日機連 18 高度化― 1
平 成 1 8 年 度
スクリーニング検査・分析に利用できる センサー等の動向調査報告書
平 成 1 9 年 3 月
社団法人 日本機械工業連合会 社団法人 日本分析機器工業会
この事業は、競輪の補助を受けて実施したものです。
http://keirin.jp/
序
我が国機械工業における技術開発は、戦後、既存技術の改良改善に注力することから始 まり、やがて独自の技術・製品開発へと進化し、近年では、科学分野にも多大な実績をあ げるまでになってきております。
しかしながら世界的なメガコンペティションの進展に伴い、中国を始めとするアジア近 隣諸国の工業化の進展と技術レベルの向上、さらにはロシア、インドなどBRICs諸国 の追い上げがめざましい中で、我が国機械工業は生産拠点の海外移転による空洞化問題が 進み、技術・ものづくり立国を標榜する我が国の産業技術力の弱体化など将来に対する懸 念が台頭してきております。
これらの国内外の動向に起因する諸課題に加え、環境問題、少子高齢化社会対策等、今 後解決を迫られる課題も山積しており、この課題の解決に向けて、従来にも増してますま す技術開発に対する期待は高まっており、機械業界をあげて取り組む必要に迫られており ます。
これからのグローバルな技術開発競争の中で、我が国が勝ち残ってゆくためにはこの力 をさらに発展させて、新しいコンセプトの提唱やブレークスルーにつながる独創的な成果 を挙げ、世界をリードする技術大国を目指してゆく必要があります。幸い機械工業の各企 業における研究開発、技術開発にかける意気込みにかげりはなく、方向を見極め、ねらい を定めた開発により、今後大きな成果につながるものと確信いたしております。
こうした背景に鑑み、当会では機械工業に係わる技術開発動向等の補助事業のテーマの 一つとして社団法人日本分析機器工業会に「スクリーニング検査・分析に利用できるセン サー等の動向調査」を調査委託いたしました。本報告書は、この研究成果であり、関係各 位のご参考に寄与すれば幸甚です。
平成19年3月
社団法人 日本機械工業連合会 会 長 金 井 務
序
この報告書は、社団法人日本分析機器工業会が、平成 18年度事業として、社団法人日 本機械工業連合会より受託(競輪補助事業)を受けて実施した「スクリーニング検査・分析に 利用できるセンサー等の動向調査」の実施内容をまとめたものです。
地球温暖化に対する炭酸ガスの排出削減等、地球環境に悪影響を与える物質の排出を制 限する規制とともにELV規制、WEEE/RoHS規制のように、製造物の生産段階から含有 有害物質を規制することが一般化し、REACH規制では更に材料段階での規制が行われよ うとしています。このため材料の調達から製品の出荷までの各段階で含有有害物質の有無 を検査する必要が高まっています。このような要望を既存の分析装置を活用して行うこと は製品の原価を引きあげることとなり、現実的ではありません。現在の分析機器のような 精度、信頼性を犠牲にしても、安価に分析ができる検査・分析法が求められています。
本調査では、今後の日本の製造業を支えるスクリーニング検査・分析に利用できるセンサ ー等について動向調査を行いました。スクリーニング検査・分析に利用可能なセンサーの 現状と動向については、文献調査、アンケート調査、海外調査を含むヒアリング調査によ り実施しました。研究開発動向については文献調査、海外調査を含むヒアリング調査によ り実施しました。最後にこれらの調査をもとに実用化への課題と提言という形で纏めまし た。
この調査研究事業の実施にあたって、委託事業として取り上げていただきました社団法 人日本機械工業連合会に深く感謝申し上げますとともに、この調査研究事業にご協力を戴 きましたアンケート先、面接調査先、海外アンケート先各位、及び実施機関である社団法 人日本分析機器工業会において「スクリーニング検査・分析に利用できるセンサー等の動向 調査」に参加し、貴重なご意見、ご審議を戴きました委員長をはじめとする各委員のご尽 力に対し、厚くお礼申し上げます。
平成19年3月
社団法人 日本分析機器工業会 会 長 矢 嶋 英 敏
目 次
序
調査の概要... 1
第 1 章 スクリーニング検査・分析に利用可能なセンサー技術の現状と動向... 5
1.1 はじめに... 5
1.2 回答者像... 6
1.3 スクリーニングの現状... 9
1.4 スクリーニング現状課題と将来展望... 25
第2章 スクリーニング検査・分析技術の研究開発の動向... 27
2.1 分野ごとのスクリーニング検査・分析技術の研究開発動向... 28
2.2 センシング技術の研究開発動向... 56
第3章 国内調査及び海外調査... 63
3.1 国内調査... 63
3.2 海外調査... 81
第4章 スクリーニング検査・分析技術の実用化への課題と提言... 93
4.1 技術ロードマップにおける次世代分析機器... 93
4.2 期待される次世代スクリーニング分析機器開発... 94
4.3 スクリーニング分析機器開発への要求項目と提言... 98
添付資料... 101
添付資料1.アンケート調査... 103
添付資料2.調査文献リスト... 185
調査の概要
1.事業の目的
現在、EU による含有有害物質の規制や、国内における食品のポジティブリストの採用等、
安心で安全な生活を維持する為に、個々の物質レベルで危険性を除去できるように体制を整備 する方向が明確になってきた。このため製造物や食品中に微量に含まれる多数の物質(厚生労 働省が 5 月29 日に施行したポジティブリストに提示した物質)毎の存在量を確認する必要性 が増している。
従来このような物質の計量はラボ用の分析機器により実施されてきたが、サプライチェーン の川上から川下までの過程が一国内にとどまらずグローバル化している状況では、サプライチ ェーンの各所で含有物質の有無を検査する必要がある。このような要望を満たす為には迅速で 安価に、現場で結果が得られる機器が必要であり、そのような機器の開発においては検出目的 である特定の物質と選択的に反応する試薬とその検出・計測を行うセンサーが必要となるが、
現在のニーズを満たし分析機器として活用で出来るようなセンサーの供給は不足しているのが 現状である。
そこで、製品の品質検査や食品中の残留農薬検査等を迅速・安価で提供できるスクリーニン グ検査・分析機器に必要とされるセンサーについて、既存センサーの活用と新規開発のニーズ について整理を行い、現在の技術シーズを明確にして、スクリーニング検査・分析法の実用化 に向けて効率的、戦略的な開発の方向性を示した。
2.事業の内容
産学官の学識経験者による「スクリーニング検査・分析に利用できるセンサー等の動向調査委 員会」を設置し、以下の項目について調査研究を行った。
文献調査、アンケート調査、ヒアリング調査(海外調査を含む)を通じてスクリーニング検 査・分析に利用可能なセンサーの現状と動向調査を行った。調査によって得られた結果を学識 経験者、関係業界等を中心とした委員会にて検討し、急速に拡大する分析ニーズに対応するた めの戦略的なセンサー整備とスクリーニング検査・分析機器開発のための提案を行った。
(1)スクリーニング検査・分析に利用可能なセンサー技術の現状と動向
主としてアンケート調査(国内の該当するセンサーを研究、製造及び使用している機関 に属する専門家)、ヒアリング調査(大学等研究機関)により、スクリーニング検査・
分析に利用可能なセンサー技術について環境、医療等の分野毎にまとめた。
(2)スクリーニング検査・分析技術の研究開発の動向
主として文献調査、ヒアリング調査(該当するセンサーを研究開発している大学等研究 機関)により、スクリーニング検査・分析技術の研究開発の動向をまとめた。
(3)海外調査(米国)
センサーの検出方法として今後実用化が期待されるバイオテクノロジーをベースとし たセンサーの研究が盛んな米国の大学、バイオベンチャー等を訪問し、研究の実情を調 査した。
(4)スクリーニング検査・分析技術の実用化への課題と提言
(1)、(2)、(3)の結果と、アンケート、ヒアリング調査により実用化への課題をま とめ、提言を行った。
3.事業の実施組織
社団法人日本分析機器工業会内に本事業の運営と事業計画作成、調査研究遂行、事業の取り まとめ等を実施するために「スクリーニング検査・分析に利用できるセンサー等の動向調査委員 会」を設け、当初の目的を達成すべくこれを推進した。
4.委員会
4.1 委員会の構成
委員会委員構成(順不同・敬称略)
委員長 鈴木 孝治 慶應義塾大学理工学部 副委員長 丹羽 修 (独)産業技術総合研究所 副委員長 田尾 博明 (独)産業技術総合研究所
火原 彰秀 東京大学大学院工学系研究科 佐藤 守俊 東京大学大学院理学系研究科 浦野 泰照 東京大学大学院薬学系研究科 Daniel Citterio 慶應義塾大学理工学部 渡辺 卓穂 (財)食品薬品安全センター 橋本 弘樹 (財)空港環境整備協会 紺野 和夫 ㈱ガステック
古川 良知 京都電子工業㈱
吉岡 浩実 サーモフィッシャーサイエンティフィック㈱
小川 茂 ジーエルサイエンス㈱
安倍 英雄 セントラル科学㈱
石川 治 東ソー㈱
長谷川勝二 日本分光㈱
池田 賢仁 ㈱パーキンエルマージャパン 金子 敏男 三菱化学㈱
染原 俊朗 和光純薬㈱
柾谷 榮吾 (社)日本分析機器工業会 幹 事 小島 建治 日本電子㈱
幹 事 齋藤 壽 ㈱島津製作所
幹 事 松岡 広和 アジレント・テクノロジー㈱
幹 事 原田 勝仁 ㈱日立ハイテクノロジーズ 幹 事 松田耕一郎 ㈱堀場製作所
幹 事 後藤 良三 東亜ディーケーケー㈱
オブザーバ 栗原 晃雄 経済産業省産業機械課 オブザーバ 村中 祥子 経済産業省産業機械課 事務局 戸野塚房男 (社)日本分析機器工業会
4.2 委員会の活動状況
委員会 5回開催 ワーキンググループ 9回開催
第 1 章 スクリーニング検査・分析に利用可能なセンサー技術の現状と動向
平成 10 年度の“スクリーニングを目的とした分析機器の概念設計報告書”の実態調査におい ては、主に生活・環境に係わるスクリーニングの実態把握につとめたが、今回の調査では、生 活・環境は勿論のこと、最近特に話題にのぼっている規制関連(RoHS、VOC)、健康関連、進 歩の早いバイオ・創薬、安心・安全面からセキュリティに拡張して実態把握につとめた。前回 同様、実施に当たっては、スクリーニングに関するアンケートの理解を深めて頂き、また広い 範囲の方々からの回答を頂くようにアンケート票の作成にも留意した。本章では、今回のアン ケート調査結果と前回調査との比較についても言及する。
1.1 はじめに
現在、EU による含有有害物質の規制や、国内における食品のポジティブリストの採用等、安 心で安全な生活を維持する為に、個々の物質レベルで危険性を除去できるような方向が明確に なってきた。このため製造物や食品中に微量に含まれる多数の物質毎の存在量を確認する必要 性が増している。
従来このような物質の計量はラボ用の分析機器により実施されてきたが、サプライチェーン の川上から川下までの過程が一国内にとどまらずグローバル化している状況では、サプライチ ェーンの各所で含有物質の有無を検査する必要がある。このような要望を満たす為には迅速で 安価に、現場で結果が得られる機器が必要であり、機器の開発において検出目的である特定の 物質と選択的に反応する試薬とその検出・計測を行うセンサーが必要となるが、現在分析機器 としてこのようなセンサーは通常製造されていない。
そこで、スクリーニング検査・分析に利用できるセンサー等について、広く皆様方のご意見 をアンケート形式で集約して、今後のスクリーニング検査・分析に利用できるセンサー等の開 発指針とすると共に結果を報告書としてまとめることとした。
その結果、幅広い層の方々から回答を得ることができた。本章では、これらのアンケート調 査の内容及び集計結果について述べる。
1.2 回答者像
スクリーニングと関わりのあることを想定してアンケートの送付先を国公立研究機関、大 学・高専、社団法人、財団法人、民間企業に大別した。アンケート票 548 通を厳選した箇所に 郵送し、その内回答のあったものは、91 通であった。アンケートの部署別の発送数及び回答数 は、表 1-1 及び図 1-1 のとおりで、回答数/発送より求めた総合平均の回答は、16.4%であった。
表 1-1 所属事業所、機関
国公研究機関
(特殊法人を 含む)、自治体
大学・高専等 社団・財団法人 民間会社 合計
発送数 22 118 16 392 548
回答状況 8 14 4 65 91
各機関の
回答率 36.3% 11.9% 25.0% 16.6% 16.4%
民間会社 71.4%
大学・高専等 15.4%
国公立研究機関
(特殊法人を 含 む)、
自治体 4.0%
社団・財団法人 4.4%
91件
図 1-1 所属事業所、機関の回答状況
多数のサンプル数の取り扱い部署が、前回調査同様に民間会社に多いとの判断によるものであ る。回答者の内訳と特徴をみると、国公立研究機関、自治体では、データ数が少ない中でも物
、化学工学、生物・バイオの順であった。
質・材料が最も多く
2 1
1
2 2
医学 生物・バイオ 化学工学
3
0 1 2 3 4
その他 環境・資源 物質・材料
回答数
図 1-2 事業所、機関の業種・分野〔国公立研究機関、自治体〕 (複数回答)
大学・高専関連では、特別にスクリーニングが行われていることが想定されるため、全国大学 臨床検査医学分野へアンケートを積極的に郵送した。その影響も功を奏し、医学系が最多の 8 件、次 いで化学系、薬学系の順であった。
1 1
2 薬学系
3
8
0 2 4 6 8 10
その他 生物系 化学系 医学系
回答数
図 1-3 事業所、機関の業種・分野〔大学・高専等〕 (複数回答)
民間企業関連では、事業所、機関回答状況は、71.4%と最も多く、65 件の回答が得られた。
また、業種・分野の回答総数は、85 件(重複回答)で、分析機器製造が最も多く 26 件、以下 6 件、食品 6 件、半導体 5 件の順であった。
医薬・製造 7 件、化学 7 件、医療機器製造
13 1
1 2
3 4
5 6
7
1
情報通信 鉄鋼・金属 セラ ミック(含ガラ ス、陶磁器)
電子機器 受託分析・検査試験業 半導体 医療機器製造 化学
3 6
7
26
その他 機械加工 バイ オ 食品 医薬・製薬 分析機器製造
0 5 10 15 20 25 30
件数
図 1-4 事業所、機関の業種・分野〔社団・財団・民間企業〕 (複数回答)
業務に関する回答総数 105 件(重複回答)の打ち最も多かったのは研究職 26 件で、以下分析・
検査試験試薬業務 12 件、企画・立案 10 件、情報収集・調査 9 件、営業 9 件、品質管理 7 件、
業務管理 7 件、教育職 6 件の順であった。
9 1
3 6 6
7 7
9 9
10 12
26
0 5 10 15 20 25 30
その他 知財管理 システム開発 製品開発 教育職 業務管理 品質管理 営業 情報収集・調査 企画・立案 分析・検査試験業務 研究職
回答数
図 1-5 主要業務 (複数回答)
1.3 スクリーニングの現状 1.3.1 スクリーニングの現状
アンケートでは「係わりのある項目」と「関心のある項目」についてそれぞれ記入してもら っている。
「係わりのある項目」は現在の姿、「関心のある項目」は現在注目されているものや将来のスク リーニングの方向を示唆していると考えられる。「係わりのある項目」では、「水分析(環境関 連)」、「製品(品質検査)」、「RoHS関連物質等」、「血液中物質(コレステロール・血糖値等)」、
「水分析(生活関連)」と続く。これらはいずれも現在頻繁におこなわれている項目であり、極 めて一般的な項目といえる。一方、「関心のある項目」では「残留農薬」、「水分析(環境関連)」、
「RoHS関連物質等」、「環境ホルモン(内分泌攪乱性物質)」、「土壌汚染物質」などがあげられ る。食品中の残留農薬はポジティブリストの導入など、2006年に注目を集めており、それが反 映されている。また、環境関連は今なお、強い関心を集めていることがわかる。
この「係わりのある項目」と「関心のある項目」の関係をプロットしてみたのが、図 1-6 で ある。1項目あたりの平均値で規格化をし、各軸で区切られた空間をそれぞれⅠ〜Ⅳ区分とし た。さらに原点を通る相関関数で区切り、Ⅰ,Ⅲ区分をさらにa,bに分けた。
3.0
0.0 0.5
0.0
関心のある項目 1.0
1.5 2.0 2.5
0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
係わりのある項目
Ⅰ-a
Ⅱ
Ⅲ-a
Ⅲ-b
Ⅰ-b
Ⅳ ストレス
感染症 成人病
アスベスト
食品添加物
アレルギー 環境ホルモン
残留農薬 水分析(環境)
ダイオキシン
RoHS
麻薬 テロ 爆発性
バイオメトリック タンパク質
脂質 ゲノム
鮮度
遺伝子組替
品質検査
図 1-6 係わりのある項目と関心のある項目
Ⅰ区分は係わり、関心共に低いグループで、市場として熟成していないか、あるいは衰退し ているものと思われる。特に、Ⅰ-aは現在確立された分析方法がなく、今後の要望が高まる項
考えられる。脂質、ビタミン・ミネラル、酸性雨
一般的な食品分析がこれに類している。
a は日常的に測定がなされているもので、
水
いる。Ⅲ-b は「係わり」も多いが、「関心」の割
薬をはじめ、アレルギー性物質、環境ホルモン(内分泌攪乱性物
ど決定的な測定方法がなく、新しい指標や測定
行う目的を検討した。
以下に測定を行う目的を分野及び測定目的の各々の件数を示した。
目が含まれる。爆発物、テロ対策、麻薬・覚醒剤・向精神薬、バイオメトリックスなど、セキ ュリティ関係が多く含まれている。いずれも迅速かつ現場分析が求められており、正確な濃度 よりも有無の判別が重要視される項目である。Ⅰ-bは係わりが関心を上回っており、測定はお こなわれるがその頻度は少なくなっていると
などが属する。
Ⅱ区分は「関心」に比較し「係わり」が多いもので、現在日常的に分析されているものを示 している。タンパク質・アミノ酸、水分・pHなど
Ⅲ区分は「係わり」「関心」共に高いグループで、頻繁に測定がなされており、さらに現在の 社会的ニーズにも合致しているグループとなる。Ⅲ-
分析(環境)、水分析(生活関連)、RoHS関連、VOC、血中物質、尿中物質の他、製造工程、
排水、受け入れ検査などの製造関連が属して
合が高く、良く測定されていると共に、現在の社会的関心が高い項目が含まれる。ポジティブ リストで話題となった残留農
質)、ダイオキシン類、食品添加物などが含まれる。また、Ⅲ区分とⅣ区分の境にアスベスト、
遺伝子組み換えなどがある。
Ⅳ区分は現在係わりは少ないが、非常に関心が高いグループで、将来方向を示唆している。
このグループではストレス、成人病、感染症な
方法を研究中のものが多く含まれる。健康関連の項目が多く、社会的なニーズと良くマッチし ている。
分野毎の測定を
食品 健康・療 環境 バイ・創薬 製造・業プセス ュリィ その
医 オ 工ロ セキテ 他
公的規制対応 自主管理基準の対応
製品の品質管理 製品開発
依頼分析 作業環境の確認
その他
0 10 20
分野
分析測定目的
30 40 50 60 70 80 90
件数
図 1-7 分野毎の分析を行う目的 各分野について見た結果を以下に示す。
食品分野については、公的規制対応が21%、依頼分析、製品開発、製品の品質管理が17%、
自主管理が 16%の順になっている。健康・医療分野については、製品開発が 29%、依頼分析
が 15%公的規制対応が 9%の順となっている。環境分野については、公的規制対応が 33%、
依頼分析が 22%、製品開発が 19%と続く。バイオ・創薬分野については、製品開発が 35%、
依頼分析が2 %であり、この 2 項目で 60%を占める。製造・工業プロセス分野については、
製品の品質管理が29%、製品開発が22%、自主管理基準の対応が21%の順になっている。セ キュリティ分野については、公的規制対応が23%、依頼分析が19%、製品開発が18%と続く。
次に 測定の目的毎に見た各分野を以下に示す。
件数による結果は本書末のアンケートまとめの結果のとおりであるが、回答が環境分野に多く 偏っているため、多くの項目で環境関連の数値が大きくなっている。そこで、ここでは、分野 毎にそれぞれの測定の目的の比率を算出し、その算出した各分野毎の測定の目的の数値の比較 することにより、ノーマライズを行った。
図 1-8〜図 1-9 にその結果を図に示した。
5
図 1-8 で見られるようには公的規制対応については環境分野が33%と突出しており、以下、
セクリティが23%、食品が21%と続いている。
図 1-9 の製品の自主管理基準の対応については製造・工業プロセスが 35%、食品が26%、
セキュリティが16%、環境が15%と続いている。
図 1-10 の製品の品質管理については製造・工業プロセスが42%、食品が24%と突出してお
り、この2項目で66%を占めている。
図 1-11 の製品開発の対応については当然、全分野及んでいるが、その中でもバイオ・創薬と 健康・医療の比率が高い。
図 1-12 の依頼分析については各分野に亘っており、受託分析などでバイオ・創薬が23%を 占め、以下環境分野が20%と続いている。
図 1-13 の作業環境の確認についてはセキュリティが34%と突出しており、以下環境が26%、
製造・工業プロセスが17%と続いている。
以上のように、ノーマライズした結果から特筆すべきことは、製品開発の対応についてである。
当然、全分野に及んでいるが、その中でもバイオ・創薬と健康・医療の比率が高いことが特徴 づけられる。
環境 33%
食品 21%
バイオ・創薬
健康・
医療 セキュリティ
製造・工業 プロセス
9%
5%
9%
23%
セキュリティ 16%
プロセス
35% 15%
健康・
医療 8%
食品 26%
製造・工業 環境
健康・医療 7%
環境 5%
セキュリティ 14%
バイオ・創薬 8%
製造・工業 プロセス
42%
食品 24%
図 1-8 公的規制対象と分野 図 1-9 自主管理基準の対応と分野 図 1-10 製品の品質管理と
食品
9% 健康・医療
21%
製造・工業 12%
環境 11%
セキュリティ
11% 19%
17%
バイオ・創薬 プロセス
その他
食品 15%
バイオ・創薬 環境
医療 14%
セキュリティ 製造・工業 17%
プロセス
23% 20%
11% 健康・
健
26%
セキュリティ 10%
34%
製造・工業 プロセス
17%
康・医療 13%
環境 食品
分野
図 1-11 製品開発と分野 図 1-12 依頼分析と分野 図 1-13 作業環境の確認と分野
に あることなどからデータ数は少ない。またこの分野は創薬を主に動いていることから、製品
以上をまとめると、測定の目的は、環境関連の 1/3が公的規制のためと答えており、規制に 左右される実態がよく現れている。従って、公的規制が今後の方向を決めている。それに対し、
バイオ・創薬、健康・医療は、開発あるいはその他に重点が置かれている。健康や医療は大き な社会問題と関係があり、確立された分野でないために開発などに重点が置かれていると考え られる。この分野ではこれらの中から新しい分析方法などが生まれてくると思われる。食品関 係は公的規制、品質管理、開発などがほぼ同じ割合となっており、ちょうど中間の意味合いに なっている。
開 発、依頼分析(これには委託分析も含む)が多く見られる。製造・工業プロセス分野において は、自主管理基準の対応、製品の品質管理および製品開発が多く見られる。セキュリティ分野 においては、分野が限定されるため、データ数は少ない。情報をオープンにできないなど特殊 な事情もある。そのため、各目的に分散している。
次に測定の目的の詳細について見ると、食品分野においては、やはり、公的規制対応、自主 管理基準の対応、製品の品質管理が多く、安全・安心に気を使っていることが伺える。健康・
医療分野においては、製品開発、依頼分析が多い。環境分野においては、やはり、公的規制対 応が最も多く、次に依頼分析が続いている。バイオ・医薬分野においては、まだ、研究段階
0%
食品
健
・医療 環境 ・創
薬 セス
ティー の他
20%
60%
100%
康
バイ オ
製造
・工 業プロ
セキ
ュリ そ
分野 40%
件数
80%
公的規制対応 自主管理基準の対応 製品の品質管理 製品開発 依頼分析 作業環境の確認 その他
図 1-14 分野ごとの分析をおこなう目的
アンケート結果によると、分析・測定場所に関しては、全体の1/4 強が現場での分析をおこ なっていることが分かる。特に、健康・医療や製造・工業プロセス分野で現場分析の比率が高 かった。また、セキュリティは 3/4が現場分析であり、バイオ・創薬のほとんどが研究室であ るのと比較すると、対称的である。現場分析で高い比率のところは精密分析よりも、その場で の疑いを重要視しており、現場に即した、分析時間の短い機器の開発が望まれている。測定濃 度は、食品分野が比較的高い濃度の測定をしているのに対し、環境関連はPPM〜PPBとなり、
分野別の特性が良く表れている。また、ほとんどが定量分析を思考しているが、半定量あるい は基準値に対する有無もそれぞれ20%弱ずつ有り、スクリーニングの要望が強いことを示して いる。この要望は、各分野とも同じであり、分析装置の全体的な流れと考えられる。
先に述べたように、スクリーニング・センシングに係わる機器の、使用形態の一つとして、
試料をラボに持ち帰るのではなく、現場でリアルタイムに測定をし、迅速に結果を得るという ことが重要な位置づけとなる。そこで、設問Ⅱ-4 「分析・測定場所」の中で、現場分析を実際 に行っているという計 26 件の回答について、設問Ⅲに掲げられた「実際に使用している機器」
の内容を見ることとした。
集計には、電気化学分析装置、光分析装置、電磁気分析装置、観察装置、クロマトグラフ、
環境用分析装置、その他の 7 カテゴリの装置群全 47 機種について、その件数を集計し、計 217 件の回答を得た(表 1-2)。結果的に、健康・医療分野の回答数はゼロ、バイオ・創薬分野では 2 件であり、先の「関心」と「係わり」の項で考察した通り、話題性が高く、現在の社会的ニ ーズとマッチしているものの、まだ適切な分析方法が確立されていない分野であるという実態 を裏付ける結果となっている。
分野別では製造・工業プロセスが全体の60%を占めており、使用される機器は、光分析装置、
電磁気分析装置、観察装置、クロマトグラフの、汎用分析機器がまんべんなく使用されている 実態がわかる。この場合の現場分析とは、製造プロセス現場に機器を組み込み、ないしはその ライン近くに機器を設置して、オンラインあるいはオフラインでの迅速分析または連続分析が なされていると推定される。
環境分野では、全体の29%を占めたが、環境用分析機器で括られる機器の件数が意外なこと に少ないことがわかった。有機汚濁モニターや、溶存酸素計、重金属モニター、水質汚濁総合 監視機器などが全く挙げられていない一方で、分光光度計、原子吸光、ICP、クロマト機器 などの使用が多く、かってはラボ設置専用であった機器の可搬化が進み、所謂フィールドでの 分析・測定が進みつつあることが示唆される。同時に連続分析はおこなわれているものの、ほ とんど分析者の対象機器となっておらず、係わりのある触手がシフトしていることも考えられ るため、今回数値として表れていないことも考えられる。
健康・医療分野の現場分析で用いられている機器としては、現状4種と少ないものの、紫外 可
計の応用と、3 件のみの回答であった。現場での分析要望が高いにもかかわらず、対象
、実際には現場での迅速分 視分光光度計、プレートリーダ、電気泳動に加えて、他の分野で見られなかった電気滴定装 置が挙げられており、しかも、先天性代謝異常、感染症、ドーピング薬物、尿中物質、血液中 物質(コレステロール・血糖値等)、アレルギー物質と多様な応用が行われている点が注目され る。
セキュリティ分野では、バイオメトリック、テロ対策としての電気泳動装置と、爆発物への 熱分析
分析機器が少なく、今後の手法や機器の開発が望まれる分野である。
最後に、食品関連分野での現場分析集計ゼロという結果であるが、設問上、製造・工業プロ セス分野としてとらえて回答した可能性が考えられる。食品分野では安全性の問題が大きく、
同時に、食品は時間経過と共に変質していくという性質とも絡んで 析の要望が強いことも付け加えておきたい。
表 1-2 現場分析に使用されている機器
1-1 1-2 1-3 1-4 1-5 1-6 1-7 1-8 1-91-10 1-11 1-12 1-131-142- -2 2-3 4 2-5 そ
の 他 の 食 品 分 析
ス ト レ ス
成 人 病
先 天 性 代 謝 異 常
感 染 症
ドー ピ ン グ 薬 物
1
1
1
1 2 2- 2- 2- - -5 7 3 3-1 3-1 3-14 -16 4 4 5- 6-1 -3 5
残 留 農 薬
糖 度
・ 熟 成 度
塩 分 濃 度
鮮 度
残 留 性 抗 菌 剤
食 品 添 加 物
遺 伝 子 組 換 食 品
水 分
・ p H
食 中 毒 菌 ( 生 菌 他︶
ビ タ ミ ン
・ ミ ネ ラ ル
た ん ぱ く 質
・ ア ミ ノ 酸
脂 質 マ イ コ ト キ シ ン
尿 中 物 質 ( た ん ぱ く
・ 糖 等 )
ア レ ル ギー 物 質
ダ イ オ キ シ ン 類
・ P C
環 境 ホ ル モ ン︵ 内 分 泌 攪 乱 性 物 質︶
酸 性 雨︵ p H
・ 電 気 伝 導 率︶
残 留 性 有 害 物 質
水 分 析︵ 生 活 関 連︶
そ の 他
製 造 工 程
排 水
・ 排 ガ ス
麻 薬
・ 覚 醒 剤
・ 抗 精 神 薬
産 業 保 安︵ ガ ス 漏 れ 等︶
小計
気滴定装置 1 1 7 3%
極式濃度測定装置
外可視会光光度計 11 5%
外分光光度計(FTIR含) 9 4%
赤外分光光度計くNIR) 1 5 2%
マン分光光度計 2 1%
光分光光度計
微分光装置(UV,IR) 1 1
子吸光分光装置(A用) 1 1 1 1 11 5%
光分光分析装置(ICP-AES) 2 1 2 15 7%
折計 1 1
レートリーダ(マイクロプレートリーダ等) 1 1 4 2%
C-MS 2 2 3 1 11 5%
C-MS 2 1 2 2 7 3%
P-MS 1 1
量分析装置 2 1%
光X線分析装置(XRF) 3 3 4 1 21 10%
線回折装置(XD) 2 5 2%
子線プロープマイクロアナライザ 2 2 6 3%
学顕微鏡 1 2 3 1 7 3%
過電子顕徴鏡 1 6 3%
査電子顕微鏡 1 3 5 1 10 5%
音波顕微鏡
スクロマトグラフ(GC) 1 1 1 1 4 2%
速液体クロマト(HPLC) 12 6%
オンクロマトグラフ(IC) 1 1 3 1 13 6%
度計・SS計 3 1%
気伝導率計 5 2%
H計 1 1 2 1%
存酸素計 1 1
機汚濁モニター(COD計・TOC計・BOD計) 1 1
素・りん測定装置 2 1%
金属モニター 1 1
分計 1
質汚濁総合監視装置 ス分析装置類
気気泳動装置 1 1 1 1 13 6%
ローインジェクション分析装置 F微量水分測定装置
分析装置 1 2 6 3%
度・粘弾性測定装置 1 1 3 1%
度測定装置 2 1%
ーティクルカウンタ 3 1%
CR ムノアッセイ
品検査キット l. マ レー
23
29
16
27 電磁気
分析装 置 光分析
装置 電気化
分析装 7
59
53
その他 環境用 分析 装置 クロマト
グラフ 観察 装置
6 2-7 8 2-9 3 血 液 中 物 質︵ コ レ ス テ ロー ル
・ 血 糖 値 等︶
そ の 他
B
1 1 1 1 1 1 1
1
1 1
1 3-2 3-3 3-4 3 3-6 3- -8 3-9 0 3-11 2 3-13
廃 棄 物
電 磁 波
・ 漏 洩 X 線
R o H S 関 連 物 質 等︶
ア ス ベ ス ト
プ ラ ス チッ ク 材 料 判 定
温 暖 化 ガ ス
V O C
大 気 汚 染 物 質
土 壌 汚 染 物 質
1 1
1
1 1 1 1
1 2 2
1 2
1 3 1 3
1
1 2
1 1 1 1
1
1
1
3-15 3
水 分 析︵ 環 境 関 連︶
1
1 2 2
1 1 1
1 1 2 1 1 1 1
1 1 4-1 4-2
ゲ ノ ム
ト ラ ン ス ク リ プ トー ム
4-3 4- 4-5 4-6 -7 5-1 5-2 5-3 4 5-5 6-2 6 6-4 6- プ
ロ テ オー ム
メ タ ボ ロー ム
H T S︵ ハ イ ス ルー フ ゚ ッ ト ス ク リー ニ ン ク ゙
変 異 原 性
・ 毒 性
そ の 他 の H T S
原 材 料︵ 受 入 検 査︶
製 品︵ 品 質 管 検 査︶
そ の 他
爆 発 性
バ イ オ メ ト リッ ク
テ ロ 対 策
1 2 2
1 1 3 3 1
1 1 1 1 1
1 2
1 1 1 1
1 1
2 1 1
1 2 3 2 1 1 1
1 1
1 1 1
2 1
1 1 1 1 1 1
6-6 7 そ の 他
そ の 他
a. 電 b 電 a. 紫 b. 赤 c. 近 d. ラ F. 蛍 g. 顕 h. 原 i. 発 j. 屈 k. プ a. G b. L c. IC d. 質 e. 蛍 f. X g. 電 a. 光 b. 透 c. 走 d. 超 a. ガ b. 高 c. イ a 濁 b. 電 c. p d. 溶 e. 有 f. 窒 g. 重 h. 油 i. 水 a. ガ b. 電 c. フ d. K e. 熱 f. 粘 g. 密 h. パ i. P j. イ k. 食 学 置
イクロア
1
ーニングに使用している機器の台数に関する設問では、総数で 491 件の回答を得た。
結果のまとめとして、製造・工業プロセス、環境など、その機関が実際所有・使用している台
、製造・
スでの結果を用いることとし た
るが、まず、分野別の結果としては、製造・工業プロセス分野が 39%、環
境分野30%、健康・医療分野が15%の3分野でほぼ90%を占めるという結果となった。装置群
別の割合としては、光分析装置29%、電磁気分析装置18%、クロマトグラフ機器 16%、環境用分
析専用機11%の 4 カテゴリで全体の3/4を占める結果となった。
分析機器が、おそ くその汎用性とコストの観点から、おしなべて最上位に位置することが挙げられる。次に、
・医療分野で、電磁気分析の利用が少なく、これに反して電気化学分析装置の利用が多い。
さらに、その他の専用機の利用も目立つ。食品分野では、光分析装置、電磁気分析装置、クロ マトグラフ、その他の専用機がほぼ拮抗し、安全性に係わる微量分析への指向が窺える。バイ オ・創薬分野では、電磁気分析装置と、クロマトグラフ機器との順位が逆転している。全体の 多数派という意味では、製造・工業プロセス、環境分野で全体の 3/4を占める事になるが、残 る健康・医療、食品、バイオ・創薬、セキュリティの 4 分野に共通した傾向として、「その他 の専用機」への依存傾向も注目される。
表 1-3 スクリーニングの使用機器台数
製造・
工業プ ロセス
環境 健康・
医療 食品 バイオ・
創薬
セキュ
リティ その他 合計
.3.2 スクリーニングの使用機器 スクリ
数をそのまま集計した結果と、複数台も一件として集計した結果を併記した。とくに
工業の製造プロセスでガスクロマトグラフ機器が集計上30台と突出して見られることもあり、
他の分野との台数的重みに配慮して、解析には、後者の件数ベー
。
全体的な傾向であ
各分野での用いられる機器のランキングで注目される点として、まず、光 ら
健康
光分析装置 48 41 35 8 6 3 0 141 電磁気分析装置 39 32 2 8 4 0 2 87 その他 25 13 19 6 13 6 1 83 クロマトグラフ 24 27 13 6 5 2 0 77 環境用分析装置 27 22 0 1 1 1 0 52 観察装置 26 12 0 0 1 0 0 39 電気化学分析装置 4 2 5 1 0 0 0 12 合計 193 149 74 30 30 12 3 491
1.3.3 スクリーニング前回調査との比較
本工業会では平成 10 年度にも同様のテーマで調査を行っており、今回の調査との対比を行 時の問題になっている事項や調査内容に大き きな問題として取り上げられていた水道水中 手法が確立し、大きな問題とはなっていない。
では大きな関心事となっている。そのため、
たり、今回新たに追加された事項が多々あっ
、対比を行った。
結果を分野別に比較した結果を示す。
ンケ ト送付先は前回、今回共ほぼ同様である。また、分野の分類については、前回が上下水、検 今回は食品、健康・医療、環境、バイオ・製薬、
、セキュリティ、その他としており、分野の分け方に違いがある。これは前述 してきたことによる。
平成10年度の調査結果と今年度の調査結果を分野別に関心のある項目と係わりの る項目について、比較した結果を示す。
両項目とも、前回はダイオキシン、環境ホルモン、上下水の水問題を含む環境の比重が大き
、今年度はそれらの落着きを反映し、比重が軽くなっている。変わって、今回新たに追加し 項目(バイオやセキュリティ)の項目が増加している。
った。前回の調査内容と今回の調査内容ではその な差が見られるのは当然である。例えば、当時大 の発ガン物質であるトリハロメタン等は現在管理 一方、当時まだ関心が低かったバイオ関連が現在 調査内容に前回含まれていた事項が今回はなかっ たりする。
ここでは、主に前回調査時との共通事項に対し 表 1-15 に平成10年度の調査結果と今年度の調査
前回の回答数は100件、今回は91件であり、今回の回答件数の方が約10%少ない。ア ー
体、食品、材料、環境、その他であったが、
製造・プロセス
したように、8年間の間に新たな分野が台頭
図 1-15 に あ
く た
90 51 188 3 2
89 60 155 33 58 12 2
152 69 328 3 2
186 149 302 72 82 43 2
0% 20% 40% 60% 80% 100%
項目関心のある H18
H10
H18
H10
係わりのある項目
食品 健康・医療 環境 バイオ・創薬 製造・工業プロセス セキュリティー その他
836
554
409
334
図 1-15 前回と今回の分野別に関心のある項目と係わりのある項目についての比較
図 1-16 に平成10年度の調査結果と今年度の調査結果の共通項目を選別して比較した結果を
通項目の関心のある項目と係わりのある項目についての比較を示す。
代を反映し、残留農薬や環境ホルモン(内分泌撹 高さとが伺える。
ており、以下では、この残留農薬について平成10 示す。
前述したように環境関連に多く偏ったのが残念である。
図 1-16 に共
この図から分かるように平成 10 年当時は世 乱物質)などの環境問題への関心と係わりの 但し、残留農薬は現在も重大関心事となっ 年時と比較する。
35
32
11
19
8
12
3
6 8
11
9 14
5 3
20
21
14
17
18
3
11
6
9 7 8
7
10
6
8
4
8
19
3
16
25
47
11
14
27
49
11
28
11
15
7
12 18
22
9
14 19
10
7
6
11
21
5
16
0% 20% 40% 60% 80% 100%
H10 H18
H10
H18
関心のある項係わりのあ項目る目
残留農薬 糖度・熟成度 塩分濃度 鮮度
残留性抗菌剤 遺伝子組換食品 水分・pH その他の食品分析
先天性代謝異常 ダイオキシン類・PCB 環境ホルモン(内分泌攪乱性物質) 酸性雨(pH・電気伝導率)
廃棄物 アスベスト プラスチック材料判定
232
303
102
173
図 1-16 関心のある項目と係わりのある項目についての比較
図 1-17 に残留農薬の分析目的についての比較を示す。
全体的な比率は平成 10 年度と現在に大きな差 はないが、特異的な点として平成 10 年 業
製 り こ あ 造 こ
図 の測定場所についての
比較 全 な て
図 1-19 に残留農薬の測定頻度についての 比較を示す。
全体的な比率は平成 10 年度と現在に大き な差はなく、必要に応じてが約半数である。
平成10年度では週1・2回分析が多かった が、現在は毎日分析が多くなっている。こ れも残留農薬の分析方法が落ち着いてきた からではないかと思われる。
図 1-19 残留農薬の測定頻度 度は作
環境の確認という項目がある。これは、農薬 造および使用環境の影響を調査するものであ
、従来飛散にあまり、留意されていなかった とが問題視されるようになったことが原因で る。現在では、マスクをするなどして農薬製 および使用環境に留意するようになったため、
の項目がほとんどなくなったものと考えられる。 図 1-17 残留農薬の分析目的
1-18 に残留農薬
32%
4%
公的規制対応 依頼分析 34%
22%
8%
20% 8%
28%
を示す。
体的な比率は平成 10 年度と現在に大き 差はなく、ほとんどが分析室で測定され いる。
図 1-18 残留農薬の測定場所
自主管理基準の 対応 製品の品質管理 11%
11%
製品開発 22%
作業環境の確認 0%
H10年度(内円)
:26件 H18年度(外円)
:22件
85%
現場
15%
分析室 86%
14%
H10年度(内円)
H18年度(外円)
:14件 :20件
17%
28%
11%
44%
毎日分析 31%
週1・2回分析 8%
月1・2回分析 8%
必要に応じて 53%
H10年度(内円)
:18件 H18年度(外円)
:13件
図 1-20 に残留農薬の測定濃度についての 比較を示す。
全体的な比率は平成 10 年度と現在に大き な差はないが、以前は毒性評価も十分でな かったため、できるだけ低濃度まで測定し ておくとの考えから、ppb 以下まで分析す るケースが多々見られた。
図 1-21 に残留農薬の測定精度についての 比較を示す。
先ほどと同じ理由から、平成 10 年度は低 濃度まで測定(定量)するということが行 われたが、現在は基準値に対してどうかと いう測定になってきている。
次に参考として、図 1-22 に環境ホルモン(内分泌撹乱物質)についての分析目的を示す。
当時は環境ホルモンが社会的問題として 捉えられていたこともあり、頻繁に分析 が行われていた。目的は、各種製品に含 まれる環境ホルモン様物質の低減や製品 の管理が多かった。そのための測定とし て、依頼分析も多く行われた。現在は環 境ホルモン(内分泌撹乱物質)も一段落 し(問題ではないということではない)、
規制項目の管理に分析されることが多く なってきている。
図
診断 0%
29%
32%
9%
9%
21%
診断 14%
依頼分析 14%
製品開発 21%
自主管理基準の 対応 7%
製品の品質 管理 0%
公的規制対応 44%
H10年度(内円)
:36件 H18年度(外円)
:14件 17%
72%
11%
定量 59%
半定量 8%
基準値に対して の有無
33%
H10年度(内円)
:18件 H18年度(外円)
:12件
1-22 環境ホルモン(内分泌撹乱物質)の分析目的 図 1-21 残留農薬の測定精度 図 1-20 残留農薬の測定濃度
17%
61%
22%
ppb以下
0% ppm
17%
ppb 75%
8%
H10年度(内円)
:18件 H18年度(外円)
:12件
その他