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学位論文題名JVIathematical Analysis of Singular DiffusionEquations WithCOnStraintS

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 里 田 紘 敏

     学位論文題名

JVIathematical Analysis of Singular DiffusionEquations     WithCOnStraintS

( 束 縛 条 件 っ き の 特 異 拡 散 方 程 式 に 関 する 研 究 )

学 位論文内容の要旨

  本論文 では物理学・工学への応用が期待されている特異拡散方程式、特に1.調和写像 方程式と呼ばれる方程式にさまざまな束縛条件を課した問題に関する研究を扱っている。

まず、この1.調和写像流方程式の表す物理的モデルや実社会での工学面への応用などにつ いて述 べる。本 論分の 第2〜3章で 扱っている問題、すなわち方程式の解の値のとる範囲 を球面に制限して考えた場合には、例えば画像処理における(ノイズたどのある画像デー タの)整形のプロセスを記述している。このときにはさまざまな画像処理の手法のうち、

色調と 呼ばれる 色の3原色の 比を修正 する方 法になっ ている 。また、第4〜5章で扱って いるよう問題、すなわち方程式に非斉次項とよばれるファクターを与えた場合には、結晶 成長を記述したモデルとして提唱されている。特に、平面上で既にすべて固体になった後 に結晶が回転しながらくっついていく様子を表している方程式(実際にはモデルは複数の 方程式の連立で表されるのでその1つ)と考えられている。

    この1.調和写像流方程式と呼ばれる特異拡散方程式は、方程式において分母が0とな る特異点における特異性が非常に強く、数学的には特別な場合にしか結果が得られていな い。また数値計算・数値実験を直接行うこともできない。そこでその突破口として、ある 条件下(これは物理モデル的には不自然な仮定ではなぃ)では空間変数に関して局所定数 関数(階段関数)となるような解を考えることができることを示すことにより、問題を偏 微分方程式から常微分方程式系に書き直して数学的な解析を行いやすくした。このことに より、解の挙動・振る舞いを考察でき、また適切な近似問題を設定することにより妥当性 が保証された数値計算を実行することが可能となった。このようにある仮定のもとではあ るが、これまであまり結果が得られていない問題にアプローチする手法を構成できたこと が本論文の主結果である。数学的には1・調和写像流方程式はp‐調和写像流方程式と呼ぱ れる方程式のp二ニ1の場合である。そのことを利用したアプローチもこれまでに多くの研究 者によってなされているが、それらよりも限定された状況下であるとはいえ、より簡単に 解析できたことは本研究の意義であると思う。

  次 に本論文 の具体的 な内容 について 述べる 。第1章では後 に必要となる事柄、特に有 界変動関数の定義とその性質、船よび極大単調作用素と凸関数の劣微分で表される方程式

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の 可解性 などを中 心にまとめた。第2章ではp―ー1の場合とp=2の場合の調和写像流方程 式では同じ条件下でも解の挙動が大きく異をるものの例を考察した。具体的にはある初期 条件・境界条件のもとではp=2のときは時間大域的な滑らかな解が存在するが、p二ニ1のと きは滑らかさが有限時刻で失われてしまうことを証明した。第3章では値域を球面に制限 した斉次方程式の場合に、方程式をエネルギー汎関数の勾配流として定式化し、初期値が 局所定数関数ならぱ1・調和写像流方程式の解も局所定数関数であることを証明した。第4 章では値域は制限しないが非斉次項がある場合に、その非斉次項がある条件を満たしてい れば第3章と同じように局所定数関数の形の解を考察することができることを証明し、さ らに時間定常解の具体的な形を決定した。第5章では特異性を解消した適切な近似問題を 構成し、その近似問題の解がもとの1‐調和写像流方程式の解に収束することを証明した。

さらにその近似問題の数値計算の例をいくっか挙げ、第4章で説明した時間定常解への収 束の様子を考察した。これまでの既知の結果では近似問題のもとの問題への収束を厳密に 説明しているものは少なく、本論文ではその点も数学的に証明したことが特徴的である。

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学位論文審査の要旨

主 査  教 授  利 根 川 吉 廣 副 査  教 授  高 岡 秀 夫 副 査  准 教 授  津 田 谷 公 利

副 査  准 教 授  山 崎 教 昭 ( 室 蘭 工 業 大 学 ・ 共 通 講 座 )

     学位論文題名

Mathematical Analysis of Singular DiffuSionEquationS     WithCOnStraintS

( 束 縛 条 件 っ き の 特 異 拡 散 方 程 式 に 関 す る 研 究 )

本論文は、カラー画像処理 問題や結晶粒界問題を記述する数理モデンレの解析的研究である。カラ ー画像中のノイズ丶カ邨無基されるときの時間変化や結晶の角度の時間変化を、物理的状態を測る関 数の挙動によって調べよう としている。

  本論 文は 、上 記の動機の下に、こ れらをヒルベルト空間における抽象発展方程式の立場か ら論 じているが、次の点で高く 評価できる。

    (カラー画像処理問題 に対する解析手法の確立)

  カラ ー画 像処 理問題においては、 画像の包調や輪郭を保ちながらノイズを除去したいため 、そ の 数理 モデ ルは 全変動流方程式とな る。それを解析する手法はこれまでにぬかったが、全変 動流 方 程式 を離 散常 微分方程式系で近似 する手法を提案し、解の存在を示すことに成功した。こ の手 法は、全く新しい発想であ り興味深い。

    (結晶粒界の角度をi改ける異方性特異拡散方程式 の解析・)

  結晶粒界の角度を言己述 する異方性特異拡敵方程式の解析には、ヒルベルト空間に韜ける凸関数 の 劣微 分作 用素 論が有効であること に着目し、弱解の存在・一意性、定常解の存在と構造を 示す こ とに 成功 した 。ディリクレ境界条 件の場合、エネルギー全変動汎関数の劣微分の扱いが非 常に 難 しい が、 境界 条件を満たす解の存 在とその構造(区分的定数値解の存在うや定常解が一意 にな る条件を明らかにした点は 、極めて高く評価できる。

  本 論 文 は5章 か ら な り 、1章 は 既に 得ら れた 理論 のま と めで ある が、2章 から5章ま で、 いず れもオリジナノレな結果を 含んでいる。それらは方法論的にも数々の新しい知見を与えるものであ り、今後のこれらの分野の 新展開に大いに貢献するものである。

  よ っ て 著 者 は 、 ゴb毎 道 大 学 博 士旺 里学 うの 学位 を授 与‑さ れる 資格 があ るも のと 認め る。

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参照

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