学 位 論 文 題 名
博士 (水 産 学) スカ ノレ ノ
Studies on Hydrolytic Enzymes from ‑the Liver of Neon Flying Squid
( ア カ イ カ 肝 臓 加 水 分 解 酵 素 の 精 製 と 性 質 )
学位論文内容の要旨
ア カ イ カ の 肝 膵 臓 ( 以 下 肝 臓 ) は 肝 臓 中 に 含ま れ る 各種 酵素 の活 性が非常に強い.
そのため自己消化 作 用の 進行 が速 く,
アカイカ肝臓の利用には困難が 伴 う.
この た め現状ではその大半が大量に廃棄され ている. したがって,
もしアカイカの肝臓に含まれ る 各 種 の 有 用 酵 素 を 利 用 す る こ と が 可 能 に な れ ば,
資 源 の 有 効 利 用 や 廃 棄 物 処 理 の 負 担 の 軽 減 に 大 きく 貢献し得る.
本 研 究 で は 有 用 加 水 分 解 酵 素 と し て ア カ イ カの 肝 臓 よ ル リ パ ー ゼ と プ 口 テ ィ ナ ー ゼ を 分 離 す る こ とを 試み,
得られた酵素についてその性質を検討し,
併 せ て 分 離 し た 酵 素 を 用 い て 新 た な る 利 用 法 に っ いて も検討を行った.
アカイカの肝臓をアセトン, 酢酸エチル, ジエチ ル エ ー テ ル な ど の 有 機 溶 媒 で 脱 脂 処 理 を し て 得 た粗 酵 素 ( 比活 性
20.Ouni ts/mg)を ,
ふ っ化 フェ ニル メ チ ル ス ル ホ ニ ル で 処 理 後 ,
DEAE― セ ル 口 ー ス・ イ オ ン 交 換 ク 口 マ ト グ ラ フ ィ ー ( 比 活 性
72.3units/‑ 888
−
m辷 ) , セ フ ァ デ ッ ク ス G― 100ゲ ル 浸 透 ク 口 マ ト グ ラ フ ィ ー ( 比 活 性 1 59.2uni ts/mg) , 調 製 デ ィ ス ク
電 気 泳 動 法 の 各 精 製 本 酵 素 の 分 子 量 は 約 液 中 で は 活 性 を 有 し で 活 性 を 発 現 す る こ ク チ ナ ー ゼ を 含 ま ず 認 し た . さ ら にア ン ト リ プ シ ン ・ イ ン ヒ
・ イ ン ヒ ビ タ ー の 有 差 が み ら れ な か っ た ー ゼ が 混 在 し て い な パ ー ゼ の 活 性 発 現 に で あ っ た . こ のり パ は25℃ で あり , 至 適 る こ と を 認 め た . 本 リ パー ゼに よ る 種 の 加 水 分 解 の タ イ ラ ン ダ ム 型 で あ り , 的 に 作 用 す る こ と が ついで, アカイカ プ 口 テ ィ ナ ー ゼ ) の プ ラ ス チ ン 合 成 へ の ア カ イカ 肝臓 の ア 15.56 units/rDg) と オ ン 交 換 ク 口 マ ト グ
法 を 経 て り パ ー ゼ を 分 離 し た . 33.000(SDS−PAGE)であり, 水溶 な い こ と , 乳 化 系 や 逆 ミ セ ル 系 と か ら 本 酵 素 が エ ス テ ラ ー ゼ や り パ ー ゼ の み よ り 成 る こ と を 確 チ パ イ ン , ペ プ ス タ チ ン A, ビ タ ー な ど の 各 種 プ 口 テ ア ー ゼ 無 に よ る 活 性 の 比 較 に よ っ て , も こ と か ら , 本 酵 素 中 に プ ロ テ ア いことを確かめ,た. なお, 本り は コ フ ァ ク タ ー の 共 存 が 不 可 欠 ー ゼ の 至 適pHは 7.0, 至 適 温 度 温 度 の 特 異 性 と し て 低 温 側 に あ 各 種 脂 質 並 び に 個 々 の 脂 質 分 子 ム コ ー ス の 解 析 よ り , 本 酵 素 は と く に オ レ イ ン 酸 に 対 し て 優 先 判明した・
肝 臓 プ 口 テ ィ ナ ー ゼ ( セ リ ン ・ 基 本 的 性 質 と タ ン パ ク 質 類 似 物 応 用 に つ い て 検 討 し た . 、 セ 卜 ン 沈 澱 物 を 粗 酵 素 ( 比 活 性 し , こ れ をDEAE− セ ル 口 ー ス イ ラ フ ィ ー ( 比 活 性 98. 37units
―889− ・
/
mg) 及 び セ フ ァ デ ッ ク ス
G−
100ゲ ル 浸 透 ク 口 マ ト グ ラ フ ィ ー に 供 して プ口 ティ ナー ゼを 精製 した .
そ の 比 活 性 は
847. 50units/
mgで 粗 酵 素 の そ れ と 比 較 し て
55倍 の 比 活 性 を 有 し て い た .
SDS‐
PAGEザ イ モ グ ラ ム に よ る 分 子 量推 定の 結果 ,
本プ 口テ ィナ ーゼ の 分子量は
24.
000,
加水分解至適
pHは
5.0であり, pH
4か ら
7の 範 囲 で 安 定で あっ た.
至 適温 度は
37℃ であ り ,
ま た 温 度 安 定性 も
37℃ま で安 定で ある こと を認 めた. ジチオスレイトール, L ―システイン, グルタ チオン, カルウム, ナトリウム, カルシウム, マグ ネ シ ウ ム ,
ア ン モニ ウム のイ オ ン等 によ って 活性 化 し,
ヨード酢酸, 大豆トリプシンインヒピター, 鉄
(
2価) ,
水銀 ,
銀 の各 イオン等によっ て活性が阻 害されることを認めた.
アカイカ肝臓の加 水分解物を濃縮し,
本プロティ ナ ー ゼ を 再 添 加 す るこ とに よル タン バク 質類 似物 の プ ラ ス チ ン を 合 成 し た 結 果 ,
ハ ン タ ー 白 色 度 が
58‑65
の プ ラ ス チ ン を 得る こと がで き た.
48時 間の プラ ス チ ン 合 成 反 応 では ,
生 成プ ラ スチ ンの アミ ノ酸 組 成 は ア カ イ カ 肝 臓 タ ン パ ク 質 の そ れ と ほ ば 同 一 で あ っ た が ,
反 応
96時間 では りジ ンと トリ プト ファ ンが 減少し,
逆にアスパラギン酸, グルタミン酸, アラ ニ ン な ど の ア ミ ノ酸 が増 加し た.
こ のこ とか らア カ イ カ 肝 臓 の プ ロ テ ィ ナ ー ゼ に よ る 反 応 条 件 を 調 節 す
丶
る こ と に よ っ て 栄 養 性 を 考 慮 し た プ ラ ス チ ン を 合 成
できることが示唆された.
以上より, 経費等はかかるが, 廃棄物再利用の視
点から,
アセトン可溶部より得られる脂質はもとよ
り,
本酵素と内臓加水分解物は餌料等の用途に充分
に耐え得えることを認めた.
学 位 論文 審 査 の 要旨
副 査
教 授 羽 田 野 六 男 教 授 関 伸 夫 一
助 教 授 高 橋 是 太郎 学 位 論 文 題 名
Studies on Hydrolytic Enzymes from the Liver of Neon Flying Squid
(アカ イカ肝臓加 水分解酵素の精製と性質)
ア カ イ カ の 肝 膵 臓 ( 以 下 肝 臓 ) に 含 ま れ る 各種 酵 素 は 活 性が 非常に 強い. その ため自 己消化 作用の進 行が速く, アカイカ肝臓の利用には困難が伴い, そ の 大 半 が大 量に廃 棄され ている 現状に ある. 本研究 は , アカ イカの 肝臓に 含まれ る有用 酵素の りパーゼ と プ ロ テ ィ ナ ー ゼ を 利 用 す る こ と を 目 的 と し て行 つ たものである.
本 研 究 で は 以 下 の 4点 を 明 ら か に し た . (1) アカイ カの肝 臓をアセトン, 酢酸エチル,
ジ エ チ ル エ ー テ ル な ど の 有 機 溶 媒 で 脱 脂 処 理 をし て 得 た 粗 酵素 を, ふっ化 フェニ ルメチ ルスル ホニルで 処 理 後 ,DEAE一 セ ル ロ ー ス ・ イ オ ン 交 換 ク ロ マト グ ラ フ ィ ー , セ フ ァ デ ッ ク スG−100ゲ ル 浸 透 クロ マ ト グ ラ フィ ー, 調製デ ィスク 電気泳 動法の 各精製法 を経てりパーゼを分離, 精製した. 本酵素の分子量 は約33,000(SDS−PAGE)であり, 水溶液中では活性を 有 し な いこ と, 乳化系 や逆ミ セル系 で活性 を発現す る こ と か ら 本 酵 素 が エ ス テ ラ ー ゼ や ク チ ナ ー ゼを 含 ま ず り パー ゼのみ より成 ること を確認 した. さらに ア ンチパイ ン, ペプス タチン A, トリプシン・イ ン ヒ ビ タ ー な ど の 各 種 プ 口 テ ア ー ゼ ・ イ ン ヒ ビタ ー の 有 無 に よ る 活 性 の 比 較 に よ っ て も 差 が み ら れな か ったことから, 本酵,素中にプロテアーゼが混在して い な い こ と を 確 か め た . こ の ル パ ー ゼ の 至 適pHは 7.0, 至 適 温 度 は25℃ で あ り , 至 適 温 度 の 特 異 性 と して低温側にあることを認めた. なお, 本リパーゼ の 活 性 発 現 に は コ フ ァ ク タ ー の 共 存 が 不 可 欠 であ つ た.
― 892―
査 査
主 副
の そ れ と 比 較 し て55倍 の 比 活 性 を 有 し て い た .SDS ーPAGEザイ モ グ ラムに よる分 子量推 定の結 果, 本プ ロ ティナー ゼの分 子量は24,000, 加水分解至適pHは 5.0であり , pH4から7の範囲 で安定であった. 至適 温 度 は37℃ で あ り, また温 度安定 性も37℃まで 安定 であることを認めた. ジチオスレイトール, L―シス テイン, グルタチオン, カリウム, ナトルウム, カ ルシウム, マグネシウム, アンモニウムの各イオン によっで活性化し, ヨード酢酸, 大豆トリプシンイ ンヒビター, 鉄(2価), 水銀, 銀の・各イオンによ って活性が阻害されることを認めた.
(4) アカイ カ肝臓 の加水 分解物を濃縮し, 本プ ロ テ ィ ナ ー ゼ を 再 添 加 す る こ と に よ り タ ン パ ク 質 類 似 物 の プラ ス チ ンを合 成した 結果, ハン ター白 色度 が58←65の プ ラ スチン を得る ことが できた . こ のプ ラ ス チ ンの ア ミ ノ酸組 成を検 討した 結果, アカ イカ 肝 臓 の プ ロ テ ィ ナ ー ゼ に よ る 反 応 条 件 を 調 節 す る こ と に よ っ て 栄 養 性 を 考 慮 し た プ ラ ス チ ン を 合 成 で き ることが示唆された. 以上より, 経費等はかかるが,
廃 棄 物 再利 用 の 視点か ら, アセト ン可溶 部より 得ら れ る 脂 質は も と より, 本酵 素と内 臓加水 分解物 は餌 料 等 の 用 途 に 充 分 に 耐 え 得 え る 、 こ と を 認 め た .
―‑ 893―
れ 処 を 位 資
. さ 物 途 学 な 棄棄 方は 分 廃廃 用 同十 にや 利ー に 量、 用 が員 る 大利 点査 け が効 る審 受 臓有 得 を 肝 の し カ 源 献
る位 れ学 イ 資貢 さの カ く 価
) た ア み き 評 学 し は が大 て産 定 文 ん に し 水 判
・ 論 か 減 と
( と 本 に軽 容士 の 状の 内博 も て 現担 たが る っ る負 し者 あ よ いの 示請 が て 理 提 申 格