平成25 年度学校教育課程における進路意識調査
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(2) 2.2 調査内容. 学時の教職志望率が 85% と最も高い。平成 26 年 1 月. 調査内容は、以下の通りである。学籍番号、所属専門. 時点で 1 年生の教職志望率は、他の学年よりは高いも. 領域(1 年生 4 月時点での調査では希望する専門領域)、. のの、入学時と比べると 1 割程度も低下している。1 年. 取得を希望する免許、教職志望度(5 件法)、就職を希. 生より 2 年生の教職志望率のほうが、さらに 1 割程度. 望する学校種、教職以外の進路希望の有無、教職志望の. 低い。3 年生と 4 年生の教職志望率は 2 年生のそれと. 場合の就職希望地域(複数回答)、進路変更の有無(入. ほぼ同じ程度であった。. 学時以降)に関する調査と理由に関する自由記述、であ る。「進路変更有」の場合はその内容(「教員志望から非 教員志望」、「非教員志望から教員志望」、「その他」)を 選択させ、時期と理由についても自由記述で回答を求め た。調査用紙を付録に掲載した。 3.結果と考察 3.1 教職志望の現状(平成 25 年度) 調査項目③「大学卒業後に教員として就職したいと思 いますか」の回答状況を表 3 と図 1 に示した。. 図1 学年別の教職志向(平成 26 年 1 月時点). 総数. 無回答他. 全くそう思わない. あまりそう思わない. どちらでもない. ややそう思う. とてもそう思う. 表 3 学年別教職志望状況(入学時と H26 年 1 月時点). 平成 23 年度の調査結果(1 年生 75%、2 年生 74%、 3 年生 72%)と平成 24 年度の調査結果(1 年生 74%、 2 年生 67%、3 年生 71%)と比較すると、2 年生、3 年 生ともに 3 年連続して教員志望率が大きく低下してい る。平成 23 年度と比べると、平成 25 年度では 2 年生 と 3 年生の教職志望率が 1 割近くも低下している。 一方、「あまりそう思わない」または「全くそう思. 1 年生 (4 月 ) 128. 73. 54% 31% 1 年生 (1 月 ) 66. 70. 17. 11. 3. 0. 7%. 5%. 1%. 24. 15. 7. 8% 38. 36% 38% 13% 2 年生 (1 月 ) 60. 61. 25. 32% 32% 13% 20% 3 年生 (1 月 ) 82. 38. 24. 30. 43% 20% 13% 16%. 232. わない」と回答した教職非志望者数と割合は、全体で. 0%. . 0. 182. 162 名(20%)であり、学校教育課程の 2 割の学生が. 4%. 0%. . 6. 0. 190. 3%. 0%. . 16. 0. 190. の入学時点(4 月)では 14 名(6%)で、教職を志望し ない割合が高まるのは、1 年次から 2 年次にかけてであ. 8%. 0%. . 21. 31. 20. 9. 231. 43% 22%. 9%. 13%. 9%. 4%. . 全学年 (1 月 ) 307 220. 94. 114. 48. 9. 793. 39% 28% 12% 14%. 6%. 1%. . 4 年生 (1 月 ) 99. 51. 「とてもそう思う」または「ややそう思う」と回答し た教職志望者数と割合は全学年(平成 26 年 1 月時点) で 527 名(66%)であり、学校教育課程の約 7 割の学 生が教職志望であることがわかる。学年別にみると、入 学時が 201 名(85%)で、平成 26 年 1 月時点では、1 年生が 136 名(75%)、2 年生が 121 名(64%)、3 年 生 が 120 名(63 %)、4 年 生 が 150 名(65%) と、 入. 教職志望ではないことがわかる。学年別にみると、1 年 生が 22 名(12%)、2 年生が 44 名(23%)、3 年生が 46 名(24%)、4 年生が 51 名(22%)である。1 年生. ることがわかる。 3.2 教職志望者の就職希望学校種 1 年生の入学時の調査結果では、「小学校」希望が 69 名(29%)、 「中学校」希望が 60 名(25%) 、 「高等学校」 希望が 70 名(30%)、 「特別支援学校」希望が 10 名(4%) であり、高、小、中の順で希望者が多かったが、高と小 はいずれも 3 割程度とほぼ変わりはなかった。 1 月実施の調査項目④の前半「教員として就職する場 合、どの学校種を考えていますか」に対する回答(1 年 生から 4 年生)を図 2 に示した。. 教育デザイン研究 第6号(2015年1月) 15.
(3) 平成 25 年度学校教育課程における進路意識調査. 3 3 6 3 15. 13 13 6 11 43. 64 49 53 41 207. 11 13 5 19 48. 総数. る。「特別支援学校」の希望者は 1 年生で 1% と低いが、. 17 13 18 9 57. 未定. 年生で 13% 程度と中学校の割合と同じ程度となってい. 74 60 72 65 66 60 91 54 303 239. その他. 校に次いで多く、中学校を上回っているが、3 年生と 4. 1 年生 2 年生 3 年生 4 年生 全学年. 東京都. 年生(1 月)は 30% 程度、2 年生は 20% 程度で、小学. 相模原市. 学年も 13% 程度で、「高等学校」を希望する割合は、1. 川崎市. 度と高まっている。「中学校」を希望する割合は、どの. 横浜市. . 生では 35% 程度であるが、3 年生と 4 年生では 51% 程. 表 3 教職志望の場合、 就職を希望する地域(複数選択可) 神奈川県. 「小学校」を希望する割合は、1 年生(1 月)と 2 年. 182 190 190 231 793. 2 年生以上では 5% と学年間で一定している。「その他 未定」の割合は学年が上がるにつれて低下している。. 3.4 進路変更の件数と時期、理由(今年度新項目). 1 年生の入学時と 1 月の結果と比べると、高等学校希. 調査項目⑥「入学時から現在までに、進路の変更を行. 望割合は 1 年間で変化していないが、小学校希望割合. いましたか」に対する回答では、「変更なし」が全体の. が増え、中学校希望割合が減少していることから、入学. 76%、「変更あり」が全体の 14% であった。. 時に中学校を希望した学生が、1 年後には小学校希望に 変更したことが推察される。. 表 4 進路変更の有無と内容(上段 : 人数、下段 : 割合) . 変更なし. . 小計. 1 年生. 164 90% 153 81% 128 67% 159 69% 604 76%. 2 年生 3 年生 4 年生. 図 2 教職志望の場合就職を希望する学校種(1 つ選択) 3.3 教職志望者の就職希望地域. 全学年. 変更あり 教職⇒ 非教職 非教職 ⇒教職 9 2 5% 1% 26 6 14% 3% 33 12 17% 6% 45 16 19% 7% 113 36 14% 5%. 総数. その他 小計 7 4% 5 3% 17 9% 11 5% 40 5%. 18 10% 37 19% 62 33% 72 31% 189 24%. 182 190 190 231 793 . 「変更あり」と回答したのは、1 年生 18 名(10%)、. 調査項目④の後半「教員として就職する場合、採用試. 2 年 生 37 名(19%)、3 年 生 62 名(33%)、4 年 生 72. 験を受けたいと考えている地域に○印(複数回答可)を. 名(31%)で、学年が上がるにつれ割合が大きくなって. つけて下さい」に対する回答(1 年生から 3 年生)を表. いる(表 4 参照)。平成 24 年度調査結果は、1 年生(10%)、. 3 に示した。希望者が多い順に、 「横浜市」 「神奈川県」 「そ. 2 年生(20%)で今年度とほぼ同じであるが、3 年生(26%). の他」「川崎市」「未定」「相模原市」となっている。横. と 4 年生(29%)で、平成 25 年度調査結果の割合が上. 浜市と神奈川県の希望者の割合は、1 年生で 74%、2 年. 回っている。. 生で 72%、3 年生で 66%、4 年生で 63% と、入学年度. 「変更あり」について、教職志望から非教職志望へと. が直近になるほど割合が上がっている。川崎市と相模原. 変化した割合は、1 年生(5%)、2 年生(14%) 、3 年生. 市を加えると、1 年生で 85%、2 年生で 81%、3 年生で. (17%)、4 年生(19%)と学年が上がるにつれて大きく. 79%、4 年生で 68% となっている。「その他(全学年)」. なっている。一方、非教職志望から教職志望へと変化し. の内訳は、静岡 19、長野 14、新潟 11、富山 9、群馬 9、. た割合は、1 年生(1%)、2 年生(3%) 、3 年生(6%)、. 愛知 7 などである。. 4 年生(7%)と、こちらも学年が上がるにつれて大き くなっている。. 16.
(4) 進路の変更を行った年次を表 5 にまとめた。2 年生に. に教育現場を体験することで具体的なイメージがわき、. ついては、1 年次に変更が 11 名、2 年次に変更が 24 名と、. 自分には向かないと感じるようになったり、他の職業を. 2 年次での変更が 1 年次より倍増している。3 年生につ. 経験したいと考えるようになったりしたことが非常に多. いては、3 年次に変更が 50 名と最も多い。4 年生につ. くあげられている。4 年次の変更理由は、就職先が決まっ. いては、3 年次に 44 名、4 年次に 14 名と多くなっている。. たことや、留学、大学院進学が決まったことなどの理由. 平成 25 年度の 1 年生については、1 年次で変更した人. があげられていた。. 数が 18 名と他の学年よりも多い。全学年でみると、進. 非教職志望から教職志望への理由としては、1 年次で. 路の変更が最も多く行われるのは、3 年次であることが. は、教育学部に入学したということや,わくサタや小教. わかる。. 専の授業を受けたりしたこと、就活より教員採用試験を 受けるほうが楽そうだと考えたことなどがあげられてい 表 5 進路変更を行った年次. . 1 年次 2 年次 3 年次 4 年次. 1 年生. 18. 2 年生. 11. 24. 3 年生. 2. 9. 50. 4 年生. 5. 7. 44. 全学年. 36. 40. 94. る。2 年次では、専門領域での授業を受けて教職への魅. 不明. 総数 18. 2. 37. 1. 62. 14. 2. 72. 14. 5. 189. 力を感じ興味を増したことや、学外活動への参加があげ られている。3 年次では、教育実習の経験がプラスとなっ て教員志望に向かわせたとする記述が非常に多い。4 年 次では、就職活動がうまくいかなかったから、やはり教 職がよかった、などという理由が多くあげられていた。. 4.今後の課題 以上の結果から、昨年度に引き続き、以下の課題が指 摘できる。. 「変更理由に関する自由記述」を変更年次別に検討し たところ、以下のような傾向が見られた。. 4.1 年次にしたがって低下する教職志望率 平成 23、24 年度の報告でも指摘されていたが、平成. 教職志望から非教職志望への理由として、1 年次の. 25 年度調査でも、年次進行で教職を志望する者の割合. 変更理由は、大学での授業、小教専、実地研究を受け. が低下する傾向にあった。1 年生については、入学当初. て自信をなくしたことや教員の仕事の大変さを実感し. には 85% の教職志望率であったが、1 年次の 1 月には. たこと、友人との交流や、子どもとの接触、先輩との. 75%まで低下している。1 年生で教職志望から非教職. 話などから自分には向いていないのではないかと考え. 志望へと転じた理由として、実地研究などを通して実際. るようになったことなどがあげられている。また希望. に学校を体験してみて、その大変さや責任の重さに自分. の専門領域に進むことができなかったことも大きな理. は教師には向かないのではないかと考えるようになった. 由となっている。まわりの学生とのモチベーションの. ことや、希望の専門領域に進学することができなかった. 違いに気づいて教職志望をやめる場合もあるようであ. ことなどがあげられている。教職のよい面にも目を向け. る。教職について明確な目的と具体的なイメージを持. させることや、希望の専門領域に進学できなかったこと. たずに入学した学生がこの時期に変更しているようで. がすなわち教職をあきらめることにつながらないことに. ある。2 年次の変更理由は、専門領域の授業を受ける. 気づかせることなど、学生一人一人に応じた指導が必要. ようになったり、AT やボランティアに参加したりして、. であると思われる。. 教員に向かない、魅力がなくなったと考えるようになっ. 2、3 年生の教職志望率は、3 年連続で低下しており、. たり、興味が教員以外の世界にむいていったりするこ. 平成 23 年度の調査結果と比べると、平成 25 年度は 1. とが多くあげられている。自分の将来の職業を具体的. 割程度も低下している。2 年生や 3 年生の教職志望率が. に考えるようになって、積極的に教員という選択肢を. この 3 年間で最も低いということは、4 年生での教員就. はずした様子が伺える。3 年次の変更理由は、教育実. 職率低下が懸念される。. 習での経験が圧倒的に多い。教育実習を行って、実際. 教育デザイン研究 第6号(2015年1月) 17.
(5) 平成 25 年度学校教育課程における進路意識調査. 4.2 中学校及び高等学校就職希望者への対応. して自信を失ったり、希望する専門領域に進学できず意. この課題も平成 23、24 年度に引き続きの検討事項と. 欲を失ったりしている状況が明らかになった。2 年次で. なる。入学時には、高等学校、小学校、中学校の順で就. は、大学で学んだり様々な経験をしたりするうちに、教. 職希望者数が多いが、高と小はいずれも 3 割程度でほ. 職以外の職種への興味関心が出てきたことが多くあげら. ぼ同じである。1 年次の終了時には、中学校の希望者が. れていた。3 年次では教育実習での経験が進路選択の岐. 1 割程度に減少し、小学校の希望者が 3 割を超え、高校. 路となっていることが、昨年度調査に引き続き示された。. 希望者は依然として 3 割を維持している。3 年生では、. 3 年次の教育実習での経験で教職志望から非志望に変更. 高校希望者は 1 割程度と低く、中学校希望者も 1 割程. する割合が非常に大きい。4 年次では一般企業から内定. 度で、小学校希望者が 5 割を超えて、小学校へのシフ. が出たり、留学や大学院進学などが決まったりして、教. トが強まっている。1 年次の高等学校希望者が 2 年次、. 職志望を辞める場合が多く見られた。一方で、教職非志. 3 年次となるときにどのように変化するのか注視する必. 望から教職志望に変更した学生も少なくなく、その理由. 要がある。もし希望校種を小学校や中学校には変更せず、. の多くが、学校における子どもたちに直接関わる活動. そのまま学校以外への就職を希望する場合には、卒業生. や、実際の学校現場での体験、3 年次の教育実習を通し. 全体としての教員就職率は低下するであろう。平成 25. て、教員としての仕事にやりがいと魅力を感じるように. 年度調査結果の特徴として、1、2 年生の高等学校への. なったというような内容である。入学時に教職を志して. 就職希望割合が小学校に次いで高いことがあげられる。. いた学生の希望を実現させるためにも、教職の様々な魅. 教員就職率を高めるためには、入学当初に抱いていた学. 力を伝え、学校現場で豊富な体験の機会を与えるなど、. 校種への志望や教職志望を支援するための対応策を専門. 学校教育課程全体としての継続的な取り組みが必要であ. 領域毎に考える必要があろう。. ろう。. 4.3 全国区型の大学か地域重視の大学か 教員として就職を希望する地域を尋ねる項目について は、入学年度が直近の学生ほど、横浜市、神奈川県を希 望する割合が高くなっている。平成 25 年度入学者では 7 割を超える学生が横浜市、神奈川県での教員就職を希 望している。川崎市、相模原市を加え、神奈川県での就 職を希望する学生の割合は、4 年生では 68% であるが、 1 年生で 85% と、1 年生の神奈川県での就職志向が非 常に高くなっている。このことは、文部科学省が教員養 成系学部に対して求めている、大学所在地における卒業 生の教員採用のシェアを高めるという方向性に沿った結 果となっている。本学卒業生の神奈川県、横浜市などの 教員採用者に占めるシェアが低い現状から、今後その シェアが高まることが期待される。このことは、本学部 がいわゆる全国区型の大学から地域重視の大学への方向 性を強めてきていることを示唆している。全国と地方か らの入学者の割合をどの程度にすべきか、本学の理念に あわせて、検討する必要があるように思われる。 4.4 進路変更にかかわる課題 教職を志していた学生がその進路を変える理由は様々 ではある。1 年次では、教員という仕事を目の当たりに. 18.
(6) 付録 1 平成 25 年度 4 月実施調査用紙. 付録 2 平成 25 年度 4 月実施調査用紙. 教育デザイン研究 第6号(2015年1月) 19.
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