2次元コードを利用した情報連結方式
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(2) 2082. 2 次元コードを利用した情報連結方式. 取ることで,機器 ID などを隠蔽し直感的に制御対象の機器を指定できる.ただし,この方. コード6)–8) の構造的連接機能6) に着目した.QR コードの構造的連接機能とは,事前に定. 法では,特定のアクションをユーザが事前に定義し,端末に設定する必要がある.さらに,. められた複数のシンボルを順不同で続けて読み取り,それぞれに含まれるデータを連結し. 正しく端末に入力するためには,設定したアクションに従った動作を行う必要がある. このように,制御対象の機器の指定といった設定の簡単化は,参考文献 3) でも指摘され ているように,だれでも利用できるような環境を構築するために重要である.たとえば,制 御対象の機器を直接指定することができ,かつ “機器からの出力” あるいは “機器への入力” などの制御情報の入力が不要もしくは必要最小限の方法が望まれる. 制御端末としては,日本では携帯端末の普及率が約 9 割. 4). と高いことなどを背景に,携帯. 端末を制御端末として使い,ユーザの周辺にある機器を連携させる研究が行われている5) .. 一連のデータとする機能である.ここでシンボルとは QR コードの白と黒のパターンのこ とである.現在普及している多くの携帯電話では,構造的連接機能に対応した QR コード リーダ機能を備えている.. QR コードの構造的連接機能は,もともと 1 つのデータを複数のシンボルで表現する目的 で設計されており,その仕様から読み取りを行うシンボルは次の条件を満たす必要がある. (条件 1) すべてのシンボルのパリティデータの値は連結後のデータから計算されるパリ ティデータの値と等しいこと.. 携帯端末によって複数の機器を制御する場合,対象となる機器 ID などの情報を取得するこ. ここで,パリティデータとは,連結後のデータを 8 ビットごとに排他的論理和演算を行って. とが必要になるが,携帯端末による情報取得手段としては,ネットワークの構築が不要な,. 得られる値で,構造的連接機能に対応した各シンボルには付加情報として含まれる.. バーコードや 2 次元コードがよく用いられている.. 提案方式では 1 章で述べたように別々の機器 ID などを連結するため,各シンボルの生成. そこで本論文では,ユーザによる機器 ID や機器情報などの省入力化を目的として,2 次. 時に連結後のデータを想定することができない.したがって,各シンボルに含まれるパリ. 元コードに機器 ID などの情報だけではなく当該機器の制御情報も含めたうえで,各機器か. ティデータを事前に計算することもできない.仮に単純に読み取りを行うシンボルのパリ. ら 2 次元コードを読み取り,携帯端末上で被制御機器の情報を連結する方式を提案する.携. ティデータを揃えたとしても,連結後のデータから計算されるパリティデータは,シンボル. 帯端末で連結された機器の制御情報は,たとえば Bluetooth などの通信インタフェースを. に含まれるパリティデータとは異なる確率が高く,異なった場合は QR コードの仕様から. 介して連携させるすべての機器または一部の機器に伝える方法を想定する.被制御機器の情. データの連結ができない.以上から,条件 1,すなわちすべてのシンボルのパリティデータ. 報を携帯端末上で連結することにより,特定のサーバやゲートウェイなどを設置することな. と連結後のデータから計算されるパリティデータとを等しくするためには,連結しようとす. く機器どうしの連携制御ができるようになる.. るデータを調整するなどの処理が必要になる.. 本論文では,2 章において提案方式における制約条件を述べ,3 章では,提案方式の詳細を説. そこで,QR コードの仕様は変更せずにパリティデータの検証が成功するように,新たな文. 明する.4 章では提案方式の実機検証を行い,有効性を示す.最後に 5 章で本論文をまとめる.. 字列を機器 ID などに付加し,追加した文字列を含んだままシンボル化する手法が考えられる. この手法について適用を検討すると,各シンボルにはデータとして使用できる文字の種類. 2. 提案方式における制約条件. を定めたモード指示子が含まれているため,この手法は次の条件を満たす必要がある.. 提案する方式では,1 つの 2 次元コードにおいて,1 つの機器 ID とその機器の制御情報を 含むように符号化する.たとえば,2 つの機器の連携を考えた場合,文字列として “SRCid1 ” と “DSTid2 ” のような情報をそれぞれ 2 次元コード化する.ここで,文字列 “id1 ” および. “id2 ” とは各機器に対応する機器 ID の文字列を示し,文字列 “SRC” および “DST” は各 機器に対する制御情報を示す.たとえば,“SRC” は当該機器から出力する動作を示す.生 成された各 2 次元コードは,それぞれ携帯端末で読み取られ,2 次元コードに含まれる機器. ID および制御情報に従って機器を制御することを想定する. 今回,2 次元コードの連結手法として,複数の 2 次元コードを連結することができる QR. 情報処理学会論文誌. Vol. 51. No. 11. 2081–2088 (Nov. 2010). (条件 2) 付加する文字列は各シンボルに含まれるモード指示子により指定される種類の文 字を使用して構成すること. 本研究では,QR コードの構造的連接機能をそのまま利用するために,前記した 2 つの条 件を満たす方式を開発した.. 3. 提案方式の詳細 提案方式の概要を図 1 に示す.提案方式は,2 章で述べたように,制御情報と機器 ID とが連 結された文字列を各機器においてシンボル化し,携帯端末上でさらに連結するモデルである.. c 2010 Information Processing Society of Japan .
(3) 2083. 2 次元コードを利用した情報連結方式. その機器の制御情報を機器ごとにシンボル化して表示し,携帯端末でそれぞれのシンボルを 読み取り,連結を行う.. 3.1 パリティテキストの生成方法 まず,2 章に示した条件 1 から求められるパリティテキストの要件を以下に示す. 入力する機器 ID の文字列を i,入力するパリティパラメータを pp ,パリティテキスト を pt ,パリティテキスト付き機器 ID の文字列を i ,文字列 s から計算されるパリティ値を. P (s),文字列 s1 と文字列 s2 の連結文字列を A(s1 , s2 ) とすると, i = A(i, pt ) P (i ) = pp となるような pt を求めればよい.. 2 つの式を代入すると, P (A(i, pt )) = pp であり,パリティ値の計算方法から,. P (i) ⊕ P (pt ) = pp 図 1 提案方式の概要 Fig. 1 Overview of the proposed method.. まず,任意の機器 ID の連結を可能にするために,機器 ID にパリティテキストと呼ばれ. となる.ここで,⊕ は排他的論理和演算を示す.パリティ値の計算結果が p である文字列 を P −1 (p) とし,pt で整理すると,. pt = P −1 (P (i) ⊕ pp ). (1). が得られる.. る文字列を連結する.このとき,パリティテキストを含んだ機器 ID のパリティ値(8 ビッ. 以上から,パリティテキストの要件は,「機器 ID のパリティ値とパリティパラメータの. トごとの排他的論理和)が,特定の値(パリティパラメータ)になるようにパリティテキス. 排他的論理和と,パリティテキストのパリティ値が等しくなるように,パリティテキストの. トの文字を選択する.パリティパラメータを機器間で同一になるようにすれば,任意の機器. 文字列を選択する」となる.. ID の連結が可能になる.. ここで,パリティテキストは,QR コードの仕様で許容されている入力文字列とする必要. 制御情報には,対象となる機器の機能に従った適当な文字列を事前に割り当てる.また,. があり,制御文字などを含まないようにする必要がある.また,QR コードの仕様により,. 機器制御は,あらかじめ決めた制御情報の組合せによって実現されると想定する.したがっ. シンボルに含めることができる文字列の長さ(データサイズ)が制限されていることから,. て,制御情報のパリティ値は事前に計算することができる.たとえば,2 章の例では,制. データ領域の有効利用のために,パリティテキストはできるだけ短い方がよい.. 御情報は “SRC” と “DST” であり,これらを合わせた文字列 “SRCDST” のパリティ値は. 0x01 となる.提案方式では,シンボルに制御情報と機器 ID とパリティテキストが含まれ. 本節では,以上の要件を満足するパリティテキストの生成方法について,2 章に示した条 件 2 を考慮して 2 つ提案し,考察する.. ることから,各シンボルに設定すべきパリティデータはあらかじめ決定できる.すなわち,. 3.1.1 汎用的なパリティテキストの生成方法. パリティデータは,最終的に連結するシンボルに含まれるすべての制御情報のパリティ値. 式 (1) で算出したパリティテキストのパリティ値(右辺の P −1 ( ) の引数)は,8 ビット. と,機器 ID 数分のパリティパラメータの排他的論理和演算の結果である. 被制御機器では,得られたパリティデータ,パリティテキストを付加した機器 ID および. 情報処理学会論文誌. Vol. 51. No. 11. 2081–2088 (Nov. 2010). であることから {0x80, 0x40, 0x20, 0x10, 0x08, 0x04, 0x02, 0x01} のうち所要な項の排他的 論理和で表現できる.そこで,各項の値と同一のパリティ値を持つ文字列(以下,構成文字. c 2010 Information Processing Society of Japan .
(4) 2084. 2 次元コードを利用した情報連結方式 表 1 QR コードの各モードに対応する P (i) がとりうる範囲 Table 1 Ranges of parity values for each mode of QR Code.. 0x01 と表し,各項に対応する構成文字列 {P −1 (0x80), P −1 (0x20), P −1 (0x10), P −1 (0x01)} を用意し,パリティテキストとして “P −1 (0x80) P −1 (0x20) P −1 (0x10) P −1 (0x01)” となる文字列を構成する.ここで, は文字列を連結する演算子を示す.一方,英数字モー ドと数字モードについては,パリティテキストのパリティ値を排他的論理和で表現したとき, それぞれ 0x80,{0x80, 0x40} の項を持たないので,その項に対応する構成文字列を用意す る必要がない.また,数字モードでは,QR コードの文字コードの制約から,P −1 (0x10) お よび P −1 (0x20) に対応する文字列の文字コードがないが,表 1 から上位 4 ビットは 0x0 か. 0x3 であるので,P −1 (0x30) で代用できる. 表 2 QR コードの各モードに対応する構成文字列の集合 Table 2 Elements of characters for adjusting parity value for each mode of QR Code.. 3.1.2 機器 ID を数字に限定した場合 前項において,数字モードのパリティテキストは最大 5 つの文字列から構成されること を示した(表 2).本項では,パリティテキストの最大文字列長をさらに短く構成する方法 を提案する.. QR コードの仕様より,数字 “0”∼“9” の 8 ビット符号は 0x30∼0x39 であることから, パリティテキストのパリティ値は,上位 5∼8 ビット目は機器 ID によらず固定であるため 無視でき,4 ビット目を数字 “0”,“8”,1∼3 ビット目をまとめて数字 “0”∼“7” で構成で きる.よって,機器 ID を数字で構成する場合は,パリティテキストを 2 桁の数字で表現で きる.本手法は,英数字モードにおいて機器 ID に数字のみを利用する場合にも適用でき, 同様の効果が得られる.. 3.2 シンボルの生成方法 列)を用意し,それらの構成文字列を連結してパリティテキストとする方法を提案する.. QR コードの仕様において,入力可能な文字の種類は,8 ビットバイトモード,漢字モー ド,英数字モードおよび数字モードの 4 つのモードに分かれており,QR コードの生成パラ メータの 1 つであるモード指示子により指定する.そこで,4 つのモードに関して,パリ ティテキストの生成方法について考察した. 各モードにおける機器 ID のパリティ値のとりうる範囲は,QR コードの文字コード仕様 から算出できる.その算出結果を表 1 に示す.本方式は,パリティテキストを付加した機. パリティテキストを付加した機器 ID と制御情報を入力文字列として,QR コードの構造 的連接機能を使用しシンボルを生成するフローを図 2 に示す. 具体的な生成手順の詳細を以下に示す. 【QR コードシンボルの生成手順】. (1) 機器 ID・パリティパラメータを入力し,機器 ID を調整する. (2) (1) で得られたパリティテキスト付き ID に制御情報を付加する. (3) (2) で得られた文字列を入力文字列として,QR コードを生成する.. 器 ID のパリティ値を固定値にする方式であるから,排他的論理和の性質より,パリティテ. QR コード生成パラメータとは,構造的連接機能を用いてシンボルを生成する際に必要と. キストが持つべきパリティ値も表 1 の範囲となる.そこで,パリティパラメータを表 1 の. なるパラメータであり,パリティデータ,連結順序,連結数や文字コードの種別(モード指. 範囲で設定すれば,パリティテキストを構成できることが分かる.. 示子)である.ここで,連結数は事前に決定し,連結する各シンボルに同じ値を設定する必. 表 2 に,各モードに対する構成文字列の集合を示す.たとえば,8 ビットバイトモードにお いて,パリティテキストのパリティ値を 10110001 とする場合,この値を 0x80⊕0x20⊕0x10⊕. 情報処理学会論文誌. Vol. 51. No. 11. 2081–2088 (Nov. 2010). 要がある. 本方式は,機器 ID などの入力文字列を調整し,既存の QR コードの構造的連接機能を仕. c 2010 Information Processing Society of Japan .
(5) 2085. 2 次元コードを利用した情報連結方式. 図 3 実験装置の概要 Fig. 3 Block diagram of receivers for the experiment.. Fig. 2. 表 3 実験した QR コードの主なパラメータ Table 3 Parameters of QR Code for the experiment.. 図 2 シンボル生成フロー Flowchart of the proposed method.. 様変更することなく使用する.市販品のカメラ付き携帯電話の多くは,QR コードの構造的 連接機能を備えており,本方式で生成したシンボルを読み取ることができる.また,構造的 連接機能により 16 個までの機器 ID を連結でき,それらのシンボルを順不同で読み取るこ とができる.. 4. 提案方式の検証. 利用できるため,今回の検証にあたってはこの環境を採用した.. 4.1 実 機 検 証. 本検証では,2 台の受信機間で映像音声信号などを入出力させる連携を想定する.出力用. 本方式の有効性を示すために,本方式による BML(Broadcast Markup Language)プ ログラムを市販のデジタル放送受信機で動作させ,シンボルを表示し,市販のカメラ付き携. 受信機と入力用受信機を 2 台ずつ用意し,任意の入出力の組合せにより全 4 通りの連携で 検証を行った.. 帯電話で読み取る実機検証を行った.現在のデジタル放送受信機には QR コードを生成す. 図 3 に,実験装置の概要を示し,表 3 に実験した QR コードの主なパラメータを示す.. る機能は搭載されていないが,筆者らはすでに BML を使って QR コードを生成するプロ. ここで,制御情報については,出力用受信機とするために受信機 1 および 3 に “SRC” を,. 9). グラムを開発しており ,今回はこれを利用した.また,デジタル放送受信機には限定受信 用の IC カードが使われており,BML から IC カード番号(10 進 20 桁)を機器 ID として. 情報処理学会論文誌. Vol. 51. No. 11. 2081–2088 (Nov. 2010). 入力用受信機とするために受信機 2 および 4 に “DST” を設定した. また,パリティテキストの生成方法は,IC カード番号がすべて数字であることから,3.1.2 項. c 2010 Information Processing Society of Japan .
(6) 2086. 2 次元コードを利用した情報連結方式 表 4 パリティテキスト Table 4 Characters for adjusting parity value.. 4.2 パリティテキストの構成文字列の検討 3.1.1 項でパリティテキストの生成方法を述べ,パリティテキストが持つべきパリティ値 について示した.実際に,本方式を利用するためには,QR コード仕様の文字コードテーブ ルから,所望のパリティ値を持つ文字列を選び出す必要がある.その際,パリティテキスト の文字列長を短くしたいので,選び出す文字列の文字数は少ない方がよい.そこで,8 ビッ トバイトモード,漢字モード,英数字モードおよび数字モードの各々のモードにおいて,で きる限り少ない文字数となるパリティテキストの構成文字列について検討した.. QR コードにおける文字コードの仕様から,モードごとに文字コードの性質を考慮して整 理すると,構成文字列は次の考え方で選択すればよい. (8 ビットバイトモード) 構成文字列のパリティ値が 0x40 と 0x20 の場合は 1 バイト文字 とし,それ以外の場合は 1 バイト文字コードで 1 文字を割り当てることができないの で,シフト JIS コードで 1 文字とする. (漢字モード) すべて,シフト JIS コードで 1 文字とする. (英数字モード) 1 バイト文字コードの “@”(0x40)が利用できないため,構成文字列の パリティ値が 0x20 の場合についてのみ 1 バイト文字コードで 1 文字とする.それ以外 については,パリティ値が 0x40 を除き 1 バイト文字コードで 2 文字とする.パリティ 値が 0x40 については,1 バイト文字コードで 2 文字では構成できないため,3 文字と する. (数字モード) 使用可能な文字の種類が英数字モードのサブセットであるため,構成文字列 Fig. 4. 図 4 出力シンボル(機器 ID が数字の場合) Symbols output from receivers (ID is numeric).. のパリティ値が 0x30 以外の場合は英数字モードと共通の構成文字列を利用する.パリ ティ値が 0x30 の場合は,1 バイト文字コードで 1 文字とする. 表 5 および 表 6 に,考案した方法を用いて選択したパリティテキストの構成文字列の例. で提案した手法を適用した.表 4 に,今回使用したパリティテキストを示す.. を示す.構成文字列の 2 バイト文字コードはシフト JIS コード10) である.提案方式は,こ. 図 4 に受信機に表示された QR コードの出力シンボルを示す.シンボルに含まれる文. れらのパリティテキストの構成文字列を使うことにより,英数字表現が一般的な機器 ID の. 字列は,どの受信機も “制御情報 + 機器 ID + パリティテキスト” となっている.それぞ. 連結だけでなく,漢字などの 2 バイト文字コードを含む機器の詳細情報の連結も可能な方式. れ “機器 ID + パリティテキスト” のパリティ値は設定したパリティパラメータ 0x0F で. である.. 一致しており,全 4 通りの読み取りシンボルの各組合せにおいて連結後のパリティデー. 表 5 および表 6 に示す構成文字列を確かめるために,構成文字列と機器 ID 以外は 4.1 節. タが 0x01 となり設定値と一致する.市販のカメラ付き携帯電話で各受信機に表示され. と同じ条件で検証を行った.機器 ID としては,10 進 20 桁の IC カード番号を 16 進 17 桁. たシンボルを連続して読み取ると,たとえば受信機 1 と受信機 2 の組合せでは文字列. に変換したものを用いた.. “SRC0000320104123552118001DST0000320113814434064203” が得られ,正しく連結す ることを確認できた.. 情報処理学会論文誌. Vol. 51. 図 5 に,受信機に表示された QR コードの出力シンボルを示す.このシンボルを市販の 携帯電話で読み取り,正しく連結することが確認できた.. No. 11. 2081–2088 (Nov. 2010). c 2010 Information Processing Society of Japan .
(7) 2087. 2 次元コードを利用した情報連結方式. 表 5 パリティテキストの構成文字列の例(数字モード以外) Table 5 Instance of elements of characters for adjusting parity value for each mode of QR Code (excluding numeric mode).. 図 5 出力シンボル(機器 ID が英数字の場合) Fig. 5 Symbols output from receivers (ID is alphanumeric).. を行うなどの必要があるが,この方式については,たとえば既存の DLNA の利用が考えら れる. Table 6. 表 6 パリティテキストの構成文字列の例(数字モード) Instance of elements of characters for adjusting parity value for numeric mode of QR Code.. また,本方式は,連結された文字列全体を URL(Uniform Resource Locator)とすれば, 特定のサーバやゲートウェイなどを利用するモデルにも適用することが可能となる.. 5. お わ り に 本論文では,ユーザによる機器 ID や機器情報などの省入力化を目的として,2 次元コー ドに機器 ID などの情報だけではなく当該機器の制御情報も含めたうえで,複数の 2 次元 コードを読み取り,携帯端末上で制御する機器の情報を連結する方式を提案した.提案方式 では,QR コードの仕様にある構造的連接機能の利用を前提に,機器 ID にパリティテキス トを付加する方法とした. 本提案方式による QR コード生成・表示プログラムを BML で実装し,デジタル放送受信 最後に,連結した文字列による機器制御について,簡単に論じる.1 章で述べたように,. 機に表示されたシンボルを市販の携帯電話で読み取り,正しく連結できることを確認した.. 本論文では特定のサーバやゲートウェイを介した機器制御は想定していない.そのため,携. また,QR コードの仕様で規定されるすべての文字の種類に対応したパリティテキストの生. 帯端末と被制御機器間とは,マルチキャスト通信もしくはブロードキャスト通信で結ばれて. 成方法を示した.. いることを想定する.たとえば,Bluetooth や Wi-Fi のマルチキャスト通信のペイロード. 本方式は QR コードの仕様の範囲内で実現できるので,現在普及している多くのカメラ. に携帯端末上で連結された文字列を重畳して送信し,被制御機器では機器 ID によるフィル. 付き携帯電話に搭載された QR コードリーダを用いることができ,だれもが利用しやすい. タリングで自機器への制御情報を解釈する方式などが考えられる.実際の機器制御につい. 操作環境を低コストに構築することができると考えている.. ては,被制御機器間で映像音声信号などを送受するためのリンクを生成し,セッション管理. 情報処理学会論文誌. Vol. 51. No. 11. 2081–2088 (Nov. 2010). c 2010 Information Processing Society of Japan .
(8) 2088. 2 次元コードを利用した情報連結方式. 参. 考. 文. 川喜田裕之(正会員). 献. 2004 年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了.同年 NHK に. 1) DLNA. http://www.dlna.org/home 2) 増井俊之,椎尾一郎,福地健太郎:紙 GUI による情報家電制御,第 59 回情報処理学 会全国大会特別セッション (1) 講演論文集,pp.73–74 (1999). 3) 前田和貴,曽根裕文:ネット家電時代のホームネットワークと携帯電話の連携,信学 技報,AP2004-282, pp.19–24 (2005). 4) 総務省情報通信統計データベース. http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/tsuushin02.html 5) 毛利隆夫,福田茂紀,竹間 智:ユーザを中心とした携帯電話・情報家電連携,Fujitsu, Vol.58, No.2, pp.129–134 (2007). 6) 日本工業標準調査会(JISC):二次元コードシンボル―QR コード―基本仕様書,JIS X0510:2004 (2004). 7) 長屋隆之,山崎知彦,原 昌宏,野尻忠雄:高速読み取り対応 2 次元コード [QR コード] の開発,1996 年情報処理学会全国大会,Vol.52, No.2, 4G-11, pp.2.253–2.254 (1996). 8) 原 昌宏:QR コードの開発,自動車技術,Vol.62, No.1, pp.59–64 (2008). 9) 川喜田裕之,西本友成,石川清彦,今泉浩幸,佐藤義胤,前田幹夫,井上友幸:個別 QR コード生成 BML プログラムの開発,映情技報,Vol.33, No.9, pp.9–12 (2009). 10) 日本工業標準調査会(JISC):7 ビット及び 8 ビットの 2 バイト情報交換用符号化漢 字集合,JIS X0208:1997 (1997).. 入局.広島放送局を経て,2007 年より放送技術研究所に勤務.現在,放 送技術研究所次世代プラットフォーム研究部にて,放送と通信の連携技術 の研究に従事.映像情報メディア学会会員.. 西本 友成. 1996 年熊本大学大学院工学研究科修士課程修了.同年 NHK に入局. 熊本放送局を経て,1999 年より放送技術研究所に勤務.放送コンテンツ の権利保護技術,アクセス制御技術の研究に従事.現在,放送技術研究所 次世代プラットフォーム研究部専任研究員.博士(工学).映像情報メディ ア学会,IEEE 各会員. 井上 友幸(正会員). 1981 年電気通信大学電波通信学科卒業.1983 年同大学院電気通信学 研究科修了.同年 NHK 入局.大阪放送局を経て 1986 年より放送技術研. (平成 22 年 1 月 25 日受付) (平成 22 年 9 月 17 日採録). 究所勤務.1999 年より営業局受信技術センター,技術局計画部を経て,. 2009 年より放送技術研究所次世代プラットフォーム研究部主任研究員.現 在,CAS(限定受信),RMP を中心にセキュリティ関係の研究に従事.映. 推 薦 文. 像メディア学会会員.. QR コードの連接機能を用いて複数のデバイス間の連携を図る取り組みで,QR コードの 仕様と放送とテレビという環境制約を適切に解決する有用な提案である.ユビキタスコン ピューティングの実用化を目指した研究事例として高く評価できる. (マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム プログラム委員長 土井美和子). 情報処理学会論文誌. Vol. 51. No. 11. 2081–2088 (Nov. 2010). c 2010 Information Processing Society of Japan .
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