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高機能広汎性発達障害青年に対する就職準備支援プログラムの検討~肯定的な自己理解と職業イメージの形成を中心に~

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Academic year: 2021

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(1)高機能広汎性発達障害青年に対する就職準備支援プログラムの検討 ∼肯定的な自己理解と職業イメージの形成を中心に∼ 専攻 特別支援教育学専攻 コース  心身障害コース. 学籍番号  M08104F. 氏名    田崎裕介        I.問題と目的.  事前アセスメントの内容を踏まえて、就職鞠篇.  昨今、新規学卒者採用の厳選化、専門性の高.  支援プログラムの内容を考えた。. い人材への需要等により、学卒者の正社員採用. 2)就職準備支援プログラムI、皿(以下セミナーI、. は限定されてきている(労働政策研究・研修機構,. セミナーlI). 2006)。その結果、高等教育機関卒業後の若者の.  セミナーI,lIは講義形式とワークショップ、. 動向は、二一トやフリーターとして生活を送る.  個別面談(セミナーlIのみ)で行った。. ケースが少なくないのが現状である。社会経済. 3)評価方法. 生産性本部(2007)によれば、二一卜等若者自立.  セミナーI以前をr事前」、セミナーI後をr事 後①」セミナーn後をr事後②」とした。. 塾入所者の4分の1程度は、発達障害の疑いが. (1)尺度(事前、事後①、事後②). あると指摘している。.  就労期における発達障害のある青年の抱える問. ①職業未決定尺度(下山,1986). 題として、否定的な自己理解(原・内海・緒方,2002). ②進路選択に対する自己効力尺度(浦上,1995). と職業イメージの困難性(小川,2007)が示唆され. (2)半構造化面接(事前、事後②).  対象者と保護者に対して事前の半構造化面接の. ている。それに対して小川・柴田・松尾(2006)は、. 発達障害者青年に対して、就職準備支援の要素を. 質問項目に加え、セミナーI,lIを受けての感想. 取り入れることが有効であるとし、アルバイト経.  を踏まえて聞き取りを行い、事前と事後②を比較. 験などの実際の就職経験を活かし、肯定的な自己.  した。. 理解に基づいた適職のイメージづくりを支援する. (3)セミナーI、■のエピソード.  セミナーI,lI内での対象者の記録をビデオか. プログラムの検討が必要であると指摘している。. そこで、本研究では大学に在籍する高機能広汎.  ら書き起こし、行動を整理した。. 性発達障害のある青年を対象にした就職準備支援 プログラムを実施し、その効果を検証するととも.        皿.結果と考察. に就職準備支援プログラムのあり方の検討を行う。. 1.Aさん.  職業イメージの形成においては、職業未決定          皿.方法. 尺度や半構造化面接から、就職準備セミナーI,. 1.対象者. lIの内容は有効であったことが示唆された。特. 1)Aさん:X大学経済学部に在籍している高機能広. に、自分の将来就きたい仕事が見つかったこと. は、Aさんにとっても自信に繋がったと考える. 汎性発達轄の診断を受けた20歳男性 2)Bさん:Y大学工学部に在籍しているアスペルガ. ことができた。現在、Aさんは、就職準備セミ.  一症候群の診断を受けた20歳男性。. ナーIでの結果を参考に企業説明会等に行くな. 3)Cさん:Z大学経済学部に在籍している高機能広. ど就職活動を積極的に行なっている。. 汎性発達障害の診断を受けた21歳男性。 2.手続き. 1)事前アセスメント.  進路選択に対する自己効力いついては、Aさ んは事前よりある程度高く、就職準備セミナー. I、■後も変化は見られなかった。このような. (1)半構造化面接(対象者と保護者). 結果から、就職準備セミナーI,lIの内容はA. (2)職業未決定尺度(下山,1986). さんにとって有効で無かった考えることができ. (3)進路選択に対する自己効力尺度(浦上,1995). た。しかし、就職活動で採用されなかった時に. _206一.

(2) どうするのかについては、障害者雇用について. 響していると考えられた。つまり、Cさんにと. も考えているという発言がAさん本人から聞か. っては、肯定的な場や、肯定的な評価は、自分. れたために、自分の障害を受容しており、ある. を肯定的に捉えるきっかけとなり、就職期にお. 程度肯定的に捉えているのではないかと考える. いて重要な要素であることが示唆された。. ことができた。.        lV.総合考察 2.Bさん.  本研究では、大学に在籍する高機能広汎性発.  職業イメージ形成においては、半構造化面接. 達障害青年に対し、職業イメージの形成と肯定. の結果と職業未決定尺度の結果より、就職準備. 的な自己理解を中心にした就職準備セミナーI,. セミナーI,Hの内容は有効であったことが示. lIを検討、実施し、就職準備セミナーI、皿が. 唆された。職業イメージの形成を促進させた要. 高機能広汎性発達障害青年に有効であったかを. 因として、実践的な場面を想定したロールプレ. 検討してきた。その結果、対象者3名の職業イ. イや、自分の向いている職業が何かすぐに結果. メージの形成と肯定的な自己理解において有効. として現れる仕事発見テスト等、体験型ワーク. であった点とそうでない点に偏りが見られた。. ショップが有効であったと考えられた。.  高機能広汎性発達障害青年は、その障害特性.  肯定的な自己理解においては、半構造化面接. に加え、それぞれの過去の出来事等により抱え. の結果と進路選択に対する自己効力尺度より、. ている悩みや、支援の二一ズが異なる(十. 就職準備セミナーI、■の内容は有効ではなか. 一,2004;小川・柴田・松尾,2006;仲埜,2007)。. ったことが示唆された。この要因としては、自.  そこで、本研究で行った就職準備セミナーI、. 分を肯定的に捉えることができにくく、今まで. ■で有効であった内容を整理し、高機能広汎性. 肯定的に評価される機会の少なかったBさんに とっては、自分を整理し直すという意味での自. 発達障害青年に対する就職準備支援プログラム. 己理解に留まってしまったことが考えられた。. まで、基準となる就職準備支援プログラムであ. ゆえに、肯定的にBさんを評価できるような場. り、’人一人の障害特性や過去の体験に合わせ. を設けることや、成功体験を積むことがBさん. て内容を削ったり、作業的な課題を取り入れた. には有効であると考えられた。. りすることができると考えている。よって、プ. に取り入れるべき内容を試案した。これはあく. ログラム内容においては、様々な形があると考 3.Cさん. えられる。.  職業イメージの形成においては、職業未決定.  本研究では、対象者3名のための就職準備支. 尺度や半構造化面接から、就職準備セミナーI,. 援プログラムの試案を検討、実施し、そのあり. lIの内容は有効でなかったことが示唆された。. 方の検証を行ってきた。その結果から、今後の. 特に、就職してからどんなことでつまずくのか. 就職準備支援プログラムのモデルを試案したが、. や、就職してから苦労しそうな点などのイメー. あくまで3事例の結果に基づくものであるため. ジはできていない。Cさんは、ネガティブなこ. に、すべての高機能広汎性発達障害のある青年. とを自分に置き換えてイメージすることが困難. に有効かどうかは分かっていない。ゆえに今後. であることが考えられた。. は、障害特性等様々な要素を考慮してプログラ.  肯定的な自己理解については、進路選択に対. ムを改編していき、実施することが今後の展望. する自己効力の結果から、就職準備セミナーI、. であり、多くの事例を行うことで、より有効性. ■の内容は有効であったことが示唆された。C. の高い就職準備支援プログラムを検討する必要. さんの進路選択における自己効力を上昇させた. があると考える。. 要因のひとつとして、肯定的なフィードバック. を行なったことや、Cさん自身を肯定的に評価.         主任指導教員 井澤 信三. してくれる場(サークル)があったことが、影. 一207一. 指導教員 井澤信三.

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