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運動部活動における「外部指導者のための手引き」作成の試み

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Academic year: 2021

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(1)運動部活動における『外部指導者のための手引き」作成の試み 専攻   教科・領域教育学 コース   生活・健康・総合内容系. 学籍番号  M08232H 氏 名   萩岡 徹. I.研究の背景及ぴ目的. 部活動を維持することが困難となっている。この状.  運動部活動(以下,部活動)は多くの教育的価値. 況を改善するためにも,外部指導者制度は積極的に. が認められているが,近年,教師の高齢化や専門的. 。推進されるべきである。. な指導力不足などの問題が指摘されている。.  そこで,本研究では,外部指導者制度を有効に機.  このような背景から,外部指導者を積極的に活用. 能させるために,外部指導者が部活動指導に当たる. することが提案された(保健体育審議会答申,1997)。. 際に心得ておくべき事柄を明らかにし,それらを解. その後,rスポーツ振興基本計画」では,外部指導者. 説した,部活動における「外部指導者のための手引. 制度の充実が謳われ,翌年には全国の中学校1校当. きの作成」を試みることを目的とした。. たり約1.5名の外部指導者が導入されている。. 1I.研究の方法.  外部指導者制度はこのように具体化されているが,. (1)問題事例の分析. それに伴って様々な問題も報告されている。例えば,.  ①先行研究および文献から,外部指導者導入で生. 外部指導者は教員よりも勝利至上主義の影響を受け. じる問題の原因を明らかにした。. やすく,人間関係で困難を引き起こす例や,顧問教.  ②外部指導者として活動している人,並びに経験. 諭と外部指導者との間で指導方針をめぐってトラブ. 者にインタビュー調査を行い,外部指導者の悩みや. ルが生じるという例などである。. その原因を分析した。.  内海(1998)が,外部指導者は学校教育の方針を相. (2)「外部指導員のための部活動指導の手引」の分析. 当理解していないと常にズレの源になりかねないと.  東京都教育委員会発行の「外部指導員のための部. 述べているように,外部指導者が学校教育の方針を. 活動指導の手引」(以下,既存する手引き)の内容が,. 理解できていないことがこうした問題を生じさせる. どのような意図に基づいて構成されたものなのかを. 原因のひとつであると考えられる。しかし,神奈川. 分析した。. 県が行った調査によれば,外部指導者は学校教育に. (3)新しい手引きに備えるべき条件の抽出. おける部活動の目的をあまり重要視していないとい.  (1)で明らかにされた問題の解決に向けて,既存す. うことが伺え,また,実際に外部指導者を対象とし. る手引きの内容が十分に対応しているかどうかを検. て行われる研修内容は応急手当の方法,事故防止策. 討するとともに,今回作成を試みる手引きの備えて. などが多く,部活動の目的について理解を深める機. おくべき条件を明らかにした。. 会があまりないのが現状である。. (4)新しい手引きの構成内容の検討.  ただ,外部指導者制度はこのように様々な問題を. (3)で抽出された条件に対して具体的な内容を検討. 抱えているが,現実的には,学校の関係者だけでは. し,検討された構成内容をどのような順序で示すの. 一454一.

(2) かを検討した。. 1.部活動は教育の一環として構成されている以上,. 皿.研究の結果及ぴ考察.  「生徒一人ひとりの全人的発達」という目的を有. (1)報告された事例及びインタビュー調査の分析.  しており,スポーツ活動はあくまでその目的を果.  外部指導者を導入することで生じる問題は2つあ.  たすための手段である。また,部活動特有の教育. り,外部指導者と顧問教諭との関係性に問題がある.  的意義としては自主的に自己を高めようとする態. 場合と,外部指導者の指導の方向性に問題がある場.  度を育成すること,幅広い人間関係の中で自己を. 合に分けられた。また,どちらの問題においても根.  生かす能力を養うことである。. 底には“部活動の目的”を正しく理解しているかど. 2、外部指導者は部活動における諸現象が生徒一人ひ. うかがキーワードになると考えられた。.  とりの全人的発達に良いことなのかどうかという. (2)既存する手引きの分析.  ことを考え,生徒一人ひとりに向けた指導を行わ.  既存する手引きでは,次の3つが重要事項として.  なければならない。また,上記の教育的意義を果. 位置づけられていた。.  たすためには,部活動の特徴である学年や学級の.  1つ目は,外部指導員は部活動の目的を理解する.  枠を越えた共通の興味・関心をもつ生徒集団を生. こと,2つ目は,外部指導員は指導に当たる際に顧.  かせるよう工夫し,指導しなければならないこと. 間との連携を密にとること,3つ目は,外部指導員.  である。. は教職員に準ずる立場であることを自覚することで. 3.顧問教諭と外部指導者は共通の目的を果たすため. あった。これらの事項から学校教育の一環から逸脱.  に協働するパートナーである。両者の指導方針に. するような指導をして欲しくないという思いが読み.  ズレが生じないように,日頃から練習メニューや. 取れた。.  生徒の様子などの情報交換をお互いが積極的に行. (3)新しい手引きに備えておくべき内容的条件.  い,二者で指導に当たるうえで向かうべき方向を.  既存する手引きの内容を検討した結果,新しい手.  一つに定めておくことが重要である。. 引きの構成内容として必要と考えられる事柄は主に.  これらの内容の中から,まず部活動の目的を解説. 以下の3点であると考えられた。. し,その目的を果たすために外部指導者はどのよう. 1.学校教育の一環として部活動がどのような目的を. な指導であるべきか,どのように指導を実施するか.  もつのかということを明確に示すこと. という順序で構成し,新しい手引きの作成を行った。. 2.外部指導者の指導のあり方について,部活動では. lV.総括.  どのような観点で生徒を理解し,どのような指導.  外部指導者は部活動の目的を理解し,顧問教諭と.  をするべきなのかということを示すこと. 協働で指導を行うべきである。しかし,外部指導者. 3.外部指導者と顧問教諭との関係性について,まず. 制度は両者の良好な関係牲によって成り立つもので.  両者の関係はどうあるべき柱のかということを解. ある。そのため,今回は外部指導者のための手引き.  脱した後に,連携をとるために必要な具体的内容. を作成したが,本来は顧問教諭にも働きかけを行わ.  を示すこと. なければならないだろう。. (4)新しい手引きの構成内容の検討.  これらのことを踏まえ,新しい手引きの構成内容. 主任指導教員  荒木  勉. を以下のように設定した。. 指導教員 森田啓之. 455.

(3)

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