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葛飾区男女平等推進審議会平成26年度第2回議事録

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(1)

平成26年度第2回 飾区男女平等推進審議会 議事録

日 時:平成27年1月8日(木)午後3時∼午後5時 会 場:飾区男女平等推進センター 3階洋室A

出席者:浅野委員、天野委員、上田委員、大山委員、戒能委員、佐々木委員、しま委員 杉江委員、坪井委員、中西委員、野田委員、向山委員、山邊委員、谷茂岡委員 柚木委員(五十音順)15名出席

事務局:内山総務部長、柴田人権推進課長、長谷男女平等推進係長、ほか男女平等推進係職 員1名

傍聴者:3名

<資料>

・資料1:「第5次男女平等推進計画策定における一考察」 ・資料2:「ジェンダー平等社会のために考える女性労働の現状」 ・資料3:「第2次かどま男女共同参画プラン」一部抜粋

・資料4:飾区男女平等推進審議会運営要領 <参考資料>

・飾区人権啓発誌「こんにちは人権」Vol.7 ・男女平等推進センター主催講座チラシ

1 開 会

事務局より資料の内容説明

2 議 事

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飾区の男女平等を進めるために、第5次計画で何を中心にやっていく必要があるか が議論のポイントだと考えているが、今日はご自由に発表・議論いただき、深めて いきたい。今日の次第にある3人の委員の方に発表いただく。発表時間は20分位、 その後質疑応答を10分行いたい。第3回の審議会では2名の委員に発表をお願い する。それではQ委員から発表をお願いしたい。

(3)

るということになった。やっぱり協力することは非常に重要なので、このあたりも 男女平等にやる必要があるだろうなと思っている。子育てもそうである。私は午前 中だけ保育園に勤めていて園児の出迎えをしているが、100 人の中でお子さんを連 れてくる男性は10人程度である。午前中のみなので、帰りのお迎えの際はどれくら いになるかはわからないが、そのあたりに女性に任せておけばいいという雰囲気を 感じる。介護も育児も、男や女ということに関わらず分担する必要がある。学校教 育でも家庭科の授業の中に、「家族そろって」という単元がある。その中でどのよう に日常の暮らしを送るかということを学ぶが、まだまだこのあたりに先ほどの視点 が不足しているような気がする。

続いて、資料1 の12 番、人事評価についてだが、子育て中の女性の人事評価が低 くなるというのはとんでもないことだ。学校の現場は、産休が終わったとしても、 育休や子どもの送迎のための時間休などが必要であり、それによって人事評価を低 くする必要は全くない。このようなことが民間などでも行われていない会社がある とすれば、女性が活躍できる時代というのはまだまだ遠いのではないかなと思う。 今お話ししたことは目標の 1-2「多様な働き方を支援する環境の整備」という視点 からお話をした。

(4)

の項目を教える中身は各学校に任されているためである。学習指導要領に基づいて、 「今年の年間学習はこのようなことを行いますよ」という教育課程編成というもの があり、一時は東京都に届け出ていたが、今は各区、市町村に任されている。飾 区ではそれが飾区教育委員会にあたり、前年度の3月末までに届け出ることにな る。それがいわゆる次年度の学習指導要領に基づいた教育課程になり、教育課程の 中にきちんと位置付けられていることが大事になる。飾区ではどのようになって いるかわからないが、どの区でも、今年の重点教育は図書教育にしますよとか、環 境教育にしますよとか、必ずその区の重点がある。つまり私は、教育課程編成の際 に男女平等に関わる視点をポイントにしていただくための提案をしたいと思ってい る。

続いて区職員の意識啓発について。このあたりは窓口相談というものが必ずあるは ず。DVに関わることでも、そうでなくても、連携ができればいいかなと思う。役 所は縦社会で、責任を明確にするには大事なことだが、横の連携が必要である。 それから三つ目。デートDVについてである。『こんにちは人権』に記載されていた デートDVに関する記事の内容だが、アンケートを取った225名の生徒の中の4分 の 3、170 名が理解が深まったと答えている。この結果はアンケートに記載された 感想だけにとどまらずに、どのようにしてそう感じたかという分析まで行うことが 必要だと思う。

それから四つ目。男女平等の社会を実現するために、学校教育の場で力を入れるこ と。

そして、五つ目。平成22年に講じた男女共同参画社会形成の促進に関する施策につ いて。これも先ほどお話をしたが、要は教育課程の中で、学校教育の中できちんと 男女平等に関わる指導をどの学校でも行うということを前提に進めていただければ ありがたい。私は教育に関することと、私見を述べさせていただいた。以上で発表 を終了する。ありがとうございました。

( 会 長 )どうもありがとうございました。Q委員から、学校教育というご専門に落として発 表していただいた。教育課程における男女平等推進教育を続けることを重点的にと いうことと、もう一つは市民の立場から、区職員の意識啓発、特に窓口業務につい てということで、二次被害などが起こらないようにということだったと思う。これ から10分間、委員の皆さんからご質問・ご意見をいただきたい。

( L 委 員 )教育の立場からのご意見、とても興味深く拝聴させていただいた。確認というか、 ちょっと教えていただきたいのだが、毎年、教育の中での重点課題、飾は図書に しましょうとか、教育にしましょうとか、重点課題が決まってくると仰っていたが、 これがどこでどういう風に決まるのかを教えていただきたい。

(5)

る。それを教育課程の中にきちんと入れなければならないことになっている。 ( 事 務 局 )飾区の教育委員会の方では、教育委員会での教育目標を設定している。そして、

それに基づいて各学校で教育目標なり、教育課程でどのようにやっていくかという ことを決めていく形になっていると思う。当然、事務局と教育委員さんとがいろい ろと議論をしながら、今年はどんなことを重点的にやっていこうかということを話 している。ただ、それも今はちょっと違うが、5 年間位の計画を立てた上で、毎年 の教育目標というものを設定している。ある程度長期的なビジョンに基づいてやっ ている。

( 会 長 )そうすると、教育目標を教育委員会が長期的な計画に基づいて単年度ずつ策定して いる、それを受けて各学校で実施できるということ。そのときに各学校では、教員 だと。そうすると、保護者やPTAでの議論はどのように行われるのか。

( Q 委 員 )私が申し上げた方がいいのか。 ( 会 長 )お願いします。

( Q 委 員 )私の経験からだが、今はどこにも学校評価というものがあり、その評価は学校の職 員のもの、それから外部の評価としての保護者評価があり、評価結果はどの学校も ホームページで公表している。だから学習指導の弱点だとか、優れたところだとか がわかるようになっている。ただ、私の経験によると、だいぶその評価に慣れが生 じてきているのかなとも思うが、どうしても外部に出すものは少し甘いかなと感じ る。学校の職員同士で実施するもの、それから外部評価としての保護者評価につい ても遠慮や斟酌がある。このあたりについて、数字上だけで理解をしてしまう管理 職がいる。それを分析しつつ、次の教育課程の中に反映されなければならないと私 は感じている。私が現場にいた頃にそのように思っていた一管理者としての私見な ので、今は公明正大に明らかにされているので、それは90パーセント以上は正しい 評価だと思うが参考までに意見を述べた。

( 会 長 )これに関して他の委員の皆様はいかがか。これに関連することでも、別のことでも 結構。

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があると思うが、そのような統計などはないのだろうか。

( 会 長 )把握するのは大変難しい。個人を見ても、ずっと職場、ずっと家庭という人は多く ない。例えばお子さんが小さいときは子育てに専念する、でもずっと世話をするわ けではない。そういう意味では統計には表れにくいというのはあるかもしれないが、 個人の選択やそれに基づいた生き方が必要ではないか、という視点の意見か。 ( I 委 員 )はい。

( 会 長 )男性は今まで家庭や地域で活躍できなかったかもしれない。

( I 委 員 )はい。ですのでそのあたりも平等にと考える。女性の場合にも、仕事のみで活躍の 度合いを測り、仕事をしていない状態を「遅れ」と表現するのは違うかなと感じる。 ( 会 長 )Q委員、いかがか。

( Q 委 員 )字面で書くと確かにそうなってしまうが、I委員の仰っていることはその通りであ る。私もその視点で見ており、これからもそのようにしたいと思っている。 ( 会 長 )あとお一人ほどご意見をいただきたい。

( N 委 員 )今のお話を聴いて、やはり選択肢があるかどうかが重要と感じる。もっと家庭に注 力したいという男性は多いと思うが、男性の方が女性と比較して賃金が高く、賃金 格差がある。そうなると結局、主たる働き手は男性となる。女性がいくら外で働き たくても、税制などの社会制度上、働くと損をする場合もある。働き方の選択肢が 少ないのが現状である。「女性活躍」というと女性が家庭の外で働くというイメージ だけを持ってしまうが、このような男女の格差がある社会状況を踏まえて、意識を 変える必要がある、ということをQ委員は仰りたかったのではないかと思う。 ( 会 長 )一言申し上げると、女性活躍というのはいわゆるアベノミクスの中で出てきていて、

特に労働力として女性の活躍を推進したいということだと思う。ただそうは言って も、今I委員が仰ったことはあると思うし、男性側には長時間労働という大きな問 題がある。それでは続いて、J委員より、「ジェンダー平等社会のために考える女性 労働の現状」についてご報告願いたい。資料2をご覧いただきたい。

( J 委 員 )よろしくお願いします。このような貴重な機会を設けていただき、感謝申し上げる。 私は「ジェンダー平等社会のために考える女性労働の現状」というテーマで発表を 行う。

まずスライドの 3 枚目をご覧いただきたい。社会のあらゆる分野において、2020 年 までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも 30%とする目標が政府によっ て示された。しかし、日本生産性本部がこの秋に行った意識調査によると、女性の 新入社員のうちの 7 割以上が、管理職にはなりたくないと答えている。男性で管理 職になりたくない人は約 35%であるので、女性は男性の倍の比率で、管理職を希望 していないことになる。この差はどうして生じるか。

(7)

すが、国によっては、課長以下の係長や主任クラスでも管理職と扱っているところ もある点をご了承いただきたい。一般的な男女の人口比率から考えれば、男女で半々 であるので、女性管理職の割合も 50%位が望ましいが、実際はどうか。結論から言 えば、日本は、これら 22 か国中、下から 2 番目の 21 位である。日本における女性 管理職の割合は、11.1%であり、これは、先進国の中では最も低い割合で、それ以 外の国々と比較しても、突出して低いものであることがこのグラフからわかると思 う。では、日本では女性の管理職はなぜ少ないのか。

スライド 5 枚目をご覧いただきたい。ここでは、企業が管理職に女性を登用しない 理由が挙げられている。例えば、「必要な知識や経験、判断力等を有する女性がい ない

現在、管理職に就くための在職年数等を満たしている者がいない」「勤続 年数が短く、管理職になるまでに退職する人が多い」という理由である。これらの 理由からは、女性は、せっかく就職をしても、管理職になれるまでの経験を積む前 に、会社を辞めてしまうことが多いという現状がみてとれる。これが、日本に女性 管理職が少ない原因のひとつと考えられる。では、なぜ、女性労働者は、勤続年数 が短いのか。次からは、この問題について、確認してゆきたいと思っている。 スライドの 7 枚目をご覧いただきたい。これは、15 歳以降、すなわち、義務教育終 了後の日本の男性の全人口のうちの何割が仕事についているのかを表したグラフで ある。15 歳から、5 歳刻みで区分されている。これを見ると、教育年齢を経過した 後の男性は、そのほとんどがなんらかの仕事につき、いくつになっても 9 割方の男 性が仕事についているのがわかる。それでは、女性はどうか。

スライドの 8 枚目をご覧いただきたい。これを見ると、女性は男性とは異なる線を 表しているのがおわかりいただける。女性が最も多く仕事についている年代は、20 歳代半ばですが、その後で、ガクッと低くなっている。そして、それ以降の年齢に なると、また仕事につく割合が高くなってくる。男性とは異なる。こうした変化は、 なぜ起こるのか。

スライド 9 枚目をご覧いただきたい。ここでは、20 歳代半ばから 30 歳代後半まで の年代の女性が、仕事から離れる理由について確認する。多くの女性にとって、こ れらの年代は、妊娠・出産、そして育児を経験するライフステージに突入する時期 である。したがって、そうした年代に会社を辞めるということが意味するのは、仕 事をやめる理由が出産・育児にあると言えるだろう。

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それに対して、日本と韓国は、明らかに、出産・育児の期間になると、仕事に就い ている割合が低くなっているのがわかる。先ほど、スライドの 7 枚目で、日本の男 性の折れ線グラフをご覧いただいたが、それと比較してどうか。スウェーデン、ア メリカ、ドイツは、特定の年代で極端に仕事に就いている割合が低くなることはな く、また、特にスウェーデンに関しては、グラフの線は、スライド 7 枚目にある日 本の男性の場合と同じで、特定の年代での落ち込みのまったくない、いわゆる台形 型になっているのがお分かりいただけると思う。それに対して、日本と韓国はどう か。学校を出てすぐは多くの女性が仕事に就くが、出産・育児を経験する年代で、 いったん仕事に就く割合が下がり、その後、再び上がってきている。上がって、下 がって、また上がる、このようなラインを描くことから、この現象は、いわゆる「M 字カーブ」と、一般に呼ばれている。こうしたM字カーブは、なぜ現れるのか。そ の原因について考えてみたいと思う。

スライドの 11 枚目をご覧いただきたい。先ほども申し上げたように、わが国の女性 が仕事を辞める原因は、主に出産や育児にあると考えられる。では、子どもが生ま れたら、どうして女性は仕事を辞めるのか。それは、子どもの養育は母親の務めで ある、という考えに、母親である女性自身、父親である男性、そして、会社の同僚 などの周囲の人間たちが、縛られてしまっているからだと考えられる。つまり、子 どもの養育は、まず母親がするものという考えこそが、せっかく仕事についた女性 が会社を辞めてしまう原因なのである。そして、そこにはいわゆる「3 歳児神話」 というものが影響を与えている。3 歳児神話とは、「子どもの成長にとって 3 歳ま でが非常に大事で、その期間に母親が働く等の理由で育児に専念しないと、子ども は寂しい思いをし、その子の成長に歪みをもたらす」という考え方のことである。 この 3 歳児神話は、多くの人たちの育児に対する価値観の根本に根差し、また、M 字カーブを見る限り、母親自身もこの 3 歳児神話の支配を少なからず受けている場 合が多いと考えられる。では、この 3 歳児神話は、正しいのだろうか。

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はないと言うことができる。例えば、スウェーデンには両親休暇制度というものが あり、父親が育児休暇を取得したいと希望する場合、会社がそれを拒否することが できないとされ、こうしたシステムの整備により、父親の育児参加を社会が支えて いるのである。それでは、日本では、なぜこうした 3 歳児神話が母親たちを束縛し ているのか。

スライドの 13 枚目をご覧いただきたい。その原因として、いわゆる「性別役割分業 意識」というものが、人々の中にあることが挙げられる。「性別役割分業意識」と は、家庭における夫婦それぞれの責任や役割について明確に区別することで、具体 的には「夫は外へ働きに出て、妻は家にいて家事や育児をするべき」というもので ある。江戸時代には、「女大学」という教えが普及している。具体的には、そこに あるように、女は父母に従い、嫁しては夫に従い、夫は外を治めて女は内を治める、 というような内容である。この、昔から存在する性別役割分業意識という考え方は、 現代に暮らす私たちにも影響を与えているのか。

スライド 14 枚目をご覧いただきたい。ここでは、2013 年 10 月 25 日に掲載された 朝日新聞朝刊の記事を、一部ご紹介したいと思う。「若い女性の『専業主婦』志向 が高まっている。内閣府は『夫は外で働き、妻は家庭を守る』という考え方への賛 否を 1979 年から数年おきに調査している。女性の賛成派はこれまで常に減少傾向だ ったが、昨年、賛成とどちらかといえば賛成が、初めて前回より増えた。」と記さ れている。このように、性別役割分業意識は、20 世紀を終えて 21 世紀になった今 の日本でも、人々の意識の中に住んでいるのである。現代でも、なぜ、性別役割分 業意識は支持されているのか。その答えとして、一つ目に 我が国の性別役割分業意 識は、400 年の歴史に根差す大変根深いもの、というという考えや、二つ目に 近年 の厳しい就職・雇用事情によるものという考えが挙げられている。そして、この性 別役割分業意識は、女性の政治、経済への参加を拒み、男性の子育て参加を阻む大 きな壁になっていると言える。はじめのほうで行った問題提起について、ここで確 認したいと思う。

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性別役割分業意識の払拭は、女性の働き方にとって、大変重要であると言える。で は、一方で、女性が生涯を通じて働くこと、すなわち、労働の世界で男と女が対等 であるということは、男性にとっては歓迎できないことなのか。

スライドの 16 枚目をご覧いただきたい。ここに、興味深い調査がある。「理想とす る夫婦の働き方とは」という質問に対する男性の回答は、「夫フルタイム、妻パー トタイム」39.1%、「夫フルタイム、妻家事専念」31.1%、「夫婦ともにフルタイ ム」17.4%、「妻フルタイム、夫パートタイム」0.0%、「夫婦ともに週四日程度の 労働でフルタイム労働 1.5 人分くらいの収入」12.4%となっている。要するに、妻 が働くのは無しか、あっても家計を補助する程度がよい、という考えをもった男性 が、今の時代にも約 7 割もいるということになる。ある意味、責任感が強いとも言 えるが、女性を解放しないという点で、男性は平成の時代でも、仕事に関してはな かなか昔からの価値観を拭えていないようである。「夫は外で働き、妻は家庭を守 るべき」この考え方は、専業主婦とサラリーマンの夫、という分業が明確になり、 戦後日本の経済成長を支えた一つの要因であったと言える。しかし、今日では、終 身雇用慣行が崩壊しつつあり、また、給料も下がってきて、専業主婦の妻や子ども たちを夫一人で養うのはなかなか難しくなっているのが現状である。そして、仕事 がすべてという生活がもたらすのは、長時間労働や働き過ぎによる病気であり、こ うした問題は、男性であるかどうか以前に、人間らしさ、つまり労働者の人格を尊 重する考え方からは克服してゆかなければならないと言えるだろう。そうであるな らば、家庭と仕事の両立というワーク・ライフ・バランスの実現は、女性だけでな く男性にとっても重要な課題であり、それを前提として成り立つ男女平等社会で働 くことは、男性にとっても、利益のあることと考える。では、残業や勤務時間が短 くなることは、会社に対してどのような影響をもたらすのか。

スライドの 17 枚目をご覧いただきたい。経営側の不安材料としては、従業員の労働 時間の減少は、売上や成果などの経営の面で、マイナスなのではないか。という問 題が考えられるでしょう。しかし、労働時間が従来よりも少なくなることは、マイ ナスよりもプラスの効果の方が多いと考えられる。例えば、従業員の心身の健康保 持増進、多様な従業員の定着、優秀な人材の確保、従業員の創造性・視点の多様化、 労働生産性・売り上げの向上、企業イメージや評価の向上などの効果である。した がって、ワーク・ライフ・バランスの実践は経営にとってもプラスになると考えら れる。ここで、私が考える結論について説明する。

(11)

代を対象として、例えば、一見すると女性問題とは見えないようなイベントへの参 加を通じて、具体的には、憧れの職業に就いている先輩女性のライフスタイルにつ いての話を聞く機会や、国際交流など、をきっかけとして、若い世代の人たちが、 性別役割分業意識から解放され、自分の能力や人生を大切にした働き方をするため の土台となるような教育の機会があればよいと思う。それでは、最後のスライドに なる。これまで見てきたように、女性労働の現状を取り上げると、それは、単に女 性だけの事柄ではなく、男女に関わる様々な問題が包摂されていることが分かって くる。女性の勤務継続の障害は、3 歳児神話に代表される性別役割分業意識であり、 その払拭は、女性の労働力率を向上させ、ジェンダー平等社会の実現に不可欠な課 題であると考える。ご清聴、ありがとうございました。

( 会 長 )なぜ女性管理職が少ないのかという問題設定から始めて、最後のところで性別役割 分業意識を払拭していくという結論であった。ご質問、ご意見等いかがか。 ( O 委 員 )すごくわかりやすいご説明で、とても参考になった。先ほどのQ委員と同様、J委

員も同じく教育に焦点をあてていた。やはりというか、大変頷けるところがあった。 そして私が感じているのは、重箱の隅をつつくようなことなのだが、スライド 16 枚目の「男女平等社会は男性に不都合?」というところの 2003 年の「川崎市にお ける男性のジェンダー意識調査」についてである。12 年前になりますが、「夫婦と もに週四日程度の労働でフルタイム労働1.5人分くらいの収入」を望む人が12.4% とある。私は今20代の息子がおり、非正規で働いている。何年も就活をしているの だが、私はこの12.4%の数字に何かの希望を感じる。絶望の中の希望というか。こ れは男性が回答しているということだが、きっとふざけて言ったわけではないと思 う。男性も週4日程度の労働でというところに丸をした。私はここは情けないとは 思わずに、これからの希望だと思っている。生活するのにきゅうきゅうであるのに、 男が養わなければいけないなんていうことは、もうかなぐり捨てないとこれからは 生きていけないと思う。それは社会的には由々しきことかもしれないけれど。けれ どもそこから男女平等に突破口があるのではと思っている。それは皆さまはとても 異論があるかもしれないけれど。私はそう感じた。

( 会 長 )J委員、何かコメントはあるか。

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結局それが少子化にもつながっている。そしてその根本にあるものは、男性の場合 やはり、正社員にもなれない、イコールまだ一人前ではないという意識があると思 う。そういうことを払拭するという意味からは、非正規であっても働いていること に対して価値がある、という価値転換のようなものが必要である。この夫婦2人で 働いて、そこそこ暮らすことができればいいという考え方を、周りの人たちが受け 入れるような土壌ができれば良いかなと考える。

( 会 長 )これはオランダモデルということだと思われる。この方法でやっている国が既にあ り、これが成功しているかどうかというのは別問題として、発想の転換ということ になってくる。ポイントとしては、二人分の収入がなくても一人半の収入でやって いくという生活、日本の豊かさの中では二人分でも足りないということもあるのだ ろうけど、そうではない価値観もある。どうぞ他にご意見はあるか。

( K 委 員 )3ページ目の「女性新入社員のキャリア意識」と 5ページ目の「女性管理職が少な い理由」について思うことだが、3ページ目の質問では、女性の72.8%が管理職に なりたくないと回答しており、5 ページ目では、企業が、ということは男性が中心 に回答したと思われるが、これは私の個人の感じ方だが、女性が管理職になりたく ないのは、魅力がないからだということも視野に入れないと深い問題は見えてこな いのではと思う。5 ページ目で回答されている理由以外に、魅力がないと女性たち が感じていることを、主として男性たちがもっと分析しないといけないと思う。あ まりそのようなことはしていないのだろうか。

( J 委 員 )K委員の仰った、管理職になることに魅力を感じないということは、私見であるが、 管理職になること、イコール生活が仕事中心になってしまう、というふうに女性が 感じ、魅力がないと思ってしまうのではないか。繰り返しになるが、仕事をするの であれば、24時間とは言わないが、仕事中心で頑張りなさいというような、そうい う働き方の先に管理職になれるという組織のあり方がある。そこの働き方に対する 考え方の転換が必要になってくるだろうと思う。働き方を変えてワーク・ライフ・ バランスを実現した先に、管理職になることができるというチャンスがあるのなら ば、女性にとっても管理職になることが魅力になってくるのではないかと思う。 ( 会 長 )ありがとうございました。あと一人位発言をされたい方はいるか?

( C 委 員 )管理職になることに魅力がないということだったが、私はそうではなくて、管理職 になることで時間に拘束され、自分の時間を大切にしたい女性たちにとってはそれ がデメリットとなり敬遠されるのではないかと思う。私事になるが、私の娘は 41 歳で、仕事一途で働いている。そしてその中でやはり管理職になるという道もあっ たようなのだが、そうすると自分の趣味に使える時間がなくなるので、その道は選 ばずに働いている。

(13)

画に盛り込むダイバーシティ(多様性)の視点」ということで、早速ご発表をお願

いしたい。

( N 委 員 )よろしくお願いします。本日は「飾区男女平等推進計画に盛り込むダイバーシテ

ィ(多様性)の視点」について発表する。内容は、まずダイバーシティ、多様性と

は何かという説明を行い、次に自治体の取組事例をいくつか紹介する。それを踏ま

えて飾区の計画に盛り込みたい視点を提案し、最後に、飾区に目指してほしい

姿についても提案する。

まず、「ダイバーシティ」「多様性」という言葉を最近よく聞くという人も多いと思

う。元々は生物の多様性という文脈で使われることが多かった。辞書で調べると、

「幅広く性質の異なるものが存在すること」「多くの個性によって構成されているこ

と」という意味が出てくるが、生物の文脈から転じて、今では国籍、人種、言語、

性別、宗教、価値観、ライフスタイルの多様性など、幅広く使われることが多い。

平たく言うと、「世の中にはいろんな人がいますよ」という視点の事を言う。いくつ

か代表的なものについて簡単に説明をしたい。まずは性別について。「性の多様性」

「セクシャリティの多様性」という言葉でもよく表されるが、今は「男」と「女」

だけで性別を分けるのはもう古い。性別には、男性・女性では非常に分けづらい、

グレーな部分があることが生物学的にも明らかになってきている。LGBTという

言葉を聞いたことのある方もいるのではないかと思う。「L」がレズビアン、女性に

惹かれる女性。「G」がゲイ、男性に惹かれる男性。「B」がバイセクシュアル、男

性と女性のどちらも性的な対象になる。「T」がトランスジェンダー、自分の体と心

の性が一致しないこと。日本語では「性同一性障害」とか、最近では「性別違和」

とも言われている。このような様々な人たちを総称してLGBTという。また、L

GBTIという呼び方もあり、この「I」はインターセックス、日本語で両性具有

を意味する。生まれながらに男性の性器も女性の性器も持っている人たちが実際に

はいるということ。このような人たちは今までは「性的マイノリティー」という言

葉で括られていたのだが、最近は「LGBT」という言葉を使用することが多くな

っている。2012年の日本の調査では2,800人に1人程度と言われているのだが、最

近の国連の調査では300人に1人とも言われており、実はかなりの確率でLGBT

がいることが明らかになっている。だんだんカミングアウト(公表)もしやすい社

会環境にもなってきていると思う。そしてもう一つは、ライフスタイルの多様性に

ついて。シングルについては、シングルの中にもシングルファーザーやシングルマ

ザーもいる。カップルの場合は、法律婚、事実婚、同性婚、単なる同居、が挙げら

れる。法律婚というのは婚姻届を出して夫婦として生活しているカップル、事実婚

というのは婚姻届を出さずに夫婦として生活しているカップルを指す。私は個人的

に事実婚を選択しているのだが、私の場合は社会制度、今の婚姻制度や戸籍制度に

(14)

ればいけないという強制が働く点には特に違和感を持っている。社会保障的には事

実婚も法律婚もあまり変わらない。住民票で世帯を統合すると「妻」「夫」と表記さ

れる。ただ、カッコで「未届」と書かれてしまうのだが、夫婦として認識される公

的書類もある。同性婚は最近よくニュースで聞くのではないかと思うが、非常に増

えている。この場合、世帯を統合したとしても「同居人」という扱いにはなってし

まうが、今後ますます増える形態であると考えられる。つまり、多様性の視点とい

うのは、みんなそれぞれ違う人がたくさんいて、その様々な違いを尊重すること、

そしてその違いを活かしていくことである。そうすることで誰もが、「男らしさ」と

か「女らしさ」にこだわらず、「自分らしく」生きられる社会、つまり全ての人達に

とって生きやすい社会をつくることができる。このような視点を持って、飾区が

東京のリーダーとして、次の計画に盛り込んでいったらどうかという提案を行いた

いと思う。

まず、様々な自治体で男女平等、男女共同参画に関する条例や計画が作られている。

その中から多様性の視点があるものをいくつか紹介したい。大阪府の3つの市のも

のを紹介する。

まず、堺市の「男女平等社会の形成の推進に関する条例」からの抜粋だが、条例の

中に、「男女の性別にとどまらず、性同一性障害を有する人、先天的に身体上の性別

が不明瞭である人その他のあらゆる人の人権についても配慮されるべき」という基

本理念がある。また、「男女平等社会の形成の推進に向けた取組は、国際社会におけ

る取組と協調して行うこと」とある。このようにLGBTなどの様々な人の人権に

触れている。そして国際的な潮流と合致した取り組みが必要だと提示している。

次に門真市だが、「第2次かどま男女共同参画プラン」には基本理念がいくつかあり、

その一つが「男女の人権が尊重される社会の推進」である。その中に、「男女の性別

にとどまらず、性同一性障害を有する人、先天的に身体上の性別が不明瞭である人、

その他のあらゆる人の人権についても配慮されることが大切」とあり、こちらも先

ほどの堺市の例と同じように、LGBTなどあらゆる人への配慮をしましょうと明記

している。そしてもう一つの基本理念として、「国際理解と多文化共生の推進」にも

触れている。「男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有してい

ることから、国際社会の動向を考慮する必要がある。また、市民の多文化に対する

理解を深めることが大切」ということで、男女平等の実現と国際社会の動向につい

て記載されている。つまり男女平等と国際理解は密接に関連していることを示して

いる。門真市の他の特徴としては、配布資料3の1ページ目を見ていただきたいの

だが、男女共同参画社会のイメージを、家庭、職場、学校、地域で場合分けをして、

目指す姿を非常にわかりやすく説明している。例えば、資料 3 の15ページと記載

されている部分では、「施策1 身近な問題として、市民に理解と共感を広げる」と

(15)

う一つ面白いのが、目標値について。「目標値を設定する取り組み内容」という項目

で、10年後の目標を、右上に向いた矢印で示している。必ずしも具体的な数値では

ない点が特徴的である。昨年、政府が女性の活躍推進として管理職の女性割合を増

やすため、数値目標の設定をしようとしたが、経済団体の反発にあい、結局目標値

の設定はできなかったということがあった。このように目標値を設定すると、必ず

反発も出てくる。そういう時に矢印マークを使うことで、そういった反発をマイル

ドにかわすことができる。これも有効な策ではないかと思う。

次に守口市だが、守口市も「守口市男女共同参画推進計画」の中で、先ほどの堺市

や門真市と同じように、あらゆる人への配慮や国際社会の取り組みに協調すること

などを明記している。そして守口市は次の計画策定に向けて、市民の意識調査を実

施しているが、その中で質問項目に工夫をしている。例えば性別欄に男、女の他に、

「その他」という項目を設定した。また、項目を工夫してデートDVの実態につい

ても拾い上げられるようにしている。以上のとおり、各自治体で様々な取り組みが

なされており、条例や計画に多様性の視点が取り込まれつつある。

このような事例に基づき、今後、飾区の計画に盛り込みたいと思う視点を3点紹

介したい。

一つ 目は「セクシ ャリティ の多様性」 の視点である。基本理念や目標に 、「LGBT

など、あらゆる人々の人権を尊重する」「置かれている状況に配慮する」ということ

を明記してはいかがか。そして実際の計画事業に、LGBTに関する相談・カウンセ

リング、啓発活動、職員研修を追加してもよいのではないかと思う。自分が同性愛

者なのではないか、バイセクシュアルなのではないか、もしかしたら性同一性障害

なのではないかと気づいたときに、相談をする場所がない。一人で悩んでしまうと

いう方が非常に多い。その結果、自殺未遂をしたり、自殺してしまう例も実際にあ

る。そういう時に相談できる場があるだけでも、住民が安心して生きていける社会

になるのではないかと思う。飾区は既に相談事業や啓発活動、職員研修を実施し

ているので、新規事業ではなく、既存事業に追加するという形が可能かと思う。ま

た、広報誌への連載、コラムなどの形で、LBGTについて紹介できるような記事

を書くことが啓発活動になると思う。実務的なところだと、区の関連書類について

は、特に必要がなければ性別欄は設けなくともよいのではないか。性別を選ばなく

ていいというだけですごく安心する人たちがたくさんいる。性別を選ばなければい

けないということで傷付く人たちがいる。そういうことを防げるのではないかと思

う。

次に、盛り込みたい視点の二番目は「国、文化の多様性と国際的な潮流との整合性」

という視点。男女平等の実現のためには、国際的な視点を持つことが不可欠である

と認識しなければいけない。先程のQ委員も仰っていたが、実は日本は男女平等に

(16)

数」があるのだが、2014年の最新版では日本は142ヵ国中104 位という結果だっ

た。2013 年は 105 位だったので、実は一つ順位を上げたのだが、非常に低いこと

に変わりはない。日本はほぼずっと落ち続けていて、このような国は先進国の中で

は日本しかなく、先進国では日本が最下位となっている。この指標は、各国の経済、

教育、政治、保健の分野の男女格差に焦点を当てて順位をつけたものだが、日本の

場合はやはり女性の政治家や管理職が少なく、女性の教育レベルは高いのに、それ

を活かしていないという点でかなりマイナスが多い。また、日本は、国連の女子差

別撤廃委員会からの勧告も以前から受けている。例えば、民法の女性差別的な部分

について改正が必要であると言われている。先程申し上げたように、婚姻届を出す

と、必ずどちらかが苗字を変えることが必要になる。変えたい人はいいが、変えた

くない人にまで強制力が及ぶ。また、結婚が可能になる年齢についても、女性は16

歳、男性は18歳であること。そして、離婚の場合、男性は離婚した翌日にでも再婚

できるが、女性は6か月待たないと再婚できない規定など、いろいろな差別的な法

律があり、それを改正すべきとの勧告である。加えて、飾区には外国人の方もた

くさんいるので、そういう人たちも活用できる社会にするため、区民情報や統計を

是非活用されたらと思う。そうすることにより、どの国の人がいて、どういう問題

を持っているのかという、地域課題を特定した上で、施策を作っていくことが可能

になる。

そして提案だが、基本理念または目標に「多文化共生や国際社会の動向の考慮」を

追加し、計画事業の中に「異文化理解教育」「国際機関、NGO 等からの情報収集」

「啓発活動」等を含めるとよいのではないかと思う。異文化理解教育のアイデアの

一つとして提案したいのが、出前講座である。私は青年海外協力隊の経験者なのだ

が、地元では学校などでよく講演をしていた。飾区にも同様の経験をしている人

がたくさんいると思うので、JICA関係者を活用して出前講座を実施したらどうか。

そして三つ目に、「ライフスタイルの多様性」の視点である。先程、事実婚について

申し上げたが、実は事実婚に関する統計はすごく少ない。区の情報を活用して、ど

れだけの人が法律婚、事実婚を選んでいるのか、同性婚をしたいという要望がどの

程度あるのか、是非汲み上げてほしいと思う。次回の男女平等推進計画策定にあた

って意識調査を実施するのであればその項目を工夫して、事実婚、同性婚という項

目も作ったら面白いのではないか。そして目標または課題の中に、「法律婚、事実婚

などの多様なライフスタイルがあることを区は認識しており、同性婚を希望する人

たちも今後見込まれる」と盛り込んでもよいのではないかと思う。私の場合は事実

婚を選んだ時に、自分自身に情報があったので特に恐れることはなかったのだが、

自分らしい選択をしたくても情報がなければ選ぶことができない。区として計画事

業の中に、情報発信や相談事業、職員研修を入れていただきたいと思う。私は職員

(17)

に用事があって行くと、自分が事実婚であることの説明をいちいちしなければなら

ず、その際に、変な顔というか、不思議な顔をされたりする。ごく普通に対応して

ほしいと思う。そして同性婚も今後増えていくと思われるので、国の指針を待つの

ではなくて、区としての対応を検討する時期に来ているのではないかと思う。

最後に、飾区に目指してほしい姿を提案する。これは多様性の視点が入った次の

計画ができて、その先、こうなってほしいなというイメージなのだが、飾区がリ

ーダーとなって意識改革を是非始めてほしい。例えば、「多様性特区」を掲げて、法

律婚も事実婚も区別・差別しない、住民票に「未届」と書かない方針を持つ、また、

事実婚や同性婚の場合も養子縁組や里親制度が利用でき、不妊治療の助成対象とな

るなど、「多様性特区」としての措置があればいいなと思う。また、「シングルマザ

ー、シングルファーザー特区」として、ひとり親大歓迎、皆さんどうぞいらっしゃ

い、子育て支援もしっかり行いますという方針のもとで活動されたらいいのではな

いかと思う。そして議会や関係機関でのクォータ制についても提案したい。クォー

タ制とはある一定の割合を必ず女性に、平等に割り当てるというもの。例えば、区

議の女性の割合を半分にしますとか、そのような思い切った制度もあったらいいと

思う。そして、「多様性」を「イクメン」のように「かっこいいもの」としてラベリ

ングするという意識改革ができたらいいと思う。「イクメン」という言葉は今でこそ

よく知られているが、2010年に厚生労働省が「イクメンプロジェクト」を始めたと

きは、認知度は16%しかなかった。それが2012年には97%になった。意識改革は

確実にできることの例である。「イクメン」っていいね、と言われるのと同じように、

「多様性」の視点を区の計画に入れていけば、飾区にとってもイメージアップに

なるのではないかと思う。以上です。ありがとうございました。

( 会 長 )多様性について、セクシャリティ、国際性、ライフスタイルの三つの視点で説明し、

最後には、飾区に目指してほしい姿ということでご提案をいただいた。ご質問、

ご意見などはないか。

( O 委 員 )発表を聴き、とても楽しい気持ちになった。書類の性別欄を、「その他」または空欄

にすると仰っていたことについてコメントをしたい。だいぶ前になるが、こちらの

男女平等推進センターで毎年開催されているパルフェスタは、区民の手で創り上げ

るお祭りなのだが、委員の公募を行って性同一性障害の男性、MtF(注1)の方だ

ったと思うが、参加をしてくれた。その時、アンケート用紙の性別欄に「その他」

を設けたことを思い出した。それ以降どうなったかはわからないが、できないこと

ではないと思う。簡単と言ったら変だが、そんなに難しいことではないと思ってい

る。パルフェスタのアンケート用紙作成の際には区の人に反対されたということも

なかったので、そういうところから、飾区で行われている講座などでも工夫がで

きたらいいなと思う。

(18)

きるというコメントをいただいた。

( G 委 員 )私はN委員と違って、事実婚に踏み切る勇気のない世代だったので、今も名前を使

い分けることに自分が混乱することがある。一つ質問としては、自治体の取り組み

の紹介があったが、堺市の条例はいつできたものか。法令のできた時期を反映した

ものであると思うのだが。

( N 委 員 )手元にある資料だと 2012 年だが、条例自体はもっと昔にできていて、改正がされ

たのだと思う。(注2)

( G 委 員 )平成25年に文京区が、男女平等参画推進条例をつくり、その中にセクシュアルマイ

ノリティに関する視点を盛り込んでいる。条例は通ったけれど、その通ったあと、

区民の中でそれを支持するとかしないとかの中で、何となく意見のざわつきがあっ

たようなことをちょっと聞いたので。つまり、推進していくためには先駆的にやら

なければいけないけれども、その意識が三歩位先を行っているときに、それをみん

なで共有できるのかという点は、とても難しい問題なんだなと思った。飾の条例

ができたちときに私は審議会にいたのだが、その時には多様性やセクシュアルマイ

ノリティに関する提案をする人はいなかったが、前文に、男や女に関わりなく、一

人の人間としての尊厳を尊重しようということが書かれている。おそらく憲法に依

拠した形となっているのだと思われるが、そこを根拠に、今の時代に即した形でや

っていける可能性はあるのかなと思った。

( 会 長 )N委員が自治体の例として挙げてくださったのは、堺市や門真市など大阪の例であ

ったが、東京都だと多摩市が先進的な取組をしていたと思う。

( D 委 員 )今私もお話を聴いていて、多様性特区ですとか、シングルマザー、シングルファー

ザー特区ができれば未来は明るいという気持ちになった。現実にそうなっていくの

は難しいのかなとは思うが、新しい風を入れるということでは非常に有効だと思う

ので、是非、計画策定の視点に取り入れてみてはと思った。あと、ダイバーシティ

という点では、社会保険労務士という私の職業的な立場の視点から見ると、ワーク・

ライフ・バランスとダイバーシティというのはとても似たような性質を持っている

が、ワーク・ライフ・バランスに関しては、だいぶ浸透してはいるが、言葉が一人

歩きしてしまっている部分もあるように感じる。実際には時間あたりの生産性を高

めるとか、企業にとってメリットとなる部分がたくさんあるのだが、それほど規模

の大きくない、中小企業等の社長さんの立場からすると、働かない制度、怠ける制

度と思われている部分もある。そのような立場の企業にワーク・ライフ・バランス

を浸透させるのはかなり厳しいのかなということを感じている。その点、ダイバー

シティという視点から言うと、社会情勢、経済情勢はめまぐるしく変わっているの

で、10 年後、20 年後には、今はない職業がたくさんできている時代になると言わ

れている。また外国人労働者も増えると言われている。あと、社会問題としての家

(19)

な方がいらっしゃるので、そういう方々が働きやすい、企業として多種多様な方を

受け入れるというダイバーシティの視点を持って計画作りに取り組んでほしいなと

思う。

( 会 長 )私から一点だけお話させてもらう。冒頭にQ委員がお話されていた学校教育におけ

るダイバーシティについてだが、トランスジェンダーでも小学生の時に認識すると

いうことで、いじめや自殺の問題につながってくる。セクシュアルマイノリティの

方は自殺率が高く、やはり社会の中で孤立してしまうという問題がある。そこで親

や先生がきちんと認識をしてサポートしていくということも、区としてできること

の一つではないかと思う。

( Q 委 員 )東京都では要綱ができていると思う。

( 会 長 )文部科学省もそういう観点で進めていると思う。では発表は以上ということで、三

名とも非常に魅力的な発表で、短い時間だったが、みなさん計画へ向けての具体的

な提案も含めてご発表いただいた。残り時間が少なくなっているが、お手元にK委

員のレジュメがあると思うのでご覧いただきたい。

( K 委 員 )男女平等というところをしっかり確認するということが一番大事である。自分の生

き方を、自分で選んで決められるということ。女性の管理職を30%に上げるなどの

数値目標の設定は、男女平等への一つの手立てに過ぎない。あまり数値目標で考え

ない方がいいのではというのが考えの一つである。また、もう一つ申し上げると、

現在の第4次計画は理念強調型になっていると思う。そうすると、理念ですから、

読み飛ばされてしまうこともあるのではないかと思う。次の第5次計画策定の際に

は、実際にできそうなことを例として入れたらどうかと考える。

( 会 長 )それではまだご発言されていない方も含めて、ご意見、感想等あるか。

( B 委 員 )私は二桁生まれなので、男女平等に関しては難しくて、でも今真剣に考えていたの

だが、今私はヨーロッパ等を周っているのだが、国によって環境がそれぞれ違う。

グラフを用いた国際比較なども大事だが、それだけでは消化できないのではと思う。

それからやはり、子どもを持つ、持たないに関してだが、私の娘も働いていたのだ

が仕事を辞めて、保育園に子どもを通わせていたのだが、やはり子どもが小さいと

保育園に預けることをためらう親もいる。すると再就職も難しい。それから管理職

になると産休も取れない。制度上は取れるようになっていたとしても、実際の利用

ができるかは別の問題である。そういうことがどんどん進んでいくと、子どもが増

えない。そうするとこれからの社会をどうやって支えていくのかが心配である。公

務員、民間などの違いはあると思うが、やはり責任が取れる人でないと、役職につ

いてもらうことが難しい。責任をとれるような価値観づくりや環境づくりが必要で

ある。

( 会 長 )他の委員の方で、まだご発言されていない方はいるか。

(20)

結婚している。そして子どもも生まれているのだが、あまり家に遊びに来ない。大

体女性の実家の方に遊びに行ってしまう。そういう意味で女性は結構権力を持って

いるのかなと思う。今、リーダーの話をしていたが、女性でリーダーになることが

できる方は随分いるのではないかなと思う。

( H 委 員 )みなさんにとても立派な案を出していただいた。私どもも色々な時代を生きてきて、

本当に昔の男尊社会のなかで生きてきたので、今の社会がこれでいいのかなと、甘

いのではないかなと感じている。ライフスタイルがとても変わってきている。その

点で生活をどうするのか。経済、教育、将来をどう考えていくのかということも視

野に入れていかないと、理想ばかり追っているわけにはいかない。今の労働力をど

のように考えるか。先ほど週4日と仰っていたが、果たしてそれでいいのだろうか。

個人として尊重され、また、男女がお互いに認め合いながら個性を活かしていくと

いうことがあれば、これはもう心配はない。そういう意識を高めていかないといけ

ない。それには普段から学校教育の一環に入れることが必要。そういう意味では今

の学校教育は少し甘いのではと思う。男女平等と言いながら、やはりもう少し人格

を認め合ってやれば、男性であろうと女性であろうとできることはやらせていいと

思うし、やっていかなければいけないと思う。そういう部分を今私たちは変えてき

ているので、昔はそういうところは余裕がなかったが、皆さんも今は変わってきて

いると思う。ただ一度に世の中は変えられないので、できることから少しずつ変え

てほしいなという希望を持っている。

( P 委 員 )今私は保育園で仕事をしているのだが、私の若いころには、男の子だから、女の子

だからという保育をしていたことがある。しかし今は、男の子だから、女の子だか

らという指導をしないようにという傾向になっている。そういう意識を職員が持っ

て、子どもたちに接していかなければいけないのかなと感じた。あと、いろんな家

庭環境の中で育っているお子さんがたくさんいて、やはりDVなどの問題を抱えて

いる方と、精神疾患を抱えている方などもいるので、それも踏まえて保育をしてい

かなければいけないのだが、何しろ保育の現場も、勤務時間がとても長く、保育士

の成り手がいないという問題があり、女性がそこにも進出しにくいのかなとも思っ

ている。

( 会 長 )最後に、本日発表された三名の方々に、発表されての感想等を一言ずつ伺いたい。

( Q 委 員 )発表の機会をいただき、有り難かったなと思う。自分の考えのまとめにもなった。

今でもときどき学校で授業をすることがあるが、その中で多様な子どもがいる。子

どもの表情を見ながら授業を進めていくというのは大事であるし、単発で授業を持

つからこそわかるこどもの姿というものもある。いつも学校の中にいる職員は、わ

かりすぎてしまう部分もあり、見えなくなってしまうこともある。それから他の発

表者の方々からとても学ばせていただいた。それから会長の司会ぶりがいつもなが

(21)

これは私どもにとっては大変力強く、勇気を与えてもらっている。

( N 委 員 )ありがとうございました。発表内容が少し飛躍していると思われるのではないかと

心配していたが、温かく聴いてくださり感謝している。発表の自治体事例の紹介で

大阪を取り上げた理由は、私が大学時代を京都で過ごし、大阪府立女性総合センタ

ーで一年間インターンシップをしていたから。その時のつながりがあり、センター

の方に大阪府下の自治体で何か面白い取り組みがないか聞いてみたところ、このよ

うな事例の紹介があった。

( J 委 員 )ありがとうございました。時間の関係で駆け足での説明になってしまった。今回こ

のような機会を与えられ、自分の中で考えていたことをまとめる作業過程の中で、

自分個人のことになってしまうが、自分の弱点がわかり、それがさらに勉強になっ

たと思っている。これからも研鑽してやっていきたいと思う。

( 会 長 )時間も迫っているが、まずは今回ご発表いただいた委員の三人に拍手でお礼をした

い。

( 一 同 )(拍手)

( 会 長 )では、先程少し申し上げたが、第3回審議会の日程などを、事務局からご連絡いた

だきたい。

( 事 務 局 )次第に記載されているとおり、第3回審議会については、平成27年3月23日の月

曜日の午後2時より、こちらのウィメンズパルで開催する。先般、開催通知に同封

した「平成 26年度第 2回男女平等推進審議会開催にあたって」内に記載されてい

る、第3回以降の審議のイメージについての部分は、若干変更があるのでお伝えす

る。第 3 回の発表については発表・意見交換に続いて、平成 27年度の当センター

の事業計画について、また、第5次計画の「飾区男女平等に関する意識と実態調

査」の質問項目について、原案をお示ししてご審議いただくという形になる。次回

も審議いただく議事が盛りだくさんであるので、実態調査の質問項目については事

前に資料を送付させていただく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

( 会 長 )次回はL委員とG委員に発表していただいて、それから実態調査の調査項目の審議

に入る。どうぞよろしくお願いしたい。本日は長時間に渡り審議いただき、ありが

とうございました。

(注1)「Male to Female」。出生時の〈からだの性〉が男性で、〈こころの性〉が女性の人。

出典:薬師実芳、笹原千奈未、古堂達也、小川奈津己『LGBTってなんだろう?―からだ

の性・こころの性・好きになる性』合同出版(2014)

(注2)「堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例」は、平成14 年4 月1 日に施行された。

*資料1∼3については、作成データ等の著作物保護のため、飾区ホームページ内の飾区男女平等

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