凝縮時の熱伝達に関する研究 (第2報) : 水平下向
きの焼結合金面における凝縮熱伝達
著者
石神 重男, 松村 博久
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
7
ページ
1-8
別言語のタイトル
Studies on the heat transfer by condensation
(Report 2) : heat transfer by condensation on
the downward surface of a sintered alloy plate
horizontally placed
凝縮時の熱伝達に関する研究 (第2報) : 水平下向
きの焼結合金面における凝縮熱伝達
著者
石神 重男, 松村 博久
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
7
ページ
1-8
別言語のタイトル
Studies on the heat transfer by condensation
(Report 2) : heat transfer by condensation on
the downward surface of a sintered alloy plate
horizontally placed
凝縮時の熱伝達に関する研究(第2報)
水平下向きの焼結合金面における凝縮熱伝達
石 神 重 男 * , 松 村 博 久 * *
(受理昭和41年11月30日)SmDmSONTHEHEATTRANSFERBYCONDENSATION(Report2)
HeatTransferbyCondensationontheDownwardSurface ofaSinteredA11oyPlateHorizontallyPlaced. ShigeolSHIGAMI*andHirohisaMATSUMURA** TheinHuenceofthedifferencebetweenasmoothandaroughsurfaceontheheattransfer bycondensationofsaturatedsteamaremvestigatedexperimentally・Aboutaroughsurfacean experimentonamethodforlongcontinuationofdropwlsecondensationismade, Theresultsareobtainedasfollows: (1)Thecoe団cientsofheattransferbydropwlseandiilmwisecondensationhavenocon‐ spicuousdifferencerespectivelybetweenasmoothandaroughsurfaceintheregionofthis experiment.(2)Thesurfaceofsinteredalloyhavingenoughcondensingpromoterkeepsupthe
dropwisecondensationforalongtime. 1 . 緒 言 凝縮時における熱伝達率は膜状凝縮よりも滴状凝縮 の場合が数倍も良好なので,滴状凝縮の状態を持続さ せる研究が従来より行なわれている.Schmidtら1)は 各種の金属材料を鏡面仕上げすれば,その面上では滴 状凝縮を起すと報告しており,Drewら2)および Emmons3)は材料表面の研磨の仕方には無関係であ り,凝縮促進剤なしでは滴状凝縮は生じないと述べて いる.また,勝田ら4)は滴状凝縮において凝縮面はあ らい方が単位時間にたいする凝縮水量は多く,しかも 凝縮液滴の限界直径は大きくなることを調べている. このようにそれぞれの報告によって相異するのは,材 料表面の清浄度合,凝縮促進剤の種類および凝縮促進 剤の塗布厚さなどが滴状凝縮の形成および持続時間に 影響を与えるものと考えられる.前報において,筆者ら5)は滑面を有する水平下向き
の銅製伝熱面を用いた場合の滴状凝縮ならびに膜状凝縮にたいする熱伝達の実験的研究を行なった.その結
果によると,滴状および膜状の凝縮時における蒸気側 熱伝達率は冷却水流量,蒸気と伝熱板蒸気側表面との *鹿児島大学工学部機械工学第二学教室・教授 **鹿児島大学工学部機械工学第二学教室.講師 温度差および熱負荷にほとんど関係なくほぼ一定値をとること,蒸気側熱伝達率は膜状凝縮に比較して滴状
凝縮の場合が約4倍も大きいことなどがわかった.本報告は,含油焼結合金を伝熱面とすれば滴状凝縮
が長期間保持でき,凝縮面として有効であろうという
ことを予期して,水平下向きの多孔質焼結合金面を凝
縮面とし,これに凝縮促進剤を含ませた場合と含ませ
ない場合について,滴状および膜状凝縮時の熱伝達の 実験的研究を行なった.実験結果にたいしてはおもに 熱伝達におよぼす凝縮面の表面あらさの影響および凝縮促進剤の含有量による滴状凝縮の持続効果について
検討した. 2.実験装置および実験方法実験装置ならびに実験方法はその大部分が前報5)と
同様であり,前報にこれらの詳細な説明を行なってい るので,ここでは概要を述べる. 図1は実験装置の概略図である.ボイラで発生した 水の蒸気は過熱器を通って蒸気室にはいる.蒸気量は 調節弁で制御し,蒸気圧力はマノメータの水柱ではか り,蒸気温度はベックマン温度計にて測定する.また 冷却水は水量調節弁から測定部本体の冷却水路をへて せきより流出する.測定部本体は蒸気室,冷却水路,燕
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伝熱板および凝縮水受器などから構成されている.測
定部における冷却水温度および伝熱板温度の測定には
直径0.25mmの銅一コンスタンタン熱電対を用い,
電位差はポテンシオメータと検流計にて測定した.
伝熱板の詳細は図2に示す.伝熱板は組成が銅約90
%,亜鉛約10%の黄銅系焼結合金製であり,見掛け
比重量は6800kg/m3および空隙率は約20%である.伝熱板の冷却水上流端から140mmは流路の助走区
間とし,測定部はその下流に120mmとってある. 測定部の冷却水上流端から15,60および105mmの3 個所には蒸気側および冷却水側の伝熱板表面から2.0 mmのところに直径1.2mmおよび深さ20.5mmの 孔を側方からあけ,そこに伝熱板表面温度検出用の熱 電対が設置してある.伝熱板はこれを石けん液で約10時間,つぎに水で
約5時間しや沸して脱油乾燥したもの(以下は脱油状 態という)について,つぎのような処理を行なった. 熱 電 対 3 . 予 備 実 験 3.1.焼結合金板の熱伝導率J
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鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 7 号 膜状凝縮の場合は伝熱板蒸気側表面を稀塩酸で洗って 水で清浄にし,滴状凝縮の場合は水洗後表面をよく乾 燥させてから凝縮促進剤としてのオレイン酸を表面に うすく塗布した.また,滴状凝縮の持続実験では伝熱 板蒸気側表面にオレイン酸をうすく塗布した場合と伝 熱板をオレイン酸の中に浸し,多孔質伝熱板の空隙に オレイン酸を0.1969r/cm3(0.218cm8/cm3)含有さ せた場合の二種類とした. 実験は蒸気過熱度が0.5∼0.7℃,蒸気室内の圧力が 大気圧より10mmAqだけ大きくして定常状態のもと で行なった.実験範囲は冷却水入口温度15∼19℃,冷 却水流量0.36×103∼2.2×103kg/h(冷却水流速0.24 ∼1.3m/s)および熱負荷1.0×105∼3.1×105kcal/ m2hである. 測 定 区 間 一 卦 医 一 助 走 区 間 Ⅱ’
’ ' 1 [ずI’ず -F 冷 却 水 流 動 方 向 一 一 図 2 焼 結 合 金 製 伝 熱 板 の 詳 細 図五 ェ : 篭 1 − 当
‘ R b串Eq − R 『 11.2j穴 冷却水iiI’ 蒸 気 側60Cu−40Zn 90Cu−lOZn 70Cu−30Zn 67Cu−33Zn 3 104 101 94 92 0817 9898 0°C ボ ル ト ・ ス ラ イ ダ 補 助
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ただし, ルー320[l+3.75×10−4(20-頭")] ここに, E:板の両表血の温度差による起電力,"し T;":板の平均温度,℃ jT:板の両表而の温度差,℃ 6:板の厚さ,m 恥熱伝導率,kcal/mhoC 添字;c:標準試料 p:焼結合金 脱油焼結合金板の熱伝導率の測定結果を表’に示 す.この結果から,ここでは焼結合金板の熱伝導率の 値として93kcal/mh℃を用いることにする.この値 と表2に示す各種黄銅の熱伝導率6)を比較してみると ほぼ妥当な値と思われる. 黄 銅 の 種 類 、 八 3.2.蒸気凝縮面の表面あらさ 焼結合金製伝熱板および前報で使用した銅製伝熱板 の蒸気凝縮面の表面あらさは,触針法電気式あらさ測定機により測定した.結果は図5および表3に示して
’1:. 123 焼結合九W〈 標 準 試 料 一 > 水 図 4 測 定 部 詳 細 図 測定装置の概略を図3に,測定部の詳細を図4に示 す.熱伝導率の測定は比較法で行ない,標準試料には 熱伝導率が20°Cにおいて320kcal/mh。Cである長さ 130mm,幅50mmおよび厚さlOmmの銅板を用い た.標準試料と脱油焼結合金板を重ね合せ,その加熱 側と冷却側には厚さ1.0mmの銅板を補助におき,熱 電対ひきだし用の溝は補助銅板に持たせて熱負荷の均 一をはかった.またそれぞれの板はグリセリンの薄い 膜で接着してある.測定方法は熱負荷を与える電圧お よび電流をボルト・スライダにより調節し,冷却用の 水量を流量調節弁により調節して行なった.標準試料 および脱油焼結合金板のそれぞれの両表面の温度差は 定常状態になった時,直径0.2mmの銅一コンスタン タン熱電対を用いてポテンシオメータと検流計で読み とった. 図4の実験装置から明らかなように,標準試料およ び脱油焼結合金板を通過する熱量は等しいので,それ ぞれの板の両表面温度差と熱伝導率の関係は, 表 1 焼 結 合 金 板 の 熱 伝 導 率 の 測 定 結 果 92.9 93.0 92.7 熱伝導率,kcal/mhoC l00oC 0.295 0.300 0.304 表2各種黄銅の熱伝導率6) 石神・松村:凝縮時の熱伝達に関する研究(第2報)お
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(1) 315 310 305 65 103 147 6p=6c=1.0×10-2,mより坐必=麦畑
6,川
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4 1VOザh, 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 7 号 3.3.焼結合金板の空隙率 焼結合金板を石けん液で約10時間,その後水で約 5時間しや洲して脱油乾燥したものから,つぎの方法 にて空隙率を算出してみた. 0 . 1 m m 図 6 焼 結 合 金 板 表 面 の 顕 微 鏡 写 真 の 一 例 声 画 0 . 5 “ ” 超 璽 覗 呂 霊 壷 塵 皿 司 星 個 ( a ) 軸 方 向 ( b ) 横 方 向 ( 2 ) 焼 結 合 金 板 図 5 蒸 気 凝 縮 面 の 表 面 あ ら さ の 測 定 例 7.0浬 0.4〃 '、ヘノ、い』』A八ノw、ノ熱入コニ5W1,L,〆管¥.w1w〆 ( b ) 横 方 向 ( a ) 軸 方 向 ( 1 ) 銅 板(空隙率〕‐需維慈蝋鰐)-砦
=0.218 以上の結果から,空隙率は約20%とした.j
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( 1 ) 見 掛 け 比 重 量 か ら 求 め る 方 法 伝 熱 板 は 組 成 が銅約90%,亜鉛約10%の焼結合金であることより, 九一黄銅(銅90%,亜鉛'0%)の比重量が8800kg/ m3なので, (空隙率) −(九一黄銅の比重量)−(脱油焼結合金板の比重量)’
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結 6.0〃 4 . 実 験 結 果 4.1.凝縮時の熱伝達率 はじめに脱油焼結合金面について,前報と同様な滴 伏ならびに膜状の凝縮についての実験を行なった結果 を述べる. 伝熱板表面温度(蒸気側表面温度tps,冷却水側表 面温度tpw)は測定した伝熱板内の温度勾配から算出 されるので,それと冷却水流量Gwとの関係につい て,滴状凝縮の場合を図7に,膜状凝縮の場合を図8 に示す.滴状凝縮および膜状凝縮のいずれの場合も冷 却水流量が増加するにしたがって伝熱板蒸気側表面温 度はさがり,伝熱板両表面の温度差は大きくなってい 伝 熱 板 の 種 類 | 軸 方 向 | 横 方 向 (九一黄銅の比重量)8
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8800 (2)オレイン酸を含有させた量から求める方法 体積71.5cm3の脱油焼結合金板の空隙に含有させ たオレイン酸の量は15.6cm3であったことから, 表 3 蒸 気 凝 縮 面 の 表 面 あ ら さ の 測 定 結 果 0.4浬 6.0〃 銅焼 Ⅲ!又 合 令 芝 板 いる.焼結合金製伝熱板の表面あらさは銅製伝熱板の 表面あらさの約15倍である.銅製伝熱板の表面は06 のエメリペーパで鏡面仕上げがしてあるのにたいし て,焼結合金製伝熱板の表面は図6に示す顕微鏡写真 の一例をみるとわかるように,種々の形と大きさの空 隙が存在している. 0.5〃 7.0〃1.0 5 40 0 10 2 0 3 0 △T,℃ 図 1 2 蒸 気 側 熱 伝 達 率 と 温 度 差 の 関 係 0 4 8 1 2 1 6 2 0 2 4 へ L U Gw,kg/h 図 9 熱 負 荷 と 冷 却 水 流 量 の 関 係 図10は蒸気側熱伝達率asと冷却水流量の関係, 0 ×102 1.0 図11は熱負荷と淵度差(蒸気温度と伝熱板蒸気側表 面温度の差)4Tの関係,図12は蒸気側熱伝達率と温 度差の関係および図13は蒸気側熱伝達率と熱負荷の 100 70 ∼ 9 0 ×101
0087
・夢二一・晩二︾ 4.00032
塁等E︷ご茎駒句 60 50 xlO2 1.0 一 0 図7 4 8 1 2 1 6 2 0 2 4 GW,kg/h 滴 状 凝 縮 に お け る 伝 熱 板 表 面 温 度 と 冷 却 水 流 量 の 関 係 ×102 0 4 8 1 2 1 6 2 0 2 4 GW,kg/h 図10蒸気側熱伝達率と冷却水流量の関係 90 ×105 P 8 0 4.0 石神・松村:凝縮時の熱伝達に関する研究(第2報) 0 1 0 2 0 3 0 △T,℃ 図 1 1 熱 負 荷 と 温 度 差 の 関 係 ま畠︺いぬa↑0032
ニベ日へ一国。雪辱ワ 40 60 50 40 ×102 0 図8 4 8 1 2 1 6 2 0 2 4 GW,kg/h 膜 状 凝 縮 に お け る 伝 熱 板 表 面 温 度 と 冷 却 水 流 量 の 関 係 1.0 る. 熱負荷の算出は前報と同様に凝縮水量から算出した のは参考にして伝熱板内の温度勾配から求めた.図9 は冷却水流量にたいする滴状凝縮および膜状凝縮の熱 負荷9を示す. ×104 4.00032
二吋Eへ一砲ごニーウ ×105 4.0 P二弐E二g二︽ざ0032
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一 ○ 一●でp●−●●①一 ← ○ 滴 状 凝 縮 ● 膜 状 唖 縮 0 ○ ○○一 on 〃、 ○一 OC 8 ー L》 8 ー ○ 記 一 。 一 つ ▲ = ー ー 一 ら −8 O 一 手 L 口 ifi却水入、温度・ユ冬 15∼19℃ qJ勘
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← /関係について滴状凝縮と膜状凝縮の両方をいっしょに 示している.図から明白なように滴状凝縮および膜状 凝縮ともに蒸気側熱伝達率は冷却水流量,蒸気と伝熱 板蒸気側表面の温度差および熱負荷にほとんど関係な くほぼ一定値をとっている.また,滴状凝縮時の蒸気 側熱伝達率は膜状凝縮に比較して約4倍も良好であ る. 4.2.滴状凝縮の持続性 つぎに滴状凝縮の持続実験を行なったのでその結果 をのべる.時間の経過にともなう滴状凝縮の様相の変 化の写真観察したものを図14に示す.これは伝熱板 蒸気側表面に凝縮促進剤としてオレイン酸を一面にう すく塗布した場合である. 最初は接触角が大きくて限界直径3∼4mmの凝縮 滴が多数発生しているが,4∼5時間経過後には凝縮 滴の限界直径がやや増して5∼6mmとなり接触角が 少し小さくなってくる.この頃まで凝縮滴は他の凝縮 滴との接触合体により動きまわっているのがみられ る.10時間後には凝縮滴は接触角の小さい偏平な形 になり,ほとんど一定の場所にとどまって成長し,限 界直径に達すると落下している.20時間前後の凝縮 滴はさらに接触角が小さくなって偏平の度合を増し, 凝縮滴の形状はやや明確でなくなり,凝縮滴の限界直 径は約10mmになって滴の数を減少している.また 凝縮滴が落下した後にも水膜が残るのが観察された. 以後はこのような状態が相当時間続くようである.図 15は写真から測定した限界直径DCと経過時間Tの おおよその関係を示している. 脱油焼結合金板の空隙に凝縮促進剤としてオレイン 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 7 号 6 (c) 7 時 間 経 過 ×10 4.0 (a) 実 験 開 始 後 1時間 経 過 o 滴 状 縦 縮 ● 膜 状 凝 縮
0032
○・二函冨一一g望一町己 1 1 (b) 4 時 間 経 過 ×105 1 . 0 2 . 0 3 . 0 4 . 0 q,kcal/m21,_ 図 1 3 蒸 気 側 熱 伝 達 率 と 熱 負 荷 の 関 係 ロ鱒
(f) 20時間 経 過 ョ 電 夢 唖 陛 (d) 10時間 経 過 図 1 4 滴 状 凝 縮 の 様 相 の 変 化 酸を0.1969r/cm3(0.218cm3/cm3)含有させての滴 i蕊 … 』 b (eノ 15時間 経 過鵜
00 | FeQ僅爵一 ’0 1 . 0 2 . 0 3 . 0 4 . 0 ,q,kcal/m2h 図 1 8 蒸 気 側 熱 伝 達 率 と 熱 負 荷 の 関 係 7 状凝縮持続についての実験を行なった結果は,実験開 始後約70時間経過したときでも凝縮状態は最初の様 子とほとんど変化がないことが認められた. 0 1 0 2 0 3 0 4 0 △T,℃ 図 1 7 蒸 気 側 熱 伝 達 率 と 温 度 差 の 関 係
雫
10 石神・松村:凝縮時の熱伝達に関する研究(第2報) ><104 4.0 一階湘○①86
日E毎○口 0 3 二利冨へ﹃⑮。 q2.0 4 1.0 2 0 4 8 1 2 1 6 2 0 T,I’ 図15凝縮滴の限界直径と経過時間の関係 》<102 ①9'・laか蝿 ×10.’ 4.0 》<104 陣、④① IJ 4.0 5 . 考 察 焼結合金板の粗面と前報の銅板の滑面との比較を行 なってみる.図16は蒸気側熱伝達率と冷却水流量の 関係,図17は蒸気側熱伝達率と温度差の関係および 図18は蒸気側熱伝達率と熱負荷の関係を示している が,粗面および滑面ともに同様の傾向を表わすととも に,蒸気側熱伝達率は冷却水流量,蒸気と伝熱板蒸気 側表面の温度差および熱負荷には無関係にほぼ一定値 をとっている.その一定である絶対値もこの実験範囲 では凝縮面の表面あらさの影響について顕著な差異が 認められないようである. 滴状凝縮促進剤の塗布について,EmmOnS3)は促 進剤の厚さは2分子層が最適であって,過剰な促進剤 は速かに洗い流されてしまうと報告している.このこ とより促進剤の塗布厚さは凝縮状態に大きな影響を与 えないであろうが,図14の滴状凝縮持続の実験結果 でわかるように,時間の経過にともない促進剤が洗い 流され,促進剤の効果がなくなってくると凝縮滴の接 触角が小さくなり,凝縮滴の形は偏平となるので促進 剤の途中供給が必要となる.しかしながら,焼結合金 板の空隙に促進剤を十分に含有させた場合のような方 法を用いることにより,焼結合金板凝縮面があらいの で滑面よりも表面積は増加するために蒸気凝縮におけ る時間経過につれての促進剤の流失を極度に防ぐこと ができ,しかもわずかながらでも促進剤の自然供給と いうことができるので,相当な長時間滴状凝縮を持続 することが可能であろう. 0 032
至利日.﹄一応U望一切画 1.0 <10‐ 0 4 8 1 2 1 6 2 0 2 4 GW,kg/h 図 1 6 蒸 気 側 熱 伝 達 率 と 冷 却 水 流 量 の 関 係 画2.0 ① ① 銅 板 滴 状 膜 状 o 、 焼 結 令 余 板 0 3 鍔雪国E一一画。 1.0 |F
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9 の | の ①8 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 7 号 6 . 結 言 水平下向きの焼結合金面における凝縮時の熱伝達に ついての実験的研究を行なったことより,つぎのよう な結果が得られた. (1)前報で述べた滑面を有する銅製伝熱面におけ る熱伝達の実験結果と同様に,滴状凝縮および膜状凝 縮いずれの場合にも,蒸気凝縮時の熱伝達率は冷却水 流量,蒸気と伝熱板蒸気側表面の温度差および熱負荷 にほとんど関係なくほぼ一定値をとる.そして,滴状 凝縮の蒸気側熱伝達率は膜状凝剛縮の場合に比較して約 4倍も大きい. (2)本実験範囲において,滴状凝縮および膜状凝 縮ともに凝縮面の表面あらさの影響は顕著に認められ ない. (3)脱油焼結合金製伝熱面に凝縮促進剤としてオ レイン酸をうすく塗布した場合は,蒸気凝縮における 時間の経過につれて滴状凝縮の状態が次第にくづれて 膜状凝縮に移行してしまう.しかし,焼結合金板の空 隙にオレイン酸を十分に含有させた場合は,滴状凝縮 状態が相当な長期間にわたって持続するようである. 本研究に際し,援助を受けた田中義弘助教授ならび に玉利賀一助教授および材料を提供して下さった日本 オイレス株式会社に謝意を表わします.また実験に協 力をえた仮屋崎侃,牧田九十九および鯵坂等の諸氏に 感謝します. 文 献 1)E,Schmidt,W・Sch11riglmdW・Sellschopp: VersuchenberdieKondensationvonWasser-dampfinFilm-undTropfenform,Tech・Mech, u,Thermodynamik,1(1930-2),53. 2)T.B.Drew,W、M・NagleandW、QSmithg TheConditionsforDropwiseCondensation ofSteam,Trans.Amer・Inst・Chem、Engrs., 31(1935),605. 3)H・Emmons:TheMechanismofDropCon-densation,Trans.Amer・Inst・ChemEngrs., 35(1939),109. 4)勝田・竹内:凝縮熱伝達の基本的研究(第1報) 滴 状 凝 縮 に お よ ぼ す 凝 縮 面 粗 さ の 効 果 , 日 本 機 械 学会第41期全国大会前刷集No.98(1963-10), 127. 5)石神・松村・他二名:凝縮時の熱伝達に関する 研究(第1報)水平下向きの滑面における凝縮熱 伝達,鹿児島大学工学部研究報告,6(1966-9), 37. 6)A,I・BrownandS.M・Marco:Introduction toHeatTransfer,3rdEdition,(1958),13, McGraw-HillBookCompany,Inc.