<論説>公共投資の一手段としての公的住宅建設--1965~1998年度まで
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(2) 蝿. 塞㌦ち、 ・^曾'ド9. 近畿大学法学. 第55巻第1号. 設 計 画 法 が 廃 止 され,新 た に住 生 活 基 本 法 が 公 布 施 行 され た。 これ らの う ち,「 独 立 行 政 法 人 住 宅 金 融 支 援 機 構 法」 は,新 た に民 間 の 住 宅 金 融 支 援 を 主 な 任 務 とす る独 立 行 政 法 人 を 設 立 しよ う とす る もの で あ るが,そ れ に伴 って,長 年 に亘 って わ が 国 の 住 宅 政 策 を 支 え て き た 住宅 金 融 公 庫 は廃 止 され る こ と とな った 。 更 に,こ れ らの 法 改 正 に先 行 して,わ が 国 の 住 宅 政 策 を 支 え て き た三 本 柱 の 他 の 二 本 も抜 本 的 な 改 革 を 経 験 して い る。 ま ず,1955年 日本 住 宅 公 団 で あ るが,1981年 市 基 盤 整 備 公 団 へ,そ. に 設 立 され た. に は住 宅 ・都 市 整 備 公 団 へ,1999年. には都. して2004年 には 都 市 再 生 機 構 へ と,三 度 の機 構 改 革. を 経 験 して い る。 設 立 当 初 は,「住 宅 公 団 は住 宅 供 給 の 機 関 で あ って,新 都 市 開 発 公 団 で は な い」ω とい う嘆 き声 が 内部 か ら聞 こえ て くる ほ ど,住 宅 建 設 を 中 心 的 な 役 割 と して い た 日本 住 宅 公 団 で あ った が,1999年. にはその. 名 称 か ら 「住 宅 」 の2文 字 が 外 され る こ と とな った。 更 に,こ の 変 更 は 名 称 に留 ま る もの で は な く,住 宅 供 給 とい う役 割 そ れ 自体 か ら,大 幅 な 後退 を 余 儀 な くされ て い る。 まず,都 市 基 盤 公 団 へ の 機 構 改 革 の 際 に は,分 譲 住 宅 に 関 して は 「再 開 発 等 に 伴 い 必 要 な もの を 除 き」(2)撤 退 す ること とさ れ た 。 更 に,都 市 再 生 機 構 へ の 機 構 改 革 に よ り,新 規 に 宅 地 を取 得 した上 で の 賃 貸 住 宅 の 供 給 も原 則 的 に行 わ な い と され た の で あ る。 ま た,1951年 に法 制 度 化 され た 公 営 住 宅 に 関 して も,1996年. の 抜 本 的 な 法 改 正 に よ り,. 地 方 自治 体 が 直 接 供 給 す る とい う性 格 は 薄 め られ て い る。 わ が 国 の 住 宅 政 策 は,住 宅 建 設 計 画 法 を 中心 に,公 営 住 宅,公 庫 住 宅 お よ び公 団 住 宅 の 三 本 柱 が 実 働 部 隊 を 担 う とい う体 制 で進 め られ て き た が, 20世 紀 末 か ら21世 紀 初 頭 にか けて,こ う した 抜 本 的 な 改 革 を 経験 した の で (1)大. 久 保 昌 一 「シ ョ ッピ ン グセ ン ター の 計 画」(『国 際 建 築 』,第26巻 第4号)60. 頁。 (2)椿. 真 吾 「都 市 基 盤 整 備 公 団 の 設 立 一 住 宅 。都 市 整 備 公 団 の改 革 一 」(『都 市. 計 画 』,第48巻 第4号)96頁. 。 一74一.
(3) 公共投 資の一手 段 としての公 的住宅 建設 あ る。 この よ うな 大 改 革 につ い て,本 間義 人 は,「戦 後 住 宅政 策 は つ い に 終 焉 を告 げ ま した」③ とひ と言 で ま と め て い る。 この 表 現 に,肯 定 的 評 価 が 含 まれ て い な い こ と は明 白で あ る。 わ れ わ れ と して も,最 終 的 に は,今 次 の 改革 に 対 す る一 定 の 評 価 を な し て み た い と い う思 い は持 って い る。 た だ,そ. う した 評 価 を な す前 に,な ぜ. この 時 期 に大 改 革 が な され る こ とに な った の か とい う疑 問 に,ま ず は 答 え て お きた い。 何 故 か とい え ば,戦 後 の 住 宅政 策 の 枠 組 み は,高 度 成 長 の 時 期 に は意 味 が あ った が,既 明 で は,し. にそ の 役 割 は 終 え て い る とい うあ りき た りの説. っ く りこな い と こ ろが あ るか らで あ る。 今般,住 宅 政 策 が 大 改. 革 を必 要 と した 理 由 につ い て,公 的 に は い くつ か の 見 解 が 示 さ れ て い る が,そ の い ず れ もが 十 分 な 説 得 力 を 持 つ とは 感 じられ な い の で あ る。 今 般 の 大 改 革 を 必 要 とす る理 由 に 関 す る公 的 見 解 は,ま ず,住 生 活 基 本 法 案 の 提 案 理 由 と して 示 さ れ て い る。 同法 案 は 内 閣 提 出 法 案 で あ っ た た め,北 側 国 交 相 が 提 案 理 由 を 説 明 して い るが,そ. こで は,. 近 年 の 急 速 な 社 会 経 済 情 勢 の 変 化 に 応 じて,現 在 と将 来 に お け る国 民 の 豊 か な 住 生 活 を 実 現 す るた め に は,住 宅 の 量 の 確 保 を 図 る これ ま で の 政 策 か ら,住 宅 セ ー フテ ィー ネ ッ トの 確 保 に 配 慮 し,健 全 な 住 宅 市 場 の 環 境 整 備 と,居 住 環 境 を 含 む 住 宅 ス トッ クの 質 の 向 上 を 図 る政 策 へ と本 格 的 な 転 換 を 図 り,新 た な 住 宅 政 策 の 基 本 とな る制 度 を 構 築 す る こ とが 大 きな 課 題 とな って お りますω と述 べ られ て い る。 また,同 法 を は じめ とす る一 連 の 改 革 の 基 本 的 方 向 性 を 示 した 社 会 資 本 整 備 審 議 会 の 「新 た な 住 宅 政 策 に対 応 した 制 度 的 枠 組 み に つ い て 」 に よ れ. (3)本 間 義 人 『ど こへ行 く住 宅 政 策:進 む市 場 化,な くな る居 住 の セ ー フテ ィネ ッ ト』(東 信 堂,2006年)3頁 (4)2006年4月14日. 。. 衆議院国土交通委員会。 一75一.
(4) 近畿大学法学. 第55巻第1号. ば,新 た な 住 宅 政 策 の 枠 組 み の 方 向 性 と して,「(1)人 口 ・世 帯 減 少 社 会 の 到 来 と将 来 の 住 宅 需 要 」,「(2)特殊法 人 改革 の進 展 」,「(3)地域 の主 体 性 の発 揮 に 向 け た 改 革 の進 展」 お よ び 「(4)事 業量 確 保 に重 点 を 置 い た公 共 事 業 長 期 計画 の 見直 し」 の4点 を挙 げ て い る。 こ れ らの うち,(1)が 先 に 引用 した 北 側 国交 相 の提 案 理 由 の説 明 に通 じる もの で あ る と い え よ う。 す な わ ち, 住 宅 が量 的 に充 足 す る一 方 で,将 来 人 口 も世 帯 も増 加 が見 込 め な い こ とか ら,住 宅 政 策 の転 換 を 図 る必 要 が あ る と い う説 明 で あ る。 だが,こ. う した説 明 に対 して は,素 朴 な疑 問 が 生 じる。 と い うの も,住. 宅 政 策 の 領 域 に お い て は,「 量 か ら質 へ の転 換」 の 必 要 性 は,既 に30年 以 上 前 か ら指 摘 され て いた か らで あ る。 わ が 国 で は,1948年 住 宅 統 計 調 査 が 実 施 され て い るが,1973年. か ら5年 お き に. に実 施 され た 住 宅 統 計 調 査 に お. いて,全 都 道 府 県 にお い て 住 宅 戸 数 が世 帯 戸 数 を上 回 る状 況 が 明 らか に さ れ て い た の で あ る。 そ して,こ が,1976年. う した状 況 の変 化 を踏 ま え て作 成 され た の. 度 を 初年 度 とす る第三 期 住 宅 建 設 五 箇 年 計 画 で あ った。 同計 画. で は,「 最 低 居 住 水 準 」 と 「平 均 居 住 水 準 」 と い う二 つ の 概 念 を 新 た に創 出 し,わ が 国 の住 宅 政 策 の方 向性 を質 の 向上 へ と転 換 す る こ とを示 した の で あ る。 よ って,単 に 「住 宅 の量 の確 保 を図 る これ まで の 政 策 か ら」 転 換 しな け れ ば な らな い とい うこ と だ けで は,政 策 転 換 の 必 要 性 の 論 拠 と して は,や や 説 得 力 を欠 く もので あ る と いえ る。 また,社 会 資 本 整 備 審 議 会 の 挙 げ て い る(2)の理 由 に して も,た とえ ば 〔 住 宅 金 融 公 庫 は〕 「戦 後 の 復 興 期 に 誕 生 した もの で,当 時 は 確 か に 存在 意 義 が あ った」が,「民 間 の 金融 機 関 〔の〕 … … 個 人 向 け の 融 資 が 行 わ れ る時 代 に は 必 要 な い」(5)と 説明 されて も. ,戦. (5)猪. 瀬 直 樹 『日本 病 の カル テ. 究所,2002年)18頁. ー 気 にわ か る!住 宅 金 融 公 庫 廃 止 論 』(PHP研. 。 一76一.
(5) 公共投資 の一手段 と しての公 的住宅建設 後 復興 期 な ど と っ くに終 わ って い るはず で あ り,な ぜ 今 に な って改 革 しな けれ ば な らな い の か とい う点 に つ い て は,十 分 な説 得 力 を もつ もの で は な いo そ こで,社 会 資 本 整 備 審 議 会 の挙 げ て い る三 番 目の根 拠 につ い て吟 味 し て み た い。 同答 申 で は,こ. う した方 向性 に沿 う改 革 と して,具 体 的 に2005. 年 に制 定 され た地 域 住 宅 交 付 金 制 度 を挙 げて い る。 こ の制 度 は,同 年 に制 定 され た地 域 住 宅 特 別 措 置 法 に基 づ い て創 設 され た もの で あ り,そ の枠 組 み を簡 単 に説 明す れ ば以 下 の通 りで あ る。 まず,地 域 住 宅 交 付 金 は,地 域 住 宅 計 画 を策 定 した地 方 自治 体 に対 して 交 付 さ れ る もの で あ る。 そ して,こ の 地 域 住 宅 計 画 にお い て は,「① 住 宅 計 画 の 目標 」,「②. 地域. ① の 目標 を達 成 す る ため に必 要 な公 的 賃 貸 住 宅 等. の整 備 及 び公 共 公 益 施 設 の整 備 に関 す る事 業 」 お よ び 「③. ② の 事 業 と一. 体 とな って そ の効 果 を増 大 させ る た め に必 要 な 事 業 又 は事 務 」 を 記 載 す る こ と とされ て お り,こ れ らの うち② の 事 業 は 「基 幹 事 業 」 と,③ の 事 業 及 び事 務 は 「提 案 事 業 」 と呼 ばれ て い る。 で は,こ の両 者 の 事 業 が どの よ うな もの で あ るか と いえ ば,ま ず 基 幹 事 業 と は,「 地 域 の住 宅 政 策 の た め の 中心 的事 業 で あ」㈲ り,こ の 事 業 単 独 で 補 助 の 対 象 とな る もの で あ る。 また,こ の 事 業 は,従 来 よ り補 助 対 象 事 業 と され て いた 「公 営 住 宅 整 備 事 業 等,住 宅 地 区 改 良 事 業 等,優 良 建 築 物 等 整 備 事 業,住. 宅 市 街 地 総 合 整 備 事 業(密 集 住 宅 市 街 地 整 備 型),都 心 共 同. 住 宅 供 給 事 業,住 宅 市 街 地 基 盤 整 備 事 業 」ω を 統 合 した もの で あ る。 一 方 ,提 案 事 業 とは,「公 的 賃 貸 住 宅 等 又 は 公 共 公 益 施 設 の 整 備 に 関 す る 事 業 と一 体 的 に実 施 され る事 業 で あ って,住 宅 に 関 す る情 報 提 供,相 談 体. ⑥. 地 域 住 宅 交 付 金 研 究 会 編 『地 域 住 宅 交 付 金Q&A』(大 57頁 。. (7)前 掲,57頁 。 一77一. 成 出版 社,2005年).
(6) 近畿 大学法学. 第55巻第1号. 制 の整 備,地 域 に お け る住 宅 産 業 の振 興 な ど の ソ フ ト施 策 や民 間 住 宅 の耐 震 化,バ. リア フ リー化 等 の改 修 な ど,地 方 公 共 団 体 の提 案 に基 づ く事 業 又. は 事 務 」⑧ で あ る。 こ れ らの 事 業 又 は事 務 につ い て は,従 来 は補 助 の 対 象 とさ れ て い な か った が,地 域 住 宅 交 付 金 の制 度 に お いて も,こ の 事 業 等 単 独 で補 助 の対 象 と な る もの で は な い。 た だ し,基 幹 事 業 と組 合 され た 上 で 地 域 住 宅 計 画 に位 置 づ け られ れ ば,一 定 の補 助 の 対 象(9)とな る も の で あ り,活 用 の仕 方 に よ っ て は,総 合 的 な住 宅 市 街 地 の 形 成 に資 す る もの だ と い え よ う。 よ って,こ の提 案 事 業 制度 は,「住 民 が地 域 の あ り方 を決 め,地 域 間競 争 を通 じ,地 域 が 主 体 性 を発 揮 して 生 活 水 準 の 向 上 を 目指 す 『自立 的 な 分 権 社 会 』の 実 現 」⑩ に役 立 つ 可 能 性 を 秘 め て い る とい え る。 更 に,基 幹 事 業 に つ いて も,個 々の 補 助 制 度 が 統 合 され,活 用 しや す くな った とい う点 に つ いて は評 価 す る こ とが で き る。 だ が,こ の 基幹 事 業 につ い て は,従 来 よ り 補 助 の 対 象 とな って いた 事 業 を,単 に 統 合 した に 過 ぎな い もの で あ り,そ こ に大 幅 な進 展 を 見 出 す こ とは で き な い と い う評 価 も可 能 で あ ろ う。 更 に,も う一 点 わ れ わ れ と して 疑 問 に思 うの は,こ れ ら基幹 事 業 の 多 くが, 予 算 措 置 と して 制 度 化 され て い た とい う点 で あ る。 先 に挙 げ た6種 類 の事 業 の う ち,公 営 住宅 整 備事 業 等 は,公 営 住 宅 法 や1993年 に制 定 され た 「特 定 優 良 賃 貸 住宅 の 供給 の 促進 に 関 す る法 律 」(以 後,「特 定 優 良 賃 貸 住 宅 法 」 とす る。)と い った 法 的 根 拠 を 持 つ もの で あ る。 ま た,都 心 共 同住 宅 供 給 事 業 は,「 大 都 市 地 域 に お け る住 宅 及 び住 宅 地 の 供 給 の 促 進 に 関 す る特 別 措 置法 」(以 後,「 大都 市 法 」 とす る。)第101条 の1∼15を. 根 拠 と して実 施 さ. れ て い る。 だ が,こ れ に対 して,た とえ ば住 宅 市 街 地 総 合 整 備 事 業 は,「住 (8)前 掲,51頁. 。. (9)地 域 住 宅 交 付金 の概 要 につ い て は,前 掲,7∼10頁 ⑩. を参 照 の こ と。. 社 会 資本 整 備 審 議 会 「新 た な 住 宅 政 策 に 対 応 した 制 度 的 枠 組 み に つ い て」(住 宅 法 令 研 究 会 編 『逐 条 解 説. 住 生 活 基 本 法 』,ぎ ょうせ い,2006年)189頁 一78一. 。.
(7) 公共投 資の一手段 としての公的住宅建設 宅 市 街地 総 合整 備事 業 要 綱」 を根 拠 と して行 わ れ る もの で あ り,法 的根 拠 は 有 して い な いQ で は,な ぜ こ う した事 業 が法 的根 拠 を持 つ こ とな く これ ま で実 施 さ れ て き た の で あ ろ うか。 あ る行政 官 の発 言 が,こ の点 に 関す る手 掛 か りを与 え て くれ る。 上 記6種. 類 の うち,「 住 宅 市 街 地 総 合 整 備 事 業 」 は,2004年. に. 「従 来 の住 宅 宅 地 関 連 公 共 施 設 等 総 合 整 備 事 業 につ い て,旧 住 宅 市 街 地 整 備総 合 支援 事 業 及 び 旧 密 集住 宅 市 街 地 整 備 促 進 事 業 の実 施 地 区以 外 に係 わ る事 業 と して」°D再編 され た もの で あ る。 更 に こ の 「住 宅 宅 地 関 連 公 共 施 設 等総 合 整 備 事 業 」 の ル ー ツ を探 る と,1978年. に導 入 さ れ た 「住 宅 宅 地 関. 連 公共 施 設 整 備 促 進 事 業」 ま で遡 る こ とが で き る。 そ して,こ の制 度 の導 入 の い き さつ に つ い て,当 時 旧建 設 省 住 宅 局 長 で あ った救 仁 郷 斉 は,以 下 の よ うに 回顧 して い る。 す な わ ち, そ れ か ら53年 度 予 算 は非 常 に特 徴 的 な予 算 で,こ の と きが 景 気 対 策 の ピー クで した 。 一 般 公 共 事 業 は34。5%伸 び た ん で す が,こ の 辺 か ら 赤 字 国債 を 出 し始 め た の で は な い か と い う感 じが して る ん です 。 こ の と き も,一 般 公 共 が34.5%だ. か ら,住 宅 対 策 費 もや は り ど う して も. 34%伸 ば さ ざ るを 得 な い とい う事 態 に な って い ま した。 と ころ が,一 般 会 計 の親 玉 は公 営 住 宅 だ った ん です が,こ の年 もま だ 依 然 と して公 営 住 宅 は な か な か 建 設 が 進 ま な い わ け で す よ。 だ か ら,ど う して34%を 確 保 しよ うか とい うこ と で大 蔵 省 と もい ろ い ろ頭 を ひ ね って始 ま った の が,住 宅 宅 地 関連 公 共 施 設 整 備 促 進 事 業 なん で す よ。 住 宅 対策 費 を34%伸. ば さ な い とい か ん け れ ど も,そ のつ け よ う. が な い わ け で す。 結 局,住 宅 対 策 費 と して促 進 事 業 に300億 つ い た わ. aD国. 土 交 通 省HP. 〈http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/03takuchi.html> 一79一.
(8) 近畿大学法学. 第55巻第1号. けで す ⑫。 この 救 仁 郷 の 発 言 か ら言 え る こ と は,少 な くと も旧 大 蔵 省 と旧 建 設 省 の 行 政 官 は,公 的 な 住 宅 建 設 等 を 公 共 投 資 な い しは 景 気 対 策 の 手 段 と して 位 置 づ け る視 点 も持 って いた と い う こ とで あ る。 な る ほ ど,公 営 住 宅 は 「健 康 で 文 化 的 な 生 活 を 営 む に足 りる住 宅 を … … 住 宅 に困 窮 す る低 額 所 得 者 に 対 して低 廉 な 家 賃 で 賃 貸 す る」(公 営 住 宅 法 第1条)も. の で あ り,社 会 政. 策 あ る い は福 祉 政 策 と して の 性 格 を 有 して い る。 だ が,住 宅 とい う建 築 物 が 建 築 され,そ れ が そ の 後 国 民 の 利 用 に長 期 間 供 され る とい う側 面 を 重 視 す れ ば,住 宅 政 策 に は公 共 投 資 と して の 側 面 もあ る。 更 に,公 共 投 資 で あ る以 上,住 宅 の 建 設 を 通 じて,景 気 を 刺 激 す る こ と も可 能 で あ る。 この よ う に,中 央 政 府 の 行 政 官 が 公 的 住 宅 建 設 を 公 共 投 資 や 景 気 対 策 と して 位 置 づ け る視 座 を 有 して い た とす るな らば,我. 々 もそ れ を 共 有 す る こ. と で,何 か 新 た な 発 見 を す る こ とが で き る か も しれ な い。 そ こで 本 稿 で は,住 宅 政 策 を 公 共 投 資 と景 気 対 策 の 一 手 段 と して 位 置 づ け る こ とで,何 が 見 え て くるか につ い て 考 察 して い くこ とに す る。 本 論 に 入 る前 に,分 析 の 枠 組 み を あ る程 度 明 確 に して お く こ と に しよ う。 第 一 に,分 析 す る時 期 で あ るが,中 央政 府 が景 気 を コ ン トロー ル す る 手 段 と して 財 政 を 用 い る よ うに な った の が1965年 度 予 算 か らで あ る と され て い る こ とか ら,こ れ 以 降 を 分 析 の 対 象 と し,終 了 の 時 期 は事 前 に は確 定 しな い こ と にす る。 第 二 に,本 稿 で は,公 共投 資 あ るい は 景 気 対 策 を実 施 す る意 図 を 持 つ の は,中 央 政 府 で あ る と想 定 す る。 中央 政 府 が,公 共 投 資 の 拡 大 あ るい は 景 気 対 策 の 実 施 を 意 図 し,そ れ を実 現 す るた め の 手段 と し て 公 的 住 宅 建 設 を 用 い る とい う図 式 を採 用 す る こ とに す る。 つ ま り,公 的 住 宅 建 設 は,中 央 政 府 に と って の 手 段 とい う位 置 づ け に な る。 な お,本 稿 で は,公 的 住 宅 建 設 を 「公 的 主 体 が 直 接 的 に,あ. るい は 補 助 等 を与 え る こ. a2)『 昭 和 の 住宅 政 策 を 語 る』(日 本住 宅 協 会,1992年)146頁 一80一. 。.
(9) 公 共 投 資 の 一 手 段 と して の公 的 住 宅 建 設. とで建 設 す る住 宅 」 と定 義 す る が,主 に対 象 とす る の は住 宅 政 策 の三 本 柱 た る公 営 住 宅,公 庫 住 宅 及 び公 団住 宅 とす る。 なぜ こ の三 つ を取 り上 げ る か と い え ば,こ れ らが 日本 の住 宅 政 策 の 中枢 を担 って き た と い う こ と もあ る が,こ れ に加 え て,本 稿 が 対 象 とす る時 期 の 始 ま りで あ る1965年 の 段 階 で,制 度 化 され て い た のが こ の三 つ だか らで も あ る。. 2。 制 度 的 配 置. 上 で 述 べ た よ う に,中 央 政 府 が,公 共投 資 の 拡 大 を通 じた 景 気 対 策 の た め に,公 的 住 宅 建 設 を 手 段 と して 用 い る とい う観 点 か ら分 析 を 行 うの が 本 稿 の 主 旨で あ る。 公 共 投 資 の 拡 大 を通 じて景 気 対策 を実 施 す るた め に は, 中 央 政 府 が そ れ を 意 図 し,投 資額 を 決 定 し,そ れ に必 要 な歳 出 を準 備 す る こ とが必 要 で あ るが,そ れ だ けで は 不 充分 で あ る。 そ れ が現 実 の もの とな るた め に は,「公 共 」的 な施 設 等 が実 際 に建 設 され る こ とが必 要 で あ る。 仮 に,中 央 政 府 が そ れ らの施 設 を直 接 的 に建 設 ま た は整 備 す る こ とが で き, か つ,そ の建 設 等 が 種 々の要 因 に よ って制 約 され な い とす れ ば,中 央 政 府 は 自 らが意 図 す るま ま に公 共 投 資 の拡 大 を通 じた景 気 対 策 を行 う こ とが で き るで あ ろ う。 と ころ が,住 宅 政 策 に つ い て は,こ. う した条 件 は成 立 しな か った た め,. 中央 政 府 が公 的住 宅 建 設 を通 じて公 共 投 資 しよ う と して も,思 うよ うに は 行 か な か った。 なぜ か とい え ば,第 一 に,公 営 住 宅,公 庫 住 宅 及 び公 団住 宅 の いず れ もが,厳 密 な意 味 に お い て,中 央 政 府 が 直 接 建 設 す る もので は な か った か らで あ る。 更 に,住 宅 の建 設,特. に これ らの 公 的 住 宅 建 設 は,. 種 々 の困 難 に直 面 して い た の で あ る。 こ の た め,中 央 政 府 が 公 的 住 宅 建 設 を通 じて 景 気 対 策 を図 るた め に は, そ れ に伴 う種 々 の隆 路 を打 開 す る こ とが 必 要 で あ った 。 中央 政 府 は,景 気 一81一.
(10) 近畿大学法学. 第55巻第1号. 対 策 の た め に公 的 住宅 建 設 の 増 大 を 図 る必 要 が あ る場 合 には と りわ け,こ う した 隆路 打 開 の た め の 様 々な 対策 を講 じて き た の で あ る。 た だ,そ の結 果,わ が 国 の住 宅 政 策 に は,こ. う した対 策 の痕 跡 が色 濃 く残 され る こ と と. な った。 よ って,こ の点 を十 分 に理 解 す る た め に は,ま ず は,公 営 住 宅,公 庫 住 宅 及 び公 団住 宅 の三 種 の公 的住 宅 建 設 が,ど の よ うな制 約 の下 に あ った の か を,制 度 的 な側 面 か ら見 て お く こ とが 必 要 で あ る。 第 一 に,公 営 住 宅 で あ る が,1965年. 段 階 に お い て は,確 か に政 府 が 直 接. 住 宅 を 建 設 し,そ れ を 住 宅 に 困 窮 す る 低 所 得 者 に賃 貸 す る と い う制 度 で あ った。 だが,一. 口 に政 府 とい って も,実 際 に建 設 と管 理 ⑱ を担 当す るの. は,都 道 府 県 と市 町 村,す 法 第3条. なわ ち地 方 政 府 で あ った 。 制 定 当初 の 公 営 住 宅. は,「地 方 公 共 団 体 は,常 に そ の 区域 内 の住 宅 事 情 に留 意 し,低 額. 所 得 者 の 住 宅 不 足 を緩 和 す る ため 必 要 が あ る と認 め る と き は,公 営 住 宅 の 供 給 を行 わ な け れ ば な らな い」 と規 定 し,第2条 団体. 第1号. で は,「 地 方 公 共. 市 町 村 及 び都 道 府 県 を い う」 と規 定 され て い た の で あ る。. この よ う に公 営 住 宅 の 供 給 を 直 接 的 に担 当 す るの は 地 方 政 府 で あ った た め,中 央 政 府 が い くら公 営 住 宅 の 建 設 を 通 じて 公 共 投 資 の 拡 大 を 意 図 した と して も,地 方 政 府 が 供 給 の 意 思 を 持 た な け れ ば,そ れ が 拡 大 され る こ と は な い。 この た め,中 央 政 府 が 地 方 政 府 に 公 営 住 宅 の 建 設 を 促 す た め に は,何 か し ら の手 段 を講 じ て地 方 政 府 を 動 か す こ と が 必 要 で あ る。 そ し て,そ の た め の 手 段 と して 中 央政 府 が 持 って い た の が,公 営 住宅 建設 三 箇 年 計 画 を 策 定 し,地 方 政 府 に 対 して 補助 金 を交 付 す る こ とで あ った。 同法 第6条 第1項 か ら第6項 で は 「公 営住 宅 建設 三 箇年 計 画」 に つ い て規 定 が. ⑱. 公 営 住宅 法 で は,建 設 と管 理 を 併 せ た もの を 「供 給 」 と い う概 念 で表 現 して い る。 「 公 営住 宅 の 供 給. 公 営 住 宅 の 建 設 及 び管 理 を す る こ と を い う」(公 営 住. 宅 法 第2条 第5号)。 一82一.
(11) 」議゜t・. 公共投資の一手段 としての公的住宅建設 な さ れ,同 法 第4条 第1項. で は,「 国 は,必 要 が あ る と認 め る とき は,地. 方 公 共 団 体 に対 して,公 営 住 宅 の 供 給 に関 し,財 政 上,金. 融上 及 び技 術 上. の 援 助 を 与 え な けれ ば な らな い 」 と規定 して い た の で あ る。 た だ,こ. う した 計 画 及 び補 助 金 制度 が あ った と して も,す べ て の地 方 政. 府 が 積 極 的 に公 営 住 宅 の 建設 を行 って き た わ け で は な い。 そ もそ も,公 営 住 宅 とは,低 所 得 階 層 に対 す る賃 貸 住 宅 供 給 で あ るた め,自 治 体 経 営 とい う面 に お い て は プ ラ ス にな る もの で は な い。 税 収 面 で の増 加 が期 待 で き な い 一方 で,公 営 住宅 入 居 者 に対 す る 「福 祉 の磁 石 」 とい った渾 名 が表 す よ うに,逆 に社 会 保 障面 で の財 政 支 出 の増 加 を もた らす か らで あ る。 そ して,実 際 に地 方 政 府 が公 営 住 宅 建 設 に対 して消 極 的 で あ った とい う こ とは,大 阪府 下 の市 町村 に お い て確 認 す る こ とが で き る。2007年4月 在,大. 現. 阪府 下 に は43の 市 町村 が あ る が,市 営 住 宅 を全 く供 給 して い な い市. が存 在 して い る。 そ の市 とはす な わ ち,大 阪 狭 山市 で あ る。 な る ほ ど,大 阪狭 山市 に あ って は公 営 住 宅 に対 す るニ ー ズが 存 在 しな い と い う可 能 性 も あ りえ よ う。 しか し,大 阪 狭 山 市 に は1,440戸 の府 営 住 宅 が 建 設 さ れ て お り,2006年3月31日. 時 点 で の 入 居 率 は93,1%⑭ と,府 営 住 宅 全 体 の 平 均 と. ほ ぼ 同 じ数 値 で あ る。 とす るな らば,公 営 住 宅 に対 す る地 域 の ニ ー ズ は存 在 す る はず で あ り,市 営 住 宅 が 供 給 され て いな い の は,自 治 体 の 消 極 性 の 故 と解 釈 す る こ とが で き る。 もち ろん,村 松 岐 夫 らの 研 究 に示 され る よ う に,地 方 政 府 の 中 には,首 長 が 積 極 的 な姿 勢 を 見 せ る こ とで,積 極 的 に公 営 住 宅 の 供 給 を 行 って い る もの もあ る⑮。 だが,先 に挙 げた 理 由 に加 え て,① 財 政 的 理 由,② 公 営 住 宅 に対 す る需 要 の 低 さ,③ 用 地 取 得 の 困 難 ω. ④ 住 民 の 政 治 的 態 度,⑤ 公 営 住. 大 阪 府 府 営 住 宅 資 料 室HP 〈http://www.pref.osaka.jp/jyukan/PDF/kosucity.pdf>. ⑮. 『政 策 実 施 過 程 に お け る 負 担 と 関 与 の 在 り 方 に 関 す る 調 査 研 究 結 果 報 告 書 』 (行 政 管 理 研 究 セ ン タ ー,1985年)21頁 一83一. 。.
(12) 近畿大学法学. 第55巻第1号. 宅 の住 人 が突 きつ け る無 理 難 題,と. い った点 か ら,一 般 的 に公 営 住 宅 の 建. 設 に消 極 的 な地 方 政 府 が多 い。 更 に,自. ら建 設 す る こ と に消 極 的 な だ けで. な く,市 町 村 が,そ の市 町 村 域 内 に都 道 府 県 営 住 宅 が 建 設 され るの を 拒 否 した とい う事 例 もあ った。 次 に,公 団住 宅 で あ るが,日 本 住 宅 公 団 は三 本 柱 の 中 で は最 も中 央 政 府 が直 接 的 に コ ン トロ ール しや す い組 織 で あ った 。 そ もそ も,旧 建 設 省 の 行 政 官 は公 営 住 宅 の 建 設 を国 営 で 実 施 した い とい う希 望 を 持 って い た が,そ れ が 形 を変 え て 実 現 した の が 日本 住 宅 公 団 で あ っ た⑯。 こ の た め,日 本 住 宅 公 団 は人 的 に も旧建 設 省 と密 接 な 結 びつ きを 持 って お り,設 立 当 初 は, 旧建 設 省 の 主 だ った 行 政 官 が こぞ って 日本 住 宅 公 団 に 移 る とい う事 態 も生 じた の で あ る。 この 点 につ い て 尚 明 は,次 の よ うに 回 顧 して い る。 す な わ ち, 当 時,30年. こ ろの 建 設 省 の 課 長 補 佐 に は,技 術 も事 務 も,そ うそ うた. る メ ンバ ー が い た けれ ど も,課 長 の 異動 が 少 な か った か ら,な か な か ポ ジ シ ョンが な か った わ け で す。 そ こへ 公 団 が で き た の で,そ 補 佐 連 中 が ど っ と出 向 した ん で す 。 た しか 石 破[二. う した. 朗]さ ん が 次 官. だ っ た け れ ど も,「 そん な に事 務 や 技 術 の連 中 が み ん な 公 団 の 課 長 に な って 出 向 して しま って,本 省 の方 は い い の か」 とお っ し ゃ った こ と が あ る くらい で した⑰。 この よ うに,中 央 政 府 に と って,公 共 投 資 の拡 大 を行 うた め に は,公 団 住宅 は 制 度 的 に は最 も利 用 しや す い もの で あ った。 とこ ろ が,後 に詳 述 す. a6)日 本 住 宅 公 団 の 設 立 過 程 に つ い て は,拙 稿 「住 宅 政 策 に関 す る旧 建 設 省 の 行 政 官 達 の 認 識 に つ い て一 日本 住 宅 公 団 設 立 過 程 分 析 の 一 環 と して 一 」(『近 畿 大 学 法 学 』,第53巻 第2号),拙. 稿 「 住 宅 政 策 の争 点 化 とそ の 影 響 につ い て 一 第 一. 次 鳩 山 内 閣発 足 か ら 日本 住 宅 公 団設 立 ま でを 題 材 と して 一 」(『近 畿 大 学 法 学 』, 第53巻 第3・4号)を ⑰. 参 照 の こ と。. 前 掲,『 昭和 の住 宅 政 策 を語 る』,74頁 。 一84一.
(13) 公共 投 資 の一 手 段 と して の公 的住 宅 建 設. るよ うに,公 団 住 宅 の 供給 に は 種 々 の 困難 が伴 って い た。 ま ず,公 団住 宅 を受 け 入 れ る地 方政 府 が,1960年. 代 半 ば 頃 か ら,い わ ゆ る 「団地 お断 り」. の姿 勢 を示 す よ うに な って い た の で あ る。 日本 住 宅 公 団 が設 立 さ れ た 当初 は,団 地 の受 入 れ を歓 迎 す る地 方 政 府 が多 か っ たが,次 第 に団 地 が 大 規 模 化 す る よ うに な る と,住 宅 建 設 に関 連 して地 方 政 府 が 整 備 しな けれ ばな ら な い学 校 等 の整 備 費 用 が急 激 に増 加 したか らで あ る。 更 に,設 立 当初 の 日 本 住 宅 公 団 の主 な役 割 が 賃 貸 住 宅 の 供 給 で あ った た め,そ の 入 居 階 層 は, 公 営 住 宅 ほ どで は な い に して も,決. して 高 い もの で は な く,地 方政 府 に 財. 政 的 メ リ ッ トを も た らす もの で はな か った。 また,設 立 当 初 は一 般 的 な 評 価 も高 か った 公 団住 宅 で あ るが,や が て, 「遠 ・高 ・狭 」 が 公 団 住 宅 の代 名 詞 とな り,住 宅 を必 要 と す る者 か ら も敬 遠 され る存 在 にな って い った。 せ っか く供 給 した と して も,空 家 ば か り建 設 して い る とい う こ とで は,投 資 した資 金 の 回収 が見 込 めず,そ. の拡 大 に. は ブ レー キ が か け られ る こ とに な る。 最 後 に住 宅 金 融 公 庫 で あ る が,こ の仕 組 み を簡 単 に説 明 す れ ば,住 宅 建 設 や そ れ に 関連 す る事 業 に必 要 な資 金 を,個 人,住 宅 建 設 業 者 そ して 地 方 政 府 等 に融 資 す る とい う もの で あ る。 この た め,住 宅 建 設 な ど に対 す る資 金 需 要 が旺 盛 な場 合 に は,住 宅 金 融 公 庫 の 融 資 枠 の 拡 大 を 通 じて 住 宅 建 設 を増 加 させ,景 気 対 策 を実 施 す る こ とが 可 能 とな る。 だ が,こ れ らの 主 体 に資 金 需 要 が 存 在 しな い場 合 に は,い. く ら融 資 枠 を 拡 大 して も実 際 の 住 宅. 建 設 に結 び付 くこ と はな い。 この た め,そ の よ うな 場 合 には,住 宅 金 融 公 庫 の 融 資 の 対 象 を 拡 大 した り,融 資 を 利 用 しや す く した りす るな どの工 夫 が 必 要 とな る。 これ まで 簡 単 に ま とめ た よ うに,わ が 国 の 中央 政 府 は 住宅 建設 を 直接 的 に行 う こ とは で きな か った。 一・ 人 日本 住宅 公 団 は,直 接 供給 に近 い性 格 を 持 っ て い た が,そ の 建 設 に は様 々な 制 約 を 受 け て い た の で あ る。 こ の た 一85一.
(14) 近畿大学法学. 第55巻第1号. め,中 央 政 府 が 住 宅 建 設 を 通 じて 公 共 投 資 を拡 大 す るた め に は, そ れ 相 応 の 措 置 を 講 じる こ とが 必 要 で あ った。. 3.仮. 説 の提示. 第2節 に お い て,わ が 国 の 中 央 政 府 が 住宅 政 策 を通 じて公 共 投 資 の拡 大 を行 う とい う観 点 か ら,制 度 を概 観 して み た。 こ こで は,こ れ を 踏 まえ て, 住 宅 政 策 を通 じて 公共 投 資 の拡 大 を行 お うと した際 に,ど の よ うな こ と が 起 こ り得 る か とい う こ とを仮 説 の形 で示 して み た い。 ま ず,住 宅 建 設 を通 じて公 共 投 資 を拡 大 しな けれ ば な らな い状 況 が 出現 した 際 に,公 営,公 庫 及 び公 団 の それ ぞれ の建 設 戸 数 を ど の よ う に増 や す か で あ る が,第 一 に考 え られ る の は,中 央 政 府 に と って の操 作 性 の 高 い公 団 を積 極 的 に活 用 す る と い う こ と で あ る。 仮 に,先 述 の よ う な,公 団 住 宅 の建 設 に伴 う種 々 の制 約 が 存 在 しな い とす れ ば,中 央 政 府 に と って,最. も. 用 いや す い の は公 団 住 宅 の供 給 の 拡 大 の はず で あ る。 よ って,公 団 住 宅 の 建 設 が 大 き な障 害 に直 面 して いな い時 点 にお い て は,公 団 住 宅 の 供 給 増 が 積 極 的 に な され る と い う こ とが 第 一 に考 え られ る(「 住 宅 公 団優 先 仮 説 」)。 あ る い は,事 前 に あ る程 度 の 準 備 期 間 を設 け る こ とが で き,か つ,国 民 の 所 得 階 層 分 布 に大 幅 な 変 化 が な い とす れ ば,公 営,公 庫 及 び 公 団 の 建設 戸 数 の 伸 び率 を ほぼ 同 じ くす る とい う こ と も考 え られ る(「 共 同歩 調 仮 説 」)。 だ が,先 述 の よ う に,三 本 柱 は い ず れ にせ よ,建 設 戸数 を増 加 させ るた め には そ れ ぞ れ に問 題 を 抱 え て い た。 こ う した状 況 に あ って,ま ず試 み ら れ る と考 え られ るの は,そ. う した 制約 を克 服 す るた め の試 み で あ ろ う。 た. とえ ば,公 営住 宅 の場 合 に は,補 助 率 を上 げ た り,地 方 債 の充 当率 を上 げ た りす る こ とで,地 方 政 府 が容 易 に供 給 し うる よ うにす る とい う こ とが考 え られ る。 ま た,公 庫 住 宅 の場 合 に は,公 庫 の利 用 者 が不 足 す る とい う場 一86一.
(15) 公 共投 資 の一 手 段 と して の 公 的 住 宅 建 設. 面 が 想 定 され るが,そ の よ うな 場 合 には,公 庫 融 資 の 間 口を 広 げ,よ. り多. くの者 が 利 用 しや す い もの にす る とい う こ とが考 え られ る。 更 に,公 団住 宅 につ い て は,「 団 地 お 断 り」 を 克 服 す る こ とが 必 要 で あ るが,地 方 政 府 に よ る学校 等 の 整 備 が 隆路 にな って い た とす れ ば,そ れ を 克 服 す るた め の 措 置 を 講 じ る とい う こ とが考 え られ る(「 陸 路 克 服 仮 説 」)。 更 に,住 宅 建 設 に 関 して は,主 体 横 断 的 に抱 え て い た 問 題 が い くつ か あ った が,そ の最 た る もの が宅 地 難 で あ ろ う。 この 障害 は,最 終 的 に は宅 地 供給 の増 加 を通 じて解 決 され な け れ ば な らな い が,こ れ は一 朝 一 夕 に実 現 で き る もの で は な い。 そ こで,そ. う した 隆路 を 回避 す るた め に,① 土 地. の 高度 利 用 す な わ ち建 築 物 の高 層 化,② 宅 地 取 得 を必 要 と しな い建 替 え の 促 進,お. よ び③ 住 宅 用 地 の先 行 取 得,と. い った手 段 が採 用 され る こ とに な. る。 ま た,住 宅 建 設 を通 じて公 共 投 資 の拡 大 を 図 る に して も,必 ず し もそ の 戸 数 の増 加 を 図 る必 要 は な い。 問題 は全 体 の投 資 額 が確 保 で き る か ど うか で あ り,各 住 宅 の規 模 の拡 大 等 を通 じて質 の 向上 を 図 る こ とで,一 戸 当 り の単 価 を上 げ る とい う こ と も考 え られ よ う(「質 の 向上 仮 説 」)。ま た,住 宅 建 設 そ れ 自体 で 投 資 額 を 確 保 す る こ とが 困難 で あ る場 合 に は,第1節. で. 「住 宅 宅 地 関 連 公 共 施 設 整 備 促 進 事 業 」を例 と して挙 げ た よ うに,関 連 分 野 につ い て も投 資 す る こ とが で き る よ うに制 度 を変 更 す る とい う こ と も考 え られ よ う。 従 来 は,公 共 投 資 の対 象 とな らなか った もの につ い て も対 象 と して追 加 す る とい う こ とで あ り,そ の場 合 に は対 象 事 業 の メ ニ ュ ー が増 大 す る こ とに な る。 ま た,こ. う した メニ ュ ー の増 大 は住 宅 金 融 公 庫 の融 資 に. つ い て も考 え られ る こ とで あ る。 それ まで 融 資 の対 象 とな って い なか った もの につ い て も,融 資 の対 象 とす る こ とで,投 資 額 を確 保 しよ う とす る の で あ る。 こ の よ うに補 助 や融 資 の対 象 を増 加 させ る こ との こ とを本 稿 で は 「メニ ュー 充 実 仮 説 」 と呼 ぶ こ とに す る。 一87一.
(16) 近畿大学法学 更 に,こ. 第55巻第1号. う した こ とを続 け た場 合 に は,メ ニ ュ ーが 多 くな りす ぎ る事 態. が 生 じるが,そ. の場 合 に は メニ ュ ー を統 合 す る こ とで,制 度 を整 理 す る こ. と も必 要 で あ ろ う(「メ ニ ュー統 合 仮 説 」)。ま た,増 え た メニ ュー を 総 合 的 に利 用 可 能 に す る た め に,補 助 金 や 交 付 金 の交 付 ま た は 融 資 の 条 件 と し て,計 画 の 策 定 を義 務 づ け る と い う こ と も考 え られ る。 この よ う に,種 々の 措 置 を 講 じる こ とで,住 宅 投 資 の 拡 大 が 図 られ る と 考 え られ るが,こ. う した 措 置 の 中 には 副 作 用 を 伴 う もの もあ る と考 え られ. る。 た とえ ば,各 住 宅 の 質 の 向 上 に よ って 投 資 額 の 増 加 を 図 った 結 果,購 入 価 額 あ る い は家 賃 が,多. くの 国 民 が 負 担 しう る限 度 を 超 え て しま う こ と. も考 え ら れ る。 そ の 場 合 に は,ど れ だ け質 が 良 い もの が 供 給 され よ う と も,空 き家 が 増 え 続 け る結 果 とな る。 更 に,単 に 空 き家 が 増 え るだ け で な く,そ の 維 持 管 理 あ るい は 金 利 負 担 の 上 昇 が 続 くこ とに な れ ば,事 業 の 継 続 が 困 難 に な る場 面 も考 え られ よ う。 そ して,公 的 住 宅 建 設 が 困 難 に な る一 方 で,民 間 の事 業 主 体 の 住宅 関連 市 場 へ の 参 入 が 十 分 に 見 込 ま れ る場 合 に は,公 的 主 体 の 役 割 を縮 小 し,住 宅 建 設 も民 間 の 主 体 や 資 金 を 利 用 す る方 向 に シ フ トす る こ と も考 え られ る (「民 間 活 力 導 入 仮 説 」)。更 に,従 来,公. 的主体 に限定 されてい た事業 で. あ って も,民 間 の 主 体 が そ れ を実 施 す る だ け の力 を身 に 付 け,手 続 面 で の 整 備 もな され た 場 合 に は,そ の事 業 を民 間 の主 体 に 開放 す る こ と も考 え ら れ る。 住宅 政 策 を 公 共投 資 の一 手段 と して位 置 づ け て み た場 合,こ の よ うな こ とが生 じて き た と考 え られ る。 そ こで,こ れ らの仮 説 を実 証 して い き た い が,本 稿 で は,主 に統 計 資料 を 用 い て,こ れ らの仮 説 を ま ず は 巨視 的 な観 点 か ら,分 析 して い き た い。 何 故 か とい え ば,い き な り細 微 な部 分 に着 手 す る よ りは,ま ず は 巨視 的 に仮 説 の妥 当性 を吟 味 して,そ れ が否 定 さ れ な い場 合 に は,よ. り細 微 な部 分 に 光 を 当 て て い く方 が望 ま しい と考 え られ る 一88一.
(17) 公 共 投 資 の 一 手 段 と して の 公 的 住 宅 建 設. か らで あ る。 本 稿 に対 し,「序 章 を最 初 に書 い た」と い う批 判 が 寄 せ られ る か も しれ な いが,最 終 的 に本 稿 が 序 章 と して 位 置 づ け られ る こ とを 期 待 し て い る。 た だ し,巨 視 的 な 分 析 を フ ォ ロ ー す る意 味 で,第5節. において. は,簡 単 な記 述 的 な 叙 述 も行 う こ と とす る。. 4.公. 的 住 宅 建 設 を 通 じた 公 共 投 資 の 拡 大. 本 節 で は,対 象 と して い る期 間 全 般 につ い て,長 期 的 ・巨視 的 な 観 点 か ら,ま ず は住 宅 建 設 が 確 か に公 共 投 資 の 拡 大 の た め に 用 い られ た こ とを 示 して み た い。 そ の た め に まず,景 気 対 策 の た め に 公 共 投 資 の 拡 大 が 行 わ れ た 際 に,住 宅 関 連 の 歳 出 の 拡 大 も同 時 に 行 わ れ た こ とを 示 した い が,そ の た め の 順 序 と して は,ま ず,い つ 公 共 投 資 の 拡 大 を 通 じて 景 気 対 策 が 行 わ れ た か を 判 断 し,次 に,こ う して 抽 出 され た 時 期 に,そ れ と軌 を一 に して, 住 宅 関 連 の 公 共 投 資 も拡 大 して い った こ とを 示 す こ とに した い。 さて,公 共 投 資 の 拡 大 を 通 じて 景 気 対 策 が 行 わ れ た 時 期 を 抽 出 して み た い が,そ の た め の 基 準 と して,こ. こで は 各年 度 の 当 初 予 算 と補正 予算 を 資. 料 と して,一 般 会 計 の 伸 び 率 よ り も,公 共 事 業 関連 の 伸 び 率 が5ポ イ ン ト 以 上 上 回 って い る場 合 に は,公 共 投 資 の拡 大 を通 じて景 気 対策 が行 わ れ た もの と判 断 す る。 表4-1が,当. 初 予算 の一 般 会 計,公 共 事 業 関連 お よ び住. 宅 対 策 費 の 推 移 及 び 伸 び率 を 示 した もの で あ る。 ま た 表4-2が,最. 終的. な 補 正 予 算 の 一 般 会 計,公 共事 業 関連 お よ び住 宅 対 策 費 の推 移 及 び伸 び率 を 示 した もの で あ る。 表4-1と4-2か の 伸 び 率 が5%以. ら,一 般 会 計 の伸 び 率 を 公 共 投 資. 上 上 回 った 時 期 を 抽 出 す れ ば,1966年 度,1971∼73年. 1976∼79年 度,1992∼95年. 度,1998年. 一89一. 度 とな る。. 度,.
(18) 般 会 計 歳 出 総 額,公 共 事 業 関 係 費 及 び 住 宅 対 策 費 等 の 推 移(当 初 予 算) 表4-1一. 第55巻第1号 近 畿大学法学. 費 策 対 宅 住. 連 関 業 事 共 公. 出 歳 計 会 般 一. 度 年. ① 一. ③ ③ 率 び 伸 額 総. ① ②. [. ② 率 び 伸 額 総 ① 率 び 伸 額 総. 円. 円. 円. % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % %% % % % % % % % % % % % % 1. 1. 一. 一. -. 一. -. 一. 一. 一 一. 一. ﹁. 一. 一. 一. ︻. 一. 一. 一. 一. 一. 3. 一. -. [. 雰 瓠 頚 湯α6Lり 勢 瓢 % 麗 認粥 習 薦 話 謡 麺a9 晶 誌ω 据 認穏. % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % %72'423ユ渇3ユ'7の'3﹂ユ過'53丑ユ491'ー ユ畑の3'3ユ'-'690'0'6怠3﹂忍324ユ213383019500304250100101020556655173472250423312223222232一一一一1一2一1皿. 50 53 66 92 81 31 99 98 72 20 25 30 00 75 36 59 23 23 14 49 81 21 11 42 83 24 69 54 77 90 23 15 88 33 60 40 99 42 99 82 06 26 94 β誰β﹂⑩'4ββ5護5ββ誤 誰﹂ββ﹂ββJJββ﹂3β沿ββ5ββゆβββ護β誰⑩刃 万 百2936486470799515500345946337861554616969665756482339418631875306617986288104619424265311222345777777777888899澄訊1い﹂湿445護 誤﹂7ゾβ-←て⊥11此11←可エー←ーユー11て⊥. % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % %% % % % % % % % % % % % % ヨ. ヨ ヨ. = 一 一. = 一. = 一. =. ヨ一. =. =. = 一. :. 麗 諺 詔α3 男 ㌶〃 % 諮 器 暴印 雛 餐 諺卯 麗 器 銘叙揺 1 努 2 鐸 罷 一 一 =. 1 1 1 2 3. 2 2 2 2. 一. = 一. 2. 3 ヨ. 一. ヨ. 一 一. :. % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % %3β万ユ9893'1∬'2刀4243⑩3沿"'0η3'33刀2'3丑£βマユ'133の∬'0'7の563573727892021170100022220106160741750003334 1 2 1. 70 86 63 49 60 23 99 56 85 08 07 95 72 10 ㎝ 01 54 54 54 54 00 89 33 24 24 74 47 97 43 71 61 98 84 47 53 07 07 52 39 71 59 10 05 ββ﹂ββ⑩⑩β誰誰護ゆβββ4渇渇55ββββββ江βββ濯β謀遜ββββββ江β﹂56890246188952456666532001250512679444408521111222234566666666666668819998999887771 億. % %498万390'4'85﹂渇'14'3洛33②護万'7ηη3お'62﹂'2刀2'8の443π﹂マ4'1⑩2747588149447020961033046962012530532100031111111221211211一一一一. 71 49 00 92 ㎝ 71 24 00 91 09 29 60 渇5訊渇﹂β濯江﹂ββββほβ⑩βββ﹂ββ β澄βほβ温江βββゆ'9ゆββ渇ββ﹂ββ2639879442022526576364016423230913689627116334456791471484826900244606022305771421122911122233444555555667777777788888887 億. % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % %. 54 81 43 09 85 95 98 43 05 41 94 88 60 43 50 01 88 81 08 96 72 96 86 10 97 42 68 74 80 48 17. 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6666666777777777788888888889999999999000000099999999999999999999999999999999999900000001111111111111111111111111111111111112222222. 一90一.
(19) 一16一. 7U. 7U g. Z 7U. 一 一 一. 7U. `1. 一 一. `1. I・. `1. I. 1. ㌫. `1. I. `1. I. 一. 多. `1. `1. I I・. 一. ト. `1. I. ーレ. ー. `1. 1・. `1. Tレ. `1. ー 丁匡. `1. I. T・. T5. 1. Tレ. Tレ. ー. T・. T・. T・. Tレ. I I I I I. ー Tレ T・ Tレ Tレ. ー Tト. Tレ. ー. I. I. 100000066666666666666666666666666666666666600000066666666668888888888ムムムムム←ムムムム9999999セεZ1068ム99ラεZ1068ム99セεZ1068⊥99ラε91068ム99ウ. 6 8 9 9 9 セ ε 8. 曲 曲鱒. ︼ ﹂ ー ム981e13nワ 、0℃ 乳688999ム8ム996ZZOI188ZOOεεZgZウOZZZIεε6661Zウ ε9ム0999ー ムZ9乙%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% ﹂3191雪 z z z I I I I I I 109署。8εOIZ103℃. ト = 一 一 一 一 : ・ -・ 仁 ー ε ト ー一 一 0 ε 9 1 0 Z 9 ム ε 歩 8 0 0 Z ε ε 1 8 ン 9'- ・フ. `1. ψ τ. `1. :. 6 1 3 π6セ9ム6181Z810∼69Z9εZ8ムームー6096ウ6ZgZ∠0εZ19〃8%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%. 劃 認 四 駕67据018866麗9908翫柿06田 ㎝6918帥 泥 麗68㏄08ε9㏄OZ帥81別 加90鉱8988199999鉱シ9加69㏄. 羅懸 難 講 羅 羅 鱗 臨剛 難 購嚇 雛 翻 麟 難 號 蝋腸. ムε6セ6ウ069乙 8 8 8 8 8 8 8 8 ム ム ム ム ム ム ム 9 9 9 9 9 9 9 9 ウ ラ シ ε ε Z Z Z τ I 19919966ム8ム8εムー069188ε10ム. 一. 蜘 兜 毘驚 嘘%備"舘 内 島 師 醜跨 面醐曲醐 Im商 庇胸m 曲砲内曲 曲 舗許粥お曲窃舵 8 8 8 6 6 H a 列 ㎝ 11 71 a 91 6 ム ム ム 9 ム 9 9 9 ム ム ム 9 9 9 ウ 8 ε 乙 客 Z I I I I 兜鹿m醜. `1. ε 6 ム 8 石 巳 0 写。0. % %% %% % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % %% % % % % % % ト. `1. 二 一. 一. ・. L. -. ー. ーz z. ー. ー -. ε. ー. 暢 聾. 射 ρ 牽 ①. 暢 聾. 弱9 牽 ②. }. ③. ①. 暢 聾. 劇 ρ 牽 ⑨. 一. ⑧. ①. 由 謡. [. 魏 等 担 婆 用. 影¥ 輩 廉 圏 湯 轟. 珊 影 鰹 悪 慕. 罷 麗 葦お珊 卵ミ ラ⑦ ユ つ ぞ語誹圭一 ⑦ 葛 講¥影. 肝 臨 綜 紫㎝ 繋 籍 貯㎝ ㌫ 襲朔 羅朔 翻 鱗 蟹 詔 一. `1. 6 1・フ. `1. 田. 講 響 鰯 蹄 藩 儲 羅陥鰯 難㈱ 難 難 響 蠣 羅臨胆 乙. = ' : ' 1 ー ε 9 ∠ 丁 ∼8∼8ム ℃ 汐 6 9 ε ε 9 ε6Zム8ZgZOーム汐6696600ラーZ∠9ε6クOZム ∠9Z608♪%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%. 予 n 9 ム e ε ム996998セム8181εε0セεーセZge6εZε60εZ6ム83ε168ZZ9%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%. 四 16 89 殆 鉱 96 肋 09 ㏄ 昆 88 認 帥 a 91 90 09 81 肋 雄 聞 認 朋 ㏄ 銘 96 69 98 飢 肋 肋 % 08 80 四 66 18 87 茄 99 総 四 - 卜. 一 一 一 一 一 一 一 - 卜 仁 - Z に 8 ム f 8 0 ム 0 0 Z 8 1 乙 Z 9 膣 1 8 0 1 1 9 セ ε 乙 ∼ ∠. 0 9 0 ラ 6 6 1 9 ℃ ⑩ 8 ε ム ε セ O 1 8 0 0 π 署 1 9 9︻6 0 9 Z ε ム 0哨6 。6. 0 0. (蔦去 ヨ工鱗)裂 尋1(P琵憂嘉 檸 議薫}.Q】 遅憂湯 團素 重¥ミ ク`聾 購 用騨 十呈ミ ラ留 一z一 ウ峯.
(20) 近畿大学法学. 第55巻 第1号. これ らの景 気 対 策 の背 景 を簡 単 に述 べ れ ば,1966年. は い わ ゆ る四 〇 年 不. 況 対 策 と して公 共 投 資 の拡 大 が 図 られ た時 期 で あ る。 次 に1971∼73年 は, ニ ク ソ ン ・シ ョ ッ クお よ び第 一 次 石 油 危 機 の 時 期 にな され た景 気 対 策 で あ る。1976∼79年 は,い わ ゆ る 日本 機 関 車 論 に従 って,公 共 投 資 の 拡 大 を 通 じて 景 気 対 策 が 実 施 され た 時 期 で あ る。1992∼95年 は,バ. ブル崩壊 に伴. い,毎 年 の よ う に経 済 対 策 が実 施 さ れ た 時 期 の 中 に 含 ま れ て い る。 そ し て,1998年. は,小 渕 政 権 の 発 足 に伴 い,前 年 の 金 融 危 機 に対 す る景 気 対 策. と して 公 共 投 資 の 拡 大 が 図 られ た 時 期 で あ る。 こ う して 分 析 して み れ ば, お よ そ景 気 対 策 が 必 要 で あ る時 期 には,公 共 投 資 の 拡 大 が 図 られ て い る と いえ る。 よ って,本 稿 で は,主 に上 記5つ の 時 期 を 重 点 的 に分 析 の 対 象 と す る。 次 に,こ れ ら公 共 投 資 の 拡 大 を 通 じて 景 気 対 策 が 実 施 され た 時 期 に,住 宅 投 資 も ま た そ の 一 手 段 と して 用 い られ た か ど うか を み て み る こ と に す る。 まず,当 初 予 算 につ い て み て み れ ば,い わ ゆ る四 〇 年 不 況 の 際 に は, 住 宅 投 資 の 拡 大 の 方 が 長 期 に 亘 って い るが,住 宅 投 資 もま た 同 様 に増 加 し て い る こ とが 観 察 され る。 次 に,ニ. ク ソ ン ・シ ョ ック と第 一 次 石 油危 機 並. び に 日本 機 関 車 論 が 提 唱 され た 際 に は,公 共 投 資 の拡 大 と住宅 投 資 の拡 大 は 完 全 に 時 期 を 同 じ く して い る。 更 に,バ ブ ル崩 壊 以 後 の景 気 対策 に お い て も,住 宅 投 資 が 一 年 遅 れ て は い る もの の,同 時期 に住 宅 投 資 もま た,拡 大 が 図 られ て い る。 よ って,1998年. の 金融 危 機 に伴 う景 気 対策 の 時期 を 除. き,住 宅政 策 は 景 気 対 策 の一 手段 と して これ ま で用 い られ て き た と結 論 づ け る こ とが で き よ う。 ま た,本 稿 の 目的 が,住 宅政 策 を財 政政 策 の一 環 と し て位 置 づ け る とこ ろに あ る ので,対 象 とす る 時期 の 終 わ りを1998年 にす る。 次 に,マ. ク ロな 観 点 か ら,先 に 示 した 「メ ニ ュ ー充 実 仮 説 」 を検 討 して. み た い が,ま ず は 住宅 対 策 費 を取 り上 げ る こ とに す る。 そ して,こ こ で は 各年 度 の 『建 設 白書 』 を 資料 と し,住 宅 対 策 に含 ま れ る事 項 が どの よ うに 一92一.
(21) 公 共 投 資 の 一 手 段 と して の 公 的 住 宅 建 設. 変 遷 した か を み て み る こ と にす る。1965年 度 にお いて は,住 宅 対 策 に含 ま れ る 事 項 は,「 公 営 住 宅(一. 般)」,「公 営 住 宅(災 害)」,「住 宅 地 区 改 良 」. 及 び 「公 庫 公 団 補 給 金」 の4事 項 で しか なか っ たが,1998年 度 に お い て は, 「公 営 住 宅 等」,「住 宅 地 区 改 良 等 」,「住 宅 金 融 公 庫 」,「住 宅 ・都 市 整 備 公 団」,「特 定 賃 貸 住 宅 」,「農 地 所 有 者 等 賃 貸 住 宅 」,「密 集 住 宅 市 街 地 整 備 促 進 」,「が け地 近 接 等 危 険 住 宅 」,「住 宅 宅 地 関 連 公 共 施 設 整 備 促 進 」,「住 宅 市 街 地 総 合 整 備 」 及 び 「土 地 区 画 整 理 」 の11事 項 に増 加 して い る。 この 間 に,追 加 され た 事 項 とそ の 年 度 を ま とめ た もの が 表4-3で. あ るが,い ず れ. も先 に示 した景 気 対 策 を行 っ た時 期 と重 な って い る こ とが 伺 え よ う。 も ち ろん,こ れ らの事 項 が 追 加 され た 実 際 の 理 由が,景 気 対 策 以 外 で あ る理 由 も考 え られ る。 最 終 的 な 結 論 を 出す に は,よ. り詳 細 な 研 究 を必 要 と す る. が,巨 視 的 に分 析 して み れ ば,先 の 仮 説 は 少 な くと も否 定 され て は い な い と いえ よ う。 更 に,こ の メニ ュ ー充 実 仮 説 を,住 宅 金 融 公 庫 の 融 資 制 度 につ い て 検 討 して み た い。 住 宅 金 融 公 庫 は,設 立 以 降. 融 資 制 度 の メニ ュー を 充 実 させ. て き た が,住 宅 金 融 公 庫 編 『住 宅 金 融 公 庫50年 史 及 会,2000年)の133∼206頁. 資 料 編 』(住 宅 金 融 普. で は,そ の変 遷 につ い て纏 め られ て い る の で,. こ こで はそ れ を 資 料 と して 用 い る こ と にす る。 同 書 で は,住 宅 金 融 公 庫 の. 表4≒3住. 宅対策費の追加事項. 年度 1971. 追. 加. 事 項. 1972. 農地所 有者等賃貸 住宅建設 資金利 子補給 金 がけ地近 接危険住宅. 1973. 特定賃貸住宅. 1974. 特定住宅地区整備 促進 住宅宅地 関連 公共 施設整備. 1978 1979 1993. 特 定住宅 市街地総 合整備促進事 業 土地区画整理 一93一.
(22) 第55巻第1号 近畿 大学法学. 宅 金 融 公 庫 融 資 制 度 の 追 加 。変 更 の 変 遷 表4-4住. 財形住宅. 追加・ 変更制度数 17. 宅地造成. 等. 設等. 16. 関連 公共施 住宅改良. 15 14. 災害復興住宅 中高層建築物. 13 12. 市街地 再開 発 等. 11. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 優良分譲住宅. 高層住宅. 建売住宅. 中古住宅. 住まいひろが り特別住宅. 公社賃貸住宅. 民間賃貸住宅・ 小規模敷地 活用型賃貸住宅. 者住宅. 3. 公社分譲住宅. 産業労働. 2. 個人建設住宅. 10. 1. 度 年. 聡. 射. ○. ア. ぼ鳥. 0 も. ○. ○. ○. ○ ○. ○ ○○ ○. ○. ○ ○. ○ ○. ○. ○. ○. ○. ○. ○. . ○. ○ ○. ○ ○ ○ ○ ○ ○ O. ○. ○. ○. 、. 鰻. ○. ○○. ○. ○. ○. ○. ○. ○. 0. ○. ○. ○. ○ ○. O. ○. ○ ○. ○ =. O ○ 0. ○. ○. ○. ○. ○. 7719 7819 7919 8019 8119 8219 8319 8419 8519 8619 脳1 7519 7619 蜥1 8819 8919 蜘1 9119 9219 鵬1 謝1 鰯1 瓢1 蜥1 鵬1. ○. 2 1 0 1 2 1 5 5 3 1 2 1 2 13 0 0 1 1 0 0 0 2 0 1 3 4 9 0 2 1 1 1 0. ○. p O. 趣. ○. ○ 6519 6619 6719 6819 6919 7019 7119 7219 7319. 一94一.
(23) 公共 投 資 の一 手段 と して の 公 的住 宅 建 設. 融 資 制 度 を17の 項 目 に 分 け て そ の 変 遷 を 整 理 し て い る が,各 融 資 制 度 が 追 加 さ れ た 年 度 に"○"を 表4-4に. お い て,制. 付 し て 纏 め た も の が 表4-4で. 度 が 追 加 も し く は 変 更 さ れ た 数 が3以. 度 の 行 に 色 を 塗 っ て 強 調 し て あ る が,1965年 お よ び1990∼92年. 項 目に お い て. 度1972∼74年. 度 で あ る 。 最 後 の1990∼1992年. あ る。. 上 で あ る年 度,1979年. 度 に つ い て は,バ. 度. ブ ル経. 済 期 の地 価 高 騰 に伴 い住 宅 取 得 を促 進 す る こ と を 目的 と した制 度 改 善 で あ る 。 よ っ て,こ. の時 期 につ い て は景 気 対 策 を 目的 と して メニ ュ ー の充 実 が. 図 られ た わ け で は な い が,そ. れ以 外 の時 期 につ いて は景 気 対 策 が 実 施 され. た 時 期 と 重 複 し て い る 。 よ っ て,少. な く と も1990∼92年. 度 を 除 く3つ. の期. 間 に つ い て は,メ. ニ ュー 充 実 仮 説 が 少 な く と も否 定 さ れ て は い な い。 ま. た,1979年. 目 に も わ た る 制 度 の 追 加 ・変 更 は,「 借 入 者 に わ か り や. の13項. す く す る た め の 貸 付 種 目 の 整 理 統 合 を 行 っ た 」a8)と説 明 さ れ て お り,メ ニ ュ ー 統 合 仮 説 も 妥 当 しそ う で あ る。. 5.各. 時 期 の分析. 景 気 対 策 と して 公 共 投 資 の拡 大 が 図 られ よ う とす る と き,住 宅 投 資 もま た そ の 一 手段 と して 用 い られ て い る とい う こ とは 第4節 に お い て示 した と お りで あ る。 た だ,我. 々が 先 に 示 した仮 説 の妥 当性 を検 討 す る に は,巨 視. 的 な 分 析 で は 限 界 が あ る。 そ こで,本 節 で は,公 共 投 資 の拡 大 が 図 られ た5つ の 時期 を 中心 に,住 宅 政 策 に 関連 して行 わ れ た制 度 改 革 な どを細 か くフ ォ ロー して み た い。 そ の 際,本 稿 の議 論 の 出 発点 が法 的根 拠 を持 た な い種 々 の制 度 に対 す る疑 問 に あ った こ とか ら,主 な焦 点 は 各年 度 の住 宅 対 策 関 連 の予 算 に 当 て る こ と に した い。 そ の た め に用 い る資 料 と して は,毎 年4月 号 で住 宅 対 策 関 連 の qs)川 合 宏 之 「建 設 省住 宅 局 関 係 予 算 の 概 要 」(『住 宅 』,1979年4月 一95一. 号)7頁. 。.
(24) 近畿大学法学. 第55巻第1号. 予 算 に関 す る特 集 を 行 って い る 『住 宅 』 を 中 心 に 用 い る こ と にす る。. 5。1.1965・66年. 度. 1964年 は,わ が 国 が 東 京 オ リン ピ ッ クに酔 った年 で あ る が,そ の 幕 引 き と と も に景 況 は 悪 化 して い った 。 当 時,前 年 の 国 際収 支 の 悪 化 を契 機 に, す で に金 融 引締 め 政 策 が 実 施 され て お り,「一 連 の 引締 め政 策 が 浸 透 しは じめ た39年 後 期 に は 企 業 倒 産 件 数 が 激増 し,信 用 不安 か らの連 鎖 倒 産 も少 な か らず み られ 」ag)る 状 況 で あ っ た。 そ して,1965年 陽 特 殊 製 鋼 が 倒 産 し,5月. に入 る と,3月. には山. に は 山一 謹券 へ の 日本 銀 行 に よ る 緊急 特 別 融 資. が 実 施 され るな ど,い わ ゆ る四 〇年 不 況 に わ が 国 は 見舞 わ れ て い た。 こ う した状 況 に お い て,政 府 は金 融 緩 和 政 策 を採 用 した が,景 況 が 回復 に 向 か う気配 は な か った。 そ れ ま で の高 度 成 長 は,「投 資 が投 資 を 呼 ぶ」と い う表現 が 示 す とお り,民 間 設 備 投 資 が 牽 引 して き たが,こ の 時 の不 況 は, この設 備 投 資 の 循環 要 因 に起 因 した もの で あ った。 こ の た め,金 融 が緩 和 され た と して も,民 間 に は設 備 投 資 を拡 大 す る余 地 は残 っ て い なか っ た。 よ って,景 気 を 回復 に 向 か わせ る た め に は,財 政 あ る い は消 費 を拡 大 す る こ とが必 要 で あ る。 従 来 で あ れ ば,金 融 政 策 に よ っ て経 済 を コ ン トロ ー ルす る こ と が で き て い た が,直 接 的 に公 共 投 資 を拡 大 す る こ とで,民 間 投 資 の減 退 を補 うこ と が必 要 と な って い たの で あ っ た。 と こ ろが,政 府 は均 衡 財 政 原 則 に 固執 して い た こ とか ら,な か な か 政 策 の 転 換 を す る こ と はで き なか っ た。 だが,1965年7月. 下 旬 に な る と方 向 の転 換 が 示 され,「財 政 投. 融 資 二 、一 〇 〇 億 円 の 増額 」⑳ が はか られ,財 政 出動 を 通 じた 景 気 対 策 が 実 施 され る こ と に な っ た。 歳 入 不 足 を 補 うた め とい う位 置 づ けか ら,そ の 性. ⑲. 大 蔵 省 財 政 史 室 編 『昭 和 財 政 史 一 昭 和27∼48年 度 一 (東洋 経 済 新 報 社,1996年)7頁. ⑳. 第4巻. 。. 内 野 達 郎 『戦 後 日本 経 済 史』(講 談 社,1988年)199頁 一96一. 。. 予 算(2)』.
(25) 公共 投 資 の一 手段 と して の 公 的住 宅 建設. 表5-1-1公. 的 住 宅 建 設 戸 数(1965・66年. 度). (単位:戸). 公営住宅 年度. 公庫住宅. 公団住宅. 当初計画 補 正 ・財 増加率 当初計画 補 正 ・財 増 加率 当初計画 補 正 。財 増加率 投追加後 投追加後. 投追 加 後. 1965. 65,000. 0. 0.0%. 137,000. 37,000 27.0%. 1966. 72,000. 0. 0.0%. 174,000. 0. 0.0%. 40,000. 32.5%. 13,000. 53,000. 0. 0.0%. 注:「 増 加 率 」 とは,建 設 戸 数 の 当 初 計 画 に 対 す る 補正 ・財 投 追 加 後 の増 加 率 の こ と で あ る。. 格 は 抑 制 され た もの で あ っ た もの の,1965年. 度 の 補 正 予 算 第3号. にお い. て,特 例 国 債 が 発 行 され る こ と とな っ た。 これ は,戦 後 初 め て の こ と で あ った が,こ の こ と に よ って 国民 経 済 を コ ン トロ ー ルす る主 な手 段 が,金 融 か ら財 政 へ と大 き く転 換 す る こ と に な っ た。 な お,1965年 ら,第4節. 度 に お い て 一 般 会 計 の 歳 出 拡 大 は 抑 制 的 で あ った こ とか. に お い て は この 年 度 を対 象 に は含 め な か っ た が,66年 度 と継. 続 す る景 気 対 策 は実 施 され て い た こ とか ら,こ の 年 度 も対 象 に追 加 す る。 さて,戦 後 初 めて 財 政 支 出の 拡 大 に よ る景 気 対 策 が 行 わ れ た の が この 時 期 で あ るが,公 的 住 宅 建 設 の 状 況 は どの よ うな もの だ った の で あ ろ うか。 1965と66年 度 の公 的住 宅 建 設 の 状 況 を表 した もの が 表5-1-1で. あ る。 こ. の 表 か ら まず 伺 え る こ と は,公 営 住 宅 の 建 設 戸 数 は 増 加 して い な い とい う こ とで あ る。 これ は,特 例 公 債 が 発 行 され た に して も,そ れ を歳 出拡 大 に 向 け る とい う考 え 方 を 採 用 す る には 至 って お らず,国 費 を必 要 とす る公営 住 宅 の 建設 戸 数 を 増 加 させ る こ とは で き な か った か らで あ る。 この た め,供 給 増 の 対 象 と して 選 ば れ た の は住 宅 金 融 公 庫 と 日本 住 宅 公 団 で あ った が,両 者 を 比較 して み れ ば,確 か に建 設 戸 数 の実 数 で は住 宅 金 融 公庫 の方 が増 加 して い るが,建 設 戸 数 の伸 び率 に つ い て は,日 本 住 宅 公 団 の方 が 多 か った の で あ る。 更 に,事 業 費 の増 額 に つ い て は,住 宅 金 融 公 庫 が92,684百 万 円 に19,006百 万 呼D上 乗 せ さ れ た の に対 し,日 本 住 宅 公 団 一97一.
(26) 近 畿大学法学. 第55巻第1号. は74,915百 万 円 か ら31,000百 万 円 ⑳ 増 額 さ れ て い る。 よ っ て,少 な くと も 統 計 的 な数 値 を基 に す る 限 りで は,「公 団優 先 仮 説 」は妥 当 して い る よ うで あ る。 少 な く と も住 宅 投 資 が景 気 対 策 の一 環 と して用 い られ る よ うに な っ た 当初 の段 階 に お い て は,日 本 住 宅 公 団 が その 中心 的 な事 業 主 体 と して 位 置 づ け られ て い た とい え る。 この よ うに,日 本 住 宅 公 団 の建 設 を通 じて 公 共 投 資 の 拡 大 が 図 られ た と い う こ とは,公 的 住 宅 建 設 に 対 す る 制 約 が,ま だ そ れ 程 強 い も の で は な か った と考 え る こ とが で き よ う。 だが,こ の 時 期 に その 萌 芽 は芽 生 え 始 め て お り,公 的住 宅 建 設 の促 進 を図 る た めの 制 度 の 改 革 や 改 善 措 置 が 講 じ ら れ て い る。 まず,三 本 柱 全 体 に関 わ る制 度 改 革 と して は,1966年6月. の住宅建設計. 画 法 の制 定 を挙 げ る こ とが で き よ う。1965と66年 度 にお いて,財 政 支 出 の 拡 大 を通 じた景 気 対 策 が 行 わ れ る よ う にな った こ と は既 述 の 通 りだ が,こ の政 策 の 効 果 を高 め る た め に は,国 民 経 済 に 占め る財 政 支 出 の 比 率 を 高 く す る こ とが 必 要 で あ っ た。 い く ら財 政 支 出 を 増 大 しよ う と も,国 民 経 済 に 占 め る比 率 が 低 くて は,そ れ を コ ン トロー ル す る こ と は難 しい 。 そ こで, 国 民 経 済 に 占 め る財 政 支 出の 比 率 を 高 め るた め に公 共 投 資 を 計 画 的 に増 加 して い くこ とが 考 え られ た 。 当 時 旧大 蔵 省 主 計 局 主 計 官 で あ った 長 岡 実 に よれ ば,「こ の よ うな財 政 主 導 型 の経 済 運 営 を 行 な う た め に は,先 ず 財 政 規 模 自体 が 国 民 経 済 の 中で 相 当 な 大 き さを 占め る必 要 が あ り,内 容 的 に も需 要 誘 発 効 果 の 大 き い投 資 的 な 経 費 を重 点 的 に増 額 す る必 要 が あ る」㈱ とい うの で あ る。 ⑳. 住 宅 金 融 公 庫 編 『住 宅 金 融 公 庫50年 史. 資 料編 』(住 宅 金 融 普 及 会,2000年). 40頁 。 ⑳. 深 堀 順 久 「日本 住 宅 公 団 の 昭 和41事 業 年 度 計 画(宅 地 部 門 を 除 く)に つ い て」 (『住 宅 』,1966年4月. ㈱. 長岡. 号)33頁. 。. 実 「新 ら しい 予 算 と住 宅 政 策」(『住宅 』,1966年4月 一98一. 号)9頁. 。.
(27) 公共投資 の一手段 と して の公的住宅建設 そ して,1965年. 度 に お い て公 共 投 資 拡 大 の 一 手 段 と して 位 置 づ け られ る. よ うに な って い た住 宅 投 資 もま た,計 画 的 にそ の 額 を 増 額 す る こ とが 求 め られ る よ うに な った。 住 宅 投 資 を 公 共 投 資 の 一 つ と して 位 置 づ け,そ れ を 計 画 的 に増 額 させ て い くた めの 制 度 と して,住 宅 建 設 計 画 法 が 制 定 され た の で あ る。 この 結 果,予 算 の 歳 出 区 分 に お い て 「住 宅 対 策 費」 は,1965年 度 まで は 「主(重)要. 経 費 別分 類 」 に お いて 独 立 した事 項 とされ て いた が,. 1966年 度 か ら は 「公 共 事 業 関 係 費」 の 一 つ と して 位 置 づ け られ る よ う に な った 。 更 に,こ の 住 宅 建 設 計 画 法 の制 定 は,公 営 住 宅 の建 設 に つ い て 中央 政 府 の統 制 を 強 め る もの で あ った。 同法 の枠 組 み で は,広 域 性 の高 い順 に 「住 宅 建 設 五 箇年 計 画 」,「地 方 住 宅 建 設 五 箇 年 計 画 等 」 及 び 「都 道 府 県 住 宅 建 設 五 箇 年 計 画 」 の三 つ の計 画 が策 定 され る こ と と され て い た。 こ の う ち, 都 道 府 県 住 宅 建 設 五 箇 年 計 画 につ い て は,都 道 府 県 が,建 設 大 臣が 策 定 す る地 方 住 宅 建 設 五 箇 年 計 画 等 の通 知 を受 けて 策 定 す る もの で あ り,そ こ に は,「 公 営 住 宅 そ の他 地 方 公 共 団体 が 建 設 す る住 宅 及 び地 方 公 共 団 体 の 補 助 金,貸 付 金 等 の財 政 援 助 に係 る住 宅 につ い て は,そ の 建 設 の 事 業 の 量 を 明 らか に しな け れ ば な らな い」(住 宅 建 設 計 画 法 第6条 第2項)と. 規定さ. れ て い たの で あ る。 よ って,こ の 法 律 の 制 定 に よ り,都 道 府 県 は 公 営 住 宅 の 供給 に つ い て よ り重 い 責 任 を 負 わ さ れ る こ と に な った と言 え る。 公 営 住 宅 の 供 給 につ い て,「 県 は,公 営 住 宅 の建 設 を指 導 す る国 と,公 営住 宅 建設 が 困難 な状 況 に あ る市 町 村 との 間 に あ って,い わ ば 『板 ば さみ』状 態 に あ る」⑳ とさ れ て い るが,そ れ に は こ う した 制 度 的 要 因 が 働 い て い た の で あ る。 次 に 公 団 住 宅 の 隆路 に つ い て で あ る が,当 時公 団 は既 に,一 つ の制 約 で ⑳. 前 掲,『 政 策 実 施 過 程 に お け る負 担 と関与 の 在 り方 に 関 す る調 査 研 究結 果 報 告 書 』,38頁 。 一99一.
(28) 近畿大学法学. 第55巻第1号. あ る い わ ゆ る 「団地 お断 り」 に見 舞 われ て い た。 団 地 が 開 発 され,そ. こに. 実 際 に人 が居 住 す る た め に は,団 地 と幹 線 道 路 と を結 ぶ 接 続 道 路,駅 前 の バ ス タ ー ミナ ル,学 校,上 下 水 道 な ど様 々 な施 設 を整 備 す る こ とが 必 要 で あ る が,そ の多 くは,団 地 を受 け入 れ る地 方 政 府 の負 担 に よ って 行 わ れ な け れ ば な らな か った。 更 に,発 足 当初 の 日本 住 宅 公 団 は,賃 貸 住 宅 供 給 を 主 な任 務 と して い た こ とが,公 団 の賃 貸 住 宅 へ の入 居 者 は,決. して 高 い所. 得 階層 に は属 して い な か った。 こ の た め,地 方 政 府 と して は,団 地 開 発 に 伴 う施 設 整 備 の費 用 だ け を 負担 させ られ る一 方 で,新. た な住 民 か らの税 収. 増 は そ れ程 期 待 す る こ とが で き な か っ た の で あ る。 こ う した こ とか ら,1960年 代 初 頭 に な る と,大 都 市 圏 のベ ッ ドタ ウ ンに 位 置 し,日 本 住 宅 公 団 の大 規 模 開 発 が 行 わ れ て いた 地 方 政 府 か ら,「団 地 お 断 り」 の姿 勢 が示 さ れ始 め て い た。 まず,1963年. に 「公 団 と して は依 存 度. の 高 い 千 葉 県 知 事 か ら要 望 書 の 提 出 が」⑳ な され た。 更 に,1965年 崎市 が,1967年. に は川. に は川 西 市 が,そ れ ぞ れ,「 団 地 造 成 事 業 施 行 基 準 」 と 「住. 宅 地 造 成 事 業 に 関 す る指 導 要 綱 」 と呼 ば れ る,い わ ゆ る宅 地 開 発 指 導 要 綱 を策 定 して い た。 こ う した状 況 に お い て,既 に1956年8月. に は,旧 大 蔵 省,旧 文 部 省,旧. 建 設 省 及 び 旧 自治 庁 の 間 で い わ ゆ る 「四省 協 定 」 が締 結 さ れ て い た。 これ は,「 公 団 住 宅 の 建 設 に伴 い増 加 す る児 童 ・生 徒 を 収 容 す るた め の 学 校 は, 市 町 村 が 建 設 す る建 前 で あ る が,児 童 ・生 徒 が 一 時 に急 激 に増 加 し,か つ,地 元 市 町村 の財 政 が窮 乏 して い る場 合 に は,公 団 は 関係 地 方 公 共 団体 の 要請 を受 け て,公 団 の 資金 を使 用 して学 校 施 設 の建 設 を行 うこ と が で き る とい う もの で あ った」㈱。. ⑮ ㈱. 『日本 住 宅 公 団10年 史』,242ペ ー ジ。 日本 住宅 公 団20年 史刊 行 委 員 会 編 『日本 住 宅 公 団 史 』(日本 住 宅 公 団,1981年) 369頁 。 一100一.
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