ト13
参 考 図 書 紹 介
ミツバ チを飼 う楽 しみ
ス一 ・-ベル (片岡真由 美訳).1999.ミツバチと暮 らす四季.晶文社, 238pp. 本 体2300円 ISBN 4-7949-6400-5 新刊書情報で タイ トルを 見たとき, これが ミツパテ の関連書籍かどうかわか ら ず,出版元の晶文社か ら譲 り受 けた1冊 を手 に して も果 た して この欄で紹介すべ きかどうか迷 った. そ こで読み進 めるの と同時 に,著者のス 一 ・-ベルについての情報 も集めた. 彼女 の新作 "Waiting forAphrodite"(メ イ ン州の海岸 に移 り住んでか ら書 き綴 った海の 小 さな生 き物 に関す るエ ッセー)の書評 は科学 雑誌Natureに も掲載 され, この時初 めてハベ ルの名前 を知 った.彼女 は ミズー リ州オザーク で養蜂を営みなが らミツバチやガーデニ ングに 関す るエ ッセーをNewYorker誌 などに連載 し て好評 を博 して きた. セ ンチメ ンタルに田舎生 活を伝え ることで都会生活者の渇 いた心を癒 そ うとい う試みを成功 させ,本書 もアメ リカでは いわゆるヤ ッピーと呼ばれ るような都市住民に 人気がある (今号 の巻頭記事を寄せていただい たSummers夫妻 によれば養蜂家 はどち らか と い うと冷ややかに受 けとめているとのこと). 原書 の タイ トルは "A Book ofBees:And How toKeepThem"と, まるで ミツバチ飼法の本だが,残念 なが ら期待 ははずれる. 日本 の読者 にとってはアメ リカの養蜂の実態を垣間 見 るだけで も興味深 いが,内容 は読み進むに連 れてお もしろさを増す.邦題の通 り, ミソバチ の四季をテーマに しているが,四季を秋か ら始 める奇抜 さは,春か ら夏を最大の盛 り上が りと す る ミツバチ中心の生活 を描 く上では心憎 い構 成だ. その ミツパテの四季の移 り変わ りに一連 の養蜂作業が リズムをっ ける.彼女が ミツバチ の異変 に気づ くくだ りが随所 にあって, それに どう対処 したのか,異変への彼女の感覚の動 き と, その後の行動 を読み とるのはなかなか楽 し い. ミツバチを飼 うための指南書 にはな らない が, ミツバチを飼 う楽 しみが容易 に伝わ る. ミツバチへの時 にクールで時に熱烈 な思 い入 れや,挿入 される詩文 には趣味が分かれ ること だろうし,田舎 に移 り住 んだ中年女性の自意識 過剰が気 にさわるか も知 れない. また惜 しいの は ミツパテ関連の用語 の翻訳 ・解釈 に難 (数多 くの文献 を引用 している割 に散見 される著者 自 身 の誤解 に由来す る もの もある)があ ること, 道具頬 はそれ らしいのに巣の中を描 いたイ ラス トはとて も満足のい くものではないこと. もっ ともこうした欠陥 は ミツバチを扱 ったことがあ れば補 って読 めるだろうか ら, ミツパテの四季 を味わ う妨 げにはな らない. この秋か ら読み始 めるには手軽 な一冊である. (中村 純)