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企業と市場の相互作用に関する 法学的研究

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Academic year: 2022

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1.プロジェクトのメンバー

学内メンバーとして,須網隆夫(EU法),

土田和博(経済法),鳥山恭一(商法),中島 徹(憲法)が,学外メンバーとして,愛敬浩 二(名古屋大学法学部・憲法),江口公典

(上智大学法学部,2004 年4月より慶應義塾 大学・経済法),岡田外司博(駒澤大学法学 部,2004 年4月より早稲田大学・経済法),

越知保見(西村ときわ法律事務所),高橋利 安(広島修道大学法学部・憲法),多田敏明

(日比谷総合法律事務所),中藤力(日比谷総 合法律事務所),細田孝一(公正取引委員会), 宮井雅明(立命館大学法学部・経済法),若 林亜理砂(静岡大学人文学部法学科,2004 年4月より駒澤大学・経済法),渡辺昭成

(静岡大学人文学部法学科・経済法)が,そ れぞれ参加している(合計 15 名)。リサー チ・アシスタントは,法学研究科博士後期課 程の長谷河亜希子(経済法専修)が務めてい る。

以上の顔ぶれを見てもわかるとおり,本研 究チームは,憲法学と経済法学,実務家と研 究者より構成される極めてハイブリッドな組 織である。実務家も弁護士と公取委職員の 方々というこれまた多彩な構成となっている。

ただし,研究の進展次第ではメンバーの追加 が必要になるかもしれず,特に経済学者など の参加を要請することがも考えられる。

2.研究の趣旨・目的

21 世紀COEプログラム「企業社会の変容 と法システムの創造」は,真に安定的な日本 の経済システムを構築するため,欧米の企業 制度の本質を分析し,日本に適合し,かつ普 遍的な企業法制を創造することを目的とする。

これに対し,本チームは,企業の活動の場で あり,企業社会に影響を及ぼし,また企業か らその作用に影響を受ける存在としての「市 場」に着目し,市場あるいはこれと企業との 相互関係について法学の観点から多面的な検 討を加えようとするものである。

このような検討を行う際,私達のチームは,

本COEプログラムが採択された理由を改め て想起してみた。すなわち,「日本の喫緊の 課題につき,制度の基礎構造に遡って歴史 的・哲学的に掘り下げた研究を行い,それを 踏まえてあるべき姿を探求するという,目的 を高く掲げた計画」となっていることが採択 された重要な理由である。このことから,憲 法学を中心とした理論的研究と経済法学を中 心とした実用法学的研究を接合し相互浸透を 図りつつ,原理原則なきアドホックな問題解 決と具体的現実を踏まえない空理空論を共に 排しながら,研究と実務の新しい地平を切り 拓きたいと考えたのである。

3.研究テーマ

2003 年に開いた2回にわたる研究会での

― 13 ―

企業と市場の相互作用に関する 法学的研究

須網隆夫

*1

・土田和博

*2

*1 早稲田大学大学院法務研究科教授

*2 早稲田大学法学部教授

(2)

議論を経て,5年間の研究テーマが確定した。

「政府規制(規制産業)と独占禁止法」であ る。少なくとも最初の1,2年は「経済的規 制と独占禁止法」というテーマで,具体的に は電気通信(情報通信),電力,IT産業など における独禁法適用の問題を検討することと したい。現在,独禁法改正に関するニュース が報じられているが,予定される改正の1つ の重要な柱がこの問題に関係する。すなわち,

加入者回線網,送電線網,市場占拠率の高い コンピュータソフトのオペレーティング・シ ステムなど,いわゆるエッセンシャル・ファ シリティ(不可欠施設)を保有する市場支配 的事業者の行う行為に対する迅速な規制の導 入の是非である。

残りの期間は「社会的規制と独占禁止法」

というテーマで研究を継続する予定である。

医療,介護,環境などにおける社会公共的利 益・非経済的利益と市場競争の相克と調和を どのように図るかという問題も含めて,検討 すべき課題は多い。これらの分野における規 制改革が進展するにつれて独禁法の適用範囲 が拡大することを考えると,この分野も未開 拓の将来性豊な研究領域といえよう。

5年間全般にわたって,憲法学を中心とし た理論的検討あるいは経済学などの隣接科学 的検討を並行して行う予定である。この研究 チームは,前述したように,「市場」や「企 業」の歴史学的,倫理学的,経済学的,憲法 学的検討を不可欠な要素としており,これを 踏まえて「市場」の基本的ルールを定める独 占禁止法の規定と運用を,欧米アジア諸国と 比較しようとするものであるからである。

4.研究計画の概要

¸ 2004年3月末までの研究計画の概要 2003 年 11 月 第1回研究会「企画の趣旨,

目的,研究計画」

12 月 第2回研究会「具体的テーマの決 定」

2004 年 1 月   第 3 回 研 究 会   越 知 保 見

「ボトルネック独占に対する規制―日米欧の 比較と日本の私的独占理論の問題点及び独禁 研報告書の狙い」

2月 第4回研究会 藤原淳一郎(慶應義 塾大学)「電力規制改革について」

3月 第5回研究会(3月末の予定)

3月6日¼ 日弁連消費者問題対策委員会 とのシンポジウム「カルテル・入札談合防 止 と 独 占 禁 止 法 改 正 」( 於 ・ 1 4 号 館 B101AVホール)

¹ 2004年4月から 2005年3月末までの 研究計画の概要

基礎理論的検討を継続しつつ,引続き「経 済的規制と独占禁止法」というテーマで独禁 法の実体規定,手続規定及びその運用に関し て,欧米アジア諸国との比較研究を行う。こ の段階で,各研究員は,出版に向けてリサー チペーパーをとりまとめることとしたい。

º 2005年4月から 2008年3月末までの 研究計画の概要

「経済的規制と独禁法」,「社会的規制と独 禁法」をテーマとして研究を継続する。¹º のいずれかの期間に,それまでの研究を踏ま えて国際シンポジウムを開催することとした い。その成果を著書の形で刊行することも予 定する。

5.教育面での貢献の可能性

本企画は,本年3月に公開シンポジウムを 開催するほか,学部,大学院,専門職大学院 で学ぶ学生,院生,市民向けの講演会やオム ニバス講座を開設することも可能であろう。

またCOEは,若手研究者養成も目的の1 つとされていることから,特に大学院生に対 して,さまざまな研究機会を提供することも 重要である。COEプロジェクトとして,研 究論文公表の場や国内・海外調査の機会が提 供されているので,積極的なチャレンジが期 待される。

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