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SiCの精密レーザスライシング 第1報:カーフロスを考慮したスライシング法の検討

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Academic year: 2021

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(1)砥粒加工学会誌. 635. 㻌㻌㻌㻌㻌. 論 ᩥ 文 ㄽ. 㻌. SiC 䛾⢭ᐦ䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾㻌 の精密レーザスライシング 㻿㼕㻯 第1報:カーフロスを考慮したスライシング法の検討 ➨䠍ሗ䠖䜹䞊䝣䝻䝇䜢⪃៖䛧䛯䝇䝷䜲䝅䞁䜾ἲ䛾᳨ウ㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌 山田洋平㻖*䠈ụ⏣▱㝧 ,池田知陽㻖*䠈ụ㔝㡰୍ ,池野順一㻖*㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 ᒣ⏣ὒᖹ 㻌㻌㻌㻌. Precision laser slicing technology for single-crystal SiC wafer 1st report : Study on slicing method considering kerf-loss 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌 Yohei YAMADA, Tomohiro IKEDA and Junichi IKENO㻌 㻌 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌 カーフロスが微小な SiC 䛾䝇䝷䜲䝅䞁䜾ຍᕤ䜢┠ᣦ䛧䠈䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾ᢏ⾡䛾㐺⏝䜢ᅗ䛳䛯䠊䛥䜎䛦䜎䛺ຍᕤ のスライシング加工を目指し,レーザスライシング技術の適用を図った.さまざまな加工 䜹䞊䝣䝻䝇䛜ᚤᑠ䛺 条件における内部加工痕を観察し,形成メカニズムの解明を行うことで,カーフロスへの影響を明らかにした.その ᮲௳䛻䛚䛡䜛ෆ㒊ຍᕤ⑞䜢ほᐹ䛧䠈ᙧᡂ䝯䜹䝙䝈䝮䛾ゎ᫂䜢⾜䛖䛣䛸䛷䠈䜹䞊䝣䝻䝇䜈䛾ᙳ㡪䜢᫂䜙䛛䛻䛧䛯䠊䛭䛾 結果,アモルファス状態の改質部とへき開から構成される加工痕は,オフ角に沿って形成され,鋸歯状の周期的な ⤖ᯝ䠈䜰䝰䝹䝣䜯䝇≧ែ䛾ᨵ㉁㒊䛸䜈䛝㛤䛛䜙ᵓᡂ䛥䜜䜛ຍᕤ⑞䛿䠈䜸䝣ゅ䛻ἢ䛳䛶ᙧᡂ䛥䜜䠈㗬ṑ≧䛾࿘ᮇⓗ䛺 凹凸を形成することによってカーフロスが大きくなることがわかった.これは,レーザがへき開上で反射し,その反射 พฝ䜢ᙧᡂ䛩䜛䛣䛸䛻䜘䛳䛶䜹䞊䝣䝻䝇䛜኱䛝䛟䛺䜛䛣䛸䛜䜟䛛䛳䛯䠊䛣䜜䛿䠈䝺䞊䝄䛜䜈䛝㛤ୖ䛷཯ᑕ䛧䠈䛭䛾཯ᑕ 光が干渉することによるメカニズムと推定した.これらの結果をふまえ,10 mm 角ウエハの剥離を試みたところ,カー ග䛜ᖸ΅䛩䜛䛣䛸䛻䜘䜛䝯䜹䝙䝈䝮䛸᥎ᐃ䛧䛯䠊䛣䜜䜙䛾⤖ᯝ䜢䜅䜎䛘䠈10 ゅ䜴䜶䝝䛾๤㞳䜢ヨ䜏䛯䛸䛣䜝䠈䜹䞊 フロスが最大 36 μm 䛾⢭ᐦ䛺䝇䝷䜲䝅䞁䜾ຍᕤ䜢㐩ᡂ䛧䛯䠊 の精密なスライシング加工を達成した. 䝣䝻䝇䛜᭱኱ 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌 semiconductor Key words : laser slicing, SiC, kerf-loss, slicing, semiconductor㻌 㻌㻌㻌. 㻌 ライシング技術として,さまざまな試みがなされている.例えば, 䝷䜲䝅䞁䜾ᢏ⾡䛸䛧䛶䠈䛥䜎䛦䜎䛺ヨ䜏䛜䛺䛥䜜䛶䛔䜛䠊౛䛘䜀䠈. 1.緒 ゝ㻌 言 㻌 䠍䠊⥴㻌 次世代パワー半導体として本格的な適用が始まっている ḟୡ௦䝟䝽䞊༙ᑟయ䛸䛧䛶ᮏ᱁ⓗ䛺㐺⏝䛜ጞ䜎䛳䛶䛔䜛. プロセス 7)䛷䛿䠈䝺䞊䝄䜢ᮦᩱෆ㒊䛻㞟ග䛧䠈䜰䝰䝹 KABRA 䝥䝻䝉䝇 では,レーザを材料内部に集光し,アモル. は,高硬度かつ化学的に安定な性質により機械加工が SiC 䛿䠈㧗◳ᗘ䛛䛴໬Ꮫⓗ䛻Ᏻᐃ䛺ᛶ㉁䛻䜘䜚ᶵᲔຍᕤ䛜. ファスカーボンからなる改質層を形成する.この改質層の体 䝣䜯䝇䜹䞊䝪䞁䛛䜙䛺䜛ᨵ㉁ᒙ䜢ᙧᡂ䛩䜛䠊䛣䛾ᨵ㉁ᒙ䛾య. 困難な難加工性材料として知られている.とくにウエハ製造に ᅔ㞴䛺㞴ຍᕤᛶᮦᩱ䛸䛧䛶▱䜙䜜䛶䛔䜛䠊䛸䛟䛻䜴䜶䝝〇㐀䛻. 積膨張によってへき開を大きく伸展させることで, SiC 䛾䝇䝷 のスラ ✚⭾ᙇ䛻䜘䛳䛶䜈䛝㛤䜢኱䛝䛟ఙᒎ䛥䛫䜛䛣䛸䛷䠈. おけるインゴットからのスライシング工程においては,現在マ 䛚䛡䜛䜲䞁䝂䝑䝖䛛䜙䛾䝇䝷䜲䝅䞁䜾ᕤ⛬䛻䛚䛔䛶䛿䠈⌧ᅾ䝬. イシングを可能にする手法である.また,Kim 䜙䛿䠈䝎䝤䝹䝟 らは,ダブルパ 䜲䝅䞁䜾䜢ྍ⬟䛻䛩䜛ᡭἲ䛷䛒䜛䠊䜎䛯䠈Kim. ルチワイヤソーによる切断加工が主流となっているが,加工 䝹䝏䝽䜲䝲䝋䞊䛻䜘䜛ษ᩿ຍᕤ䛜୺ὶ䛸䛺䛳䛶䛔䜛䛜䠈ຍᕤ. ルスフェムト秒レーザを用いて,4H-SiC 䛾䝇䝷䜲䝅䞁䜾䛻ᡂຌ のスライシングに成功 䝹䝇䝣䜵䝮䝖⛊䝺䞊䝄䜢⏝䛔䛶䠈4H-SiC. 時間が長い,カーフロスが大きく生じるなどの課題を抱えてお ᫬㛫䛜㛗䛔䠈䜹䞊䝣䝻䝇䛜኱䛝䛟⏕䛨䜛䛺䛹䛾ㄢ㢟䜢ᢪ䛘䛶䛚. している 䛧䛶䛔䜛. り,高い材料コストの一因となっている 䜚䠈㧗䛔ᮦᩱ䝁䝇䝖䛾୍ᅉ䛸䛺䛳䛶䛔䜛. 1)䡚 ~3) . 䠊. に対し,ダブルパルスレーザを照射することにより,縦長の加 䛻ᑐ䛧䠈䝎䝤䝹䝟䝹䝇䝺䞊䝄䜢↷ᑕ䛩䜛䛣䛸䛻䜘䜚䠈⦪㛗䛾ຍ. そこで、カーフロスの課題を解決する新しい加工技術として, 䛭䛣䛷䚸䜹䞊䝣䝻䝇䛾ㄢ㢟䜢ゎỴ䛩䜛᪂䛧䛔ຍᕤᢏ⾡䛸䛧䛶䠈 筆者らはレーザスライシング技術を発展させている ➹⪅䜙䛿䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾ᢏ⾡䜢Ⓨᒎ䛥䛫䛶䛔䜛. 8)9)䠊㏻ᖖ䛾䝺䞊䝄↷ᑕ䛷䛿䠈ຍᕤ⑞䛜⦪㛗䛻䛺䜛䛾 .通常のレーザ照射では,加工痕が縦長になるの. 工痕を抑制し,パルス間の時間を制御することにより,へき開 ᕤ⑞䜢ᢚไ䛧䠈䝟䝹䝇㛫䛾᫬㛫䜢ไᚚ䛩䜛䛣䛸䛻䜘䜚䠈䜈䛝㛤. 4)䡚 ~6) .レー 䠊䝺䞊. を制御することに成功している.これらの報告では,加工条件 䜢ไᚚ䛩䜛䛣䛸䛻ᡂຌ䛧䛶䛔䜛䠊䛣䜜䜙䛾ሗ࿌䛷䛿䠈ຍᕤ᮲௳. に示すように,材料内部にレーザ ザスライシング技術とは図 1 䛻♧䛩䜘䛖䛻䠈ᮦᩱෆ㒊䛻䝺䞊䝄 䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾ᢏ⾡䛸䛿ᅗ. の基礎的検討や,加工面性状の評価など詳しい加工面形成 䛾ᇶ♏ⓗ᳨ウ䜔䠈ຍᕤ㠃ᛶ≧䛾ホ౯䛺䛹ヲ䛧䛔ຍᕤ㠃ᙧᡂ. を集光し,形成された微小加工痕を一つ一つ連結させること 䜢㞟ග䛧䠈ᙧᡂ䛥䜜䛯ᚤᑠຍᕤ⑞䜢୍䛴୍䛴㐃⤖䛥䛫䜛䛣䛸. メカニズムについては言及されていない.また,これらの加工 䝯䜹䝙䝈䝮䛻䛴䛔䛶䛿ゝཬ䛥䜜䛶䛔䛺䛔䠊䜎䛯䠈䛣䜜䜙䛾ຍᕤ. によって,1つの剥離面を創成する技術である.主な特徴とし 䛻䜘䛳䛶䠈䠍䛴䛾๤㞳㠃䜢๰ᡂ䛩䜛ᢏ⾡䛷䛒䜛䠊୺䛺≉ᚩ䛸䛧. の後工程では加工面を 100 μm 以上削り取る必要があると考 䛾ᚋᕤ⛬䛷䛿ຍᕤ㠃䜢 ௨ୖ๐䜚ྲྀ䜛ᚲせ䛜䛒䜛䛸⪃. ては,1)非接触加工であるため工具摩耗が存在せず,加工 䛶䛿䠈1)㠀᥋ゐຍᕤ䛷䛒䜛䛯䜑ᕤලᦶ⪖䛜Ꮡᅾ䛫䛪䠈ຍᕤ. えられ,カーフロスの課題が残されている. 䛘䜙䜜䠈䜹䞊䝣䝻䝇䛾ㄢ㢟䛜ṧ䛥䜜䛶䛔䜛䠊. 反力がかからない.2)微小領域での加工であるため,熱影 ཯ຊ䛜䛛䛛䜙䛺䛔䠊2)ᚤᑠ㡿ᇦ䛷䛾ຍᕤ䛷䛒䜛䛯䜑䠈⇕ᙳ. 本論文では,SiC 䛾䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾䛻䛚䛔䛶䠈✀䚻䛾ຍ のレーザスライシングにおいて,種々の加 ᮏㄽᩥ䛷䛿䠈SiC. 響・結晶方位の影響を受けづらい.3)微小な点群による加工 㡪䞉⤖ᬗ᪉఩䛾ᙳ㡪䜢ཷ䛡䛵䜙䛔䠊3)ᚤᑠ䛺Ⅼ⩌䛻䜘䜛ຍᕤ. 工条件での加工痕および,加工痕同士の連結状態,加工面 ᕤ᮲௳䛷䛾ຍᕤ⑞䛚䜘䜃䠈ຍᕤ⑞ྠኈ䛾㐃⤖≧ែ䠈ຍᕤ㠃. であるため,従来の切断技術では困難であった三次元切断も 䛷䛒䜛䛯䜑䠈ᚑ᮶䛾ษ᩿ᢏ⾡䛷䛿ᅔ㞴䛷䛒䛳䛯୕ḟඖษ᩿䜒. の形状を調査した.これにより,加工痕形成メカニズムを推定 䛾ᙧ≧䜢ㄪᰝ䛧䛯䠊䛣䜜䛻䜘䜚䠈ຍᕤ⑞ᙧᡂ䝯䜹䝙䝈䝮䜢᥎ᐃ. 可能であるなどが挙げられる.これまでの研究によって,単結 ྍ⬟䛷䛒䜛䛺䛹䛜ᣲ䛢䜙䜜䜛䠊䛣䜜䜎䛷䛾◊✲䛻䜘䛳䛶䠈༢⤖. し,カーフロスの少ないスライシング技術の確立を目指すこと 䛧䠈䜹䞊䝣䝻䝇䛾ᑡ䛺䛔䝇䝷䜲䝅䞁䜾ᢏ⾡䛾☜❧䜢┠ᣦ䛩䛣䛸. 晶 Si䠈ගᏛ䜺䝷䝇䛺䛹䛻ᑐ䛧ᮏຍᕤᢏ⾡䜢㐺⏝䛧䠈䛖䛽䜚䠈ຍ Si,光学ガラスなどに対し本加工技術を適用し,うねり,加 ᬗ. にした. 䛻䛧䛯䠊. 工欠陥の少ない一様な加工面でカーフロスは数 μm ௨ୗ䛾䝇 以下のス ᕤḞ㝗䛾ᑡ䛺䛔୍ᵝ䛺ຍᕤ㠃䛷䜹䞊䝣䝻䝇䛿ᩘ. 㻌. ライシング加工を達成している.したがって,レーザスライシン 䝷䜲䝅䞁䜾ຍᕤ䜢㐩ᡂ䛧䛶䛔䜛䠊䛧䛯䛜䛳䛶䠈䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁. 㻌. グ技術を SiC 䛻㐺⏝䛩䜜䜀䠈䜹䞊䝣䝻䝇䛾ᑡ䛺䛔䠈⢭ᐦ䝇䝷䜲 に適用すれば,カーフロスの少ない,精密スライ 䜾ᢏ⾡䜢. 㻌. シング加工が実現できると考えられる. 䝅䞁䜾ຍᕤ䛜ᐇ⌧䛷䛝䜛䛸⪃䛘䜙䜜䜛䠊. 㻌. レーザの透過性を利用し,材料内部から加工する SiC 䛾䝇 のス 䝺䞊䝄䛾㏱㐣ᛶ䜢฼⏝䛧䠈ᮦᩱෆ㒊䛛䜙ຍᕤ䛩䜛. * ᇸ⋢኱Ꮫ኱Ꮫ㝔䠖䛈338-8570 埼玉大学大学院:〒338-8570 䛥䛔䛯䜎ᕷᱜ༊ୗ኱ஂಖ255 さいたま市桜区下大久保255 㻖㻌 University 㻌 㻌 Saitama University㻌 〈学会受付日:2020年6月17日〉 䚾Ꮫ఍ཷ௜᪥䠖2020ᖺ6᭶17᪥䚿 〈採録決定日:2020年8月 4᪥䚿 4日〉 䚾᥇㘓Ỵᐃ᪥䠖2020ᖺ8᭶. 加工痕連結 ຍᕤ⑞㐃⤖. レーザ 䝺䞊䝄. 剥離 ๤㞳. 走査 ㉮ᰝ. 㻌 ⤖ᬗᮦᩱ 加工痕 結晶材料 ຍᕤ⑞ 㻌 図 1㻌 1 䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾䛾ཎ⌮㻌 レーザスライシングの原理 ᅗ 㻌 2.レーザ波長の選定と実験方法 䠎䠊䝺䞊䝄Ἴ㛗䛾㑅ᐃ䛸ᐇ㦂᪉ἲ レーザスライシング技術は材料を透過しつつ,集光点では吸 䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾ᢏ⾡䛿ᮦᩱ䜢㏱㐣䛧䛴䛴䠈㞟ගⅬ䛷䛿྾ 収を起こすレーザ波長の選定が重要である.従来研究の単結晶 ཰䜢㉳䛣䛩䝺䞊䝄Ἴ㛗䛾㑅ᐃ䛜㔜せ䛷䛒䜛䠊ᚑ᮶◊✲䛾༢⤖ᬗ. Journal of the Japan Society for Abrasive Technology Vol.64 No.12 2020 DEC. 635-642. 35.

(2) 636. 砥粒加工学会誌. Siに対するレーザスライシングでは,波長1064 nm䛾ග䜢⣙30 nmの光を約30 % Si䛻ᑐ䛩䜛䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾䛷䛿䠈Ἴ㛗1064. 3.SiCの内部改質部形成に関する基礎実験 䠏䠊㻿㼕㻯䛾ෆ㒊ᨵ㉁㒊ᙧᡂ䛻㛵䛩䜛ᇶ♏ᐇ㦂㻌. 透過する特徴を利用し,パルス幅190 ns䛾䝘䝜⛊䝺䞊䝄䜢౑⏝䛧 nsのナノ秒レーザを使用し ㏱㐣䛩䜛≉ᚩ䜢฼⏝䛧䠈䝟䝹䝇ᖜ190. 3.1 ᨵ㉁㒊䛾ඖ⣲ศᯒ㻌 改質部の元素分析 䠏䠊䠍㻌. 4䠅)䠊୍᪉䠈ཌ䜏350 .一方,厚み350. スライシング加工を行っていた 䝇䝷䜲䝅䞁䜾ຍᕤ䜢⾜䛳䛶䛔䛯. μmの単結晶 μm䛾༢⤖ᬗ. 4H-SiCの透過率を図2に示す.SiCは波長1064 nm௜㏆䛻䛚䛔䛶 nm付近において 4H-SiC䛾㏱㐣⋡䜢ᅗ2䛻♧䛩䠊SiC䛿Ἴ㛗1064. パルスエネルギーを3.5 μJ䠈䝗䝑䝖䝢䝑䝏䜢0.5 μJ,ドットピッチを0.5 μm䛸䛧䛶୍ᮏ μmとして一本 䝟䝹䝇䜶䝛䝹䜼䞊䜢3.5 のラインを加工した.その後,走査方向と垂直な断面を研磨し, 䛾䝷䜲䞁䜢ຍᕤ䛧䛯䠊䛭䛾ᚋ䠈㉮ᰝ᪉ྥ䛸ᆶ┤䛺᩿㠃䜢◊☻䛧䠈. %程度と透過率が低く,1064 nm䛾䝘䝜⛊䝺䞊䝄䛷䛿ᮦᩱ䜢㏱ nmのナノ秒レーザでは材料を透 13 %⛬ᗘ䛸㏱㐣⋡䛜ప䛟䠈1064. 顕微鏡観察を行った.その結果を図4に示す.加工痕は水平 㢧ᚤ㙾ほᐹ䜢⾜䛳䛯䠊䛭䛾⤖ᯝ䜢ᅗ4䛻♧䛩䠊ຍᕤ⑞䛿Ỉᖹ. 過中に減衰が発生してしまい,内部加工痕を形成できなかった. 㐣୰䛻ῶ⾶䛜Ⓨ⏕䛧䛶䛧䜎䛔䠈ෆ㒊ຍᕤ⑞䜢ᙧᡂ䛷䛝䛺䛛䛳䛯䠊. に伸びるへき開と,その上に乗るような形で形成された三角 䛻ఙ䜃䜛䜈䛝㛤䛸䠈䛭䛾ୖ䛻஌䜛䜘䛖䛺ᙧ䛷ᙧᡂ䛥䜜䛯୕ゅ. そこで,超短パルスレーザの使用を考えた.ピークエネルギーが 䛭䛣䛷䠈㉸▷䝟䝹䝇䝺䞊䝄䛾౑⏝䜢⪃䛘䛯䠊䝢䞊䜽䜶䝛䝹䜼䞊䛜. 形状の加工改質部で形成されていることがわかった.本章で ᙧ≧䛾ຍᕤᨵ㉁㒊䛷ᙧᡂ䛥䜜䛶䛔䜛䛣䛸䛜䜟䛛䛳䛯䠊ᮏ❶䛷. 高くなることによって,減衰が起きたとしても集光点でのエネルギ 㧗䛟䛺䜛䛣䛸䛻䜘䛳䛶䠈ῶ⾶䛜㉳䛝䛯䛸䛧䛶䜒㞟ගⅬ䛷䛾䜶䝛䝹䜼. は,改質部に着目し議論する. 䛿䠈ᨵ㉁㒊䛻╔┠䛧㆟ㄽ䛩䜛䠊. ーを維持できる.また,超短パルスによる非熱的加工が期待でき 䞊䜢⥔ᣢ䛷䛝䜛䠊䜎䛯䠈㉸▷䝟䝹䝇䛻䜘䜛㠀⇕ⓗຍᕤ䛜ᮇᚅ䛷䛝 るため,熱影響が少なくカーフロスの少ない精密加工にも有利で 䜛䛯䜑䠈⇕ᙳ㡪䛜ᑡ䛺䛟䜹䞊䝣䝻䝇䛾ᑡ䛺䛔⢭ᐦຍᕤ䛻䜒᭷฼䛷 ある.波長1030 nm䠈䝟䝹䝇ᖜ10 nm,パルス幅10 ps䛾䝢䝁⛊䝺䞊䝄䠄Light psのピコ秒レーザ(Light 䛒䜛䠊Ἴ㛗1030 Conversion社製 PHAROS-4W䠈Ⓨ᣺࿘Ἴᩘ10 PHAROS-4W,発振周波数10 kHz䠅䜢⏝䛔䛯䛸 kHz)を用いたと Conversion♫〇 ころ,加工痕が形成されることが判明した. 䛣䜝䠈ຍᕤ⑞䛜ᙧᡂ䛥䜜䜛䛣䛸䛜ุ᫂䛧䛯䠊 上述した基礎実験をふまえ,図3に示す実験方法をとることに ୖ㏙䛧䛯ᇶ♏ᐇ㦂䜢䜅䜎䛘䠈ᅗ3䛻♧䛩ᐇ㦂᪉ἲ䜢䛸䜛䛣䛸䛻 した.実験試料には厚み350 μm䠈䜸䝣ゅ4 μm,オフ角4 deg.䛾nᆺ4H-SiC䜴䜶 deg.のn型4H-SiCウエ 䛧䛯䠊ᐇ㦂ヨᩱ䛻䛿ཌ䜏350 ハ(抵抗率12~25 m䃈䞉cm䠅䜢⏝䛔䛯䠊CMP௙ୖ䛢䛾Si㠃ഃ䛛䜙 mΩ・cm)を用いた.CMP仕上げのSi面側から 䝝䠄᢬ᢠ⋡12~25 レーザ照射を行い,レーザ焦点を材料内部175 μm䛻ᅛᐃ䛧䠈➨ μmに固定し,第 䝺䞊䝄↷ᑕ䜢⾜䛔䠈䝺䞊䝄↔Ⅼ䜢ᮦᩱෆ㒊175. まず,改質部の組成を調査するために,顕微ラマン分光装 䜎䛪䠈ᨵ㉁㒊䛾⤌ᡂ䜢ㄪᰝ䛩䜛䛯䜑䛻䠈㢧ᚤ䝷䝬䞁ศග⿦ 置(RENISHAW inVia Raman Microscope䠅䛻䜘䛳䛶ศᯒ䛧䛯 Microscope)によって分析した ⨨䠄RENISHAW 結果を図5に示す.改質部頂点から5 μm㞳䜜䛯࿘㎶㒊䛷䛿䠈 µm離れた周辺部では, ⤖ᯝ䜢ᅗ5䛻♧䛩䠊ᨵ㉁㒊㡬Ⅼ䛛䜙5 バルクの4H-SiCと同様のスペクトルとなったのに対し,改質部 䝞䝹䜽䛾4H-SiC䛸ྠᵝ䛾䝇䝨䜽䝖䝹䛸䛺䛳䛯䛾䛻ᑐ䛧䠈ᨵ㉁㒊 では,480 cm-1 ௜㏆䛾䝤䝻䞊䝗䛺䝢䞊䜽䜢䜒䛴䜰䝰䝹䝣䜯䝇 付近のブロードなピークをもつアモルファス 䛷䛿䠈480 と1380 cm-1௜㏆䛾D䝞䞁䝗䛸1580 付近のDバンドと1580 cm-1付近Gバンドが重 Si10)䛸1380 ௜㏆G䝞䞁䝗䛜㔜 なり合うピークのアモルファスC11)12)䛜᳨ฟ䛥䜜䛯䠊䛧䛯䛜䛳䛶䠈 が検出された.したがって, 䛺䜚ྜ䛖䝢䞊䜽䛾䜰䝰䝹䝣䜯䝇C SiCはレーザ照射によりアモルファスSiとアモルファスCに解離 SiC䛿䝺䞊䝄↷ᑕ䛻䜘䜚䜰䝰䝹䝣䜯䝇Si䛸䜰䝰䝹䝣䜯䝇C䛻ゎ㞳 していることがわかった. 䛧䛶䛔䜛䛣䛸䛜䜟䛛䛳䛯䠊 次に,アモルファスSiとアモルファスCがどのように分布して ḟ䛻䠈䜰䝰䝹䝣䜯䝇Si䛸䜰䝰䝹䝣䜯䝇C䛜䛹䛾䜘䛖䛻ศᕸ䛧䛶. 1オリエンテーションフラットと平行にパルスレーザを直線走査し, 1䜸䝸䜶䞁䝔䞊䝅䝵䞁䝣䝷䝑䝖䛸ᖹ⾜䛻䝟䝹䝇䝺䞊䝄䜢┤⥺㉮ᰝ䛧䠈. いるかを調べるために,TEM-EDXを用いて改質部内部の詳 䛔䜛䛛䜢ㄪ䜉䜛䛯䜑䛻䠈TEM-EDX䜢⏝䛔䛶ᨵ㉁㒊ෆ㒊䛾ヲ. 第2オリエンテーションフラットと平行に加工ラインを移動させた. ➨2䜸䝸䜶䞁䝔䞊䝅䝵䞁䝣䝷䝑䝖䛸ᖹ⾜䛻ຍᕤ䝷䜲䞁䜢⛣ື䛥䛫䛯䠊. 細分析を行った.TEM像を図6に示す.アメーバ状に散在す ⣽ศᯒ䜢⾜䛳䛯䠊TEMീ䜢ᅗ6䛻♧䛩䠊䜰䝯䞊䝞≧䛻ᩓᅾ䛩. ここで加工痕同士の間隔をドットピッチ,加工ライン同士の間隔を 䛣䛣䛷ຍᕤ⑞ྠኈ䛾㛫㝸䜢䝗䝑䝖䝢䝑䝏䠈ຍᕤ䝷䜲䞁ྠኈ䛾㛫㝸䜢. る白く見える箇所(点1),滑らかに見える箇所(点2,3),黒色 䜛ⓑ䛟ぢ䛘䜛⟠ᡤ䠄Ⅼ1䠅䠈⁥䜙䛛䛻ぢ䛘䜛⟠ᡤ䠄Ⅼ2,3䠅䠈㯮Ⰽ. ラインピッチと定義した.集光系には赤外線観察用対物レンズ 䝷䜲䞁䝢䝑䝏䛸ᐃ⩏䛧䛯䠊㞟ග⣔䛻䛿㉥እ⥺ほᐹ⏝ᑐ≀䝺䞁䝈. 状に見える箇所(点4,5)が混じりあった構造をしていることが ≧䛻ぢ䛘䜛⟠ᡤ䠄Ⅼ4,5䠅䛜ΰ䛨䜚䛒䛳䛯ᵓ㐀䜢䛧䛶䛔䜛䛣䛸䛜. (オリンパス社製 LCPLN100XIR䠈↔Ⅼ㊥㞳1.4 LCPLN100XIR,焦点距離1.4 mm䠈㛤ཱྀᩘ mm,開口数 䠄䜸䝸䞁䝟䝇♫〇. わかった.それぞれに対してEDX分析を行いSiとCの原子濃 䜟䛛䛳䛯䠊䛭䜜䛮䜜䛻ᑐ䛧䛶EDXศᯒ䜢⾜䛔Si䛸C䛾ཎᏊ⃰. 0.85)を用いた.対物レンズへの入射ビームはφ1.9 mmのガウシ 0.85䠅䜢⏝䛔䛯䠊ᑐ≀䝺䞁䝈䜈䛾ධᑕ䝡䞊䝮䛿φ1.9 mm䛾䜺䜴䝅. 度を比較した.結果を図7に示す.アメーバ状部の点1は,Si ᗘ䜢ẚ㍑䛧䛯䠊⤖ᯝ䜢ᅗ7䛻♧䛩䠊䜰䝯䞊䝞≧㒊䛾Ⅼ1䛿䠈Si. アンビームとし,材料内部でのスポット径はビームスポットプロフ 䜰䞁䝡䞊䝮䛸䛧䠈ᮦᩱෆ㒊䛷䛾䝇䝫䝑䝖ᚄ䛿䝡䞊䝮䝇䝫䝑䝖䝥䝻䝣. 原子数が57%,C原子数が43%となり,Cが少なくなっているが ཎᏊᩘ䛜57%䠈CཎᏊᩘ䛜43%䛸䛺䜚䠈C䛜ᑡ䛺䛟䛺䛳䛶䛔䜛䛜. ァイラ(ラステック社製)による測定で約φ1.8 μm䛷䛒䛳䛯䠊䜎䛯䠈䛣 μmであった.また,こ 䜯䜲䝷䠄䝷䝇䝔䝑䜽♫〇䠅䛻䜘䜛 ᐃ䛷⣙φ1.8. 比較的バルクの4H-SiCに近い割合となった.一方で,平滑な ẚ㍑ⓗ䝞䝹䜽䛾4H-SiC䛻㏆䛔๭ྜ䛸䛺䛳䛯䠊୍᪉䛷䠈ᖹ⁥䛺. の対物レンズには収差補正環が付属しており,球面収差を補正 䛾ᑐ≀䝺䞁䝈䛻䛿཰ᕪ⿵ṇ⎔䛜௜ᒓ䛧䛶䛚䜚䠈⌫㠃཰ᕪ䜢⿵ṇ. 面に見える点2,3,黒色状に見える点4,5では,C原子数の割 㠃䛻ぢ䛘䜛Ⅼ2,3䠈㯮Ⰽ≧䛻ぢ䛘䜛Ⅼ4,5䛷䛿䠈CཎᏊᩘ䛾๭. し材料内部においてもピンポイントに集光させることが可能であ 䛧ᮦᩱෆ㒊䛻䛚䛔䛶䜒䝢䞁䝫䜲䞁䝖䛻㞟ග䛥䛫䜛䛣䛸䛜ྍ⬟䛷䛒. 合が25%~36%と,C原子が少ないことがわかった.これは, ྜ䛜25%䡚36%䛸䠈CཎᏊ䛜ᑡ䛺䛔䛣䛸䛜䜟䛛䛳䛯䠊䛣䜜䛿䠈. る.ここでは,SiC内部175 μmᆅⅬ䛻㞟ග䛥䛫䛯㝿䛻䠈᭱䜒ຠ⋡ μm地点に集光させた際に,最も効率 䜛䠊䛣䛣䛷䛿䠈SiCෆ㒊175. 解離したC原子が周囲に拡散している,または,今回測定で ゎ㞳䛧䛯CཎᏊ䛜࿘ᅖ䛻ᣑᩓ䛧䛶䛔䜛䠈䜎䛯䛿䠈௒ᅇ ᐃ䛷. 良く加工できる,補正量0.5 mm䜢⏝䛔䛶ᐇ㦂䜢⾜䛖䛣䛸䛻䛧䛯䠊 mmを用いて実験を行うことにした. Ⰻ䛟ຍᕤ䛷䛝䜛䠈⿵ṇ㔞0.5. きなかった箇所に凝集していると考えられる13). 䛝䛺䛛䛳䛯⟠ᡤ䛻จ㞟䛧䛶䛔䜛䛸⪃䛘䜙䜜䜛 䠊. 1064 nm. 60. Si. ㏱㐣⋡ 透過率 %. 50. 前節の結果より,改質部は元のSiCとは異なる組成をしてい ๓⠇䛾⤖ᯝ䜘䜚䠈ᨵ㉁㒊䛿ඖ䛾SiC䛸䛿␗䛺䜛⤌ᡂ䜢䛧䛶䛔 るため,後工程で除去する必要があり,カーフロスに影響する. 䜛䛯䜑䠈ᚋᕤ⛬䛷㝖ཤ䛩䜛ᚲせ䛜䛒䜚䠈䜹䞊䝣䝻䝇䛻ᙳ㡪䛩䜛䠊. SiC. 40. 3.2 䝟䝹䝇䜶䝛䝹䜼䞊䛜ᨵ㉁㒊ᙧ≧䛻ཬ䜌䛩ᙳ㡪㻌 パルスエネルギーが改質部形状に及ぼす影響 䠏䠊䠎㻌. したがって,レーザ照射が改質部形状にどのように影響する 䛧䛯䛜䛳䛶䠈䝺䞊䝄↷ᑕ䛜ᨵ㉁㒊ᙧ≧䛻䛹䛾䜘䛖䛻ᙳ㡪䛩䜛 かを確かめる必要がある.そこでドットピッチを0.5 μm䛷ᅛᐃ䛧䠈 μmで固定し, 䛛䜢☜䛛䜑䜛ᚲせ䛜䛒䜛䠊䛭䛣䛷䝗䝑䝖䝢䝑䝏䜢0.5. 30. パルスエネルギーを3.0 μJ, 3.5 μJ, 4.0 μJ, 5.0 μJ, 6.0 μJ, 7.0 䝟䝹䝇䜶䝛䝹䜼䞊䜢3.0. 20. μJと変化させて実験を行った. μJ, 8.0 μJ, 10.0 μJ䛸ኚ໬䛥䛫䛶ᐇ㦂䜢⾜䛳䛯䠊. 10. 改質部の幅と高さの測定結果を図8に示す.図8(a)に示す ᨵ㉁㒊䛾ᖜ䛸㧗䛥䛾 ᐃ⤖ᯝ䜢ᅗ8䛻♧䛩䠊ᅗ8䠄a䠅䛻♧䛩. 0. 改質部幅においては,パルスエネルギーに対して比例して大 ᨵ㉁㒊ᖜ䛻䛚䛔䛶䛿䠈䝟䝹䝇䜶䝛䝹䜼䞊䛻ᑐ䛧䛶ẚ౛䛧䛶኱. 0. きくなることがわかった.パルスエネルギーが1 μJ㧗䛟䛺䜛䛻䛴 µJ高くなるにつ 䛝䛟䛺䜛䛣䛸䛜䜟䛛䛳䛯䠊䝟䝹䝇䜶䝛䝹䜼䞊䛜1. 500 1000 波長 nm Ἴ㛗 図 2㻌 2 SiC 䛾㏱㐣⋡䠄ཌ䜏 の透過率(厚み 350 μm䠅 μm) ᅗ. れ,幅は約1.6 μm䛪䛴ᣑ኱䛧䛯䠊䜎䛯䠈᭱኱䛾ᶆ‽೫ᕪ䛿 µmずつ拡大した.また,最大の標準偏差は 䜜䠈ᖜ䛿⣙1.6 µmとなりばらつきが小さいこともわかった.一方で,図8 0.6 μm䛸䛺䜚䜀䜙䛴䛝䛜ᑠ䛥䛔䛣䛸䜒䜟䛛䛳䛯䠊୍᪉䛷䠈ᅗ8. オフ角: 4度 䜸䝣ゅ㻦㻌4ᗘ [0001] [1120] 面 Si એ. レーザ 䝺䞊䝄 走査方向 ㉮ᰝ᪉ྥ. C面 Cએ. 175 μm. Si面 Siએ. (b)の改質部高さにおいては,パルスエネルギーに比例して 䠄b䠅䛾ᨵ㉁㒊㧗䛥䛻䛚䛔䛶䛿䠈䝟䝹䝇䜶䝛䝹䜼䞊䛻ẚ౛䛧䛶 高くなる傾向は一緒であるが,最大の標準偏差が2.5 µmと, 㧗䛟䛺䜛ഴྥ䛿୍⥴䛷䛒䜛䛜䠈᭱኱䛾ᶆ‽೫ᕪ䛜2.5 μm䛸䠈 ばらつきが大きいことがわかった.また,加工しきい値に近い 䜀䜙䛴䛝䛜኱䛝䛔䛣䛸䛜䜟䛛䛳䛯䠊䜎䛯䠈ຍᕤ䛧䛝䛔್䛻㏆䛔 µJを除いて,パルスエネルギーが低いとばらつきを小さく 3.0 μJ䜢㝖䛔䛶䠈䝟䝹䝇䜶䝛䝹䜼䞊䛜ప䛔䛸䜀䜙䛴䛝䜢ᑠ䛥䛟 抑えられる傾向が見られた.改質部高さは,カーフロスに直 ᢚ䛘䜙䜜䜛ഴྥ䛜ぢ䜙䜜䛯䠊ᨵ㉁㒊㧗䛥䛿䠈䜹䞊䝣䝻䝇䛻┤ 結するため,低く抑える必要がある.そこで,今後の実験では, ⤖䛩䜛䛯䜑䠈ప䛟ᢚ䛘䜛ᚲせ䛜䛒䜛䠊䛭䛣䛷䠈௒ᚋ䛾ᐇ㦂䛷䛿䠈 低いパルスエネルギーかつ,標準偏差が0.8 μm䛸䜀䜙䛴䛝䛜 µmとばらつきが ప䛔䝟䝹䝇䜶䝛䝹䜼䞊䛛䛴䠈ᶆ‽೫ᕪ䛜0.8. [ 1100 ]. ドットピッチ 䝗䝑䝖䝢䝑䝏. [ 1120 ]. 小さい3.5 μJ䠄᭱኱ᨵ㉁㒊㧗䛥12 μJ(最大改質部高さ12 μm䠅䛷⾜䛖䛣䛸䛸䛧䛯䠊 µm)で行うこととした. ᑠ䛥䛔3.5. 図 3㻌 3 ᐇ㦂᪉ἲ 実験方法 ᅗ. 36. Journal of the Japan Society for Abrasive Technology Vol.64 No.12 2020 DEC. 635-642.

(3) 砥粒加工学会誌. -. レーザ照射方向. 25. 25. 20. 20. 改質部幅 μm. [1100]. 改質部高さ μm. -. [1120]. 15. 15. 10. 10. 5 0. 637. 0. 2 4 6 8 10 12 パルスエネルギー μJ (b) 改質部高さ 図 8 パルスエネルギーごとの加工改質部形状の変化. 5 μm. 図 4 SiC の内部加工痕. 0. 5. 2 4 6 8 10 12 パルスエネルギー μJ (a) 改質部幅. 0. 3.3 ドットピッチが改質部形成に及ぼす影響 次に,パルスエネルギーを3.5 μJで固定し,ドットピッチを. 改質部. 0.3 μm, 0.5 μm, 0.7 μm, 0.9 μm, 1.1 μmとし,それぞれ1本のラ インを形成したときの改質部の様子を調べた.Si面側から観. 強度 (a.u.). α-Si. α-C. 察した透過像を図9に示す.ドットピッチを小さくすることによっ て安定的にライン状の改質部を形成できることがわかった.ド. 改質部周辺部. ットピッチ0.9 μm以上の範囲においては改質部の幅が一定で はなく,1.1 μm以上の範囲においては,改質部が所々途切れ て形成された.この原因は,パルスレーザのオーバーラップ. 4H-SiC 0. 250. 500. 750. 1000 1250. 波長 cm-1. 1500 1750. 2000. 量に依存していると考えられる.そこで,パルスエネルギー3.5 µJで1パルス,3パルス,10パルスと材料内部に定点照射した 際の加工痕の様子を図10に示す.1パルス照射では改質部 は形成されず,3パルス目から形成され,パルス数を増やすと. 図 5 加工改質部の顕微ラマン分析. 改質部のサイズが大きくなっていった.よって,SiCの改質部 はレーザ照射の重複によって成長していくことがわかった.す なわち,レーザスポット径φ1.8 μmに対し,その半径分よりドッ. レーザ照射方向. 5. 3. トピッチを小さくし,レーザ照射を重複させることで,安定的に 改質部を形成できると考えられる. ドットピッチ: 0.3 μm. 0.5 μm. 0.7 μm. 0.9 μm. 4. 1. 2. 500 nm. [1100]. 1.1 μm. [1120] Si face. 図 6 加工改質部の TEM 観察. 原子数 %. 100 75. 20 μm. 図 9 ドットピッチによる加工改質部への影響. Si C. -. [1100]. 50. -. [1120]. [0001]. × レーザ照射方向. 1 パルス. 3 パルス. 10 パルス. 25 0. 1. 2. 3 測定点. 4. 5. 図 7 加工改質部における Si と C の原子濃度比較. 5 μm. 図 10 定点照射における加工改質部の成長. Journal of the Japan Society for Abrasive Technology Vol.64 No.12 2020 DEC. 635-642. 37.

(4) 638. 砥粒加工学会誌. 4.加工痕の連結に関する基礎実験. 40 μmで周期が110.2 μm.高さが12.6 μmとなった.したがって,. 4.1 へき開の発生. へき開はオフ角4 deg.の影響を受けていることがわかった.. 前章では,加工改質部に関する調査を行った.その結果, 図4で示したように,改質部の底辺から水平に伸びるへき開が 存在することを確認した.SiCは六方晶の結晶構造をしており, Si面(0001)とC面(000-1)で最もへき開しやすいことが知られ. 50 μm. ている 14) .したがって,レーザ照射による加工改質部の形成 により体積膨張が起き,最も弱い面であるSi面,C面に沿って へき開が形成されたと考えられる.カーフロスの小さいスライ. [1100]. 40 μm. [1120] Si face. シング加工を達成するには,このへき開をウエハ面に対して 水平かつ全面に形成し,剥離させればよいと考えられる.そこ. 30 μm. で,ラインピッチを変化させへき開を一直線に近い状態で連 20 μm. 結できるかを調査した. 4.2 ラインピッチが加工痕の連結に及ぼす影響 パルスエネルギーを3.5 μJ,ドットピッチを0.5 μmに固定し,. 10 μm. ラインピッチを10 μm, 20 μm, 30 μm, 40 μm, 50 μmとして,そ. 300 μm. 図 11 ラインピッチによる加工痕連結への影響. れぞれラインを10本ずつ形成したときの加工痕の連結状況を 観察した.Si面側からの落射照明型の顕微鏡像を図11に示 す.ラインピッチ40 μm以下ではライン間で照明の反射光が観 察され,加工ラインがへき開によって連結していることが確認. -. [1120]. -. [1100]. ラインピッチ: 10 μm. できた.また,ラインピッチが小さいほど,加工ラインを超えて へき開が大きく伸展する傾向があることがわかった. 次に,図12に走査方向と垂直な断面を研磨した際の加工. 20 μm. 痕の様子を示す.ラインピッチが10 μmと最も小さい条件では, 改質部が重なり合って形成され,水平から外れて材料表面方 向に向かう傾向が見られた.これは光吸収係数の高いアモル ファス状態 15)-17) である改質部に,レーザがオーバーラップし. 30 μm. て照射されることにより,積み重なって加工痕が形成されたと 考えられる.カーフロスの増加,剥離面のうねりになるため, 望ましくない.これに対して,ラインピッチを20 μm,30 μm,40 µmと大きくしたときは,伸展したへき開がほぼ水平に連結して. 40 μm. いることがわかった. 4.3 オフ角がへき開に及ぼす影響 前節よりラインピッチ40 μm以下で10本のラインを形成する と,加工痕のへき開が水平に連結し,カーフロスの少ないスラ. 50 μm. イシングが実現可能と考えられた.しかし,加工ラインをさらに 増やすと,図13のような周期的な凹凸模様が形成され始める ことがわかった.図中,明るく見える箇所は,水平に伸展した へき開による反射光と,細かなへき開による乱反射光と考えら. 20 μm. Si face. れる.一方,矢印で示す黒く見える箇所は,試料を傾けて観 察すると一様な反射光が観察された.つまり,ある角度をもっ て,へき開が大きく伸展していることを示しており,へき開がウ エハ表面に対して水平に連結していないと考えた.そこで,ラ. [1100] [1120]. 図 12 ラインピッチごとの加工痕連結観察. インピッチ20 μm, 30 μm, 40 μmの試料を走査方向と平行に断 面研磨し加工痕を観察した.結果を図14に示す.加工痕が 傾いて形成されており,その角度が4 deg.の傾きをもっている. ラインピッチ: 20 μm. 30 μm. 40 μm. ことがわかった.また,加工痕が周期的に上下を繰り返してお り,鋸歯状に形成されていることもわかった.ラインピッチが小 さいほど鋸歯状の加工痕の周期が長く,高さが高くなっており, ラインピッチ20 μmで周期が191.1 μm.高さが19.5 μm.ライン. 200 μm. 図 13 ラインピッチによるへき開の周期的凹凸の変化. ピッチ30 μmで周期が149.3 μm.高さが15.2 μm.ラインピッチ. 38. Journal of the Japan Society for Abrasive Technology Vol.64 No.12 2020 DEC. 635-642.

(5) 砥粒加工学会誌. -. -. [1100] × ¼. [1120]. 639. 士が干渉し,エネルギーが高くなることによって,改質部が形 ኈ䛜ᖸ΅䛧䠈䜶䝛䝹䜼䞊䛜㧗䛟䛺䜛䛣䛸䛻䜘䛳䛶䠈ᨵ㉁㒊䛜ᙧ 成されると考えた.この反射光の干渉によって図17(b)に示す ᡂ䛥䜜䜛䛸⪃䛘䛯䠊䛣䛾཯ᑕග䛾ᖸ΅䛻䜘䛳䛶ᅗ17(b)䛻♧䛩. ラインピッチ: 䝷䜲䞁䝢䝑䝏: 20 μm. ように,へき開上部ではエネルギーの高い三角形状の加工痕 䜘䛖䛻䠈䜈䛝㛤ୖ㒊䛷䛿䜶䝛䝹䜼䞊䛾㧗䛔୕ゅᙧ≧䛾ຍᕤ⑞ が形成されたのではないかと思われる. 䛜ᙧᡂ䛥䜜䛯䛾䛷䛿䛺䛔䛛䛸ᛮ䜟䜜䜛䠊 4 deg.. 加工中のライン ຍᕤ୰䛾䝷䜲䞁. 加工済みのライン ຍᕤ῭䜏䛾䝷䜲䞁. 30 μm 4 deg.. 40 μm. レーザ 䝺䞊䝄 スポット 䝇䝫䝑䝖 ࿘ᮇ 周期. 4 deg.. 4 deg. Si face. 㧗䛥 高さ. 4 deg.. 4 deg.. ᮍ䜈䛝㛤㒊 未へき開部 40 μm. 䜈䛝㛤㒊 へき開部. 5 μm. [1100] [1120]. レーザスポットより先行するへき開 (a) 䝺䞊䝄䝇䝫䝑䝖䜘䜚ඛ⾜䛩䜛䜈䛝㛤. 図 14㻌 14 䜸䝣ゅ䛻ἢ䛳䛯㗬ṑ≧䛾ຍᕤ⑞ᙧᡂ オフ角に沿った鋸歯状の加工痕形成 ᅗ. ラインピッチ 䝷䜲䞁䝢䝑䝏: 20 μm. 20 μm. 40 μm. 30 μm. 4.4 䝺䞊䝄䝇䝫䝑䝖䜘䜚ඛ⾜䛧䛶ᙧᡂ䛥䜜䛯䜈䛝㛤䛜ຍᕤ レーザスポットより先行して形成されたへき開が加工 䠐䠊䠐㻌 痕形成に及ぼす影響 ⑞ᙧᡂ䛻ཬ䜌䛩ᙳ㡪㻌 前節により,SiCのレーザスライシング加工においては,加 ๓⠇䛻䜘䜚䠈SiC䛾䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾ຍᕤ䛻䛚䛔䛶䛿䠈ຍ. ラインピッチが先行するへき開に及ぼす影響 (b) 䝷䜲䞁䝢䝑䝏䛜ඛ⾜䛩䜛䜈䛝㛤䛻ཬ䜌䛩ᙳ㡪. 工痕がオフ角に沿って形成され,周期的に上下を繰り返すた ᕤ⑞䛜䜸䝣ゅ䛻ἢ䛳䛶ᙧᡂ䛥䜜䠈࿘ᮇⓗ䛻ୖୗ䜢⧞䜚㏉䛩䛯. 図 15㻌 15 ຍᕤ୰䛾ᮦᩱෆ㒊ほᐹ 加工中の材料内部観察 ᅗ. め鋸歯状になることが明らかとなった.カーフロスを抑制する 䜑㗬ṑ≧䛻䛺䜛䛣䛸䛜᫂䜙䛛䛸䛺䛳䛯䠊䜹䞊䝣䝻䝇䜢ᢚไ䛩䜛 ためには,周期を短くし高さを抑制する必要がある.そこで, 䛯䜑䛻䛿䠈࿘ᮇ䜢▷䛟䛧㧗䛥䜢ᢚไ䛩䜛ᚲせ䛜䛒䜛䠊䛭䛣䛷䠈 加工中の材料内部の状態を観察した.観察にはダイクロイッ ຍᕤ୰䛾ᮦᩱෆ㒊䛾≧ែ䜢ほᐹ䛧䛯䠊ほᐹ䛻䛿䝎䜲䜽䝻䜲䝑. 1.0 μJ. クミラーによる同軸観察装置を用いた.レーザの反射光はフィ 䜽䝭䝷䞊䛻䜘䜛ྠ㍈ほᐹ⿦⨨䜢⏝䛔䛯䠊䝺䞊䝄䛾཯ᑕග䛿䝣䜱. 0.5 μJ. 100 μm. ルターでカットし,波長532 nm௜㏆䛾ⴠᑕ↷᫂䛻䜘䜛཯ᑕග nm付近の落射照明による反射光 䝹䝍䞊䛷䜹䝑䝖䛧䠈Ἴ㛗532 のみで観察した.結果を図15(a)に示す.画像中,明るく見え 䛾䜏䛷ほᐹ䛧䛯䠊⤖ᯝ䜢ᅗ15(a)䛻♧䛩䠊⏬ീ୰䠈᫂䜛䛟ぢ䛘 る箇所がへき開による照明の反射光を示している.ライン間で 䜛⟠ᡤ䛜䜈䛝㛤䛻䜘䜛↷᫂䛾཯ᑕග䜢♧䛧䛶䛔䜛䠊䝷䜲䞁㛫䛷 へき開が連結しながら加工が進み,レーザスポットより進行方 䜈䛝㛤䛜㐃⤖䛧䛺䛜䜙ຍᕤ䛜㐍䜏䠈䝺䞊䝄䝇䝫䝑䝖䜘䜚㐍⾜᪉. 図 16㻌 16 ᚤᑠฟຊ䛷䛾䜈䛝㛤ୖ䜈䛾䝺䞊䝄↷ᑕ 微小出力でのへき開上へのレーザ照射 ᅗ. 向前方にもへき開が伸展していることがわかった.ラインピッ ྥ๓᪉䛻䜒䜈䛝㛤䛜ఙᒎ䛧䛶䛔䜛䛣䛸䛜䜟䛛䛳䛯䠊䝷䜲䞁䝢䝑 チを20 μm䠈30 μm,30 μm䠈40 μm,40 μm䛸ኚ໬䛥䛫䛯䛸䛝䛾䜈䛝㛤䛾ᵝᏊ䜢 μmと変化させたときのへき開の様子を 䝏䜢20. レーザ 䝺䞊䝄. 図15(b)に示す.ラインピッチ40 μm䛷䛿ඛ⾜䛩䜛䜈䛝㛤䛿ᑠ µmでは先行するへき開は小 ᅗ15(b)䛻♧䛩䠊䝷䜲䞁䝢䝑䝏40 さいが,ラインピッチが30 μm䠈20 µm,20 μm䛸ᑠ䛥䛔ሙྜ䛻䛿䠈䜈䛝 µmと小さい場合には,へき 䛥䛔䛜䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏䛜30. SiC. 開伸展が大きく,レーザはへき開上に照射されていることがわ 㛤ఙᒎ䛜኱䛝䛟䠈䝺䞊䝄䛿䜈䛝㛤ୖ䛻↷ᑕ䛥䜜䛶䛔䜛䛣䛸䛜䜟 かった. 䛛䛳䛯䠊. 加工改質部 ຍᕤᨵ㉁㒊. へき開 䜈䛝㛤. レーザスポットより先行したへき開の影響を調査するために, 䝺䞊䝄䝇䝫䝑䝖䜘䜚ඛ⾜䛧䛯䜈䛝㛤䛾ᙳ㡪䜢ㄪᰝ䛩䜛䛯䜑䛻䠈. SiC. あらかじめ,へき開を大きく伸展させた試料に対し,通常なら 䛒䜙䛛䛨䜑䠈䜈䛝㛤䜢኱䛝䛟ఙᒎ䛥䛫䛯ヨᩱ䛻ᑐ䛧䠈㏻ᖖ䛺䜙. へき開反射による干渉 (a) 䜈䛝㛤཯ᑕ䛻䜘䜛ᖸ΅. 加工痕が形成不可能な微小パルスエネルギー0.5 μJ䠈1.0 μJ,1.0 μJ ຍᕤ⑞䛜ᙧᡂ୙ྍ⬟䛺ᚤᑠ䝟䝹䝇䜶䝛䝹䜼䞊0.5. 干渉による改質部の形成 (b) ᖸ΅䛻䜘䜛ᨵ㉁㒊䛾ᙧᡂ. 図 17㻌 17 䜈䛝㛤ୖ䛷䛾཯ᑕග䛾ᖸ΅䛻䜘䜛ᨵ㉁ᒙ䛾ᙧᡂ へき開上での反射光の干渉による改質層の形成 ᅗ. で照射を行った.ドットピッチは0.5 μm䛸䛣䜜䜎䛷䛸ྠᵝ䛸䛧䛯䠊 μmとこれまでと同様とした. 䛷↷ᑕ䜢⾜䛳䛯䠊䝗䝑䝖䝢䝑䝏䛿0.5. 㻌. 結果を図16に示す.微小出力による加工においても,へき開 ⤖ᯝ䜢ᅗ16䛻♧䛩䠊ᚤᑠฟຊ䛻䜘䜛ຍᕤ䛻䛚䛔䛶䜒䠈䜈䛝㛤. 㻌. 上に照射することで,明確に加工痕を形成できることがわかっ ୖ䛻↷ᑕ䛩䜛䛣䛸䛷䠈᫂☜䛻ຍᕤ⑞䜢ᙧᡂ䛷䛝䜛䛣䛸䛜䜟䛛䛳. 5.SiCのカーフロスを考慮したレーザスライシング実験 䠑䠊㻿㼕㻯䛾䜹䞊䝣䝻䝇䜢⪃៖䛧䛯䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾ᐇ㦂㻌. た.したがって,へき開上で,改質部が形成されやすいことが 䛯䠊䛧䛯䛜䛳䛶䠈䜈䛝㛤ୖ䛷䠈ᨵ㉁㒊䛜ᙧᡂ䛥䜜䜔䛩䛔䛣䛸䛜. 5.1 㻿㼕㻯䛾ຍᕤ⑞ᙧᡂ䝯䜹䝙䝈䝮䛾᥎ᐃ㻌 SiCの加工痕形成メカニズムの推定 䠑䠊䠍㻌. 明らかとなった.これは,へき開でのレーザ反射光の干渉が ᫂䜙䛛䛸䛺䛳䛯䠊䛣䜜䛿䠈䜈䛝㛤䛷䛾䝺䞊䝄཯ᑕග䛾ᖸ΅䛜. 5.1.1 䠍ᮏ䛾ຍᕤ䝷䜲䞁䛻䛚䛡䜛ຍᕤ⑞ᙧᡂ䝯䜹䝙䝈䝮 1本の加工ラインにおける加工痕形成メカニズム 䠑䠊䠍䠊䠍㻌. 考えられる.へき開部には微小な隙間が存在しているため, ⪃䛘䜙䜜䜛䠊䜈䛝㛤㒊䛻䛿ᚤᑠ䛺㝽㛫䛜Ꮡᅾ䛧䛶䛔䜛䛯䜑䠈. これまでの議論から,SiCのレーザスライシングにおけるオ 䛣䜜䜎䛷䛾㆟ㄽ䛛䜙䠈SiC䛾䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾䛻䛚䛡䜛䜸. 図17(a)のようにレーザは屈折率の高いSiCから屈折率の低い ᅗ17(a)䛾䜘䛖䛻䝺䞊䝄䛿ᒅᢡ⋡䛾㧗䛔SiC䛛䜙ᒅᢡ⋡䛾ప䛔. フ角に沿った加工痕の形成メカニズムは,以下のように推測 䝣ゅ䛻ἢ䛳䛯ຍᕤ⑞䛾ᙧᡂ䝯䜹䝙䝈䝮䛿䠈௨ୗ䛾䜘䛖䛻᥎ . へき開部に入射されることになる.その際,屈折率の変化によ 䜈䛝㛤㒊䛻ධᑕ䛥䜜䜛䛣䛸䛻䛺䜛䠊䛭䛾㝿䠈ᒅᢡ⋡䛾ኚ໬䛻䜘. される.図18(a)に示すように1本のライン走査中,集光点付近 䛥䜜䜛䠊ᅗ18(a)䛻♧䛩䜘䛖䛻䠍ᮏ䛾䝷䜲䞁㉮ᰝ୰䠈㞟ගⅬ௜㏆. って反射し,反射光とSiCを透過中のレーザ,または反射光同 䛳䛶཯ᑕ䛧䠈཯ᑕග䛸SiC䜢㏱㐣୰䛾䝺䞊䝄䠈䜎䛯䛿཯ᑕගྠ. ではアモルファスSiとアモルファスCに解離し,初期改質部が 䛷䛿䜰䝰䝹䝣䜯䝇Si䛸䜰䝰䝹䝣䜯䝇C䛻ゎ㞳䛧䠈ึᮇᨵ㉁㒊䛜. Journal of the Japan Society for Abrasive Technology Vol.64 No.12 2020 DEC. 635-642. 39.

(6) 640. 砥粒加工学会誌. レーザ走査 䝺䞊䝄㉮ᰝ. 形成される.この改質部の体積膨張により,Si面・C面でへき ᙧᡂ䛥䜜䜛䠊䛣䛾ᨵ㉁㒊䛾య✚⭾ᙇ䛻䜘䜚䠈Si㠃䞉C㠃䛷䜈䛝 Laser. 開がオフ角に沿って形成され,レーザ走査時にはレーザスポ 㛤䛜䜸䝣ゅ䛻ἢ䛳䛶ᙧᡂ䛥䜜䠈䝺䞊䝄㉮ᰝ᫬䛻䛿䝺䞊䝄䝇䝫 ットより先行して伸展する.そのため,図18(b)のようにレーザ 䝑䝖䜘䜚ඛ⾜䛧䛶ఙᒎ䛩䜛䠊䛭䛾䛯䜑䠈ᅗ18(b)䛾䜘䛖䛻䝺䞊䝄 はへき開上に照射され,図18(c)のようにへき開上では,レー 䛿䜈䛝㛤ୖ䛻↷ᑕ䛥䜜䠈ᅗ18(c)䛾䜘䛖䛻䜈䛝㛤ୖ䛷䛿䠈䝺䞊 ザの反射による干渉で,改質部が形成されやすくなる.これ 䝄䛾཯ᑕ䛻䜘䜛ᖸ΅䛷䠈ᨵ㉁㒊䛜ᙧᡂ䛥䜜䜔䛩䛟䛺䜛䠊䛣䜜. へき開 䜈䛝㛤 ຍᕤᨵ㉁㒊 加工改質部 オフ角: 䜸䝣ゅ: 4 deg.. によって,図18(d)のようにオフ角に沿って加工痕が形成され 䛻䜘䛳䛶䠈ᅗ18(d)䛾䜘䛖䛻䜸䝣ゅ䛻ἢ䛳䛶ຍᕤ⑞䛜ᙧᡂ䛥䜜. (a). (b). (c). ていく.図18(e)に示すようにレーザを走査し続けると,加工痕 䛶䛔䛟䠊ᅗ18(e)䛻♧䛩䜘䛖䛻䝺䞊䝄䜢㉮ᰝ䛧⥆䛡䜛䛸䠈ຍᕤ⑞. 加工痕の形成 ຍᕤ⑞䛾ᙧᡂ. パルスレーザ走査 䝟䝹䝇䝺䞊䝄㉮ᰝ. へき開上での 䜈䛝㛤ୖ䛷䛾 改質部の優先的形成 ᨵ㉁㒊䛾ඃඛⓗᙧᡂ. とレーザの集光点位置にずれが生じるため,エネルギー密度 䛸䝺䞊䝄䛾㞟ගⅬ఩⨨䛻䛪䜜䛜⏕䛨䜛䛯䜑䠈䜶䝛䝹䜼䞊ᐦᗘ が下がり,元来の集光点にあらためて初期改質部が形成され 䛜ୗ䛜䜚䠈ඖ᮶䛾㞟ගⅬ䛻䛒䜙䛯䜑䛶ึᮇᨵ㉁㒊䛜ᙧᡂ䛥䜜. レーザ走査 䝺䞊䝄㉮ᰝ. る.これが繰り返されることによって鋸歯状の加工痕が形成さ 䜛䠊䛣䜜䛜⧞䜚㏉䛥䜜䜛䛣䛸䛻䜘䛳䛶㗬ṑ≧䛾ຍᕤ⑞䛜ᙧᡂ䛥 れていくと考えられる. 䜜䛶䛔䛟䛸⪃䛘䜙䜜䜛䠊 5.1.2 」ᩘ䛾ຍᕤ䝷䜲䞁䛻䛚䛡䜛ຍᕤ⑞ᙧᡂ䝯䜹䝙䝈䝮 複数の加工ラインにおける加工痕形成メカニズム 䠑䠊䠍䠊䠎㻌 次に,加工ラインを複数本形成し,加工痕を連結させる場 ḟ䛻䠈ຍᕤ䝷䜲䞁䜢」ᩘᮏᙧᡂ䛧䠈ຍᕤ⑞䜢㐃⤖䛥䛫䜛ሙ 合の模式図を図19に示す.図19(a)のようにラインピッチが大 ྜ䛾ᶍᘧᅗ䜢ᅗ19䛻♧䛩䠊ᅗ19(a)䛾䜘䛖䛻䝷䜲䞁䝢䝑䝏䛜኱ きい場合は,前のラインで形成されたへき開の影響を受けず, 䛝䛔ሙྜ䛿䠈๓䛾䝷䜲䞁䛷ᙧᡂ䛥䜜䛯䜈䛝㛤䛾ᙳ㡪䜢ཷ䛡䛪䠈 加工痕が形成・連結する.そのため,オフ角に沿ったへき開 ຍᕤ⑞䛜ᙧᡂ䞉㐃⤖䛩䜛䠊䛭䛾䛯䜑䠈䜸䝣ゅ䛻ἢ䛳䛯䜈䛝㛤 の成長は抑えられ,凹凸の周期が短くなる.一方,図19(b)の 䛾ᡂ㛗䛿ᢚ䛘䜙䜜䠈พฝ䛾࿘ᮇ䛜▷䛟䛺䜛䠊୍᪉䠈ᅗ19(b)䛾. (d). (e). オフ角に沿った加工痕形成 䜸䝣ゅ䛻ἢ䛳䛯ຍᕤ⑞ᙧᡂ. エネルギー密度低下による 䜶䝛䝹䜼䞊ᐦᗘపୗ䛻䜘䜛 加工痕の復帰 ຍᕤ⑞䛾᚟ᖐ. 図 18㻌 18 ༢୍䝷䜲䞁㉮ᰝ᫬䛾ຍᕤ⑞ᙧᡂ䝯䜹䝙䝈䝮䛾᥎ᐃ 単一ライン走査時の加工痕形成メカニズムの推定 ᅗ. ようにラインピッチが小さいとき,前の加工ラインで形成された 䜘䛖䛻䝷䜲䞁䝢䝑䝏䛜ᑠ䛥䛔䛸䛝䠈๓䛾ຍᕤ䝷䜲䞁䛷ᙧᡂ䛥䜜䛯 へき開の上にレーザが照射される.そのため,レーザの反射 䜈䛝㛤䛾ୖ䛻䝺䞊䝄䛜↷ᑕ䛥䜜䜛䠊䛭䛾䛯䜑䠈䝺䞊䝄䛾཯ᑕ. 1パス目 1䝟䝇┠ 改質部 ᨵ㉁㒊. 2パス目 2䝟䝇┠ 改質部 ᨵ㉁㒊. Laser. 光による干渉で,オフ角に沿ったへき開が拡大していく.この ග䛻䜘䜛ᖸ΅䛷䠈䜸䝣ゅ䛻ἢ䛳䛯䜈䛝㛤䛜ᣑ኱䛧䛶䛔䛟䠊䛣䛾 改質部 ᨵ㉁㒊 形成可能 ᙧᡂྍ⬟ 範囲 ⠊ᅖ. 拡大されたへき開上にレーザが照射されることによって,周期 ᣑ኱䛥䜜䛯䜈䛝㛤ୖ䛻䝺䞊䝄䛜↷ᑕ䛥䜜䜛䛣䛸䛻䜘䛳䛶䠈࿘ᮇ が長く,高さの高い鋸歯状の加工痕が形成され,周期的な凹 䛜㛗䛟䠈㧗䛥䛾㧗䛔㗬ṑ≧䛾ຍᕤ⑞䛜ᙧᡂ䛥䜜䠈࿘ᮇⓗ䛺พ. 2パス目 2䝟䝇┠ へき開 䜈䛝㛤 1パス目 1䝟䝇┠ へき開 䜈䛝㛤. 凸が大きく表れると推定される. ฝ䛜኱䛝䛟⾲䜜䜛䛸᥎ᐃ䛥䜜䜛䠊 以上のことから,カーフロスを微小に抑えたレーザスライシ ௨ୖ䛾䛣䛸䛛䜙䠈䜹䞊䝣䝻䝇䜢ᚤᑠ䛻ᢚ䛘䛯䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅 ング加工を達成するためには,ラインピッチを大きくし,オフ角 䞁䜾ຍᕤ䜢㐩ᡂ䛩䜛䛯䜑䛻䛿䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏䜢኱䛝䛟䛧䠈䜸䝣ゅ. ラインピッチ大の場合 (a) 䝷䜲䞁䝢䝑䝏኱䛾ሙྜ. に沿ったへき開の成長を抑えることが重要であると考えられる. 䛻ἢ䛳䛯䜈䛝㛤䛾ᡂ㛗䜢ᢚ䛘䜛䛣䛸䛜㔜せ䛷䛒䜛䛸⪃䛘䜙䜜䜛䠊 そこで,これを確かめるためにウエハの全面加工を行い,剥 䛭䛣䛷䠈䛣䜜䜢☜䛛䜑䜛䛯䜑䛻䜴䜶䝝䛾඲㠃ຍᕤ䜢⾜䛔䠈๤. Laser. へき開 䜈䛝㛤. 3パス目 㻟䝟䝇┠ 改質部 ᨵ㉁㒊. 離を試みることとした. 㞳䜢ヨ䜏䜛䛣䛸䛸䛧䛯䠊 5.2 㻝㻜㻌㼙㼙ゅ䜴䜶䝝䛾๤㞳ᐇ㦂䛸ホ౯㻌 10 mm角ウエハの剥離実験と評価 䠑䠊䠎 mm角ウエハに対し,全面加工を行い剥離させた.剥離 㻌 10 mmゅ䜴䜶䝝䛻ᑐ䛧䠈඲㠃ຍᕤ䜢⾜䛔๤㞳䛥䛫䛯䠊๤㞳. 改質部 ᨵ㉁㒊 形成可能 ᙧᡂྍ⬟ 範囲 ⠊ᅖ. 面性状を測定することによって,カーフロスの評価を行った. 㠃ᛶ≧䜢 ᐃ䛩䜛䛣䛸䛻䜘䛳䛶䠈䜹䞊䝣䝻䝇䛾ホ౯䜢⾜䛳䛯䠊 加工条件は表1に示すとおりである.ラインピッチを20 μm䠈30 μm,30 ຍᕤ᮲௳䛿⾲1䛻♧䛩䛸䛚䜚䛷䛒䜛䠊䝷䜲䞁䝢䝑䝏䜢20 μm,40 μm䛸ኚ໬䛥䛫䠈䛭䜜䛮䜜䛾᮲௳䛷5ᅇຍᕤ䜢⾜䛔ẚ μmと変化させ,それぞれの条件で5回加工を行い比 μm䠈40 較した.まずレーザ照射後の剥離前の試料内部観察結果を ㍑䛧䛯䠊䜎䛪䝺䞊䝄↷ᑕᚋ䛾๤㞳๓䛾ヨᩱෆ㒊ほᐹ⤖ᯝ䜢 図20に示す.ラインピッチが大きくなるにつれて周期的な凹 ᅗ20䛻♧䛩䠊䝷䜲䞁䝢䝑䝏䛜኱䛝䛟䛺䜛䛻䛴䜜䛶࿘ᮇⓗ䛺พ. ラインピッチ小の場合 (b) 䝷䜲䞁䝢䝑䝏ᑠ䛾ሙྜ 図 19㻌 19 」ᩘᮏ䝷䜲䞁㉮ᰝ᫬䛾ຍᕤ⑞ᙧᡂ䝯䜹䝙䝈䝮䛾᥎ᐃ 複数本ライン走査時の加工痕形成メカニズムの推定 ᅗ. 凸が小さくなる傾向は前章と一致するが,ラインピッチ40 μm ฝ䛜ᑠ䛥䛟䛺䜛ഴྥ䛿๓❶䛸୍⮴䛩䜛䛜䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏40. 鋸歯状の周期的凹凸面が確認できた.平均の周期はラインピ 㗬ṑ≧䛾࿘ᮇⓗพฝ㠃䛜☜ㄆ䛷䛝䛯䠊ᖹᆒ䛾࿘ᮇ䛿䝷䜲䞁䝢. においては,へき開の連結が一部不十分なことがわかった. 䛻䛚䛔䛶䛿䠈䜈䛝㛤䛾㐃⤖䛜୍㒊୙༑ศ䛺䛣䛸䛜䜟䛛䛳䛯䠊. ッチ20 μm䛷207.8 µmで207.8 μm䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏30 µm,ラインピッチ30 μm䛷152.4 µmで152.4 μm䠈䝷䜲䞁 µm,ライン 䝑䝏20. 全面加工を行った試料を,φ20 mm䛾䜰䝹䝭ྜ㔠〇䝆䜾䛻 mmのアルミ合金製ジグに 㻌 ඲㠃ຍᕤ䜢⾜䛳䛯ヨᩱ䜢䠈䃥20. ピッチ40 μm䛷112.5 µmで112.5 μm䛸䛺䜚䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏䜢኱䛝䛟䛧䛯ሙྜ䠈 µmとなり,ラインピッチを大きくした場合, 䝢䝑䝏40. 貼り付け,ウエハ面に対し垂直方向に引張試験を行い剥離さ ㈞䜚௜䛡䠈䜴䜶䝝㠃䛻ᑐ䛧ᆶ┤᪉ྥ䛻ᘬᙇヨ㦂䜢⾜䛔๤㞳䛥. 周期が短く,凹凸高さが低いという傾向は,図15で示した加 ࿘ᮇ䛜▷䛟䠈พฝ㧗䛥䛜ప䛔䛸䛔䛖ഴྥ䛿䠈ᅗ15䛷♧䛧䛯ຍ. せた.一例としてラインピッチ20 μm䛾๤㞳ᚋ䛾እほ䜢ᅗ21䛻 μmの剥離後の外観を図21に 䛫䛯䠊୍౛䛸䛧䛶䝷䜲䞁䝢䝑䝏20. 工痕の断面観察と一致した.ウエハ片面でのカーフロスを計 ᕤ⑞䛾᩿㠃ほᐹ䛸୍⮴䛧䛯䠊䜴䜶䝝∦㠃䛷䛾䜹䞊䝣䝻䝇䜢ィ. 示す.剥離応力の平均値は,ラインピッチ20 μm䛷11.1 μmで11.1 MPa䠈 MPa, ♧䛩䠊๤㞳ᛂຊ䛾ᖹᆒ್䛿䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏20. 算すると,改質部高さ約12 μm䜢⪃៖䛧䛶䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏20 μmを考慮して,ラインピッチ20 μm ⟬䛩䜛䛸䠈ᨵ㉁㒊㧗䛥⣙12. ラインピッチ30 μm䛷21.0 μmで21.0 MPaとなった.ラインピッチ40 µmに 䝷䜲䞁䝢䝑䝏30 MPa䛸䛺䛳䛯䠊䝷䜲䞁䝢䝑䝏40 μm䛻. で約36 μm䠊䝷䜲䞁䝢䝑䝏30 μm.ラインピッチ30 μm䛷⣙30 μmで約30 μm䠊䝷䜲䞁䝢䝑䝏40 μm.ラインピッチ40 μm 䛷⣙36. おいては,接着強度の25 MPa䜢㉸䛘䠈᥋╔๣䛸ヨᩱ䛾⏺㠃 MPaを超え,接着剤と試料の界面 䛚䛔䛶䛿䠈᥋╔ᙉᗘ䛾25. で約27 μm䛸䛺䜚䠈ᚋᕤ⛬䜢⪃៖䛧䛶䜒䠈ᚑ᮶ᢏ⾡䛾100 μmとなり,後工程を考慮しても,従来技術の100 µm 䛷⣙27 μm. で剥離してしまったが,一部剥離できた. 䛷๤㞳䛧䛶䛧䜎䛳䛯䛜䠈୍㒊๤㞳䛷䛝䛯䠊. 以上のカーフロスに対して約1/3の小さな値となった. ௨ୖ䛾䜹䞊䝣䝻䝇䛻ᑐ䛧䛶⣙1/3䛾ᑠ䛥䛺್䛸䛺䛳䛯䠊. 次に剥離した試料に対し,顕微鏡観察を行い,剥離面の評 㻌 ḟ䛻๤㞳䛧䛯ヨᩱ䛻ᑐ䛧䠈㢧ᚤ㙾ほᐹ䜢⾜䛔䠈๤㞳㠃䛾ホ. 以上のことから,カーフロス微小なレーザスライシング加工 ௨ୖ䛾䛣䛸䛛䜙䠈䜹䞊䝣䝻䝇ᚤᑠ䛺䝺䞊䝄䝇䝷䜲䝅䞁䜾ຍᕤ. 価を行った.図22に剥離面を示す.剥離前の観察結果と一 ౯䜢⾜䛳䛯䠊ᅗ22䛻๤㞳㠃䜢♧䛩䠊๤㞳๓䛾ほᐹ⤖ᯝ䛸୍. には,オフ角に沿ったへき開の過剰な伸展を制御する必要が 䛻䛿䠈䜸䝣ゅ䛻ἢ䛳䛯䜈䛝㛤䛾㐣๫䛺ఙᒎ䜢ไᚚ䛩䜛ᚲせ䛜. 致する周期的な凹凸が見られ,レーザ照射によって生じたへ ⮴䛩䜛࿘ᮇⓗ䛺พฝ䛜ぢ䜙䜜䠈䝺䞊䝄↷ᑕ䛻䜘䛳䛶⏕䛨䛯䜈. あることが明らかになった.そのためには,ラインピッチを大き 䛒䜛䛣䛸䛜᫂䜙䛛䛻䛺䛳䛯䠊䛭䛾䛯䜑䛻䛿䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏䜢኱䛝. き開に沿って剥離していることがわかった.表面粗さは,ライ 䛝㛤䛻ἢ䛳䛶๤㞳䛧䛶䛔䜛䛣䛸䛜䜟䛛䛳䛯䠊⾲㠃⢒䛥䛿䠈䝷䜲. くし,へき開上でのレーザ吸収を少なくすることが効果的であ 䛟䛧䠈䜈䛝㛤ୖ䛷䛾䝺䞊䝄྾཰䜢ᑡ䛺䛟䛩䜛䛣䛸䛜ຠᯝⓗ䛷䛒. ンピッチ20 µmで24.121 µmで17.811 䞁䝢䝑䝏20 μm䛷24.121 µmSz,ラインピッチ30 μmSz䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏30 μm䛷17.811. ると考えられるが,加工痕のへき開による連結が不十分となり 䜛䛸⪃䛘䜙䜜䜛䛜䠈ຍᕤ⑞䛾䜈䛝㛤䛻䜘䜛㐃⤖䛜୙༑ศ䛸䛺䜚. µmSz,ラインピッチ40 μm䛷14.523 µmで14.523 µmSzとなった.それぞれ μmSz䠈䝷䜲䞁䝢䝑䝏40 μmSz䛸䛺䛳䛯䠊䛭䜜䛮䜜. 剥離困難となる.したがって,カーフロスと剥離応力を両立す ๤㞳ᅔ㞴䛸䛺䜛䠊䛧䛯䛜䛳䛶䠈䜹䞊䝣䝻䝇䛸๤㞳ᛂຊ䜢୧❧䛩. の剥離面プロファイルを図23に示す.約4 deg.䛾ゅᗘ䜢䜒䛳䛯 deg.の角度をもった 䛾๤㞳㠃䝥䝻䝣䜯䜲䝹䜢ᅗ23䛻♧䛩䠊⣙4. るような加工条件の選定が必要である. 䜛䜘䛖䛺ຍᕤ᮲௳䛾㑅ᐃ䛜ᚲせ䛷䛒䜛䠊. 40. Journal of the Japan Society for Abrasive Technology Vol.64 No.12 2020 DEC. 635-642.

(7) 砥粒加工学会誌. 641. 表 1 10 mm 角スライシング加工の実験条件 10. 発振周波数. kHz. 10. 入射ビーム径. mm. 1.9 0.85. 開口数 収差補正環. mm. 0.5. デフォーカス. µm. -30. µJ. 3.5. パルスエネルギー ドットピッチ. µm. 0.5. ラインピッチ. µm. 20, 30, 40. 20 μm. 30 μm. 1 mm. 3 mm. 24.121 μmSz. ラインピッチ: 20 μm. 1030. ps. 2 mm. 40 μm. 400 μm. 図 20 剥離前の試料内部観察. 上面. 下面. 17.811 μmSz. ラインピッチ: 30 μm. パルス幅. nm. 14.523 μmSz. ラインピッチ: 40 μm. 波長. 未剥離. 図 22 各ラインピッチの剥離面性状. 10 mm. 図 21 剥離後のウエハ外観(ラインピッチ 20 μm). 高さ μm. 25 25 20 20 15 15 10 10 55 00. 6.結 言 1. 加工改質部はアモルファス Si とアモルファス C に解離 することによって形成される.改質部を安定的かつ高さ を抑えて形成するためには,ドットピッチを小さくし,パ. ラインピッチ: 20 μm. ルスエネルギーを低くする必要がある.本研究での改質. 4 deg.. 部高さは最大で 12 μm となった. 2.. 00. 100 100. 200 200. 300 300. 400 400. 500 500. ーザスポットより先行して形成される.へき開上では,レ. 600 μm 600. 25 25 ラインピッチ: 30 μm 20 20 4 deg. 15 15 10 10 55 00 0 100 200 300 400 500 600 μm 0 100 200 300 400 500 600 25 25 20 ラインピッチ: 40 μm 20 4 deg. 15 15 10 10 55 00 00 100 200 300 400 500 600 μm 100 200 300 400 500 600 測定長 μm 図 23 各ラインピッチの剥離面プロファイル. 加工改質部の膨張によってオフ角に沿ったへき開がレ ーザ反射光の干渉によって,エネルギーが高まり,改質 部が形成されやすくなる.これにより内部加工痕は,鋸 歯状に形成されるため,カーフロス増大につながる.. 3.. カーフロスを微小にするためには,ラインピッチを大きく し,オフ角に沿ったへき開の過剰な伸展を抑制すること が有効である.. 4.. 本実験でのカーフロスは最大で約 36 μm となり,従来の スライシング技術の 100 μm 以上と比較して,約 1/3 に抑 制することを達成した.. 謝 辞 本研究は「ローム株式会社 2016,2017 年度研究公募」の助 成を受けた.関係各位に感謝の意を表する.. Journal of the Japan Society for Abrasive Technology Vol.64 No.12 2020 DEC. 635-642. 41.

(8) 642. 砥粒加工学会誌. 7.参考文献 1) 2) 3) 4) 5). 6) 7). 8). 9). 10). 11). 12) 13). 14) 15). 16). 17). 岩室憲幸:次世代パワー半導体の高性能化とその産業展開,シーエムシ ー出版,(2015). 加藤智久:パワーデバイス用 SiC ウェーハの加工技術,砥粒加工学会誌, 61, 8 (2017) 418. 諏訪部仁,溝田勇飛,石川憲一:樹脂コーティングワイヤを用いたマルチ ワイヤソーによる SiC の高精度加工,砥粒加工学会誌,63, 2 (2019) 93. 山田洋平,池野順一,鈴木秀樹:単結晶シリコンの精密レーザスライシン グ技術,精密工学会誌,85, 5 (2019) 419. 山田洋平,金子洋平,青木陸,池野順一,鈴木秀樹:レーザによる微小 内部亀裂連鎖に基づく半導体結晶材料の高品位切断加工,精密工学会 誌,83, 4 (2017) 375. 阿部達毅,山田洋平,池野順一,鈴木秀樹:3 次元レーザスライシングに よるガラス光学素子の作成,精密工学会誌,85, 5 (2019) 426. 平田和也,山本涼兵,西野曜子,村澤尚樹,高橋邦充:SiC インゴットの 新しいレーザスライシング-KABRA プロセスの開発-,精密工学会誌, 83, 9 (2017) 829. E. KIM, Y. SHIMOTSUMA, M. SAKAKURA and K. MIURA: 4H-SiC wafer slicing by using femtosecond laser double-pulses, Optical Materials Express, 7, 7 (2017) 2450. E. KIM, Y. SHIMOTSUMA, M. SAKAKURA and K. MIURA: Nano Periodic Structure Formation in 4H-SiX Crystal Using Femtosecond Laser Double-Pulses, Journal of Superhard Materials, 40, 4 (2018) 259. J. E. SMITH et al: Raman Spectra of Amorphous Si and Related Tetrahedrally Bonded Semiconductors, Physical Review Letters, 26, 11 (1971) 642. M. G. LEMAITRE et al: Low-temperature, site selective graphitization of SiC via ion implantation and pulsed laser annealing, Appl. Phys. Lett., 100, 193105 (2012). P. K. CHU and L. LI: Characterization of amorphous and nanocrystalline carbon films, Materials Chemistry and Physics, 96, 2-3 (2006) 253. M. YAMAGUCHI, S. UENO, R. KUMAI, K. KINOSHITA, T. MURAI, T. TOMITA, S. MATSUO and S. HASHIMOTO: Raman spectroscopic study of femtosecond laser-induced phase transformation associated with ripple formation on single-crystal SiC, Appl. Phys. A, 99 (2010) 23. X. J. NING, N. HUVEY and P. PIROUZ: Dislocation Cores and Hardness Polarity of 4H-SiC, J. Am. Ceram. Soc., 80, 7 (1997) 1645. T. YOSHITAKE et al: Spectral Absorption Properties of Ultrananocrystalline Diamond/Amorphous Carbon Composite Thin Films Prepared by Pulsed Laser Deposition, Jpn. J. Appl. Phys., 46 (2007) L936. Y. HISHIKAWA et al: Interference-Free Determination of the Optical Absorption Coefficient and the Optical Gap of Amorphous Silicon Thin Films, Jpn. Appl. Phys., 30 (1991) 1008. S. LIMPIJUMNONG et al: Optical-absorption bands in the 1-3 eV range in n-type SiC polytypes, Physical Review B, 59, 20 (1999) 12 890.. 42. Journal of the Japan Society for Abrasive Technology Vol.64 No.12 2020 DEC. 635-642.

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