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大絲状蟲DIROFILARIA IMMITIS
の研究
板 垣
四 郎
久 米
清 治
(東京帝國大學農 學部 獸醫科)
STUDIES ON DIROFILARIA IMMITIS.
S. ITAGAKI.
S. KUME.
(From the Department of Veterinary Medicine, Faculty of Agriculture, Tokyo Imperial Unicersity.)
本 研 究は 愛 犬 家 有 志 特 に平 岩 米吉 氏 の 主 唱 に なる フイ ラリ ア研 究 會 補 助 の 下 に 行 へる もの で.玄玄 に同 會 に厚 く感 謝 す る次 第 で あ る。 目 次 緒 言 A.生物 學 的 研 究 I.仔 蟲Microfilariaの 出 現に 關 す る研 究 1.季 節 との 關 係 a.末 梢 血 管 に 出 現 する 仔 蟲 の 數 的 觀 察 b.雌 蟲 の 子 宮 内 に於 け る卵子並 に 仔 蟲の 状 態 2.時 間 との 關 係(附)之 に伴 ふ各 種 白血 球 の 比率 の 變化 II.Microfilarliaの 體 内 に 於 け る分 布 III.形 態學 的 研究 1.馬,牛 に 寄 生 す る絲状 蟲 と犬絲 状 蟲 との 形 態 上 の 相 違 a.成 蟲 b.仔 蟲 2.犬 以 外 の 動 物 よ り檢 出 された 犬 絲 状 蟲 に就 て 3.犬 絲 状 蟲 成 蟲 の 寄 生 數並 に 體 長 IV.仔 蟲 の 發 育 並 に 傳 播に 關 す る研 究 1.犬 絲 状 蟲 仔 蟲 の 蚊 體 内 に 於 ける 發 育 の 研 究 2.第6期 仔蟲(成 熟 仔蟲 ∼蚊 體 内 に 於 ける 發 育 完 了せる 仔 蟲)の 抵 抗 力 3.第6期 仔 蟲 の 皮 膚 感染 に關 す る實 驗 4.仔 蟲 の 胎 盤 感 染 5、 犬 體血 液中 に 游 離 し居 る仔 蟲 の 運 命 V.犬 絲 状 蟲 の 分 布 B.犬 絲 状 蟲 仔 虫 の驅 除 及 豫 防 I.犬 絲 状 蟲 仔 虫の 驅 除 試 驗 1.ア ク リヂ ン系 色 素 劑 a.ト リパ フラ ヴ イ ンTrypaflavin b.パ ンセ カ ールPansecal 2.蒼 鉛 劑 a.ジ フ ロ ー ゼSyphlose
1060 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究 …(板 垣 ・久 米) 3.水 銀劑 a.ル エ ス チ ンLuestin 4.ア ン チ モ ン 劑 a.フ ア ヂ ンFouadin b. ア ン チ モ ナー ルAntimonal c. ヵ ル ・ア ン チ モ ナ ー antimonal d. ダ ビオー ルDabiol e. ミル スMirth 結 論 附 言 文 獻
緒言
絲 歌 蟲 は 太 古 よ り知 られ.西 歴 紀 元 前1550年 頃 出 版 され た 埃 及醫 書 に之 れ を散 見 し.又 奮 約 聖 書 に火 蛇 に關 す る記 事 が あ る。 尤 も之 れ は 入體 に寄 生 す る もの で あ り,ギ リシ ヤ 及 ロ ー マ時 代 に該 病 が 紅 海 沿 岸 に猖 獗 を逞 くした 事 蹟 を示 す もの で あ る。 犬 に寄 生 す る絲 状 蟲 の 一 種 で あ る 犬絲状 蟲 又 心 臓 絲 状 蟲Dirofilaria immitis は歐 米 諸 國 に は 少 く.歐 洲 で は僅 に佛 伊 の南 方,北 米 合衆 國 に 於 て も南 部諸 州に 發 見 され る に止 り被 害 も餘 り著 し くない が.東 洋 諸 國 就 中本 邦 の 犬 に は 最 も寄 生 率 高 く.愛 犬 家 の 恐 る可 き 強敵 で あ る と共 に 本病 の 豫 防 或 は 治 療 は 本 邦 研 究 家 の 努 力 に よつ て の み 完 行 し得 る問 題 で あ ら う。 此 の意 味 に 於 て余 等 の研 究 も本 症 の 豫 防 と治 療 を最 後 の 目的 とす るが.そ れ に は幾 多 の豫 備 工作 を解 決 す る必要 が あ る。既 ち本 蟲 の 習 性 及 び 分 布.犬 種 の 抵 抗 力.中 間 宿 主 の檢 索 。驅 蟲藥 の選 定. 免 疫 性 の 有 無.傅 染 經 路.等 々之 で あ る。 本 研 究 は 目下 續 行中 に して.未 だ 完 結 した もの で は な い が現 在 迄 の研 究 の結果 を一 括 して此 處 に報 告 す る。A.生
物 學 的 研 究
1.仔 蟲MICROFILARIA IMMITISの 出 現 に 關 す る 研 究 1.季 節 と の 關 係 濃 染 せ る病 犬 の血 液 に は 四季 を通 じて 容 易 に 仔蟲Microfilariaを 檢出 し得 る1061 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究 …(板 垣 ・久米) が.少 數 寄 生例 に在 つ て は 冬 期 は檢 出 に苦 しむ こ とが あ り.仔 蟲 産 出 に は季 節 的 關 係 の 存 す るや を疑 は れ.決 して等 閑 に 附 す可 き問 題 で ない の で.仔 蟲 の末梢 血 管 出現 と時 期 との關 係 を檢 し.併 せ て 種 々の 時 期 に雌 成 蟲 の 子 宮 内 に於 け る 卵子 並 に仔 蟲 の欺 態 を觀 察 し.本 問 題 の解 決 に努 めた 。
a.末
梢血管 に出現す る仔蟲の數 酌觀 察
檢査 方 法 4頭 の 犬 を用 ひ.耳 靜 脉 を注射 針 を以 て 穿 刺 し.流 出 す る 血 液 を Thoma-Zeiss血 球 計 算 用ピ ペ ツ トを以 て0.01c.c.を 吸 坑 し.高 層 血 液 標 本 を製 作 し た 。 即 ち血液 を ス ラ イ ドに塗 抹 し乾 燥 後 其 儘清 水 中に 靜 か に入 れ る 。 此 の 操 作 で 赤 血 球 は 崩 壊 す るの で メチ ー レ ン靑 で 染 色 し.鏡 檢 して 仔 蟲 數 を算 定 した 。仔 蟲 數 の 計 算 は3枚 の ス ライ ドに於 け る もの の平 均數 を採 り.(以下.仔 蟲 の檢 數 は 此 の 方 法 に 依 る)採 血 は常 に午 後2時 に行 つ た 。 而 して 觀 察 の 期 間 は4ヶ 月,6ヶ 月,8ヶ 月,3ヶ 年 に亙 つ た 。 其 の 結 果 は 第1號 犬 は6月 中 旬 よ り仔 蟲 の 末 梢 血 管 出 現 數 が 急 激 に增 加 し. 8月 中 旬 に最 高 數 を示 し。 第2號 犬 は7月 上 旬 よ り急 激 に增 數 し.9月 末 に最 高 數 を示 し。 第3號 犬 は6月 下 旬 よ り增數 し.7月 末 に最 高 數 を示 し,10月 末 よ り減 數 し 初 め。 第4號 犬 は第1年 度 に 於 て は6月 下 旬 よ り增數 し初 め.8月 上 旬 に 最 高 數 を 示 し.10月 中 旬 か ら減 數 し.翌 年(第2年 度)の2月 初 旬 よ り徐 々に增 數 し.5 月初 旬 より 急 激 な增 數 を初 め.6月 下 旬 に最 高 數 を 示 し.10月 初 旬 か ら減 數 し. 更 に翌 年(第3年 度)に 至 つ て再 び2月 初 旬 よ り徐 々に增 數 し.5月 初 旬 よ り急 激 な增數 を初 め.7月 初 旬 に 最高 數 に達 し.10月 初 旬 か ら急激 に減 數 し出 した。 既 ち.末 梢 血 管 に出 現 す る 仔蟲 數 は大 體 氣 温 に平 行 して增 減 し.初 夏 の 候 より 激增 し.秋 季 に至 つ て 激減 す る 。而 して 急 激 な增 減 を境 と して.其 の 間 に於 け る 仔 蟲數 は大 體 に或 る範 圍 内 を上 下 す る もので あ る こ と を知 る。(第1表,第1圖 表) b.雌 蟲 の 子 宮 内 に 於 け る卵 子 並 に仔 蟲 の状 態 各 季 節 に病 犬 を剖 檢 し.雌 虫 の 子 宮 を檢 し次 の結 果 を得 た 。 1月 初 旬 子 宮 内 の 卵 子 未 熟 に して 卵 内 に は顆 粒 物 を含 む に 過 ぎ ない 。 2月 初 旬 卵 内 に は 仔蟲 を 含 み稍 發 育 して.捲蜒 し卵 膜 内 に 之 を認 め る。1062 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久 米) 2月 下 旬 卵 内 の 仔蟲は血 中 に遊 離 せ る もの と同 じ形 態 を備 へ て 輪 状 を 爲 す 。 3月 中旬 乃 至7月 上 旬 少數 の 仔 蟲 は子 宮 開口 部 の近 くに 於 て は既 に成 熟 し て 血 中 に游離 す る 仔蟲 の 形 態 を示 し.直 線 上 に排 列 するが.大 多數 は 開 口部 よ り稍 離 れ た 部 分 に 於 て 未 だ 輪 状 を爲 す 。 8月 初 旬至 乃9月 中 旬 子 宮 内 は 直 線 を爲 した 仔蟲で 充 滿 す る。 尤 も子 宮 開 口部 よ り距 る に隨 つ て仔 蟲 は未 熟 と成 るが.兎 も角 此 の 期 が 成 熟 し た 仔 蟲 を最 多 數 子 宮 内 に 含藏 す る時 で あ る 。 10月 中 旬 子 宮 内 の 直 線 状 の 仔 蟲 は大 に滅 數 す るが.輪 状 の 仔 蟲 は未 だ 相 當 多數 を認 め る。 11月 中 旬 卵 膜 外 に出 でた 仔 蟲 は極 め て稀 に して.卵 子 の み を認 め る。 但. 此 等卵 内 に は尚 少數 輪状 の仔 蟲 を含 む 。 12月 中旬 未 熟 な 卵 子 の み を認 め る に過 ぎず.此 の状 態 が翌 年 の1月 下 旬 頃 迄 持續 す る もの と思 は れ る 。既 ち.仔 蟲 の 末梢 血 管 出 現數 の 季節 的 變 化 は 氣温.其 の 他 の 因 子 に依 つ て も左 右 され る もの で あ ら うが. 母 蟲 の 仔 蟲産 出 期 に も大 な る影 響 あ りと思 はれ る。 而 して 母 蟲 の 子 宮 内 に 於 け る 卵 子 の 大 さ(卵 内 に既 に仔 蟲 の形 態 を 認 む る も の)は 大 略 次 の 如 くで あ る 。 2.時 間 との 關 係(附)之 に伴 ふ 各 種 白血 球 の比率 の變 化 仔 蟲 が 末梢 血 管 に 出現 す る状 態 は.絲 状 蟲 の 種 類 に依 り同 一 で な い 。 人類 寄 生
のWuchereria bancrofti(以 下Bancroftiと 略 稱)の 仔蟲 は特 に夜間 に の み 末梢
1063 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久米) の 如 き 性質 を定 期 出 現 性又 はTurnusと 稱 す る。 此 の 眞 因 に就 て は 殆 ど不 明 で. 解 決 を下 し得 べ き研究 に 乏 し い。 犬 絲 状 蟲 に 就 て 斯 の 如 き性 質 を檢 した 處.次 の結 果 を得 た。 即 ち9月 中 旬,患 犬3頭 よ り2時 間 々隔 に1晝 夜 に 亙 り、法 の 如 く採 血 し.其 の 中 に 含 有 す る仔 蟲 數 の變 動 を檢 した の で あ る。(第2表,第2表) 第1號 犬 午 前10時 に最低 數 を示 し 、午 後10時 に最 高 數 に達 し.最 低 數 の 4倍 弱の增 加 を 見 る。 第2號 犬正 午 に 最低 數 を示 し.午後10時 に 最 高數 に達 し.最 低 數 の8倍 弱 の增 加 を見 る。 第3號 犬 午 前10時 に 最 低 數 を示 し.午 後8時 に 最 高 數 に達 し.最 低數 の 4倍 弱 の增 加 を 見 た の で あ る。 帥 ち.犬 絲 状 蟲 仔蟲に 於 て は バ ン クロ フ ト仔 蟲 の如 く顯 著 で は ない が ツル ヌ ス を認 め.晝間 よ りも夜間 に 於 て 末 梢 血管 に 出現 す る仔 蟲 數 は增 加 す る。 又 バ ン クロ フ ト絲 状 蟲症 に あ つ て はTurnusと エ オ ジ ン嗜好細 胞 數 とが 相 一致 して增 減 す る と主張 す る學 者 もあ り之 に 反 對 を唱 へ る もの もあ る 。犬 絲 状 蟲 に就 て此 の 問 題 を知 らん が 爲.前 記 のTurnusの 檢 査 と同 時 に 血 液 塗 抹 標 本 を製 作 し.ギ ムザ染 色 を行 ひ.エ オヂ ン嗜好 細 胞.其 他 の 白血 球 の比率の 變 化 を檢 べ た 。 本 試 驗 に於 て は前 記 の 患 犬3頭 の 他 に對稱 と して仔 蟲 の證 明 され ない 頭 を加 へ て檢 査 し.各 比較 調 査 した の で あ る。 其 の 結 果 は第2表,第3圖 表 に 示 した通 りで.一 言 に して 云 へ ば.各 種 白血 球 の增 減 と ツル ヌ スと は全 然 一致 しな い と云 ふ こ と に な る 。 即 ち.フ イラ リア患 犬 は健 康 犬 に比 しエ オ ジ ン嗜好 細 胞 は數 倍の增 加 を見 る も.之 が增 減 の状 態 は他 の 白血 球 と 同樣 ツ ル ヌ スと何 等 關 聯 せ ず.且 時間 的 規 律 な く して 仔蟲 を 宿 さな い 犬 と何 等 異 る處 が な い。 II.MICROFILARIAの 犬 體 内 に 於 け る 分 布 心 臓 右 心 室 内 に て産 出 さ れ たフ イラ リア 仔 蟲 は 血 液 内 を游 泳 し.全 身 に 分 布 す る。 而 して最も 濃 存 す る は肺血 で.心,肝,腎 の 血 液 之 に 次 ぎ末 梢 血 管 は 遙 に 少 數 に過 ぎ ない 。 斯 の 如 く.採 血 場 所 に依 つ て 仔 蟲 數 に大 き な相 違 が あ る は如 何 な
1064 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究 …(板 垣 ・久米) る原 因 か.今 の 處 殆 ん ど不 明 に して或 は臓 器 の 周 期 的 運 動 に依 る と云 ひ.或 は酸 素 又 は炭 酸 ガ スの 影 響 に依 る と云 ふ も未 だ 充分 に納 得 す る事 が 出 來 な い。 余 等 が2頭 の 犬 に就 て 行 つ た 實 驗 成績 を擧 げれ ば第3表 の 如 くで あ る。 仔蟲 數 は何 れ も0,01竓 の血 液 を 各臓 器 毎 に1枚 の ス ラ イ ドに塗 抹 し .其 の 平 均 數 を採 つ た もの で あ る。
III.形
態 學 的 研 究
1.馬,牛
に寄生す る絲欺蟲 と犬絲欺蟲 との形態上の相違
本邦 に於て發 見容易な る次 の絲状蟲 に就て共 の形態上の比較 を試 みた 。
犬
犬絲状蟲Dirofilaria immitis
馬
馬絲状蟲Setaria equina
牛
指状絲状 蟲Setaria digitata
牛
脣乳嘴絲状蟲Setaria labiato-papillosa
a.成 蟲 犬 絲状 蟲 頭 部 の構造 は簡 單 で.脣 な く頭 部 乳 嘴 突起 は不 明 瞭 で あ る。 雄蟲 に は尾 翼 が あ る。 尾翼 は他 の3種 の もの に は な い 。 馬 絲状 蟲 頭 端 に は 脊 腹 に延 長 した 角 皮 輪 が あつ て側 方 に突 出 し.其 の周 圍 に は4ヶ の 上 方 に尖 つ た 齒状 突起 が あ る 。 馬 の 腹 腔 に寄 生 す る 。 指状絲 状蟲口 の 周 圍 に存 す る輪 状 突 起 は 脣嘴 絲 状 蟲 に比 し高 さは 等 しい が.長 さ は約2倍 で あ る 。既 ち大 約25×85μ の 大 さを 有 す る 。雄 蟲 の 尾端 は 圓 形 で あ る。 牛 の腹 腔 に寄 生 す る。 脣 乳 嘴 絲状 蟲 輪 状 突 起 は 前 種 に 比 し約1/2の 長 さ を有 す る。 即 ち大 約25× 4μ の 大 さで あ る 。雄 蟲の 尾端 に は 小棘状 突 起 が 集 合 す る。 牛 の 腹腔 特 に腸間 膜2葉 間 に多 く寄 生 す る。 b.仔 蟲 仔 蟲 の 型 態 を比 較 す る に當 り.正 確 を期 す る 爲 に仔 蟲 は何 れ も成蟲 の子 宮 内 よ り採 取 した もの を用 ひ.檢 査 に際 して は メチ ー レ ン靑,ギ ー ム ザ,ア ヅ ー ルII,エ オ ジ ン,ヘ マ トキ シ リ ンに依 つ て 固 定.生 體兩 染 色 を施 し.嚢 鞘,體 長 及體 巾. 頭 部 嚢 鞘 の空 所部,神 經 環,中 體,尾點,尾 部 中體樣 物,蟲 體 尾部,體 内顆 粒 の1065 犬絲 状蟲Dirofilaria immitisの研究…(板 垣 ・久米) 排 列,共 の 他 に就 て檢 査 した。 其 の 結 果 は 第4表 の如 くで あ る。 但 し此 の 結 果 は 絶 對 的 な もの で な く して 大 體 の 傾 向 を示 した もの で あ る 事 をお 斷 り して置 く。 2犬 以 外 の 動 物 より 檢 出 さ れ た 犬 絲状 蟲 に 就 て 犬 絲 状 蟲 が 犬 の 外.狐.狼 に寄 生 す る こ と は文 献 に見 る處 で あ るが.本 邦 に は 未 だ斯 る報 告 は なく.稀 に猫 に見 られ る の み で あ つ た 。
然 る に偶.猫Felis domestica,赤 狐(日 本 産)Vulpes japonicus,狸Nyctercutes
viverinus,白 鼻 心.(台 灣産)Paradexurus larvatus,ア フ リカ麝 香 猫(ア フ リ カ
産)Paradoxurus hermaphroditvs,膃 肭獸Callotaris ursinaの 心 臓 内 よ り絲状 蟲
を得 。精 査 の結 果.犬 絲 状 蟲 で あ る こ とを確 認 した 。 但 し之 等 の 標 本 は入 手 當 時. 既 に 切 斷 され た もの等 もあ つ て 蟲 體 全 部 を觀 察 出 來 ない もの も あつ た 。此 の 成績 を表 示 す れ ば第5表 の 如 くで あ る 。尚.此 の 表 に記 載 され て居 る以 外 に頭 部,尾 部 の形状.頭 部乳嘴 突 起,尾 翼 を檢査 した が.其 の 何 れ に於 て も特 異 的 な所 は 無 か つ た ので 改 あ て表 記 す る事 を 避 け た 。 而 して 之 等 の 中.宿 主 の斃 死 年 月 日,症状,剖 檢,等 に就 き判 明 して居 る もの を記 載 すれば 次 の如 くで あ る 。 第1例 猫(東 京) 斃 死=1932年12月。 症 状=數ヶ 月間.兩 耳 後 に極 め て頑固 な皮 膚 潰 瘍 を病 む 。 剖 檢=右 心 室 に6匹 の 成 蟲 を宿 し.♂ は14.5-17.2,♀ は23-27cm.の 體 長 を有 し.犬 に寄 生 す る もの と何 等 差異 を認 め な か つ た。 第2例 赤 狐 仙 台 動 物 園 斃 死=1936年5月1日 。 症 状=症 状 を發 見 した の は4月29日 に し て.四 肢 の 麻 痺 を起 し.呼 吸 困難 を 呈す 。 翌30日 は平 常 に復 した が.5月1日 頓 死 。 剖 檢=貧血,痩 削,心臓肥 大,右 心 室 擴 張.肺 動 脉 内 に成 蟲 の 流 入 し て居 る を認 む。 肺 は 貧 血 状 態 。 第3例 白 鼻 心 仙 台 動 物園 斃 死=1937年1月23日 。 症 状=1936年12月 中旬 頃 よ り.1週1回 位 發 作 的 痙 攣 を發 し.約10分 間 位
1066 犬 絲状蟲Dirofilaria immitisの 研究…(板 垣 ・久 米) に して恢 復 し.食 を採 り、全 く人 の癲 癇 に 似 る。 越 へ て1937年1月 中 旬 に 至 り.後 肢 の 麻 痺 を起 し.歩 行 に 當 り後 肢 を 引 きず る 。 1月22日.甚 し い痙 攣 を發 して 口 よ り泡 沫 を 出 し.約30分 に して止 む 。 翌23日 斃 死.午 前3時 に し て 臨終 の 樣 は不 明 。其 の間.食 慾 に は大 き な る變 化 は な い。 剖 檢=肺 の 貧血 甚 し く.肺 動 脉 内 に 成 蟲 の 流 入 して 居 る を認 む 。 第4例 ア フ リ カ麝 香 猫 仙 台 動 物 園 斃 死=1937年4月20日。 症 状=痩 削 の 度 甚 し く.食 慾 は 充 分 あ るが 咀 嚼 は充 分 で な い 。時 々下 痢 を す る。 1月31日 に至 つ て.尾 部全 般 に膿 疱 を生 じ.隔 日に治 療 を した が 全 治 せ ず して遂 に 尾 骨 を現 す迄 に進轉 した 。 而 して漸 次 痩 削 の 度 を加 へ4月20日 に 斃 死 した。 剖 檢=肺 貧 血,肝 硬 變,心 臓 肥 大,慢 性胃 腸カ タ ー ル を認 め.同 時 に多數 の 絲 状 蟲 が右 心 室 内 に寄 生 して 居 るの を認 め た。 3.犬 絲状 蟲 成蟲 の 寄生 數 並 に 體 長 剖 檢 に 際 して.檢 出 され る 成蟲 の數 は 時 に數 十 匹 の 多數 に 上 る こと も あ り.又 時 に は兩 三 匹 に過 ぎ ない こ と もあ る。而 して 本 蟲 は 犬 以 外 の動 物 に も寄 生 し得 る が(A編.II章.第2).其 の 寄 生 數 は 何 れ も少 數 に過 ぎ ない 。 又平 岩 氏 に依 れ
ば ヌ ク テ イCanis lupus coreanus,滿洲狼Canis lupusに ては 極 め て 多數 寄 生 を
見 るが.ジ ヤ ツカ ルCanis aureusに て は少 數 に過 ぎ な い と 云 ふ。 余 等 が 實 驗 に よ る犬 に於 け る成 績 を示 せ ば第6表 の 如 くで あ る。 既 ち.少 數 例 な る を以 て 之 を以 て統 計上 の 成績 とは 爲 し得 な いが.此 の實 驗 に 於 て は 同一 犬 體 に寄 生 す る絲 状 蟲 の 最 多數 は92匹,最 少數 は1匹.平均 數 は21.5匹(32頭平 均) に し て.雄 は12.4匹(14頭 平 均).雌 は16.8匹(14頭平均)と 成 り.雌雄 の比は 略 等 し い こ と と な る。 次 に 雄 蟲,雌 蟲 の 體 長 を 測 定 し た 成 績 は 第7表 の 如 くで あ る 。 即 ち.雄 の平 均 體 長15.9cm.最 少5.0cm.最 大21.0cmに し て.雌 の平 均 體 長25.1cm.最 小
1067 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久米) 9.0cm.最 大33.0cmと 成 る。而 して 最 少 體 長 の もの は雄,雌 共 に未 成熟 に して 雌 の子 宮 内 に は仔 蟲 は 勿論.卵 子 を も含有 して 居 ら なか つ た 。
IV.仔
蟲 の 發 育 竝 に 傳 播 に 關 す る研 究
絲状 蟲 の 仔蟲 が蚊 體 内 に て變 態.發 育 を營 む こ と はManson(1878)に 依 て バ ン ク ロ フ ト絲状 蟲Wuchereria bancroftiに 就 て唱 へ られ.次 で(1884)實 驗 的 に 證 明 され た 。 爾 來 多數 の 研 究 者 に依 て此 の 事實 は 確 認 され る に至 つ た 。Dirofilaria immitisに 於 て は 最 初Grassi.Noe(1901)に 依 て明 か に され 、其
の後Bancroft(1904)は 實 驗 の 結 果.其 の 正 當 で あ る事 を認 め.Fullehborn(1907)
は 更 に之 を追 認 した 。
我 國 に於 て は バ ン ク ロ フ ト仔 蟲 に就 き谷 口氏(1905)此 の 事 實 を確 め.吉 村 氏
(1913)は 京 都 に於 て 普 通 蚊 の體 内 に て 仔 蟲 の 發 育 完 了 した こ とを報 じた 。
犬 絲 状 蟲 仔 蟲 に就 て は最 近 に 於 てFeng(1930)は 北 京 に於 てAnopheles hyrca-nus sinensis竝 にAedes koreicusに て發 育 完 了 しAnopheles myzomyia pattoni 及 びCulex pipiens pallensに て は 全 然 發 育 しな い こ と を發 表 し.井 上 氏(1935)
は東 京 に 於 て.Aedes togoiに て 仔蟲 の 發育 完 了 した こ と を報 告 して ゐ る。 本 邦 に 於 て發 見 され る犬 の 絲 状 蟲 はDirofilaria immitis一 種 だ け に して 而 も 高度 の浸 淫 状 熊 を呈 す る も此 の 發 育 史 は 多 々不 明 の點 を存 す る。 今.其 の發 育 の 一部 で あ る 中間 宿 主(蚊)體 内 に於 け る發 育 に就 て 行 つ た 實 驗 の結 果 を報 告 す る 事 と す る 。 a.實 驗 方 法 自 然 發 生 した 孑 孑 を圓 筒(直 經15cm.深 さ30cm)に 採 取 し.羽 化 した蚊 を 吸 血 籠 (金 網 性 に して 直徑7.5cm深 さ8.0cmの 圓筒 の上 部 は 篏込 式 の 蓋 を備 へ.下 部 は 開 放 した儘 と し周 圍 に布 を 固著 さ した もの を用 ひ.上 部 の蓋 は 吸 血 した 蚊 を此 處 を 外 して飼 育 籠 に放 つ に便 と し.下 部 の 布 は羽 化 した 蚊 を圓 筒 より吸血 籠 に 移 す 際 及 び吸 血 の時 に蚊 の逸 翅 す る を防 ぐ爲 に用 ひ る-第1圖 。)に 移 し.豫 め剪 毛 し た 犬(雜 種.牡.20k9.5歳 に して 耳靜 脈 より 採 取 した血 液0.01c.c.中 に 毎 回 約250
1068 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究 …(板 垣 ・久米) 隻 の 仔 蟲 を檢 出 す る)の腹 上 に 此 の籠 を 約30分固 定.吸 血 さ した 後飼 育 籠(20cm 立 方-第1圖)に 放 ち.水 を 以 て5倍 に稀澤 した シ ロツ プ(日 本 藥 局法)を飼 料 と して.生 存せ しめ.要 に 應 じて 捕 獲 しエ ー テル に て麻 醉.解 剖 し.蚊 體 内 の フ イ ラ リア 仔蟲 を檢 査 した 。檢 査 に 當 つ て は蚊 體 よ り肢 及翅 を取 り去 つ た 後 生 理 的 食 鹽 水 中 に て 胃.マ ル ピ キ ー氏 管(以 下M管 と略 稱 する),腹 腔,胸 部,頭部, 吻 鞘 に分 つ て夫 々顯 微 鏡 下 に て 觀 察 した 。 胃及 びM管 の 顯 出 に當 つ て は蚊 體 腹 部 の最 後 よ り第2.第3の 環 節 の結 合 部 の 兩 側 に鋭 利 な小 メス で 切創 を與 へ.蚊 體 胸 部 を固 定 し切 創 後 部 を徐 々に 引 けば 先 づ M管 は腸 と共 に現 れ.更 に 胃 は食 道 の一 部 と共 に腹 腔 の 外 に 引 き出 され る.勿 論 此 の 操 作 は 生 理的 食 鹽水 中 に て 行 は れ る可 きで あ る。而 して 腹 部 環 節 の 切創 は最 後 及第2の 結 合 部 にて 行 はれ る時 は後 の操 作 に於 て 胃 を完全 に 引 出 し得 ぬ 危 險 が あ る。 b.發育 所 見 蚊 體 内 に於け る仔 蟲 の 發 育 階 程 を次 の6期 に分 つ て 觀 察 した 。 第1期 ミ ク ロ フイ ラ リア 期. 2 體 長 漸 減.體 幅 漸增 期. 3 體 長,體幅 漸增 期. 4 體 長 漸增.體 幅漸 減 期. 5 體 長 漸增.體 幅增 減 停 止 期. 6 成 熟 仔 蟲 期. 今 参 考 の 爲 に 實 驗 中 の 天候 及 び實 驗 室 内 の 氣温 を示 せ ば 第8表 の如 くで ある。 (1) トウ ゴ ウヤ ブカAedes togoi體 内 に 於 け る發 育 Aedes togoiは和 名 トウ ゴ ウ ヤ ブ カ と稱 し.其 の概 略 を記 せば 次 の如 くで あ る。 黒 褐に黄 白彩 の あ る稍大 型 種 で あ る。 頭 頂 には黄 白 の狹 曲鱗 を有 し.中 央 の三 角 形 斑 及 び 眼 縁 は 線状 を呈 し.側 方 に は 同 色 の 扁平 鱗 が あ つ て2個 の斑 紋 を形 成 す る。 吻 鞘 は 黒褐 色 で あ る。雌 の觸 鬚 は短 く末 端 と中央 とに 白斑 を有 し.雄 の それ は吻 鞘 の3/4相 當 し.2個所 の 關節 部に白帯を 有する。胸脊は黑褐 黄 白 の狹 曲鱗を 装 ひ.黄白 の狹曲鱗 は 一様に散在し.或 は不判明に2條相接近 した 中 央 縦線.各 側 前 方 に1縦 線其 の外 に1彎 曲 線 を な す事 が あ る。
1069 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの研 究…(板 垣 ・久米) 腹脊 は黑 褐 色 で第2乃 至第7節 に は 白 色 の 基 部 横 帯 を有 す る 。翅 脈 の 側鱗 は廣 線 状 を 呈す る。 肢 も亦黑 褐 色 に して 黄 白鱗 は腿 節 脛 節 に末 端斑.前 及 び 中腿 節 の前 側 に1縦 線.脛 節 の後 側基 部 に 小斑.附 節 に は 節 の兩 端 に互 る帯 紋 を 形 成 す る。 雌 の 體長 は6cm.翅 長 は4.4cmで あ る。 本 種 の 分 布 區 域 は本 州.四 國.九 州 に て は 屋 内 に普 通 で.北 海 道.朝 鮮.臺 灣 に は 少 く.浦 鹽 及香 港 に も認 め られ る。 晝 間 吸 血性 で あ るが 夜 間 燈 火 の 下 で は刺 咬 す る 。 バ ン ク ロフ ト.フ イ ラ リアの 中間 宿 主 と し甚 だ適 當 に して96%の 仔 蟲發 育 完 成 す る を 見た 。(山 田 氏) (A) 剖 檢 所 見 1937年7月15日 よ り10月30日 に至 る間 に27回 の 實 驗 を行 つ た 。 其 中19回 は 自然 の 氣温 の下 に實 驗 室 内 に て.仔 蟲 保 有 蚊 を飼 育 し.殘 りは孵 卵 器 内 にて28℃ の恒 温 状 態 に て飼 育 した。 此 の結 果 は第9表 の 如 くで あ る。 表 中.實 驗 回 數 の欄 に.普 通 の 數 字 の あ る の は自 然 氣 温 下 の 實 驗 を示 し.ゴ ヂ ツ ク數 字 の あ る は恒 温状 態 の 實 驗 を意 味 す るも の で あ る。 (B) 各 發 育 期 に於 け る仔 蟲 の檢 出場 所 發 育 期 を異 にす る 仔 蟲 が蚊 體 内 の何 れ の 場所 に 於て 檢出 され るか を 知 ら ん が 爲.第9表 を案 ず る と次 の結 果 を得 る 。
1070 犬絲状 蟲Dirofilaria immitisの研究…(板 垣・久米) (C) 發 育 に伴 ふ 大 さ の 變 化 第9表 よ り觀 察 す る と第1期 仔 蟲 は 301.00∼219.48×7.50μ で あ るが.此 を更 に細 別 して 見 る と次 の 結 果 を得 る。 第2期 仔 蟲 は292.64-91.45×11.25-26.25μ で あ る が.此 を 更 に 細 別 し て 見 る と次 の 結 果 を 得 る。 第3期 仔 蟲 は146.32-384.00×22.50-49,76μ で あ る が.更に 此 を細別 して 見 る と次 の 結 果 を得 る。
1071 犬絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久米)
第4期 仔 蟲は420.67-823.05×41.00-26.25μ で あ るが.更 に 此 を 細 別 し て 見 る と次 の 結 果 を 得 る。
1072
犬絲状
蟲Dirofilaria immitisの
研究…(板垣・久米)
次 の結 果 を得 る。 第6期個蟲 は731.60-1097.40×26.25μ で あ る が .更 に 此 を細別 し見 る と 次 の 結 果 を 得 る 。 (D) 發 育 に 要 す る 日 數 と 氣 温 と の 關 係 恒 温 状 態 に 於 け る 實 驗 は 別 と し て.自 然 氣温 下 の 實 驗 に て は 仔 蟲 の 蚊 體 侵 入 よ り檢 出 迄 の 日 々 の 最 高,最 低 の平 均温 度 を更 に 全 經 過 に 亙 つ て平 均 した 氣温 を 以 て 各 比 較 す る こ と と し た 。 第9表 に 於 て 第1期 仔 蟲 の 發 見 さ れ る の は 蚊 體 内 に 侵 入 後 恒 温 状 態 に て は 總 て 第1及2日 目(21の2. 23の1.2.3.4.5. 25の1.)に し て.自 然 の 氣 温 に 於 て は31℃ に て は 第1及2日 目(4の1).30∼22℃ に て は 第1.2(2の1. 10の1.2) 及 第3日 目(6の1. 11の1.2 16の1.2. 20の5)で あ る。 第2期 仔 蟲 は 恒 温 状 態 で は 第3(19の1 23の6 25の2)及4日 目(17の1 18の2 24の2 25の3).自 然 氣 温 下 で は31∼30℃ で は 第3日 目(4の2 6の1 9の2).28∼24℃ では 第3(11の1 13の2 14の4)及 第4日 目(11の2 15の2).23∼20℃ で は 第3(16の1.2).第5(15の4).第6(22の1).及 第8 日 目(20の6)に 於 て 檢出 さ れ る 。1073 犬絲 状蟲Dirofilaria immitisの研究…(板 垣・久米) 第3期 仔 蟲 は 恒温状態 で は 第5(18の3 24の3 25の10)第6(19の2 24 の5 25の14)及 第7日目(17の2.3 19の4 23の7).自 然 氣温 下 で は30℃ で は 第5(9の4)及 第6日 目(6の3).28∼24℃ で は 第5(12の1).第6(14の 8)及 第7日目(11の4 12の2).22℃ で は 第9日 目(16の5)21℃ で は第13日 目(20の8).20℃ で は 第14(22の2)及 第17日 目(22の4)1こ 於 て 發 見 さ れ る。 第4期 仔 蟲は 恒温 状 態 に て は 第7(24の6)第8(17の4 23の8 24の8) 第9(17の5 23の9)及 第11日 目(25の18).自 然 氣温 下 で は29∼28℃ で は 第 8(11の5 12の3)及 第9日 日(9の5).27℃ では 第10日目(12の4).18℃ で は 第25日目(22の5)に 於 て 檢出 さ れ る。 第5期 仔 蟲 は 恒 温 状 態 に て は 第10日 日(17の6 23の10)に し て,自 然 氣 温 下 に て は30∼28℃ で は 第10日 目(5の1 11の6)に 於 て 檢 出 さ れ る 。 第6期 仔 蟲は 恒 温 状 態 に て は 第10(23の10)第11(17の7 25の17.18.21. 24)及 第12日目(25の26.27)に 於 て.自 然 氣 温 下 に て は30∼26℃ に 於 て 第9 (9の5)第10(5の1 11の6)第11(11の9)第12(9の7 12の7)第13(12の 12)及 第14日 目(4の3 9の8 12の13)に 於 て 檢出 さ れ る 。 即 ち 自然 氣温 下 に於 て は.概 ね 温 度 の 高い 程 發育 も早 く.速 に 成 熟 仔蟲 期 に 達 す る こ とを 知 る 。但.時 に 低 温 の 場 合 よ り高 温 の 場 合 の 方 が 發 育 の 遲 れ る事 が あ るが.之 れ と て も比 較 的 の問題 に して.且又 此 處 で 示 す氣 温 は最 高 。最 低 の平 均 と て恒 温 状 態 の如 く正 確に 行 か ない 處 に 起 因 す る もの で あ る。 以 上 を 更 に 別 方 面 よ り檢 討 す る時 は次 の 結 果 を得 る。 第1期 仔 蟲 は 本 實 驗 中 の 如 何 な る 氣 温 恒 温 竝 に(31∼22℃)に て も仔 蟲 の 蚊 體 内 侵 入 後 第3日 目 迄 に 於 て の み 檢 出 さ れ る が. 第2期 仔 蟲 に 屬 す る も の ゝ 中 201.19μ の も の は31℃(4の2)に て も25℃(14の4)に て も第3日 目. 146.32μ の も の は 恒 温(23の6)に て も27℃(13の2)に て も第3日 目. 128.03μ の も の は 恒 温(19の1 24の1 25の2).31℃(9の2)及 び28℃(11 の1)に て は 第3日目.24℃(15の2)に て は 第4日目.20℃ に て は 第6日 目. 109.74μ の も の は 恒 温(18の2 24の2 25の3)及 び28℃(11の2)に て は 第4日目.23℃(15の4)に て は 第5日目 に 於 て 檢出 さ れ.氣 温 の 差 に 依 る 發
1074 犬絲状 蟲Dirofilaria immitisの研究…(板垣・ 久 米) 育 の 相 違は稍現 れ. 第3期 仔 蟲 に 屬 す る も の に 於 て は. 164.61μ の も の は恒 温(24の3)に て も28℃(12の1)に て も第5日 目. 201.19μ の も の は恒 温(25の10)及30℃(9の4)に て は 第5日目.22℃ (16の5)に て は第9日 目. 237.77μ の も の は 恒 温(18の3)に て は 第5日目.28℃(11の4)に て は第 7日 目.20℃(22の2)に て は 第14日目. 274.35μ の も の は28℃(12の4)に て は 第6日 日.20℃(22の4)に て は 第 17日目. 365.80μ の も の は恒 温(19の2)に て は第6日目.28℃(12の2)に て は 第 7日 目.21℃(20の8)に て は 第13日 目 .に 於 て 檢 出 され.氣温 の 差 に 依 る發 育 の 相違 は 次第 に 著 明 と 成 り .更 に. 第4期 仔 蟲 に て は. 457.25μ の も の は 恒 温(23の8)に て は第8日目 に 於 て 檢 出 さ れ る に 反 し. 此 れ よ り稍 發 育 の 遲 れ た る420.67μ の も の が18℃(22の5)に て 第25日目 に 於 て 檢 出 さ れ. 823.05μ の も の は28℃(12の3)に て は 第8日目.27℃(12の4)に て は 第 10日目 に 於 て 檢 出 さ れ.氣 温 の 低 下 に 隨 つ て 其 の 發 育 は 遲 れ. 第5期 仔 蟲 は 今 回 の 實 驗 に て は其 の 檢 出 數 少 く28℃.30℃ 及 び 恒 温 の 何 れに て も第10日 目 に 於 て 此 を檢出 し。 第6期 仔 蟲 と 成 れ ば 體 長 は 仔 蟲 に よ り稍 長 短 を 生 じ.823.05-1097.40μ を 呈 す るが 體 幅 は 何 れ も 一 樣 に26.25μ で あ る。 而 し て 此 等 の 仔 蟲 は 恒 温状 態 で は 第10 (23の10)第11(17の7 25の17.18.21.24)第12日 目(25の26.27)に 於 て. 自 然 氣 温 下 で は30∼26℃ で 第9(9の5)第10(5の1 11の6)第11(3の5 11 の9)第12(9の7 12の7)第13(12の12)及 び 第14日目(4の3 9の8 12 の13)に 於 て 檢 出 され る を 知 る 。 以 上 述 べ た 樣 に 何 れ の 發 育 期 に 於 て も 氣 温 の 高 低 に 比 例 し て 發 育 の 遲 速 を 生 ず る ので あ る 。 (E) 發 育 に伴 ふ運 動性 の 變 化
1075 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久米) 第1期 仔蟲 はフ イ ラ リア患 犬 の血中 に游 離 して 居 る 仔蟲 と 同樣 に頗 る 活發 な 運 動 を營 み.自 由に 體全 部 を前 後 左 右に 絶 へ ず 伸 縮 屈 曲 す る。 然 しなが ら殆 ん ど其 の 位置 を變 ず る事 を得 ない 。 此 運 動 も發 育 の 進 む に隨 つ て 次 第 に減 弱 され る。 第2期 仔蟲 は體全 部 に亙 る 活發 な運 動 は 停 止 す る も此 期 の初 め に 於 て は 尚 頭 部 を前 後 左 右 に 絶 へ ず 動 か し又 尖 鋭 な 尾部 を振 り回 す も.此 運 動 も次 第 に 衰 へ る。 第3期 仔 蟲 の前半 に 於 て は.運 動 の 減 退 は極 に達 し,體 長250μ 前 後 の所 謂 ソー セ ーヂ 型 を呈 す る時 は 尖 鋭 な 尾部 を極 めて 稀 に動 か す に過 ぎ ない 。 然 し なが ら本 期 の 後半.體 長300μ を越 へ れ ば 再 び運 動 性 は漸 次恢 復 し.頭 部 を極 め て 寛 恕 に左 右 に動 か す に至 る。 第4期 仔蟲 に 達 し.體 長500μ 位 と成 れ ば運 動 は主 と して 頭 部 を左 右 に 弛 か に 動 か す。 體 長600μ を越 へ れ ば 極 め て自由 な 運 動 を營 み.捲 縮.伸 縮.屈 曲等 を體 の 全 部 に 亙 つ て 認 め る も未 だ其 の 位 置 を變 ず る事 を得 ない 。 第5期 仔蟲 は 前 期 に 引 き續 き其 の 運動 を よ り一層 自由 に 行 ふ。 第6期 仔蟲 は其 成 長 の 完 成 と相 俟 つ て.運 動 の 自 由 活發 な こ とは 犬 血 中の 仔蟲 の 如 く1伸縮.屈 曲.捲 縮.蛇 行,錐 揉.震 動.回 轉.波 行 状 運 動 等 を營 み.恰 も 鰻 の如 く して 其 の 位 置 を變 ず る事 を得 る。 (F) 發 育 に伴 ふ型 態 竝 に構 造 の 變 化 第1期 仔蟲 型 態 は患 犬 の血 中 よ り檢 出 され る處 の 仔蟲 と同 一 で あ る。 體 内 に は 顆 粒 充滿 し.此 の期 に 於 け る後 期(M管 侵 入)の もの は 尾端 よ り63.75μ位の 處 に1箇 の 大 細 胞 を認 め る。 第2期 仔蟲M管 内侵 入 後間 もな く變 態 を開 始 し.體 長 の 漸 減.體 中の 漸增 を 來 す。 型 態 は頭 部 稍 尖鋭 に して.體 の後半 太 く尾部 は再 び 極 めて 尖鋭 と 成 る。 而 して必ず 稍 彎曲 状 態 を呈 す る。 此 期 に於 て は 尾部 の 大 細 胞 は 著明 に して 體 後部 の 外 彎 部 に存 し.此 大 細 胞の 蟲 體 内彎 部 の周圍に 數 箇の 小 細 胞 を認 め る。消 化 管 は 分 化 し體 の 中 央,長 軸 に沿 つ て 體 幅 の 約3/5の 太 さ を 以て 不整 念 珠状に 排 列 す る。 本 期 に於 け る 中頃 の 發 育 を遂 げ た もの(109.74×22.50)の 尾部 大 細 胞 は 直 徑 11.25μ に して.頭 端 よ り91.45μ尾 端 よ り11.25μの 處 に 存 す る。 第3期 仔蟲 前 期 に於 て最 短 期 に達 した 仔蟲 は本 期 に 於 て次 第 に體 長 増 加 し. 體 輻 は前 期 に 引 き續 き更 に增 加 す る。 彎 曲 した 體 は伸 展 し.體 長250μ 位迄 は所 謂
1076 犬絲状 蟲Dirofilaria immitisの研究…(板 垣・久米) ソ ーセ ーヂ 型 を呈 す る 。 但.尾 端 は極 め て 尖 鋭 で あ る。消 化 管 は分 化排 列 し,食 道.食 道 球 部 。食 糜 腸.認 め られ.食 道.食 糜 腸 は 食道 球 部 に依 つ て分 た れ.食 道 球 部 は體 の前 方1/3部 よ り稍 後 方 に位 す る。 而 して 體 の後半 は稍 太 い。 體長 300μ を越 へ れ ば 體 の太 さ は大 體 一樣 と成 る も 頭 端 は 尾 端 に 比 し稍 尖鋭 で あ る 。 最 初 に 認 め られ た 尾 端 の 尖 鋭 は嚢 鞘 に於 て其 の 名殘 を止 め.蟲 體 尾 端 は鈍 圓 と成 る。 前 記 の消 化 管 は益 々判 然 と し食 道 の 壁 は 厚 く.管 腔 は極 めて 細 く して 中央 を 通 り.先 端 は 口 と 成つ て 體 外 に開 き.後 端 は食 道 球 部 を經 て 食 糜 膓 に連 る。 食 糜 腸 の 後 端 は數 簡 の 顆 粒 の 陰 に終 る 。 此 等 の 他 に排 泄 嚢 。神經 輪 を も認 め られ る。 排 泄 嚢 は3650.80×27.5μ の もの(28℃恒 温 状 態6日 經 過)に 於 て は頭 端 よ り86.2 5μの 處 に 認 め られ.神 經 輪 は其 稍 前 方 に 存 す る。 皮 下 筋 層 亦 著 明 で あ る。 第4期 仔蟲 此 期 に 於 け る仔 蟲 の體 長 は前 期 に 引 き續 いて增 加 す る も.體 幅 は 次 第 に減 少 を示 す 。體 の太 さは 一樣 に して 體 長500μ位 に達 す れ ば 内部 構 造 の 分化 進 み.食 道 の前 端 は細 管 た る口 と 成 つ て體 外 に 開 き.食 糜 腸 腔は 廣 くして 黄褐 色 の 内 容 を有 し.之 が 前 後 に移 動 す る を明視 し得 る。 肛 門 は裂 隙 腔 と成 つ て體外 に 開 き.肛 門 附 近 に は數 箇 の大 細 胞 が群 集 す る 。 食糜 腸 の 末端 は 此 の 大細 胞 の 陰 に か くれ る。 角 皮 下 筋 層 は 著 明 に して.此 と消化 管 の 兩 側 との間に 各 體 幅 の 約 1/5宛 の 間 隙 を認 め る。 體 長600μ を越 へ れ ば 食糜 腸 と肛 門 との間 に は直腸 が あつ て 兩 者 を繋 ぐの を認 め得 る 。神 經 輪.排 泄 嚢 及排 泄 管 も認 め られ る.被 嚢 の 尾端 は 尖 鋭 で あ る 。 第5期 仔 蟲 前 期 に 引 き續 き體 長 は更 に 伸長 す る も.體 幅 は前 期 の終 に26.25μ に達 し其 の状 態 を保 持 す る。 體 の 太 さは 一樣 に して 此 の 期 の初 に は 仔蟲 は未 だ 被 嚢 し.食 道.食 道球部,食 糜 腸.直 腸.肛 門 及其 附 近 の大 細 胞,神經 輪.排泄 嚢 排 泄 管 を認 め 得 る も.發 育 の 進 む に隨 つ て次 第 に 不 明 瞭 と成 る。之 れ は角 皮 下 筋 層 の 發達 に 依 る爲 め で あ る。 尾 端 は 圓滑 で は な くして 極 めて 小 さな3箇 の突 出 が あ るが 果 して 此等 が 乳 嘴 突 起 か 否 か は判 然 と しな い。 第6期仔蟲體幅は 前 期 に 於 て既に 一定 し.體 長 も亦 前 期間中に 充 分伸長 して 本 期 に達 す る 。本 期 に 至 れ ば 仔 蟲 の 抵 抗 力 は頓 に增 加 し.第3.第4期 に於 て は 微 壓 に 依 て破 裂 す るが.本 期 に達 せ ば捻 轉 した蟲 體 も小 々の壓 力を 加 へ て も變 化 を 受 け な い迄 に至 る。 體 の 太 さ は一 樣 で あ る。 内 部 構 造 は 極 め て 不 明瞭 と成 り.一
1077 犬 絲状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究 …(板 垣 ・久 米) 見 僅 か に食 道.食 道球 部.食 糜 腸 を區 別 し得 るの みで あ る。 (G) 各 發 育 期 に於 け る檢 出仔 蟲 數 の變 化 1蚊 體 内 に 於 て發 見 され る 仔蟲 數 は.仔 蟲 含有 血 液 吸 引 直 後 の 胃 中 に 於 て は 時 に200隻 内外 を認 め る事 あ る も.第9表 中 に示 す 如 く.各 發 育 期 に分 つ て1蚊 體 よ り檢出 され る 仔蟲 數 を考 察 す る時 は次 の結 果 に到 達 す る。 第1期 仔蟲 に 於 て は 最 高70隻,最 低2隻 、 平 均22隻 の 仔 蟲 を檢 出 し.此 を更 に 細 く觀 察 す る と. 70隻(10の1),60隻(23の2),35隻(23の3,4),30隻(4の1 11の1),27隻(2の 1),22隻(23の5),20隻(25の1 6の1 20の5),12隻(23の1),10隻(16の1), 7隻(2の2 10の2),6隻(1の1),3隻(21の2),2隻(1の2 16の2)と 成 り. 第2期 仔 蟲 に於 て は最 高50隻.最 低3隻.平 均15.9隻 の 仔 蟲 を檢出 し.此 を更 に 細 く觀 察 す る と. 50隻(15の2),30隻(17の1 11の1 15の4),20隻(23の6 25の3 4の2 6の 1 13の2 16の1),15隻(25の2),10隻(24の1 11の2 22の1),5隻(19の1 14の4 16の2),4隻(18の2),3隻(24の2 9の2 20の6)と 成 り. 第3期 仔 蟲 に 於 て は 最 高40隻.最 低1隻.平 均7.4隻 を 檢出 し.更 に 此 を 細 く觀 察 す る と. 40隻(17の2),25隻(20の8),20隻(25の14),10隻(24の3 25の10 12の 3.4),7隻(22の4),6隻(17の3 22の2),5隻(19の4 24の5 26の1 14の8), 3隻(6の3),2隻(12の2 16の5)1隻(18の3 19の2 23の7 3の2 9の4 11の4 12の1)と 成 り. 第4期 仔 蟲 に 於 て は 最 高30隻.最 低1隻.平 均8.6隻 を 檢 出 し.更 に 此 を細 く觀 察 す る と. 30隻(23の9),20隻(24の8),18隻(9の5),15隻(17の5 24の6),10隻(17の 4),6隻(11の5),5(23の8),3隻(3の4),2隻(3の3 12の4),1隻(25の18 12の3 22の5)と 成 り. 第5期 仔 蟲 に 於 て は 最 高20隻.最 低1隻.平 均8.8隻 を檢 出 し.更 に 此 を 細 く 觀 察 す る と.20隻(17の6),11隻(5の1),3隻(23の10)。1隻(11の6)と成 り. 第6期 仔 蟲 に 於 て は 最 高9隻.最 低1隻.平 均4.1隻 を 檢出 し.更 に 此 を 細 く
1078 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの研究…(板 垣 ・久米) 觀 察 す る と. 9隻(25の24 9の5),8隻(25の17),7隻(11の9),6隻(17の7 23の10 25の26),4隻(25の21 11の6),3隻(12の7.13),2隻(25の18 3の5 4の3 9の7),1隻(25の27 5の1 9の8 12の13)と 成 る 。 即 ち 第1期 仔 蟲 よ り第6期 仔 蟲 に 至 る 全 經 過 を 觀 察 す れ ば 共 發 育 の 進 む に 隨 つ て 次 第 に 其 檢 出 仔 蟲 の 減 ず る を知 る。 (H) 吸 血後 に 於 け る經 過 日數 と檢 出仔 蟲數 の 變 化 吸 血 後 經 過 日數 と1蚊 體 内 よ り檢 出 され る仔 蟲 數 の 變 化 を第9表 よ り調 査 す る 時 は 次 の 結 果 を 得 る 。 1日 後 に 於 て は 最 高70隻 。 最 低0隻.平 均24隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を細 く 觀 察 す る と.70隻(10の1),60隻(23の2 11の1).35隻(23の3.4),30隻(4の 1),27隻(2の1),22隻(23の5 3の1),20隻(25の1 ,),12隻(23の1),7隻(2 の2 10の2),6隻(1の2),3隻(21の2),0隻(21の1 10の3)と 成 り. 2日 後 に 於 て は 最 高60隻.最 低0隻.平 均12隻 の 仔 蟲 を檢 出 し.更 に 此 を 細 く觀 察 す る と,60隻(11の1),40隻(6の1),30隻(16の1),22隻(6の2),20隻(4の2 13の2 20の5),15隻(25の2),10隻(24の1),7隻(16の2),5隻(19の1), 3隻(9の2),2隻(1の2),0隻(9の1 13の1 14の1.2.3.20の1.2.3.4) と 成 り 3日 後 に 於 て は 最 高50隻.最 低0隻,平 均13隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を細 く 觀 察 す る と.50隻(15の2),30隻(17の1),20隻(25の3), 10隻(24の3 11の2),6隻(18の2),3隻(24の2),0隻(18の1 9の3 15の1)と 成 り. 4日 後 に 於 て は 最 高30隻.最 低0隻.平 均4隻 の 仔 蟲 を を 檢 出 し.更 に 此 を 細 か く觀 察 す る と.30隻(15の4),10隻(25の10 13の3).1隻(18の3 9の 4 12の1),0隻(25の4.5.6.7.8.9 7の1 15の3 16の3.4)と 成 り. 5日 後 に 於 て は 最 高20隻.最 低0隻 平 均3隻 の 仔 蟲 を檢 出 し 。更 に 此 を 細 か く 觀 察 す る と.20隻(25の14),10隻(13の4 22の1),5隻(24の5 26の1 14の 8),3隻(19の2 6の3),0隻(24の4 25の11 12.13 6の2 7の2.3 11の3 14の5.6.7.)と 成 り. 6日 後 に 於 て は 最 高40隻,最 低0隻.平 均4隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を 細 か
1079 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久 米) く觀 察 す る と.40隻(17の2),15隻(24の6),6隻(17の3),5隻(19の4),2隻 (12の2),1隻(23の7 25の15 3の2 11の4),0隻(18の4 19の3 14の9.10.11 15の5.6.7.8)と 成 り. 7田 後 に 於 て は 最 高20隻.最 低0隻.平 均4隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を細 か く觀 察 す る と.20隻(24の8),10隻(17の4),6隻(11の5),5隻(23の8),3隻 (20の6),2隻(3の3),1隻(12の3),0隻(19の5 24の7 13の5.6)と 成り. 8日 後 に 於 て は 最 高30隻.最 低0隻,平 均11隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を 細 か く觀 察 す る と.30隻(23の9),27隻(9の5),15隻(17の5),3隻(3の4),2隻 (16の5),0隻(24の9.10)と 成 り. 9日 後 に 於 て は 最 高21隻.最 低0隻 .平 均9隻 の 仔 蟲 を檢 出 し.更 に 此 を細 か く觀 察 す る と,21隻(17の6),13隻(23の10),12隻(5の1),5隻(11の6),2隻 (12の4),0隻(20の7)と 成 り. 10日 後 に 於 て は 最 高9隻 。最 低0隻.平 均3隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を 細 か く 観 察 す る と.9隻(25の24),8隻(25の17),7隻(11の9),6隻(17の7 25の16),4隻(25の21),3隻(25の18 3の5),0隻(25の19.20.22.23 9の6 11の7.8)と 成 り. 11日 後 に 於 て は 最 高6隻.最 低0隻.平 均1隻 の 仔 蟲 を檢 出 し.更 に 此 を 細 か く觀 察 す る と.6隻(25の26),3隻(12の7),2隻(9の7),1隻(25の27),0 隻(17の8 25の25 11の10.11. 12の5.6.7.8.9.10 15の9)と 成 り. 12日 後 に 於 て は 最 高25隻.最 低0隻.平 均7隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を 細 か く觀 察 す る と,25隻(20の8),3隻(12の12),0隻(25の28 12の11)と 成 り. 13日 後 に 於 て け 最 高6隻.最 低0隻.平 均2隻 の 仔 蟲 を檢出 し.更 に 此 を 細 か く觀 察 す る と.6隻(22の2).2隻(4の3),1隻(9の8 12の13),0隻(17の9 22の3)と 成 り. 15日 後 に 於 て は1隻 の 仔 蟲 を檢出 した 蚊 體 は1(9の9).0隻 の もの3(6の4 12 の14 12の15)と 成 り. 16日 後 に 於 て は7隻 の 仔 蟲 を 檢 出 した 蚊 體1(22の4)を 得.25日 後 に 於 て は1隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し た 蚊 體1(22の5)を 得 た の で あ る 。 即 ち.大 體 に 於 て は 日數 の 經 過 に伴 つ て 檢 出 され る 仔 蟲 數 は 漸 減 す る が.時 に
1080 犬絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久米) 變 動 を見 るの は剖 檢 蚊 數 の 少 い場 合 や經 過 日數 と仔 蟲 の 發 育 期 とが 常 に必 ず し も一 致 しな い事 等 に 起 因 す るの で あ る。 (2)ヒ トス ジ シマ カAedes albopictus體 内に 於 け る發 育 Aedes albopictusは 和 名 ヒ トスヂ シ マ カ と稱 し.其 の 概 略 を記 せ ば 次 の 如 くで あ る。 黒 色 に銀 白彩 の あ る小 型 種 で.頭頂 ま暗褐 と銀 白の扁平鱗 を裝 ひ.後 者 は 正 中 縦 線.各 側 に2縦 線 を な し.眼 縁 に銀 白狹 曲鱗 の1線 が あ る。 吻 は黑 色 に して雌 の觸 鬚 は 短 くして 末 端 に 白斑 を裝 ひ .雄 の觸 鬚 は 吻 よ り稍 長 く4個 の 白斑 を有 す る胸 脊 は靑 銅 褐 乃 至黑 色 と 銀 白 色 との 挾 曲 鱗 を裝 ひ 。後者 は前 方2/3に 亙 る正 中 縦 線.後 方 に 琴 柱 形 の小 斑.其 の 各 側 に 小縦 線.翅 根 の上 部 に小 縦 線 をな し.翅 根 の 前 方 に 銀 白 扁 平 鱗 の小 斑 が あ る 。 腹 脊 は黑 く.銀 白鱗 は各 節 に狹 い基 部横 帯 及 び各 側 に2個 の 側 斑 を形 成 す る。 肢 は黑 色 に して 銀 白鱗 は各 腿 節 に膝 斑.前 及 中足付節 の 第1,第2節 及 び 後足付節 の基 部4節 に基 部 帯紋 をな し.後足付節 の 末 節 は 白 色 で あ る 。雌 の體 長 は4.6粍.翅 長 は3.2粍 で あ る。 東 洋 區 に分 布 し.本 邦 に て は 臺 灣.九 州.四 國.本 州 に普 通 で あ る 。Stcgomyia scutellarisと 呼 ば れ た 事が あ り.又 シ ロ スヂ ヤ ブ カの異和 名 が あ る 。 晝 間 吸 血性 で あ つ て.バ ン ク ロ フ ト仔 蟲 は此 種 に て は 初 期 の發 育 を な す に過 ぎ ない 。(山 田氏) 本 種 の 體 内 に 於 け る犬 絲 状 蟲 仔 蟲 の 發 育 所 見 として.發 育 に伴 ふ 形 態.内 部 構 造.運 動 性.檢 出場 所 の 變 化 は トウ ゴ ウヤ ブ カに於 け る夫 れ と同 じで あ るか ら省 略 す る事 と した。 (A) 剖 檢 所 見 1937年7月15日 よ り10月28日 に 至 る間 に24回 の 實 驗 を行 つ た 。 中18回 は 自然 の 氣 温 の下 に 實 驗 室 内 に て仔 蟲 を吸 引 した 蚊 を飼 育 し.残り は孵 卵器 内 に て28℃ の 恒 温状 態 に て飼 育 した 。 此 の結 果 は第10表 の 如 くで あ る。 表 中.實 驗 回 數 の 欄 に.普通 數字 の あ るの は自 然 氣温 下の 實 驗 を示 し.ゴ ヂ ツ ク數 宇 の あ る の は恒 温 状 態 の 實驗 を意 味 す る。 (B) 發 育 に伴 ふ 大 さ の 變 化
1081 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久 米) 第10表 よ り觀 察 す る と第1期 仔 蟲 は310.93-274.35×7.50μ で あ るが.此 を更 に細 別 して 見 る と次 の 結 果 を得 る。 第2期 仔 蟲 は311.00∼91.45×11.25∼37.5μ で あ る が.此 を 更 に 細 別 し て 見 る と 次 の結 果 を得 る。 第3期 仔 蟲 は 128.03∼310.93×22.5040∼.25で あ る が.此 を 更 に 細 別 し て 見 る と 次 の 結 果 を得 る 。
1082 犬絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研究…(板 垣 ・久 米) 第4期 仔 蟲 は493.83∼585.28×37.50∼48.75μ で あ る が.此 を 更 に 細 別 し て 見 る と次 の 結 果 を 得 る 。 而 して 第4期 以 上 に 進 んだ もの は遂 に1隻 も發 見 さ れ なか つ た。 (C) 發 育 に 要 す る 日 數 と 氣 温 と の 關 係 恒 温 状 熊 に 於 け る 實 驗 は 別 と し て.自 然 氣 温 下 の 實 驗 に て は 仔 蟲 が 蚊 體 内 侵 入 よ り檢 出 迄 の日 々 の 最 高.最 低 の平 均 温 度 を更 に 平 均 し た 氣温 を以 て 各 比 較 す る こ と は,Aedes togoiの 場 合 と 同 樣 で あ る。 第10表 に 示 す 如 く仔 蟲 の 蚊 體 侵 入 後.第1期 仔 蟲 の 發 見 さ れ る の は 恒 温 状 態 に て は 總 て 第1及2日 目(22の1.2.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.)に し て.自 然 の 氣 温 に 於 て は31∼29℃ に て は 第1.第2(2の1 5の1 7の1.2. 3.4.5.6.7.8.9.10.11.12,13.14.16.17.18.19.20.21.22.23. 24.25.26.27.28.30 8の1.2.5.6.7.8.9.10.12.13.14.15.12 の1),及 び 第3日 目(4の1)で あ る。 第2期 仔 蟲 は 恒 温 状 態 で は 第4(19の1),第10(23の3),第11日 日(21の4), 自 然 氣 温31℃ で は 第2日 目(7の29.31)30∼22℃ で は 第2(8の1.2.5.), 第3(7の37 8の21),第4(19の1),第5(10の18 17の2 18の2),第6 (18の3.4)第7(16の4),第8(8の34),第9(17の9),第10日目(4の2) に 於 て 檢 出 さ れ る。 第3期 仔 蟲 は 恒 温 状 態 に て は 第5(21の3),第6(20の3),第7(20の10), 第9(19の3),第11(21の6),第14日目(22の16).自 然 氣 湿31∼23℃ に て第6(3の2),第7(8の31 16の4),第11日 目(8の48)に 於 て 檢出 さ れ る。
1083 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久 米) 第4期 仔蟲 は恒 温状 態 に て は第9(19の3),第11日目(21の5).自 然 氣温 22℃ で は第11日目(16の6)に 於 て檢 出 され る。 以 上 を更 に別 方面 よ り檢 討 す る時は 次 の結 果 を得 る。 本 實 驗 に 於 け る 第1期 仔 蟲 の 大 さ は310.93∼274.35×7.50μ に し て 恒温 状 態 並 に31∼29℃ の自 然 氣温 下 に於 て は 蚊 體 内 侵 入 後 第3日 目迄 に 於 て 檢 出 され る が. 23℃ に 於 て 第4(19の1)及 第6日目(18の4)に 檢出 さ れ. 第2期 仔 蟲 に 屬 す る もの ゝ中. 164.61μ の も の は29℃(8の34)で 第8.23℃(19の1)で 第4日 目146 .32μ の も の は29℃ で 第3(8の21),又 は 第5(10の18),23℃ で 第5(18の2), 22℃ で 第9日 目(17の9). 128.03μ の も の は 恒 温(23の3)及 び27℃(4の2)で第10日目.22℃(17の2) で 第5日 目. 109.74μ の も のは 恒温 で は 第4(19の1),30℃ で は 第3日目(7の37), 91.45μ の も の は 恒 温 に て 第11(21の4),23℃ に て 第6(23の4),第7日目 (16の4)に 於 て 檢 出 さ れ. 第3期 仔 蟲 に 屬 す る もの ゝ中. 128.03μ の も の は 恒 温 に て 第5(21の3),第6(20の3),第9日 目(19の3), 182.90μ の も の は 恒 温(20の10)及29℃(8の31)で は第7.31℃ で は 第6 (3の2),30℃ で は 第11日目(8の48)に 於 て 檢出 さ れ. 第4期 仔 蟲 に 屬 す る も の は 530.41μ(19の3)の も の は 恒 温 に て 第9日目. 585.28μ(21の5)の も の は 恒 温 に て第11日 目. 493.83μ(16の6)の も の は22℃ に て 第11日 目 に 於 て. 夫 々 檢 出 され た 。 以 上 記 載 し た 處 に 依 り明 な 如 く ヒ ト ス ヂ シ マ カ 體 内 の 發 育 は ト ウ ゴ ウ ヤ ブ カ の 夫 れ の 如 く規 則 的 な 發 育 を 示 さ ず し て 區 々 に して 高 温 の 場 合 で も む し ろ 低 温 の 場 合 より 發 育 遲 延 す る こ と が あ る 。 即 ち 此 事 實 は ヒ トス ヂ シ マ カ が トウ ゴ ウ ヤ ブ カ よ り も フ イ ラ リア 仔 蟲 の 發 育 に 不 適 當 な こ と を 示 す も の で あ る 。 (D) 各 發 育 期 に 於 け る檢 出 仔 蟲 數 の 變 化
1084 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究 …(板 垣 ・久米) 1蚊 體 よ り檢 出 され る 仔蟲 數 を各 發 育 期 に 分 つ て 第10表 中 よ り觀 察 す る時 は次 の 結 果 に到 達 す る 。 第1期 仔 蟲 に於 て は最 高400隻.最 低10隻.平 均63隻 の 仔 蟲 を檢 出 し.此 を更 に 細 く觀 察 す る と. 400隻(7の3.24),250隻(12の1),170隻(8の14),150隻(7の1.23),110隻 (7の30),100隻(8の10),90隻(7の9.17 8の13),80隻(7の4.16),70隻 (7の5,28 8の8),60隻(22の4.9 7の8.20 8の5),52隻(22の1),51隻 (22の2),50隻(7の13.14),45隻(22の8 7の26),40隻(7の22 8の12), 35隻(7の21 8の15),30隻(5の1 8の2.9),25隻(22の5.10.12 7の6.7), 24隻(2の1),20隻(22の11 7の10.25 8の1),15隻(22の7.13 7の12. 31 8の7),12隻(7の18.19),11隻(22の6),10隻(7の2.11.27 8の6 19 の1)と 成 り. 第2期仔 蟲 は 最 高70隻.最 低2隻.平 均23隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.此 を 更 に 細 く觀 察 す る と. 70隻(23の1),50隻(7の29 8の1.2),30隻(10の8 18の2),20隻(7の37 8の5 19の1),15隻(19の1 8の21 18の3),14隻(17の9),10隻(14の2 17の2),8隻(21の4),5隻(16の4),2隻(7の31 8の34)と 成 り. 第3期 仔 蟲 に 於 て は 最 高30隻.最 低1隻.平 均12隻 の 仔 蟲 を檢出 し.更 に 此 を 細 く觀 察 す る と. 30隻(20の3),20隻(3の2),15隻(21の3),12隻(8の31),11隻(8の48), 10隻(19の3 20の3),2隻(20の16),1隻(21の6)と 成 り. 第4期 仔 蟲 に 於 て は 最 高25隻.最 低2隻.平 均16隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を 細 く觀 察 す る と. 25隻(19の3),20隻(16の6),2隻(21の5)と 成 り 。 本 期 以 上 に 發 育 の 進 ん だ 仔 蟲 は 遂 に1隻 も發 見 され る に 至 ら な か つ た。 ヒ ト ス ヂ シ マ カ.ト ウ ゴ ウ ヤ ブ カ の 兩 蚊 體 内 に 於 け る 各 種 の 發 育 期 の 檢出 仔蟲 數 を.其 の 最 高.最 低.平 均 に 就 て 表 示 す れ ば 第11表 を 得 る 。 即 ち.ヒ ト ス ヂ シ マ カ 體 内 に 於 け る 檢 出 仔 蟲 數 は 發 育 期 の 進 む に 隨 つ て.トウ ゴ ウ ヤ ブ カ よ り急 劇 に 減 じ.第5期 仔 蟲 以 上 に 發 育 す る も の は 遂 に 發 見 さ れ る に
1085 犬絲状蟲Dirofilaria immitisの研究…(板 垣・久米) 至 らず し て.前 者 は 後 者 よ り 仔 蟲 の 發 育 に は 不 適 當 な こ と を 示 す。 (E) 吸血 後 仁 於 け る 經 過 日數 と 檢 出 仔 蟲 數 の 變 化 吸 血後 經 過 日數 と1蚊 體 内 よ り檢 出 さ れ る 仔蟲 數 の 變 化 を 第10表 よ り調 査 す る 時 は 次 の 結 果 を 得 る 。 1日 後 に 於 て は 最 高400隻.最 低0隻.平 均60隻 の 仔 蟲 を檢 出 し,更 に 此 を 細 く觀 察 す る と400隻(7の3.24),250隻(12の1),170隻(8の14),150隻(7の1. 23),120隻(7の9),110隻(7の30),100隻(8の10),90隻(7の17 8の13), 80隻(7の4.16 8の2.5),70隻(7の5 7の28 8の1 8の8),60隻(22の4. 9 7の8.20),54隻(2の1),52隻(22の1),51隻(22の2),50隻(7の13. 14.29),45隻(22の8 7の26),40隻(7の22 8の12),35隻(7の21 8の 15),30隻(5の1 8の3.9),25隻(22の5.10.12 7の6.7),20隻(22の11 7の10.25),17隻(7の31),15隻(22の7.13 7の12 8の7),12隻(7の18. 19),11隻(22の6 7の2),10隻(7の11.27 8の6),9隻(1の1),0隻 (22の3 7の15 8の4.11)と 成 り. 2日 後 に 於 て は 最 高70隻.最 低0隻.平 均5隻 の 仔 蟲 を 檢出 し.更 に 此 を 細 く 觀 察 す る と70隻(3の1),30隻(4の1),20隻(7の37),15隻(8の21),0隻(7 の32.33.34.35.36.38.39 8の16.17.18.19.20 11の1.2.3.4. 5.6.7 15の1.2.3)と 成 り. 3日 後 に 於 て は 最 高30隻.最 低0隻.平 均8隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を 細 く 觀 察 す る と30隻(19の1),15隻(19の1),0隻(8の22)と 成 り. 4日 後 に 於 て は 最 高30隻.最 低0隻.平 均3隻 の 仔 蟲 を檢出 し.更 に 此 を 細 く 觀 察 す る と30隻(10の18 18の2),15隻(21の3),0隻(21の1.2 10の1.2. 3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17 17の1.2 18の 1) と成 り. 5日 後 に 於 て は 最 高30隻.最 低0隻.平 均3隻 の 仔 蟲 を 檢出 し.更 に 此 を細 く 觀 察 す る と30隻(20の3),20隻(3の2 18の4),15隻(18の3),0隻(20の1. 2.4 9の1.2.3.4.5.6.7 10の19.20.21.22.23.24.25.26.27. 28 12の2 16の1.2.3) と 成 り. 6日 後 に 於 て は 最 高35隻.最 低0隻.平 均4隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を 細 く
1086 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研究…(板 垣 ・久 米) 觀 察 す る と35隻(16の4),12隻(8の31),10隻(20の10),0隻(20の5.6. 7.8.9 8の23.24,25.26.27.28.29.30 9の8 12の3.)と 成 り. 7日 後 に 於 て は 最 高2隻.最 低0隻.平 均0.2隻 の 仔 蟲 を檢 出 し.更 に 此 を 細 く觀 察 す る と2隻(8の34),0隻(19の2 24の1 8の32.33 15の4.5.6 18の5)と 成 り. 8日 後 に 於 て は 最 高35隻.最 低0隻.平 均3隻 の仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を 細 く 觀 察 す る と35隻(19の3),14隻(17の9),5隻(8の42),0隻(8の35,36. 37.38.39.40.41 17の3.5.6.7.8.)と 成 り. 9日 後 に 於 て は 最 高10隻.最 低0隻.平 均2隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更1こ 此 を細 く 觀 察 す る と10隻(14の2),5隻(23の3),3隻(8の43),0隻(19の4.5. 6 23の1.2 14の1)と 成 り. 10日 後 に 於 て は 最 高20隻.最 低0隻.平 均3隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.更 に 此 を細 く 觀 察 す る と20隻(16の6),11隻(8の48),8隻(21の4),2隻(21の5.6),0隻 (21の7.8.9.10 8の44.45.46.47 16の5)と 成 り. 11日 後 に 於 ては剖 檢 例 の 脾全 部(13の1.2.3.4.5.6.7.8.9 16の7)が 檢 出 仔 蟲 數0隻 に し て. 12日 後 に 於 け る 剖 檢 例 は1例(24の2)に 過 ぎ ず.且 つ 此 の 蚊 體 内 よ りは 仔 蟲 の 檢 出 を 見 ず. 13日 後 に 於 て は 剖 檢 例 の1例(22の16)に 於 て の み1隻 の 仔 蟲 を 檢 出 し.他 の 全 例(19の7.8 22の14.15 14の3.4)は 檢 出 仔 蟲 陰 性 に し て 平 均 仔 蟲 數 は 0.1と 成 り. 14日 後 に 於 て は 剖 檢 例 の 全 部(12の4.5 14の5.6.7)が 檢 出 仔 蟲 數 は0隻 と 成 つ た 。 ヒ ト スヂ シ マ カ,ト ウ ゴ ウ ヤ ブ カ の 兩 蚊 體 内 に 於 け る 吸 血後 經 過 各 日 數 の 檢 出 仔 蟲 數 を.其 の 最 高.及 び 平 均 に 就 て 表 示 す れ ば 第12表 を得 る 。 既 ち.ヒ ト ス ジ シ マ カ に 於 て は 檢 出 仔 蟲 數 は 日數 の 經 過 に 伴 つ て トウ ゴ ウ ヤ ブ カよ り速 に 減 じ.前 者 は 後 者 よ り仔 蟲 の 發 育 に は 不 適 當 な こ と を 示 す。 (F) オ ホ ク ロ ヤ ブ カArmigeres obturbansに 於 け る發 育 Armigeres obturbansは 和 名 オ ホ ク ロ ヤ ブ カ と稱 し.其 の 概 略 を記 す れ ば.黑 色
1087 犬絲状 蟲Dirofilaria immitisの研究…(板 垣 ・久 米) の 大 型種 で.頭 頂 は 主 と し て扁平 鱗 を装 ひ 。其 黄 白色 な る は 中央 に1斑.眼 縁 に 1線.側 方 に1斑 を なす 。 吻 は黑 色 で あ る。 雌 の觸 髪 は短 く黒 色 で,雄 の 夫 れ は 吻 よ り長 く黑色 に して 僅數 の 剛 毛 が あ る。觸 角 基 節 の上 面 に は 白 色 鱗 を装 ふ 。 胸 脊 は暗靑 銅 褐 色 の狹 曲鱗 を装 ひ.前 周縁 に は同 形 上 の 黄 白鱗 片 が あ つ て線 紋 を形 成 す る。 雄 に は正 中縦 線 に1條.後半 部 各 側 に1條 の 黄 白線 紋 を有 す る こ とが あ る。 腹 脊 は黑 色.側 方 に は 三角 形 銀 白 の 大 斑.腹 面 各 節基 部 に は廣巾 の 白 色横 帯 を有 す る。 翅 脈 の 側 鱗 は短 い披 針状 で あ る 。 肢 の 腿 節 脊 面 は黑 色 に して黄 白 色 の 膝 斑 を有 し.脛 節足付節 は黑 色で あ る。 雌 體 長 は7.5mm.翅 長 は5mmで あ る。 東 洋區 に分 布 し.臺灣.九 州.四 國.本 州 に は普 通 で あ る 。晝間 吸血 性 に し て バ ン ク ロ フ ト仔蟲 は 此種 に 於 て 初 期 の發 育 をな す に 過 ぎない 。(山 田氏) ク ロ カ.ヤ ブ カ.ク ロヤ ブ カ の異 和 名 が あ る。 (A) 剖 檢 所 見 本 實 驗 に於 て は總 て.28℃ 恒 温 状 態 に て蚊 を飼 育 した 。 剖 檢 の結 果 は第13表 に示 す如 くで あ る 。 既 ち.本 種 の體 内 に て は 仔 蟲 は 全 く其 發 育 を遂 げ る こ とが で きぬ 。 蚊 體 内 侵 入 後 一 部 の 仔蟲 は 胃 に 於 て.大 部 分 はM管 侵 入 後間 もな く全 部 此 處 に て 死滅 し.何 等 の變 態.發 育 を も示 さず.本 種 は 犬 絲 状 蟲 の 中間 宿主 と して不 適 當 で あ る こ とを 知 る 。 (4) 其 の 他 の 蚊 體 内 に於 け る發 育 前 記3種 の蚊 は 實 驗 室 内 にて孑孑 よ り羽化.吸 血.剖 檢 した ので あ る が.以 下 の種 類 の蚊 は何 れ も 自然 の状 態.帥 ち.フ イ ラ リア患 犬飼 育 犬舎 内 に て 吸 血 した もの に 就 て の み 檢 査 した 。
A.ア カ イ ヘ カCules pipiens
仔蟲 の發 育 には 極 め て不 適 當 に して.多 くの 仔蟲 は 胃 に て 死 滅 し.少 數 の もの
がM管 に侵 入 す るが.何 等 の 變 態 を營 まず して 全 部 此 處 に て死 滅 す る。實 驗 の結
果 を表 示 すれ ば 第14表 を得 る 。
B.シ ロカ タ ヤ ブカ,Aedes albolateralis C.ミ ス ヂハ ボ シ カTheoboldia kanayamaensis? D.カ ラツ イ ヘ カCulex bitaeniorhynchus karatsuensis?
1088 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研 究…(板 垣 ・久米) 第IV章,第1項 に關 す る考 察 及結 論 絲 状 蟲が 人 類 に 知 られ た の は既 に 西 歴 紀 元 前1500年 の 太 古 で.両 來.現 在に至 る迄 其 研 究業績 は 少 くな い が.本 蟲 に 關 す る種 々 な る點 は今 尚未 解 決 の 中に あ り. 發 育 史 の如 き も其 の1例 で あ る 。 絲 状 蟲 が 發 育 に當 つ て.中 間 宿 主 を必 要 とす る もの で あ る事 は悉 知 され る所 で
あ るが.其 の 中間 宿 主 の判 明 した も の も僅 にWuchereria bancrofti,Loa loa,
Dirofilaria repens及Dirofilaria immitis等 に過 ぎ な い 。
バ ン ク ロ フ ト絲 状 蟲 及 イ ン ミチ ス絲 状 蟲 に 於 て は蚊 が 中間 宿 主 と 成 り.仔 蟲 は その 體 内 に於 て變 態 發 育 す る もの で あ るが.蚊 の 種 類 に依つて 仔 蟲 の 發 育 に全 く 適 し な い もの.或 る程 度 迄 の發 育 に適 し.完 全 な發 育 を 爲 し得 ない もの.發 育 に 適 する もの 等 あつ て.此 に 關 す る研 究 は バ ン ク ロ フ ト絲状 蟲 に就 て は.Theobald, Daniels, Alcock,山 田 信 一郞 氏 の 詳 細 な研 究 を始 め .谷 口.志 賀.高 月の 諸 氏 等 の 業 績 を見 る も.イ ン ミチ ス絲 状 蟲 に 就 て は 報 告 比 較 的少 く.Feng(1929)は 北
京 に於 てAedes koreicus,Anopheles hyrcanus,Anopheles myzomyia pattoni,Culex
pipiensに 就 て試 驗 し.前2種 の 體 内 に 於 て の み 發 育 を完 了 す る事 を報 じ.井 上
氏(1935)は 東 京 に 於 てAedes togoiが 中間 宿主 と して 最好 適 な る事 を發 表 して
居 る。
余 等 はAedes togoi,Aedes albopictus,Armigeres obturbans,Culex pipens,其
の 他兩3種 の蚊 に 於 け る實 驗 の結 果Aedes togoiに 於 て の み 多數 の 仔蟲 が 發育 完
了 す る を見.Aedes albopictusに て は第5期 以 上 に に 其 の 發 育 の 進 展 を見 ず.Culex. pipiens Armigeres obturbansに 於 て は 仔 蟲 は何 等 の變 態 發 育 を 營 まず して 胃若 し
くはM管 内 に 於 て 死 滅 す る を實 驗 した 。 此 成 績 をバ ン クロ フ ト仔 蟲 に 於 け る 山田 氏 の精 細 な研 究 と比 較 する 時 は次 の結 果 を得 る 。 帥 ち.Aedes togoiは バ ンク ロ フ ト仔 蟲 の 發 育 に最 も好 適 な種類 に して.イ ン ミチ ス仔蟲 に於 け る と同 樣 で あ るが.Aedes albopictusで は バ ンク ロフ ト仔蟲 は 發 育 を完 了 す る こ とを得 ず して 體 長 減 少.體 幅增 大 の 發 育 期 に 至 つ て停 止 する が. イ ン ミチ ス 仔 蟲 は 更 に發 育 を續 け第4期 に至 つ て 停 止 す る。Armigeres obturbans 體 内 にて は バ ン ク ロフ ト仔蟲 は之 れ 亦 發 育 を完 了 す る事 は出 來 ない が.それ で も
1089 犬 絲 状 蟲Dirofilaria immitisの 研究…(板 垣 ・久米) 體 長.體 幅增 大 の發 育 期 に達 す るが.イ ン ミチス 仔蟲 は全 く發 育 を 營 まず して第 1期 の状 態 にて 死滅 す る。 然 る にCulex pipiensにては バ ン ク ロ フ ト仔 蟲 は 多數 發 育 を完 了.中間 宿 主 と して最 も好適 な もの ゝ一 つ で あ るが.イ ン ミチス 仔蟲 は何 等 の 發 育.變 態 を示 さず して 吸 吮 當 時 の 形 態 の ま ゝに て 胃若 し くはM管 中 に て死 滅 し.バ ン ク ロ フト 仔 蟲 と正反 對 の結 果 と 成 る。 ミ クロ フイ ラ リア が 其 發 育 に適 當 な種 類 の 蚊 體 に侵 入 した場 合 は變 熊.發 育 を 營 み つ ゝ體 内 を移 行 して 發 育 の 完 了 と共 に遂 に 吻 鞘 に 達 し.終 宿主 へ の 感 染 の 機 會 を待 つ 事 は 既 に知 られ た る處 で あ る 。 發 育 期 の區 分 に就 て はMansonはバ ン ク ロ フ ト絲 状 蟲 に 就 て6期.谷 口氏 は 4期.山 田氏は4期 に.イ ン ミチ ス絲状 蟲 に就 て は 井上 氏 は4期 に 區 分 したが. 余 等 は便 宜上 之 を6期 に 分 つ て 觀 察 した。 既 ち.イ ン ミチ ス仔蟲 の トウゴ ウ ヤ ブ カ體 内 に於 け る發育 を總括的 に記 述 す れ ば 次 の 如 くで あ る。 第1期 は 仔蟲 期 に して.本 期 の 仔蟲 は 胃 及M管 に檢 出 され.大 さ301.00∼219.45 ×7.5μ.本 期 の 初 期 に於 て は犬 血 中 の 仔蟲 と何 等 異る 所 が ない が.後 期 の もの (M管 侵 入)は 尾部 に1ヶ の 大細胞 を認める 。 第2期 は 體 長 漸 減.體 幅漸增 期 に して.本 期 仔 蟲 はM管 に於 て の み 檢 出 され. 大 さ292.64∼91.45×11.25∼26.25μ,頭 部 は稍 尖鋭.體 の 後半 太 く尾部 は極 めて 尖 鋭 で必 ず稍 彎曲状 態 を呈 す る。 尾 部 に 大 細 胞1ヶ 及 其の 周 圍 に數ヶ の 小細 胞 を 認 む る。 消 化 管 は 分 化 し.體 の 中央.長 軸 に 不 整 捻 珠状 に排 列 す る。 第3期 は 體 長.體 幅 漸增 期 に して,本 期 仔 蟲 もM管 に於 て の み檢 出 され.大 さ 146.32∼384.00×22.50∼49,76μ.本 期 の 初 期 に 於 て は所 謂 ソー セ ー ジ型 を呈 し.食 道.食 道 球 部.食 糜 腸 が 認 め られ る 。後 期 に 至 る と體 の 太 さは 大 體 一 樣 と 成 り.前 記 の 消 化器 の外 に神 經 輪.排 泄 嚢 を認 め る 。 而 して 食 糜 腸の 後 端 は 數ヶ の 顆 粒 の 陰 に終 り.皮 下 筋層 亦著 明 で あ る 。 第4期は 體 長 漸增.體 幅漸 減 期 に して.本 期仔 蟲 はM管.腹 腔 に於 て 檢 出 され 大 さ420.67∼823.05×41.00∼26.25μ,前 記に 於 て 見 られ た 諸 器 官 の 外 に.直 腸,肛 門,排 泄 管 が 認 め られ る。 第5期 は體 長 漸增.體 幅增 減 停 止 期 に して.本 期 仔 蟲 はM管.腹 腔 に於 て 檢 出
1090 犬絲 状蟲Dirofilaria immitisの研究…(板 垣 ・久米) され.大 さ548.70∼823.05×26 .25μ.本 期 初 期 に於 ては前 期に見 られ た諸器 官 は 尚 認 め られ る が.角 皮 下筋層の發達 に依り 次 第 に不 明瞭と成 る。 尾 端 に3ヶ小 棘 状 突 起 を認 め る。 第6期 は成熟 仔蟲 期 に して.胸 部.頭 部.吻鞘に於 て檢 出 され.大 さ731.60∼ 1097.40×26.25μ.内 部構 造 極 めて 不 明 瞭 と 成 り.一 見 僅 に食道.食 道 球 部.食糜 腸 を區 別 し得 る の みで あ る。 第3.4期 に 於 て は僅 な壓 力 で も變 化 を受 けた 蟲 體 も 本 期 に至 れ ば 抵 抗 力頓 に增加 す る。 蚊 體 内 侵 入 後 の仔 蟲 の運 動 は發 育 期 の進 む に 隨 つ て 衰 へ.第3期 に 於 て共 の 極 に達 し.此 の 期 を過 ぎ る と再 び運 動 は活發 と成 る。 仔 蟲 が蚊 體 内 に 於 て 發 育 完 結 し.終 宿 主 體 に移 行 す る機 を俟 つ に 至 る迄 の 期間 は.氣 温 の高 低 に よつ て 長 短 の差 が あ り.又 同 一 時 期 に て も個 體 に依 つ て 遲 速 の 差 が あ る 。 バ ン ク ロ フ ト仔 蟲 に 於 け る實 驗 に依 れ ばBancroft(1899∼1900年 ア ウ ス トラ リ ア に 於 て)は16∼17日.Loas(埃 及 に於 て)は41日.Lebredo(ハ バ ナ に於 て)は 25.5℃ な らば15日.21.8℃ な らば19∼23日 。Lou(西 印度 に て)は11日半. Jeumus(英 領 印度 に て)は12∼14日.谷 口氏(夏 期 に 於 て)は14日.吉 村 氏 (京 都.夏 期 盛 暑 の候 に於 て)は20日.山 田氏(24∼27℃)は14日 にて 發 育 完 了 す る と 唱 へ.レ ペ ン ス 仔蟲 に て はRulleborn(1908年26℃ に て)は13日 に し て蚊 の 吻鞘 に 移 行 す る を目撃 した と云 ひ.イ ン ミチ ス仔 蟲 に 於 てはFeng(25∼ 28℃ に て)は10∼15日.井 上 氏(夏 季.東 京 に て)は9∼14日 で 完 了 す る と 云 ふ。 余 等 はAedes togoi體 内 に 於 て28℃ の恒 温 保 持 か.或 は 自然 の 氣 温 にて は 全 經 過 の平 均 氣温28℃ 以 上 の 場 合 に 於 て の み.イ ン ミチ ス 仔 蟲 は9日 經過 後 成 熟 仔 蟲 期 に 達 し.此 れ よ り氣 温 の 低 下 に 伴 つ て 發 育 の遲 延 を來 す こ と を實 驗 した。 Aedes togoiに 於 け る檢 出 仔蟲 數 は其 の 發育 並 に經 過 日數 に伴 つ て減 じ.蚊體 侵 入 直 後.胃 中 に於 て は時 に數 十 隻 を發 見 す る も.發 育 完 了 して吻 鞘 に達 す る もの は數 隻 に 過 ぎ ない 。 然 し なが ら此 を他 種 の蚊 に比 較 す る時 はAedes togoiは 本 仔 蟲 の發 育 に好 適 な もの で あ る事 を知 る。 Aedes albopictusに於 て は 仔 蟲 は其 發 育 を完 了 す る事 を得 ない 。 即 ち最 も高 度 の 發 育 を示 した もの で第4期 に止 り.仔 蟲 の蚊 體 内 移 行 もM管 侵 入 以後 は何 等 の