本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度調査
-2010 年度 1 学期を中心に-
阿保 雅行
1.研究目的 2.研究方法 3.結果と考察 4.まとめ
1.研究目的
本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目(1994 年度までは「正課体育」の名称であった。)
に関する調査研究については, ①スポーツテスト, ②意識調査(関心と効果)
,③教材(実技種 目), ④満足度・改善度に大きく分けられる。とりわけ満足度や改善度については4点(阿保,
2005, 2007a, 2007b, 2008)の報告がある。本研究の目的は, 2010(平成
22)年度1学期におけるスポーツ・身体運動基礎科目の受講生を対象としたアンケート調査から, 授業運営に関する満足度や改善度を数値化することにある。
その結果は, 限られた資源(施設・用器具, 人材, 経費など)で今後における正課実技をより効 果的・効率的に運営する方法を検討するための基礎資料になると考えるからである。本研究の 性格は,スポーツ経営学に係わる顧客満足度(Customer Satisfaction)調査である。
2.研究方法 2.1.調査内容
アンケート調査票の内容については, 阿保(2005, 2007a, 2007b, 2008)の報告書及び菅(2004)
を参考にし, 属性, スポーツの好き嫌い, 運動部所属, 出席状況, 授業意欲, そして授業に関す る満足度の視点から構成した。 基本的には
2006年度1学期に実施したアンケート調査票を活用 した。とりわけ満足度の項目については総合的評価の項目を含めて6領域
20項目で構成した。
①施設の清潔さ(下駄箱付近, 更衣室・シャワー室・トイレ, 体育施設), ②スポーツ・運動用
品(運動用具やトレーニング機器の種類や質)
,③受講生の主体性(学生の主体性, 学生間の学
びあい), ④教員の指導能力(シラバス, 授業目標, 授業内容, 指導方法, 授業1コマの時間配
分, 個人のレベルに応じた指導, 教員の熱意, 学習意欲の湧く授業, 授業種目の専門性), ⑤情
368 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度調査-2010年度1学期を中心に-:阿保 雅行
報提供の方法(ビデオやOHP等の教育機器の活用, 授業の情報掲示版の場所や内容)。⑥① から⑤までの総合的評価。
満足度の質問項目に対する回答は5段階尺度とした。具体的には,「5 点:非常に満足,4 点:満足,3 点:どちらともいえない, 2 点:不満,1 点:非常に不満」とした。
2.2.調査方法・回収状況・有効標本数
2010
年度1学期(定時コース)の履修登録者は
665人であった。1学期最終週の授業中にア ンケート調査票を受講生に配布して調査を行った。回収数は
593人(履修登録者の
89.2%)であった。満足度の質問項目の中で1つでも無回答の場合は削除したので, 有効標本数は
562人
(回収数に対する割合:94.8%)であった。
2.3.データ処理
満足度と改善度の求め方,即ち数値化または得点化の手続きについては,菅(2004)の分析 方法に基づいて行った。まず満足度に関する各質問項目の評価については,①「非常に不満」
と「不満」を「悪い」,②「どちらともいえない」を「普通」,③「満足」と「非常に満足」
を「良い」という3段階に操作し,3段階(悪い,普通,良い)の回答数及び割合(%)を算 出し,「良い」の割合を「満足率(良い)」とした。次に改善度の求め方については,各評価 項目(19 項目)と総合的評価とのクロス集計を行って独立係数を算出した。そして満足率偏差 値と独立係数偏差値を算出して図示し,図中の項目の位置から交点までの角度や距離を測定し て数式に代入することで,改善度指数を算出した。
菅(2006)は,改善度指数の大きさと意味について,改善度指数が
10以上の項目は「即改善」,
5
以上の項目は「要改善」,そして,負(マイナス)の項目は「改善不要」であると指摘して いる。
3.結果と考察 3.1.標本の特性
標本の特性は次の通りであった(表1)。1)性別では, 男子が
27.6%,女子が
71.5%,無回
答が
0.9%であった。2)学年では1年次が
93.1%,2年次以上が
5.9%,無回答が
1.0%であった。3)種目のタイプ別では, スポーツ種目が
31.7%,健康体力づくりが
29.0%,武道が
6.6%,舞踊・ダンスが
31.1%,無回答が
1.6%であった1。4)大学運動部所属では52.9%が運動部またはサークルに所属しており, 無所属が
44.5%,無回答が
2.6%であった。370 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度調査-2010年度1学期を中心に-:阿保 雅行
表
2尺度構成に用いた項目の第1主成分負荷量・平均値
項 目 負荷量 平均値 標準偏差
1) 授業に関する掲示板の場所(体育館玄関) .497 3.475 0.865 2) 授業に関する掲示の方法(ホワイトボードで) .513 3.557 0.878 3) 下駄箱付近(含シュ-ズ・ボックス)のきれいさ .404 2.534 1.018 4) 更衣室やシャワー室、トイレのきれいさ .417 2.849 1.024 5) 授業を行う体育施設のきれいさ(掃除状況) .555 3.537 0.974 6) 授業で使うスポーツ用具の種類や質 .654 3.708 0.814 7) トレーニングセンター内の器具の種類や質 .608 3.502 0.753 8) 体力・体組成等に関する測定器具の種類や質 .685 3.649 0.762 9) 授業1単位の構成内容(第1コマ~最終コマ) .745 3.907 0.831 10) 授業1コマの時間配分(集合から解散まで) .745 3.931 0.845 11) 学生が主体的に学べることのできる授業 .728 4.018 0.771 12) 学生間で学びあえるような授業 .707 3.922 0.821 13) 個人の体力や技能レベルに応じた授業 .704 3.875 0.800 14) 教育機器(黒板やビデオ等)の活用 .528 3.543 0.883 15) 担当教員の専門性 .676 4.139 0.848 16) 担当教員の熱意 .669 4.274 0.816 17) 学習意欲が湧く授業 .759 4.021 0.807 18) 学生が設定した目標を支援するような授業 .738 3.794 0.814 19) リポートのテーマ(課題) .651 3.840 0.827
固有値 7.786 寄与率 40.978 % 注)標本数(n=562)
3.2.2. 因子分析
3.2.2.1.因子分析の結果とその解釈
562
名のデータから
19項目について因子分析(主因子法,バリマックス法)を行った結果(表 3),解釈可能性から5因子を抽出した。因子負荷量が 0.400 以上の項目に下線を引いた。累 積寄与率は
61.6%であった。各因子の解釈は次のように考えた。第1因子(α 係数=0.8958)に係わる8項目については, 教員が学生に直接指導する場面での 基本的条件である学習指導と解釈されるので「学習指導」と命名された。第2因子(
α係数
=0.7921)
に係わる4項目については, 学習指導を支える教員の条件であると解釈されるので「教
員の資質」と命名された。第3因子(
α係数=0.8112)に係わる3項目は, 学習指導を直接支え る用器具の条件であると解釈されるので「用器具」と命名された。第4因子(α 係数=0.7552)
に係わる3項目については, 付帯施設の清潔さと解釈されるので「付帯施設の清潔さ」と命名
された。第5因子(α 係数=0.8594)に係わる2項目については, 雨天や強風などの天候のため に授業場所等の変更を連絡する方法であると解釈されるので 「授業の連絡方法」 と命名された。
このように, 本研究で用いられた授業運営に関する項目は「学習指導, 教員の資質, 用器具, 付帯施設の清潔さ, 授業の連絡方法」から構成されていることが明らかになった。
表 3 回転後の因子負荷量行列
項 目 因子1 因子2 因子3 因子4 因子5 共通性
11) 学生が主体的に学べることのできる授業 .786 .168 .152 .065 .100 .683 12) 学生間で学びあえるような授業 .752 .155 .124 .087 .133 .629 13) 個人の体力や技能レベルに応じた授業 .676 .199 .169 .065 .163 .556 16) 担当教員の熱意 .652 .267 .181 .099 .175 .570 10) 授業1コマの時間配分(集合から解散まで) .610 .321 .280 .159 .001 .579 18) 学生が設定した目標を支援するような授業 .581 .584 .094 .082 .065 .698 9) 授業1単位の構成内容(第1コマ~最終コマ) .576 .368 .321 .155 -.046 .596 19) リポートのテーマ(課題) .505 .315 .191 .067 .112 .408 15) 担当教員の専門性 .294 .837 .126 .049 .056 .808 17) 学習意欲が湧く授業 .332 .798 .111 -.017 .086 .767 14) 教育機器(黒板やビデオ等)の活用 .189 .484 .116 .193 .130 .338 7) トレーニングセンター内の器具の種類や質 .221 .072 .696 .187 .278 .651 8) 体力・体組成等に関する測定器具の種類や質 .277 .207 .623 .245 .219 .615 6) 授業で使うスポーツ用具の種類や質 .294 .184 .597 .220 .148 .547 4) 更衣室やシャワー室、トイレのきれいさ .076 .104 .113 .870 .081 .792 3) 下駄箱付近(含シュ-ズ・ボックス)のきれいさ .048 .027 .224 .616 .281 .512 5) 授業を行う体育施設のきれいさ(掃除状況) .262 .105 .362 .495 .052 .459 1) 授業に関する掲示板の場所(体育館玄関) .107 .139 .196 .179 .839 .805 2) 授業に関する掲示の方法(ホワイトボードで) .205 .076 .205 .146 .760 .688
因子負荷量の2乗和 3.936 2.542 1.871 1.704 1.646 11.699 因子の寄与率(%) 20.716 13.380 9.847 8.966 8.665 累積寄与率(%) 20.716 34.096 43.943 52.909 61.575 注1)標本数(n=562)
3.2.2.2.因子得点の平均値の比較
性別やスポーツの好き嫌い等の要因(アイテム)を説明変数とし,因子得点を目的変数とし てt-検定またはF-検定を行った結果(表4),例えば, 性別では, 「教師の資質」「用器具」
「授業の連絡方法」の3因子に有意差が認められた。具体的には「教師の資質」については女
子の平均値が男子よりも高く, 一方, 「用器具」と「授業の連絡方法」については男子の平均値
台は, 「11) 学生が主体的に学べることのできる授業(75.3%)」「15) 担当教員の専門性
(75.1%)」「17) 学習意欲が湧く授業(72.8%)」「10) 授業1コマの時間配分(集合から解 散まで)(72.2%)」「9) 授業1単位の構成内容(第1コマ~最終コマ)(71.9%)」の5項目,
60%台は「12)
学生間で学びあえるような授業(69.9%)」「13) 個人の体力や技能レベルに
応じた授業(68.0%)」「19) リポートのテーマ(課題)(62.6%)」「18) 学生が設定した目 標を支援するような授業(60.0%)」の4項目, 50%台は「6) 授業で使うスポーツ用具の種類 や質(58.0%)」「8) 体力・体組成等に関する測定器具の種類や質(54.4%)」「5) 授業を行 う体育施設のきれいさ(掃除状況)(52.8%)」の3項目, 50%未満は「2) 授業に関する掲示 の方法(ホワイトボードで)(47.7%)」「14) 教育機器(黒板やビデオ等)の活用(44.0%)」
「7) トレーニングセンター内の器具の種類や質(42.9%)」「1) 授業に関する掲示板の場所
(体育館玄関)(42.0%)」「4) 更衣室やシャワー室, トイレのきれいさ(24.7%)」「3) 下 駄箱付近(含シューズ・ボックス)のきれいさ(16.2%)」の6項目であった。
図 1 満足度―満足率(良い)―
3.4.改善度
改善度を求める手続きについては,前述に示したように,まず「満足率(良い)」と「独立 係数」の関係を明らかにし,次に満足率偏差値と独立係数偏差値をもとに「改善度指数」を算 出した。
3.4.1.満足率(良い)と独立係数の関係
独立係数も満足率(良い)も高い項目としては「16)担当教員の熱意」が例としてあげられる
(図2)。この項目は独立係数(0.5285)も満足率(良い)(80.6%)も第1位であった。即ち,
374 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度調査-2010年度1学期を中心に-:阿保 雅行
この項目は授業の総合的評価を高める最も重要な要因であると共に, 一番高い満足率(良い)
を示していた。受講生から高く評価された項目であったと推察される。
一方, 独立係数は比較的高いが満足率(良い)が比較的低い項目としては,「19) リポート のテーマ(課題)」が例としてあげられる。この項目の独立係数(0.4666)は第
6位であったが,
満足率(良い)(62.6%)は第
9位であった。即ち,この項目は授業の総合評価を高める要因の 1つであるにもかかわらず,相対的に低い満足率(良い)となっているので,今後,改善すべ き項目の1つであろう。
図
2満足率(良い)と独立係数の関係
3.4.2.改善度指数
菅(2004)の方法によって,まず満足率偏差値と独立係数偏差値を算出して図示し(図3),
次に改善度指数を算出した(図4)。値が正(プラス)の項目が今後改善すべき項目である。
具体的には「19) リポートのテーマ(課題)(2.92)」「3) 下駄箱付近(含シューズ・ボック
ス)のきれいさ(2.71)」「8) 体力・体組成等に関する測定器具の種類や質(1.80)」「10) 授
業1コマの時間配分(集合から解散まで)(1.71)」「17) 学習意欲が湧く授業(1.53)」「4)
更衣室やシャワー室, トイレのきれいさ(1.46)」「18) 学生が設定した目標を支援するような
授業(1.01)」「6) 授業で使うスポーツ用具の種類や質(0.53)」「16) 担当教員の熱意(0.33)」
「14) 教育機器(黒板やビデオ等)の活用(0.14)」「7) トレーニングセンター内の器具の種 類や質(0.01)」の
11項目であった。ところで,菅(2006)によると,「改善度指数が5以上 の場合は要改善,10 以上は即改善」であることから,即改善の項目や要改善の項目は認められ なかった。なお,改善度指数が5未満の場合は要改善でないとしても,準改善項目として認識 して授業の運営を行うべきであろう。
一方,改善度指数の値が負(マイナス)の項目は改善不要である。具体的には「12) 学生間 で学びあえるような授業(-3.59)」「13) 個人の体力や技能レベルに応じた授業(-2.97)」「1) 授業に関する掲示板の場所(体育館玄関)(-2.64)」「2) 授業に関する掲示の方法(ホワイト ボードで)(-2.27)」「5) 授業を行う体育施設のきれいさ(掃除状況)(-1.49)」「9) 授業 1単位の構成内容(第1コマ~最終コマ) (-0.63)」「15) 担当教員の専門性(-0.30)」「11) 学 生が主体的に学べることのできる授業(-0.29)」の8項目であった。
図
3満足率偏差値と独立係数偏差値の関係
376 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度調査-2010年度1学期を中心に-:阿保 雅行
図
4改善度―改善度指数―
3.5.5.因子と準改善項目・改善不要項目の関係
即改善項目(改善度指数
10以上)と要改善項目(改善度指数5以上)は, 前述で示したよう に, 抽出されなかったので, ここでは各因子と準改善項目・改善不要項目の関係について検討す る(表5)。
第1因子(学習指導)については, 準改善項目の「19) リポートのテーマ(課題)(2.92)」
等の4項目と改善不要項目(改善度指数がマイナス)の「12) 学生間で学びあえるような授業
(-3.59)」等の4項目から構成されていた。第2因子(教師の資質)については, 準改善項目 の「17) 学習意欲が湧く授業(1.53)」等の3項目と改善不要項目の「15) 担当教員の専門性
(-0.30)」から構成されていた。第3因子(用器具)については, 準改善項目の「8) 体力・体 組成等に関する測定器具の種類や質(1.80)」等の3項目から構成されていた。第4因子(付 帯施設の清潔さ)については, 準改善項目の「3) 下駄箱付近(含シューズ・ボックス)のきれ いさ(2.71)」等の2項目と改善不要項目の「5) 授業を行う体育施設のきれいさ(掃除状況)
(-1.49)」から構成されていた。 第5因子(授業の連絡方法)については, 改善不要項目の「1) 授業に関する掲示板の場所(体育館玄関)(-2.64)」「2) 授業に関する掲示の方法(ホワイト ボードで)(-2.27)」から構成されていた。
以上のことから, 4因子(学習指導, 教師の資質, 用器具, 付帯施設の清潔さ)に係わる準改
善項目については, 今後, 改善不要の項目(改善度指数がマイナス)になるよう努力すべきであ
ると考える。一方,第5因子(授業の連絡方法)に係わる2項目については, 改善不要である
ので現状の方法で今後も進めていくことができると推察される。
表
5スポーツ・身体運動基礎科目の満足度・改善度
満足度の区分
# 1.悪い 2.普通 3.良い 独立係数 満足率 修正 改善度 因子 % % % 独立係数 偏差値 偏差値 距離 角度 指数 指数 番号
1) 7.8 50.2 42.0 0.1631 35.25 41.06 17.25 103.78 -0.153 -2.64 5 2) 6.9 45.4 47.7 0.2155 39.40 44.36 12.01 106.98 -0.189 -2.27 5 3) 54.1 29.7 16.2 0.1235 32.11 26.11 29.85 81.82 0.091 2.71 4 4) 36.3 39.0 24.7 0.1510 34.29 31.05 24.61 84.67 0.059 1.46 4 5) 13.0 34.2 52.8 0.2750 44.10 47.35 6.47 110.79 -0.231 -1.49 4 6) 4.4 37.6 58.0 0.3679 51.46 50.34 1.49 58.01 0.355 0.53 3 7) 3.7 53.4 42.9 0.2434 41.60 41.57 11.90 89.91 0.001 0.01 3 8) 3.0 42.6 54.4 0.3639 51.14 48.27 2.07 11.55 0.872 1.80 3 9) 4.6 23.5 71.9 0.4376 56.97 58.38 10.90 95.24 -0.058 -0.63 1 10) 5.0 22.8 72.2 0.5057 62.36 58.59 15.05 79.78 0.114 1.71 1 11) 1.7 23.0 75.3 0.4721 59.70 60.34 14.18 91.82 -0.020 -0.29 1 12) 3.4 26.7 69.9 0.3501 50.04 57.24 7.24 134.65 -0.496 -3.59 1 13) 3.2 28.8 68.0 0.3511 50.13 56.11 6.11 133.79 -0.487 -2.97 1 14) 6.2 49.8 44.0 0.2549 42.51 42.19 10.82 88.81 0.013 0.14 2 15) 2.0 22.9 75.1 0.4704 59.57 60.24 14.01 91.92 -0.021 -0.30 2 16) 1.4 18.0 80.6 0.5285 64.17 63.43 19.52 88.46 0.017 0.33 1 17) 1.6 25.6 72.8 0.5046 62.27 58.89 15.16 80.93 0.101 1.53 2 18) 2.5 37.5 60.0 0.3957 53.66 51.47 3.94 66.89 0.257 1.01 2,1 19) 2.0 35.4 62.6 0.4666 59.27 53.03 9.75 83.03 0.300 2.92 1
平均値 57.4 0.3495 標準偏差 17.3 0.1283 20) 0.9 19.6 79.5
注1)標本数( n=562 )
注2)因子番号とは、表3と表4にみる因子の番号である。
注3)項目
1) 授業に関する掲示板の場所(体育館玄関) 11) 学生が主体的に学べることのできる授業 2) 授業に関する掲示の方法(ホワイトボーで) 12) 学生間で学びあえるような授業 3) 下駄箱付近(含シュ-ズ・ボックス)のきれいさ 13) 個人の体力や技能レベルに応じた授業 4) 更衣室やシャワー室、トイレのきれいさ 14) 教育機器(黒板やビデオ等)の活用 5) 授業を行う体育施設のきれいさ(掃除状況) 15) 担当教員の専門性
6) 授業で使うスポーツ用具の種類や質 16) 担当教員の熱意 7) トレーニングセンター内の器具の種類や質 17) 学習意欲が湧く授業
8) 体力・体組成等に関する測定器具の種類や質 18) 学生が設定した目標を支援するような授業 9) 授業1単位の構成内容(第1コマ~最終コマ) 19) リポートのテーマ(課題)
10) 授業1コマの時間配分(集合から解散まで) 20) 総合的評価
378 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度調査-2010年度1学期を中心に-:阿保 雅行
4.まとめ
本稿の目的は, 2010 年度1学期におけるスポーツ・身体運動基礎科目の受講生を対象とした アンケート調査から, 授業運営に関する満足度や改善度を数値化することにあった。次の2点 に大きくまとめられる。
(1)満足度―満足率(良い)の視点から―
① 総合的評価の満足度は,満足率(良い)の視点からいうと,79.5%であった。
② 各項目の満足率(良い)については,80%台は「16) 担当教員の熱意(80.6%)」の1項目,
70%台は「11)
学生が主体的に学べることのできる授業(75.3%)」「15) 担当教員の専門性
(75.1%)」等の5項目, 60%台は「12) 学生間で学びあえるような授業(69.9%)」「13) 個 人の体力や技能レベルに応じた授業(68.0%)」等の4項目, 50%台は「6) 授業で使うスポー ツ用具の種類や質(58.0%)」「8) 体力・体組成等に関する測定器具の種類や質(54.4%)」
等の3項目, 50%未満は「2) 授業に関する掲示の方法(ホワイトボードで)(47.7%)」「14) 教育機器(黒板やビデオ等)の活用(44.0%)」等の6項目であった。
(2)改善度―改善度指数の視点から―
① 即改善(改善度指数
10以上)と要改善(改善度指数5以上)の項目は1つも抽出されなか った。
② 改善度指数が5未満の項目は, 「19) リポートのテーマ(課題)(2.92)」「3) 下駄箱付近
(含シューズ・ボックス)のきれいさ(2.71)」「8) 体力・体組成等に関する測定器具の種類 や質(1.80)」等の
11項目であった。これらの項目は,要改善でないとしても,準改善項目と して認識して授業運営を行うべきであろう。
③ 一方,改善不要(改善度指数の値がマイナス)の項目は, 「12) 学生間で学びあえるような 授業(-3.59)」「13) 個人の体力や技能レベルに応じた授業(-2.97)」「1) 授業に関する掲示 板の場所(体育館玄関)(-2.64)」等の8項目であった。
④ 因子分析の結果, 授業運営に関する測定項目の構造は「学習指導」「教員の資質」「用器具」
「付帯施設の清潔さ」 「授業の連絡方法」の5因子から構成されていることが明らかになった。
これらの5因子を改善度指数との関係からみると, とりわけ「授業の連絡方法」については, 今
後, 維持戦略で対応することができる。一方, 他の4因子に係わる準改善項目については, 向上
戦略的視点から対応する必要があると考える。
<謝辞>
末筆ではあるが, アンケート調査の実施にあたって, 快く貴重な時間をさいて協力していた だいた非常勤講師の皆様に厚く感謝の意を表する次第である。
<付記>
本研究は, 2010 年度(平成
22年度)学部教育研究特別経費(競争的経費)によって行われた 研究成果の一部である。尚, 巻末の資料1と資料2にみる満足率(良い)と改善度指数のデー タについては, 学部教育研究特別経緯費(2006 年度, 2007 年度, 2008 年度, 2009 年度)によって 行われた研究成果の一部である。
<文献>
阿保雅行, 2005, 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度と改善度について-2004年度のアンケート調 査を中心に-,『東京外国語大学論集』70, pp. 235-248.
阿保雅行, 2007a, 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度と改善度について-2006年度1学期のアン ケート調査を中心に-, 『東京外国語大学論集』73, pp.185-195.
阿保雅行, 2007b, 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度と改善度について-2007年度1学期のアン ケート調査を中心に-, 『東京外国語大学論集』75, pp. 293-303.
阿保雅行, 2008, 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度と改善度について-2008年度1学期のアンケ ート調査を中心に-,『東京外国語大学論集』77, pp. 317-331.
菅 民郎, 2004, 「すべてが分かるアンケートデータの分析」, 現代数学社.
菅 民郎, 2006, 「らくらく図解統計分析教室」, オーム社.
380 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度調査-2010年度1学期を中心に-:阿保 雅行
<資料>
満足率(良い)と改善度指数の推移:2006 年度~2010 年度
資料
1満足率(良い)の推移:2006 年度~2010 年度 (単位:%)
項目
2006年度 1学期 2学期 n=663 n=560
2007年度 1学期 2学期 n=690 n=621
2008年度 1学期 2学期 n=575 n=311
2009年度 1学期 2学期 n=560 n=315
2010年度 1学期 2学期 n=562 n=230 1)
2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 12) 13) 14) 15) 16) 17) 18) 19) 20)
35.6 40.2 35.7 45.5 16.3 25.2 25.2 34.1 52.8 59.1 55.1 60.5 48.1 55.4 52.5 58.8 61.4 71.8 62.4 71.6 69.5 77.5 66.4 70.5 64.1 74.3 34.7 46.8 65.8 75.0 72.2 82.3 67.3 75.5 53.7 62.0 48.7 59.5 79.0 86.6
37.0 45.7 39.3 49.6 21.2 28.7 31.6 35.3 55.5 60.7 58.6 60.9 48.8 54.1 57.7 58.6 71.4 70.7 69.3 71.2 72.8 74.6 69.7 71.5 65.1 67.1 42.0 45.2 76.7 77.8 83.0 84.2 74.2 76.5 60.3 64.1 61.9 65.7 85.1 87.1
37.0 38.6 46.8 44.7 26.8 23.2 30.6 40.2 60.3 62.1 60.0 62.1 48.0 56.3 53.6 58.8 69.7 67.5 68.9 65.6 72.7 72.0 68.0 64.0 63.5 66.6 41.9 41.8 73.2 71.4 81.2 80.7 68.9 71.1 57.4 62.7 52.9 61.4 75.8 77.5
37.9 49.2 41.1 58.1 16.3 25.7 21.1 34.9 56.1 61.0 59.3 66.7 52.3 56.2 60.2 61.6 74.6 75.6 73.4 76.2 75.4 78.7 72.9 70.8 72.0 72.1 50.5 48.9 78.8 71.7 84.3 81.0 76.4 78.7 63.6 70.2 57.3 64.4 79.6 79.7
42.0 45.2 47.7 58.7 16.2 27.8 24.7 40.9 52.8 69.1 58.0 70.9 42.9 43.5 54.4 51.3 71.9 75.2 72.2 75.2 75.3 80.4 69.9 78.3 68.0 73.0 44.0 50.9 75.1 84.3 80.6 89.6 72.8 81.3 60.0 67.4 62.6 77.0 79.5 87.4 注1)項目
1) 授業に関する掲示板の場所(体育館玄関) 11) 学生が主体的に学べることのできる授業 2) 授業に関する掲示の方法(ホワイトボード) 12) 学生間で学びあえるような授業 3) 下駄箱付近(含シュ-ズ・ボックス)のきれいさ 13) 個人の体力や技能レベルに応じた授業 4) 更衣室やシャワー室、トイレのきれいさ 14) 教育機器(黒板やビデオ等)の活用 5) 授業を行う体育施設のきれいさ(掃除状況) 15) 担当教員の専門性
6) 授業で使うスポーツ用具の種類や質 16) 担当教員の熱意 7) トレーニングセンター内の器具の種類や質 17) 学習意欲が湧く授業
8) 体力・体組成等に関する測定器具の種類や質 18) 学生が設定した目標を支援するような授業 9) 授業1単位の構成内容(第1コマ~最終コマ) 19) リポートのテーマ(課題)
10) 授業1コマの時間配分(集合から解散まで) 20) 総合的評価
資料
2 改善度指数の推移:2006 年度~2010 年度 (単位:改善度指数)項目
2006年度 1学期 2学期 n=663 n=560
2007年度 1学期 2学期 n=690 n=621
2008年度 1学期 2学期 n=575 n=311
2009年度 1学期 2学期 n=560 n=315
2010年度 1学期 2学期 n=562 n=230
1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 12) 13) 14) 15) 16) 17) 18) 19)
-0.47 1.32 -0.15 -0.43 5.15 2.29 3.38 1.11 -4.53 -2.61 -5.98 -1.51 -4.17 -3.02 -5.75 -2.87 -0.88 0 0.75 0 -1.01 -2.08 -0.73 -0.18 -0.88 -1.68 1.62 0.12 0.69 -0.85 -0.53 -4.36 3.68 5.09 4.46 4.29 4.00 4.98
-0.56 -0.65 -0.49 -0.74 2.73 3.49 3.09 4.51 -0.92 -2.95 -2.58 -3.45 -0.61 -4.29 -4.95 -5.72 -1.71 -0.88 -0.72 -0.28 -1.03 -0.13 -1.13 2.70 -2.84 0.18 0.97 4.16 -0.62 -1.29 -1.56 -2.13 5.99 2.75 2.79 1.97 2.68 1.86
-0.19 3.07 -1.96 1.13 1.49 4.8 0.44 -0.42 -4.52 -4.54 -2.88 -4.13 -0.75 -4.87 0.70 -2.85 0.28 -1.97 0.05 0.38 -0.12 0.27 -2.76 -0.55 0.67 -0.57 1.20 1.75 0.44 1.59 -0.30 3.61 1.10 2.27 3.53 0 2.18 -2.88
-0.36 1.28 -0.99 -0.98 2.91 3.31 2.99 2.05 0.76 -3.19 -1.48 -3.40 -3.75 -2.24 -3.22 1.36 0.64 -2.21 -3.06 -2.81 0.33 -1.21 1.88 -5.79 -0.70 -3.37 -0.25 0.93 -3.23 0.13 0.25 3.59 4.32 0.86 1.57 1.10 0.80 8.11
-2.64 1.69 -2.27 1.00 2.71 3.30 1.46 2.59 -1.49 -3.52 0.53 -8.84 0.01 0.17 1.80 -0.88 -0.63 5.38 1.71 -0.12 -0.29 4.04 -3.59 -3.63 -2.97 0.36 0.14 -1.00 -0.30 -1.98 0.33 -4.03 1.53 0.39 1.01 3.45 2.92 -0.85 注1)改善度指数「5」以上(要改善)の項目に下線が引かれている。
注2)項目については資料1を参照のこと。
382 本学におけるスポーツ・身体運動基礎科目の満足度調査-2010年度1学期を中心に-:阿保 雅行
The Satisfaction of the Physical Education of Tokyo University of Foreign Studies in the First Term of 2010
ABO Masayuki
The purpose of this study was to analyze the satisfaction and improvement of the students on the management of the physical education of Tokyo University of Foreign Studies in the first term of 2010.
The nineteen items which is based on the theoretical model were divided into five scopes: (a) facility cleaning, (b) equipment and sporting goods, (c) identity of student, (d) teacher's leadership, and (e) method of information service.
The author has received 593 answers to the questionnaires at the final week of the first term in 2010, and used 562 answers as samples.
The author used the Kan's methods of the customer satisfaction survey and the method of the factor analysis.
The main results were as follows:
1)The Satisfaction Index of synthetic evaluation for the physical education was 79.5 %.
2) There were eleven items dealing with the improvement of the management for the physical education.
3) The factor analysis yielded a solution with five factors which accounted for 61.6% of the variance. The five factors were conceptually labeled 'Teaching Method', 'Teacher's Quality', 'Equipment and Sporting Goods', 'Cleaning of Extensive Facility', and 'Methodof Information Service'.
4) It was clear that the factor about 'Method of Information Service'' belonged to the retention strategy.