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パッシブサーモグラフィ法を利用した産業廃棄造粒物の締固め管理

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Academic year: 2022

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パッシブサーモグラフィ法を利用した産業廃棄造粒物の締固め管理

中央工学校 正会員 ○ 金光 寿一 日本大学 正会員 栁内 睦人 (株)丸正土木 桐生 竜治 日本大学 学生会員 川久保政亮 戸田道路(株) 白井 成也

1.はじめに

我が国では廃棄物最終処分場の残余年数が逼迫しており,処分量を低減するためにごみ焼却灰の再利用や 資源化技術の開発が求められている.これまで焼却灰の再資源化には,超高温で溶融処理するしかなかった 中間処理技術に対して,小規模焼却工場において焼却灰の無害化再資源化技術が開発され,その焼却灰・焼 成物等の新たな再生資材の開発や有効利用が検討されている.

本研究では,混合産業廃棄物の焼却灰を焼成・粉砕・造粒したリサイクル材を盛土材,裏込め材,道路路 盤等への適用性を確認するために力学特性とともにパッシブサーモグラフィ法を適用した締固め管理につい て検討した.締固めの管理基準は,土質や用途によって異なるが,品質規定方式では密度,締固め度,空気 間隙率,飽和度等が用いられ評価されている.また,近年は締固め後の支持力評価として FWD 試験(Portable

Falling Weight Deflection Test)及び GPS(位置情報:締固め厚の評価)や締固め機械に加速度計を搭載してリア

ルタイムでの評価が試みられている.しかし,FWD 試験は特定の試験箇所のみの支持力判定であり,また,

振動ローラからの加速度評価では材料のばらつきや振動ローラの締固め範囲の重なりなどによって加速度応 答が異なることが指摘されている1),2).パッシブサーモグラフィ法は,土の締固め度の相違(密度,間隙比,

飽和度の変化)によって温度場変化が明瞭になるものと思われ,広範囲の温度変化を視覚的及び定量的に確認 できるものと考える.

2.実験概要

実験に供した試料は,(株)丸正土木から提供されたもので,

産業廃棄物混合を小規模焼却工場で焼成法融点以下に加熱 (1,000~1,100℃)により有害物を含有した焼却灰,焼却飛灰 (以下,両者を主灰と称する)を無害化したものである.さら に,主灰だけでは品質強度を得ることは難しいため,セメン トと混合・混練から造粒物を作製した.写真-1に主灰及び造 粒物を示す.締固め試験では,主灰及び

造粒物の粒度分布が異なるために,最適 な締固め強度を得るために両者を混合し 最適な配合率とともに最適含水比を求め た.その力学特性では一軸圧縮試験及び CBR 試験にて比較した.さらに,実施工 を想定した締固め管理では,締固め強度 (締固め回数)を変えてパッシブサーモグ ラフィ法の適用性について検討した.

3.焼成物の粒度分布と締固め試験

図-1に造粒物と主灰を混合した割合とその粒度分布を示す。ふるい分け試験の結果では,造粒 80%,主

キーワード:パッシブサーモグラフィ法,締固め管理、産業廃棄物、焼却灰焼成物

連絡先:〒

275-8575

千葉県習志野市泉町 1-2-1 日本大学生産工学部 TEL047-474-2441,

E-mail:[email protected]

(a) 主灰 (b) 造粒物

写真-1 製造された焼却灰焼成物

0 20 40 60 80 100

0.01 0.1 1 10 100

ふるいの呼び寸法(mm) 通過質量百分率() 造粒80%

造粒60%

造粒40%

造粒20%

図-1 混合物の粒度分布状況

写真-2 測定状況 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑467‑

Ⅵ‑234

(2)

灰 20%の割合で粒度分布が最もなだらかになる.その造粒 80%,主灰 20%の混合は,均等係数(Uc)が 17.4,曲率係数 ( U'c)が 1.84 である.また,締固め試験では最大乾燥密度 は 1.83g/cm3,最適含水比は 16.5%が得られた.

4.サーモグラフィ法による締固め管理

実験に供した試験体は,締固め試験用のモールド(φ 150mm)を利用して,試料は混合 80%で行った.締固め条件 は,得られた最適含水比とし,ランマーによる締固め回数 を各 5 層で 15,30,55 回の 3 種類とした.測定開始前の湿 潤密度は,締固め 15 回が 1.84g/cm3,30 回が 1.87g/cm3, 55 回が 1.91g/cm3であった.また,測定後の表層部の含水 比は,それぞれ 6.36%,5.47%,8.51%で,空気間隙率は 11.7%,10.3%及び 8.4%である.赤外線カメラによる温 度測定は,8 月 3 日の時刻 12:00 から 15:00 まで測定距離 120cm の位置から 5 分間隔で熱画像の撮り込みを行った(写 真-2参照).図-2には自動計測で得られた全天日射量と外 気温を示す.平均風速は 2.2 m/s であった.写真-3及び写 真-4 に測定開始時と各試験体間に温度差が最も大きくな った 13:00 の熱画像を示す.また,図-3には測定開始時か らの温度上昇を示す.その 13:00 の温度上昇は,締固め回 数 の 規 準 を 55 回 に 仮 定 す る と 15 回 で は 規 準 よ り も 2.43℃,30 回は 1.99℃高くなっている.測定開始 25 分後 の 12:25 においても 1.82℃と 1.56℃の温度差が生じてお り,熱画像から視覚的に締固めの相違が判読できる.このよ うにパッシブサーモグラフィ法は,表層部に蓄積される熱 量を期待するもので,空気間隙率が温度上昇に大きく影響 するものと考えられる.一方で,含水比を一定にしても締 固め回数が増えると表層部の含水比が大きくなり,温度上 昇に影響を与えることになる.今後は,種々施工時間帯に

おいても温度差が得られるのか検討しなければならないが,TS や GPS との組み合わせにパッシブサーモグラ フィ法を適用することによって締固め管理の信頼性がより向上するものと考える.

5.まとめ

本研究で得られた所見を以下に示す。

(1) 主灰の締固め曲線は平滑であり,最大乾燥密度の変化は小さい.

(2) 造粒単独の締固め試験では細粒分が少なく,かみ合わせが小さいために摩擦力が得られず,含水比を変 えても全く締固まる状態にはならなかった.

(3) パッシブサーモグラフィ法による締固め管理では,空気間隙率が大きいほど温度上昇が大きくなり,25 分後には熱画像から視覚的に締固め回数の相違が確認できた.

参考文献

1) 古屋弘,藤原宗一:加速度センサーと GPS を組み合わせた締固め管理システムの開発,地盤工学会,土と基礎 48(4),pp.21-24,

2000.7

2) 建山和由:振動ローラーの振動挙動計測による土の締固め度評価手法,地盤工学会,土と基礎 48(7),pp.1-4,2000.7

(39.31℃) (38.47℃) (36.88℃)

(a)15 回 (b)30 回 (c)55 回

0 200 400 600 800 1000

5:00 10:00 15:00 20:00

時刻 日射量(W/m2 )

10 20 30 40 50 60

外気温(℃)

日射量 外気温

測定時間 12:00~15:00

図-2 日射量と外気温

(33.41℃) (33.74℃) (33.14℃)

(a)15 回 (b)30 回 (c)55 回 写真-3 熱画像(12:00)

写真-4 熱画像(13:00)

-2 0 2 4 6 8 10

12:00 12:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30 16:00 時刻

度上昇(℃)

15回 30回 55回

図-3 締固め回数と温度上昇 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

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参照

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