調査区全景(北から)
※拳大の根石がよく見える場所が柱の位置にあたる
藤原宮 大極殿院の調査
(飛鳥藤原第 190 次調査現地説明会資料)
2017.1.28
独立行政法人 国立文化財機構 奈良文化財研究所 都城発掘調査部
〒 634-0025 奈良県橿原市木之本町 94-1 http://www.nabunken.go.jp Edited by K.Wada・M.Kuriyama 回廊東側の瓦出土状況(北東から)
※回廊基壇の外側に多くの瓦が捨てられたことがわかる
基壇外装据付溝・抜取溝と礫敷(北から)
※綺麗な黄色土が据付溝
調査位置図
※調査地は大極殿院東門と東面回廊南半部との接続部にあたる
藤原宮 大極殿院 の調査
飛鳥藤原第 190 次調査 現地説明会資料
(独)国立文化財機構奈良文化財研究所 都城発掘調査部
70 70
18 18
185-6次 185-6次
16 16
21 21
20 20
148 148
189 189
153 153 163 163
160 160
179 179 117北 117北
117南 117南
4 4
58 58 2 2
100 100
107 107
120 120
14 14
125 125
132 132
144 144
142 142 128 128 136
136
61 61 55 55
44 44 41 41
78 78
183 183
182 182 186 186
67 67
71 71
1
22 22
11 11
12 12
174 174 169 169
0
0 100m100m
今回の調査区 今回の調査区
大極殿院 大極殿院
朝 堂 院 朝 堂 院
朝 集 殿 院 朝 集 殿 院
南北溝と整地土(北から)
※瓦を挟みながら丁寧に整地する
藤原宮大極殿院から畝傍山を望む (北東から)
2016 年 12 月 22 日撮影
大極殿院東門と東面回廊南半部との接続部を発掘調査し ました。東面回廊の礎石据付穴や根石が確認できたので、
これまでよりも精確に柱の位置を検討できるようになりま した。接続部の柱間(桁行)は、回廊の柱間(桁行)より も狭くなるようです。また、回廊の内庭側で基壇外装の据 付溝・抜取溝を良好な状態で検出できたことも、特筆され ます。これらの成果は、大極殿院回廊の構造を考えるうえ で、きわめて重要です。
1.調査の経緯と目的
藤原宮は、694 年から 710 年までの 16 年間、持統・文 武・元明3代の天皇にわたって営まれた宮殿です。藤原宮の 中心部に位置する大極殿院は、回廊で囲まれた東西約 120 m、南北約 170 mの区画です。大極殿院回廊では、日本古 文化研究所による調査(1934・1935 年)を端緒とし、その 後、奈良文化財研究所が継続的に調査してきました。その結 果、回廊は礎石建ち、複廊形式であり、4つの門をもつこと が判明しました。しかし、東門の規模、東門と回廊との接続 部の構造など不明な点もあり、その解明に向けて、今回、東 門の南端部と東面回廊を調査することとなりました。
2.調査の成果
東門 調査区の北端で、東門の南端にあたる礎石据付穴を 確認しました。東門は桁行7間、梁行2間で、柱間は 桁行 4.2 m(14 尺)、梁行 3.3 m(11 尺)と考えら れます。
回廊 7間分(約 27 m)の礎石据付穴や根石、抜取穴を 確認しました。回廊の柱間は桁行 4.2 m(14 尺)、
梁行 3.0 m(10 尺)で、東門との接続部にあたる 2間分だけは桁行の柱間が狭くなります。また、回廊 の内側では基壇外装(凝灰岩)の据付溝・抜取溝を 検出し、両側で回廊の雨落溝を確認しました。回廊基 壇の規模を検討するうえで、貴重な成果です。
礫敷 大極殿院内庭は、拳大の礫を敷いた広場としています。
3.まとめ
今回の調査で、東門と東面回廊南半部をほぼすべて調査し たこととなります。東門の規模が確定し、東門と東面回廊と の接続部では柱間が狭くなることが判明しました。また、東 門以南の東面回廊南半部は約 59 mで、15 間あることが明ら かとなりました。大極殿院回廊の構造を考えるうえで、重要
な手がかりを得ることができました。 礎石据付穴と抜取穴(北から)
※大きな穴を掘って礎石を抜き取ったことがわかる 東門と回廊接続部の礎石据付穴(北から)
※据付穴に拳大の礫を詰めている
礎石の根石(北から)
※礎石の下に置かれた根石がよく残っている
飛鳥藤原第 190 次 遺構平面図
日本古文化研究所調査区 礎石抜取穴
礎石据付穴 基壇外装抜取溝 基壇外装据付溝 雨落溝
礫 敷 南北溝 足場穴
回廊基壇
東
門
門と回廊の接続部
東
面 回 廊