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Academic year: 2021

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日本文学研究会

平成二十八年二月十七日

世阿弥の定家受容

教授 齋藤 彰 世阿弥の定家受容について、世阿弥の和歌観を確認し、定家詠と定家偽書の受 容の観点から分析した。先ず、立合能に勝つ為の自作能の必要性と言葉の幽玄の 為の世阿弥の和歌観を認めた。次に、最上位の妙花風即ち離見の見の比喩として、 閑寂であるが優美さがある 「雪の夕暮れ」 を受容し、 晩 年の世阿弥能のクセ (一 曲の中心) や上歌 (叙情や心情) に定家詠を受容していることを認めた。また、 世 阿弥晩年の能における後ジテの舞の 白光清浄な柔和な余情ある幽玄美 を形容 する 雪を廻らす の論理として世阿弥偽書 (真作とされていた) の『三五記』の 受容を認めた。また、 離 見の見に現れる幽玄體の皮を理想として、 皮肉骨 の 論理の世阿弥偽書の『愚秘抄』の受容を認めた。

初期村上春樹と物語

教授 太田 鈴子 村上春樹は長編小説三作目である「羊をめぐる冒険」執筆に際し、小説の方法 を、自己告白ではなく物語を構築することとし、以降、その方法で短編、長編と も創作をしてきた。物語創作を選択したことは、物語を媒介として世界に読者を 広げていくことにもなった。近代小説に物語の方法を導入することについては、 一九七〇年代より積極的に行う作家が登場しており、賛否論じられている。これ らの物語批判論、賛成論を紹介し、村上春樹の物語の特色を、日本的なるものと 合わせて明らかにしようとした。 ― 82―

参照

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