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運送品の引渡と運送品保管期間の終期

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(1)

〈 論 説 〉

運送品の引渡と運送品保管期間の終期

79一一『奈良法学会雑誌』第11巻3号 (1998年12月) 一 は じ め に 二 運 送 品 保 管 期 間 三 運 送 品 の 引 渡 四 荷 受 人 の 同 意 五運送品を事実上支配する権限 六 お わ り に

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物品運送契約は、原則として、運送人が発送地で荷送人から運送品を受取り、これを到達地まで運送し、そこで 荷受人に運送品を引渡すことによって終了する。運送人は、運送給付の履行のために荷送人から運送口聞を受取り、こ れを荷受人に引渡すまでに発生した運送品の滅失または段損によって生じた損害について、賠償責任を負うのが原則 である(ドイツ商法四二九条一項参照)。したがって、運送給付の履行のために受取った運送品に関する運送人の責任

(2)

第11巻3号 80 は、原則として、運送品が荷受人に引渡されたときに消滅することになる。 そこで、運送人が荷送人から運送口問を受取り、これを荷受人に引渡すまでの期間における運送人の責任は運送契 約または法の規定によって決まるが、運送口聞が運送人に引渡された後、運送されている期間中の運送人の責任につい ては、すでに多くの研究が行なわれていることから、本稿では、運送人の責任を消滅させる運送ロ聞の引渡について、 ドイツ商法四二九条一項に定める運送品の﹁引渡﹂に関する学説および判例を紹介し、若干の検討を試みることにす る 運 送 品 保 管 期 間 物品運送期間中の運送人の責任について、ドイツ商法四二九条一一項は、﹁運送人は、荷送人から運送口聞を受取り、 これを荷受人に引渡すまでの期間中に発生した運送品の滅失、駿損または引渡時期の遅延に関して通常の運送人の注 意を尽くすも回避することができなかったことを証明することができない限り、運送品の滅失、投損または遅延によ ( 1 ) り生じた損害の賠償責任を負う﹂と定めている。運送人が運送給付の履行のために荷送人から運送口聞を受取り、これ を荷受人に引渡すまでの期間を運送日間保管期間

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という。したがって、同法同条同 項によると、運送品保管期間は運送口聞が荷受人に引渡されたときに終了し、同期間中に運送品に損害が発生した場合 ( 2 ) には、運送人は運送口聞の保管責任

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三 田 町 民 宮 口 問 ) に 基 づ い て 損 害 の 賠 償 責 任 を 負 う 。 しかし、ドイツの多数説は、ドイツ商法四二九条一項が運送品保管期間中に運送品に﹁発生する

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害に限定して運送人に賠償責任を負わせているのは立法上の不備であると指摘した上で、運送人は、運送品保管期間 中に運送品に生じた損害の賠償責任を負うだけではなく、運送品に損害を発生させる原因が運送品保管期間中に惹起 ( 3 ) して、同期間の経過後に顕在化した損害についても賠償責任を負うと解している。 右の多数説に対し、 クレープェ地方裁判所は、 アルコールの運送契約において契約上の運送品の品質と運送人の履 行補助者(﹀

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片 山 宵 巾 円 ) が荷送人から受取った運送品の品質とが異なり、運送人の履行補助者は受取った運送品の 品質を運送人の内部書類である運送状書式

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自同-¥J -\J~時' ト司〈く 4時*~El1~。 (N) Jurgen Basedow/Roland Dubischar , Munchener Kommentar zum Handelsgesetzbuch 1997 Anm.14 zu S429 HGB; Hermann Staub/Johann Georg Helm , Handelsgesetzbuch , 4 目, neubearbeitete Auflage des Groskommentars zum HGB , Anm.41 zu S429 HGB (円) Basedow/Dubischar , Anm.13 zu S429 HGB; Schlegelberger/Geβler , Handelsgesetzbuch , 5. , neubearbeitete Auflage , Anm.5 zu S429 HGB; Ingo Koller , Transportrecht , 3. , vollig neubearbeitete Auflage 1995 , Anm.6 zu S429 HGB; vgl Richard Alff , Fracht-, Lager-und Speditionsr 巴 cht , 2. Auflage 1991 , An m.8 zu S429 HGB (司) Urteil des LG Kleve vom 18.9.1992 , TranspR (Zeitschrift fur das Transportrecht) 1995 S. 23 , 24. (凹) Urteil des OLG Dusseldorf vom 1. 4.1993 , TranspR 1995 S.23 , 24. F週土l: P -1~担割凋Il g~ ;:;r:; J慰!1格引い。 AJ 絵い崎県 JAJ~~ ノ納会官二軍慰 ~ll~ ミ時時(ぎ~~)

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返事止!と:l!Ii (Rechtsgeschaft) や時時 (Urteil des HGB vom 23.10 1981 , NJW 1982 S.1284; Heymann/Kotter , Handelsgesetzbuch , 21. Auflage , Anm. 7 zu S429 HGB; Schlegelberger/-Geβler , Anm.7 zu S429 HGB; Schmidt , S.933; vg l. Basedow /D ubischar , Anm .27 zu S429 HGB) --'J駐が γ 刷会 P →tji ,,-! ~I) 昨(も唱地問 ---g

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(7)

荷 受 人 の 同 意 荷受人の同意の意義 運送品の引渡のための第一の要件は、運送人が運送品の引渡に関する荷受人(ドイツ商法四二六条二項三号参照) の明示または黙示の同意(以下、﹁荷受人の同意﹂という)を得ることである。したがって、運送人が荷受人の同意の もとに、運送給付の履行のために受取った運送口聞の保管を中止し、荷受人に運送品を事実上支配する権限を与えるこ と、すなわち運送人が荷受人の同意のもとに荷受人に運送口問の占有を移転すること ( 叩 ) 終 了 す る 。 (後述)によって運送品の引渡は 85一一運送品の引渡と運送品保管期間の終期 また、ドイツの多数説は、ドイツ商法四二九条一項に定める運送品の引渡と同法四三六条に定める運送品の受取と ( 日 ) は事実上一致する行為であると解している。この多数説に従えば、運送品が引渡される場合の荷受人の同意は、荷受 人が運送品を受取る場合の荷受人の意思表示、すなわち荷受人が運送人による運送品の引渡を運送契約に基づく運送 給付の履行とみなす意思の表示(以下、﹁荷受人による運送品受取の意思表示﹂という)に一致すると解することがで きるから、荷受人の同意と荷受人による運送品受取の意思表示とを区別すべき実質的意義はないようである。しかし、 ドイツ商法四二九条一項によると、運送人が荷受人に運送品を引渡すこと、すなわち運送人が荷受人の同意のもとに 荷受人に運送品の占有を移転することは、運送人の運送品保管期間を終了させ、運送人の運送品保管責任を消滅させ る効果を発生させるのに対し、同法四三六条によると、荷受人による運送品の受取は荷受人の法定支払義務を発生さ せる要件の一つにすぎない。それゆえ、運送品の引渡と運送口問の受取とには法律効果に差異があるのであるから、運 送品が引渡される場合の荷受人の同意と荷受人が運送品を受取る場合の荷受人による運送品受取の意思表示とは区別

(8)

第11巻3号一-86 されなければならない。 そこで、本稿の検討課題である運送品の引渡に限定して、運送品の引渡の要件である荷受人の同意に関する諸説を 紹介し そして検討することにする。 (日)コラ l は、運送品の占有が約定の場所で約定されていない時間に移転された場合には、通常、運送品の占有を取得するため の荷受人の同意は欠如していると解している

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は、荷受人の同意からは、運送品に関する権限を行使できる可能性が荷受人に与 えられることについて荷受人が認識していることが明確になる。また、荷受人の同意は、運送品の引渡がドイツ商法 四二九条の法律効果を発生させるのみならず荷受人にドイツ商法四三六条に定める支払義務を負わせる運送口聞の受取 とみなされるという事情によっても重要な意義を持つ。したがって、運送品の引渡とその受取とは事実上一致する行

(9)

為であると解されていることから、運送品の引渡とその受取とを同一の法概念の中で論述しないのはむしろ不適当で ( ロ ) あると解している。 ( ー ) へルムは、運送人は約定の場所で運送品を引渡す運送契約上の義務を負っていのであるから、運送口問 次 の引渡は運送給付行為である。しかし、運送品の引渡は、債務の純粋な弁済を越えて、それ以上の法律効果を持って ( 日 ) いる。荷受人の意思は、﹁だいたいにおいて運送契約に従った運送給付(宮門日常国

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は次のように述べる。運送品の引渡の場合、運送人の側から考えると、 運 送 口 聞 は 運 送 契 約 の そして 履行として引渡される。これに対し、荷受人の側から考えると、運送品の占有取得のためには、﹁認識しうる、自然の 意 思 ( ゆ 件 。 ロ ロ

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(10)

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が説くように、荷受人の同意は、運送品の引渡がドイツ商法四二九 条の法律効果を発生させるのみならず荷受人にドイツ商法四三六条に定める支払義務を負わせる運送品の受取とみな されるという事情によっても重要な意義を持つと解したり、運送品の引渡とその受取とは事実上一致する行為である と解されていることから、運送品の引渡とその受取とを同一の法概念の中で論述しないのは不適当であると解したり することには疑義がある。なぜなら、運送品の引渡と運送品の受取とは事実上一致する行為であるとしても、 それぞ

(11)

れの行為の法律効果には差異があるのであるから、運送品保管期間を終了させる運送品の引渡の要件としての荷受人 の同意と荷受人の法定支払義務を発生させる要件の一つである運送品の受取の要件としての荷受人による運送品受取 の意思表示とは原則として区別されてしかるべきである。 コ ラ

l

は、﹁運送品の占有取得のためには、認識しうる、自然の意思で足りる。この意思は、荷受人が運送品を受取 るという方法で一不される﹂と述べる。しかし、﹁荷受人が運送口聞を受取るという方法で示される意思﹂は、運送品保管 期間を終了させる運送品の引渡の要件としての﹁荷受人の同意﹂であるのか、または運送品の受取の要件としての﹁荷 受人による運送品受取の意思表示﹂であるのかは不明確である。けれども、﹁荷受人の運送品占有取得の意思は、荷受 人が運送口聞の検査を行なうことが可能になるまで、 形成されないと解されているようである﹂とコラ

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が述べている ことに鑑みると、荷受人による運送品の検査が完了するまで、荷受人は運送品受取の意思を表示することはないと考 89一一運送品の引渡と運送品保管期間の終期 えられるから、﹁荷受人が運送品を受取るという方法で示される意思﹂は、運送品保管期間を終了させる運送口聞の引渡 の要件としての﹁荷受人の同意﹂であると解されなくもない。 い ず れ に し て も 、 コラ!の見解においては、荷受人の 同意と荷受人による運送品受取の意思表示とは明確に区別されているわけではなく、結局、運送品の引渡または運送 品の受取、運送品保管期間の終了およぴ荷受人の同意の各関係について明らかにされていない。 へルムは、荷受人の意思は、﹁だいたいにおいて運送契約に従った運送給付としての運送口聞の引渡の承認に向けられ ( 口 ) る必要がある﹂と解し、運送品の引渡と運送品の受取とは事実上一致する行為であると解しながらも、運送人による 運送品の引渡と荷受人による運送品の受取とを統一性のある行為宮山口

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(12)

第11巻3号一-90 る点については評価されてしかるべきである。そして、 ヘルムによると、荷受人の同意およぴ運送品の占有移転と運 送 口 問 保 管 期 間 の 終 了 と の 関 係 、 さらには運送品の引渡と運送品の受取との関係については区別されているようである。 結 論 運送人による運送品の引渡と荷受人による運送品の受取とは事実上一致する行為であると解されてい

( 2

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ることを踏まえると、運送品の引渡と運送口聞の受取との聞に時間的間隔がない場合には、運送品の引渡、運送品保管 期間の終期および運送品の受取のそれぞれの間に時間的間隔はなく、運送口聞の引渡すなわち運送品の受取の終了は運 送品保管期間を終了させると解することができる。したがって、この場合、運送口聞の引渡に関する﹁荷受人の同意﹂ は運送品の受取に関する﹁荷受人による運送品受取の意思表示﹂でもあると解されのであるから、両者を区別すべき 実質的意義はないであろう。けれども、運送品の占有は荷受人の同意のもとに運送人から荷受人へ移転したが、荷受 人が運送品の占有取得の際に運送品受取の意思表示を留保し、運送品の受取が終了しない場合に、運送品の引渡は終 了して、運送人の運送品保管責任は消滅し、運送品保管期聞は終了すると解すべきか否かは問題である。 ところで、荷受人は、原則として、法律上も運送契約上も運送品の受取義務がなく、また、運送品の占有取得の前 または後に運送品を受取るか否かを決定するために任意に運送品の検査等を行なうことができる。そして、荷受人は、 運送品の検査の後、その受取を拒絶することもできるから、運送人が荷受人の同意のもとに荷受人に運送品の占有を 移転し、荷受人が運送品の検査後にその受取を拒絶した場合には、荷受人は、運送品の占有取得には同意していたが、 しかし、運送品受取の意思を表示していたわけではないから、運送品の受取の要件は成就していない。また、運送人 が営業時間外に運送品の引渡を申し出た場合に、荷受人は、営業時間外における運送品の占有移転に同意することも (四団) 皆無ではなく、その際、次の営業時閣の開始時に運送品の受取の法律効果を発生させるために運送口聞の受取の要件で ( 川 口 ) ある運送品受取の意思表示を留保することもある。これらの場合に、運送品の占有は荷受人に移転しているのである

(13)

から、運送人の運送口叩保管責任は消滅し、運送品保管期間は終了すると解すべきか否かの争いがあるときは、これを 肯定すべきである。なぜなら、荷受人による運送口聞の受取は終了していないにもかかわらず、運送品の占有が荷受人 に移転している場合には、運送人は運送品の保管を中止しており、運送品は運送人の支配領域内を離れて荷受人の事 実上の支配領域内にあることから、運送人の運送品保管責任は消滅し、運送口問保管期間は終了していると解すべきで そして荷受人が運送品の受取を拒絶したときには、運送人は、運送品の占有を回復したときから、運送品保管 ( 幼 ) 責任を負い、運送品保管期間は再ぴ開始すると解されるからである。 思うに、運送人が荷受人の同意のもとに荷受人に運送品の占有を移転する場合、運送口聞の占有移転は、運送人の運 あり 送品保管責任を消滅させ、運送品保管期間を終了させるに止まり、運送品の受取を終了させることにはならないと解 すべきである。そして、荷受人の同意の内容は次のように解すべきである。まず、運送人が営業時間中に荷受人の同 91一一運送品の引渡と運送品保管期間の終期 意のもとに荷受人に運送口聞の占有を移転する場合の荷受人の同意は、運送人による運送給付が運送契約の本旨に従つ て履行されているか否かを確認するために運送品の受取を留保して運送品の占有を取得することに関する荷受人の意 ( 幻 ) 思の表示である。次に、運送人が営業時間外に荷受人の同意のもとに荷受人に運送品の占有を移転する場合の荷受人 の同意は、運送人による運送給付が運送契約の本旨に従って履行されているならば、運送品受取の法律効果を次の営 ( 幻 ) 業時間の開始時に発生させることを条件とした運送品の受取に関する荷受人の意思の表示である。したがって、運送 人が荷受人の同意のもとに荷受人に運送品の占有を移転する場合の荷受人の同意は一定の条件の付いた受取人による 運送品受取の意思表示であると解すべきである。ちなみに、運送人は﹁荷受人の同意﹂の内容を了知して運送品の占 有を荷受人に移転するのであるから、運送人が荷受人の同意のもとに荷受人に運送品の占有を移転する行為すなわち 運送品の引渡は、単に運送契約の履行としての事実行為ではなく、法律行為であると解するのが相当である。

(14)

第11巻3号一-92 18 17 ω g c σ ¥ 国 巾 - 5 ・ ﹀ ロ ヨ ・ 足 、 吋 N 主 日 恒 国 の ∞ . ﹀ 日 出 ・ HωNZ 笠谷出。∞. 営業時間外における運送品の引渡の場合 運送品の引渡は原則として運送口聞の到達地や荷受人の営業時間内に行なわれるが(ドイツ商法三五八条参照。浮き σ ¥ 出 己 目 ・ ﹀ ロ

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白 骨 腎 E W Y ) ま た は 黙 一 不 ( 由 民 - g n v 者巴問巾昆)の同意(阿佐呈口宮居間)を与、えた場合には、ドイツ商法四三九条に定める運送人の運送口問保管期 間は運送口聞の引渡時に終了するが、運送品保管期間の終了は直ちに荷受人による運送品の受取が行なわれたことを意味しない と解し、そして、運送口聞の引渡とその受取とが時間的に常に一致するわけではなく、両者の聞に時間的間隔があることを認め て、この期間中に運送品に生じた損害の賠償責任について争いがある場合には、運送人は、荷受人によって申述された損害が 運送品の引渡前には存在せず、運送口聞の引渡後に発生したことを証明しない限り、その損害の賠償責任を免れない、と述べる ( ﹄ o n F B 当 日

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(15)

93一一運送品の引j度と運送品保管期間の終期 発生するにしても、運送品の保管については、その占有を取得している者すなわち運送品に対して自己の事実上の支配権限を 有する者が責任を負うべきであると解することが運送法の原則や信義則に合致すると解されるからである。 (山口)拙稿﹁ドイツ商法四三六条に定める﹁運送品およぴ運送状の受取﹂と荷受人の支払義務﹂奈良法学会雑誌第一 O 巻第三・四 号 二 六 頁 以 下 参 照 。 ︿ 問 ] ・ ロ ユ 巾 ロ 門 凶

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(16)

第11巻3号一-94 ( 泌 ) 荷受人による運送品受取の意思とが要件になることから、﹁荷受人に運送口聞を事実上支配する権限を与える﹂とは、荷 受人の側から定義すれば、荷受人が運送品の占有を取得することをいうと定義することができる。 ( M ) 運送品の引渡に基づく荷受人の運送品に関する物的支配権について、パセドブ・ドュビシャ l は 、 運 送 品 の 引 渡 に 基 づ く 荷 受人の物的支配権の根拠は、荷受人が運送品を現実に受取ることに求めるべきではなく、荷受人が運送品に関する物的支配権 を排他的に行使することができることに求めるべきである。運送人の協力なくして運送品の占有を取得する可能性 ( N 高 丘 町 内 田 E B α m -w y r 色 丹 ) が 荷 受 人 に 付 与 さ れ て い な け れ ば な ら な い と 解 し て い る 宙 g E 0 4 ﹃¥ U Z E R F R -﹀ 回 目 ・ 忠 臣 官 包 出 。 回 ) 。 ︿ 包 -C 吋 丹 市 口 母 国 O F の U E R E o 広 4 0 5 5

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、 、d 運送品の引渡のためには、運送人が荷受人に運送品の占有を移転することを要し、運送口聞は原則として荷受人によっ て直接的に占有取得されなければならない。しかし、運送品の引渡には、荷受人が運送品を現実に受取ることを要せ ず、運送人が荷受人の同意のもとに運送品の占有を中止し、運送品が荷受人の占有取得のために提供されていればそ ( 鎚 ) その結果として、荷受人は排他的に運送口聞の占有を取得することができる。例えば、運送品の占有移転の れ で 足 り 、 手続(例えば、占有改定) が荷受人の同意のもとに行なわれている場合には、運送人が運送品の直接占有を取得し、

(17)

荷受人は運送品の間接占有を取得するので、運送品の引渡は行なわれたことになるから、運送人の運送口問保管責任は ( m m ) 消滅し、運送品保管期間は終了する。それゆえ、運送品が税法上の理由により差し押さえられた場合、運送品が税関 ( 初 ) に保管されている場合または運送品が運送車両、船舶または航空機等に閉鎖されている場合には、運送品の引渡が行 なわれたことにはならない。 なお、運送口聞の引渡については種々の問題があると考えられるが、運送品保管期間の終了と運送品の引渡との関係 に関して ( 1 ) 運送品の引渡要件の一つが欠如した場合、 2 ) 運送品が流動性物質(気体性、液体性またはパラ積の 運送品) である場合および ( 3 ) 運送品の一部引渡の場合について検討する。 95一一運送品の引渡と運送品保管期間の終期 ( 幻 ) 間 。 ロ m w ﹀ 日 出 血

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(18)

第11巻3号一-96 の本旨に従って運送品に一定の加工を加えたりする場合、または運送人と運送委託者との聞に運送契約を含む複数の 契約(混合契約)が締結されている場合(例えば、運送契約と寄託契約とが締結されている場合)に、運送人は、﹁荷 ( 況 ) 受人の同意﹂を得ることなく、または荷受人に運送品の占有を移転すことなく、運送品の占有を中止(切

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して次の契約を履行したりすることがある。このような場合に、運送口聞の引渡は行なわれたことになるか否か。この 点に関して、判例や学説においては見解が一致しているわけではない。 ( 1 ) 右の問題について、多数説は、当事者間に複数の契約または混合契約 ( m O B 2 n F Z ぐ ゆ 円 片 品 腎 ) が締結されてい る場合(例えば、運送契約の終了後、運送人が運送品を受寄物として保管する場合や運送口聞に一定の加工を加える場 A 口など)には、運送口聞が運送給付の履行のために約定の目的地に到達した後、運送人が次の契約を履行することによ ( 辺 ) り、最初の運送契約に関する運送品保管期間は終了すると解している。したがって、この見解によると、運送人と運 送委託者との聞に複数の契約が締結されている場合に、運送口聞が運送給付の履行のために約定の目的地に到達した後、 運送人が次の契約を履行したとき、運送口聞の引渡の要件としての﹁荷受人の同意﹂を得ること、 および﹁荷受人に運 送品の占有を移転する﹂ことが行なわれなくても、ドイツ商法四二九条一項に定める運送品保管期間は終了し、運送 ( お ) 人の運送品保管責任は消滅することとなる。

( 2

)

こ れ に 対 し 、 デュセルドルフ上級地方裁判所は、次のように判示して多数説とは異なる見解を採用しているよ うである。すなわち、引越家具の運送を委託されて運送契約(以下、第一運送契約という)を締結した運送人は、さ らに引越家具を寄託契約に基づいて保管し、そしてその家具の再運送のための運送契約(以下、第二運送契約という) を締結した。そして、第一運送契約には、運送人が運送品(家具) の包装を行なう旨の特約があった。運送口聞の包装 に暇庇があったために運送品に生じた損害の賠償請求権の時効期間を算定するに際し、 その起算日の確定に関する事

(19)

案において、同裁判所は、この場合の時効期間は運送口聞の引渡の日の経過と同時に進行する(聞に﹀宮 -N の 口 開 口 冨 戸 宮に﹀宮 -N 出。回)ことから、運送人が第一運送契約により運送品を受取り、運送品を保管し、そして第二運送契約に 基づいて荷受人に運送品を引渡した日を基準にして包装の暇庇により運送品に生じた損害の賠償請求権の時効期間の 起算日を確定し、運送人による寄託契約上の運送品の保管 ( N

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も含めて、運送品は全期 聞にわたって運送人の連続的な保護下にあったことから、運送委託した荷送人と同一人であった荷受人は、運送品の ( お ) 寄託の目、すなわち第一運送契約の終了の日に運送品の状態を確認することができなかったと判示した。 ( 3 ) 私 見 右の判例に従えば、運送人が寄託契約に基づく受寄者として運送品を保管している場合にも、第一運 送契約、寄託契約および第二運送契約に基づく各運送品保管期間については、それぞれの期間を単一の運送品保管期 聞と解しているから、運送人は、運送品を受寄物として保管している期間中、寄託契約法(ドイツ商法四一六条以下) 97一一運送品の引渡と運送品保管期間の終期 上の責任を負うのか、または運送法上の責任を負うのか不明確である。けれども、同裁判所は、運送品の運送品保管 期間とその寄託期間とを区別せず、第一運送契約の履行の際に発生した損害の賠償請求権の時効期間の起算日につい て第二運送契約に基づく運送品の引渡日を基準にすると解している関係上、運送人が運送品を受寄物として保管して いる期間についても、寄託契約法が適用されるのではなく、運送法が適用されると解されるのではないか。このよう に解することは不合理であり、本判決の見解には疑義がある。なぜなら、運送人と運送委託者との間に複数の契約ま たは混合契約が締結されている場合(例、えば、運送契約と寄託契約との場合、運送人が最初の運送契約の目的地にお いて運送品の引渡後の運送に関する運送契約の締結を委託されている場合など)には、各契約は独立した契約であり、 それぞれの契約における運送人の責任の成立要件や範囲は必ずしも一致しているわけではないからである。さらに言 えば、本件のように、運送人と運送委託者との間において第一運送契約、寄託契約および第二運送契約が締結されて

(20)

第11巻3号一-98 いる場合には、運送人は、第一運送契約の荷受人の代理人として運送品を受取り、寄託契約の寄託者の代理人である と同時に受寄者として運送品を保管し、 そして第二運送契約においては荷送人の代理人として運送委託をすることに もなるから、運送人は、運送人としての地位のほか 一人四役でそれぞれの地位に基づいて権利を取得し、義務を負 うと解すべきである。それゆえ、運送人は、 それぞれの契約における義務違反について個別的に責任を負い、運送品 保管期間は各契約ごとに開始し、終了すると解すべきである。 ( 但 ) ∞ 片 山 口 ぴ ¥ 国 巾 - 5 ・ ﹀ 日 ロ ・ 2 ・ 出 品 N 主 呂 田 の 回 一 口 え 巾 己 己 2 0 F の 司 円 出 D E E 3 4 0 S ω c ・ 日 ・ 5 E -、 同 イ 白 ロ 凹 匂 周 忌 ∞ 仏 ∞ - N 4 N ( m M ) 同 ハ 己 ぽ 叶 温 ﹀ R ロ ・ 品 N己主沼田の男児田口 σ ¥ 出 巾 - 5 ・ ﹀ ロ B 出 品 N 主 N 申 出 。 ∞ 一 ロ ユ 冊 目 ] 色 町 田 。 円 、 の 出 血 目 σ ロ 門 間 ︿ C B N 日 ・ 5 ・5 宮 ・ 吋 可 田 口 田 七 月 忌 ∞ 印 ω ω 日 吋 一 回 白 血 巾 色 。 当 ¥ ロ ロ 豆 田 口 町 田 ア ﹀ D B -N ω N z r N 由 因 。 ∞ -(お)もっとも、コラ l は、短期の中間または事後保管(昨日 NmN 呈

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の運送口聞の引渡について、運送品が運送人の運送口開保管施設(例えば、運送車 両や船舶の船蛤)から荷受人の運送品受取施設の中に流入したとき、荷受人は運送口聞の占有を取得すると解している。 そして、その際、﹁運送品が荷受人の運送品受取施設の中に流入したとき﹂とは、運送品の流入開始時をいうと解する ( 幻 ) ( お ) のが近時の判例であり、この見解を支持する学説もあるが、運送品の流入完了時をいうと解する判例もある。また、

(21)

へルムは、流動性物質またはパラ積の場合の運送品の引渡には、運送品の全部が荷受人の運送品受取施設に流入する ことを要すると解している。 ところで、運送人の運送品保管責任が消滅し、運送品保管期聞が終了するためには、運送品の占有が荷受人に移転 されることを要することから、運送品が流動性物質である場合にも、運送人の運送品保管責任の消滅および運送品保 管期間の終了の有無は、運送品の占有移転の有無によって左右されると解すべきである。それゆえ、﹁運送品が荷受人 の運送品受取施設の中に流入したとき﹂とは、運送品の流入開始時をいうと解するのであれば、運送品が荷受人の運 (川叩) 送品受取施設の中に流入を開始したときに、運送品の占有は荷受人に移転しており、そして運送人の運送品保管責任 は消滅し、運送日間保管期間は終了すると解される。この場合、荷受人の運送品受取施設の中に流入していない運送品 については、荷受人が間接占有を取得し、運送人が直接占有を取得することになる。これに対し、﹁運送品が荷受人の 99一一運送品の引渡と運送品保管期間の終期 運送品受取施設の中に流入したとき﹂とは、運送口聞の流入完了時をいうと解するのであれば、運送品の占有は、運送 日間の流入が完了したときに荷受人に移転する。この場合、運送人の運送口問保管責任が消滅し、運送品保管期聞が終了 するためには、運送品の全部の流入が完了することを要する。 もっとも、﹁運送品が荷受人の運送品受取施設の中に流入したとき﹂とは、運送品の流入完了時をいうと解する場合 には、運送品が荷受人の運送品受取施設の中に流入を開始した後、運送品の流入が中止したとき、荷受人の運送品受 取施設の中に流入した運送品は、運送人の事実上の支配領域を離れ、荷受人の支配領域に属していることになるが、 運送人は、運送品の一部が荷受人の運送品受取施設に流入したとき、 その流入した運送品についても運送品保管責任 を負うことになるのではないか。しかし、運送品の一部引渡(後述)の問題や運送品の引渡またはその受取に関する (HU) 運送契約関係者聞の法的安定性の要請に鑑みると、流動性物質である運送品の場合の運送品保管期間は、特約がない

(22)

第11巻3号一一一100 限り、運送品が運送人の運送品保管施設から荷受人の運送品受取施設に移動したとき、 その移動した運送品について 終了すると解することが相当である。 (担問。口市吋・﹀ロ旨・品目玄呂田の回一 p s s g H 同 ¥ 周 回 σPF 巾F E e -凹 吋 巾 門 戸 ω ・ ﹀ 口 出 血 m m -﹀日 PUNg 内 注 ) N 口 町 田 O ∞ 問 。 回 一 ロ ユ 叩 ロ 島 町 田 切 の 国 4 o g s ・ 品 ・ 5 ∞N ・ 戸 ] 出 ( ロ ロ 色 町 ロ 自 白

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円 m g B N H ・己申戸︿目白河 S S ω -S -拙稿・前掲三三頁以下参照。 ( 初 出 ) 巴 吋 丹 市 口 也 市 田 切 の 国 4 O B S ・ A F . 5 ∞ N . F 冨 N ロ 山 由 。 ∞ 図 。 回 Z 円 -N C 3 口 弘 g o F の出血自 σ Z H m 4 0 5 N H . 日 ・ H U ∞ゲ︿ R 国 間 H 由 ∞ N ω . 品 N U 4 m 間 o z m p ﹀毘戸田 N 口 定 N 由 国 の 回 一 回 ν 吋 { 旧 民 自 曲 目 回 ¥ 河 白 ぴ 巾 ・ ﹀ 員 ロ - U N ぴ ) 仏 両 凶 ) N 己 申 由 。 ∞ 図 。 ∞ -( お ) ︻ ﹄ 吋 仲 間 同 ︼ 色 町 田 O F A U 出 自 国 一 u E H m 4 0 一 ア ロ - H 由 芯 ・ ︿ m 混 同 N H 由 吋 由 ω ・ω ミ ・ ( ぬ ) 忠 告 ぴ ¥ 出 向 - 5 ・﹀ヨロミ N 定 N 由問。

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耳 目 ロ 色 町 田 円 、 。 問 。 -ロ 4 0 5 ∞ - H N ・5 8 ・冨 U 周忌 S ω -E H ・ (伺)この場合には、荷受人は運送品の間接占有を取得し、運送人は運送品の直接占有を取得する。 ( H U ) ドイツ商法四三三条により速送品処分権を有する荷送人は、運送品または運送状が荷受人に引渡されていない限り、または 荷受人がドイツ商法四三五条により運送人に対し運送日間引渡の﹁訴え﹂を提起していない限り、運送品処分権を行使して、運 送の中止、荷受人の変更等を指図することができるのであるから(ドイツ商法四三三条参照)、荷受人による運送品の一部受取 後に新たな荷受人への運送品の引渡が運送人に対して指図されることも可能である。 拙稿﹁荷送人の運送日間処分権と荷受人の権利﹂奈良法学会雑誌第七巻第三・四号、境 教 授 退 職 記 念 号 一 O 九 頁 参 照 。 一郎教授・筒井信定教授・村田治美 ( 四 ) 運送品の一部引渡 運送品の引渡には、運送人が運送品の全部を荷受人に引渡すことが原別である。しかし、運送品の一部が引渡され た場合に、その引渡は、ドイツ商法四二九条一項に定める運送品保管期間を終了させ、運送人の運送口問保管責任を消 滅させる運送口聞の引渡であると解すべきであるか否かは問題である。

(23)

( 1 ) 右の問題について ヘルムは、運送品の一部が引渡された場合には、運送品の引渡の効果は、運送人が残りの 運送品の保管を継続している限り、引渡された運送品について発生する。このことは、運送人が運送品の荷卸義務を そして荷却が中断されている場合にも同様である。しかし、荷受人が荷卸義務を負う場合には、全運送口聞に対 する運送人の運送品保管責任は、荷卸のために合意による占有の移転

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により消滅すると ( 必 ) 解 し て い る 。 負 い 、 ( 刊 日 ) ドイツの多数説は、運送品の引渡と運送品の受取とは事実上一致する行為であると解し、そして、運送品の受 (HH) 取には、荷受人が運送口聞の全部を受取ることを要し、運送品の一部を受取るだけでは足りないと解している。この見 ( 2 ) 解によれば、運送口聞の引渡の場合にも、運送人が荷受人に運送品の全部を引渡すことが運送人の運送品保管責任を消 滅させ、運送品保管期間を終了させると解される。そして、運送人が荷受人に運送品の一部を引渡した場合には、 そ 101-.運送品の引渡と運送品保管期間の終期 の引渡は、個別的に独立したな己

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件以ロ門出向巾)運送品の輸送(例えば、約定の数量を数回に分けて運送する場合)が問 題になるときにのみ、引渡された運送品に関する運送人の保管責任を消滅させ、運送品保管期間を終了させるのに対 し、運送契約上分割されえない関連性のある

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号ロ)運送品の一部の引渡は、その引渡された運送品 ( M M ) に対する運送人の保管責任を消滅させないと解することになるであろう。 運送品の一部が引渡される場合には ( 3 ) 私 見 へルムの見解を支持して、 その引渡された運送品について運送 人の運送品保管責任は消滅し、運送品保管期間は終了すると解することが合理的である。なぜなら、荷受人は、運送 品が到達地に到着しても・当然に運送品の受取義務を負うものではなく、運送品の占有を取得する前または取得した後 その後に運送品を受取るか否かの決定を行なうことも任意にでき、また運送品の一部の受取後に ( 必 ) 残りの運送品の受取を拒否することもできるからである。これに対し、運送人は、運送品の一部だけでも荷受人に引 に運送品を検査し、

(24)

第11巻3号ー-102 その運送口聞に関する事実上の支配権限を喪失することなるから、荷受人に占有を移転した運送品について運 渡 せ ば 、 送品保管責任を負わないと解することが運送人には好都合であると解されるからである。 なお、多数説によると、運送品の一部が荷受人に引渡された場合には、残り全部の運送品が荷受人に引渡されない 限 り 、 全部の運送品に関する運送人の運送品保管責任は消滅しないことになり、運送人は荷受人に占有を移転した運 送品についても保管責任を負うことになるのではないか。それゆえ、荷受人が運送口聞の一部を受取った後に残りの運 送品の受取を拒絶した場合、または運送人が運送口聞の一部を引渡した後に残りの運送品の引渡の停止を指図された場 ( 灯 ) 合(ドイツ商法四三三条参照)には、荷受人に引渡された運送口聞に対する運送品保管責任に関して運送人、荷受人お よぴ荷送人間の法律関係は複雑にならざるをえない。したがって、場所的およぴ時間的な運送給付上の態様を踏まえ ると、運送人が運送品を荷受人に引渡せば、 それが運送品の一部であるときにも、運送品の引渡であり、 そして占有 が荷受人に移転した運送口聞に関して運送人の運送品保管責任は消滅し、運送品保管期間は終了すると解することが運 送給付の街易・迅速性を求める運送契約法の要請に合致すると考えられる。 ( 必 ) ω g z σ ¥ 国 巾 - 5 ・ ﹀ 冨 ロ g N 己 玄 N 甲 田 の 回 ・ ( 必 ) ∞ 白 印 巾 乱 。 唱 ¥ 同 ) ロ 玄 出 口 町 田 ア ﹀ ロ ヨ ・ N ? N H N Z Z N 申 出 。 ∞ . ﹀ ロ ヨ ・ ∞ N ロ Z S Z の 回 二 山 冨 己 σ ¥ 出 巴 H H Y ﹀ E U 印 N .

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(25)

47 拙 稿 ・ 前 掲 ﹁ 荷 受 人 の 運 送 口 問 処 分 権 と 荷 受 人 の 権 利 ﹂ 一 一 四 頁 以 下 参 照 。 ---' -ノ、 わ お り ドイツ商法四二九条一項によれば、運送人が荷受人に運送口聞を引渡すことにより、運送人の運送品保管責任は消滅 し、運送品保管期間は終了する。そして、判例および多数説によると、運送品の引渡には、運送人が荷受人の同意の もとに荷受人に運送品の占有を移転することを要すると解されている。 そこで、本稿において私は、 ドイツ商法四二九条一項に定める﹁運送口聞の引渡﹂と同法四三六条に定める﹁運送品 の受取﹂とが事実上一致する行為であると解する(ドイツの多数説)場合には、 運送品の引渡の要件である﹁荷受人 の同意﹂と運送口聞の受取の要件である﹁荷受人による運送品受取の意思表示﹂とを区別すべき実質的意義はないが、 103 運送品の引渡と運送品保管期間の終期 しかし、運送口聞の占有が荷受人の同意のもとに荷受人に移転しても、荷受人による運送口聞の受取が終了しない場合が ある。この場合、運送人から荷受人への運送品の占有移転は、運送人の運送品保管責任を消滅させ、運送口問保管期間 を終了させると主張し、 そして﹁荷受人の同意﹂については次のように解した。 まず、運送品が営業期間中に占有移転される場合の荷受人の同意は、運送人による運送給付が運送契約の本旨に従 って履行されているか否かを確認するために運送口聞の受取を留保して運送品の占有を取得することに関する荷受人の 意思の表示であると解した。なぜなら、荷受人が運送品の占有を取得し、これを検査した後、運送給付が運送契約の 本旨に従って履行されていないことが判明した場合には、荷受人は原則として運送品の受取を拒絶することになるか ら で あ る 。 次に、運送品が営業期間外に占有移転される場合の荷受人の同意は、運送人による運送給付が運送契約の本旨に従

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