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第4章 調査産業計における企業内バッファの動き 第5章 まとめ 補論 規模別の常用労働者数の動きについて

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(1)

第 4 章 調 査 産 業 計 にお け る 企 業 内 バ ッ フ ァの 動 き

1 女 性比 率と 男女 間 賃金格 差の 動向

本章 にお いて は、「毎 月勤労 統計 調査 」の調 査産業 計に つい て 、前 章でみ た労 働者 の雇 用 形 態別の 代わ りに 男女 別 の区分 を用 いて 、ま た 500 人 以上 の規 模区 分 を 500~999 人と 1,000 人以上 に分 けて 、雇 用 のバッ ファ の動 向を み ること とす る* 17。

近年 、女 性労 働者 に ついて は大 企業 にお い ても採 用者 に占 める 割 合や、 結婚 ・出 産・ 育 児 期にお ける 継続 就業 率 が高ま った こと で、就業 率のい わゆ るM字カ ー ブはほ ぼ台 形に 移行 し、 平均勤 続年 数も 伸び て いる* 18 。さら に 、管 理職 に占め る女 性比 率も 、特に2000年代 以降 上 昇 し て き て い る* 19 。 事 業 所 規 模 別 の 常 用 労 働 者 に 占 め る 女 性 比 率 は 第 4 - 1 - 1 図 の と お り、各 規模 とも 高ま り をみせ てい る中 で、1,000 人 以上 事業 所で 最も 上昇し てい る。 また 、 1,000人 以上 規模 事業 所 では、1990年 代か ら2000年代半 ばに かけ て男 女 間賃金 格差 が拡 大す

る傾向 にあ った が 、2000年代後 半か らは 縮小 に 向かい 、2016年に は規 模間で あま り格 差に 違 いがみ られ なく なっ て いる。

この よう に、 今後 、 さらに 女性 がコ ア労 働 者の中 に進 出し てい く 傾向は 強ま って いく で あ ろうが 、本 稿で みる1993年以降 から 足下 2016年まで の状 況に おい て 、女性 常用 労働 者の パ ートタ イム 比率 も 28.9%か ら 48.6% へと 上昇 してお り* 20、基幹 的業 務 を担う パー トタ イ ム 労働者 の増 加を 考慮 し てもな お、 日本 的雇 用 システ ムの 内部 にお い て女性 常用 労働 者が コ ア 労働者 であ った とみ な すこと には 躊躇 する 。 以下で は、 男性 常用 労 働者を コア 労働 者と 位 置 づけて 各指 標の 動き を みるこ とと する 。

使用 する デー タは 、 前章と 同じ く巻 末の 資 料をみ てい ただ きた い 。なお 、製 造業 の場 合 と 異なり 、調 査産 業計 の事 業所規 模別 の生 産や 付 加価値 を示 す統 計指 標 は得ら れな いこ とか ら、 生産性 や弾 力性 につ い てみる こと はで きな い ため、 本章 では 労働 費 用の変 動要 因の みに つ い て追う こと とす る。

2 現 金給 与総 額変 動 要因

第4 -2 -1 図は 、 前章第 3- 3- 2図 と 同様に 、事 業所 規模 別 に全労 働者 に支 払わ れ た 現金給 与総 額で ある 総 労働費 用額 の前 年比 を 寄与度 分解 した もの で ある* 21。総労 働費 用は 大 規模事 業所 で変 動幅 が 大きい こと がわ かる 。 また、 本図 では 女性 労 働者に 関す る要 因を 比 較

*17 こ の 分 析 の た め に 、「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」の 結 果 原 票 の う ち 、e-statに 上 げ ら れ て い な い 調 査 産 業 計 の 規 模

別 ・ 男 女 別 (1993 年 ~2006 年 ) を 、 厚 生 労 働 省 政 策 統 括 官 付 参 事 官 付 雇 用 ・ 賃 金 福 祉 統 計 室 か ら ご 提 供 い た だ い た 。 お 忙 し い と こ ろ ご 協 力 い た だ い た こ と に つ き 、 記 し て 謝 意 を 示 し た い 。

*18 女 性 一 般 労 働 者 に つ い て 、男 女 雇 用 機 会 均 等 法 が 施 行 さ れ た1986年 に7.0年 、以 後1997年8.4年 、2007

年8.7年 、2017年9.4年 ( 厚 生 労 働 省 「 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 」)。

*19 100人 以 上 企 業 に お け る 課 長 級 以 上 に 占 め る 女 性 の 割 合 は 、1988年 の1.4% か ら1997年3.3% 、2007年

5.8% 、2017年9.6% ( 厚 生 労 働 省 「 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 」) と な っ て い る 。

*20 前 章 で み た 製 造 業 で の パ ー ト 比 率 よ り も 、 調 査 産 業 計 で は 高 く 、 上 昇 傾 向 も 強 い 。

(2)

第4-2-1図 事業所規模別総労働費用額変動の要因分解( 前年比、調査産業計、5人以上)

①5人以上

②1 ,0 0 0 人以上

    -15 -10 -5 0 5 10 15

1995 2000 05 10 15

女所定外労働時間

女所定内労働時間

女特別給与

女時間当所定外給与

女時間当所定内給与

女常用労働者数

男所定外労働時間

男所定内労働時間

男特別給与

男時間当所定外給与

男時間当所定内給与

男常用労働者数

総労働費用

(年)

( %) -15 -10 -5 0 5 10 15

1995 2000 05 10 15

女所定外労働時間

女所定内労働時間

女特別給与

女時間当所定外給与

女時間当所定内給与

女常用労働者数

男所定外労働時間

男所定内労働時間

男特別給与

男時間当所定外給与

男時間当所定内給与

男常用労働者数

総労働費用

(3)

③5 0 0 ~9 9 9 人

④1 0 0 ~4 9 9 人

    -15 -10 -5 0 5 10 15

1995 2000 05 10 15

女所定外労働時間

女所定内労働時間

女特別給与

女時間当所定外給与

女時間当所定内給与

女常用労働者数

男所定外労働時間

男所定内労働時間

男特別給与

男時間当所定外給与

男時間当所定内給与

男常用労働者数

総労働費用

(年) (%) -15 -10 -5 0 5 10 15

1995 2000 05 10 15

女所定外労働時間

女所定内労働時間

女特別給与

女時間当所定外給与

女時間当所定内給与

女常用労働者数

男所定外労働時間

男所定内労働時間

男特別給与

男時間当所定外給与

男時間当所定内給与

男常用労働者数

総労働費用 (年)

(4)

⑤3 0 ~9 9 人

⑥5 ~2 9 人

資 料 出 所   厚 生 労 働 省 「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」 ( 注 )   デ ー タ に つ い て は 巻 末 の 資 料 を 参 照 。

-15 -10 -5 0 5 10 15

1995 2000 05 10 15

女所定外労働時間

女所定内労働時間

女特別給与

女時間当所定外給与

女時間当所定内給与

女常用労働者数

男所定外労働時間

男所定内労働時間

男特別給与

男時間当所定外給与

男時間当所定内給与

男常用労働者数

総労働費用

(年) (%) -15 -10 -5 0 5 10 15

1995 2000 05 10 15

女所定外労働時間

女所定内労働時間

女特別給与

女時間当所定外給与

女時間当所定内給与

女常用労働者数

男所定外労働時間

男所定内労働時間

男特別給与

男時間当所定外給与

男時間当所定内給与

男常用労働者数

総労働費用

(5)

的濃く 塗り 分け てい る が、前 章で 濃く 塗っ た パート タイ ム労 働者 に 関する 要因 がほ とん ど 目 立たな かっ たの に対 し て、女 性も ある 程度 の 寄与を 示し てい るこ と がわか る。

第3 -3 -3 表と 同 様に、 経営 環境 が悪 化 した時 期に つい て労 働 費用を どの よう に調 整 し たのか をみ るこ とが で きれば 良い が、「 毎月 勤 労統計 調査 」では 付加 価 値のよ うな 経営 に関 す る指標 を得 るこ とが 出 来ない 。便 宜的 に規 模 別に総 労働 費用 が減 少 した年 につ いて 、変 動 寄 与度を 足し 上げ 、寄 与 率で表 示し たも のが 第 4-2 -2 表で ある 。

500人 以上 につ いて は 、労 働費 用減 少の 多く を 男性(コ ア )労 働者 数の 減少に よっ てい る。

次いで 、特 別給 与の 減 少が労 働費 用を 抑え て いるこ とが わか る。 一 方、製 造業 の場 合と 異 な り、所 定外 労働 時間 の 寄与率 は500人以 上規 模につ いて マイ ナス で ある。 すな わち 、労 働 者 の減少 を、 残さ れた コ ア労働 者が 所定 外労 働 をする こと によ って 補 ってい る可 能性 があ る 。 女性 につ いて は、1,000人以 上で は労 働者 の 減少が 、500~999人 に ついて は給 与・ 労働 時

間の減 少が 寄与 して お り、中 でも 特別 給与 の 減少は1,000人以 上に ついて も寄 与率 が比 較 的 大きい 。

大規模 事業 所で 雇用 バ ッファ とし て機 能し た ものは 、製 造業 と同 様 にまず 特別 給与 であ る が、所 定外 労働 時間 の バッフ ァ機 能は あま り なく、 これ まで のと こ ろ、女 性比 率が 低か っ た にもか かわ らず 女性 労 働者を 短期 的な 景気 変 動に対 する 雇用 バッ フ ァとし てい たこ とが 示 唆 される* 22。

第4 -2 -3 表は 、 第3- 3- 4表 と同 様 に、変 動係 数を タテ ヨ コに比 較し てみ たも の で ある 。① でみ ると 、大 規模で は女 性労 働者 数 の変動 が大 きく 、500~999人で は特 別給 与や 所 定外労 働時 間も 比較 的 変動し てい るこ とが わ かる。 また 、② で時 系 列をみ ると 、所 定外 労 働 時間は 変動 が大 きく な ってい るが 、特 別給 与 につい ては そう した 傾 向はみ られ ず、1,000 人 以上規 模で 女性 労働 者 数の変 動が 大き くな っ てきて いる のは 、近 年 の女性 採用 の増 加を 反 映 してい る可 能性 があ る 。

第4 -2 -4 図は 、 比較的 バッ ファ とし て 機能し てき た① 所定 外 労働時 間の 総実 労働 時 間 に占め る構 成比 と、 ② 特別給 与の 現金 給与 総 額に占 める 構成 比の 時 系列的 推移 を、 男性 に つ いてみ たも ので ある 。 所定外 労働 時間 比率 は 、各規 模と も傾 向的 に 高まっ てき てお り、 こ れ までの とこ ろシ ョッ ク の吸収 力を 高め てき た とみる こと がで きる だ ろう。 しか しな がら 、 今 後につ いて は、 働き 方 改革に よっ て恒 常的 長 時間労 働が 削減 され る 可能性 があ り、 所定 内 労 働時間 の短 縮に よる 対 応もあ る程 度な いと 、こ のバッ ファ 機能 は弱 ま る可能 性が ある 。片 や、 特別給 与割 合に つい て は各規 模と も2010年頃 まで低 下傾 向に あっ た ものが 、最 近は 概ね 横這 いとみ られ る 。2013年 以降 、政 府は ベー スア ップに よる 賃上 げを 労 使に要 請し てい ると こ ろ であり 、そ れが 持続 的 な経済 成長 に繋 がっ て いくな らば 、ボ ーナ ス の増減 によ るよ りも よ り

*22 製 造 業 に つ い て は パ ー ト タ イ ム 労 働 者 が あ ま り バ ッ フ ァ 機 能 を 果 た し て い な か っ た が 、 調 査 産 業 計 で は パ

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第4-2-4図 事業所規模別所定外労働時間と特別給与の構成比の推移( 男性)

① 所定外労働時間

② 特別給与

資 料 出 所   厚 生 労 働 省 「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」

( 注 )   1 .   ① は 総 実 労 働 時 間 に 占 め る 所 定 外 労 働 時 間 の 割 合 、 ② は 現 金 給 与 総 額 に 占 め る       特 別 に 支 給 す る 給 与 の 割 合 。

        2 .   デ ー タ ラ ベ ル は 1 , 0 0 0 人 以 上 、 5 0 0 ~ 9 9 9 人 、 5 ~ 2 9 人 に 付 け て い る 。

9.0

12.5

12.0

9.3

10.8

5.9

7.8

0 5 10

1993 95 2000 05 10 15

1,000人~

500~999人

100~499人

30~99人

5~29人

(年) (%)

29.2

23.9 25.5

28.1

23.0

19.0

14.5

0 10 20 30

1993 95 2000 05 10 15

1,000人~

500~999人

100~499人

30~99人

5~29人

(11)

第 5 章 ま と め

本研 究で は、様々 なコ ア労働 者の 雇用 維持 の ための バッ ファ につ い てみて きた 。そ の結 果、

① 企 業外 の雇 用バ ッ ファに つい て、 企業 の 規模別 構成 や子 会社 数 をみる とバ ッフ ァは 小 さ

くなっ てい るよ うに 思 われる が 、近 年、出向 を実施 する 企業 割合 が 高止ま りし てお り 、出 向によ る労 働移 動も 増 加傾向 にあ る。

② 製 造業 にお いて は 、パー トタ イム 労働 者 による 労働 費用 調整 が 短期的 には ほと んど 影 響 してお らず 、一般 労働 者の所 定外 労働 や特 別 給与に よる 労働 費用 調 整が 、雇 用の バッ ファ 機能を 果た して きた と 考えら れる 。

③ 厚 生労 働省 「毎 月 勤労統 計調 査」 の調 査 産業計 につ いて みる と 、大規 模事 業所 にお い て は 男 女 の 特 別 給 与 に よ る 調 整 が み ら れ る 一 方 、 所 定 外 労 働 時 間 に よ る 調 整 は あ ま り な く 、 女性の 労働 者数 によ る 調整が みら れた 。

ことが 分か った 。

次の 課題 は、 様々 な バッフ ァの うち どれ を 活用す るの かに つい て 、企業 はど のよ うに 選 択 してい るの かを 探る こ とであ る。 特別 給与 や 製造業 では 所定 外給 与 が比較 的大 きな バッ フ ァ 効果を 発揮 して きた こ とをみ たが 、な ぜそ の 指標を 変動 させ て労 働 費用を 削減 する とい う 選 択がな され たの であ ろ うか。 賞与 は業 績連 動 で決め るこ とを 労使 合 意して いて 調整 コス ト が かから ない とか 、労 働 時間は 恒常 的に 長く な ってい るの で短 くす る と時間 外割 増で 払っ て い た賃金 が節 約さ れて 効 果が大 きい とか 、そ う した判 断基 準を 知る こ とで、 長期 雇用 が今 後 持 続して いく のか につ い てのヒ ント が得 られ る と考え る 。さ らに 、「 働 き方改 革 」で 長時 間労 働 是正や 均衡 処遇 、女 性 の活用 に取 り組 むこ と が、雇 用バ ッフ ァに 与 える影 響に つい て、 企 業 からの 聞き 取り 調査 に よって 明ら かに する こ とも重 要な 課題 であ る 。

併せ て、「毎 月勤 労統 計調査 」結 果原 票に つ いて、 本研 究で 使わ な かった 産業 等の 分析 や、 「工業 統計 表」 の付 加 価値額 とリ ンク させ た 指標の 弾力 性推 計な ど 、活用 可能 性を ひろ げ て いくこ とも 取り 組む べ き課題 とし て残 され て いる。

(12)

補論 規模 別の 常用 労 働者数 の動 きに つい て

第4 -2 -1 図に お いて、100 人以 上( 女 性につ いて は 30 人以 上)各 規模 事業 所の 常 用 労働者 数が2009年に 前 年比増 加し てい る 。リ ー マンシ ョッ クを 含む 世 界同時 不況 の直 後(景 気の谷 は同 年3 月) で あるに もか かわ らず 、 大規模 事業 所の 雇用 者 が増え たこ とは どの よ う に理解 すれ ばよ いの で あろう か。

厚生 労働 省「 毎月 勤 労統計 」で は、 常用 雇 用指数 につ いて 5人 以 上と 30 人以 上の 2系 列 しか作 成さ れて おら ず 、それ 以外 の規 模別 に は時系 列比 較に 使用 さ れるこ とを 前提 とし て い ない。 それ を本 稿で は 、5人 以上 の指 数を 元 に結果 原票 の構 成比 で そのま ま按 分す ると い う 手法を 使っ たこ とも あ り、計 算上 の誤 差が 生 ずるこ とは 避け られ な いこと は踏 まえ る必 要 が ある。

その 上で 、まず 補- 1図で 総務 省統 計局「 労働力 調査 」の結 果と 比較し てみ よう 。「 労働 力 調査」 では 、総 務省 統 計局「 国勢 調査 」の 人 口をベ ンチ マー クに 長 期時系 列接 続数 値が 作 成 されて いる が 、企 業規 模 5人以 上の もの はな い ので 、30人 以上 で非 農 林業雇 用者 数を みた と ころ、 既公 表値 (結 果 原票) の5 人以 上と ほ ぼ平行 に動 いて いる 。 既公表 値と 長期 時系 列 接 続数値 を比 較す ると 、2006年 以降 、概 ね既 公表 値は長 期時 系列 接続 数 値より も前 年比 増減 率 が低く なっ てお り、2009年で は、30人以 上の 既公表 値が▲1.1%減 、長期時 系列 接続 数値 は ▲0.9% 減 と、「 毎 月勤 労 統計 調 査 」 に 近づ け て 比較 す る た め に5 人 以 上や 常 雇 、 臨 時雇 の 数

をみる こと がで きる 既 公表値 は、 長期 時系 列 接続数 値よ りも 減少 率 が大き めに 出て いる こ と が確認 出来 る。 すな わ ち、労 働力 調査 の既 公 表値は 2009 年の 労働 力の減 少が 若干 過大 と な ってい る。

「毎 月勤 労統 計調 査 」の常 用労 働者 は「 期 間を定 めず に、 又は 1 か月を 超え る期 間を 定 め て雇わ れて いる 」者 及 び「日 々又 は1 か月 以 内の期 間を 定め て雇 わ れてい る者 のう ち、 調 査 期間の 前2 か月 にそ れ ぞれ18日以 上雇 い入 れ られた 者 」で ある から 、「労 働力 調査 」の「常 雇」(1 年 を超 える 又は 雇用期 間を 定め ない 契 約で雇 われ てい る者 ) と「臨 時雇 」(1 か 月以 上 1 年以 内の 期間 を定 めて雇 われ てい る者 ) の合計 との 違い は、「毎 月勤労 統計 調査 」の 方 に「日 々又 は1 か月 以 内の期 間を 定め て雇 わ れてい る者 のう ち、 調 査期間 の前 2か 月に そ れ ぞれ18日以 上雇 い入 れ られた 者」が入 って い る一方 、「労 働力 調査」が事業 所規 模を 問わ な いのに 対し 、「 毎月 勤労 統計調 査」 は5 人未 満 事業所 に雇 用さ れる 者 を除い てい る事 であ る。 図でみ ると おり 、両 者 の差 は2013年 以前 にお いて は700万 人を 超え ていた もの が、 近年 は 小さく なっ てい る。

「 毎月 勤労 統計 調査 」の常用 労働 者数 に水 準 が比較 的近 いの は、「労 働力調 査 」の 企業 規模 5人以 上非 農林 業雇 用 者数で ある 。2000 年 以 降にお いて 両者 の差 は 170 万人 未満 であ り、

2008年から2009年 に かけて 「労 働力 調査 」 の雇用 者が▲1.4%減 少 、「毎 月勤 労統 計調 査」

(13)

補-1図 「 毎月勤労統計調査」 常用雇用者数と「 労働力調査」 非農林業雇用者数の比較

資 料 出 所   総 務 省 統 計 局 「 労 働 力 調 査 」 、 厚 生 労 働 省 「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」

( 注 )   1 . 「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」 の 常 用 雇 用 者 数 は 常 用 雇 用 指 数 に 基 準 年 の 2 0 1 5 年 実 数 を 乗 じ た も の 。         2 . 「 労 働 力 調 査 」 の 雇 用 形 態 別 及 び 、 規 模 5 人 以 上 は 2 0 1 1 年 の 結 果 原 票 が 公 表 さ れ て い な い 。       長 期 時 系 列 接 続 数 値 の 2 0 1 1 年 は 補 完 推 計 値 。

        3 . 「 労 働 力 調 査 」 に お い て 2 0 1 3 年 か ら 「 常 雇 」 を 有 期 契 約 ・ 無 期 契 約 別 に 調 べ る よ う 調 査 票 が       変 更 さ れ た 。

5,374

5,310

4,526

4,462 4,462

4,500

3,309

3,279

2000 3000 4000 5000

2000 2005 2010 2015

労働力調査 常雇+臨時 雇企業規模計

労働力調査雇用者(既公表 値)企業規模5人以上

毎月勤労統計事業所規模 5人以上

労働力調査長期時系列接 続数値企業規模30人以上

(年) (万人)

たが、以後 は「毎 月勤 労 統計調 査」の方 が上 回 り、近 年の 増加 率は 概 ね「毎 月勤 労統 計調 査」 の方が 高く なっ てい る 。両者 の違 いは 、「 労働 力調査 」の 雇用 者に は 「日々 又は 1 か月 未満 の契約 で雇 われ て」 い て前2 か月 に 18 日未 満しか 働い てい ない 日 雇と、(他 に分 類さ れる 、 すなわ ち現 業の )公 務 の産業 、5 人以 上規 模 企業の 5人 未満 事業 所 の雇用 者が 含ま れる こ と であり 、こ の違 いか ら 2009 年 以降 「毎 月勤 労 統計調 査」 を下 回る よ うにな って たこ とを 説 明する こと は難 しい* 23。

補- 2図 で見 ると お り、「 毎月 勤労 統計 調査 」が事 業所 規模 、「 労働 力調査 」が 企業 規模 別 という 違い があ るに も かかわ らず 、30~999人規模 にお いて は両 者 は似通 った 水準 で推 移 し ている 。しか し、5~29人規 模で は「 毎月 勤労 統計調 査 」が500~900万人(4 ~8 割)く らい多 いの に対 し、1,000 人 以上 規模 では 「労 働力調 査」 が 700~900 万人 多い 、約 4倍 の 人数と 大き な差 が見 ら れる 。当 然の こと であ るが、「 毎月 勤労 統計調 査」は企 業よ りも 単位 が

(14)

補-2図 規模別「 毎月勤労統計調査」 と「 労働力調査」 の雇用者数の比較( 規模5人以上) ①規模5~9 9 人

②規模1 0 0 人以上

資 料 出 所   総 務 省 統 計 局 「 労 働 力 調 査 」 、 厚 生 労 働 省 「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」

( 注 ) 1 .   「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」 の 常 用 雇 用 者 数 は 「 資 料 」 に し た が っ て 作 成 し た 本 稿 第 4 章 で 使 用 し た も の 。

      2 .   「 労 働 力 調 査 」 の 雇 用 形 態 別 及 び 、 規 模 5 人 以 上 は 2 0 1 1 年 の 結 果 原 票 が 公 表 さ れ て い な い 。

      3 .   「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」 は 事 業 所 規 模 別 、 「 労 働 力 調 査 」 は 企 業 規 模 別 。

      4 .   ラ ベ ル は 1 , 0 0 0 人 以 上 の 2 0 0 8 年 と 2 0 0 9 年 。 500

1000 1500 2000

2000 2005 2010 2015

労働力調査5~29人

毎月勤労統計5~29人

労働力調査30~99人

毎月勤労統計30~99人

(年) (万人)

1,070 1,077

216 244

0 500 1000 1500

2000 2005 2010 2015

労働力調査100~499人

毎月勤労統計100~499人

労働力調査500~999人

毎月勤労統計500~999人

労働力調査1,000人~

毎月勤労統計1,000人~

(年) (万人)

(15)

非 農林 業 雇 用者 数 は 前 年比 0.7% 増 で ある 。 大 企業 の 雇 用増 加 は 、 大 規模 事 業 所の 雇 用 が 増 加した ため であ り、 大 企業の 中小 規模 事業 所 の雇用 減少 に引 っ張 ら れるか たち で、 事業 所 規 模別で みた 増加 率よ り も小さ くな って いる と 解釈で きる 。

では 、こ うし た大 規 模事業 所の 雇用 増加 は 大規模 事業 所数 の増 加 による ので あろ うか 、 そ れとも 大規 模事 業所 が さらに 大規 模化 した こ とによ るの であ ろう か 。2008年か ら09年へ の 単年の 動き をみ るこ と はでき ない が、「毎月 勤 労統計 調査 」の 母集 団で もある 総務 省統 計局「経 済セン サス -基 礎調 査 」2009年 と総 務省 統計 局「事 業所 ・企 業統 計 調査」2006 年 、両 者は 調査手 法が 異な るた め 単純比 較は 出来 ない も のの、 比較 によ って 大 まかな 傾向 を把 握す る こ とがで きる 。

補- 3表 をみ ると 、2006年「 事業 所・企 業 統計調 査」か ら2009年「経済セ ンサ ス- 基礎 調査」 にか けて の事 業 所数の 増加 率( 年率 ) は規模 計で みて 他の 時 期より 大き く、 調査 手 法 の違い によ る影 響の 可 能性を 否定 でき ない も のの、 事業 所数 変化 は 全事業 所の 約4 割を 占 め る1~ 4人 規模 の増 加 による 寄与 が大 きい と 考えら れる 。30~999人規模 事業 所の 増加 率 は

2004 年か ら06 年に か けての 増加 率を 下回 っ ている 。1,000 人以 上事 業所数 は 2006 年調 査

におい て1,000事 業所 を下回 って おり 、わ ずか な増加 数が 大き な増 加 率とな って 現れ やす い。 また、 1事 業所 当た り の常用 雇用 者数 をみ る と、1,000 人 未満 規模 につい ては 上下 に区 間 が 定まっ てお り、 1事 業 所当た りの 労働 者数 に 大きな 動き は起 こり に くいが 、1,000 人 以上 事 業所に つい ては2006年 から09年 にか けて 1事 業所当 たり の雇 用者 数 が増加 して 事業 所が 大 規模化 して いる 。以 上 の結果 から 、可 能性 と しては 、大 企業 にお い て事業 所の 集約 化が 行 わ れ、規 模区 分を 上昇 し たもの も含 め大 規模 事 業所数 が増 加し た、 一 方で、 事業 所の 新設 が 進 んだと は考 えに くい こ とから 、小 規模 事業 所 が1~ 4人 の零 細事 業 所に規 模区 分を 降下 し た ものが 増え た、 とい う ことも 考え られ る。

補-3表 常用雇用者規模別事業所数、事業所当たり常用雇用者数増減率の推移( 法人のう ち会社)

( 年率%)

規模計

事業所数 1 ~4人 5~2 9 人 3 0 ~9 9 人 1 0 0 ~4 9 9 人5 0 0 ~9 9 9 人1 ,0 0 0 人~

2 0 0 1 ~0 4 年 - 1 .8 - 1 .3 - 1 .8 - 2 .8 - 2 .8 - 2 .4 - 3 .5

2 0 0 4 ~0 6 1 .5 - 0 .4 1 .1 3 .5 4 .3 4 .9 4 .9

2 0 0 6 ~0 9 4 .8 6 .0 1 .7 1 .8 2 .3 3 .6 7 .1

2 0 0 9 ~1 4 - 0 .2 - 0 .5 0 .3 - 0 .2 - 0 .4 - 0 .1 1 .5

規模計

1事業所当たり

常用雇用者数

1 ~4人 5~2 9 人 3 0 ~9 9 人 1 0 0 ~4 9 9 人5 0 0 ~9 9 9 人1 ,0 0 0 人~

2 0 0 1 ~0 4 年 - 0 .6 - 0 .1 - 0 .1 0 .1 0 .1 0 .1 - 1 .0

2 0 0 4 ~0 6 1 .4 - 0 .2 0 .4 0 .1 0 .0 0 .0 1 .0

2 0 0 6 ~0 9 - 2 .2 - 1 .1 - 0 .1 0 .0 0 .0 0 .0 0 .8

2 0 0 9 ~1 4 0 .3 0 .0 0 .1 0 .0 0 .0 0 .1 - 0 .2

資 料 出 所   総 務 省 統 計 局 「 経 済 セ ン サ ス - 基 礎 調 査 」 、 「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」

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参照

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