持続可能なバイオマス発電のあり方に係る調査 報告書
平成28年2月 平成 27 年度新エネルギー等導入促進基礎調査
目次
第1章 はじめに ... 1
I. 調査の背景と目的 ... 1
1. 調査の背景 ... 1
2. 課題、調査の目的・達成目標の設定 ... 2
II. 実施事項・体制 ... 3
1. 調査の実施体制 ... 3
2. 調査実施事項・フロー ... 3
第2章 木質バイオマスの需給バランス確保についての現状と課題 ... 4
I. 我が国のバイオマス発電の運開・計画状況 ... 4
1. 固定価格買取制度における認定状況 ... 4
2. 木質バイオマス発電所の稼働状況 ... 8
II. 木質バイオマスの需給バランス ... 9
1. 国内産木質バイオマスの需給バランス分析 ... 9
2. バイオマス発電の増加に伴う現状の影響 ... 22
3. 国内林業セクターの需給バランス確保への取組 ... 27
4. 輸入バイオマスの可能性評価 ... 37
第3章 長期自立電源となるための課題分析 ... 58
I. バイオマス発電のコスト構造 ... 58
1. 本調査におけるコスト構造分析のアプローチ ... 58
2. 推計結果 ... 68
3. まとめと考察 ... 71
II. バイオマス発電のコスト低減の方向性 ... 73
1. 燃料供給コスト低減の方向性 ... 73
2. 発電コスト削減の可能性と課題 ... 83
3. 発電コスト削減のシミュレーション ... 88
III. 持続可能なバイオマス発電に必要な社会・環境への配慮 ... 90
1. 社会・環境への配慮の重要性 ... 90
2. 地域社会に配慮したバイオマス発電の事例 ... 90
3. 環境に配慮したバイオマス利用に向けた取組 ... 94
第4章 持続可能なバイオマス発電の実現のための課題と施策の方向性 ... 98
I. 持続可能なバイオマス発電のあり方 ... 98
1. あり方の整理 ... 98
2. 「あり方」の実現に向けた施策の方向性 ... 99
II. 今後の施策の方向性... 100
1. 短期的な施策 ... 100
2. 長期的な施策 ... 102
3. 分野共通の基盤的な施策 ... 112
第5章 まとめ ... 115
参考資料 ... 116
I. 用語集 ... 116
第1章 はじめに
I. 調査の背景と目的
1.調査の背景
(1)バイオマス等、再生可能エネルギーの特性と我が国における位置付け
再生可能エネルギーは温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、資源の乏 しい我が国のエネルギー自給率向上に寄与するエネルギー源である。ただし、現時点では 発電コストの高止まりの問題がある。そのため、2015年7月に発表された長期エネルギー 需給見通しにおいても、「各電源の個性に応じた最大限の導入拡大」を、「国民負担の抑制」
と両立させながら図っていくという方向性が確認されている。加えて、FIT終了後を見据 えて、長期的にはFITに依存せずとも自立しうる低コストな発電事業を実現していくこと が重要である。
また、再生可能エネルギーは、地域活性化に貢献できることも重要視されるようになり つつあり、総合資源エネルギー調査会新エネルギー小委員会では、「長期安定で低コスト な自立電源であること」に加えて、「地域に根ざした再生可能エネルギー導入を図ること」
も重視されている。このようなことから、バイオマス発電については、様々な種類のバイ オマス燃料がある中で、我が国の森林資源を活用したバイオマス(以下、「地域型バイオ マス」)が、特に重要であるとされているところである。
(2)計画の乱立、膨大な燃料需要の発生
長期エネルギー需給見通しにおいては、林野庁が森林・林業基本計画に示した目標値600
万m3/年に合わせて、未利用材を利用するバイオマス発電の導入見通しを24万kWとして
いる。他方、足下の計画の乱立により需給が逼迫し、燃料価格の高騰やマテリアル利用へ の影響を与え、皆伐を加速させるなど森林生態系の持続性にも負の影響を与える恐れがあ ることから、バイオマス発電所の持続性に疑念が持たれている側面もある1。また、現状 の国内森林からの未利用材の供給量を考えれば、輸入バイオマスの利用も視野に入れた検 討が必要となるが、輸入バイオマスについても生産・流通実態を考慮し、持続的に利用し ていく必要がある。
ただし、バイオマス発電をめぐる情報が必ずしも一元的に整理されていないことが大き な問題であり、適切なデータに基づいて議論を行なっていく必要がある。また、このよう なバイオマス燃料生産の持続性に配慮しながらも、諸外国のコスト等をベンチ−マークと し、FIT制度の本来の趣旨である経験曲線に沿ったコストの削減、特に発電コストの過半 を占める燃料費の削減が、国民負担の軽減の観点からも、バイオマス発電の持続性を考え
1 例えば、NPO法人バイオマス産業社会ネットワークは、FIT開始後に認定された約100件170万kWの木質バ イオマス発電事業では、一般木材も含めて年間約3,000万m3の木材が必要になると試算し、過大すぎるとの懸 念を表明している(バイオマス白書2015)。他方、日本では森林管理上、皆伐が必要な状況もあり、バランス のとれた議論が必要である。
る上で重要である。そのためには、林業セクターの創意工夫を活かした、燃料用チップだ けではなく、木材全体のサプライチェーンの最適化や高付加価値化が必要となる。加えて、
森林管理や林業振興には、都道府県や市町村が重要な役割を果たしていることから、発電 事業者、林業セクター、自治体等の関係者の連携が求められているところである。
2.課題、調査の目的・達成目標の設定
(1)課題の設定
上記のような現状を踏まえ、我が国のバイオマス発電の現状における課題を3点にまと めることができる。
一つ目の課題は、バイオマス発電に関する情報や知識が必ずしも一元的に整理されてい ないことがある。特に、木質バイオマスの需給バランスについては、森林・林業の統計情 報や行政制度の複雑さとも関連して、必ずしもよく整理されていない。この点は極めて大 きな問題であり、適切なデータに基いて議論を行なっていく体制を早急に整える必要があ る。
二つ目の課題は、すでに認定された発電所を安定的に稼働させるとともに、将来的な自 立電源へと脱皮させていくことである。そのためには、輸入バイオマスの供給見込みなど を踏まえて、先行する地域での取組などを参考に、適切な需給バランスを実現するための 短期的な課題を整理する必要がある。
三つ目の課題は、発電コストの削減の方策を検討することである。発電コストの中では、
初期投資コスト等も重要であるが、長期的には特に燃料コストの削減が重要である。この 点については、林業セクターの創意工夫を活かし、木材全体のサプライチェーンの最適化 や高付加価値化といった全体的な戦略の中で、林業と発電の相乗効果が発揮できるような 方策が必要である。これらを踏まえて、地元自治体等との連携の下、長期自立電源になり うるような持続可能なバイオマス発電のあり方を総合的に検討する必要がある。
(2)調査の目的・達成目標の設定
以上を踏まえて、本調査の目的(ゴール)及び達成目標を、以下のように設定した。
1)ゴール
今後のエネルギーシステムのあり方を踏まえて、「持続可能なバイオマス発電のあるべ き姿」を示すため、関連する情報を総合的に整理し、論点をとりまとめる。
2)達成目標
・ 我が国のバイオマス発電の現状と課題及び、長期自立電源化に向けた課題が総合的に 整理される
・ 研究会の開催を通じて、多様な分野の専門家の意見が収集される
第1回研究会
(11月5日)
第3回研究会
(1月29 日)
既存の統計データを中心に、我が国のバイオマス発 電の需給バランスの見通しと課題を整理する。
主な検討事項:
国内産バイオマスの需給バランス
国内林業セクターの需給バランス確保への取組
輸入バイオマスの可能性評価
短期的な対応策/等
バイオマス発電やチップ供給のコスト構造に焦点を当 て、長期自立電源化に向けた課題を整理する。
主な検討事項:
バイオマス発電事業におけるコスト構造分析
燃料供給側におけるコスト低減方策
発電所側のコスト低減方策
地域に根ざしたバイオマス発電事業の事例/等
これまでの検討を踏まえて、持続可能なバイオマス発電のあり方を整理
「あり方」の実現に必要な施策について、総合的に議論 第2回研究会
(11月27日)
・ 以上より、持続可能なバイオマス発電のあり方と、それに至る道筋が明らかになる
II. 実施事項・体制
1.調査の実施体制
調査の実施にあたっては、文献調査・データ分析・ヒアリング等に加え、6名の有識者か ら構成される研究会を開催し、検討を行う。
図表 1-1 研究会委員名簿(50音順)
氏名 所属・役職
久保山 裕史 国立研究開発法人森林総合研究所林業経営・政策研究領域林業システム研究 室 室長
酒井 秀夫(座長) 東京大学大学院農学生命科学研究科 教授
竹ヶ原 啓介 株式会社日本政策投資銀行 環境・CSR部 部長 中田 俊彦 東北大学大学院工学研究科技術社会システム専攻 教授 山下 英俊 一橋大学大学院経済学研究科 准教授
山本 博巳 一般財団法人電力中央研究所社会経済研究所 上席研究員
2.調査実施事項・フロー
調査の大きな柱は、木質バイオマスの需給バランス確保についての現状と課題と、長期自 立電源となるための課題分析の2つである。これら2つのテーマの検討を踏まえて、持続可 能なバイオマス発電のあり方を整理するとともに、「あり方」の実現に必要な施策について 総合的に検討を行う。
これらのテーマについて、合計3回の研究会を開催し、多様な分野の専門家の意見集約に 努めた。
図表 1-2 調査実施フロー
第2章 木質バイオマスの需給バランス確保についての現状と課題
I. 我が国のバイオマス発電の運開・計画状況
1.固定価格買取制度における認定状況
1.1 認定件数・認定容量
日本では、2012年7月1日に施行された再生可能エネルギー特別措置法に基づき、再生可 能エネルギーに関する固定価格買取制度(以下、FITという)が開始された。バイオマスに ついては、「メタン発酵ガス」、「未利用木質」、「一般木質・農作物残さ」、「一般廃棄物・木 質以外」の5つの区分が設定され、原料の種類別に買取価格が定められている。また、2015 年4月から設備容量2,000kW未満の未利用木質について買取価格が引き上げられている。
同制度の2015年5月末までの認定状況を見ると、新規認定されたバイオマス発電所の件 数は291件、認定容量(バイオマス利用分)は 232万kWとなっている。区分別に見ると、
認定件数では「メタン発酵ガス」が多いが、認定容量では高い買取価格が設定された「未利 用木質」と「一般木質・農作物残さ」が多くなっている2。
新規認定分以外に、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(以下
「RPS法」という。)対象設備等からの移行認定分が存在する。移行認定分の件数は236件、
設備容量(バイオマス利用分)は113万kWとなっている。
図表 2-1 FITにおけるバイオマス発電稼働・認定状況(新規認定分3、2015年5月末時点)
メタン発酵ガ ス
(買取価格:
39 円)
未利用木質 一般木質・
農作物残さ
(買取価格:
24 円)
建設廃材
(買取価格 13 円)
一般廃棄物・
木質以外
(買取価格 17 円)
合計 2,000kW 未
満
(買取価格:
40 円)
2,000kW 以上
(買取価格:
32 円)
稼働件数(件) 51 3 14 8 1 32 109
稼働容量(kW) 11,494 2,345 104,516 68,436 3,550 102,588 292,929
認定件数(件) 111 6 46 57 3 68 291
認定容量(kW) 35,179 3,865 366,750 1,613,961 11,060 297,462 2,328,277
(出所)経済産業省「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」
2 日本の固定買取制度においては、同一発電所における複数区分のバイオマス種類の使用やバイオマスとバイオ マス以外の燃料(石炭等)との混焼が認められているため、認定・稼働件数は主要燃料をもとに区分の分類が されている。また、認定・稼働容量は、設備容量のうち認定時のバイオマス比率を乗じて得たバイオマス利用 分の推計値となっている。
3「新規認定分」とは、本制度開始後に新たに認定を受けた設備をいう。
図表 2-2 FITにおけるバイオマス発電稼働・認定状況(移行認定分4、2015年5月末時点)
メタン発酵ガ ス
(買取価格:
39 円)
未利用木質 一般木質・
農作物残さ
(買取価格:
24 円)
建設廃材
(買取価格 13 円)
一般廃棄物・
木質以外
(買取価格 17 円)
2,000kW 未満 合計
(買取価格:
40 円)
2,000kW 以上
(買取価格:
32 円)
稼働件数(件)※注 3 29 4 3 10 29 161 236 稼働容量(kW)※注 4 11,201 3,038 6,015 73,800 331,916 707,653 1,133,623
(出所)経済産業省「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」
1.2 新規認定件数の推移
新規認定件数の推移を見ると、「メタン発酵ガス」、「一般木質・農作物残さ」、「一般廃棄 物・木質以外」の区分では継続的に増加傾向にある。一方、「未利用木質」は2014年3月に 申請が集中しており、その後は微増傾向となっている。
バイオマス発電については、買取価格の引き下げ措置は実施されていないが、3月に申請 が集中する傾向が見られる。
図表 2-3 累積認定件数の推移(新規認定分)
(出所)経済産業省「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」
4「新規認定分」とは、本制度開始後に新たに認定を受けた設備をいう。移行認定分は認定時にすでに稼働を開始 していることから、稼働件数・容量のみが示されている。
0 50 100 150 200 250 300 350
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
2012 2013 2014 2015
一般廃棄物・
木質以外 建設廃材
一般木質・
農作物残さ 未利用木質
メタン発酵ガ ス
(件)
図表 2-4 月別の認定件数の推移(新規認定分)
(出所)経済産業省「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」
1.1 認定発電所の規模
認定発電所のうち、木質系原料を使用する発電所5を規模別に整理すると図表 2-5の通り になる。新規認定分については、1万kW未満の発電所と1万kW以上の発電所で半数ずつ 程度に分かれている。未利用材に比べて一般木質の区分では比較的大規模な発電所が多く なっている。
移行認定分については、1万kW以上の大規模発電所が主流であるが、2,000 kW未満の小 規模発電所も存在している。
5 建設廃材のみを使用する発電所を除く。
0 1 1 0 12
4 36 16
7 18
5 6 3 52 2 16 12
46
3 11
26 6 37 6
3 1815
44
4 7
-10 0 10 20 30 40 50
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
2012 2013 2014 2015
一般廃棄物・
木質以外 建設廃材
一般木質・
農作物残さ 未利用木質
メタン発酵ガ ス
(件)
図表 2-5 認定されたバイオマス発電所の規模別件数(上:新規認定分、下:移行認定分)
(注1)2015年7月末までの認定データのうち「未利用木質」、「一般木質・農作物残さ」を使用予定の事業 のみを計上。「その他」は、「建設廃材」または「一般廃棄物・木質以外」の区分で認定されたものの うち、 「未利用木質」または「一般木質・農作物残さ」に該当する燃料を混焼する発電所が該当。
(注2)設備容量を計上しているため、混焼事業のバイオマス燃料割合は考慮されていない。
(出所)資源エネルギー庁提供資料から三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
1.2 認定発電所の原料
認定発電所の木質系原料の利用予定量6を整理すると図表 2-6の通りとなる。認定発電所 の木質系原料のうち、国内産バイオマスの割合は合わせて45%となっており、残りの55%は 輸入バイオマス(チップ、ペレット、PKS)が利用される見込みとなっている。
図表 2-6 認定されたバイオマス発電所の原料利用予定量
(注)設備認定の申請書に基づく乾燥前重量(水分を含んだ重量)を合計しているため、各事業が使用する 原料の含水率の違いは考慮されていない。
(出所)資源エネルギー庁提供資料から三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
6 建設廃材を除く。
6 3 2 3
13 11
2 3 2 3 2 1
2 1
4 3
5 4 5
8 9
1
1 1 6
1
0 2 5 10 15 20
その他 一般木質 未利用材
2 1 2 1 2
2 2 2 1 1 1 1
1 4 2
3 1 2 4
3 0
5 10 15 20
その他 一般木質 未利用材
未利用材, 393 万t, 29%
一般木質(国 内), 221 万t,
16%
輸入材(チッ プ、ペレット), 417 万t, 31%
PKS, 334 万t, 24%
合計:1,365万t
2.木質バイオマス発電所の稼働状況
FIT 認定バイオマス発電所の稼働容量の推移を図表 2-7 に示す。徐々に新規認定分が稼 働を開始しているものの、稼働している発電所の大部分は移行認定分により占められている。
2015年5月末時点では、移行認定分が79%、新規認定分が21%となっている。
稼働容量のバイオマス原料の内訳を図表 2-8 に示す。移行認定分では「一般廃棄物・木 質以外」や「建設廃材」が多く、新規認定分では「未利用木質」、「一般木質・農作物残さ」
が多くなっている。
図表 2-7 FIT認定バイオマス発電所の稼働容量の推移
(注)容量は認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値。
(出所)経済産業省「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」
図表 2-8 稼働容量のバイオマス原料の内訳(2015年5月末時点)
(注)容量は認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値。
(出所)経済産業省「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」
0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000
4月 5月 6月 7月 8月 9月10月11月12月1月 2月 3月 4月 5月
2014 2015
移行認定分 新規認定分
(kW)
新規認定分 21%
移行認定分 79%
メタン発酵ガス 1%
未利用木質 7%
一般木質・
農作物残さ 5%
建設廃材 0%
一般廃棄物・
木質以外 7%
メタン発酵ガス 1%
未利用木質 一般木質・ 1%
農作物残さ 5%
建設廃材 23%
一般廃棄物・
木質以外 50%
II. 木質バイオマスの需給バランス
1.国内産木質バイオマスの需給バランス分析
1.1 分析方法
1.1.1 分析対象
木質バイオマスには、未利用材、一般木質、建設廃材等が存在するが、本調査では国内 材の中で新規認定容量の多い未利用材に特に着目し、都道府県または地域別に需給バラン スの分析を行う。一般木質バイオマス(国内)については、統計情報が不足していること から、日本全体での需給バランスの概況のみを確認する。
図表 2-9 需給バランス分析のフレーム
(出所)三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
1.1.2 需給バランスに関する考え方
供給量と需要量の比較対象の位置付けを図表 2-10に整理する。これまでの木材市場で は、製材用材、合板用材、チップ・パルプ用材の需要に対して、主伐材や間伐材を供給し てきた。一方、これらを伐採する際に発生する林地残材(立木を丸太にする際に出る枝葉 や梢端部)7や切捨間伐材が発生していた。したがって、今後増加する発電所向けの新た な需要に対して、これまで未利用材として放置されていた材を利用する(利用率を向上す る)ことが考えられる。また、伐採量を増加させることでバイオマス発電所向けの需要を 賄っていくことも考えられる。
一方、利用率向上や伐採量増加が需要増に比べて進まない場合、木材価格次第では既存 用途に使用される木材が発電所向け需要に流れることが懸念される。
7 「林地残材」には切捨間伐材を含める場合があるが、本調査ではこれを区別する。
Step2:
実態と影響の 把握 Step1:
需給バランス の把握
未利用材 一般木質バイオマス(国内)
需要量に対して供給量が十分かどうかの把握
調査手法は以下のとおり
林野庁の計画値との比較
都道府県の計画値との比較
林地残材・切捨間伐材ポテンシャルとの比較
森林成長量との比較
需要量に対して供給量が十分かどうかの把握
調査手法は以下のとおり
日本全体の製材残材発生量との比較
統計・事例等が整理されていないことから、本調査で は日本全体での検討にとどめる(今後の課題)
燃料供給の制約条件や実際の燃料供給事例などか らどのような材が供給される可能性があるかを検討
図表 2-10 需給バランス確保の考え方
(出所)三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
年間伐採量 間伐主伐 丸太 利用間伐 林地残材 切捨間伐+残材 今後の
発電所向け需要
供給側 需要側
年間需要
利用材未利用材 未利用材利用材 製材合板 チップ・
パルプ
その他
①利用率向上分 【燃料用途】
増分により 需給バランス確保
②伐採量増加分
【既存用途】
今後の増減が見 込まれるが単純 化のため、本調査 では大きな変動は ないとして議論を 進める。
利用率 向上 伐採量増加
不足の場合は既存 用途から転換?
製材合板 チップ・
パルプ
その他
【FIT前】 【FIT後】 【FIT後】 【FIT 前】
1.1.3 前提条件
需給バランスについては、図表 2-11に示す前提条件のもとに分析する。各項目の留意 点を踏まえて、推計結果を解釈する必要がある。
図表 2-11 需給バランスを比較する際の前提条件
本調査での前提条件 留意点
需要 燃料需要 認定データの申請書類のうち、各発電 所の未利用材消費予定量を都道府県 単位で積み上げ。
都道府県を跨ぐ移出入については需 要側で整理(他県から未利用材を移入 する発電所は、他県の需要量として扱 う)
2015年7月29日時点における認定 データの範囲内である。今後、認定量 は増加する可能性がある。
未利用材を推計対象としているため、
一般木質バイオマスの区分の中で、森 林由来のバイオマスは考慮していな い。
供給 林野庁計画値 「森林・林業基本計画(2011)」におけ る燃料用等のパルプ・チップ用材の利
用目標600万m3(2020年)を都道府
県の素材生産量の比率を用いて都道 府県単位に按分
素材生産量の増加率が都道府県ごと に異なることが反映できていない。
林野庁目標値は今後改定される見通 し。
計画値の中には一般木質バイオマス の区分の森林由来バイオマスも含ま れる。
都道府県計画 値
都道府県へのアンケートにより、森林 由来の燃料材に関する計画値を把握
(都道府県から回答が得られない場合 には、公表されている資料により一部 補足)
計画値の中には一般木質バイオマス の区分の森林由来バイオマスも含ま れる可能性がある。
都道府県が把握している範囲での計 画値である可能性がある。
林地残材・切 捨間伐材ポテ ンシャル
NEDO「バイオマス賦存量・有効利用 可能量の推計」の手法を参考に最新 データにて再推計
国有林・民有林それぞれについて全国 一律の間伐材利用率を仮定しており、
地域差は厳密に考慮されていない。
森林成長量 森林生態系多様性基礎調査(旧森林 資源モニタリング調査)に素材生産量 の立木換算値、切捨間伐材量を加算 して算出
都道府県レベルでの成長量を算出し ているため、局所的に皆伐が広がる可 能性については考慮できていない。
(出所)三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
1.2 分析結果
1.2.1 未利用材
(1)需要見通し
FIT認定データの運転開始予定日と燃料使用量をもとに整理した未利用材の需要見通し を図表 2-12 に示す。未利用材の需要量は、2015〜2018 年頃の集中的な発電所稼働に伴 い約393万生トン/年(約560万m3/年)まで拡大する見通しとなっている。
図表 2-12 未利用材の需要見通し
(注)申請書に基づく乾燥前重量(水分を含んだ重量)を合計しているため、各事業の 含水率の違いは考慮されていない。生チップの一般的な含水率は湿量基準 40〜
60%程度とされている。
(出所)資源エネルギー庁提供データから三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
図表 2-13 都道府県別未利用材需要(全ての発電所の稼働時)
(出所)資源エネルギー庁提供データから三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000 3,000,000 3,500,000 4,000,000 4,500,000
7月 2012
1月 2013
7月 1月
2014
7月 1月
2015
7月 1月
2016
7月 1月
2017
7月 1月
2018
7月 1月
2019 7月
(トン/年)
610,300 150,500
206,160 38,000
64,300 72,000
113,900 32,800
85,175 52,000 450 0 0 0
38,800 50,000 14,000
61,600 119,000
162,130 82,700
92,000 55,696
88,000 1,000
10,000 8,500
115,000 36,000 5,000
71,500 118,380
129,000 32,000
33,550 50,000 0
65,000
198,000 7,500
48,000 30,000
99,340
199,240 269,035 213,640 0
0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 北海道
青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県
(2)今後の需給見通し
1)林野庁計画値と未利用材需要量の比較
2011年7月に策定した「森林・林業基本計画」では、2020年における燃料用等のパル プ・チップ用材の利用目標を600万m3に設定している8。含水率50%を想定し、この値
を0.7t/m3で換算すると420万トンとなる。
この値を2013年における都道府県別の素材生産量で按分し、前述の未利用材需要の合 計値と比較すると図表 2-14の通りとなる。日本全体では供給量420万トンに対して未 利用材需要 390 万トンとなっている。地方別に見ると、北海道、東北地方、関東地方、
九州地方では未利用材需要が林野庁目標の按分値を上回る。一方、中部地方、関西地方、
中国地方、四国地方では未利用材需要が林野庁目標の按分値を下回っており、全国平均 以上の増産が求められることになる。
図表 2-14 林野庁計画値と未利用材需要の比較
(出所)資源エネルギー庁提供資料、林野庁「森林・林業基本計画(2011)」から三菱UFJ リサーチ&コンサルティング作成
2)都道府県計画値と未利用材需要量の比較
都道府県の多くは、将来の木材生産計画を策定している。本調査では都道府県の公開 されている計画値を整理するとともに、必要に応じて問合せを実施し、都道府県の森林 由来の燃料用材9の計画値を整理した。これを未利用材需要量と比較すると、図表 2-15 の通りとなる。計画策定地域合計で供給量239万トンに対して未利用材需要 270万トン
8 木質バイオマス発電等エネルギー源としての利用に加え、パーティクルボード等木質系材料としての利用も含 む。
9 製材残材や建設廃材を除く。
0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000
北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 将来供給量(林野庁目標)
未利用材需要 トン(湿量基準50%)
【東北地方】
供給:101万トン 需要:64万トン 供/需:156%
【北海道】
供給:78万トン 需要:61万トン 供/需:128%
【関東地方】
供給:26万トン 需要:17万トン 供/需:155%
【中部地方】
供給:44万トン 需要:76万トン 供/需:57%
【関西地方】
供給:17万トン 需要:18万トン 供/需:96%
【中国地方】
供給:33万トン 需要:38万トン 供/需:85%
【四国地方】
供給:27万トン 需要:31万トン 供/需:86%
【九州地方】
供給:95万トン 需要:87万トン 供/需:109%
となる。また、半数程度の都道府県では供給量が需要量を下回っており、地域別に不足 が発生する可能性が確認される。
都道府県計画値と林野庁計画値を比較するとの按分値を上回る計画値を設定している 都道府県は、計画を策定している23県中8県にとどまる(茨城県、群馬県、新潟県、静 岡県、三重県、兵庫県、山口県、高知県)。燃料用材に関する計画値を設定していない都 道府県も存在することから、都道府県の計画策定状況はバイオマス需要の急激な伸びに 追い付いていないことが示唆される。
図表 2-15 都道府県計画値と未利用材需要の比較
(注1)岩手県、宮崎県の計画値には製材工場残材を含む。
(注2)本調査において、計画を策定していない又は公表していないと回答のあった都道府県のうち、青森県、
埼玉県、千葉県、新潟県、静岡県、京都府、島根県、鹿児島県については平成21年9月12日バイオ マス活用推進基本法に基づくバイオマス利活用推進計画を策定していることから、この値を示してい る。
(注3)本調査において、計画を策定していない又は公表していないと回答のあった都道府県のうち、山形県、
茨城県、三重県、高知県については木質バイオマス利用推進協議会「平成 26 年度木質バイオマス利 用支援体制構築事業成果報告書」の調査で回答している値を示している。
(出所)資源エネルギー庁提供資料、林野庁「森林・林業基本計画(2011)」から三菱UFJ リサーチ&コンサルティング作成
0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000
北海道 青森 岩手 秋田 山形 茨城 群馬 埼玉 千葉 新潟 山梨 岐阜 静岡 三重 京都 兵庫 島根 広島 山口 高知 熊本 宮崎 鹿児島 将来供給量(都道府県計画値)
未利用材需要 トン(湿量基準50%)
図表 2-16 林野庁計画値と都道府県計画値の比較
(注1)岩手県、宮崎県の計画値には製材工場残材を含む。
(注2)本調査において、計画を策定していない又は公表していないと回答のあった都道府県のうち、青森県、
埼玉県、千葉県、新潟県、静岡県、京都府、島根県、鹿児島県については平成21年9月12日バイオ マス活用推進基本法に基づくバイオマス利活用推進計画を策定していることから、この値を示してい る。
(注3)本調査において、計画を策定していない又は公表していないと回答のあった都道府県のうち、山形県、
茨城県、三重県、高知県については木質バイオマス利用推進協議会「平成 26 年度木質バイオマス利 用支援体制構築事業成果報告書」の調査で回答している値を示している。
(出所)資源エネルギー庁提供資料、都道府県計画等から三菱 UFJ リサーチ&コンサル ティング作成
0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000
北海道 青森 岩手 秋田 山形 茨城 群馬 埼玉 千葉 新潟 山梨 岐阜 静岡 三重 京都 兵庫 島根 広島 山口 高知 熊本 宮崎 鹿児島 将来供給量(林野庁目標)
将来供給量(都道府県計画値)
トン(湿量基準50%)
図表 2-17 都道府県計画値の設定方法
都道府県 文書 作成年 設定方法
北海道 北海道森林づくり基本計画 2013 推計方法の説明はなし。
青森 青森県バイオマス活用推
進計画 2011 2020年における間伐材発生量290,300tに34.6%の利用率を乗じて 100,450tと設定。
群馬 平成26年次木材基本調査 2014 非公表のため、不明 千葉 千葉県バイオマス利活用
推進計画 2011 2020年度の林地残材の推定発生量2.9万tに対して目標利用率を30%を 乗じて、0.9万tを林地残材の目標利用量として設定。
新潟 新潟県バイオマス利活用
推進計画 2014 2016年度の林地残材の推定発生量9.3万tに対して目標利用率を47%を 乗じて、4.4万tを林地残材の目標利用量として設定。
埼玉 埼玉県農山村バイオマス
利活用推進計画 2012 2021年における64,777tの発生見込み量に利活用率9%を乗じて5,900t と算出。
山梨 山梨県地域森林計画/森林 林業基本計画 -
1. 地域森林計画における主伐・間伐の計画量をもとに、素材生産量の目 標値を設定。
2.素材生産量の目標値について、国の「森林・林業基本計画」における木 材の用途別の利用量目標をもとに樹種別・品質別の木材供給量の内訳を 算出し、直材を製材用材、小曲材等を合板用材、低質材をチップ用材に配 分。
3.今後の製紙等の既存利用の需要の見通しを踏まえ、製材等の既存の利 用に影響を及ぼさない範囲でエネルギー利用が可能な数量を算出。
静岡 静岡県バイオマス活用推
進計画 2012 2020年の林地残材予想発生量340,000tに対して49%の利活用率を乗じ て166,600tと設定。
岐阜 第二期岐阜県森林づくり基
本計画 2012 推計方法の説明はなし。
三重 未回答 -
京都 京都府バイオマス活用推
進計画 2012 2016年に林地残材発生量14,000tに対して35%の利用率を乗じて5,000t と算出
兵庫 未回答 - 県内バイオマス発電所の稼動時期と需要量から算出 島根 島根県バイオマス活用推
進計画 - 2020年の林地残材予想発生量177,000tに利活用率45%を乗じて 79,500tと設定。
広島
2020広島県農林水産業 チャレンジプラン第2章林 業編
2011 記述箇所不明。
山口 やまぐち農林水産業活力
創出行動計画 2015 「燃料用チップ等用材」計画値は用材生産に対する林地残材発生量70%で 算出。
長崎 未回答 - 説明なし。
熊本 熊本県森林・林業・木材産
業基本計画 2012 林地残材の利用目標。
宮崎 第7次宮崎県森林・林業長
期計画 2011
計画策定時の現況値である平成21年次の生産量に対して、
1.民有林と国有林が同じ伸び率で増加すると想定。
2.地ごしらえやバイオマス利用等も含めた生産性向上と、林地保全等を 考慮し、利用率を10年後に主伐で5%、間伐で10%アップさせることを 想定。
3.今後、高齢級を中心とした利用間伐が増加することを予想し、民有林で 利用間伐材積量を約2倍(生産量全体に占める割合は約12%から約 20%に増加)にすることを想定。
※2015年度中に見直し予定 鹿児島 鹿児島県バイオマス活用
推進計画 2012 2020年に林地残材などの発生量256,000tに利用率54.1%を乗じて 138,600tの利用量を設定。
(注)本調査において、計画を策定していない又は公表していないと回答のあった都道府県のうち、青森県、埼 玉県、千葉県、新潟県、静岡県、京都府、島根県、鹿児島県については平成21年9月12日バイオマス活 用推進基本法に基づくバイオマス利活用推進計画を策定していることから、これに基づき記載している。
3)森林成長量と将来伐採量の比較
バイオマス発電所が増加することにより、伐採量が増加する可能性があることから、
将来の伐採量と森林成長量を比較した。森林成長量は、森林の年間平均蓄積量に現時点 の年間伐採量(素材生産量を立木換算したもの10に切捨間伐量を加えたもの)を加算した ものとし、将来伐採量は現時点の年間伐採量に将来の未利用材需要量発生に伴う伐採量 増加分を加算したものとした11。
上記を比較すると図表 2-18 の通りとなる。バイオマス発電の増加による森林資源の 過剰な利用を懸念する声もあるが、未利用材需要が増加したとしても、日本のほとんど の地域では、森林成長量に対する将来伐採量の割合は小さい。全国平均と比べて、福井 県、三重県、鳥取県、徳島県、愛媛県、宮崎県などは森林成長量に対する将来伐採量の 割合が高くなっているが、深刻な水準とはなっていない。
図表 2-18 森林成長量と将来伐採量の比較
(出所)林野庁「森林生態系多様性基礎調査(旧森林資源モニタリング調査)」等から三 菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
4)林地残材・切捨間伐材ポテンシャルと未利用材需要の比較
森林由来のバイオマス燃料は、林地残材・切捨間伐材から賄うことが期待されている ことから、林地残材(枝条・末木等)、切捨間伐材の賦存量と未利用材需要を比較した。
林地残材と切捨間伐材を合計するとすべての都道府県で需要量を上回る。しかしながら、
後述する通り、これらすべてが利用できるわけではないことに留意が必要である。
10 立木換算係数(立木に対する素材の割合)は針葉樹0.86、広葉樹0.80とした
11 (1)利用率は変化なし、(2)未利用材需要以外の既存の伐採量は変化しない、と仮定。
0 1,000,000 2,000,000 3,000,000 4,000,000 5,000,000 6,000,000 7,000,000 8,000,000 9,000,000 10,000,000
北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 森林成長量
将来伐採量(現在の伐採量+未利用材需要による増加分)
トン(湿量基準50%)
北海道 2,765万トン あああ
図表 2-19 林地残材・切捨間伐材ポテンシャルと未利用材需要の比較
(出所)NEDO「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計」の手法を参考に三菱UFJリ サーチ&コンサルティング作成
(3)地域別の需給見通し
ここでは、未利用材需給見通しを多様な観点から考察する。まず、現状の素材生産量比 率を用いて林野庁計画値を按分した将来供給量と未利用材需要の割合によりおおよその 需給バランスを把握する。
次に、地域によって木材生産の増加率は異なることが予想されることから、補足的な指 標として直近5年間素材生産量増加率を考慮する。
さらに、国有林は主伐材・間伐材ともに未利用材として認められるため、国有林の割合 が多い地域ほど未利用材が発生しやすいと考えられる。このため、伐採量の国有林比率を 指標に加える。一方、民有林については、森林経営計画対象の民有林であれば主伐材も未 利用材として認められる他、間伐に対する補助制度である森林管理・環境保全直接支払制 度は森林経営計画の認定を受けることが前提となっており、民有林からの未利用材の搬出 には同計画の認定を取得することが重要となることから、森林経営計画認定率も指標に加 えることにした。
各指標から地域別の未利用材需給見通しを整理すると、東北地方や関東地方では比較的 余裕がある一方で、中部、関西、中国、四国地方などでは、供給不足となる可能性がある。
地域によって、国有林の分布や森林経営計画認定率が異なることから、供給元は様々にな ると予想される。
0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000 1,800,000 2,000,000
北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 未利用材需要
切捨間伐材 林地残材 トン(湿量基準50%)