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1-1.研究の背景と目的

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1-1. 研究の背景と目的

1-1-1. 研究の背景

1-1-1-1. 都市における大学の役割

 大学は都市によって育成され、また都市を熟成させる機能を持ち、両者は不可分の関係にあ ると考えられる。

注1) 注2)

 近年、ハーバード大学   やペンシルベニア大学   等の米国の大学では、一般市民との接点 のある大学施設が周辺地域に配置されることはもとより、それらを通じた各種都市機能とのコ ラボレーションの推進、大学経営の促進など、大学と地域の一体的整備を積極的に進め、注目 すべき成果を挙げている。

 一方、日本においても、地域に開かれた大学像が指向され、周辺地域に教育・研究等のサテ ライト施設を構える大学が増えてきている。

 今後、従来の「キャンパス」と呼ばれる空間的枠組にとらわれることなく、都市空間の中に 大学機能が点在化していき、大学施設の整備に対する改善策が地域整備を行っていく上でも重 要な意味合いを持つことは、時代の潮流だと考えられる。

1-1-1-2. 都市と大学の連携

 日本においては、1918 年に「大学令」  が公布され、帝国大学以外にも官立の単科大学、公注3)

私立の大学が認可された。また、第二次世界大戦を経て、1947 年に「学校教育法」  が公布さ注4)

れ、全ての高等教育機関は一定の自治権を持った大学として制度化されると共に、1949 年に

「新制大学制度」  が発足され、数多くの大学が設置された。以後、高等教育機関の場として、注5)

多様な形態の大学キャンパス(以下、キャンパス)が計画・開設された。

 しかしながら、1960 年代以降以下のような要因   により、都心から郊外にキャンパスを移注6)

転する大学の数が増加した。

1)「首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律」及び「近畿圏の既成都市区域に おける工場等の制限に関する法律」(以下、工業(場)等制限法) 注7)

2)「大学設置基準」及び「短期大学設置基準」(以下、設置基準) 注8)

3)都心のキャンパスが概して狭小なこと及び、校舎や設備の老朽化  注9)

(2)

4)地価  注10)

5)分散キャンパスの統合  注11)

6)市街化調整区域内に所有する土地の既得権による開発のタイムリミット  注12)

7)学生の募集・就職、非常勤講師の確保  注13)

 都心に立地する大学も、キャンパスの周辺地域における生活支援施設が減少するなど、大学 と周辺地域の関係は希薄化しつつあり、「学生街」という表現も今ではあまり耳にしなくなって いる。

 しかし近年、産学連携や社会人を中心とした高度な専門的知識・技術取得等の必要性は高ま る一方で、そのニーズに応えるため、1999 年には、大学院が工業(場)等制限法における制限 施設から除外された。2001 年には、産学連携が第 1 期に引き続いて第 2 期科学技術基本計画の

注14) 注15)

柱の一つになる   と共に、内閣に設置された「都市再生本部」  が大学など高等教育機関等 と各種都市機能の連携・一体化を都市再生の重要な課題として掲げるようになった。2002年に は、文部科学省が国立大学の地域貢献に際して、特に優れた取り組みを重点的に支援するため、

注16) 注17)

「地域貢献特別支援事業費」  を創設すると共に、工業(場)等制限法が廃止される   まで に至った。

 今後、都市と大学の連携に基づく新たな地域のあり方を模索することが、両者にとって求め られている。

1-1-2. 研究の目的

 本研究は、上記のような研究の要請に対して、早稲田大学「西早稲田キャンパス」及びその 周辺地域を対象に、「学生街」の変容過程を明らかにし、衰退した「学生街」を大学の教育・研 究・社会貢献機能と学生・教職員の生活支援機能が集積した「大学まち」として再生するため の課題を解明することを目的とする。

 具体的には、以下のようなことが細目的として挙げられる。

1)生活支援施設の推移、学生生活の変遷、周辺地域商店主の意識より、周辺地域の変遷に関す る分析を行い、「学生街」が衰退してきたことを明らかにする。

2)キャンパス整備指針の特徴を把握し、学外施設の計画に関する指針の必要性を導き出す。

(3)

3)学外施設の計画決定プロセスに対する大学と周辺地域側の意識の相違を明らかにすると共 に、大学施設の学外展開に関する傾向を明らかにする。

4)周辺地域におけるまちづくり活動の歩みを把握した上で、まちづくり活動への不参加に繋が る要因を明らかにする。

5)周辺地域商店主が生協に対する批判的意識を有していることを明らかにすると共に、生協経 営の衰退原因を明らかにする。

6)キャンパスの形成段階を整理すると共に、衰退した「学生街」を「大学まち」として再生す るにあたっての考え方を整理する。

7)上記の考え方を踏まえた今後の課題を、2)3)4)5)の分析結果を基に導き出す。

(4)

1-2. 研究の枠組と対象

1-2-1. 研究の枠組

 大学をとりまく諸論点は、教育・研究機能の視点より、「大学の本務としての教育」「学術振 興のための調査・研究」「地域社会の諸問題の調査・研究」に大別することができる。

 また、社会貢献・生活支援機能の視点よりは、「キャンパス整備」「周辺地域整備」「地域活動 への協力」「地域経済への寄与」に大別することができると考えられる(表 1-1)。

 本研究は、「1-1-1-1. 都市における大学の役割」でもふれたように、大学は都市によって育 成され、また都市を熟成させる機能を持つという論点に立ち、それと密接に関係があると考え られる教育・研究機能における「地域社会の諸問題の調査・研究」及び、社会貢献・生活支援 機能における「キャンパス整備」「周辺地域整備」「地域活動への協力」「地域経済への寄与」に 主眼を置くこととする。

1-2-2. 研究の対象

1-2-2-1. 早稲田大学「西早稲田キャンパス」

 早稲田大学「西早稲田キャンパス」(以下、西早稲田キャンパス)の選定理由を以下に示す。

表 1-1 研究の枠組

地域イベントや自主講座、地域社会の交 流会など、地域における諸活動へ協力す ることを指す。

周辺地域商店街の活性化や中小ベン チャー企業の育成など、地域経済の活性 化のために地域をマネジメントすること を指す。

地域活動への協力

地域経済への寄与

高等教育機関としての大学が、学生に対 して教育活動を行い、人材を育成するこ とを指す。

地域社会の問題とは関係の薄い学術振興 を主な目的とする調査・研究活動のこと を指す。

建築単体とキャンパス、ひいてはキャン パスとその周辺地域との調和を保ち、地 域住民の生活と大学が相互に入り組むシ ステムを図ることを指す。

本研究の枠組 大学の本務としての教育

学術振興のための調査・研究

地域特有の社会問題や自然条件、資源、

産業、伝統文化など、ローカルティーの ある研究課題を長年にわたって追求する ことを指す。

地域社会の諸問題の調査・研究

キャンパス整備 周辺地域整備

(5)

1)百年を超える長い歴史を有する創立以来の敷地でありながら、都市の中に立地しつづけてき ている。

2)キャンパスが受け継いできた空間構成原理を導き出すと共に、キャンパス計画の原則を掲 げ、キャンパスの将来像を提示するキャンパス整備指針を有している。

3)大学や高専における学生消費組合の本格的発展の第一歩とも言える「東京学生消費組合」の 最初の支部が前身であり、50 年を超える歴史を誇る日本における最も古い生協の一つである

「早稲田大学生活協同組合」(以下、早大生協)が設立された敷地である。

1-2-2-2. 早稲田大学「西早稲田キャンパス」周辺地域

 早稲田大学「西早稲田キャンパス」周辺地域(以下、周辺地域)の選定理由を以下に示す。

1)全早大生協施設(32 個所)の約半数が西早稲田キャンパスと周辺地域(15 個所)に集中し ており(図 7-14)、その影響を強く受けている地域である。

2)現在、行政に先立ち、多くのまちづくり組織・団体が発足し、それらを中心に大学と連携し た様々なまちづくり活動が行われているなど、日本における先進的位置付けにある。

3)46 個所に及ぶ様々な学外施設が周辺地域に立地しており(図 5-4、表 5-3)、その影響を強 く受けている地域である。

(6)

1-3. 研究の構成と方法

1-3-1. 研究の構成

 本研究は、大きく序論、本論、結論、総括で構成される。

 序論は、第 1 章、第 2 章、第 3 章から成り、本研究を進めるにあたっての基礎的な事項につ いて述べると共に、「学生街」が衰退してきたことを明らかにする。

 本論は、第 4 章、第 5 章、第 6 章、第 7 章から成り、研究の着眼点に基づく研究課題を設定 し、詳細な分析を行う。

 結論は、第 8 章から成り、衰退した「学生街」を「大学まち」として再生整備するにあたっ ての課題を導き出す。

 総括は、終章から成り、本研究における分析内容、分析結果について整理し、各章を総括す る。

 研究の章及び節ごとの流れを図 1-1 に示す。

1-3-2. 研究の方法

 本研究の各章ごとの方法を以下に示す。

1)第 1 章

 研究の背景と目的、研究の枠組と対象、研究の構成と方法、研究の用語について述べる。

2)第 2 章

 審査付論文集における約30年間の論文を対象とし、分類フレームの設定を行い、これまで建 築・都市計画の観点から大学について論じた既往研究の趨勢を把握する。

 次に、それぞれの分類フレームに求められる課題を把握し、研究の着眼点を導き出す。

 また、研究の位置付けを整理すると共に、研究対象の適切性を確認する。

3)第 3 章

 周辺地域における生活支援施設の推移を施設数及び施設面積より明らかにすると共に、学生 生活の変遷を学生居住及び学生支出より把握する。次に、周辺地域の変遷に関する周辺地域商 店主の意識を抽出する。

 以上より、「学生街」が衰退してきたことを明らかにする。

(7)

図 1-1 研究のフロー

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

序論

本論

結論

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

総括

第8章 大学まちの再生整備 8-1.「大学まち」再生の考え方 8-2.「大学まち」再生における課題 8-3.小結

研究の着眼点に基づく「大学まち」再生の模索

課題の抽出 4-1.キャンパス整備指針策定の経緯

4-2.西早稲田キャンパス整備指針の構成 4-3.西早稲田キャンパス整備指針の特徴 4-4.小結

第4章 キャンパス整備指針の特徴

7-1.生協職員の意識 7-2.周辺地域商店主の意識 7-3.生協に対する批判的意識 7-4.生協経営の仕組み 7-5.生協経営の変遷 7-6.生協経営の衰退 7-7.小結

第7章 生協に対する周辺地域商店主の意識と生協経営 第6章 まちづくり活動への参加意識

6-1.まちづくり活動の歩み 6-2.まちづくり活動への意識 6-3.まちづくり活動への不参加の要因 6-4.小結

大学施設の整備 周辺との連携

終章 まとめ

第2章 既往研究の総括と研究の着眼点 2-1.既往研究の総括

2-2.研究の着眼点と位置付け 2-3.研究対象の確認

第1章 はじめに 1-1.研究の背景と目的 1-2.研究の枠組と対象 1-3.研究の構成と方法 1-4.研究の用語

第3章 周辺地域の変遷 3-1.生活支援施設の変遷 3-2.学生生活の変遷 3-3.周辺地域商店主の意識 3-4.「学生街」の衰退

5-1.学外施設の計画過程 5-2.計画過程に関する意識 5-3.計画過程における問題点 5-4.学外施設の計画内容 5-5.計画内容に関する意識 5-6.小結

第5章 大学施設の学外展開に関する傾向と意識

周辺地域商店と競合する象徴的存在とされてきた生協を 取り上げ、周辺地域商店主が生協に対する批判的意識を 有していることを明らかにすると共に、生協経営の衰退 原因を明らかにする。

周辺地域におけるまちづくり活動の歩みを把握した上 で、まちづくり活動への不参加に繋がる要因を明らかに する。

キャンパス整備指針の特徴を把握し、学外施設の計画に 関する指針の必要性を導き出す。

学外施設の計画決定プロセスに対する大学と周辺地域側 の意識の相違を明らかにすると共に、大学施設の学外展 開に関する傾向を明らかにする。

大学と周辺地域の関係の希薄化

(8)

6)第 4 章

 筆者が策定に参画してきた「早稲田大学西早稲田キャンパス整備指針」(以下、西早稲田キャ ンパス整備指針)を事例として取り上げ、指針策定の経緯を整理すると共に、空間構成原理に 基づくキャンパス計画の原則を把握し、「ゾーニング」「ネットワーク」「ランドマーク」

「エッジ」「オフ・キャンパス」の 5 つの側面における特徴を明らかにする。

7)第 5 章

 学外施設の計画決定プロセスを把握すると共に、それに関する大学と周辺地域側の意識の相 違を抽出し、問題点を明らかにする。

 また、上記の問題点を解決するために、既存の全学外施設を対象とし、「所有形態」「用途」

「規模」「場所」の 4 つの分野より詳細な分析を行い、大学施設の学外展開に関する傾向を明ら かにする。

4)第 6 章

 これまでに周辺地域側で取り組まれたまちづくり活動を、「教育・研究」「組織・施設」「集会・

イベント」の 3 つの分野より把握する。

 また、その中で、特に大学との連携の下で積極的に活動が行われてきた「集会・イベント」分 野に着目し、まちづくり活動への参加意識の強弱について、「活動への動機づけ」「活動の姿勢」

「成果の評価」「成果の広報」の 4 項目より明らかにする。

 以上より、まちづくり活動への不参加に繋がる要因を明らかにする。

5)第 7 章

 生協と周辺地域の連携に関する早大生協職員(以下、生協職員)と周辺地域商店主の意識を 抽出し、周辺地域商店主が早大生協に対して批判的意識を有していることを明らかにする。

 また、周辺地域商店主の早大生協に対する批判的意識の主な原因として掲げられる早大生協 の経営状態に関する分析を行い、生協経営の衰退原因を明らかにする。

8)第 8 章

 これまでの分析内容を踏まえ、早稲田大学のキャンパスの形成段階を整理すると共に、衰退 した「学生街」を「大学まち」として再生するにあたっての考え方を整理し、それに基づく課 題を導き出す。

9)終章

 本研究における分析内容、分析結果について整理し、各章を総括する。

(9)

1-4. 研究の用語

1-4-1.「大学まち」に関する用語

1)学内

 早稲田大学施設の周辺地域への展開が顕著になる 1985 年(図 5-6)以前より、周辺地域と明 確に境界付けられている現在(2002 年 8 月)の敷地内部を指す。

 大きく、西早稲田キャンパス、戸山キャンパス、喜久井町キャンパス、材料技術研究所に分 類される(図 3-1)。

2)周辺地域

 学内を取り囲み、「大隈通り商店会」「早大西門体育館通り商店会」「早稲田大学南門通り商店 会」「早稲田商店会」「ワセダグランド商店会」「早稲田駅前商店会」「グリーンベルト商栄会」の 7つの商店会で構成される「早稲田大学周辺商店連合会」(以下、周辺商店連合会)  がすべて注18)

含まれる南北約 800m、東西約 1,300m の地域を指す(図 3-1)。

3)学外施設

 周辺地域に立地し、早稲田大学が所有もしくは賃貸借している施設を指す(表 1-2)。

4)学生街

 生活支援施設を含んだ周辺地域を「学生街」と定義する。生活支援施設に関しては、「3-1. 生 活支援施設の変遷」で言及することとする。

5)大学まち

 「大学まち」という概念は、これまでに明確な定義が提示されていない状況である。本研究

表 1-2 早稲田大学施設の構成

学内

*1 学校法人早稲田大学の100%もしくは一部出資による組織で、学校法人早稲田大学と組織的な繋がりを有する   組織を示す。

周辺地域

所有者

場所 使用者

大学 生協 大学 生協

系列組織 (賃貸)

個人・民間企業(賃貸)

大学(賃貸)

学校法人 早稲田大学

個人・民間企業

*1 本研究の対象とする

施設(学外施設)

(10)

表 1-3 生協の経営に関する用語の定義 図 1-2 「大学まち」に関する用語の概念図

では、「1-1-2.研究の目的」でもふれたように、大学の教育・研究・社会貢献機能と学生・教 職員の生活支援機能が集積した地域を「大学まち」と定義する。

 「大学まち」に関する用語の概念図を図 1-2 に示す。

1-4-2. 生協に関する用語

1)生協

 生協は、地域購買生協、職域生協、大学生協、医療生協、広域生協(その他の生協グループ)

に分けられるが   、本研究での生協とは、大学生協を指す。注19)

 生協の経営に関する用語の定義   を表 1-3 にまとめる。注20)

学内施設

用語の概念 学内

大学の教育・研究・社会貢献機能と学生・教職員の生活支援機能の集積 ⇨ 「大学まち」の形成

西早稲田キャンパス

学内施設

周辺地域

学外施設 生活支援施設

学内施設 その他 戸山キャンパス

学内施設

+

余暇施設 宿泊施設 飲食施設 学習支援施設 材料技術研究所

喜久井キャンパス

「学生街」

マンション オフィスビル など

剰余

事業剰余 経常剰余 当期純剰余

生協の目的とする事業活動から生じた利益に経費(分担費、人件費、物件費)を差引いた 額を指す。事業活動の成果を示す。

事業剰余に事業外収益  、事業外費用  を差引いた額を指す。経営成績を示す。

経常剰余に特別損益  や納付義務が確定した法人税、住民税、事業税を差引いた額を指 す。剰余金処分の対象となる。

*3

*1 *2

経費

物件費 人件費

分担費 事業連合に支払った業務委託費用を指す。

事業経費のうち、人に関わる費用を指す。

事業経費のうち、人件費・分担費以外の費用を指す。

生協店舗で商品やサービスを提供し、組合員がそれを購入したり、利用したりすることを 供給と言い、その購入・利用の金額を供給高と言う。

供給高

*1 預金利息収入など、事業活動以外で生じた利益を指す。

*2 借入金利息、商品破損など、事業活動以外で生じた費用を指す。

*3 臨時的、異常な収益や損失の額を指す。

(11)

1-4-3. その他

1)空間構成原理

 キャンパス・プランの変遷とそれに影響を与えたと思われる計画理念から考察される基本的 な法則を指す。

2)まちづくり活動

 地域振興・コミュニティづくりの支援を目的とした教育や福祉、防災、環境整備等の分野に おける諸活動を指す。ただし、利益追求等を伴う商業活動は除く。

(12)

注記

注 1)HarvardPlanning+theAllstonInitiative、HarvardRealEstateServicesが中心と なって整備を進めており、その具体的な事例は、http://www.hpreweb.harvard.edu/ に公開されてい る(2004 年 1 月現在)。

注 2)DivisionofRealEstate が中心となって整備を進めており、その具体的な事例は、URL は、http:/

/www.upenn.edu/president/westphilly/に公開されている(2004 年 1 月現在)。

注 3)1918 年 12 月に公布され、1919 年 4 月より施行された。また、「学校教育法」により、1933 年 4 月 をもって廃止された。

注 4)第二次世界大戦後の教育改革の一環として制定された法律である。この法によって戦前の大学と専 門学校は、全て大学又は短期大学となり、かつそれらには、学校関係の重要事項を審議する機関としての 教授会の設置が義務付けられた。こうして全ての高等教育機関は自治制度を持つ大学として制度化された。

注 5)占領軍 CIE の「日本の国立大学編成の(再考せられたる)原則」11ヶ条を受け、文部省が 1948 年 6 月に「新制国立大学実施要項」11 の原則を発表、1949 年 5 月から発足した制度である。

注 6)参考文献 2)に基づく。

注 7)人口増大の主たる原因であった工場及び大学等の新設・増設を制限することにより、首都圏の既成 市街地又は近畿圏の既成都市区域への産業及び人口の過度の集中を防止することを目的とするものである。

大学・短期大学の場合、教室の床面積の合計が1,500㎡以上の施設を制限施設としている。また、工業(場)

等制限区域内では制限施設を新設・増設してはならなく、制限施設以外の施設の用途の変更や利用、教室 の床面積の増加によって制限施設となる時は、制限施設の新設とみなす、と規定している。こうした制限 の適用除外は、専ら夜間に授業を行う学校の他、知事等の特別の許可を得た場合である。それ故、既存の 制限施設は原則として教室の増築ができないので、学部や学科の新設・増設を工業(場)等制限区域外で 行わざるを得なっかた。また、工業(場)等制限区域内で大学等を新設する場合には基準面積(1,500 ㎡)

未満の小規模校に限定され、大規模な新設をする場合には郊外に立地せざるを得なかった。

注 8)「大学設置基準」には、校地及び校舎の面積の規定があり、校地面積は校舎面積の 3 倍以上としてい る(医学及び歯学の学部は別に定めている)。校舎面積は学部の種類及び収容定員の規模に応じて定めら れている。また、「短期大学設置基準」にも校地面積、校舎面積の規定がある。都心では、工業(場)等 制限法の規制を受けるために、教室を増設しないで収容定員の増員を図ると、設置基準に抵触するように なる。また、校舎面積はどうにか高層化で確保できても、校地面積を都心で確保することは困難であり、

郊外立地を促した。

注 9)キャンパスの拡張及び校舎や設備等の改善に限度のあることが、都心から郊外への移転を促した。

注 10)一定の資金で広い校地を取得するには、地価の安いことが前提となり、郊外に用地を求めさせた。

注 11)旧制の高等専門学校を統合して新制大学に昇格した大学では、前身校のキャンパスがそのまま存 続し、組織上は複数の学部を擁した総合大学でありながら、実体的には単科大学の寄せ集めであったり、

(13)

同一大学であるのに男子部と女子部が前身校のキャンパスを継承して別々にあるといったケースが見られ る。こうした事情の打開策として、郊外への統合移転が行われた。例えば、1976 年に八王子キャンパス へ全学移転を行った東京薬科大学がこの例に該当する。

注 12)1968 年の都市計画法の全面改定で、「市街化区域と市街化調整区域」の制度ができた。改正に伴 う経過措置として、市街化調整区域に都市計画決定又は変更の日から6ヶ月以内に届けたものについては、

制令で定める期限(施行令第 30 条で都市計画決定等の日から起算して 5 年)内の開発行為が許可された。

それ故、線引きで市街化調整区域となった所に土地を所有している大学等の学校法人は、既得権による開 発行為の期限に合わせてキャンパス建設が進められることとなった。

注 13)メイン・キャンパスを都心から離れた地方圏に新設・移転すると、不便な土地を受験生が嫌うた め、入学してくる学生のレベルが落ちてしまうなど、学生の募集・就職、非常勤講師等の教職員の確保な どの面において不利な立場になる危険性があり、都心の通勤通学圏である郊外への立地を促した。

注 14)第 1 期科学技術基本計画(1996 〜 2000 年)は 1996 年 7 月に、第 2 期科学技術基本計画(2001

〜 2005 年)は 2001 年 3 月に閣議決定された。

注 15)「環境、防災、国際化等の観点から都市の再生を目指す 21 世紀型都市再生プロジェクトの推進や 土地の有効利用等都市の再生に関する施策を総合的かつ強力に推進する」ことを目的として、2001年5月 に設置された。

注 16)予算規模は約 10 億円で、1 大学あたり概ね 3 千万円から 8 千万円程度である。また、以下のよう な目的を掲げている。

 ・自治体と国立大学との将来にわたる真のパートナーシップの確率  ・大学全体としての地域貢献の組織的・総合的な取り組みの推進 注 17)その具体的な理由としては、以下のようなことが挙げられる。

 ・工業(場)等制限法制定時とは異なり、近年では、日本全体において、経済のソフト化、情報化、グ  ローバル化等を背景に、製造業からサービス業へのシフト、海外への生産機能の移転等、産業構造が大  きく変化している。また、大学をめぐる状況においても、少子化の進行、大学・短期大学進学率の延び  の鈍化により、大学・短期大学の入学者数の減少が見込まれると共に、地方圏における大学への進学機  会が充実してきている。

 ・工業(場)等制限区域においても、人口増加の伸びが同法制定時に比して大幅に緩和されてきている  か減少傾向にある。また、全国的な社会・経済情勢の変化に伴い、製造業のウェイトも大きく低下して  いる。さらに、大学等についても、地方圏における教育機会の充実を反映して、大学・短期大学数及び  学生数の全国シェアが低下している。

 ・環境に係る諸制度が充実してきている。

 ・国家的課題である都市再生を進める中、新たな産業の創出と産学の連携を図る上でも、同法による規  制が阻害要因となっている。

注 18)加盟店舗の把握は、各商店会が所蔵している名簿に基づく。

(14)

注 19)東京都生活協同組合連合会のホームページによる。URL は、http://www.coop-toren.or.jp/

data/about_us.html である(2004 年 1 月現在)。

注 20)参考文献 5)に基づく。

参考文献

1)渡辺定夫:都市における大学立地整備計画に関する研究、学位論文、1984

2)大阪谷吉行:大学等の郊外立地の現状と問題点 −南関東地域の場合−、日本都市計画学会学術研究 発表会論文集 第 14 号、pp.217 〜 222、1979

3)「早大生協三十年のあゆみ」編集委員会:早大生協三十年のあゆみ −模索から発展へ−、早稲田大学 生活協同組合、1981.10

4)「早稲田大学生協五十年史」編集委員会:早稲田大学生協五十年史 −学園に広く深く根ざして−、早 稲田大学生活協同組合、2001.10

5)早稲田大学生活協同組合:通常総代会議案書、早稲田大学生活協同組合、1979 〜 2001

6)徐:日韓両国における大学キャンパスの歴史的発展過程の考察 −大学キャンパスの発展過程と空 間構成に関する研究その 1 −、日本都市計画学会学術研究論文集、pp.175 〜 180、1990

7)徐・土肥博至:都市と大学キャンパスの関係性に関する考察 日韓両国の事例研究を通して、日本 建築学会計画系論文報告集、第 452 号、pp.125 〜 132、1993.10

8)東京大学工学部建築計画室・建築学科岸田研究室:大学の空間 ヨーロッパとアメリカの大学 23 例と 東京大学本郷キャンパス再開発、鹿島出版会、1997.05

9)後藤裕:産学連携の観点から見た大学キャンパスの計画・整備に関する研究

 −

国立大学における共同 研究センターの現状と課題に関する分析

−、

日本建築学会計画系論文報告集、第 555 号、pp

.

171 〜 176、

2002.05

10)西山千明・奥田道大:21 世紀の都市型大学に向けて 立教大学「都市と大学」プロジェクト報告、時 潮社、1990.05

11)国土審議会首都圏整備分科会:「首都圏における工業等制限制度の今後の在り方について」の考え方、

国土審議会首都圏整備分科会、2001.12

12)国土審議会近畿圏整備分科会:近畿圏における工場等制限制度の今後の在り方について(報告)、国 土審議会近畿圏整備分科会、2001.12

13)李彰浩、後藤春彦、三宅諭:大学周辺地域の衰退とまちづくり活動の展開 〜早稲田大学「西早稲田 キャンパス」と周辺地域を事例として〜、日本建築学会計画系論文集 第 542 号、pp.175-182、2001.04 14)李彰浩、後藤春彦:大学生活協同組合に対する大学周辺地域商店主の意識と今後の大学まちの課題 

〜早稲田大学生活協同組合と西早稲田キャンパス周辺地域を事例として〜、日本建築学会計画系論文集 

(15)

第 560 号、pp.193-200、2002.10

15)三宅諭、後藤春彦、古谷誠章、田中智之、李彰浩:早稲田大学西早稲田キャンパス整備指針の特 徴、日本建築学会技術報告集 第 10 号、p.209-214、2000.06

(16)

図 1-1 研究のフロー○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○序論本論結論○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○総括第8章 大学まちの再生整備8-1.「大学まち」再生の考え方8-
表 1-3 生協の経営に関する用語の定義 図 1-2 「大学まち」に関する用語の概念図 では、「1-1-2.研究の目的」でもふれたように、大学の教育・研究・社会貢献機能と学生・教職員の生活支援機能が集積した地域を「大学まち」と定義する。 「大学まち」に関する用語の概念図を図 1-2 に示す。1-4-2

参照

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