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チベット高原における高山草原生存極限(草線)の気候条件について

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Academic year: 2021

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(1)チベット高原における高山草原生存極限(草線)の気候条件について ○杜明遠(農環研) ・川島茂人(京大) ・米村正一郎・井上聡(農環研) ・ 張憲州・李英年・古松・趙亮(中国科学院) ・唐艶鴻(国環研) はじめに チベット高原は、地球の第 3 の極と呼ばれ、高山草原は標高 5200m 位まで広がっている。大気側 の変動の影響が現れやすいと考えられている。しかし、チベット高原における山が多く、標高の高い(4800m 以上)気象観測所はほとんどない。本研究は、チベット高原中央部当雄の高山草原生存極限(草線)付近(標高 5200m)および東北部海北高山草原生存極限(草線)付近(標高 4200m)におけるの気象観測データを分析し、 草原生存極限(草線)付近の気候条件を取りまとめた。 データ 1)2005 年 6 月-2008 年 10 月チベット高原中央部当雄の南斜面における 5100m、5200m(草線, 101º22’ E, 37o 43' N) 、5300mの気温、湿度、降水量、5cm、20cmと 50cmの地温と土壌体積含水量;2)2006 年 7 月-2008 年 9 月チベット東北部海北の南斜面における 4000m、4200m(草線, 91º03’ E, 30o 32' N) 、4400m の気温、湿度、5cm、20cmと 50cmの地温と土壌体積含水量。 結果と考察 1)図 1 示すように、チベット高原 草線 における一目瞭然な草線が見える。基本的にこの草 線の標高は緯度と経度によって変わる。また、図1 に示すように、斜面の向きや傾斜など局地的な地形 によって変わる。 2)チベット東北部の海北と中央部の当雄におけ る草線の標高差は 1000m になるが、3 年以上の観測 結果、両草線冬の気候条件が違うが(標高の低い 4200m の草線は温度が低い) 、夏の植物成長期にお ける気候条件は非常に一致する。これは、チベット 高原における高山草原生存極限は主に気候で決まら れていると考えられる。 3)表1に示すように、チベット高原における高 山草原生存極限の主な気候条件として、以下の 3 点 図 1 チベット当雄における標高 5200m の草線 を考えられる。①最暖月の平均気温は 5.0℃前後であ る。②日平均気温 0℃以上の積算温度は 500℃日以 上であり、5℃以上の積算温度は 240℃日である。③当雄における降水量の観測により、5200m から降水量は急 激に減少することから、土壌水分も重要で、0-20cm の土壌体積含水量は 5%以上である。 4)気象官署の観測データにより、過去 60 年間 4800m 以下の気温の上昇 2℃位があり、斜面に同様な気温 上昇があれば、また、今後上昇し続ければ、草線の上昇(標高の高いところへのシフト)も考えられる。 表1 チベット高原における高山草原生存極限(草線)と周辺の気候条件. 8月. 0℃以上. 5℃以上. 5cm. 20cm. 平均気温. 積算温度. 積算温度. 土壌水分. 土壌水分. 4200m草線. 5.0. 502.1. 242.0. 0.15. 0.09. 5200m草線. 4.9. 573.3. 297.6. 0.05. 0.09. 4000m. 7.1. 690.2. 502.4. 0.14. 0.15. 4380m. 4.2. 310.2. 131.0. 0.01. 0.01. 5100m. 5.2. 684.7. 385.0. 0.11. 0.15. 5300m. 3.9. 496.5. 190.9. 0.06. 0.04.

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