し た 。一 方 日 本 の 投 信 は 195 1 年 か ら 始 ま っ て い る 。 日 本 の 投 信 は 投 資 信 託 法 ( 以 下 、 投 信 法 ) と 共 に 拡 大 し て い る 。 投 信 法 5

は 何 度 も 改 正 を 経 て 、 現 在 の 投 信 法 に 至 っ て い る 。 中 で も と り わ け 大 き な 改 正 は 、1 998 年 の 日 本 版 金 融 ビ ッ ク バ ン を 目 指 し た 金 融・証 券 制 度 の 大 改 革 で あ る 。 改 革 の 内 容 は 以 下 図 表 2 の 通 り で あ る 。1 998 年 改 正 の 主 旨 は 、投 資 家 の 自 己 責 任 性 の 重 視 と 、 投 信 の 運 用 対 象 の 拡 大 を 図 る こ と に あ っ た 。

図 表 2 199 8 年 投 資 信 託 改 正 法 の 要 点 10

出 所 ) 田 村 威 ( 2 0 1 4 ) 7 4 ~ 1 1 0 ペ ー ジ よ り 筆 者 作 成 。

ま た 、 201 4 年 に は 、 多 様 化 ・ 複 雑 化 し た 投 信 商 品 に 対 し て 、 投 資 家 の 適 切 な 投 資 判 断 を 促 す た め の デ ィ ス ク ロ ー ジ ャ ー も 法 整 備 が な さ れ た2

図 表 3 201 4 年 投 資 信 託 改 正 法 の 要 点 15

出 所 ) 田 村 威 ( 2 0 1 4 ) 7 4 ~ 1 1 0 ペ ー ジ よ り 筆 者 作 成 。

2 田 村 威 ( 2 0 1 4 ) 7 4 ~ 1 1 0 ペ ー ジ を 参 照 し た 。 目的

1 2 3 4 5 6

約款の承認制から届け出制に改正 金融機関の投信窓販の導入 保護主義から自己責任主義へ移行

外部の公認会計士による会計監査制度が導入 投信業務参入の自由化や運用規制の撤廃や緩和

日本版金融ビッグバンを目指した金融・証券制度大改革の一環としての投信改革 フリー・フェアグローバルの原則

主な改正内容 1998年改正法

目的

1 2 3 4

トータルリターン把握のための通知制度導入 リスク量の制限

多様・複雑化した投信商品に対し、投資家の適切な投資判断をおこなうための法整備 2014年投資信託改正法

主な改正内容 ディスクロージャーの整備

運用報告書の二段階化

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第 3 節 投 資 信 託 の 重 要 性 の 高 ま り

現 在 の 我 が 国 は 「 ゼ ロ 金 利 」 時 代 に 突 入 し 、 銀 行 や 郵 便 局 へ の 預 金 で 資 産 を 増 や す の は 困 難 で あ る 。 換 言 す る と 、 現 在 の 日 本 の 間 接 金 融 で は ほ と ん ど リ タ ー ン を 得 に く い 現 状 で あ る 。 こ の 現 状 を う け 近 年 、 日 本 の 資 金 の 流 れ と し て 指 摘 さ れ る の が 「 間 接 金 融 か ら 直 接 金 融 へ の シ フ ト 」 で あ る 。 我 が 国 で は 直 接 金 5

融 の 存 在 感 が 高 ま る 一 方 、 間 接 金 融 の 割 合 が 低 下 し た 。 こ れ は 、 大 企 業 が 自 己 金 融 力 を 高 め て 、銀 行 借 入 に 頼 ら な く な っ た こ と や 、証 券 市 場 の 発 達 に よ っ て 、 社 債 ・ 株 式 ・ CP の 発 行 に よ る 資 金 調 達 が 容 易 に な っ た た め で あ る3。 し か し 、

「 貯 蓄 か ら 投 資 へ 」の 流 れ は 未 だ 大 き く 進 ん で い な い 。2 001 年 に 小 泉 内 閣 の「 骨 太 の 方 針 」 に よ っ て 打 ち 出 さ れ た 「 貯 蓄 か ら 投 資 へ 」 と い う 政 策 の 下 、 個 人 の 10

証 券 投 資 が 奨 励 さ れ て き た が 、家 計 の 資 産 構 成 は こ こ 20 年 間 変 化 が な い 。日 本 の 家 計 金 融 資 産 は 2 01 5 年 7 月 時 点 で 約 1 70 0 兆 円 あ る と 発 表 さ れ た が4、現 金 が 52.0 % を 占 め て お り 続 い て 保 険 年 金 準 備 金 が 25. 8% 株 式・出 資 金 が 10. 6% と な っ て お り 、 投 信 の 割 合 は 5.7 % と な っ て い る ( 図 表 4 ) 。

図 表 4 日 欧 米 の 家 計 の 資 産 構 成 15

出 所 ) 日 本 銀 行 ( 2 0 1 5 ) 図 表 2 、 2 ペ ー ジ よ り 筆 者 作 成 。

3 三 井 住 友 信 託 銀 行 (2 0 15) を 参 照

4 日 本 経 済 新 聞 (20 15) を 参 照

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6

家 計 に お け る 金 融 資 産 の 収 益 率 は 、2 00 4 年 ~ 20 06 年 に お い て 、日 本 で は 3.2 % に 対 し 、 米 国 で は 7 .0 % と な っ て い る 。 こ の 理 由 は 、 日 本 の 金 融 資 産 構 成 が 収 益 性 の 低 い 定 期 性 預 金 中 心 に な っ て い る か ら で あ る5。日 本 で は い わ ゆ る 預 金 な ど の 安 全 資 産 の ウ エ イ ト が 高 く 、 続 い て 中 間 資 産 と 呼 ば れ る 保 険 等 が 高 い 割 合 で あ る 。 こ う し た 金 融 資 産 構 成 が 、 収 益 率 の 低 さ に つ な が っ て い る と 考 え ら れ 5

る 。 た し か に 預 金 は 、 流 動 性 が 高 く 元 本 割 れ の リ ス ク も 低 い が 、 預 金 の 比 重 が 大 き い 状 態 は 問 題 と い え る 。そ の 問 題 が 顕 著 に 現 れ た の が 199 0 年 代 の バ ブ ル 経 済 崩 壊 に よ る 不 良 債 権 問 題 で あ る 。 バ ブ ル 崩 壊 を 受 け て 多 く の 企 業 は 業 績 が 悪 化 し 、 倒 産 に 追 い 込 ま れ た 。 そ の 結 果 、 銀 行 な ど の 預 金 取 扱 金 融 機 関 も 融 資 し て い た 企 業 か ら 資 金 を 回 収 で き な く な り 、 19 90 年 か ら 2 006 年 の 間 で 1 81 件 も 10

の 預 金 取 扱 金 融 機 関 が 破 綻 し た6。こ の 問 題 の 原 因 は 、間 接 金 融 中 心 の 経 済 体 制 に よ っ て 銀 行 な ど の 間 接 金 融 機 関 に リ ス ク が 集 中 し て し ま っ た こ と で あ る 。 現 金 ・ 預 金 が 半 数 以 上 を 占 め て い る 日 本 経 済 の 現 状 で は 、 こ う し た 問 題 が 再 発 し か ね な い 。 そ れ に 加 え て 、 今 後 の 日 本 の 家 計 を め ぐ る 社 会 的 ・ 経 済 的 問 題 と し て 、 少 子 高 齢 化 や 人 口 減 少 等 の 課 題 が 山 積 み で あ る 。 20 25 年 に は 65 歳 以 上 が 15

30% を 占 め 、厚 生 労 働 省 に よ れ ば 今 後 30 年 間 で 公 的 年 金 の 受 給 額 の 減 少 が 懸 念 さ れ る7。こ う し た 家 計 の 危 機 に 備 え る べ く 、中 長 期 的 な 資 産 運 用 や 年 金 不 安 に よ る 自 助 努 力 、 つ ま り 投 資 の 必 要 性 が 高 ま っ て い る 。

で は な ぜ 現 在 こ れ ほ ど 投 資 が 進 ま ず 、 貯 蓄 の 割 合 が 高 く な っ て い る の で あ ろ う か 。19 80 年 代 後 半 の 株 価 が 高 騰 し た い わ ゆ る バ ブ ル 期 に は リ ス ク 資 産 の シ ェ 20

ア が 高 ま り 、 20 % を 超 え た 時 期 が あ る こ と か ら 、 日 本 人 は 歴 史 的 に 貯 蓄 志 向 で あ っ た わ け で は な い 。投 資 が 進 ま な い 理 由 は こ こ 2 0 年 に 及 ぶ バ ブ ル 崩 壊 に よ る 低 成 長 や リ ー マ ン シ ョ ッ ク な ど の 金 融 危 機 が 影 響 し て い る と 考 え ら れ る 。 金 融 危 機 の 影 響 で 国 内 株 式 市 場 が 長 期 に わ た っ て 低 迷 状 態 が 続 い て い る こ と か ら 、 投 資 へ の 魅 力 が 薄 れ て い る の で あ る ( 図 表 5 ) 。

25

5 野 村 資 本 市 場 研 究 所(20 08)を 参 照 し た 。

6 金 融 庁 (200 83~6ペ ー ジ を 参 照 し た 。

7 NRI 未 来 年 表 (2015 -2 065) を 参 照 し た 。

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7 図 表 5 株 価 の 長 期 推 移

原 典 ) 日 本 銀 行 H P 、 日 経 平 均 資 料 室 H P 出 所 ) 社 会 実 情 デ ー タ 図 録 よ り 引 用 。

投 資 へ の 魅 力 が 薄 れ て い て も 、 バ ブ ル 崩 壊 以 降 長 期 的 な 低 迷 に 陥 っ て い る グ 5

ロ ー バ ル 経 済 体 制 の 状 況 下 で は 、 間 接 金 融 よ り も 高 い リ タ ー ン を 期 待 で き る 直 接 金 融 が 合 理 的 で あ り 、 中 長 期 的 な 資 産 運 用 が 必 要 だ と 考 え る 。 た だ し 、 国 内 株 式 市 場 が 長 期 に わ た っ て 低 迷 状 態 が 続 い て い る 今 日 で 、 国 内 株 式 の み に 投 資 を す る の は リ ス ク が 高 い 。 し た が っ て 国 内 株 式 だ け で な く 海 外 の 有 価 証 券 や , 債 券 な ど へ の 分 散 投 資 が で き る 投 資 が 必 要 で あ る と 考 え る 。 そ の 点 で 投 信 は 小 10

額 か つ 分 散 投 資 が で き 、 か つ 専 門 家 が 運 用 す る と い う 機 能 を 持 っ て い る こ と が 魅 力 で あ る 。 老 後 の 備 え の 形 成 に 適 し た 自 助 努 力 を 行 え る 中 長 期 的 な 資 産 運 用 と し て 、 投 信 は 有 効 で あ る と 考 え る 。 こ れ は 証 券 市 場 の 活 性 化 に も つ な が る 。 家 計 の 資 金 が 証 券 市 場 に 流 入 す る こ と で 証 券 市 場 が 活 性 化 さ れ 、 企 業 は よ り 効 率 的 な 資 金 調 達 が 可 能 に な る だ ろ う 。 換 言 す る と 、 企 業 に と っ て も 間 接 金 融 か 15

ら 直 接 金 融 へ の シ フ ト の 呼 び 水 と し て 投 信 の 重 要 性 が 高 ま っ て い る の で あ る 。

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第 2 章 投 資 信 託 の 現 状

第 1 節 日 本 の 投 資 信 託 の 運 用 パ フ ォ ー マ ン ス

我 が 国 の 投 信 の 現 状 と し て 、 ま ず 運 用 の パ フ ォ ー マ ン ス を 見 て み た い 。 フ ァ ン ド の 運 用 パ フ ォ ー マ ン ス の 測 定 は 、 単 に リ タ ー ン を 測 定 す る だ け で は 十 分 と は い え ず 、 他 の フ ァ ン ド と 比 較 し て ど う か と い う こ と が 重 要 で あ る 。 そ こ で 運 5

用 の 目 標 基 準 や パ フ ォ ー マ ン ス の 評 価 基 準 を 示 し た ベ ン チ マ ー ク と の 比 較 す る こ と で 運 用 パ フ ォ ー マ ン ス を 見 て い き た い 。投 信 の ベ ン チ マ ー ク は 一 般 的 な「 指 数 」 ( 日 本 は TO PIX 、 米 国 は S P50 0) が 主 に 使 わ れ て い る 。

日 ・ 米 の 国 内 フ ァ ン ド の 平 均 パ フ ォ ー マ ン ス は 概 し て ベ ン チ マ ー ク の 動 き を 上 回 っ て い る 。2000 ~ 20 11 年 の 平 均 収 益 率 を と る と 、日 本 は 国 内 株 フ ァ ン ド が 10

-1.8 %・東 証 株 価 指 数 が -2 .7% 、米 国 は 国 内 株 フ ァ ン ド が 4. 5% 、S P500 が 2.3 % と な る ( 図 表 6・ 7) 。こ の 期 間 、日 本 で は リ ー マ ン シ ョ ッ ク や 東 日 本 大 震 災 の 影 響 で 株 価 が 暴 落 し て お り 、 収 益 率 が マ イ ナ ス と な っ て し ま っ た 。 こ の 結 果 か ら か 、 投 信 保 有 者 を 対 象 と し た ア ン ケ ー ト ( 図 表 8 ) に よ る と 投 資 信 託 の 運 用 実 績 評 価 が「 期 待 し た 以 上 だ っ た 」は 3.4 % 、「 期 待 通 り の 実 績 だ っ た 」は 19 .8 % 15

で あ り 、 こ れ ら を 合 わ せ た “ 期 待 以 上 ” は 23 .2 % で あ る 。 一 方 、「 期 待 し て い た よ り も や や 悪 か っ た 」は 25 .3 % 、「 全 く 期 待 は ず れ だ っ た 」は 19 .8 % で あ り 、 こ れ ら を 合 わ せ た “ 期 待 以 下 ” は 45 .1% と ほ ぼ 半 数 を 占 め 、“ 期 待 以 上 ” を 大 き く 上 回 っ て い る 。 こ れ は 、 投 資 家 が 投 信 の 運 用 パ フ ォ ー マ ン ス に 満 足 し て お ら ず 、 日 本 の 投 信 パ フ ォ ー マ ン ス が 悪 い こ と を 示 し て い る 。 日 本 の 投 信 が 米 国 20

に 比 べ 発 展 せ ず 、 運 用 パ フ ォ ー マ ン ス が 悪 い 要 因 は 、 リ ー マ ン シ ョ ッ ク 等 の 外 部 要 因 に よ る 株 価 の 下 落 や 低 金 利 な ど の 影 響 が 大 き か っ た 点 で あ る 。米 国 で も 、 リ ー マ ン シ ョ ッ ク 時 の 20 08 年 は 収 益 率 が マ イ ナ ス に 落 ち 込 む な ど 、外 部 経 済 か ら の 影 響 は 世 界 各 国 の 共 通 問 題 で あ る が 、 図 表 6 と 図 表 7 を 比 較 し て わ か る よ う に 、 日 本 の ほ う が 下 落 率 が 大 き く 、 回 復 が 遅 い 。

25

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図 6 日 本 国 内 株 フ ァ ン ド と 東 証 株 価 指 数 の 騰 落 率

出 所 ) 杉 田 浩 治 ( 2 0 1 2 ) よ り 筆 者 作 成 。

図 表 7 米 国 国 内 フ ァ ン ド と S P50 0 の 収 益 率

5

出 所 ) 杉 田 浩 治 ( 2 0 1 2 ) よ り 筆 者 作 成 。

図 表 8 投 資 信 託 の 運 用 実 績 評 価

出 所 ) 投 資 信 託 協 会 ( 2 0 1 4 ) よ り 筆 者 作 成 。

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第 2 節 諸 外 国 と 日 本 の 投 資 信 託 と の 比 較

次 に 、 投 信 の 年 齢 別 保 有 割 合 、 購 入 目 的 、 制 度 、 投 信 残 高 数 の 4 点 に つ い て 述 べ た い 。諸 外 国 と し て 投 信 発 祥 の 英 国 と 2 015 年 6 月 末 時 点 で の 投 信 残 高 数 が 世 界 最 大 で あ る 米 国 を 軸 に 比 較 し て い く 。

・ 年 齢 別 保 有 割 合

5

日 本 の 投 信 の 年 齢 別 保 有 割 合 で は 6 0 歳 以 上 が 約 6 割 を し め て い る が 、米 国 で は 6 割 以 上 が 6 5 歳 以 下 の 働 き 世 代 で あ る8。 こ の こ と か ら 我 が 国 で は 、 長 期 的 な 資 産 形 成 が 必 要 な 6 0 歳 以 下 が 投 信 を 4 割 し か 保 有 し て お ら ず 、豊 富 な 資 金 を 持 つ 高 齢 者 層 を 中 心 に 投 信 市 場 が 成 り 立 っ て い る こ と が わ か る 。

図 表 9 日 本 の 年 齢 別 投 信 保 有 割 合 図 表 10 米 国 の 年 代 別 投 信 保 有 割 合 10

出 所 ) 図 表 9 : 日 本 証 券 業 協 会 ( 2 0 1 2 ) 5 1 ペ ー ジ ・ 図 表 1 0 : I C I ( 2 0 1 2 ) 4 ペ ー ジ よ り 筆 者 作 成 。

長 期 的 な 資 産 構 成 を 形 成 す る と い う 観 点 か ら 見 る と 、65 歳 以 下 の 投 信 保 有 率 が 高 い 米 国 の 保 有 構 造 の ほ う が 適 し て い る と 言 え る 。 で は 、 な ぜ 我 が 国 で は 働 15

き 世 代 の 保 有 率 が 低 い の だ ろ う か 。 そ の 背 景 は リ ス ク 資 産 へ 投 資 を す る 資 金 の 余 裕 が な い こ と で あ る 。 そ の 原 因 は 日 本 人 の 持 ち 家 新 築 志 向 に あ る 。 持 ち 家 志 向 か 借 家 志 向 か に つ い て の ア ン ケ ー ト に よ る と 、 「 土 地 ・ 建 物 に つ い て は 、 両

8 野 村 資 本 市 場 研 究 所 ( 2 0 0 8 ) を 参 照 し た 。

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方 と も 所 有 し た い 」 と 回 答 し た 人 の 割 合 が 79 .2 % と 高 い 水 準 に な っ て い る9。 こ れ は 、 持 ち 家 の 住 宅 ロ ー ン に よ る 債 務 増 大 に よ っ て 有 価 証 券 な ど の リ ス ク 資 産 へ 投 資 を す る 資 金 の 余 裕 が な く な る こ と を 意 味 す る 。日 本 人 の 20 ~ 3 4 歳 の 平 均 年 収 は 32 3 万 円 で あ る が1 0、 こ の 給 料 で マ イ ホ ー ム を 持 つ と な る と 、 資 金 に 余 裕 が な く な る の は 一 目 瞭 然 で あ る

5

・ 購 入 目 的

家 計 の 保 有 率 が 低 い 原 因 の 一 つ に 、 投 信 を 長 期 の 資 産 運 用 に 活 か せ て い な い 点 が あ る 。図 11 に よ る と 、米 国 で は 7 割 以 上 が 老 後 の 資 金 の 備 え と し て 投 信 を 購 入 し て い る 。 し か し 、 日 本 で は 4 割 し か 老 後 資 金 の た め と し か 回 答 し て お ら ず 、 特 に 目 的 が な く 投 資 し て い る 、 と の 回 答 が 3 割 以 上 を 占 め て い る 。 以 上 の 10

こ と か ら 日 本 で 投 信 を 普 及 す る に あ た り 、 家 計 に 明 確 な 保 有 目 的 を 持 た せ る 必 要 が あ る と 考 え る 。

図 表 11 個 人 投 資 家 の 投 資 信 託 の 購 入 目 的

15

原 典 ) 投 資 信 託 協 会 ( 2 0 1 2 ) 「 投 資 信 託 に 関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 」 , 重 複 回 答 , 上 位 項 目 の み 掲 載 米 国 は I C I ( 2 0 1 0 ) P r o f i l e o f M u t u a l F u n d S h a r e h o l d e r s 「 主 た る 目 的 は 20

何 か 」 へ の 回 答

出 所 )日 本 証 券 経 済 研 究 所 ( 2 0 1 4 ) 2 4 1 ペ ー ジ か ら 引 用 。

9 国 土 交 通 省(2 015 )を 参 照 し た 。

1 0 国 税 庁(20 13 )「 民 間 給 与 実 態 統 計 調 査 」 を 参 照 し た 。

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12

・ 投 信 の 制 度

投 信 の 制 度 ( フ ァ ン ド の 形 態 ) に は 、 信 託 契 約 等 に 基 づ い て 運 営 さ れ る 契 約 型 と 株 式 会 社 に 類 似 し た 形 で 運 営 さ れ る 会 社 型 が あ る 。 米 国 で は 会 社 型 が 採 用 さ れ て お り 、最 近 の 傾 向 と し て は イ ギ リ ス が 9 0 年 代 後 半 か ら 会 社 型 も 導 入 す る な ど 、 会 社 型 が 世 界 的 に 主 流 に な り つ つ あ る 。 こ れ に 対 し 、 日 本 は 契 約 型 で あ 5

る 委 託 者 指 図 型 投 信 を 採 用 し て い る 。 こ の 制 度 は 、 委 託 者 ( 運 用 会 社 ) と 受 託 者 ( 信 託 銀 行 ) が 信 託 契 約 を 締 結 し 、 こ れ に よ っ て 生 じ た 受 益 権 を 分 割 し て 受 益 証 券 を 発 行 し 、 販 売 会 社 を 通 し て 受 益 者 ( 投 資 家 ) に 取 得 さ れ る 仕 組 み と な っ て い る1 1。 次 の 表 は 、 制 度 と 税 制 の 海 外 比 較 を ま と め た も の で あ る 。

図 表 12 投 資 信 託 の 国 際 比 較 10

原 典 ) 投 資 信 託 協 会 「 世 界 の 投 資 信 託 」

出 所 ) 杉 田 浩 治 ( 2 0 1 4 a ) 図 表 7 を も と に 筆 者 作 成 。

1 1 杉 田 (201 4a)8 ~10 ペ ー ジ を 参 照 し た 。

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・ 投 信 残 高 数

日 本 投 資 信 託 協 会 に よ る と 、 201 4 年 12 月 末 時 点 で 米 国 の 投 信 残 高 数 は 約 15 兆 ド ル あ り 世 界 最 大 の シ ェ ア 率 を 誇 る 「 投 信 大 国 」 と 呼 べ る 。 一 方 、 日 本 は 約 7800 億 ド ル と 投 信 残 高 数 は 米 国 に 比 べ 少 な い1 2。米 国 の 投 信 市 場 は 19 80 年 代 以 降 、 確 定 拠 出 型 年 金 を 中 心 に 急 成 長 を 遂 げ て い る 。 投 信 市 場 拡 大 を 遂 げ た 要 因 5

と し て 、 退 職 後 の 資 産 形 成 を 自 助 努 力 で 備 え よ う と す る ニ ー ズ が 大 き く 高 ま っ た こ と が 指 摘 さ れ て い る1 3

図 表 13 世 界 全 体 の 投 資 信 託 残 高

注 ) 単 位 は 兆 ド ル 10

出 所 ) 投 資 信 託 協 会 ( 2 0 1 5 b ) 1 ペ ー ジ か ら 引 用 。

図 表 14 投 資 信 託 残 高 順 位

出 所 ) 投 資 信 託 協 会 ( 2 0 1 5 b ) 2 ペ ー ジ よ り 筆 者 作 成 。

1 2 投 資 信 託 協 会 (20 15b ) を 参 照 し た 。

1 3 野 村 資 本 市 場 研 究 所(20 08)1 2 ~16 ペ ー ジ を 参 照 し た 。

(15)

14

・ 投 信 の 商 品

日 本 で は 投 信 の 売 れ 筋 が 短 命 で 次 々 入 れ 替 わ る の に 対 し 、 米 国 で は 設 定 年 か ら 2 0 年 以 上 な ど 、長 期 に わ た り 資 産 残 高 を 拡 大 し 最 大 手 フ ァ ン ド と な る「 ロ ン グ セ ラ ー 」 が 存 在 す る こ と が 大 き な 違 い と し て 挙 げ ら れ る1 4。 そ し て 米 国 の ロ ン グ セ ラ ー 投 信 商 品 を 多 大 に 支 え て い る の が 、 確 定 拠 出 型 年 金 で あ る 。 5

投 信 の 人 気 商 品 が 短 命 な 原 因 と し て 、 長 期 保 有 を あ ま り 勧 め ら れ て い な か っ た こ と で あ る と 考 え る 。 原 因 は 金 融 機 関 に お け る 投 信 の 販 売 方 法 の ス タ ン ス に 問 題 が あ っ た か ら で あ る 。 金 融 機 関 側 の 販 売 方 法 と し て 、 毎 月 分 配 型 の 人 気 商 品 を 2~ 3 年 で 投 資 家 に 入 れ 替 え を 推 奨 し て き た こ と が 考 え ら れ る 。こ の こ と は 投 信 の 平 均 保 有 年 数 か ら も う か が え る ( 図 表 15 ) 。 理 由 と し て 、 一 つ 目 に 顧 客 10

層 に 高 齢 者 が 多 い こ と で あ る 。 基 本 的 に 高 齢 者 は 長 期 の 資 産 運 用 を 目 的 と し て い な い た め 、 毎 月 分 配 金 を 得 ら れ る 商 品 設 計 に 魅 力 を 感 じ や す か っ た こ と が 考 え ら れ る1 5。 二 つ 目 に 銀 行 側 の 販 売 手 数 料 目 当 て の 商 品 推 奨 で あ る 。 銀 行 の 販 売 員 が 販 売 手 数 料 重 視 の 販 売 で あ っ た た め で あ る 。 こ の た め 販 売 手 数 料 が 比 較 的 高 い ハ イ リ ス ク の フ ァ ン ド を 積 極 的 に 販 売 し て き た こ と で あ る 。 こ の 結 果 、 15

毎 月 分 配 型 の シ ェ ア が 高 ま っ た( 図 表 16 )。金 融 庁 は 投 信 の 販 売 方 法 に 対 し 難 を 示 し て い る 。 こ の よ う な 販 売 方 法 に 従 っ て 長 期 投 資 し た 場 合 、 投 資 家 リ タ ー ン が 減 少 す る ケ ー ス が あ り 、商 品 の 短 命 化 は 投 資 家 に と っ て 不 利 益 で あ る ( 図 表 17)1 6

20

1 4 野 村 亜 紀 子 (20 121 ~2 ペ ー ジ を 参 照 し た 。

1 5 日 本 証 券 経 済 研 究 所 ( 2 0 1 5 ) を 参 照 し た 。

1 6 金 融 庁 ( 2 0 1 4 ) を 参 照 し た 。

(16)

15

図 表 15 日 欧 米 の 平 均 保 有 年 数

注 ) 平 均 保 有 期 間 は ( 年 間 平 均 残 高 / 年 間 解 約 額 ) に よ り 算 出 し た 。 年 間 平 均 残 高 は 前 年 末 残 高 と 当 年 末 残 高 を 平 均 し た 簡 便 計 算 値 を 用 い た 。 日 本 は 解 約 額 に 償 還 額 を 含 む 。 英 国 は デ ー タ の 制 約 上 全 フ ァ ン ド の 平 均 で あ る 。

5

出 所 ) 杉 田 浩 治 ( 2 0 1 4 b ) 図 表 3 か ら 引 用 。

図 表 16 毎 月 決 算 型 の 残 高 と シ ェ ア

出 所 ) 日 本 証 券 経 済 研 究 所 ( 2 0 1 5 ) 5 ペ ー ジ よ り 引 用 。

(17)

16

図 表 17 人 気 商 品 の 乗 換 運 用 に よ る 投 資 家 リ タ ー ン の 推 移

出 所 ) 金 融 庁 ( 2 0 1 4 ) 8 8 ペ ー ジ よ り 引 用 。

一 方 、 米 国 で は 、 投 資 家 は 運 用 実 績 の あ る 商 品 を 購 入 す る こ と が 多 く 、 運 用 会 社 側 も 既 存 商 品 を 大 事 に 扱 う こ と が 根 付 い て い る と 考 え ら れ る1 7。 米 国 で は 5

投 信 の 総 フ ァ ン ド 数 が 70 00 本 台 に 推 移 し て い る の に 対 し 、 日 本 で は 9 000 本 台 に ま で 膨 れ 上 が っ て い る1 8。 こ れ は 、 日 本 の 運 用 会 社 が 新 商 品 頼 み の 運 用 を 行 い 、 既 存 商 品 の 育 成 を 図 っ て い な い こ と が 原 因 で あ る と 考 え る 。 図 1 8・ 19 は 2011 年 の 日 米 の 純 資 産 上 位 フ ァ ン ド の ラ ン キ ン グ で あ る 。日 本 で は 5 年 前 の 上 位 1 0 本 の う ち 2 本 し か 残 っ て い な い が 、米 国 で は 7 本 も ラ ン キ ン グ 上 位 に あ る 。 10

米 国 で は ロ ン グ セ ラ ー と し て 長 期 資 産 運 用 中 核 と な る フ ァ ン ド が 存 在 し て い る 。 し か し 、 日 本 で は 人 気 フ ァ ン ド が 短 期 間 の う ち に 入 れ 替 わ る の で 米 国 と 違 っ て 資 産 形 成 の 中 核 と な る フ ァ ン ド が 存 在 し て い な い1 9。 以 上 の こ と か ら 、 日 本 で も 中 長 期 の 資 産 運 用 の 中 核 と な る ロ ン グ セ ラ ー 商 品 が 必 要 で あ り 、20 代 か ら 50 代 の 長 期 投 資 ニ ー ズ に 適 合 し た 商 品 設 計 と 販 売 方 法 が 必 要 で あ る 。

15

1 7 杉 田 浩 治 ( 2 0 1 5 ) を 参 照 し た 。

1 8 杉 田 浩 治 ( 2 0 1 5 ) を 参 照 し た 。

1 9 I S F J 政 策 フ ォ ー ラ ム ( 2 0 1 3 ) を 参 照 し た 。

(18)

17 図 表 18

図 表 19

( 原 典 ) 朝 倉 智 也 , 『 投 資 信 託 に 関 す る 現 状 の 課 題 と 対 応 』 朝 倉 智 也 , 『 投 資 信 託 に 関 5

す る 現 状 の 課 題 と 対 応 』

( 出 所 ) 岩 壷 健 太 郎 研 究 会 ( 2 0 1 3 ) 1 1 ペ ー ジ よ り 引 用 。

(19)

18

第 3 章 日 本 の 投 信 の 問 題 点 第 1 節 投 資 信 託 コ ス ト が 高 い 点

投 資 信 託 に か か る コ ス ト に は 2 種 類 存 在 す る 。 ま ず 、 購 入 時 に か か る 手 数 料 が 「 販 売 手 数 料 」 で あ る 。 注 意 す べ き は 、 同 じ 投 信 で も 販 売 会 社 に よ っ て 手 数 料 率 が 異 な る 点 で あ る 。 そ し て 、 保 有 期 間 中 に か か る 手 数 料 が 「 信 託 報 酬 」 で 5

あ る 。 こ れ は 純 資 産 額 に 対 す る 年 間 の 比 率 で 示 し 運 用 会 社 を 中 心 と し た 金 融 機 関 に 支 払 う 報 酬 で あ る 。 『 Gl oba l Fun d I nves tor E xpe rien ce June 2 015 』 に よ る と 、 日 本 は 手 数 料 や 法 整 備 な ど の 総 合 評 価 に お い て 「 C- 」 と い う 低 い 評 価 を 受 け て い る( 図 2 0)。そ の 評 価 要 因 の 一 つ が 投 信 コ ス ト の 高 さ で あ る2 0。ま た 、 こ の 調 査 レ ポ ー ト で は 『 フ ァ ン ド を 保 有 し 続 け る 限 り 継 続 的 に 基 準 価 額 か ら 差 10

し 引 か れ る エ ク ス ペ ン ス レ シ オ ( 日 本 の 信 託 報 酬 に ほ ぼ 相 当 ) に つ い て 、 資 産 ク ラ ス ご と の 純 資 産 額 加 重 で の 平 均 値 比 較 が 行 わ れ た 。 こ れ を 見 る と 、 日 本 は 国 内 籍 の 債 券 型 フ ァ ン ド が 1 .51 % と 、カ ナ ダ と 台 湾 と 並 び 最 も 高 い 水 準 と な っ て い る ほ か 、株 式 型 が 1. 65 % 、バ ラ ン ス 型 が 1.4 0% な ど そ の 他 の 資 産 ク ラ ス は 平 均 的 な 水 準 に と ど ま り 、 コ ス ト 競 争 力 は 目 立 っ て い な い 』 と い う 見 解 が 示 15

さ れ て い る2 1

図 表 20 グ ロ ー バ ル ・ フ ァ ン ド ・ イ ン ベ ス タ ー ・ エ ク ス ペ リ エ ン ス ( GFIE ) よ

る 総 合 評 価

A 韓国 米国

A⁻ オランダ 台湾 B⁺ 英国

B スウェーデン

B⁻ オーストラリア デンマーク フィンランド C⁺ カナダ ドイツ インド

C ベルギー フランス 香港 C⁻ イタリア 日本

D⁺ 中国

シンガポール タイ

ノルウェー

( 出 所 ) 坂 本 浩 明 ( 2 0 1 5 ) を も と に 筆 者 作 成 。 20

2 0 モ ー ニ ン グ ス タ ー ( 2 0 1 5 ) を 参 照 し た 。

2 1 坂 本 浩 明 (201 5) よ り 引 用 し た 。

(20)

19

図 表 21 債 券 型 フ ァ ン ド 平 均 エ ク ス ペ ン ス レ シ オ

0.60%以下 0.60%超 0.85%超 1.00%超 1.15%超 1.3%超 日本

ベルギー 豪州 カナダ

中国 フランス

ドイツ 韓国 オランダ 南アフリカ スウェーデン

英国 米国

図 1 6 : 出 所 ) 坂 本 浩 明 ( 2 0 1 5 ) 図 表 2 よ り 筆 者 作 成 。

信 託 報 酬 の 平 均 は 米 国 が 年 0 .28 % な の に 対 し 、日 本 は 1.5 2% も あ る2 2。信 託 5

報 酬 は 保 有 期 間 中 か か り 、 長 期 で は 運 用 成 績 の 下 押 し 要 因 と な る 。 国 内 投 信 を 見 て み る と 、 投 信 コ ス ト が 高 い た め 、 長 期 的 な 積 立 の 際 、 信 託 報 酬 に 米 国 と 日 本 と で は 大 き く 差 が 出 て い る こ と が 分 か る2 3。 よ っ て 、 日 本 の コ ス ト の 高 さ は 長 期 の 資 産 運 用 商 品 と し て 投 信 を 活 性 化 さ せ る た め に は 問 題 点 に な っ て い る と 考 え る 。

10

2 2 日 本 経 済 新 聞( 2015 )を 参 照 し た 。

2 3 同 上 。

(21)

20

第 2 節 投 資 家 目 線 か ら 見 る 販 売 会 社 の 問 題 点

投 資 信 託 協 会 の 統 計 に よ る と 、201 5 年 9 月 時 点 で の 投 信 商 品 本 数 は 9, 627 本 、 2014 年 度 末 の 新 設 投 信 が 702 本 と 、 多 種 多 様 に 存 在 し て い る2 4。 そ れ に も 関 わ ら ず 販 売 会 社 に よ っ て そ れ ぞ れ 扱 う 商 品 が 異 な っ て い る 現 状 で あ る 。 つ ま り 、 投 資 家 に と っ て は 商 品 の 特 徴 や コ ス ト な ど の 比 較 が 容 易 で あ る と は 言 え ず 、 他 5

社 商 品 を 比 較 す る に は 販 売 会 社 を 行 き 来 す る 手 間 が 余 儀 な く さ れ る 。 ま た 投 資 家 が 商 品 を 購 入 す る 際 に 、 販 売 会 社 毎 に 口 座 を 開 設 す る 必 要 が あ る た め 、 利 便 性 に も 欠 け て い る と い え る 。比 較 が で き ず 、利 便 性 に も 欠 け て い る こ の 環 境 は 、 投 信 の 拡 大 に と っ て 大 き な 問 題 点 だ と 考 え る 。 も う 1 点 挙 げ る と 、 前 に も 述 べ た が 、 窓 口 で 販 売 手 数 料 重 視 の 販 売 を 行 う な ど 、 各 個 人 の 資 産 構 成 に 見 合 っ た 10

商 品 の 推 奨 を 行 え て い な い 状 況 で あ る 。 つ ま り 売 り 手 側 に よ る 、 投 資 家 視 点 で の 商 品 提 供 の 欠 如 が 顕 著 に 表 れ て い る と い う こ と で あ る 。 日 興 ア セ ッ ト マ ネ ジ メ ン ト の ア ン ケ ー ト 調 査 に よ る と2 5、 投 資 信 託 以 外 の 投 資 経 験 者 に 対 す る 質 問 の 、「 投 資 信 託 よ り も 他 の 金 融 商 品 を 選 ん だ 理 由 」 の 約 35% は 、「 販 売 手 数 料 や 信 託 報 酬 な ど の 手 数 料 を 取 ら れ た く な い 」 と 回 答 し て い る こ と か ら 、 や は り 15

手 数 料 が 高 い と い う 現 状 は 、 投 資 家 に と っ て 投 信 に 魅 力 を 感 じ な い 原 因 の 一 つ だ と い え る 。

以 上 よ り 、 投 資 家 目 線 で 見 る と 、 販 売 市 場 の 環 境 に 問 題 点 が あ る と 考 え る 。

2 4 投 資 信 託 協 会 (2 015 c) を 参 照 し た 。

2 5 日 興 ア セ ッ ト マ ネ ジ メ ン ト HP(2 011) を 参 照 し た 。

(22)

21

第 3 節 金 融 リ テ ラ シ ー の 欠 如

金 融 リ テ ラ シ ー と は 、 金 融 に 関 す る 知 識 や 情 報 を 正 し く 理 解 し 、 自 ら が 主 体 的 に 判 断 す る こ と の で き る 能 力 で あ る2 6。 日 本 に お い て 、 金 融 知 識 を 十 分 に 有 し 社 会 、経 済 、実 生 活 の 面 で 生 か せ て い る も の は 少 な い 。 201 2 年 度 の 投 信 の 保 5

有 状 況 を 見 る と 、 8 7. 7% の 人 が 投 資 信 託 を 1 度 も 保 有 し た こ と が な く 、 そ の 約 半 数 の 4 8.6 % の 人 が「 投 資 信 託 を 買 え る ほ ど 十 分 な 知 識 を ま だ 持 っ て い な い か ら 購 入 し な い 」と 回 答 し て い る2 7。こ の 統 計 か ら 、日 本 人 の 投 信 知 識 の 低 さ と 、 知 識 が な い こ と が 理 由 で 投 信 に 投 資 し な い 現 状 が わ か る 。 実 際 に 投 信 を 含 め た 金 融 知 識 に 関 す る 質 問 の 正 答 率 が 高 い 家 計 で あ れ ば 、 リ ス ク 資 産 の 保 有 割 合 も 10

高 く な る と い う 、 比 例 の 関 係 に あ る2 8。 こ の こ と か ら 投 信 市 場 を 活 性 化 さ せ る た め に は 、 金 融 リ テ ラ シ ー の 向 上 が 必 要 で あ る と 考 え る 。 こ れ に 加 え 、 投 資 信 託 非 購 入 の 理 由 の 質 問 で 、 「 必 要 な 資 金 が 準 備 で き な か っ た か ら 」 と 、 2 1.3%

の 人 が 回 答 し て い る こ と か ら 、 投 信 は 、 1 万 円 程 度 の 少 額 か ら で も 購 入 で き る 上 、 分 散 投 資 も で き る と い う 実 態 を 知 ら な い と い う 人 も 多 い の で は な い だ ろ う 15

か 。

で は 、 な ぜ 金 融 リ テ ラ シ ー が 欠 如 し て い る の だ ろ う か 。 そ の 要 因 の ひ と つ と し て 教 育 制 度 が 挙 げ ら れ る 。 我 が 国 の 教 育 面 に お い て 金 融 知 識 を 学 ぶ 機 会 と し て 充 実 し て い る と は 言 え な い 。2 012 年 3 月 に 日 米 の 大 学 生 に 対 し 実 施 し た 調 査 に よ る と 、 小 ・ 中 ・ 高 等 学 校 の い ず れ か で 金 融 教 育 を 受 け た 経 験 が あ る と 回 答 20

し た 大 学 生 は 、 日 本 の 大 学 生 が 39.7 %( 12 4 名 ) に 対 し 、 米 国 の 大 学 生 は 72 .2%

( 24 9 名 )で あ り 、約 2 倍 の 差 が あ る2 9。現 状 の 我 が 国 の 教 育 制 度 に お い て 十 分 な 金 融 知 識 を 身 に 着 け る た め に は 、 お の ず か ら 専 門 的 に 学 ぶ 必 要 が あ る 。

2 6 日 本 証 券 業 協 会 を 参 照 し た 。

2 7 日 本 証 券 業 協 会 (2 012) を 参 照 し た 。

2 8 内 閣 府 「 年 次 経 済 財 政 報 告 」142 ~1 55 ペ ー ジ を 参 照 し た 。

2 9 VI SA HP (20 12)を 参 照 し た 。

(23)

22

第 4 章 方 策

以 上 の 現 状 か ら 我 々 は 、 日 本 投 信 に 対 し て 、 商 品 選 択 に お け る 複 雑 性 と 利 便 性 の 欠 如 、 高 コ ス ト 、 リ テ ラ シ ー の 欠 如 の 3 点 を 問 題 と し て 指 摘 し た 。 こ れ ら に つ い て 、 我 が 国 の 投 信 を 活 性 化 し て い く た め の 方 策 を 提 案 し た い 。

第 1節 商 品 販 売 チ ャ ネ ル の 集 約 化

5

第 3 章 で は 、投 信 商 品 本 数 が 9,62 7 本 、201 4 年 度 末 の 新 設 商 品 が 7 02 本 と 多 種 多 様 に 存 在 し て い る に も 関 わ ら ず 販 売 会 社 に よ っ て そ れ ぞ れ 扱 う 商 品 が 異 な る と い う 問 題 と 、 投 信 コ ス ト が 高 い と い う 問 題 、 さ ら に 金 融 リ テ ラ シ ー の 欠 如 を 指 摘 し た 。 こ れ ら の 問 題 を 解 消 す べ く 、 我 々 は 商 品 販 売 チ ャ ネ ル の 集 約 化 を 提 案 す る 。 概 要 と し て は 、 新 た に 投 信 商 品 の 販 売 仲 介 を 行 う 会 社 を 設 立 し 、 そ 10

こ に 様 々 な 販 売 会 社 で 扱 わ れ て い る 商 品 を ま と め る と い う 方 法 で あ る 。

実 際 に 商 品 販 売 チ ャ ネ ル の 集 約 化 と い う 観 点 で 、扱 っ て い る 商 品 は 異 な る が 、

「 ほ け ん の 窓 口 」の 成 功 例 が あ る 。図 表 2 2 は 、ほ け ん の 窓 口 の ビ ジ ネ ス モ デ ル で あ る 。

図 表 22 ほ け ん の 窓 口 と は 15

( 出 所 ) ほ け ん の 窓 口 H P ほ け ん の 窓 口 と は ? よ り 引 用 。

(24)

23

図 表 22 の 通 り 、 ほ け ん の 窓 口 は 複 数 保 険 会 社 か ら の 手 数 料 で 運 営 し て い る た め 、買 い 手 側 は 無 料 で 相 談 す る こ と が で き る 。ま た 、幅 広 い 選 択 肢 の 中 か ら 、 顧 客 の 要 望 や 条 件 に あ う 商 品 を 組 み 合 わ せ た 保 障 プ ラ ン を 提 案 す る こ と が 可 能 と な る 仕 組 み に な っ て い る3 0。 ほ け ん の 窓 口 の 売 上 推 移 を み る と 、2002 年 で 1 億 3200 万 円 、2007 年 で 32 億 6200 万 円 、2014 年 は 380 億 円 と 、 右 肩 上 が り 5

と な っ て い る3 1。 今 回 我 々 が 考 案 し た 方 策 は 、 ほ け ん の 窓 口 と い う 成 功 例 の ビ ジ ネ ス モ デ ル を 参 考 に し た も の で あ る 。

本 方 策 で は 、 ほ け ん の 窓 口 と 同 じ よ う に 、 販 売 会 社 か ら の 商 品 取 扱 手 数 料 で 運 営 し 、 投 信 に 関 す る 相 談 や 商 品 の 提 案 、 比 較 を 無 料 で 行 う 。 口 座 な ど は 開 設 せ ず 、 あ く ま で 商 品 販 売 の 仲 介 の み を 行 う 。 異 な る 販 売 会 社 の 商 品 を 集 約 し て 10

取 り 扱 う こ と で 投 資 家 が 商 品 を 選 び や す い 環 境 を 作 り 、 利 便 性 の 向 上 を 図 る 。 ま た ほ け ん の 窓 口 で は 、 保 険 の 知 識 が な い 顧 客 に 対 し て も 仕 組 み や 選 び 方 の 説 明 を 行 っ て い る 。 我 々 の 方 策 で も 、 投 信 に 対 す る リ テ ラ シ ー の 低 い 顧 客 に 対 し て 投 信 の 仕 組 み や 選 び 方 を 説 明 す る こ と で 、 リ テ ラ シ ー の 向 上 に も 繋 が る と 考 え る 。 さ ら に 、1 つ の 会 社 に 様 々 な 販 売 会 社 の 商 品 を 集 め る た め 、 販 売 会 社 間 15

で の 競 争 を 促 す 効 果 も あ る 。 販 売 会 社 間 で の 価 格 競 争 に 拍 車 を か け る こ と で 商 品 の 販 売 手 数 料 や 信 託 報 酬 の 引 き 下 げ な ど 、 投 信 コ ス ト の 軽 減 も 期 待 で き る 。

し か し 、 本 方 策 に も 課 題 が あ る 。 ま ず 一 つ 目 に 、 第 3 章 2 節 で も 言 及 し た 通 り 、2015 年 9 月 現 在 で 我 が 国 の 投 信 商 品 本 数 が 9,627 本 と 膨 大 で あ る が 、こ れ ら 全 て の 商 品 の 特 徴 や 魅 力 を 把 握 す る の が 難 し い 点 が あ げ ら れ る 。 よ っ て 販 売 20

員 ス キ ル の 向 上 や 、 顧 客 に あ っ た 商 品 を 効 率 よ く 提 示 で き る よ う な イ ン フ ラ シ ス テ ム の 構 築 が 求 め ら れ る 。二 つ 目 に 、利 益 相 反 の 可 能 性 の 問 題 が あ げ ら れ る 。 各 販 売 会 社 に よ っ て 出 品 数 が 異 な り 、 そ れ と 比 例 し て 取 扱 手 数 料 も 変 化 す る 。 そ こ で 、 手 数 料 を 多 く も ら っ て い る 会 社 の 商 品 を 推 奨 し て い く な ど の 差 別 が 生 じ る 可 能 性 が あ る 。 ま た 、 投 信 の 窓 口 の 販 売 員 と 商 品 の 元 販 売 会 社 と の 間 に リ 25

ベ ー ト が 生 じ る 可 能 性 も 否 定 で き な い 。 そ こ で 、 こ う し た 利 益 相 反 を 防 ぐ 手 立 て も 必 要 と な る だ ろ う 。

3 0 ほ け ん の 窓 口 HPを 参 照 し た 。

3 1 マ イ ナ ビ 201 6を 参 照 し た 。

(25)

24

第 2 節 付 帯 サ ー ビ ス の 充 実 化

第 1 章 で 、株 価 の 下 落 に よ る 投 資 へ の 魅 力 が 薄 れ て い る 点 と 、第 2 章 で 商 品 が 短 命 化 し て い る 点 、 さ ら に 第 3 章 で 1 万 円 程 度 の 少 額 か ら で も 購 入 で き る 上 、 分 散 投 資 も で き る と い う 実 態 を 知 ら な い と い う 問 題 点 を 指 摘 し た 。 本 方 策 は 、 主 に こ の 3 点 の 問 題 点 を 解 消 す る た め の も の で あ る 。 目 的 と し て は 、 商 品 の 魅 5

力 を あ げ る た め に 付 帯 サ ー ビ ス を 充 実 さ せ 、 売 り 上 げ の 増 加 を 図 る 。 こ れ は 同 時 に 、 元 本 割 れ の リ ス ク 補 完 と し て の 効 果 も 同 時 に 得 る 。

現 在 S BI 証 券 で は 、 投 信 マ イ レ ー ジ サ ー ビ ス と い う 、 保 有 す る 投 信 の 残 高 に 応 じ て 現 金 化 可 能 な ポ イ ン ト が プ レ ゼ ン ト さ れ る サ ー ビ ス が あ る3 2。 こ の サ ー ビ ス は 対 象 投 資 信 託 の 月 間 平 均 保 有 額 が 1 ,000 万 円 未 満 の 場 合 、 月 間 平 均 保 有 10

額 の 年 率 0. 1% の ポ イ ン ト を 獲 得 す る こ と が で き 、 対 象 投 資 信 託 の 月 間 平 均 保 有 額 が 1 ,00 0 万 円 以 上 の 場 合 月 間 平 均 保 有 額 の 年 率 0.2 % の ポ イ ン ト を 獲 得 で き る サ ー ビ ス で あ る 。 し か し 我 々 は サ ー ビ ス と し て こ の 内 容 で は 不 十 分 で あ る と 考 え る 。 な ぜ な ら 、 対 象 投 資 信 託 の 月 間 平 均 保 有 額 の 設 定 が 高 す ぎ る か ら で あ る 。 収 入 の 高 く な い 人 に と っ て は 決 し て 望 ま し く な い 。 第 2 章 で 述 べ た と お 15

り 、 日 本 人 の 20 ~ 3 4 歳 の 平 均 年 収 は 32 3 万 円 で あ り 、 10 00 万 円 以 上 投 信 を 保 有 す る の は 無 理 が あ る だ ろ う 。 よ っ て 、 よ り 保 有 額 の 低 い 投 資 家 に 対 し て も 適 用 さ れ る サ ー ビ ス 工 夫 が 必 要 で あ る 。 さ ら に 投 資 信 託 は 1 万 円 程 度 か ら の 「 少 額 で 投 資 で き る も の 」 で あ る と い う イ メ ー ジ を 植 え 付 け さ せ る こ と が 必 要 だ と 考 え る 。 そ こ で 、 少 額 の 投 資 で も 付 帯 サ ー ビ ス を 享 受 で き る シ ス テ ム を 作 り 、 20

そ し て 、 金 額 に 応 じ て 付 帯 サ ー ビ ス の 内 容 を 変 え る こ と で タ ー ゲ ッ ト 層 の 拡 大 を 試 み た い 。

3 2 SBI証 券 HPを 参 照 し た 。

(26)

25

・我 々が考 案 したサービス内 容 の例

年 間 3 0 万 以 上 5 0 万 以 下 保 有 した場 合 …宝 くじ 3~5 口

年 間 5 0 万 円 以 上 20 0 万 円 以 下 保 有 した場 合 …商 品 券 投 資 額 ×1%

年 間 2 0 0 万 円 以 上 保 有 した場 合 …一 泊 二 日 の国 内 旅 行 など

こ の よ う に 、 付 帯 サ ー ビ ス の 内 容 を 年 間 の 投 資 額 で 差 を つ け る こ と で 、 投 資 家 が 投 資 額 を 引 き 上 げ る こ と が で き る 。 保 有 額 に 応 じ て ポ イ ン ト を 付 与 し 、 そ の ポ イ ン ト を 使 っ て 例 で 挙 げ た よ う な 商 品 と 交 換 す る 、 あ る い は 現 金 に も 換 金 可 能 な 仕 組 み を 作 る 。 こ の よ う な 付 帯 商 品 の 他 に も 、 国 債 な ど の 有 価 証 券 を ポ 5

イ ン ト 分 値 引 き 価 格 で 購 入 で き る よ う に す る な ど 、 証 券 市 場 の 活 性 化 に つ な が る 商 品 の 提 案 や 、 長 期 的 保 有 を 促 す た め 、 保 有 し て い る 期 間 に 応 じ た 分 信 託 報 酬 の 軽 減 な ど も 行 う 。 こ の よ う に 、 投 資 家 と 証 券 市 場 の 双 方 か ら の 視 点 で 、 投 信 を 魅 力 の あ る も の に 変 え て い く こ と が 必 要 で あ る 。

し か し 、 こ の 方 策 に も 課 題 が 存 在 す る 。 サ ー ビ ス 提 供 に か か る コ ス ト の 問 題 10

で あ る 。 ポ イ ン ト に 応 じ て 何 ら か の 形 で 付 帯 サ ー ビ ス を 提 供 す る に は 、 や は り コ ス ト が か か る う え に 、 サ ー ビ ス を 提 供 す る ク レ ジ ッ ト カ ー ド 会 社 や 旅 行 会 社 な ど と の 連 携 も 不 可 欠 に な る 。 こ う し た コ ス ト の 問 題 を い か に 処 理 す る か 、 各 販 売 会 社 の 採 算 に 合 っ た 手 立 て が 必 要 に な る だ ろ う 。

第 3 節 給 与 制 度 の 改 革

15

第 2 章 で は 、日 本 で は 多 く の 企 業 が 年 功 序 列 の 給 与 制 度 を 採 用 し て い る た め 、 若 年 層 の 給 料 が 少 な い と い う こ と を 明 ら か に し た 。 し か し 、 若 年 層 の 給 料 が 低 い と い う こ と は 、 投 信 を 含 め た リ ス ク 資 産 に 投 資 を す る の が 困 難 に な る た め 、 投 信 の タ ー ゲ ッ ト 層 が 広 が ら な い こ と を 暗 に 意 味 す る 。 長 期 的 な 資 産 運 用 が 求 め ら れ る 若 年 層 に と っ て こ れ は 問 題 で あ る と 考 え る 。 そ こ で 我 々 は 、 投 信 市 場 20

の 根 本 的 な 底 上 げ を 図 る た め 、 給 与 制 度 の 改 革 を 提 案 す る 。

(27)

26

米 国 で は 年 功 序 列 の 給 与 体 系 を 採 用 し て お ら ず 、 成 果 主 義 給 与 制 度 が 実 施 さ れ て い る3 3。 成 果 主 義 給 与 制 度 で は 、 年 齢 で は な く 、 仕 事 の 技 能 に よ っ て 給 料 が 決 定 す る た め 、若 年 層 で も 高 額 な 給 料 を 受 け 取 れ る 可 能 性 が あ る( 図 表 23 )。

我 が 国 で も 、 米 国 の よ う な 成 果 主 義 給 与 制 度 を 推 進 す る 動 き は 既 に あ る 。 20 04 年 、2 012 年 の 春 闘 に 際 し て 、日 本 経 団 連 は 定 期 昇 給 の 凍 結 、延 期 を 打 ち 出 し た 。 5

し か し 、 評 価 の 納 得 性 や 公 平 性 へ の 疑 問 な ど が 理 由 で 、 未 だ に 多 く の 企 業 に お い て 定 期 昇 給 は 実 施 さ れ 、 日 本 経 団 連 の 主 張 は 受 け 入 れ ら れ て い な い3 4。 そ こ で 我 々 は 評 価 の 納 得 性 や 公 平 性 を 明 確 化 す る た め 、 「 ブ ロ ー ド バ ン デ ィ ン グ 賃 金 制 度 」 を 推 奨 す る 。

図 表 23 年 功 序 列 と 成 果 主 義 給 与 制 度 の 違 い 10

出 所 ) 労 働 基 準 法 違 反 を 許 す な ! H P よ り 引 用 。

ブ ロ ー ド バ ン デ ィ ン グ は 「 バ ン ド 型 賃 金 制 度 」 か ら 派 生 し た も の で あ る 。 バ ン ド 型 賃 金 制 度 と は 、 職 務 別 あ る い は 役 割 別 に 一 定 の 賃 金 範 囲 = バ ン ド 区 分 を 設 定 し 、 社 員 そ れ ぞ れ の 賃 金 の 額 を 、 本 人 が 属 す る バ ン ド の 範 囲 内 で 評 価 に 応 15

じ て 変 動 さ せ る 賃 金 制 度 の こ と で あ る3 5。 こ の 制 度 は 、 上 限 額 か ら 下 限 額 ま で 幅 を も た せ た 帯 状 の 賃 金 構 造 で あ り 、 成 果 主 義 給 与 制 度 を 実 施 す る に あ た っ て

3 3 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 (2005) を 参 照 し た 。

3 4 連 合 総 研 (201 2) を 参 照 し た 。

3 5 日 本 の 人 事 部 HPを 参 照 し た 。

年 功 序 列 で は 、年 齢 に 従 っ て 賃 金 が 増 え る が 、成 果 主 義 で は 賃 金 は 人 に よ っ て 異 な る 。

(28)

27

不 可 欠 な 仕 組 み で あ る 。 こ の よ う な 成 果 主 義 給 与 制 度 は 、 若 年 層 が 高 額 な 給 料 を 受 け 取 れ る 可 能 性 が あ る 他 に 、人 件 費 の 増 大 を 抑 え る こ と が で き る な ど 、様 々 な メ リ ッ ト が あ る3 6

図 表 24 バ ン ド 型 賃 金 制 度 の 例

5

出 所 ) 関 総 研 H P バ ン ド 型 ベ ー ス サ ラ リ ー の 例 か ら 引 用 。

し か し 、 バ ン ド 型 賃 金 制 度 を 企 業 で 行 う 際 に 問 題 点 が あ る 。 職 務 別 バ ン ド の 数 が 多 く な り す ぎ る 傾 向 が あ り 、 相 対 的 に 各 バ ン ド の 賃 金 範 囲 が 狭 ま る 。 範 囲 が 狭 ま る と 、 個 人 の 成 果 を 賃 金 格 差 に 反 映 さ せ に く く な る こ と や 、 職 務 が 変 わ る と 賃 金 も 変 わ る た め 、 会 社 主 導 の 配 置 転 換 や 異 動 が 運 用 し に く い な ど の 欠 点 10

が あ る3 7。 こ の よ う な 理 由 か ら 、 我 々 は 職 務 別 よ り も バ ン ド の 幅 を 広 く と っ て バ ン ド 数 を 減 ら し た 「 ブ ロ ー ド バ ン デ ィ ン グ 」 を 推 奨 す る 。

ブ ロ ー ド バ ン デ ィ ン グ と は 、 バ ン ド 型 賃 金 制 度 の バ ン ド の 体 系 を 簡 素 化 ・ 大 括 り 化 し た も の で あ る 。ブ ロ ー ド バ ン デ ィ ン グ は 1 992 年 に 、ゼ ネ ラ ル エ レ ク ト リ ッ ク が 、当 時 1 4 グ レ ー ド あ っ た 職 務 等 級 を 4 バ ン ド に 再 編 し た と こ ろ か ら 注 15

目 さ れ た3 8。 ブ ロ ー ド バ ン デ ィ ン グ は 不 必 要 に 等 級 を 増 や す の で は な く 、 区 分 を 大 き く 括 る 賃 金 体 系 で あ り 、 従 業 員 に 対 し て 簡 潔 で わ か り や す い 給 与 基 準 を 明 示 す る こ と が で き る 。

3 6 吉 田 寿 (20 1018 4ペ ー ジ 、 図 表 8を 参 照 し た 。

3 7 日 本 の 人 事 部 HPを 参 照 し た 。

3 8 吉 田 寿 (20 1018 2~1 85ペ ー ジ を 参 照 し た 。

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28

こ の ブ ロ ー ド バ ン デ ィ ン グ 賃 金 制 度 で は 、 従 業 員 は 個 人 の 成 果 と そ の 賃 金 の 格 差 を 明 確 に す る こ と が で き る 。 そ の た め 、 こ の 制 度 を 実 施 す れ ば 、 若 年 層 に と っ て も 高 額 な 給 料 を 受 け 取 れ る 可 能 性 が あ る 。 し た が っ て 若 年 層 に も 投 資 に 回 す 資 金 の 余 裕 が 生 ま れ 、 投 信 市 場 の 活 性 化 が 期 待 で き る 。

5

(30)

29

お わ り に

以 上 、 本 論 で は 、 我 が 国 の 投 信 を め ぐ る 、 現 状 と 問 題 点 を 具 体 的 に 述 べ て き た 。我 が 国 で は 近 い 将 来 公 的 年 金 の 受 給 額 が 減 少 す る と い う 問 題 を 抱 え て お り 、 こ れ に 対 し 中 長 期 的 な 資 産 運 用 な ど 、 資 産 形 成 の 自 助 努 力 の 必 要 性 が 高 ま っ て 5

い る 。 こ う し た 家 計 に 関 わ る 社 会 問 題 解 決 の 糸 口 と し て 、 投 信 の 拡 大 お よ び 市 場 の 活 性 化 は 日 本 経 済 の 将 来 を 大 い に 左 右 す る と い え る 。 そ の 上 で 我 が 国 の 家 計 に お け る 投 信 の 保 有 率 の 低 さ は 大 き な 問 題 で あ る と 考 え る 。 投 信 保 有 率 の 低 さ を 解 消 し 、 「 貯 蓄 か ら 投 資 へ 」 の 流 れ を 実 現 す る た め に 、 本 論 で は 商 品 販 売 チ ャ ネ ル を 集 約 し 、 国 民 が 投 資 を し や す い 環 境 づ く り を 行 え ば 投 信 市 場 が 活 性 10

化 す る と 述 べ た 。こ れ に 加 え 付 帯 サ ー ビ ス の 充 実 化 で リ ス ク 補 完 も 同 時 に 行 い 、 さ ら に 賃 金 制 度 を 改 革 す る こ と で 若 年 層 に も 投 信 の タ ー ゲ ッ ト が 広 ま り 、 投 信 は よ り 効 果 的 に 活 性 化 す る と 考 え る 。 し か し 、 我 々 が 考 案 し た 方 策 に も 課 題 は 存 在 し 、 今 後 も よ り 効 果 的 な 方 策 を 考 案 す る べ く 、 研 究 を 続 け て い き た い 。

(31)

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【 参 考 文 献 】

田 村 威 (2 014 )『 投 資 信 託 基 礎 と 実 務 』 経 済 法 令 研 究 会 74 ~ 1 10 ペ ー ジ 。

田 村 威 ・ 杉 田 浩 二 ・ 林 晧 二 ・ 青 山 直 子 (2014) 『 プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル 投 資 信 託 実 務 』 経 済 法 令 研 究 会 。

日 本 証 券 経 済 研 究 所 ( 20 14) 『 図 説 日 本 の 証 券 市 場 20 14 年 版 』 14 章 。 5

野 村 資 本 市 場 研 究 所 ( 2008 )『 総 解 説 米 国 の 投 資 信 託 』 日 本 経 済 新 聞 1 2~ 16 ペ ー ジ 。

松 浦 克 己 (20 04) 『 資 産 選 択 と 日 本 経 済 』 東 洋 経 済 新 聞 社 2 7 ペ ー ジ 。

岩 壷 健 太 郎 研 究 会 ( 2 013 ) 『 投 資 信 託 に お け る 投 資 家 リ タ ー ン の 向 上 に 向 け て 』 I S F J 政 策 フ ォ ー ラ ム 、 1 1 月 、

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 日 本 経 済 新 聞 (2 015 ) 08/2 7  夕 刊  5 ペ ー ジ 。

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参照

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