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藤原宮外周帯の調査

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Academic year: 2021

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136 奈文研紀要 2017

はじめに  本調査は農業用水路改修にともなうもので ある。調査地は藤原宮南面外濠と六条大路の間にある外 周帯にあたり、従来の調査成果から、藤原宮南面外濠の 一部や西一坊坊間路の先行条坊が検出される可能性が見 込まれた。調査区は、改修する水路に沿って設定し、全 長137m、調査面積は635.7㎡である。調査は2017年1月 10日に開始し、2月2日に終了した。正式な報告は『紀 要 2018』でおこない、ここでは概要を報告する。

調査成果  調査区は水路による削平が著しく、古代の 遺構面が残存しない部分も多い。古代の遺構としては、

調査区西部で東西溝を2条検出した。2つの溝は重複 し、下層の溝は、北肩が調査区外にあるものの、幅1m 程度と推定できる。深さ30㎝。蛇行しており流路と考え られる。埋土から、藤原宮造営期の土器や、宮所用瓦が 多く出土した。上層の溝は南肩を検出し、幅1.2m以上、

検出した深さ20㎝。溝は東に向かって北に振れ、調査区 西端より23m東で調査区外となる。上層の溝は、調査区 から約60m西に位置する第29-6次調査区において検出し

た、藤原宮南面大垣外濠SD501と位置が合致する(『藤原 概報 11』)。したがって、外濠もしくは外濠埋立て後の落 込み等の可能性もある。

 なお、調査区東部は、西一坊坊間路の先行条坊推定位 置にあたるが、水路の削平により、古代の遺構面は残存 していなかった。しかし、西一坊坊間路東側溝推定位置 にあたる調査区南壁土層で溝の可能性がある落込みを確 認した。ただし、反対の北壁土層では埋設管の掘方によ り古代の土層は失われており、条坊側溝と断定するには 至らなかった。また西一坊坊間路西側溝は水路によって 平面、断面ともに削平されていた。

 宮造営前の遺構としては、調査区東部で古墳時代の土 坑を検出した。径約40㎝、深さ約5㎝。埋土から土師器 の吉備型甕が出土した。そのほか、自然流路を4条確認 した。自然流路は3条が北に向かって西に斜行してお り、旧地形に沿ったものと思われる。

 今回の調査では、水路の削平のため遺構の残存状態は 良好ではなかったが、藤原宮南辺の様相の一端を知るこ とができた。また、古墳時代以前に関しても、宮造営前 の当該地の土地利用状況や旧地形の復元を考える上で参 考になる成果を得られたといえよう。  (石田由紀子)

藤原宮外周帯の調査

-第191次

図₁₃₈ 第₁₉₁次調査区東部全景(北西から) 図₁₃₉ 第₁₉₁次調査区中央部から西部全景 (西から)

参照

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