Japan Advanced Institute of Science and Technology
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Title Al2O3およびAlTiOの化合物半導体異種材料融合集積技
術への応用
Author(s) 宇井, 利昌
Citation
Issue Date 2017‑03
Type Thesis or Dissertation Text version ETD
URL http://hdl.handle.net/10119/14253 Rights
Description Supervisor:鈴木 寿一, マテリアルサイエンス研究科
, 博士
氏 名
宇井 利 昌 学 位 の 種 類
学 位 記 番 号 学 位 授 与 年 月 日
博士(マテリアルサイエンス)
博材第
416号 平成
29年
3月
24日
論 文 題 目 Al
2O3および
AlTiOの化合物半導体異種材料融合集積技術への応用 論 文 審 査 委 員 主査 鈴 木 寿 一 北陸先端科学技術大学院大学 教授
徳 光 永 輔 同 教授 大 島 義 文 同 准教授 赤 堀 誠 志 同 准教授 前 澤 宏 一 富山大学大学院 教授
論文の内容の要旨
論文審査の結果の要旨
機能的多様化に基づくエレクトロニクスの進歩のためには、半導体材料と様々な材料を組み合 わせた技術の発展が不可欠である。化合物半導体エレクトロニクスにおいては、化合物半導体と 絶縁体を組み合わせて用いることが重要であり、このことをふまえた絶縁体材料技術の進展が求 められている。本研究は、化合物半導体と組み合わせて用いる高誘電率(high-k)絶縁体として、
Al2O3およびAlTiO(Al2O3のとTiO2の混合酸化物)に着目し、その性質を明らかにしつつ、化合 物半導体異種材料融合集積技術への応用を検討したものである。
まず、Al2O3、AlTiO、およびTiO2薄膜の原子層堆積を検討し、組成制御技術を確立した後、
AlTiO の基本物性と表面エネルギーの組成依存性を明らかにした。その結果、組成制御された
AlTiO を用いることで、応用に応じて誘電率とバンドギャップのトレードオフをふまえた絶縁
体材料の設計が可能であることが示された。
次に、Al2O3およびAlTiOを、高速電子輸送特性に優れた狭ギャップ化合物半導体InAsの異 種材料融合集積技術に応用することが検討された。これまでに、エピタキシャルリフトフと貼付 に基づく異種材料融合集積技術によって、低い寄生容量と軽量性が特徴である低誘電率(low-k) フレキシブル基板上の InAs薄膜 (InAs/low-k 構造)が実現されており、高い電子移動度が確認 されていた。しかし、貼付界面の揺らぎに起因する電子散乱、low-kフレキシブル基板の乏しい 放熱特性という問題も明らかになっていた。こうした問題の解決のために、InAs薄膜と low-k フレキシブル基板の間に high-k 絶縁層を設けた InAs/high-k/low-k 構造の作製に取り組み、
high-k絶縁層に Al2O3あるいは AlTiO を用いた構造の実現に成功した。その結果、InAs 膜厚 がサブ 10nm となる領域において、界面揺らぎに起因する電子散乱の抑制が可能であることが 示された。また、この構造において生じる変調ドーピング現象を、電子輸送特性の解析・界面分 析・数値計算から解明した。
さらに、得られたInAs/high-k/low-k構造に基づいて、InAsチャネル電界効果トランジスタ
(FET)の作製が行われた。その結果、low-kフレキシブル基板に対するデバイスプロセス温度が
低温(<150℃)に制限されているにもかかわらず、最大ドレイン電流>120 mA/mm、最大相互コ ンダクタンス>40 mS/mmというFETの高い電流駆動能力が示された。FETのオフ特性には改 善の余地が残されたが、これにより当該技術の可能性が実証されたと言える。
以上のように、本論文では、Al2O3およびAlTiOの化合物半導体異種材料融合集積技術への応用につ いて新規かつ有用な結果が得られており、学術的および産業的な価値が大きい。よって博士(マテリ アルサイエンス)の学位論文として充分価値あるものと認めた。