西松建設技朝 voL.24
火力発電所循環水ポンプ室における ニューマチックケーソンの近接施工
Ne i ghbo r i ngc o ns t r uc t i o no fPne uma t i cCa i s s o na tt heCi r c ul a t i ng Wa t e rPumpRo o mo fThe r ma l Po we rPl a nt
三井 功如 * 山本 孝司*
NoriyukiMitsui KojiYamamoto 村 上 孝夫 * 佐 々木 智 文 革*
TakaoMurakami ChifumiSasaki
要 約
苫乗厚真発電所4号機増設工事 において,循環水 ポ ンプ室本体 の施工 にニューマチ ックケー ソン 工法 を採用 した.本ケーソンは,掘削面積805m2,掘削深 さ17.25mの大規模構造物ケー ソンである.
基礎地盤 は,軟弱なシル ト層 (N値1‑3)のため,基礎杭 (PHC杭や800)を併用 した脚付 きケー ソ ンとして設計 された. また,運転稼働 中の3号機灰処理架台が離隔5.4mに近接 しているため,ケー ソン沈設時の地盤変状 によ り影響 を与 える危険性があった. このため,FEM解析 による予測解析 をもとに,管理基準値 を設定 し,異常事態の早期把捉お よび リアルタイムな沈設管理 を目的 とし, 情報化施工 を行 った. この結果,沈設深 さh‑9.6m (55%)において,地中変位が第1次管理基準 値近傍 まで増大 したが,逆解析 による現況の把握お よび対策工の検討等綿密 な施工 を行 うことによ
り,周辺構造物 に影響 を与 えることな く無事沈設 を完了 した.
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§1.は じめに
§2.工事概要
§3.計測管理
§4.対策工
§5.おわ りに
$1. は じめに
本工事 は,近接す る3号機灰処理架台‑ の影響 お よび 施工性 ・経済性 について比較検討 を行 った結果,本体部 の施工方法 としてニューマチ ックケーソン工法 (基礎杭 併用) を採用 した. また,施工時は,異常事態の早期把 握お よび沈設管理 を目的に, リアル タイム計測 システム を採用 し,情報化施工 を実施 した.本施工 に当た り特 に 考慮 した点 を以下に示す.
① 3号機灰処理架台が近接す るため,ケー ソ ン沈設の 影響 によ り灰処理架台基礎 に変状が生 じる危険性が ある.離隔は約5.4m.
② 底面積約805mZの大型ニューマチ ックケー ソンであ り,沈設後構造物 として使用 される.
*札幌支店 苫東出張所
**土木設計部設計課
③ 沈設地盤は支持層が深 く非常 に軟弱 なシル ト層 (N 値1‑3)であ り,かつ地丁水位が高いことか ら脚付 ケーソンを採用 している. このため,正確 な沈設が 要求 される.
④ 沈設初期 (h‑2.25m迄)においては,取水路側 に偏 土庄が作用す るため,傾斜 ・水平移動管理 に慎重 を 安す る.
本報告 は,FEM解析 に よる地盤変状 の予測 とその対 策お よび
計測
管理 について述べ るものである.§2.工事概要 2‑ 1 工事概要 (1)全体工事概要
工事件名 :苦衷厚真発電所4号機増設工事 の うち土木本 工事 第1工区
発 注 者 :北海道電力株式会社 施工場所 :北海道苫小牧市 工 期 :自 平成11年2月10日
至 平成13年6月20日
工事内容 :取水絡 (内空4.OmX4,0m,延長52.0m) 循環水ポ ンプ室 (短辺15.1‑20.2m,長辺40.2 m,高 さ20.2m)
循 環 水 管 路 (送 水 曹)(中2200‑3300鋼 管,
火力発電所循環永ポンプ室における二ュ‑マチックケーソンの近接施工
延長134m) (2)ケーソン施工概要
本ケーソンは,沈下深 さ17.25m,掘削土量15,895m
3 ,
最終沈設時の理論気圧0.152MPa(1.55kgf/cmZ)である.
ケーソン概要図を図‑1,主要機械設備 を表‑1に示す.
平 面 図
㊨t 古 £主SL=L‑I
仮閉「lL一一J塞壁ー
仮設隔壁面‑̲I 一 ∴ EFl塞広幸
40.200
㌦ ,p.4.500
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O ‑A/∴/‑′㌶ 閉塞土
♂:∇TP‑0.900
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図‑1 ケーソン概要図
表‑1 ケーソン主要機械設備
0等.NOOC■C006.C
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2‑ 2 地質概要
施工地点 は埋立地で,GL‑50m以浅の地質 は,第四紀 沖積層の氾濫源堆積物 と海成堆積物か らなる.土層構成 は襟,砂お よび粘性土が錯綜 した状態にある.それ以株 は,第四紀洪積層のN値50以上の砂硬層が分布する.
沈下掘削部の地質 はGL‑6mまでが波深土砂 に よる埋 立層Bu (N値6‑23),GL‑10mまでが細 砂 層AIs(N値5
‑15),GL‑16mまでが シル ト層Auc(N値1‑3),最終沈 設高 までが細砂層Amvs(N値3‑10)である.図‑2に土 質概要 を示す.
計とL7.m
一一TP十A即∩ 71‑一旦⊥1三.∴‥‥.̲̲ド̲…..ー‥イ・感かこ.こノ十1‑十が十
玩
\,:
土 屑下端 N 内部摩擦 粘着力変形係数 騒き
Bu TP‑1.19 8 25
0
29800 r毒=妻Als ‑5.29 8 25
0
29800 賢妻ト…≡≡Anで ‑ll.79 2
0
15 17000 千Al耳ゝ ‑15.69 10 30 0 321
4
00300 鰐0 ;十手藍∴AHlr‑22.94 4
0
20Am.♭ ‑24.34 32 35
0
80600 倍A爪,e‑27.19 9
0
55 31900An.S‑32.19 32 35
0
80600A爪pL‑ ‑44.29 9
0
55 31900図‑2 土質概要
$3 計測管理
3‑ 1 計測概要
本計測の 目的は,ケーソン本体の沈設精度管理お よび 周辺地盤 ・構造物の挙動 を迅速に把接 し,事前解析 と相 違す る挙動が認め られた場合 は,逆解析 による現況把握 を実施 し,次段階施工の安全性 を確認するものである.
ニューマチ ックケーソン工法は,周辺地盤 ・構造物 に 対 し比較的影響度の小 さい工法であるが,軟弱地盤にお ける施工 においては,以下に示す要因によ り影響 を与 え る危険性がある.
① フ リクシ ョンカ ッ ト(t‑50mm)部分 に よる地盤 の側方変位 ・引込み
② ケーソン沈設時の傾斜 による地盤の水平変位の発生
③ ケー ソン壁面に発生する周面摩擦力による地盤の引 込み
④ 函内掘削に伴い生 じるヒー ビング現象 による地盤の 側方変位
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これ らの要因によ り3号機灰処理架台への影響 が懸念 されたため,ケーソン周辺 に変位の遮断を目的 とした縁 切鋼矢板 (SPⅢ,L‑18m) を設置 した. また,事前予 測解析 を行い構造物の安全性 を確認 した上で,沈下掘削 に伴 う挙動 を常時監視 しなが ら情報化施工 を実施 した.
表
‑2
札計測項 目 ・計器 ・頻度火 力発電 所循 環 水 ポ ンプ室 にお け るニ ューマチ ックケ ー ソ ンの近接施 工
計測項 目 ・計器お よび頻度 を表‑2に,管理基準値 を 秦‑3に,計測機器配置 図 を図‑3に,管理 モ ニ ター画 面 を写真‑1に示す.
表‑3 管理基準値
計測項 目 設了馴立てg!JI 計測桟器 計測 頻度 ケーソンの位置 .姿勢
傾斜 ケーソン側壁 (傾斜計設位塑) 構築時 :常時沈設時(1回,(1臥//ー/:馴村)分)常時 沈下
移動
変形
水平 .鉛直変位(手動) 沈設時 :2巨!レ1‑] 躯体に作用する外力
商内気圧 作業室内 商内気圧計 沈設構築時 :常時(1回/ノ(1恒時 :卜/時間)′分)常時 刃口反力 刃口下津ぎ; 刃暮コ反力計
周繭摩擦 側壁タはー; 周面摩擦計 土庄 側壁外部 壁TIrii土JwjE許!
躯体 に発生する応力
鉄筋応力 側壁 鉄筋計 沈設時構築時 :常(1(1桓匝レ′ー/ 時 間 ):分)常 時時 コンクリー トひずみ 底版中央側壁中央 鰍 芯力ひずみ計温度計計
コンクリー ト温度 温 度計
外気温 百発箱 温度計 周辺地盛, 3号機灰処理架台
沈下 3号機灰処理周辺 地重器架台 沈下測定(手動) 沈設時 :1回/構築時 :l臥′∫//過月
料;5;ミ水圧 間隙水圧計 沈設時 :常構築時 :常時(1(l回/時間)l司/分)時 傾斜 (傾設斜計置型)
○ 絶 対 沈 下計
◇ 地中傾斜計
◆ 土 圧計
△ 刃 口反 力計
▲ 周面摩擦計
◎ 函 内 気圧計
▽ 間 隙水 圧計
▼ 設置型傾斜計 (灰処理架台)
㊨ 設置型傾斜計 け‑ソン本体) 田 計 測器 収納箱 ロ コンクリ‑ト温度計
◎ 鉄 筋計
☆ 歪雷十
◇ 無 応 力計 画 函 内モ ニ タ
管理項目 第 1次管理傭 第2次管理倍 対応策 ケーソン沈下 150mm急 激 300mm急 激 1次 掘削パターン変更
(施工時) 沈下 沈lr 2次 サ ン ドルの設置
ケー ソン傾斜(施工時) (長辺122000cm (長辺1㌔14000cmー 21次 掘削パターン変更次 偏荷重の哉荷 短辺10cm) 短辺20cm) サ ン ドルの詮.LEI:
商内気圧 設定イ釦 こより±0.1気圧 非常用コンプレッサーの作助原因の究明 .、対策
3架台の挙動号様灰処効!. 捻沈下0.5変形角×1染2.ON3.5rcamd 捻沈下1.0変形×1巌4.03角.0rcamd 12次 掘削次 地飴改良土濃の低減
地飴の 15mm 18mm 1次 掘削土毅の低減
写真‑1 計測モニター
火力発電所循環水ポンプ室におけるニューマチックケーソンの近接施工
3‑2 影響検討
ケー ソン沈設 に伴 う地盤変状 を2次元弾性FEM解析 に よ り予測 した. フ リク シ ョンカ ッ ト部 の地盤 の変位 (5 cm)は,主働崩壊線 に沿 って地盤 が落 ち込 む こ とを評 価 し,強制変位 を主働崩壊角の方向に与 えた.強制変位 量 は, フ リクシ ョンカッ トによる績み幅の1/3(17mm)
とした. フリクシ ョンカ ッ ト部以珠の刃口部の境界条件 は,水平方向拘束,鉛直方向 自由 とした. また,縁 切鋼 矢板の変位遮断の効果 によ り,ケー ソン側地盤 と矢板背 面地盤 に不連続 な段差が生 じるため,鋼矢板 の内側 に摩 擦型 ジ ョイン トを介在 させ評価 した.解析 ステ ップを表
‑4に,解析 モデルを図‑4に示す.
表‑4 解析 ステ ップ
STEP ケー ソン刃口位 言̲;Ii (圧kN/m=気庄) モー ド解析 1 TP+1.55(刃口据付高) ‑ 初期応 力解析
2 TP‑5.50 (h=7.05m) 60.0 強制変位 3 TP‑10.50 (11=12.05m) 97.5 強制変位
解析 の結果,地中傾斜計設置位置での最大水平変位 は, 12mmと予測 され,許容水平 変位量 (18mm)以下 で あ ることを確認 した.
3‑3 計測結果
(1)ケー ソン沈設時の位置 ・姿勢
本 ケー ソンは,地層の傾斜 ,軟弱地盤,躯体重心 の偏 心かつ各 ロ ッ トの コンクリー ト打設量が大 きい等の理 由 か ら,急激沈下お よび傾斜等の発生が懸念 された. この
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ため,掘削作業室内に大型土の うやパ イプ支保工 を設置 し,沈下掘削 を実施 した. また,一部躯体 コンクリー ト の打設 にあたっては,事前 に水荷重 による掘削地盤のプ
レロー ドを実施 し,打設 に伴 うケー ソンの急激沈下 を防 止 した.取水路側 (D‑C面)の縁切鋼矢板 につ いては, 取水路工事 の施 工基 盤 の盤下 げ5.0mに伴 う土留 め (土 留高2.25m)を兼用 してお り長辺方向の土庄 が不均等 に 作用す るため,押 え盛土 によ り補強 を行 った.
初期沈設時 において最大傾斜が長辺方向1/80,短辺方向 1/73,長辺方向の最大傾斜発生時 には最大10cm分 (60 cm 時)の急激沈下が発生 した.沈下過程 における最大 偏心 は長辺方 向が82mm,短 辺方 向が83mmであ った.
最終沈設時 は,基礎杭上 にサ ン ドルを設置 し慎重 な沈下 管理 を実施 した. この結果,最終沈設精度は,ポ ンプ室 の機能上の要求精度 を満足す ることがで きた.沈設完了 後 の傾 斜,偏 心 ,沈 設 高 さを図‑5お よび表‑5に,ケ ー ソン沈設過程 における偏心 ・傾斜 を図‑6に示す.
D A
6 0 m
㌔ 13mmc B
図‑5 最終沈設時偏心 秦‑5 最終沈設時傾斜 ・沈設高
短辺偏心巌(rrm) 長辺像山笠(rpm) 傾斜裟 100 一50 0 50leo‑100‑50 0 50 100‑1/50‑i/100 01/1(め1/50
図‑6 ケーソンの偏心 ・傾斜
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(2)周辺地盤 の地 中変位
掘 削深 度9.6m (TP‑8.05m)にお い て,地 中傾 斜 計 の 変位 が ケー ソ ン側へ 累計10mm発生 し,解析 値 よ り大 き め な倍 を示 した. このため,沈下掘削 を一時 中断 し,計 測値 を用 いた逆解析 を行 い,地盤定数,解析 ステ ップお よび強制変位量 の再評価 を行 った.地 中水平 変位 お よび 周辺構 造物変位 を図‑7に示す .
日月23日 12月23日 1月22日 2月21日 3月22日 4月21日 5月21日 6月m日
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図‑7 地盤 ・周辺構造 物変位
検 討 の結 果,沈 設完 了 時 に深 度10m付 近 の シル ト層 (Auc) にお いて最大26mm累計 変位 が予 測 され,3号 機 灰処理架台基礎杭 に影響 を及ぼす こ とが懸念 された.地 盤変位 の解析億 ,計測値 を図‑8に示す.
周辺地盤 を変位 させ た主要 因は, フ リクシ ョンカ ッ ト 部の緩み幅 の増加 (当初解析17mm,逆解析50mm), シ ル ト層 の ヒー ビングに よる商 内方 向へ の側 方流動 お よび ケー ソ ンの偏心が要 因であ る と判 断 した.
(3凋 辺地盤・3号機灰処理架台の変状
縁 切 鋼 矢板 頭 部 の最 大水 平 変位 は7mm,鋼 矢 板 背 面 で最大8mmの地盤沈下が発生 した. また,3号機灰 処理 架 台 の傾斜 は,ケー ソ ン躯体 の反対 側 に最 大 約1分 ,塞 礎 コ ンク リー トは, ケー ソ ン側 に1‑5mmの水 平変位 を 生 じた.
火力発電所循環水ポンプ室における二ュ‑マチックケーソンの近接施工
土層成分 N値 当初解析 逆解析 計測値
累積 変位 (r7m) 累積変位(rTm) 累積 変位(nm) 0 20403020 10 0 ‑103020 10 0 ‑103020 10 0 ‑10 TP+43
TP‑07
TP‑5 7
≡
[三 園
TP‑107
TP‑157
TP‑207
図‑8 地盤変位 解析値 ・計測値
※凡例に示す標高(TP)は,解析ステップ位置 (4)躯体 に作用す る外力
周面摩擦 ,壁面土庄 お よび刃 口反力の計測結果 と設計 値 との比較 を図‑9に示す.
刃口反力(MPa) 周面摩擦(紘pa) 壁面 土圧(紘pa) 0 1 2 3 4 5 0 50 100 150 00 100 2020 300
4
6
∈ 遍 8 鎌 ド 号≦ 10
12
14
16 1725
図‑9 刃 口反力 ・周面摩擦 ・壁面土圧
周 面摩 擦 は,各地 質 にお い てA壁 が他 の3壁 よ り大 き め となったが,平均値 は設計億 とほぼ一致 した.
壁 面 土庄 は,A壁 が 設計億 とほ ぼ一致 したが ,他 の3 壁 は設計 値 の1/2程 度 で あ った.A壁 の壁 面 土庄 が 設計 億 と比較 的一致 したの は,他 の3壁 (C壁 :3号機灰 処理 架台近傍,D壁 :取水路立坑 部近傍,B壁 :送水管 近傍) ほ ど近接構 造物 の影響 を受 けない半無 限地盤 となってい るため と考 え られ る.
刃 口反力 は,設計億 よ りも大 きい値 を示 した. ケー ソ ン全周 に設置 された縁 切鋼矢板 に よる側 方変位 の拘 束 と 刃 口荷重 に よる締 固め効果 に よ り,刃 口底 面地盤 の極 限 支持力が増加 した と考 え られ る.特 に,砂襟〜
硬
混砂 ・火力発電所循環水ポンプ室におけるニューマチックケーソンの近接施工
細砂層においてこの傾向が見 られた. このため,実競 開 口率 (75‑97%)は,掘 り残 し面積分の極限支持力によ って設定 され る設計 開口率 (49,9‑92.6%)に比べ,大 きい値で掘削 を進行 した.
$4.対策工
対策工の検討は,逆解析モデルを用い,遮断保護工法 (縁切鋼矢板追加 +薬液注入),地盤強化工法 ((∋高圧噴 射撹揮工法,②薬液注入工法)
,
間隙充填工法 (薬液注 入工法)の4案 について比較検討 した.検討の結果,ケーソンと縁切鋼矢板 間の緩んだ地盤 を 充填 ・補強す ることが変形の伝播 を抑制す る有効 な手段 であると判断 し
,
間隙充填工法 (薬液注入工法) を採用した.
薬
液
注入工法は,二重管ス トレーナー工法 (溶液型水 ガラス系,瞬結+緩結注入) を採用 し,周辺地盤の性状 を均等化す るため注入位置はケー ソン躯体長辺方向の両 側,深 さは深度5m〜17m (TP‑0.7‑TP‑12.7)とした.対策工施工図を図‑10に示す.
対策工 を実施 した結果,地中水平変位 は,薬液注入に よる地盤の間隙充填効果によ り減少 したが,沈丁掘削再 開後,再 び増加する傾向が見 られた.変位が再 び管理基 準値 に近づいた場合は, さらに対策工 として追加薬液注 入や周面 グラウ ト孔 を利用 したベ ン トナイ ト注入 を実施 した. これ らの対策工の実施 によ り.最終沈設時の地中
傾斜計深度10mの最大累計変位 は11mmとな り,管理基 準値 を満足 して沈下掘削 を完了す ることがで きた.
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§5.おわりに
工事 は,大規模構造物,軟弱 シル ト層における沈下掘 削,脚付 きケー ソン,運転稼働中の発電設備の近接施工 等の厳 しい施工条件があったが, リアルタイム計測 シス テムを用いた情報化施工 を行 った結果,既設構造物 に影 響 を及ぼす ことな く,ポ ンプ室の機能上の要求精度 を浦 足 し施工 を完了 した.
本施工 を踏 まえ,今後ニューマチ ックケーソン工法に よる近接施工 を行 う場合の検討課題 を以下に示す.
①施工計画時において,フリクシ ョンカッ トの縮小 また はフ リクシ ョンカ ッ ト無 しでの沈下 関係 の検 討 を行 い,周辺地盤に与 える影響 を最小限にする.沈下関係 において沈下力が不足す ると判断 される場合 は,滑材 (摩擦低減材)の注入お よび強制圧入装 置の採用 を考 慮す る.
② 防護工 として多用 される縁切鋼矢板 は,地盤変状の伝 播 を遮断する 目的で計画す るが,地質によっては十分 な効果が期待で きない場合がある.特 に構造物が近接 す る場合 は,剛性の高い遮断壁 を採用す るなど,詳細 な検討が必要である.
③FEM解析 に よる影響検討 においては,強制変位 の設 定をケーソンの偏心移動等 を考慮 して,安全側 に設定 す る. また,解析 ステ ップの設定 は,地層変化点 に着
日す るな ど慎重に設定す る.
④掘削開口率の計画は,刃口部地盤の極限支持力が見か け上補強 され ることを考慮 し検討す る.
最後に,本設計 ・施工 にあたって, ご指導, ご尽力 を 頂いた北海道電力㈱ ,土木設計部は じめ関係者各位 に深
く感謝の意 を申 し上げる次第である.
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図‑10 対策工施工図
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