2006年度・数理解析・計算機数学2
レポート問題
2006年7月19日
【評価方法について】
授業の評価はここにあるレポートの結果のみを元にして行う.
【レポート問題について】
★ 全てに共通な注意
他人のレポートやプログラムのコピー,またはそのマイナーな改変を提出してはならない. そのようなこ とがあった場合は
,
提出者だけではなく,
コピーをさせた人についても,
すべてのレポートを評価対象とし ない.また,各種の文献(ネットワーク上のリソースも含む)を参照した場合には,参考文献を必ず明記するこ と. 明らかに文献を参照しているにも関わらず,出典を明示していないレポートは評価対象としない. (た だし,講義で紹介した事実は参考文献を明示する必要はない.)
★ レポートの提出方法
提出締切 2006年8月31日(木)17時(時間厳守)
電子メールで提出するレポートに関しての締切の意味は,提出期限の以前の時刻でメールが発信され ていればよい
.
(時刻は日本標準時とする.
)解答方法 以下の問題の中から各カテゴリ(カテゴリA〜D)各1問づつを解答とすること
.
各カテゴリに ついて, 複数問解答してもかまわないが,採点の対象は「最も良い内容のもの」1問のみとする.提出内容
•
プログラムを書く必要がある問題については,
プログラムを提出すること.
•
数値計算結果は結果を読み取ることができる図を作成すること. 生の数値データは必要ない.提出方法
•
プログラムは電子メールで「添付ファイル」として,ソースコードを送付すること.•
解答内容は.
(,
「レポート用紙」に手 書きまたはタイプセットして提出しても構わない.•
電子メールは“Subject”
に「レポート提出」と明示し,添付するファイル名は問題番号-学籍番号.拡張子
の形式であること
.
具体例としては,
問題Prob-A-01
の,
“Prob-A-01-XXXXX.pdf”
とすること.•
電子メールの発信者は,学部生の場合には「情報メディア教育センター」のアドレス,大学院生 の場合には「多元数理科学研究科」のアドレスであること.
他のドメインから発信された電子 メールで提出されたレポートは採点対象としない.•
プログラム以外の部分を「紙に書いて」で提出する場合には,
A4用紙を片面で利用し,
クリッ プで止めること. (ステプラは不可)また,全てのページの右上に問題番号・学籍番号・ページ 番号を明示すること.提出先 電子メールの場合には内藤
(naito@math.nagoya-u.ac.jp)
宛,
紙で提出する場合には,
多元数理 科学研究科1F事務室のレポート提出箱.その他 締切日時よりもある程度早く提出されたレポートに対してはコメントを返送する
.
(つまり,
「ダ メ」とか「まあOK」とかの返信を電子メールで行なう.)携帯電話のメールアドレスまたは個人で 利用しているアドレスにコメントを返送してほしい場合には,本日中に口頭で内藤まで連絡すること.採点基準 以下の採点基準で採点を行なう.
•
カテゴリA・Bの問題はA, B, C, D
の4段階で採点する.A
数学的な議論が正しく,考察内容も優れている. また, プログラムが必要な場合には,プログ ラムも正しく記述されている.B
数学的な議論・考察内容・プログラムのいずれかに多少の問題がある.C
数学的な議論・考察内容・プログラムは必ずしも間違ってと判断できるもの. D
数学的な議論・考察内容・プログラムのいずれかに重大な誤りがあるもの.•
カテゴリC・Dの問題はA, B, C, D
の4段階で採点する. A
プログラムが正しく記述され,結果も適切に図示されている.B
プログラムまたは結果の図示に多少の問題があるもの.C
プログラムまたは結果の図示に問題があると判断されるが,誤りであるとは言えないもの.D
プログラムまたは結果の図示に誤りがあるもの.各問題の配点は次の通り.
問題
A B C D
Prob-A-01 5 3 2 0 Prob-B-01 5 3 2 0 Prob-B-02 7 4 2 0 Prob-B-03 7 4 2 0
問題
A B C D
Prob-C-01 5 3 2 0
Prob-C-02 7 4 2 0
Prob-C-03 ∗ † 2 0
Prob-D-01 5 3 2 0
成績判定基準 以上の採点を行なった後に, 以下の基準で成績を判定する. (基本的には
20
点満点と考え ている.
)優
15
点以上.良
12
点以上.可
10
点以上.
★ プログラムの仕様について
数値計算を行なうプログラムの言語は問わない. ただし,以下の注意を守ること.
•
プラットフォーム依存の記述は避けること.•
利用する言語における標準的な浮動小数点フォーマットを利用すること.•
多元数理科学研究科のSolaris
システムまたは,情報メディア教育センターのLinux
システムで利用 可能な言語であること.• C, Java
以外の言語を用いたときには, どの言語を利用したか,コンパイル方法及び実行方法をプログラム中にコメントとして記述すること
.
•
いずれの言語であっても,プログラム冒頭部分に, 問題番号・学籍番号・氏名をコメントとして挿入 すること.•
添付ファイルとして添付する場合に,文字コード変換なしにコンパイラに通る文字コードを利用して 送付すること.•
いずれの問題も,
差分の刻み幅等は,
解の様子がよく分かる程度に適切に取ればよい.
★ レポート問題の訂正・質問など
もし,レポート問題に不備が発見されたときには,速やかに内藤まで電子メールで連絡すること. それら の訂正はウェブページで
,
訂正内容を掲示する.
夏休み期間中に質問がある場合には, 事前に電子メールでアポイントメントを取ること.
【レポート問題】
• Prob-A-01
6回目までの講義で行った,各種の数値の計算に関して,いずれか一つ以上に関して,理論的な背景を 議論し
,
その数値計算を行いなさい.
また,
得られた数値実験結果を理論的な背景に即して考察を行 いなさい.ここで「各種の計算」とは以下のいずれかである. 「an
= (1 + 1/n)
n の計算」,「ニュートン法」,「方程式の反復解法」,「πの計算」,「巾級数による関数値の計算」, 「収束の加速」.
• Prob-B-01
次の常微分方程式の初期値問題を,講義で紹介した各種の数値計算スキームを用いて計算し, 時間刻 み幅
h
を動かしたときのt = 1.0
における値の誤差について議論しなさい.x
(t) = x(t), t ∈ [0, 1], x(t) ∈ R, x(0) = 1.0.
• Prob-B-02
「数値的不安定性」とは何かを修正オイラー法を例にとって数値実験を行ない
,
修正オイラー法の安 定性を議論しなさい.• Prob-B-03
p
段の陽的アダムズ法(アダムズ・バッシュフォード法)で数値計算を行なうとき,
出発値(x
1, . . . , x
p−1)
の誤差がO(h
p+1)
よりも大きい場合, 得られた数値解の大域的離散化誤差はどうなるかを考察しな さい.• Prob-B-04
その他,常微分方程式の離散変数法に関する理論的考察を行ないなさい.
• Prob-B-05
熱方程式の前進解法で
,
時間発展を改良オイラー法に置き換えたスキームに関して,
そのスキームを 具体的に示し,その適切性を証明しなさい. また,そのスキームの安定条件を求めなさい.• Prob-B-06
その他,偏微分方程式の差分解法に関する理論的考察を行ないなさい. (例えば,
R
2 上のSOR
法の 反復行列の固有値の計算と最適パラメータの計算など.)• Prob-C-01
単振り子の運動とは, 運動方程式
x
(t) = − sin(x(t)), x(t) ∈ R,
または,ハミルトニアンH (q(t), p(t)) = 1
2 p(t)
2− cos(q(t)), q(t), p(t) ∈ R
で表される運動である.この運動を,初期条件
q(t) = 3π/4, p(t) = 0.0,
またはx(t) = 3π/4, x
(t) = 0.0
のもとに
,
「4次のルンゲクッタ法」,
「(陽的2段以上,
または陰的)アダムズ法」,
「なんらかのシ ンプレクティック法」のいずれかで計算し, (q, p)平面,または(x, x
)
平面内で運動を図示しなさい.• Prob-C-02
質点の中心力場における運動とは,ハミルトニアン
H (q(t), p(t)) = 1
2 p(t)
2+ 1
q(t) , q(t), p(t) ∈ R
2,
または,運動方程式x
(t) = − x(t)
x(t)
3, x(t) ∈ R
2 であらわされる平面内の運動である.この運動を
,
初期条件q(t) = (1.0, 0.0), p(t) = (0.0, 1.0),
またはx(t) = (1.0, 0.0), x
(t) = (0.0, 1.0)
のもとに,「4次のルンゲクッタ法」, 「(陽的2段以上, または陰的)アダムズ法」,「なんらかの シンプレクティック法」のいずれかで計算し
, (q
1, q
2)
平面,
または(x
1, x
2)
平面内で運動を図示しな さい.• Prob-C-03
その他, 2階常微分方程式の初期値問題を, 「2次以上のルンゲクッタ法」,「(陽的2段以上,また は陰的)線形多段階法」,「なんらかのシンプレクティック法」のいずれかで計算しなさい.
• Prob-D-01
クランク・ニコルソン法を用いて熱方程式の初期境界値問題
∂u
∂t = ∂
2u
∂x
2,
u(t, 0) = u(t, 1) = 0, u(0, x) = sin(πx)
の数値解を求め,それを図示しなさい.• Prob-D-02 R
2 内の矩形領域Ω = {(x, y) ∈ R
2: 0 ≤ x ≤ 1, 0 ≤ y ≤ 1}
において,ラプラス方程式のディレクレ境界値問題
∂
2u
∂x
2+ ∂
2u
∂y
2= 0, in Ω, u(x, 0) = u(x, 1) = sin(πx), u(0, y) = u(1, y) = sin(2πy),
の数値解を求め,それを図示しなさい.• Prob-D-03
次の図のようなL字型の領域でラプラス方程式のディレクレ境界値問題
∂
2u
∂x
2+ ∂
2u
∂y
2= 0, in Ω, u(x, y) = ϕ(x, y), on ∂Ω
の数値解を求め,それを図示しなさい.u= 1
u=1
u= 0
u=0
linear
linear
それぞれ示したものは